JP2896568B2 - 開き戸のロック方法 - Google Patents

開き戸のロック方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は地震等の際に開き戸をロ
ックする開き戸のロック方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来において地震等の際に開き戸をロッ
クする開き戸のロック方法においてそのロックを確実に
する方法の開発が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の従来の
課題を解決し地震等の際に開き戸を確実にロックする開
き戸のロック方法の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の目的達成
のために家具、棚等の本体内に装置本体を固定し、開き
戸側に係止具を設け、前記装置本体内に軸支されず突出
可能に収納された係止手段が地震時に突出して前記係止
具に係止するロック方法において、該係止状態は開き戸
がわずかに開かれた位置で開き停止する係止状態である
開き戸のロック方法等を提案するものである。
【0005】
【実施例】以下本発明の地震等の際に開き戸をロックす
る開き戸のロック方法を図面に示す実施例に基づき説明
する。ここで図1乃至図4は本発明の開き戸のロック方
法でなく図5乃至図8の本発明の開き戸のロック方法
(その特徴とする構成を他の装置によって達成可能か否
かを検討し該特徴を十分理解するため)の参考として示
すものである。すなわち図1は本発明のロック方法でな
く参考として示す開き戸の地震時ロック装置であり、該
開き戸の地震時ロック装置が適用される開き戸(61)
(62)(両開き戸が示されるが片開き戸も同様)はマ
グネットキャッチ(40)のマグネット(44)で閉じ
られる(閉状態が保持される)。このマグネットキャッ
チ(40)はマグネット(44)の保持体(42)(そ
の外側面の歯が結合されるねじ(45)を回すことによ
りその突出位置調整される)の側面に開き戸の地震時ロ
ック装置が組み込まれている。すなわち保持体(42)
にねじ(49)により略L字状で下方に延出する本体側
金具(4)が固定される。更に同じねじ(49)で後方
に延出するばね支持体(43)が固定されその後端にば
ね手段(1)の後端が固定される。ばね手段(1)は前
方へと延出しその前端に磁石(2)及び突状体(8)と
してのねじが取り付けられる。突状体(8)は前記本体
側金具(4)の係止手段(5)としての孔に嵌入可能な
様に位置決めされる。一方対象物側金具(6)であるが
これは開き戸(61)の背面に固定されるものであり図
示のものはマグネットキヤッチ(40)のマグネット
(44)への吸着体を兼ねたものとなっている。すなわ
ち開き戸(61)(62)のマグネットキャッチ(4
0)による閉状態の保持は対象物側金具(6)がマグネ
ット(44)に吸着することにより行われる。振動のな
い状態では突状体(8)は対象物側金具(6)から離れ
て浮いており開き戸(61)(62)は自由に開閉出来
る。次に地震が起きた場合にはばね手段(1)は振動し
一定以上の振幅になると磁石(2)は本体側金具(4)
に吸着する。これにより突状体(8)は対象物側金具
(6)の係止手段(7)としての孔に嵌入されこれをロ
ックする。この結果開き戸(61)(62)はマグネッ
トキャッチ(40)のマグネット(44)の吸着力では
地震に耐えられず開こうとしても突状体(8)のロック
で開くことはない。以上で明らかな通り家具、住宅、棚
等の本体(91)に固定された装置本体(41)に動き
可能に支持された障害物としての突状体(8)が地震等
のゆれにより移動し開き戸(61)(62)の開放を阻
止するロック装置において該障害物は磁石(2)の磁力
によりロック位置に保持されているのである。磁石
(2)の磁力に直接ロックカを負担させているのではな
くロック位置を磁石(2)の磁力で保持しているのであ
る。次にマグネット(44)の保持体(42)にかかる
曲げ、ねじれ等の力を支えるために保持体(42)はレ
ール(46)に嵌合され本体(41)との結合強化が図
られている。
【0006】図1における様に開き戸の地震時ロック装
置のばね手段(1)をマグネットキャッチ(40)のマ
グネット(44)の保持体(42)自体に組み込む利点
は開き戸(61)(62)とマグネット(44)の位置
関係が一定(開き戸(61)(62)の背面とマグネッ
ト(44)の先端面の位置関係が一定)であることにあ
る。このことは本体側金具(4)の係止手段(5)と対
象物側金具(6)の係止手段(7)の位置がずれないこ
とを意味し突状体(8)のロックが確実になる。しかし
ながら振動検出用ばね手段(1)がその本体(41)に
取り付けられた振動検出用ばね手段付きマグネットキャ
ッチも可能であってこの理由は位置ずれはわずかであり
係止手段(7)としての孔を大きくする等の方法でも位
置ずれの問題は解決出来るからである。保持体(42)
に組み込む場合も本体(41)に直接取り付ける場合も
いずれも装置本体(41)に動き可能に障害物としての
突状体(8)が支持されているという点において共通し
ている。次に解除のための家具等の扉外から扉内への動
き伝達金具(50)は左右の扉(61)(62)の隙間
において押される召合せ材(99)の背面に位置決めさ
れる。すなわち伝達金具(50)は図示のものではマグ
ネットキヤッチ(40)の本体(41)の底面に軸(5
4)で回動可能に取り付けられる。召合せ材(99)の
背面に接触可能に召合せ材ガイド(53)が伝達金具
(50)の正面に設けられる。伝達金具(50)の側方
には解除片(51)が設けられ図示のものは磁石(2)
を本体側金具(4)から物理的に引き離して解除するた
めのものである。伝達金具(50)はマグネットキャッ
チ(40)の本体(41)に収納されたばね(55)に
より一定の方向(正面方向)に押され本体側金具(4)
の背面に位置する背面片(4b)でストップされる。伝
達金具(50)の解除片(51)は本体側金具(4)の
外側面に吸着している磁石(2)の吸着面に侵入するた
め先端が尖っている。以上の伝達金具(50)は左右の
扉(61)(62)の隙間において使用者により棒等で
召合せ材(99)を介して扉外から押されることにな
る。これにより伝達金具(50)はばね(55)に抗し
て押し込められ軸(54)を中心に回動する。この結果
図2の一点鎖線に示す様に解除片(51)は吸着してい
る磁石(2)を本体側金具(4)から物理的に引き離し
て解除する。伝達金具(50)が本体側金具(4)の背
面に位置する背面片(4b)でストップされている理由
はマグネットキャッチ(40)の保持体(42)の動き
に従って伝達金具(50)の解除片(51)が磁石
(2)の吸着面に常に近接する様にし確実な解除を可能
にするためである。
【0007】次に図3及び図4は図1及び図2で説明し
た磁石(2)が直接ロック力を負担するのではなくロッ
ク位置を磁力により保持している旨の原理を理解するた
めの装置を示し、該装置はばね手段(1)(図示のもの
は板ばね)の一端に取り付けられた磁石(2)を有す
る。ばね手段(1)の他端は本体(91)に例えばねじ
等の固定手段(92)で取り付けられる。前記磁石
(2)の取り付け方法としては一例として図示のものは
磁石(2)の孔にブッシュ(3)を嵌入固定し該ブッシ
ュ(3)の雌ねじに突状体(8)としてのねじをねじ込
んで取り付けたものが示される。該突状体(8)として
のねじは磁石(2)の下方へと突出し鋼等の磁性体(磁
石にくつつく材料)で作られた本体側金具(4)の係止
手段(5)としての孔の上方に位置決めされる。次に該
係止手段(5)の下方には本体(91)に固定された対
象物側金具(6)の係止手段(7)としての孔(前記本
体側金具(4)の孔より大きくされずれの吸収が図られ
る)が配置される。以上の図1乃至図4に示した装置の
作用は次の通り。すなわち無振動の状態では突状体
(8)としてのねじは磁石(2)と共に本体側金具
(4)の上方にばね手段(1)により該本体側金具
(4)から離れた状態にある。対象物側金具(6)の係
止手段(7)としての孔は本体側金具(4)の係止手段
(5)としての孔の下方に位置する。従って無振動の状
態では対象物側金具(6)は何の障害もなく図示の矢印
の動き路方向に動くことが出来る。次に地震等の振動が
起きるとばね手段(1)は振動を始めてゆれが大きけれ
ば振動も大きくなる。一定以上の振幅になると磁石
(2)は本体側金具(4)に吸着する(振動は吸着で終
了する)。これにより突状体(8)としてのねじは図4
に示す様に本体側金具(4)の係止手段(5)と対象物
側金具(6)の係止手段(7)を貫通した状態となる。
この突状体(8)の状態は磁石(2)で保持されその保
持状態において係止手段(7)が動こうとすると突状体
(8)は係止手段(5)と係止手段(7)の両者に当接
して動き路方向の剪断力を受ける。この剪断力とは対象
物側金具(6)が突状体(8)を図4の左方に押す力F
と本体側金具(4)が突状体(8)を図4の右方に押す
力Gの両者の剪断力である。この剪断力F、Gは上下方
向に少しずれているため突状体(8)はモーメントを受
ける。
【0008】このモーメントは本体側金具(4)の係止
手段(5)としての孔の図4の左方縁と突状体(8)と
してのねじのねじ山がひっかかった地点で発生するねじ
を下方に押す力H及び本体側金具(4)が磁石(2)の
下面右端を上方に押す力Jの両者によるモーメントによ
り釣り合う。すなわち対象物側金具(6)の係止手段
(7)はねじ(8)を介して本体側金具(4)の係止手
段(5)によりロックされるのである。以上の図1乃至
図4は参考として示した装置であったが次の図5及び図
6は本発明のロック方法であり以下これを説明する。す
なわち図5及び図6は本発明のロック方法が組み込まれ
た開き戸の地震時ロック装置を示し、該開き戸の地震時
ロック装置は本体(13)内に係止体(14)が前後移
動可能にローラー(15)上に支持されている。開き戸
の地震時ロック装置は図6に示す様に家具、住宅、棚等
の本体(91)の天板下面等にその本体(13)が取り
付けられる。地震の際には図5(初期状態)から本体
(13)内の係止体(14)が前方に移動し図6に示さ
れている様に開き戸(61)の係止具(16)の凹所
(17)に係止される。係止具(16)の凹所(17)
には磁石(17a)が設けられ係止体(14)の先下端
が吸着してロック状態が保持される。すなわち開き戸
(61)の開放を阻止するロック位置において障害物と
しての係止体(14)を磁力により吸着保持し開き戸
(61)のロック状態を保持するのである。ロック解除
は開き戸(61)を強い(地震時の開き戸(61)にか
かる加速度による戻り力以上の)力で押すことにより係
止体(14)がばね(19)を押し縮めていきそれを通
過させて慣性で係止体(14)を図5(初期状態)の状
態に復帰させる。ここで係止体(14)の板部における
下方突出部(14a)(プレス成形)は係止体(14)
がばね(19)を押し縮めそれを通過した直後にローラ
ー(15)上に到達する位置にされており係止体(1
4)の先端を浮き上がらせて凹所(17)に引っ掛から
らず係止体(14)を円滑に復帰させるためのものであ
る。更に本体(13)の後端の磁石(18)は復帰した
係止体(14)が跳ね返って再度ロック状態になること
を防止するものである。次に図7及び図8は本発明のロ
ック方法が組み込まれた他の開き戸の地震時ロック装置
を示し、該開き戸の地震時ロック装置は図5及び図6と
比較し次の特徴を有する。すなわち本体(13)の正面
にマグネット(44)が設けられマグネットキャッチ機
能により係止体(14)が地震等の際にロック位置に移
動するまで開き戸(61)を静止させておくのである。
【0009】
【発明の効果】本発明の地震等の際に開き戸をロックす
る開き戸のロック方法の効果を次に列記する。本発明の
開き戸のロック方法は特に収納されている係止手段が地
震時に突出するため確実なロックが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロック方法でなく参考として示す開き
戸の地震時ロック装置の斜視図
【図2】図1の伝達金具の使用状態の底から見た底面図
【図3】図1のロック状態を理解するための装置の斜視
【図4】図3の装置のロック状態の断面側面図
【図5】本発明のロック方法が組み込まれた他の開き戸
の地震時ロック装置の断面側面図
【図6】図5の開き戸の地震時ロック装置のロック位置
の断面側面図
【図7】本発明のロック方法が組み込まれた他の開き戸
の地震時ロック装置の断面側面図
【図8】図7の開き戸の地震時ロック装置のロック位置
の断面側面図
【符号の説明】
1 ばね手段 2 磁石 3 ブッシュ 4 本体側金具 4a 取付片 4b 背面片 5 係止手段 6 対象物側金具 7 係止手段 8 突状体 13 本体 14 係止体 14a 下方突出部 15 ローラー 16 係止具 17 凹所 17a 磁石 18 磁石 19 ばね 40 マグネットキャッチ 41 本体 42 保持体 43 ばね支持体 44 マグネット 45 ねじ 46 レール 49 ねじ 50 伝達金具 51 解除片 52 本体 53 召合せ材ガイト 54 軸 55 ばね 61 開き戸 62 開き戸 91 本体 92 固定手段 99 召合せ材

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】家具、棚等の本体内に装置本体を固定し、
    開き戸側に係止具を設け、前記装置本体内に軸支されず
    突出可能に収納された係止手段が地震時に突出して前記
    係止具に係止するロック方法において、該係止状態は開
    き戸がわずかに開かれた位置で開き停止する係止状態で
    ある開き戸のロック方法
  2. 【請求項2】家具、棚等の本体内に装置本体を固定し、
    開き戸側に係止具を設け、前記装置本体内に軸支されず
    突出可能に収納された係止手段が地震の前後方向ゆれに
    起因して上下方向に突出し前記係止具に係止するロック
    方法において、該係止状態は開き戸がわずかに開かれた
    位置で開き停止する係止状態である開き戸のロック方法
  3. 【請求項3】収納されている係止手段が地震時に突出す
    る請求項1又は2のロック方法を用いた家具
  4. 【請求項4】収納されている係止手段が地震時に突出す
    る請求項1又は2のロック方法を用いた棚
  5. 【請求項5】家具、棚等の本体内に固定された装置本体
    内に軸支されず収納された係止手段が突出することによ
    りわずかに開かれて開き停止した開き戸が閉止位置に戻
    る際にその開き戸の動きで前記係止手段の突出が戻され
    る開き戸の解除方法
  6. 【請求項6】請求項1又は2のロック方法と請求項5の
    解除方法を用いた家具
  7. 【請求項7】請求項1又は2のロック方法と請求項5の
    解除方法を用いた棚
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