JP2900047B2 - 酵素による光学分割法 - Google Patents

酵素による光学分割法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は酵素によるエステル誘導体の光学分割法に関
するものである。さらに詳しく述べれば、本発明は農薬
等として利用可能な生理活性物質の製造中間体として有
用な、一般式 (式中Rは炭素数2〜12の飽和及び不飽和アルキル基
であり、R′は水素またはメチル基である。また*を付
した炭素原子は光学活性な炭素原子である) で表わされる化合物を、式 (式中Rは炭素数2〜12の飽和及び不飽和アルキル基
である) で表わされるエステル誘導体に酵素を作用させて不斉
加水分解することにより光学分割して単離する方法に関
するものである。
(従来の技術) 一般式 (式中Rは飽和及び不飽和アルキル基である) を有する化合物の光学活性体は、例えばフロンタリン
やその他の生理活性物質に誘導可能な重要な中間体であ
る。この様な3級アルコールの誘導体は還元反応で合成
することはできない。また後の変換反応を考慮すると、
水酸基は酸や塩基に強いベンジル基等で保護されている
ことが望ましい。このようなことから、IIIのタイプの
光学活性体を生物化学的方法で得ようとすると、カルボ
ン酸エステルの加水分解による方法が考えられる。
しかし従来α位が2置換の誘導体については成功例が
あるが[テトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Letter
s)、第28巻、1303頁、(1987)]、立体的に混んでい
る3置換カルボン酸の誘導体の不斉加水分解による光学
分割の有効な方法は知られていない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、種々の生理活性物質、農薬等の光学
活性体製造の上で有用な出発物質となり得る光学活性な
一般式[III]で表わされるα位に保護された水酸基の
他に2個の炭素官能基を有するカルボン酸誘導体の製造
方法、すなわちエステル誘導体[I]を不斉加水分解す
ることにより光学分割し、光学活性な一般式[III]の
化合物を効率的且つ高収率にて取得する方法を提供する
ことにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、種々の生理活性物質の製造中間体である
光学活性な一般式[II]で表わされる化合物を容易に効
率良く製造する方法を見出すべく検討した結果、式
[I]で表わされるエステル誘導体に、ある種の酵素を
作用させて不斉加水分解することにより、容易に光学活
性体の[II]を分離できることを見出し、本発明を完成
するに至った。
すなわち本発明の式 (式中Rは炭素数2〜12の飽和及び不飽和アルキル基
である) で表わされる2−ベンジルオキシ−2−メチルカルボ
ン酸メチルに加水分解酵素またはそれらを含む酵素混合
物を作用させて不斉加水分解し、式 (式中Rは炭素数2〜12の飽和及び不飽和アルキル基
であり、*を付した炭素原子は光学活性な炭素原子であ
る) で表わされる光学活性なカルボン酸および/または、
(式中Rは炭素数2〜12の飽和及び不飽和アルキル基
であり、*を付した炭素原子は光学活性な炭素原子であ
る) で表わされる光学活性なエステル[I*]を採取する方
法に関するものである。
本発明の方法に用いられる酸素はカンジダ属に属する
菌Candida cylindraceaが生産する酵素で、前記式
[I]で表わされるエステル誘導体を不斉加水分解でき
るものであり、具体的にはリパーゼである。
酵素による加水分解はpH5から8付近で行うことが望
ましく、特にpH7付近で行うことが好ましい。そのため
には、適当な緩衝液例えばリン酸2ナトリウム、リン酸
1ナトリウム水溶液から調製したリン酸緩衝液等を用い
ることが好ましい。このような緩衝液に基質の前記式
[I]で表わされるエステルおよびリパーゼを加え、30
℃で2日〜3日往復振盪培養を行う。反応後飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液を加えてpH9とし、適当な有機溶
媒、例えばジェチルエーテルで抽出し、常法により処
理、精製して光学活性なエステル[I*]を得る。
逆の立体配置をもつカルボン酸[II]は上記の方法で
エステル[I*]を分離した後、反応混合物を酸性とし、
適当な有機溶媒、例えば酢酸エチル等で抽出し、常法に
従い処理、精製することにより単離することができる。
本発明の方法によって分離、精製される光学活性な前
記式[III]の化合物は参考例に上げた方法に従い反応
させることにより、農薬として有効に使用しうる昆虫フ
ェロモンの一種であるフロンタリンに導くことができ
る。
(実施例) 本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明する
が、本発明はこれに限られるものではない。
実施例1 5000mlの突起付き3角フラスコ内の0.1Mのリン酸緩衝
液(pH7.0、1000ml)に化合物[I](R=-CH2CH=C
H2、10g)とリパーゼOF(10g)を加え、30℃にて96時間
施回した。反応後飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え
てpH9とし、塩化ナトリウムを加えて塩析した。このも
のを、ジェチルエーテルで抽出し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を減圧で留去し、残渣を減圧蒸留する
ことにより化合物(+)−[I*](R=-CH2CH=CH2
を4.0g(収率40%)得た。抽出後の水層に濃塩酸を加え
てpH2とし、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧で留去す
ることにより化合物[II](R=-CH2CH=CH2)を4.7g
(収率52%)得た。
化合物(+)−[I*](R=-CH2CH=CH2)の物性値
及びスペクトルデータ: b.p.160〜170℃/0.9mm。
[α]D+3.80°(c=1.63,クロロホルム)。
νmaxcm-1 3000,2950,1740,1450,1215,1155,1110,1020,
920,735,700。1 H NMR δ(400MHz,重クロロホルム)1.49(3H,s),2.6
0(2H,d,J=7.0Hz),3.75(3H,s),4.49(2H,s),5.01
〜5.21(2H,m),5.63〜6.10(1H,m),7.27〜7.43(5,
m)。
元素分析 計算値:C14H18O3:C,71.77;H,7.69% 実測値:C,71.88;H,7.50% このものは、光学活性シフト試薬であるトリス[3−
トリフルオロメチルヒドロキシメチレン−(−)−カン
ホラト]ユーロピウム(III)[Eu(tfc)3]存在下400MH
z NMRスペクトルを測定することにより、機器の測定誤
差範囲内で光学的に純粋であることが確認された。
化合物[II](R=-CH2CH=CH2)のIRスペクトル
は、構造を支持した。
νmaxcm-1 3100,3050,3000,2950,1710,1640,1500,1455,
1390,1280,1160,1120,1030,920,745,700。
このものは、酸性触媒存在下メタノール中で攪拌する
ことにより化合物(−)−[I*](R=-CH2CH=CH2
に交換し、物性値及びスペクトルデータを測定した: b.p.160〜170℃/0.9mm。
[α]D−2.65°(c=0.98,クロロホルム)。
そのもののIRおよびNMRスペクトルは、加水分解され
ずに残った(+)−[I*](R=-CH2CH=CH2)のそれ
らと一致した。
元素分析 計算値:C14H18O3:C,71.77;H,7.69% 実測値:C,72.10;H,7.41% このものは、Eu(tfc)3存在下400MHz NMRスペクトルを
測定することにより、光学純度82%であることが確認さ
れた。
実施例2〜5 実施例1と同様にして、以下第1表に示す結果を得
た。
参考例 実施例1により得られた化合物(−)−[I*](R=
-CH2CH=CH2)をさらにリパーゼOFを用いた不斉加水分
解に付し、>99%e.e.の[II](R=-CH2CH=CH2)を
得た。このものを出発物質として、農薬として有効に使
用し得る昆虫フェロモンの一種であるフロンタリンを通
算収率38.2%で合成した。
反応試薬:(a)水素化アルミニウムリチウム/テトラ
ヒドロフラン(97.5%)、(b)ジボラン/テトラヒド
ロフラン;過酸化水素−水酸化ナトリウム(86.7%)、
(c)水素、パラジウム−炭素/エタノール;p−トルエ
ンスルホン酸、2,2−ジメトキシプロパン/アセトン(9
3.9%)、(d)p−トルエンスルホニルクロリド/ピ
リジン(93.8%)、(e)臭化リチウム、炭酸水素ナト
リウム/アセトン(94.2%)、(f)マグネシウム/テ
トラヒドロフラン;アセトアルデヒド;クロロクロム酸
ピリジニウム/ジクロロメタン(65.5%)、(g)2規
定塩酸/ジエチルエーテル(82.2%)。
尚上記においてリパーゼ(Lipase)OFは明糖産業
(株)の製品名である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 (式中Rは炭素数2〜12の飽和及び不飽和アルキル基で
    ある) で表される2−ベンジルオキシ−2−メチルカルボン酸
    メチルを光学分割するにあたり、リパーゼを上記化合物
    に作用させ、式 (式中Rは炭素数2〜12の飽和及び不飽和アルキル基で
    あり、*を付した炭素原子は光学活性な炭素原子であ
    る) で表される光学活性なエステル及び/または式 (式中Rは炭素数2〜12の飽和及び不飽和アルキル基で
    あり、*を付した炭素原子は光学活性な炭素原子であ
    る) で表される光学活性なカルボン酸を採取することを特徴
    とする光学分割法。
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