JP2901460B2 - 雨量情報表示方法、雨量情報表示端末装置、雨量情報報知システム - Google Patents

雨量情報表示方法、雨量情報表示端末装置、雨量情報報知システム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、雨量情報の表示方法及
び雨量情報表示端末装置に係わり、とくに天気予報、気
象情報システム、河川情報システム、下水道における雨
量レーダ情報システム等において、レーダ雨量計、各地
点に点在する地上雨量計にて観測された情報を収集し、
地図情報と共に表示するための雨量情報表示方法及び雨
量情報表示端末装置に雨量情報報知システム、下水道シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】雨量レーダや気象庁のアメダス等のよう
な気象システムの端末側では、収集した雨量情報を地図
情報と合わせてCRT等に表示する。この表示に際して
は、地図情報の上に雨量情報を重ねてメッシュ状に色表
示し、かつ雨量情報の大きさに応じてその色を変えるこ
とでどの程度の降雨かを表すという方法が用いられてい
る。しかしこの方法では、雨量情報を表示することによ
って、地図情報が塗り潰されてしまい見えなくなってし
まう場合がある。とくに、降雨域の範囲が広い場合に
は、どこにどの程度の雨量があるかの地図情報との対応
付けが困難となる。上記の対策方法として、CRT等の
図形表示装置にこれらを表示させる際、図7に示すよう
に、降雨域を全部塗りつぶさないようにメッシュ間に隙
間を設けて表示するものがある。こうすると、隙間の部
分に地図情報が見えるから、地形図との対応が可能にな
る。あるいは雨量情報を色表示した後に、地図情報を再
描画することによって、地図情報を見えるようにする方
法もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の、メッシュ間に
隙間を設けて塗りつぶす方法では、地形図がまだ読みに
くい。また雨量情報を表示した後に地図情報を再描画す
る方法では、雨量情報をリフレッシュする度に再描画し
なければならず、表示に時間がかかるばかりでなく、本
来固定部であるはずの地図情報を描画し直すのは見た目
に不快である。また、メッシュ状に色表示された雨量情
報を記録に残すため、表示されたCRT画面等の図形表
示装置のハードコピーを取ろうとした場合、通常、カラ
ーハードコピーの表現できる色数に制限があるため、雨
量情報の表示に用いられている色をすべてカラーハード
コピー出力できるとは限らず、正しい情報の記録ができ
なくなるという問題がある。さらに、従来の方法では、
全ての雨量観測点の雨量を表示している画面から、強雨
域、たとえば「30mm以上の強雨域」のみを表示したい
場合、「30mm未満」の雨量を表示しているエリアのメ
ッシュ表示の消去と、地形図情報の再描画が必要にな
り、表示切り換えに時間を要するという問題もある。
【0004】本発明の目的は、雨量表示をした場合で
も、地形図が見やすく、ハードコピーを取った際の情報
の表現能力が低下しないようにし、かつ、強雨域のみの
表示といったような、特定のデータ範囲の雨域表示が容
易にできる雨量情報表示方法及び雨量情報表示端末装
置、雨量情報報知システム、下水道システムを提供する
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、雨量情報
をその表示する地域の地形図が読み取れるように網かけ
または斜線群を施して表示し、かつ雨量情報に応じて上
記網かけまたは斜線群の形態を変えて表示することによ
り達成され、また、上記網かけまたは斜線群の形態によ
り区別される雨量情報毎にその表示用データを生成する
表示用データ生成手段を設け、該手段により生成された
表示用データの内、指定されたものだけを選択して表示
することにより達成される。
【0006】
【作用】雨量や降雨強度の大きさ応じて網かけ、斜線群
等の表示パターンを指定して表示するから、色表示によ
る塗りつぶしと異なり、地図情報の視認性が向上する。
また、印刷手段の表示可能な色の数が少ないときでも、
表示パターンによって雨量や降雨強度を表現しているた
めに、容易にハードコピーをとることができる。さら
に、雨量や降雨強度の大きさ毎に別の表示用データを作
成するから、これらのデータ毎に表示、非表示をマンマ
シンインターフェース等から指定する機能を持つことに
よって、容易に特定の降雨強度または雨量の観測された
エリアのみの表示と、全エリア表示との切り換えが可能
となる。
【0007】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。図2は、レーダ雨量計にて計測した雨量情報を雨量
情報端末に表示する雨量情報システムの全体構成であ
る。レーダサイト20は通常、山頂や高いビルの上など
の遮蔽物の影響を受けにくい所に設置される。センター
局25では、レーダサイトからリアルタイムで送られて
くる雨量情報を中央処理装置にて受信、信号処理、デー
タ処理し、雨量情報端末215、215Aに地図情報と
共に表示する。ただし雨量情報端末215はセンター局
25内に設置されたものであり、雨量情報端末215A
は通信回線214を経由して接続された端末局213に
遠隔設置されたものである。
【0008】レーダサイト20では、レ−ダ装置21は
発射したレーダビームの雨滴による反射波(エコー)を
受信し、その受信電力量Prを通信処理装置22にて、
専用回線あるいは公衆回線等の通信回線23を経由して
センター局25の中央処理装置24に送信する。中央処
理装置24では、通信処理装置26が送信されてきた受
信電力Prを受信し、レーダ信号処理装置27にて降雨
強度Rrに変換する。このデータは、雨量情報管理処理
28にて、降雨データ瞬時値ファイル211に格納され
るとともに、定期的に長期ファイル212に保存され、
来歴データの雨量情報端末215、215Aでの表示を
可能とする。雨量情報管理処理28は、瞬時値ファイル
211や長期ファイル212の管理とともに、中央処理
装置24に直結した雨量情報端末215や、配信処理2
10を経由して端末局213に設置した雨量情報端末2
15Aへ、表示すべき瞬時または来歴の雨量情報また
は、それらを演算加工した情報を必要に応じて送信する
機能を有する。公衆回線、専用回線等の演算処理216
は、瞬時または来歴の雨量情報を用いて、例えば、降り
始めからの雨量等の情報に加工する機能を有する。端末
制御処理29は、中央処理装置に直結した雨量情報端末
215とのデータ送受信を制御するものである。
【0009】図3は、本実施例における雨量情報端末2
15,215Aのハードウェア構成を示したもので、C
PU31、主記憶装置32、ハードディスクあるいは光
磁気ディスク等の補助記憶装置33、通信インターフェ
ース34、CRTを用いた図形表示装置35、マンマシ
ンインターフェース用のキーボード36、同じくマンマ
シンインターフェース用ポインティングデバイスたるマ
ウス37、図形表示装置35に表示されている内容をプ
リントアウトするためのハードコピー装置38、および
図形表示装置35とハードコピー装置39を接続するた
めのインターフェース39から成っている。通信インタ
ーフェース34は、センター局25に設置した雨量情報
端末215の場合、中央処理装置24から送られてくる
降雨強度、雨量等の情報を受信し、また雨量情報端末2
15から中央処理装置24に対する要求を送信するため
のものであり、端末局213設置の雨量情報端末215
Aの場合、通信回線214を経由してセンター局設置の
場合と同様の情報を、中央処理装置24との間で送受信
するためのインターフェースとなる。
【0010】図1は、雨量情報端末215または215
Aの内部処理をブロック図で示したものである。降雨デ
ータ受信部11は、通信インターフェース34を通じ
て、降雨強度、雨量等の雨量情報を受信し、主記憶装置
32内の雨量データ一時保存ファイル12に格納する。
送られてくる雨量情報は、来歴情報のように、雨量端末
側から要求によって送られてくるものと、瞬時値情報の
ように、一定周期で送信されてくるものがあり、それぞ
れのデータ種別毎に格納エリアを持つものとする。後者
の情報の場合、雨量データ一時保存ファイルは周期的に
更新される。一方、操作入力部17は、キーボード3
6、マウス37といったマンマシンインターフェースよ
り入力した、オペレータからの要求を受け付ける。オペ
レータからの要求としては、画面表示内容の指定等があ
る。受け付けた入力のうち、表示すべき地図情報(図面
番号、表示内容等)に関するものは、図形検索部19に
渡されて、図形ファイル15より対応する地図情報が検
索される。また、属性(たとえば、下水道管渠の管径、
長さ、布設時期等の設備に関する情報)に関するもの
は、表示属性検索部18に渡され、属性ファイル16よ
り対応する属性情報が検索される。図形検索部19から
雨量情報表示編集部13に対しては、表示すべき地形図
の図面番号等の表示場所に関する情報が渡される。雨量
情報表示編集部13では、雨量データ一時保存ファイル
12の雨量情報を図形検索部19から渡された情報に従
って、表示用階層データに展開する。この際、雨量情報
表示パターン記憶部14に記憶されている降雨強度、雨
量等の雨量情報の大小と、表示パターン、表示色、表示
階層との対応表から、表示パターン、表示色、表示階層
を決定して、表示用階層データ102に編集する。同様
に、地図情報は図形編集部100にて、属性データに関
しては表示属性編集部101にて、表示用階層データ1
02に展開する。一方、表示階層の決定に際して、マン
マシンインターフェースから操作入力部17を通じて入
力された要求のうち表示階層選択に関するものは、表示
階層選択部103に渡される。この渡された情報にした
がって表示用階層データ102に展開された表示情報の
内から必要な階層のデータが表示階層決定部103にて
選択される。たとえば、「降雨強度30mm以上の降雨
域を表示する」という要求は、表示階層選択指示として
本手順で渡され、表示階層決定部103にて、降雨強度
30mm未満の降雨強度を格納した階層を今回の表示階
層から除くことにて実現できる。表示階層決定部103
にて選択された表示用階層データは、表示演算部104
に渡され、各階層の重ね合わせ処理を行い、図形表示装
置35に出力される。表示画面105は、図形表示装置
35に表示された雨量情報表示画面の例である。
【0011】図4は、雨量情報表示編集部13の概略処
理を示すフローチャートで、図5は、雨量情報表示パタ
ーン記憶部14の降雨強度に対応するものである。図4
の処理41では、図形検索部19より渡された表示すべ
き地形図の図面番号等にしたがって、表示領域を算出
し、処理42でこれに対応した雨量データを、雨量デー
タ一時保存ファイル12より取り出す。通常、雨量レー
ダからの雨量情報は、250m、500m等の正方形領
域毎に1つの観測データを持ち、全観測エリアを網羅し
ているから、それから今回表示する範囲に含まれている
データのみを選択することになる。次に選択した雨量デ
ータ全てについて処理43にしたがって、処理44、4
5実行する。処理44では、表示座標を決定し、処理4
5にて、図5に示す対応表を参照して、降雨強度等の雨
量情報の値にしたがって、表示パターン、表示色、表示
階層を決定する。ここで、表示パターンとしては、網か
け、斜線等の地図情報と重ね合わせた時に、地図情報が
見えにくくならないものを選んでいる。従って、雨量情
報を重ねて表示したとき、地図情報を容易に読み取るこ
とができ、地図情報の再描画などを必要としない。図8
はその表示例であり、地図情報と降雨量情報とがともに
容易に読み取れることを示している。また、網かけ、斜
線などの表示色は同じでも降雨量情報は十分表せるか
ら、ハードコピーをとるのも容易になる。
【0012】図6は、表示用階層データの構成を模式的
に示したものである。地形図、属性情報を格納する階層
と、雨量情報(本例では降雨強度)を格納する階層を別
階層として、さらに、雨量情報の階層を、図5に定義さ
れている降雨強度の大きさに応じて別階層として分離し
ている。このため、操作入力部17より、特定の降雨強
度範囲のみを表示する要求を受け付けた場合、表示階層
決定部103が、範囲外の降雨強度を表示する階層を選
択しないことによって対応でき、一旦表示した画面から
不要な部分を除去するといった処理は不要で、表示時間
の大幅な短縮が可能である。
【0013】本実施例は、天気予報、気象情報システ
ム、河川情報システム、下水道における雨量レーダ情報
システム等に広汎に使用できるが、特に都市部の下水道
システムに採用した場合、特別の利点がある。即ち、都
市部では、舗装率が向上し雨水が下水道配管に急激に流
れ込む。この結果、下水道処理場にも予想できない程の
急激な水量変化が起こり、緊急対策が必要となる。こう
した下水道システムにおいて、本実施例を採用すること
で雨水の流入予測や各種ポンプ運転の基礎データとして
利用できる。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、雨量の表示が、色の塗
つぶしではなく、網かけ、斜線といったパターンを地図
情報に重層させているため、雨量表示によって地図情報
が消されることなく、視認性が良い。また、パターン表
示のため、図形表示装置よりも表現色数の少ないハード
コピー装置を接続した場合でも、雨量情報のハードコピ
ー印刷が可能である。また、雨量表示の際、表示するデ
ータの大きさによって異なる階層に書き込むため、強雨
域のみの表示をさせたい場合などの、特定範囲の雨量情
報のみを表示させたい場合にも高速に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の雨量情報端末の一実施例を示すブロッ
ク図である。
【図2】レーダ雨量情報システムの全体構成例を示す図
である。
【図3】雨量情報端末のハードウェア構成例を示す図で
ある。
【図4】雨量情報編集部の概略処理を示すフローチャー
トである。
【図5】雨量情報表示パターンの例を示す図である。
【図6】図形表示装置表示用階層データの構成例を示す
図である。
【図7】従来の雨量情報表示方法の例である。
【図8】本方式の雨量情報表示方法の例である。
【符号の説明】
12 雨量データ一時保存ファイル 13 雨量情報表示編集部 14 雨量情報表示編集部 15 図形ファイル 16 属性ファイル 17 操作入力部 18 表示属性検索部 19 図形検索部 100 図形編集部 101 表示属性編集部 102 表示用階層データ 103 表示階層決定部 104 表示演算部 215 雨量情報端末 215A 雨量情報端末
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−42086(JP,A) 特開 平4−42087(JP,A) 特開 平3−150971(JP,A) 特開 平3−1281(JP,A) 特開 平2−141692(JP,A) 特開 平4−42087(JP,A) 特開 平1−187589(JP,A) 特開 昭61−137091(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01W 1/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雨量情報をその表示する地域の地形図が
    読み取れるように網かけまたは斜線群を施して表示し、
    かつ雨量情報に応じて上記網かけまたは斜線群の形態も
    しくは形態と色を変えて表示する雨量情報表示方法にお
    いて、 前記網かけまたは斜線群の形態及び色により区別される
    雨量情報毎にその表示用データを生成する表示用データ
    生成手段を設け、該手段により生成された表示用データ
    の内、指定されたものだけを選択して表示することを特
    徴とする雨量情報表示方法。
  2. 【請求項2】 地図情報と地図で表される地域または地
    点にある設備を含む表示属性情報とを格納した地図デー
    タファイルと、測定された雨量情報を保存する雨量情報
    ファイルと、雨量情報の段階的大きさ毎に定められた網
    かけまたは斜線群の形態を示す表示パターンを記憶した
    表示パターン記憶手段と、雨量情報を表示する地域が与
    えられたときに当該地域の図形情報及び表示属性情報を
    上記地図データファイルから読みだし、当該地域の雨量
    情報を上記雨量情報ファイルから読みだし、さらに該読
    みだした雨量情報に対応する網かけまたは斜線群のパタ
    ーンを上記表示パターン記憶手段から読みだしてこれら
    読みだした情報を合成して表示用データを生成する編集
    手段と、この編集結果を表示する表示部とを備えたこと
    を特徴とする雨量情報表示端末装置。
  3. 【請求項3】 表示用データ選択手段を設け、前記編集
    手段は、異なる表示パターンで表示される雨量情報毎の
    表示用データを生成し、該生成された表示用データの内
    のどの雨量情報に対応するものを表示するかを上記表示
    用データ選択手段により選択して表示部に表示させる機
    能を設けたことを特徴とする請求項2に記載の雨量情報
    表示端末装置。
  4. 【請求項4】 降雨状況を測定する測定系と、この測定
    系で測定されたデータを処理して雨量データとして出力
    する中央処理部と、中央処理部から送られる雨量データ
    を受信し表示する複数の雨量情報表示端末装置とより成
    ると共に、該端末装置は、地図情報と地図で表される地
    域または地点にある設備を含む表示属性情報とを格納し
    た地図データファイルと、測定された雨量情報を保存す
    る雨量情報ファイルと、雨量情報の段階的大きさ毎に定
    められた網かけまたは斜線群の形態を示す表示パターン
    を記憶した表示パターン記憶手段と、雨量情報を表示す
    る地域が与えられたときに当該地域の図形情報及び表示
    属性情報を上記地図データファイルから読みだし、当該
    地域の雨量情報を上記雨量情報ファイルから読みだし、
    さらに該読みだした雨量情報に対応する網かけまたは斜
    線群のパターンを上記表示パターン記憶手段から読みだ
    してこれら読みだした情報を合成して表示用データを生
    成する編集手段と、この編集結果を表示する表示部とを
    備えたことを特徴とする雨量情報報知システム。
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