JP2898653B2 - 帯電防止フッ素樹脂組成物 - Google Patents
帯電防止フッ素樹脂組成物Info
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- JP2898653B2 JP2898653B2 JP1079437A JP7943789A JP2898653B2 JP 2898653 B2 JP2898653 B2 JP 2898653B2 JP 1079437 A JP1079437 A JP 1079437A JP 7943789 A JP7943789 A JP 7943789A JP 2898653 B2 JP2898653 B2 JP 2898653B2
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- fluororesin
- fluororesin composition
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Description
【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、帯電防止フッ素樹脂組成物に関する。
［従来の技術］ フッ素樹脂は、優れた耐熱性、非粘着性及び耐薬品性
などを有するので、食品工業及び半導体工業などにおい
て使用されている。しかし、フッ素樹脂は、電気絶縁性
が大きいので、非常に帯電しやすいという性質を有す
る。したがって、フッ素樹脂の帯電を防止する方法とし
て、例えば種々の導電性充填剤、例えば、カーボンブラ
ック、金属粉末又は繊維状チタン酸カリウムなどをフッ
素樹脂に添加する方法が提案されている。しかし、いず
れの充填剤も満足な結果を与えない。
などを有するので、食品工業及び半導体工業などにおい
て使用されている。しかし、フッ素樹脂は、電気絶縁性
が大きいので、非常に帯電しやすいという性質を有す
る。したがって、フッ素樹脂の帯電を防止する方法とし
て、例えば種々の導電性充填剤、例えば、カーボンブラ
ック、金属粉末又は繊維状チタン酸カリウムなどをフッ
素樹脂に添加する方法が提案されている。しかし、いず
れの充填剤も満足な結果を与えない。
カーボンブラックは、フッ素樹脂に添加した場合に
は、フッ素樹脂が黒色を呈し、フッ素樹脂に自由な着色
ができない。また、フッ素樹脂が食品に接触する用途に
は使用できない。
は、フッ素樹脂が黒色を呈し、フッ素樹脂に自由な着色
ができない。また、フッ素樹脂が食品に接触する用途に
は使用できない。
金属粉末は、フッ素樹脂に対する導電性効果が小さ
く、多量に添加する必要がある。したがって、フッ素樹
脂の機械的強度が低下する。
く、多量に添加する必要がある。したがって、フッ素樹
脂の機械的強度が低下する。
繊維状チタン酸カリウム（例えば、住友化学株式会社
製、白色導電性フィラーFF−202）は、白色導電性充填
剤である。しかし、繊維状チタン酸カリウムを添加した
フッ素樹脂は、焼成などの高温に付した場合に、変色す
る。
製、白色導電性フィラーFF−202）は、白色導電性充填
剤である。しかし、繊維状チタン酸カリウムを添加した
フッ素樹脂は、焼成などの高温に付した場合に、変色す
る。
［発明が解決しようとする課題］ 本発明の目的は、良好な帯電防止性を有し、白色であ
り、焼成後に変色せず、機械的強度が良好であるフッ素
樹脂組成物を提供することにある。
り、焼成後に変色せず、機械的強度が良好であるフッ素
樹脂組成物を提供することにある。
［課題を解決するための手段］ 本発明の要旨は、 （ａ）繊維状導電性酸化チタン６〜25重量％、 （ｂ）酸化亜鉛0.1〜25重量％、及び （ｃ）フッ素樹脂残部 から成る帯電防止フッ素樹脂組成物に存する。
繊維状導電性酸化チタン（ａ）は、酸チタン繊維の表
面が導電性酸化スズなどの導電性物質で被覆されている
ものである。繊維状導電性酸化チタンはフッ素樹脂組成
物に導電性を与える。繊維状導電性酸化チタンは、通
常、長軸が１〜50μｍ、好ましくは３〜６μｍ、短軸が
0.01〜１μｍ、好ましくは0.05〜0.1μｍであり、軸比
（長軸／短軸）は２以上のものである。繊維状導電性酸
化チタンの量は、フッ素樹脂組成物に対して６〜25重量
％、好ましくは８〜15重量％である。繊維状導電性酸化
チタンの量が６重量％よりも少ない場合には、フッ素樹
脂組成物に充分な帯電防止効果が得られない。25重量％
よりも多い場合には、フッ素樹脂組成物にクラックが生
じやすい。
面が導電性酸化スズなどの導電性物質で被覆されている
ものである。繊維状導電性酸化チタンはフッ素樹脂組成
物に導電性を与える。繊維状導電性酸化チタンは、通
常、長軸が１〜50μｍ、好ましくは３〜６μｍ、短軸が
0.01〜１μｍ、好ましくは0.05〜0.1μｍであり、軸比
（長軸／短軸）は２以上のものである。繊維状導電性酸
化チタンの量は、フッ素樹脂組成物に対して６〜25重量
％、好ましくは８〜15重量％である。繊維状導電性酸化
チタンの量が６重量％よりも少ない場合には、フッ素樹
脂組成物に充分な帯電防止効果が得られない。25重量％
よりも多い場合には、フッ素樹脂組成物にクラックが生
じやすい。
酸化亜鉛（ｂ）は、通常の酸化亜鉛粉末である。繊維
状導電性酸化チタンのみの添加では、フッ素樹脂組成物
は、焼成後に灰色を呈し白色にならないのであるが、酸
化亜鉛の添加によって、導電性を損なわずに、白色度が
付与され、機械的特性、特に圧縮特性が向上する。酸化
亜鉛粉末の粒径は、0.01〜100μｍ、好ましくは0.1〜５
μｍである。酸化亜鉛の量は、フッ素樹脂組成物に対し
て0.1〜25重量％、好ましくは１〜15重量％である。酸
化亜鉛の量が0.1重量％よりも少ない場合には、充分な
白色度が得られない。25％よりも多い場合には、フッ素
樹脂組成物にクラックが生じやすい。
状導電性酸化チタンのみの添加では、フッ素樹脂組成物
は、焼成後に灰色を呈し白色にならないのであるが、酸
化亜鉛の添加によって、導電性を損なわずに、白色度が
付与され、機械的特性、特に圧縮特性が向上する。酸化
亜鉛粉末の粒径は、0.01〜100μｍ、好ましくは0.1〜５
μｍである。酸化亜鉛の量は、フッ素樹脂組成物に対し
て0.1〜25重量％、好ましくは１〜15重量％である。酸
化亜鉛の量が0.1重量％よりも少ない場合には、充分な
白色度が得られない。25％よりも多い場合には、フッ素
樹脂組成物にクラックが生じやすい。
フッ素樹脂（ｃ）は、ポリテトラフルオロエチレン、
テトラフルオロエチレン及びこれと共重合可能な少なく
とも１種の他のエチレン性不飽和単量体（例えば、エチ
レン、プロピレンなどのオレフィン類、ヘキサフルオロ
プロピレン、ビニリデンフルオライド、クロロトリフル
オロエチレン、ビニルフルオライドなどのハロゲン化オ
レフィン類、パーフルオロアルキルビニルエーテル類な
ど）との共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、
ポリビニリデンフルオライドなどである。フッ素樹脂
は、粉末又はディスパージョンのいずれであってもよい
が、通常、粉末である。
テトラフルオロエチレン及びこれと共重合可能な少なく
とも１種の他のエチレン性不飽和単量体（例えば、エチ
レン、プロピレンなどのオレフィン類、ヘキサフルオロ
プロピレン、ビニリデンフルオライド、クロロトリフル
オロエチレン、ビニルフルオライドなどのハロゲン化オ
レフィン類、パーフルオロアルキルビニルエーテル類な
ど）との共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、
ポリビニリデンフルオライドなどである。フッ素樹脂
は、粉末又はディスパージョンのいずれであってもよい
が、通常、粉末である。
本発明のフッ素樹脂組成物において、他の成分とし
て、顔料、ガラス繊維、シリカ、全芳香族ポリエステル
（例えば住友化学工業株式会社製「エコノール」）、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファ
イド（PPS）、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサル
ホン（PES）、ポリエーテルエーテルケトン（PEEK）な
どを添加してよい。顔料を添加することによって、自由
に着色することが可能になる。
て、顔料、ガラス繊維、シリカ、全芳香族ポリエステル
（例えば住友化学工業株式会社製「エコノール」）、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファ
イド（PPS）、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサル
ホン（PES）、ポリエーテルエーテルケトン（PEEK）な
どを添加してよい。顔料を添加することによって、自由
に着色することが可能になる。
フッ素樹脂組成物の体積固有抵抗（δｖ）が108Ω・c
m以下である場合に帯電防止効果が発現する。δｖが108
Ω・cm以下、特に104〜107Ω・cmであることが好まし
い。
m以下である場合に帯電防止効果が発現する。δｖが108
Ω・cm以下、特に104〜107Ω・cmであることが好まし
い。
本発明のフッ素樹脂組成物は繊維状導電性酸化チタン
（ａ）、酸化亜鉛（ｂ）及びフッ素樹脂（ｃ）を単に混
合することによって製造できる。混合方法は、特に限定
されず、混合機を用いた乾式又は湿式混合が可能であ
る。
（ａ）、酸化亜鉛（ｂ）及びフッ素樹脂（ｃ）を単に混
合することによって製造できる。混合方法は、特に限定
されず、混合機を用いた乾式又は湿式混合が可能であ
る。
［発明の効果］ 本発明のフッ素樹脂組成物の帯電防止性は良好であ
る。
る。
本発明のフッ素樹脂組成物の白色は安定しており、焼
成時などの高温、例えば約400℃に付しても変色するこ
とはない。
成時などの高温、例えば約400℃に付しても変色するこ
とはない。
また、フッ素樹脂組成物は、機械的特性、特に圧縮強
度が良好である。
度が良好である。
本発明のフッ素樹脂組成物は、静電気の発生を防止す
べき種々の用途において使用できる。フッ素樹脂組成物
は、例えば、食品の練りロール、輸送用のシュート・パ
イプ・ベルト、半導体ウェハーの洗浄・乾燥の際にウェ
ハーを収容する治具であるウェハーバスケット等におい
て使用できる。
べき種々の用途において使用できる。フッ素樹脂組成物
は、例えば、食品の練りロール、輸送用のシュート・パ
イプ・ベルト、半導体ウェハーの洗浄・乾燥の際にウェ
ハーを収容する治具であるウェハーバスケット等におい
て使用できる。
［発明の好ましい態様］ 以下、例を示し、本発明を具体的に説明する。なお、
以下の例中、例８、９及び13〜15が本発明の態様であ
り、例１〜７、例10〜12は、本発明に含まれない比較例
である。
以下の例中、例８、９及び13〜15が本発明の態様であ
り、例１〜７、例10〜12は、本発明に含まれない比較例
である。
例１〜15 ミキサー型混合機に、ポリテトラフルオロエチレン
（PTFE）（ポリフロンＭ−12（商標）、ダイキン工業株
式会社製）と、第１表に示す種類及び量の充填剤とを、
総量で1kg仕込んだ。室温で10分間撹拌し、フッ素樹脂
組成物を得た。フッ素樹脂組成物ついて、圧縮変形性、
体積固有抵抗、外観（色彩）及びクッラク発生の有無を
試験した。試験の結果を第１表に示す。
（PTFE）（ポリフロンＭ−12（商標）、ダイキン工業株
式会社製）と、第１表に示す種類及び量の充填剤とを、
総量で1kg仕込んだ。室温で10分間撹拌し、フッ素樹脂
組成物を得た。フッ素樹脂組成物ついて、圧縮変形性、
体積固有抵抗、外観（色彩）及びクッラク発生の有無を
試験した。試験の結果を第１表に示す。
試験は、以下のようにして行った。
（１）圧縮変形性 予備成形圧力500kg/cm2、温度370℃で5.5時間焼成
後、50℃／時間で冷却した直径50mm×長さ50mmの成形品
Ａから加圧平行方向に直径11.3mm×長さ10mmの試料を作
成した。ASTM D 621−51に準拠して圧縮変形性を測定し
た。測定条件は、圧力2000psi、温度24℃、負荷時間24
時間を採用し、東洋精機株式会社製のクリープ試験機を
使用した。
後、50℃／時間で冷却した直径50mm×長さ50mmの成形品
Ａから加圧平行方向に直径11.3mm×長さ10mmの試料を作
成した。ASTM D 621−51に準拠して圧縮変形性を測定し
た。測定条件は、圧力2000psi、温度24℃、負荷時間24
時間を採用し、東洋精機株式会社製のクリープ試験機を
使用した。
（２）体積固有抵抗 予備成形圧力500kg/cm2、温度370℃で30分間焼成後、
直径50mm×厚さ1mmの試料を作成した。ハイレスタ表面
抵抗計（三菱油化株式会社製）によって、この試料の表
面抵抗（δｓ）を測定し、式：δ×シートの厚さ（cm）
＝δｖにより体積固有抵抗（δｖ）を算出する。δｖが
108Ω・cm以下であれば、帯電防止効果がある。
直径50mm×厚さ1mmの試料を作成した。ハイレスタ表面
抵抗計（三菱油化株式会社製）によって、この試料の表
面抵抗（δｓ）を測定し、式：δ×シートの厚さ（cm）
＝δｖにより体積固有抵抗（δｖ）を算出する。δｖが
108Ω・cm以下であれば、帯電防止効果がある。
（３）外観 圧縮変形性を測定するために製造した成形品Ａの色彩
を目視により判断する。
を目視により判断する。
（４）クラックの有無 成形品Ａについてクラックの有無を目視により判断す
る。
る。
なお、使用した充填剤は、次のとおりである。
FT−1000…繊維状導電性酸化チタン（石原産業株式会社
製、タイペークFT−1000）（長軸３〜６μｍ、短軸0.05
〜0.1μｍ） FF−202…繊維状導電性チタン酸カリウム（住友化学株
式会社製、白色導電性フィラーFF−202） 酸化亜鉛…試薬１級、関東化学製
製、タイペークFT−1000）（長軸３〜６μｍ、短軸0.05
〜0.1μｍ） FF−202…繊維状導電性チタン酸カリウム（住友化学株
式会社製、白色導電性フィラーFF−202） 酸化亜鉛…試薬１級、関東化学製
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 健次 奈良県奈良市朱雀５丁目７番地の４ (72)発明者 池田 隆治 大阪府和泉市府中町５丁目８番地32号 (56)参考文献 特開 平１−29461（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) C08L 27/12 C08K 3/22
Claims (1)
- 【請求項１】（ａ）繊維状導電性酸化チタン６〜25重量
％、 （ｂ）酸化亜鉛0.1〜25重量％、及び （ｃ）フッ素樹脂残部 から成る帯電防止フッ素樹脂組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1079437A JP2898653B2 (ja) | 1989-03-30 | 1989-03-30 | 帯電防止フッ素樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1079437A JP2898653B2 (ja) | 1989-03-30 | 1989-03-30 | 帯電防止フッ素樹脂組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02255751A JPH02255751A (ja) | 1990-10-16 |
| JP2898653B2 true JP2898653B2 (ja) | 1999-06-02 |
Family
ID=13689857
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1079437A Expired - Fee Related JP2898653B2 (ja) | 1989-03-30 | 1989-03-30 | 帯電防止フッ素樹脂組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2898653B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002226660A (ja) * | 2001-01-30 | 2002-08-14 | Daikin Ind Ltd | 電子部品洗浄用治具用樹脂成形材料及びそれを用いた電子部品洗浄用治具 |
| JP2005075880A (ja) | 2003-08-29 | 2005-03-24 | Du Pont Mitsui Fluorochem Co Ltd | 低帯電性熱溶融性フッ素樹脂組成物 |
| JP2007167771A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-07-05 | Toray Ind Inc | エアフィルター濾材およびエアフィルターユニット |
| JP5399446B2 (ja) * | 2010-06-30 | 2014-01-29 | 三洋化成工業株式会社 | 帯電防止剤及び帯電防止性樹脂組成物 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6429461A (en) * | 1987-07-24 | 1989-01-31 | Ishihara Mining & Chemical Co | Electrical conductive composition |
-
1989
- 1989-03-30 JP JP1079437A patent/JP2898653B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02255751A (ja) | 1990-10-16 |
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