JP2900430B2 - 始動器内蔵形高圧放電灯 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は始動器内蔵形高圧放電灯の改良に関し、特に
始動器として用いられる熱応動開閉器の改良に関する。

［従来の技術］ 従来より水銀灯用安定器を用いて高圧放電灯を点灯さ
せるため、熱応動開閉器と抵抗体よりなる始動器を発光
管と並列に接続し、外球内に支持してなる放電灯が広く
普及している。

第１図にこの種放電灯の一例として始動器内蔵形高圧
ナトリウムランプの回路構成を示す。

これは、発光管１と並列に熱応動開閉器２と抵抗体３
の直列回路よりなる始動器４を接続してなり、電源投入
時、始動器４の抵抗体３が加熱され、その熱によりバイ
メタル等よりなる熱応動開閉器が開放動作する。この
時、安定器５において誘起される高圧パルスが電源電圧
と共に発光管１の両端に印加されランプ６が点灯する。

従来、かかるランプに用いられる始動器の熱応動開閉
器は、例えば第２図及び第３図に示すように、セラミッ
ク等の絶縁体７に一対の支柱8a,8bを植立し、一方の支
柱8aにバイメタル板９の一端を溶接し、又、バイメタル
板９の他端に接点棒10aを溶接してなり、他方の支柱8b
には接点棒10bを溶接することにより、接点10を形成し
ている。

又、絶縁体７上には複数のアンカー11を介しタングス
テンフィラメントよりなる抵抗体12が張架してある。

ここで、バイメタル板９は鉄、ニッケル等の低融点金
属よりなり、前記接点10はこの種放電灯の特性上、接点
間に高圧パルスが印加されるため、第３図（ａ）に示す
ようにタングステン等の高融点金属よりなる丸棒10aが
用いられており、この場合鉄、ニッケルよりなるバイメ
タル板とタングステン棒との接続は一般的な抵抗溶接に
より行なうが、その溶接には困難が伴うことがあり、溶
接外れ等の不具合を生ずることが多い。又、第３図
（ｂ）に示すようにタングステン棒11aに鉄、ニッケル
等のスリーブ11bを介して溶接しているが、この場合に
もタングステン棒とスリーブとの接合が困難であるとい
う欠点があった。

又、前記支柱8a,8bの材料として鉄、ニッケル等の金
属棒を用いることも多く、前記支柱8bとタングステン等
の高融点金属よりなる丸棒10bとの溶接も前記と同様な
欠点があった。

［発明が解決しようとする課題］ このように、従来は始動器内蔵形高圧放電灯の熱応動
開閉器の接点材料として、タングステン等の高融点金属
を用い、鉄、ニッケル等の低融点金属よりなるバイメタ
ル板及び／又は支柱に抵抗溶接により接続しているが、
融点の異なる異種金属を放電灯の寿命期間を通して、強
固に接続することが困難であり、部品不良という問題点
が発生することが多い。

［課題を解決するための手段］ 本発明は前記に鑑みてなされたもので、前記始動器内
蔵形放電灯の熱応動開閉器のバイメタル板及び／又は支
柱と接点との接続を容易かつ確実に行なうことができる
と共に、該接続部の機械的強度が大きい等の利点を有す
る高圧放電灯を提供することを目的とする。

［実施例］ 以下、本発明に係る一実施例を図面に基づき説明す
る。

第１図に示すように、透光性アルミナ管よりなる発光
管１の両端には電極が封着され内部にはナトリウム、水
銀及びキセノンガスが封入され、該発光管は内部を真空
とした硬質ガラスよりなる外球6a内に支持導体を介して
取り付けてある。又、外球内には始動器４が内蔵されて
おり第４図に示すように、絶縁体７に鉄、ニッケルより
なる一対の支柱8a,8bを植立し、一方の支柱8aには鉄、
ニッケル合金よりなるバイメタル板９の一端を溶接し同
じく他端には後述する第一の接点棒21を溶接している。
又、他方の支柱8bの下端には第二の接点棒22を溶接して
いる。更に、絶縁体７上にはタングステンフィラメント
の抵抗体（図示せず）が張架してある。

そして、前記したようにバイメタル板９には、第５図
及び第６図に示すように接点としての金属棒21が溶接し
てあるが、第一の接点棒21は、鉄、ニッケル合金もしく
は鉄にニッケルをコーティングした金属あるいはこれら
の単一金属よりなる接続部21aと、タングステン、モリ
ブデンの高融点金属よりなる接点部21bとよりなる。そ
して、前記接続部21aと接点部21bとは突合せ溶接により
一体的に接続されている。

又、前記支柱8bと他方の接点との接続も前記同様、
鉄、ニッケル合金よりなる接続部22aとタングステンよ
りなる接点部22bとを突合せ溶接した第二の接点棒22を
支柱8bの下端に溶接することにより構成している。

このように、前記バイメタル板及び／又は支柱と接点
との溶接部は、鉄、ニッケル等の融点が低い同種金属で
あるので、容易に接続することができ、更に強固に接続
することもできる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明に係る始動器内蔵形高圧
放電灯に用いる始動器は、比較的簡単な構成により、異
種金属の溶接として一般的な抵抗溶接にかえ、異種金属
を突合せ溶接により接続するので、強固でかつ正確な溶
接が可能であり、始動器の部品不良がない長寿命の放電
灯を得ることができ、その実用上の価値は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な始動器内蔵形放電灯の回路図、第２図
は従来の始動器の側面図、第３図は従来の熱応動開閉器
の接続部を示す平面図、第４図は本発明に係る始動器の
要部を示す側面図、第５図は同じく熱応動開閉器の接続
部を示す平面図、第６図は同じく接点棒（金属棒）の平
面図である。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】両端に電極を封着し内部に発光金属と共に
   始動補助用希ガスを封入してなる発光管と並列に、熱応
   動開閉器と抵抗体とを直列に接続して構成した始動器を
   接続して外球内に支持してなる始動器内蔵形高圧放電灯
   において、前記始動器は、少なくとも絶縁体に一対の支
   柱を植立し、一方の支柱にバイメタル板の一端を溶接
   し、又、該バイメタル板の他端に第一の接点棒を溶接し
   てなり、かつ他方の支柱に第二の接点棒を溶接して、前
   記第一の接点棒と第二の接点棒との先端部に接点を形成
   するように構成し、前記第一の接点棒及び第二の接点棒
   は、タングステン、モリブデン等の高融点金属と、鉄、
   ニッケル等の低融点金属との二種の金属を突合わせ溶接
   により形成することを特徴とする始動器内蔵形高圧放電
   灯。
2. 【請求項２】前記バイメタル板の他端に溶接された第一
   の接点棒の接続部および前記他方の支柱に溶接された第
   二の接点棒の接続部は、鉄、ニッケル等の低融点金属よ
   りなる請求項第１項記載の始動器内蔵形高圧放電灯。