JP2900703B2 - 狭帯域レーザ装置 - Google Patents

狭帯域レーザ装置

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JP2900703B2 JP12966492A JP12966492A JP2900703B2 JP 2900703 B2 JP2900703 B2 JP 2900703B2 JP 12966492 A JP12966492 A JP 12966492A JP 12966492 A JP12966492 A JP 12966492A JP 2900703 B2 JP2900703 B2 JP 2900703B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は狭帯域レーザ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の狭帯域レーザ装置については、1
984年、7月発行の「カナディアン・ジャーナル・オ
ブ・フィジックス」(CANADIAN JOUNAL OF PHYSICS)第
63巻、214頁から219頁に掲載されている文献に
詳細に記述されている。この文献に記載されている従来
の狭帯域エキシマレーザ装置を図6に示す。
【0003】この狭帯域レーザ装置は、レーザ光が励起
されるレーザ媒質2、レーザ光を狭帯域化するための分
散素子9、レーザ光を発振させるための出射鏡1と全反
射鏡3からなる共振器、第1のアパーチャ10、第2の
アパーチャ11を有しており図示のごとく配置してい
る。
【0004】この狭帯域レーザにおいては、レーザ媒質
2中で励起されたレーザ光が、分散素子9に入射するこ
とにより分散され、全反射鏡3により折り返され再び分
散素子9、レーザ媒質2を通過し、出射鏡1よりレーザ
光が出射する。ここで共振器内に、第1のアパーチャ1
0と第2のアパーチャ11が挿入されているので、分散
素子9により分散されたレーザ光の不要な成分が取り除
かれ、スペクトル幅の狭いレーザ光を得ることができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の狭帯
域レーザ装置においては、気圧や気温の変化による雰囲
気の屈折率変動により、狭帯域レーザの中心波長がずれ
るという欠点があった。例えば、波長の248.3nm
のKrFエキシマレーザ、雰囲気が空気の場合、気圧1
Torrの変化に対し8.9×10-2pm、気温1゜C
の変化に対し−0.23pm変化する。このため、従来
の狭帯域レーザ装置の波長を安定化するためには、中心
波長を常時モニターし、分散素子の精密な制御が必要で
あった。
【0006】本発明の目的は、複雑な装置を必要とする
ことなく、雰囲気の屈折率変動による狭帯域レーザ光の
中心波長のずれを従来の狭帯域レーザ装置に対し1/1
0以下に抑制し、狭帯域レーザ光の波長の安定化を図る
ことの出来る狭帯域レーザ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の狭帯域レ
ーザ装置では、レーザ光を狭帯域化するための分散素子
として、第1の回折格子を有する狭帯域レーザ装置であ
って、前記第1の回折格子に対し、次式で表される第2
の回折格子を配置したことを特徴とする。 0.9≦(m2・d1・cosβ1)/(m1・d2・cosα2)≦1.1 但し、d1:第1の回折格子の溝間隔、 β1:第1の回
折格子におけるレーザ光回折角、 m1:第1の回折格
子における回折光次数、 d2:第2の回折格子の溝間
隔、 α2:第2の回折格子におけるレーザ光入射角、
2:第2の回折格子における回折光次数
【0008】本発明の第2の狭帯域レーザ装置は、レー
ザ光を狭帯域化するための分散素子として、リトロー型
回折格子を有する狭帯域レーザ装置であって、出射鏡及
び前記リトロー型回折格子からなる共振器内に、次式で
表す回折格子を配置したことを特徴とする。 0.9≦(2・m2・d1・cosα)/(m1・d2・cosβ)≦1.1 但し、d1:リトロー型回折格子の溝間隔、 α:リト
ロー型回折格子におけるレーザ光入射角、 m1:リト
ロー型回折格子における回折光次数、 d2:回折格子
の溝間隔、 β:回折格子における回折角、 m2:回
折格子における回折光次数
【0009】本発明の第3の狭帯域レーザ装置は、レー
ザ光を狭帯域化するための分散素子として、リトロー型
回折格子を有する狭帯域レーザ装置であって、出射鏡及
び前記リトロー型回折格子からなる共振器内に、次式で
表す複数個のプリズムを配置したことを特徴とする。 0.9≦{4・N・n0・d1・sin(a/2)・cosα}/{m1・λ・ cos((γ+a)/2)}≦1.1 但し、d1:リトロー型回折格子の溝間隔、 α:リト
ロー型回折格子におけるレーザ光入射角、 λ:レーザ
光の波長、 m1:リトロー型回折格子における回折光
次数、 a:プリズムの頂角、 n0:プリズムの波長
λに対する屈折率、 N:プリズムの個数、 γ:プリ
ズムにおける入射光線と出射光線のなす角 γ=2・sin-1(n0・sin(a/2))−a
【0010】本発明の第4の狭帯域レーザ装置は、レー
ザ光を狭帯域化するための分散素子として、エアギャッ
プエタロンを有する狭帯域レーザ装置であって、前記エ
アギャップエタロンの両側に次式で表す2N個のプリズ
ムをN個ずつ配置したことを特徴とする 0.9≦{2・N・n0・sin(a/2)・tanδ}/{n・cos(( γ+a)/2)}≦1.1 但し、n:雰囲気の屈折率、 N:エタロン片側に配置
されたプリズムの個数、 a:プリズムの頂角、
0:プリズムの波長λに対する屈折率、 γ:プリズ
ムにおける入射光線と出射光線のなす角 γ=2・sin-1(n0・sin(a/2))−a δ:レーザ光のエタロンへの入射角
【0011】本発明の第5の狭帯域レーザ装置は、レー
ザ光を狭帯域化するための分散素子として、エアギャッ
プエタロンを有する狭帯域レーザ装置であって、前記エ
アギャップエタロンの両側に次式で表す回折格子を配置
したことを特徴とする。 0.9≦(m1・λ・tanδ)/(n・d1・cosβ1)≦1.1 但し、λ:レーザ光の波長、 n:雰囲気の屈折率、
δ:レーザ光のエタロンへの入射角、 d1:回折格子
の溝数、 m1:回折光の次数、 β1:レーザ光回折角
【0012】
【作用】本発明の第1及び第2の狭帯域レーザにおいて
は、用いる2つの回折格子の雰囲気の屈折率変動にたい
する角度分散の差が1/10以下であるので、波長変動
を従来の狭帯域レーザに対して1/10以下にでき、複
雑な装置を必要とすることなく、波長の安定化を図るこ
とが出来る。
【0013】本発明の第3の狭帯域レーザ光において
は、N個のプリズムとリトロー型回折格子の雰囲気の屈
折率変動にたいする角度分散の差が1/10以下である
ので、波長変動を従来の狭帯域レーザに対して1/10
以下にでき、複雑な装置を必要とすることなく、波長の
安定化を図ることが出来る。
【0014】本発明の第4の狭帯域レーザ光において
は、N個のプリズムとエアギャップエタロンの雰囲気の
屈折率変動にたいする角度分散の差が1/10以下であ
るので、波長変動を従来の狭帯域レーザに対して1/1
0以下にでき、複雑な装置を必要とすることなく、波長
の安定化を図ることが出来る。
【0015】本発明の第5の狭帯域レーザ光において
は、回折格子とエアギャップエタロンの雰囲気の屈折率
変動にたいする角度分散の差が1/10以下であるの
で、波長変動を従来の狭帯域レーザに対して1/10以
下にでき、複雑な装置を必要とすることなく、波長の安
定化を図ることが出来る。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0017】図1は、請求項1に記載の発明(以下第1
の発明)の狭帯域レーザ装置の一実施例である。
【0018】図2は、請求項2に記載の発明(以下第2
の発明)の狭帯域レーザ装置の一実施例である。
【0019】図3は、請求項3に記載の発明(以下第3
の発明)の狭帯域レーザ装置の一実施例である。
【0020】図4は、請求項4に記載の発明(以下第4
の発明)の狭帯域レーザ装置の一実施例である。
【0021】図5は、請求項5に記載の発明(以下第5
の発明)の狭帯域レーザ装置の一実施例である。
【0022】図1に示した第1の発明を用いた狭帯域レ
ーザ装置は、レーザ光が励起されるレーザ媒質2と、レ
ーザ光を発振させるための出射鏡1、全反射鏡2、レー
ザ光を狭帯域化するための第1の回折格子4と次式で表
される第2の回折格子5を有しており、図示のごとく配
置している。 (m2・d1・cosβ1)/(m1・d2・cosα2)=1 ・・・(1) 但し、 d1:第1の回折格子の溝間隔、 α1:第1の回折格子
におけるレーザ光入射角、 β1:第1の回折格子にお
けるレーザ光回折角、 m1:第1の回折格子における
回折光次数、 d2:第2の回折格子の溝間隔、 α2:
第2の回折格子におけるレーザ光入射角、 β2:第2
の回折格子におけるレーザ光回折角、 m2:第2の回
折格子における回折光次数
【0023】ところで、角度β1,α2の空気の屈折率
変動による変化Δβ1、Δα2は、Δβ1=m1・λ/
d1・1/(−n2)/cos(β1)・Δn (2)
Δα2=m2・λ/d2・1/(−n2)/cos(α
2)・Δn (3)と表される。なお、nは空気の屈折
率を、Δnは屈折率変動を表わしている。ここで、Δβ
1=Δα2を満たす場合に、空気の屈折率の変動に関係
なく発振波長はλとなる。式(2),(3)を用いてΔ
β1=Δα2を解くと式(1)が得られる。このよう
に、この第1の発明による狭帯域レーザにおいては、第
1の回折格子4と第2の回折格子5の屈折率変動による
角度分散が等しいので、屈折率が変動しても一定の波長
に対する第2の回折格子5の回折角β2 は一定であるの
で、狭帯域レーザ光の波長の安定化を図ることができ
る。
【0024】次に、第1の回折格子4の溝間隔d1 を1/
3600mm、レーザ光入射角α1 を60゜、回折光次数m1
を1、第2の回折格子5の溝間隔d2 を1/1200mm、レー
ザ光入射角α2 を48.20919432゜、回折光次数m2 を2、
雰囲気(空気)の屈折率を1.0002931701083、狭帯域レ
ーザ光の中心波長を248.3nmとした場合を考えると、第
1の回折格子4における回折角β1 は1.581141013゜、第
2の回折格子5における回折角β2は-8.617515599とな
る。ここで、屈折率が+1/248300だけ変動すると仮定す
ると、狭帯域レーザ光の中心波長にたいする第1の回折
格子4の回折角β1は -2.063×10-4゜変化するが、第2
回折格子5における入射角α2 も -2.063×10-4゜変化す
るので、狭帯域レーザ光の波長248.3nm にたいする第2
の回折格子5の回折角β2 は雰囲気の屈折率変動に関係
なく一定となり、波長の安定化を図ることができる。
【0025】図2に示した第2の発明を用いた狭帯域レ
ーザ装置は、レーザ光が励起されるレーザ媒質2、レー
ザ光を発振させるための出射鏡1、レーザ光を狭帯域化
するためのリトロー型回折格子6と次式で表される回折
格子7を有しており、図示のごとく配置している。 (2・m2・d1・cosα)/(m1・d2・cosβ)=1 ・・・(4) 但し、 d1:リトロー型回折格子の溝間隔、 α:リトロー型
回折格子におけるレーザ光入射角、 m1:リトロー回
折格子における回折光次数、 d2:回折格子の溝間
隔、 β:回折格子における回折角、 m2:回折格子
における回折光次数
【0026】ところで、空気の屈折率変動Δnによる角
度の変化Δβ、Δαは、 Δβ=m2・λ/d2・1/(−n2)/cos(β)・Δn (5) Δα=m1・λ/2/d1・1/(−n2)/cos(α)・Δn (6) と表わされる。ここで、Δβ=Δαの場合に、空気の屈
折率の変動に関係なく発振波長はλとなり、式(5),
(6)を用いてΔβ=Δαを解くと式(4)が得られ
る。このように、 この第2の発明による狭帯域レーザに
おいては、リトロー型回折格子6と回折格子7の屈折率
変動による角度分散が等しいので、屈折率が変動しても
回折格子7によりレーザ媒質2へ戻る狭帯域レーザ光の
波長は一定であるので、狭帯域レーザ光の波長の安定化
を図ることが出来る。
【0027】次に、リトロー型回折格子6の溝間隔をd
1 を1/3600mm、レーザ光入射角αを26.53913913684゜、
回折光次数m1 を1、回折格子7の溝間隔d2 を1/600m
m、回折角β を53.38610296゜、回折光次数m2 を2、雰
囲気(空気)の屈折率を1.0002931701083、狭帯域レー
ザ光の中心波長を248.3nmとした場合を考えると、雰囲
気の屈折率が+1/248300だけ変動すると、波長248.3nm
に対するリトロー型回折格子6のリトロー角は、-1.153
×10-4゜変化する。しかしながら、回折格子7の回折角
βも同様に-1.153×10-4゜変化するので、レーザ媒質2
に戻る狭帯域レーザ光の波長は、雰囲気の屈折率変動に
関係なく一定となり、波長の安定化を図ることができ
る。
【0028】図3に示した第3の発明を用いた狭帯域レ
ーザ装置は、レーザ光が励起されるレーザ媒質2、レー
ザ光を発振させるための出射鏡1、レーザ光を狭帯域化
するためのリトロー型回折格子6と次式で表されるプリ
ズム8を有しており、図示のごとく配置している。 {4・N・n0・d1・sin(a/2)・cosα}/{m1・λ・cos( (γ+a)/2)}=1 ・・・(7) 但し、 d1:リトロー型回折格子の溝間隔、 α:リトロー型
回折格子におけるレーザ光入射角、 λ:レーザ光の波
長、 m1:リトロー型回折格子における回折光次数、
a:プリズムの頂角、 n0:プリズムの波長λに対す
る屈折率、 N:1(プリズムの個数)、 γ:プリズ
ムにおける入射光線と出射光線のなす角(偏角) γ=2・sin-1(n0・sin(a/2))−a
【0029】ここで、空気の屈折率変動Δnによる偏角
γの変動Δγは、 Δγ=2・n0・sin(a/2)・(−n2)/cos((γ+a)/2)・ Δn ・・・(8) と表わされる。同じプリズムをN個用いると、偏角の変
動ΔγはN倍になる。一方、リトロー型回折格子の場合
の屈折率変化に対する角度変化量は、式(6)のように
表される。図3の構成において、空気の屈折率変化によ
る波長の変動を押さえるためには、Δγ・N=Δαとな
り、式(6),(8)を用いてこれを解くと式(7)が
得られる。このように、 この第3の発明による狭帯域レ
ーザにおいては、リトロー型回折格子6とプリズム8の
屈折率変動による角度分散が等しいので、屈折率が変動
してもプリズム8によりレーザ媒質2へ戻る狭帯域レー
ザ光の波長は一定であるので、狭帯域レーザ光の波長の
安定化を図ることが出来る。
【0030】次に、リトロー型回折格子6の溝間隔をd
1 を1/3600mm、レーザ光入射角αを26.53913913684゜、
回折光次数m1 を1、プリズム8の個数Nを1個、頂角
aを18.5゜ 、プリズムの屈折率をn0 を1.508、雰囲気
(空気)の屈折率を1.0002931701083、狭帯域レーザ光
の中心波長を248.3pmとした場合を考えると、雰囲気の
屈折率が+1/248300だけ変動すると、波長248.3nm に対
するリトロー型回折格子6のリトロー角は、-1.153×10
-4゜変化する。しかしながら、プリズム8の偏角γも同
様に-1.153×10-4゜変化するので、レーザ媒質2に戻る
狭帯域レーザ光の波長は、雰囲気の屈折率変動に関係な
く一定となり、波長の安定化を図ることができる。
【0031】図4に示した第4の発明を用いた狭帯域レ
ーザ装置は、レーザ光が励起されるレーザ媒質2、レー
ザ光を発振させるための出射鏡1、全反射鏡3、レーザ
光を狭帯域化するためのエアギャップエタロン9と次式
で表されるプリズム8を有しており、図示のごとく配置
している。 {2・N・n0・sin(a/2)・tanδ}/{n・cos((γ+a) /2)}=1 ・・・(9) 但し、 γ:レーザ光の波長、 n:雰囲気の屈折率、 N:1
個(エタロン片側に配置されたプリズムの個数)、
a:プリズムの頂角、 n0:プリズムの波長λに対す
る屈折率、 γ:プリズムにおける入射光線と出射光線
のなす角 γ=2・sin-1(n0・sin(a/2))−a δ:レーザ光のエタロンへの入射角
【0032】ここで、空気の屈折率変動Δnによる波長
λのエタロンを透過する角度変化Δδは、 Δδ=Δn/tan(δ)/n2 ・・・(10) で表わされる。更に、プリズムの場合の空気の屈折率変
動Δnに対する角度変化量Δγは、式(8)のように表
されることから、図4において、空気の屈折率変動によ
る波長の変動を押さえるためには、Δγ・N=Δδとな
り、式(8),(10)を用いてこれを解くと式(9)
が得られる。このように、 この第4の発明による狭帯域
レーザにおいては、リトロー型回折格子6とプリズム8
の屈折率変動による角度分散が等しいので、屈折率が変
動してもプリズム8によりレーザ媒質2へ戻る狭帯域レ
ーザ光の波長は一定であるので、狭帯域レーザ光の波長
の安定化を図ることが出来る。
【0033】次に、エアギャップエタロン9のギャップ
長1を154μm、雰囲気の屈折率nを1.000293170108
3、狭帯域レーザ光の波長を248.3nm、狭帯域レーザ光の
入射角δを2.055792715゜、プリズム8の個数2Nを2
個、頂角α を82.84732゜、プリズム8の屈折率n0 を1.
508とした場合を考えると、雰囲気の屈折率が+1/248300
だけ変動すると、波長248.3nm がエアギャップエタロン
9と共振条件を満たすためには、δ が+6.42×10-3゜ 変
化する必要がある。しかしながら、雰囲気の屈折率変動
とともに、プリズム8の偏角γ が-6.42×10-3゜ 変化す
るので、レーザ媒質2に戻る狭帯域レーザ光の波長は、
雰囲気の屈折率変動に関係なく一定となり、波長の安定
化を図ることができる。
【0034】図5に示した第5の発明を用いた狭帯域レ
ーザ装置は、レーザ光が励起されるレーザ媒質2、レー
ザ光を発振させるための出射鏡1、全反射鏡3、レーザ
光を狭帯域化するためのエアギャップエタロン9と次式
で表される回折格子7を有しており、図示のごとく配置
している。 (m1・λ・tanδ)/(n・d1・cosβ1)=1.0 ・・・(11) 但し、 λ:レーザ光の波長、 n:雰囲気の屈折率、 δ:レ
ーザ光のエタロンへの入射角、 d1:回折格子の溝
数、 m1:回折光の次数、 β1:レーザ光回折角
【0035】ここで、回折格子の場合の空気の屈折率変
動Δnに対する角度変化量は、式(2)、(3)のよう
に表されるので、図5において、空気の屈折率変化によ
る波長の変動を押さえるためには、Δβ=Δδとなり、
式(2),(3)を用いてこれを解くと式(11)が得
られる。このように、この第5の発明による狭帯域レー
ザにおいては、エアギャップエタロン9と回折格子7の
屈折率変動による角度分散が等しいので、屈折率が変動
しても回折格子7によりレーザ媒質2へ戻る狭帯域レー
ザ光の波長は一定であるので、狭帯域レーザ光の波長の
安定化を図ることが出来る。
【0036】次に、エアギャップエタロン9のギャップ
長1を154μm、雰囲気の屈折率nを1.000293170108
3、狭帯域レーザ光の波長を248.3nm、狭帯域レーザ光の
入射角δを2.055792715゜、回折格子7における溝間隔を
1/1200mm、回折角β1 を-89.38736、回折光の次数m1
を−1とした場合を考えると、雰囲気の屈折率が+1/24
8300だけ変動すると、波長248.3nm がエアギャップエタ
ロン9と共振条件を満たすためには、δ が+6.42×10-3
゜ 変化する必要がある。しかしながら、雰囲気の屈折率
変動とともに、回折格子7の回折角β が-6.42×10-3
変化するので、レーザ媒質2に戻る狭帯域レーザ光の波
長は、雰囲気の屈折率変動に関係なく一定となり、波長
の安定化を図ることができる。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、複
雑な装置を必要とすることなく雰囲気の屈折率変動によ
る狭帯域レーザ光の波長変動を抑えることがてき、波長
の安定した狭帯域レーザ光が得られる狭帯域レーザ装置
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の狭帯域レーザ装置の一実施例を示
す図。
【図2】第2の発明の狭帯域レーザ装置の一実施例を示
す図。
【図3】第3の発明の狭帯域レーザ装置の一実施例を示
す図。
【図4】第4の発明の狭帯域レーザ装置の一実施例を示
す図。
【図5】第5の発明の狭帯域レーザ装置の一実施例を示
す図。
【図6】従来の狭帯域エキシマレーザ装置を示す図。
【符号の説明】
1 出射鏡 2 レーザ媒質 3 全反射鏡 4 第1の回折格子 5 第2の回折格子 6 リトロー型回折格子 7 回折格子 8 プリズム 9 エアギャップエタロン

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を狭帯域化するための分散素子
    として、第1の回折格子を有する狭帯域レーザ装置であ
    って、前記第1の回折格子に対し、次式で表される第2
    の回折格子を配置したことを特徴とする狭帯域レーザ装
    置。 0.9≦(m2・d1・cosβ1)/(m1・d2・cosα2)≦1.1 但し、d1:第1の回折格子の溝間隔、 β1:第1の回
    折格子におけるレーザ光回折角、 m1:第1の回折格
    子における回折光次数、 d2:第2の回折格子の溝間
    隔、 α2:第2の回折格子におけるレーザ光入射角、
    2:第2の回折格子における回折光次数
  2. 【請求項2】 レーザ光を狭帯域化するための分散素子
    として、リトロー型回折格子を有する狭帯域レーザ装置
    であって、出射鏡及び前記リトロー型回折格子からなる
    共振器内に、次式で表す回折格子を配置したことを特徴
    とする狭帯域レーザ装置。 0.9≦(2・m2・d1・cosα)/(m1・d2・cosβ)≦1.1 但し、d1:リトロー型回折格子の溝間隔、 α:リト
    ロー型回折格子におけるレーザ光入射角、 m1:リト
    ロー型回折格子における回折光次数、 d2:回折格子
    の溝間隔、 β:回折格子における回折角、 m2:回
    折格子における回折光次数
  3. 【請求項3】 レーザ光を狭帯域化するための分散素子
    として、リトロー型回折格子を有する狭帯域レーザ装置
    であって、出射鏡及び前記リトロー型回折格子からなる
    共振器内に、次式で表す複数個のプリズムを配置したこ
    とを特徴とする狭帯域レーザ装置。 0.9≦{4・N・n0・d1・sin(a/2)・cosα}/{m1・λ・ cos((γ+a)/2)}≦1.1 但し、d1:リトロー型回折格子の溝間隔、 α:リト
    ロー型回折格子におけるレーザ光入射角、 λ:レーザ
    光の波長、 m1:リトロー型回折格子における回折光
    次数、 a:プリズムの頂角、 n0:プリズムの波長
    λに対する屈折率、 N:プリズムの個数、 γ:プリ
    ズムにおける入射光線と出射光線のなす角 γ=2・sin-1(n0・sin(a/2))−a
  4. 【請求項4】 レーザ光を狭帯域化するための分散素子
    として、エアギャップエタロンを有する狭帯域レーザ装
    置であって、前記エアギャップエタロンの両側に次式で
    表す2N個のプリズムをN個ずつ配置したことを特徴と
    する狭帯域レーザ装置。 0.9≦{2・N・n0・sin(a/2)・tanδ}/{n・cos(( γ+a)/2)}≦1.1 但し、n:雰囲気の屈折率、 N:エタロン片側に配置
    されたプリズムの個数、 a:プリズムの頂角、
    0:プリズムの波長λに対する屈折率、 γ:プリズ
    ムにおける入射光線と出射光線のなす角 γ=2・sin-1(n0・sin(a/2))−a δ:レーザ光のエタロンへの入射角
  5. 【請求項5】 レーザ光を狭帯域化するための分散素子
    として、エアギャップエタロンを有する狭帯域レーザ装
    置であって、前記エアギャップエタロンの両側に次式で
    表す回折格子を配置したことを特徴とする狭帯域レーザ
    装置。 0.9≦(m1・λ・tanδ)/(n・d1・cosβ1)≦1.1 但し、λ:レーザ光の波長、 n:雰囲気の屈折率、
    δ:レーザ光のエタロンへの入射角、 d1:回折格子
    の溝数、 m1:回折光の次数、 β1:レーザ光回折角
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