JP2897819B2 - 光受信機 - Google Patents

光受信機

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JP2897819B2
JP2897819B2 JP7214957A JP21495795A JP2897819B2 JP 2897819 B2 JP2897819 B2 JP 2897819B2 JP 7214957 A JP7214957 A JP 7214957A JP 21495795 A JP21495795 A JP 21495795A JP 2897819 B2 JP2897819 B2 JP 2897819B2
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有秀 野田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信システムに
用いられる光受信機に関し、特に、偏波ダイバーシチ型
ヘテロダイン検波方式の光受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】光ヘテロダイン検波方式を用いる通信方
式は、一般に、光直接検波方式を採用する通信方式に比
べ、受信感度を10〜100倍に高めることができ、周
波数利用効率も高いという大きな特徴が有る。このた
め、光ヘテロダイン検波方式を用いる通信方式は、長距
離大容量通信に有効な方式として期待されている。
【0003】光ヘテロダイン検波方式を採用する受信機
では、入力される信号光と局部発振光との合波して検波
を行う。このとき、光ヘテロダイン検波の性質上、信号
光と局部発振光との光の偏波が完全に一致していなけれ
ば、効率的な光ヘテロダイン検波を行うことはできな
い。そこで、信号光と局部発振光との光の偏波の不一致
を解消するために、2台の受信機を用いて偏波ダイバー
シチを構成したり、信号光及び局部発振光の内少なくと
も一方の光の偏波を光偏波制御器で制御したりしてい
る。なお、光偏波制御器を用いる方が偏波ダイバーシチ
方式に比べ構成が単純であるが、現在では、偏波変動に
対する追従性等の性能に優れる偏波ダイバーシチ方式が
主流となっている。
【0004】従来の偏波ダイバーシチ型ヘテロダイン検
波方式の光受信機は、図2に示すように、偏波分離カプ
ラ201、光検波回路202、203、局部発振光源2
04、可変利得増幅器205、206、復調回路20
7、208、合波器209、検波器210、211、及
び利得制御回路212を有している。
【0005】偏波分離カプラ201は、入射した信号光
213の偏波比(横波:縦波)に応じて、信号光213
を光検波回路202及び203に導く。例えば、偏波比
が0(縦波のみ)の場合は、信号光213を光検波回路
202へ導き、偏波比が1(横波のみ)の場合は、光検
波回路203へ導く。また、偏波比が0.5の場合は、
信号光213を光検波回路202及び203に半分づつ
導く。
【0006】光検波回路202、203には、局部発信
光源204からの局部発振光214、214がそれぞれ
与えられており、光検波回路202、203は、それぞ
れ、偏波分離カプラ201からの信号光と局部発振光2
14とを合波し、ヘテロダイン検波を行う。ヘテロダイ
ン検波により得られた中間周波信号は、可変利得増幅器
205、206でそれぞれ増幅された後、復調回路20
7、208で復調される。復調回路207、208で復
調されたベースバンド信号は、合波器209で合波さ
れ、復調信号215として出力される。
【0007】可変利得増幅器205、206の利得は、
これらの可変利得増幅器205、206の後段で分岐さ
れた中間周波信号の一部に基づいて制御される。即ち、
分岐された中間周波信号の一部は、検波器210、21
1に入力され、検波器210、211によって、包絡線
検波される。検波器210、211の出力は、利得制御
回路212に入力され、利得制御回路212は、これら
検波器210、211の出力に基づいて(加算して)、
復調信号215のレベルが常に一定となるように、可変
利得増幅器205及び206の利得を制御する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の光受信機では、
2つの可変利得増幅器の利得を1つの利得制御回路の出
力によって制御している。即ち、利得制御回路は、信号
光213の偏波比に無関係に2つの可変利得増幅器に対
して同一の制御電圧を供給している。このため、2つの
可変利得増幅器の利得は、信号光の偏波比によらず常に
等しくなる。
【0009】このように、従来の光受信機では、2つの
可変利得増幅器の利得が等しいために、雑音を増幅して
しまい、符号誤り特性が劣化するという問題点がある。
詳述すると、信号光213の偏波比が0の場合、理想的
には、光検波回路203の出力はゼロであり、可変利得
増幅器206からの出力もゼロでなければならない。と
ころが、可変利得増幅器206には、光検波回路203
からの局部発振光214によるショット雑音や、電気回
路からの熱雑音等が入力される。可変利得増幅器206
はこれらの雑音を本来増幅すべき信号と同等の増幅率で
増幅して出力してしまう。これらの雑音は、合波器20
9の働きで復調信号に含まれることなり、復号を行う際
の符号誤り特性が劣化する。
【0010】本発明は、符号誤り率特性を向上させた偏
波ダイバーシチ型光ヘテロダイン方式の光受信機を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、信号光
の偏波比に応じて該信号光を2つに分離し、2つの受信
経路でそれぞれヘテロダイン検波、増幅、及び復調を行
った後、合波を行って復調信号を得る偏波ダイバーシチ
型ヘテロダイン検波方式の光受信機において、前記増幅
を行うために前記2つの受信経路にそれぞれ設けられた
第1及び第2の可変利得増幅器と、該第1の可変利得増
幅器の利得を、前記第2の可変利得増幅器に入力される
信号の強度レベルと、当該第1の可変利得増幅器から出
力される信号の強度レベルとに基づいて制御するととも
に、前記第2の可変利得増幅器の利得を、前記第1の可
変利得増幅器に入力される信号の強度レベルと、当該第
2の可変利得増幅器から出力される信号の強度レベルと
に基づいて制御することにより、前記復調信号の振幅が
一定になるように制御する利得制御手段とを備えたこと
を特徴とする光受信機が得られる。
【0012】また、本発明によれば、信号光の偏波比に
応じて該信号光を2つに分離する偏波分離カプラと、局
部発信光を発生する局部発信光源と、前記2つに分離さ
れた信号光のうちの一方と前記局部発信光とが入力され
ヘテロダイン検波を行って第1の中間周波信号を発生す
る第1の光検波回路と、前記2つに分離された信号光の
うちの他方と前記局部発信光とが入力されヘテロダイン
検波を行って第2の中間周波信号を発生する第2の光検
波回路と、前記第1の中間周波信号を増幅して第1の増
幅された中間周波信号を出力する第1の可変利得増幅器
と、前記第2の中間周波信号を増幅して第2の増幅され
た中間周波信号を出力する第2の可変利得増幅器と、前
記第1の増幅された中間周波信号を復調して第1のベー
スバンド信号を出力する第1の復調回路と、前記第2の
増幅された中間周波信号を復調して第2のベースバンド
信号を出力する第2の復調回路と、前記第1のベースバ
ンド信号と前記第2のベースバンド信号とを合波して復
調信号を出力する合波器と、前記第1の増幅された中間
周波信号と前記第2の増幅された中間周波信号とをそれ
ぞれ検波する第1及び第2の検波器と、該第1及び第2
の検波器の出力に基づいて利得制御信号を生成して前記
第1の可変利得増幅器と前記第2の可変利得増幅器とに
供給する利得制御回路とを備えた偏波ダイバーシチ型ヘ
テロダイン検波方式の光受信機において、前記第1の中
間周波信号を検波する第3の検波器と、前記第2の中間
周波信号を検波する第4の検波器と、前記第3の検波器
の出力信号を前記利得制御信号に加算して新たな第1の
利得制御信号を生成し、前記第2の可変利得増幅器に供
給する第1の加算器と、前記第4の検波器の出力信号を
前記利得制御信号に加算して新たな第2の利得制御信号
を生成し、前記第1の可変利得増幅器に供給する第2の
加算器とを設けたことを特徴とする光受信機が得られ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1に本発明の一実施形態
の受信機を示す。図1に示すように、この偏波ダイバー
シチ型ヘテロダイン検波方式の光受信機は、偏波分離カ
プラ101、光検波回路102、103、局部発振光源
104、可変利得増幅器105、106、復調回路10
7、108、合波器109、検波器110、111、1
12、113、利得制御回路114、及び加算器11
5、116を有している。
【0014】偏波分離カプラ101には、周波数変調さ
れた信号光117が入射する。そして、偏波分離カプラ
101は、入射した信号光117の偏波状態に応じて、
光検波回路102及び103に導く。光検波回路10
2、103には、局部発信光源104からの局部発振光
118、118がそれぞれ与えられており、光検波回路
102、103は、それぞれ、偏波分離カプラ101か
らの信号光と局部発振光118とを合波し、ヘテロダイ
ン検波を行う。光検波回路10、103においてヘテロ
ダイン検波により得られた中間周波信号は、可変利得増
幅器105、106で各々増幅された後、復調回路10
7、108で復調される。復調回路107、108で復
調されたベースバンド信号は、合波器109で合波さ
れ、復調信号119として出力される。
【0015】可変利得増幅器105、106の利得は、
これらの可変利得増幅器105、106の前段及び後段
でそれぞれ分岐された中間周波信号の一部に基づいて制
御される。即ち、可変利得増幅器105、106の前段
で分岐された中間周波信号の一部は、検波器112、1
13にそれぞれ入力される。検波器112、113はそ
れぞれに入力された中間周波信号のレベル検出を行い、
レベルに応じた検出信号を出力する。検波器112から
の検出信号は、他系列の可変利得増幅器106に接続さ
れた加算器116に与えられ、検波器113からの検出
信号は、同じく他系列の可変利得増幅器105に接続さ
れた加算器115に与えられる。
【0016】可変利得増幅器105、106の後段で分
岐された中間周波信号の一部は、従来同様、検波器11
0、111に入力され、検波器110、111によっ
て、包絡線検波される。検波器110、111の出力
は、利得制御回路114に入力され、利得制御回路11
4は、これら検波器110、111の出力に基づいて
(加算して)利得制御信号を出力する。
【0017】利得制御回路114からの利得制御信号
は、2分岐され、加算器115、116に入力される。
加算器115は、利得制御回路114からの利得制御信
号に検波器113からの検出信号を加算して新たな利得
制御信号として、可変利得増幅器105へ供給する。同
様に、加算器116は、利得制御回路114からの利得
制御信号に検波器112からの検出信号を加算して新た
な利得制御信号として可変利得増幅器106へ供給す
る。
【0018】このように、この光受信機では、利得制御
回路114からの利得制御信号に光検波回路102と1
03とから出力される検出信号を加算するようにしたの
で、可変利得増幅器105、106に入力される利得制
御信号は、信号光117の偏波比に応じて変化する。即
ち、この光受信機では、2系統の受信経路のうち、信号
レベルの大きい方の経路に含まれる可変利得増幅器の利
得を大きくして、信号レベルの小さい方の経路に含まれ
る可変利得増幅器の利得を小さくするように、利得制御
を行う。
【0019】例えば、光信号117の偏波比が0(縦
波)であったとすると、光信号は、光検波回路102に
のみ供給され、理想的には、光検波回路103からの出
力は無い。したがって、検波器112の検出レベルは大
きく、検波器113の検出レベルはほぼゼロとなる。こ
のとき、加算器115は、利得制御回路114からの利
得制御信号をそのまま出力すると考えてよい。これに対
し、加算器116には、検波器112から大きなレベル
の検出信号が入力される。したがって、加算器116か
ら可変利得増幅器106へ出力される利得制御信号は、
利得制御回路114からの利得制御信号で指示される利
得よりも利得を小さくするように働く。こうして、可変
利得増幅器106の利得が小さくなると、雑音に基づく
検波器111の検出出力が小さくなる。利得制御回路1
14は、検波器110及び111の出力に基づいて、復
調信号119のレベルが一定となるように利得制御信号
を発生するので、雑音に基づく検波器111の検出出力
が小さくなった分だけ、利得を大きくするように利得制
御信号を発生する。
【0020】逆に、信号光117の偏波比が1(横波)
の場合は、可変利得制御回路106の利得が大きくな
り、可変利得制御回路105の利得が小さくなるよう
に、それぞれ、加算器116及び115から利得制御信
号が出力される。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、2つの受信経路に設け
られた可変利得増幅器の利得を、これら可変利得増幅器
に入力される中間周波信号の強度レベルに応じて調整す
るようにしたことにより、偏波比に応じて分離された信
号光のうちの強度が弱い信号光が導かれた受信経路(あ
るいは、信号光が導かれなかった受信経路)に設けられ
た可変利得増幅器の利得を小さくして、復調信号に対す
る光検波回路から局部発振光によるショット雑音や電気
回路からの熱雑音等の雑音の混入を防止または抑制する
ことができる。これにより、復調信号から復号を行う際
の符号誤り率特性の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光受信機の一実施形態を表わすブロッ
ク図である。
【図2】従来の偏波ダイバーシチ型光ヘテロダイン方式
の光受信機のブロック図である。
【符号の説明】
101 偏波分離カプラ 102,103 光検波回路 104 局部発振光源 105,106 可変利得増幅器 107,108 復調回路 109 合波器 110,111,112,113 検波器 114 利得制御回路 115,116 加算器 117 信号光 118 局部発振光 119 復調信号 201 偏波分離カプラ 202,203 光検波回路 204 局部発振光源 205,206 可変利得増幅器 207,208 復調回路 209 合波器 210,211 検波器 212 利得制御回路 213 信号光 214 局部発振光 215 復調信号

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号光の偏波比に応じて該信号光を2つ
    に分離し、2つの受信経路でそれぞれヘテロダイン検
    波、増幅、及び復調を行った後、合波を行って復調信号
    を得る偏波ダイバーシチ型ヘテロダイン検波方式の光受
    信機において、前記増幅を行うために前記2つの受信経
    路にそれぞれ設けられた第1及び第2の可変利得増幅器
    と、該第1の可変利得増幅器の利得を、前記第2の可変
    利得増幅器に入力される信号の強度レベルと、当該第1
    可変利得増幅器から出力される信号の強度レベルとに
    基づいて制御するとともに、前記第2の可変利得増幅器
    の利得を、前記第1の可変利得増幅器に入力される信号
    の強度レベルと、当該第2の可変利得増幅器から出力さ
    れる信号の強度レベルとに基づいて制御することによ
    り、前記復調信号の振幅が一定になるように制御する利
    得制御手段とを備えたことを特徴とする光受信機。
  2. 【請求項2】 前記利得制御手段が、前記2つの受信経
    路のうち前記強度レベルが大きい受信経路に設けられた
    前記可変利得増幅器の利得を大きくし、前記強度レベル
    が小さい受信経路に設けられた前記可変利得増幅器の利
    得を小さくするようにしたことを特徴とする請求項1の
    光受信機。
  3. 【請求項3】 信号光の偏波比に応じて該信号光を2つ
    に分離する偏波分離カプラと、局部発信光を発生する局
    部発信光源と、前記2つに分離された信号光のうちの一
    方と前記局部発信光とが入力されヘテロダイン検波を行
    って第1の中間周波信号を発生する第1の光検波回路
    と、前記2つに分離された信号光のうちの他方と前記局
    部発信光とが入力されヘテロダイン検波を行って第2の
    中間周波信号を発生する第2の光検波回路と、前記第1
    の中間周波信号を増幅して第1の増幅された中間周波信
    号を出力する第1の可変利得増幅器と、前記第2の中間
    周波信号を増幅して第2の増幅された中間周波信号を出
    力する第2の可変利得増幅器と、前記第1の増幅された
    中間周波信号を復調して第1のベースバンド信号を出力
    する第1の復調回路と、前記第2の増幅された中間周波
    信号を復調して第2のベースバンド信号を出力する第2
    の復調回路と、前記第1のベースバンド信号と前記第2
    のベースバンド信号とを合波して復調信号を出力する合
    波器と、前記第1の増幅された中間周波信号と前記第2
    の増幅された中間周波信号とをそれぞれ検波する第1及
    び第2の検波器と、該第1及び第2の検波器の出力に基
    づいて利得制御信号を生成して前記第1の可変利得増幅
    器と前記第2の可変利得増幅器とに供給する利得制御回
    路とを備えた偏波ダイバーシチ型ヘテロダイン検波方式
    の光受信機において、前記第1の中間周波信号を検波す
    る第3の検波器と、前記第2の中間周波信号を検波する
    第4の検波器と、前記第3の検波器の出力信号を前記利
    得制御信号に加算して新たな第1の利得制御信号を生成
    し、前記第2の可変利得増幅器に供給する第1の加算器
    と、前記第4の検波器の出力信号を前記利得制御信号に
    加算して新たな第2の利得制御信号を生成し、前記第1
    の可変利得増幅器に供給する第2の加算器とを設けたこ
    とを特徴とする光受信機。
JP7214957A 1995-08-23 1995-08-23 光受信機 Expired - Lifetime JP2897819B2 (ja)

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