JP2896145B2 - 高強度バランスポリウレタンフィルム及びその積層シート - Google Patents

高強度バランスポリウレタンフィルム及びその積層シート

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、機械的強度が強く、しかもこれらの強度が
タテ及びヨコ方向にバランスした特性値を有する、非粘
着性で取扱い性に優れた、織布、不織布、発泡体シート
等の材料とのラミネート用フィルムとして極めて好適な
高強度バランスポリウレタンフィルム及びその積層シー
トに関する。
[従来の技術] 近年、熱可塑性ポリウレタンフィルムは、柔軟性、弾
力性、耐摩耗性、透湿性、耐寒性、耐油性、耐屈曲疲労
性等に数多くの優れた特性を有するために、各種防水衣
料をはじめ、断熱材、スポーツ用品、ベルト、シーツ等
の分野で広く利用されている。
しかしながら、周知の如く、熱可塑性ポリウレタン樹
脂は粘着性が強く、巻取り、巻戻し等の際のハンドリン
グの問題から単独で製膜することが困難であるため、通
常、離型紙、ポリエチレン、ポリプロピレン等のキャリ
ヤシート上に湿式法にて流延凝固させるか、あるいは前
記キャリヤシートと共押出し法によって製膜されるのが
一般的であった。
ところが、これらの方法で得られたフィルムは、キャ
リヤシートを必要とすることによるコスト高に加えて、
配向性が少く、引張強度、引裂強度、衝撃強度等の機械
的強度が不充分であるため、実用に際してはその強度不
足を補うべくフィルム厚さを必要以上に厚くしなければ
ならない関係上、フィルムコストが更に高くなると共
に、熱可塑性ポリウレタン樹脂特有の柔軟性、透湿性等
の特性が損われるという数々の問題を抱えているのが現
状である。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、引張強度、引裂強度、衝撃強
度等の機械的強度が強く、しかもこれらの強度がタテ、
ヨコ方向にバランスした特性値を有する、非粘着性で取
扱い性の良好な高強度バランスポリウレタンフィルム及
びその積層シートを提供する点にある。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は、前記目的を達成するために、熱可塑性
ポリウレタン樹脂の原料特性とその加工方法について、
あらゆる角度から鋭意検討した結果、特定の結晶性を持
つ熱可塑性ポリウレタン樹脂よりなるフィルムであっ
て、しかも該フィルムの配向度と滑り性及び熱寸法安定
性等が特定の要件を満たすならば、織布、不織布、発泡
体シート等の材料とのラミネート用フィルムとして極め
て有用な、高強度にしてバランス性の優れた熱可塑性ポ
リウレタンフィルムが得られることを見い出し、本発明
を完成させた。
即ち本発明は、結晶融解熱0.1乃至3cal/gの熱可塑性
ポリウレタン樹脂よりなるフィルムであって、該フィル
ムのヤング率から求めたタテ及びヨコ方向の配向度PX
PYがそれぞれ下記(1)及び(2)式を満足すると共
に、静摩擦係数が0.1乃至0.95で、且つ100℃熱水中にお
ける収縮率が30%以下であることを特徴とする高強度バ
ランスポリウレタンフィルム及び該ポリウレタンフィル
ムとシート状物からなる積層シートに係るものである。
30≦PX+PY≦120 ………(1) 0.5≦PX/PY≦2 ………(2) (但し、PX,PYの単位はパーセントである。) 本発明において、熱可塑性ポリウレタン樹脂とは、二
官能性ポリオールとジイソシアネート及びグリコールを
主原料としてなる分子構造中にウレタン基を含有するゴ
ム状弾性高分子のうち、熱可塑性を有するものを総称
し、具体的には使用される前記ポリオール等の原料の種
類によって区別されるところのアジペートエステル系、
ポリエーテル系、カプロラクトンエステル系、ポリ炭酸
エステル系等の熱可塑性ポリウレタン樹脂の一種又は二
種以上からなるものであって、且つその結晶融解熱が0.
1乃至3cal/g、好ましくは0.3乃至2cal/gのものである。
本発明のポリウレタンフィルムにおいて、かかる特定
の結晶性を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂を用いる理
由は、結晶性を持たない通常の熱可塑性ポリウレタン樹
脂に比べて粘着性が著しく軽減されるために、従来法の
如きキャリヤシートを必要としないで熱可塑性ポリウレ
タン樹脂単独での製膜が可能となることから、フィルム
を高度に配向させることができるという利点に加え、得
られるフィルムの熱収縮性が大幅に緩和されるという特
別の効果をも奏し得られるためである。
従って、熱可塑性ポリウレタン樹脂の結晶融解熱が0.
1cal/g未満の場合は、粘着性が強くポリウレタン単独で
の製膜が困難であるため、本発明の目的とするような高
強度にしてしかも熱収縮性の小さいフィルムが得られな
いのに対し、結晶融解熱が3cal/gより大きくなると熱収
縮性は改善されるが反面、柔軟性と弾力性が低下して熱
可塑性ポリウレタンフィルムの特性が失われ、更に製膜
性が著しく悪化して均一なフィルムが得られない。
尚、本発明で使用する熱可塑性ポリウレタン樹脂は、
結晶融解熱が前記条件を満たすものであれば結晶性を有
する熱可塑性ポリウレタン樹脂と結晶性を持たない通常
のポリウレタン樹脂をブレンドして用いることができる
ほか、その性質を大きく変えない範囲内でポリ塩化ビニ
ル系、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系等の
熱可塑性樹脂を少量ブレンドしたり、あるいは耐候性、
意匠性等を向上させる目的で紫外線吸収剤、酸化防止
剤、着色剤、滑剤等を必要に応じて適宜添加してもさし
つかえない。
本発明の高強度バランスポリウレタンフィルムはま
た、該フィルムのタテ及びヨコ方向の配向度PX,PYがそ
れぞれ下記(1)及び(2)式を満足するものでなけれ
ばならない。
30≦PX+PY≦120 ………(1) 0.5≦PX/PY≦2 ………(2) (但し、PX,PYの単位はパーセントである。) 即ち、熱可塑性ポリウレタンフィルムは、通常柔軟性
と弾力性、耐摩耗性、透湿性、耐寒性、耐油性、耐屈曲
疲労性等に数多くの優れた特性を有するために、織布、
不織布、発泡体シート等の材料とラミネートして防水衣
料、断熱材、シーツ等に利用されるケースが多いのであ
るが、かかる用途においては、フィルム強度が強いほど
フィルム厚さを薄くすることができるため、経済的効果
はもとより、柔軟性、透湿性等の点でも有利であるな
ど、フィルムの強度すなわち配向度は、単に耐久性を向
上させるという効果のみにとどまらず、熱可塑性ポリウ
レタン樹脂の特性を最大限に発揮させる上でも極めて重
要な意味を持つのである。
本発明者等は、かかる観点に基づき、熱可塑性ポリウ
レタンフィルムの強度と配向度との関係について詳しく
検討した結果、引張強度、引裂強度、衝撃強度等の機械
的強度と、該フィルム本来の柔軟性、透湿性等を同時に
兼備させるには、フィルムの配向度が少なくとも前記
(1)及び(2)式を満足しなければならないことをつ
きとめ、本発明に到達したのである。
従って、熱可塑性ポリウレタンフィルムのタテ及びヨ
コ方向の配向度PX,PYの和が30%より小さいか、あるい
はPX,PYの比率が前記(2)式の範囲を逸脱した場合
は、タテ及び/又はヨコ方向の配向が不充分なために引
張強度、引裂強度、衝撃強度等の機械的強度が弱くなる
のに対し、PX,PYの和が120%より大きい場合は柔軟
性、弾力性等が低下して熱可塑性ポリウレタン樹脂の特
性が失われるほか、熱寸法安定性が悪くなるという不都
合が生じる。
尚、本発明の高強度バランスポリウレタンフィルム
は、その配向度PX,PYがそれぞれ次の範囲を満足するも
のがより好ましい。
40≦PX+PY≦100 ………(1) 0.7≦PX/PY≦1.5 ……(2) ここで、本発明の高強度バランスポリウレタンフィル
ムにおいて、該フィルムの配向度をヤング率から求めた
理由は、熱可塑性ポリウレタン樹脂がそれ自体結晶性に
乏しく、しかも架橋を伴っている関係上、配向度の尺度
として一般的によく知られている複屈折法、赤外二色
法、X線法等の方法では配向度を正確に評価できないこ
とから、本発明では実用上のフィルム強度に直接影響す
るヤング率によって配向度を求める方法を採用したので
ある。かかるポリウレタンフィルムに配向性を持たせる
具体的な方法としては、押出し後の管状ポリウレタンフ
ィルムを特定の条件下で膨張させる、所謂インフレーシ
ョン法が最も一般的であるが、その他ロール間で圧延す
る方法でもさしつかえない。
本発明の高強度バランスポリウレタンフィルムは、更
に該フィルムの静摩擦係数が0.1乃至0.95好ましくは0.1
5乃至0.7で、且つ100℃熱水中における収縮率が30%以
下、好ましくは20%以下であることが肝要である。
なぜなら、熱可塑性ポリウレタンフィルムは、通常、
該フィルムを単独で用いるよりむしろ、織布、不織布等
の材料と熱圧法等の方法でラミネートして使用されるケ
ースが多いのであるが、ポリウレタンフィルムのように
柔軟で弾力性に富み、しかも腰の弱いフィルムにおいて
は、特にその滑り性がフィルム製造時あるは二次加工の
際の巻取り、巻戻し等の作業性に大きく影響し、該フィ
ルムの静摩擦係数が0.1未満の場合は巻ずれが発生しや
すくなるのに対し、静摩擦係数が0.95より大きくなると
巻ジワが発生してフィルムの取扱いが著しく困難になる
のであり、また一方、100℃熱水中での収縮率が30%よ
り大きいと、ラミネートの際の熱によってフィルムにシ
ワが発生したり、あるいはカールが大きくなって実用性
に乏しくなるという問題がそれぞれ生じるためである。
また本発明は、請求項2に記載の如く、前記高強度バ
ランスポリウレタンフィルムと、織布、不織布、発泡体
シート、合成皮革、プラスチックシート、紙から選ばれ
る一種又は二種以上のシート状物からなる、第1図に例
示の如き積層シートを包含する。
即ち、本発明の積層シートは、機械的強度が強く、し
かもこれらの強度がタテ、ヨコ両方向にバランスした特
性値を有する高強度バランスポリウレタンフィルムをベ
ースとするものであるため、該フィルムの薄肉化による
コストダウンと、ポリウレタン樹脂特有の優れた柔軟
性、透湿性等の特性改善が同時に図られるという、これ
までのポリウレタンフィルムを用いた積層シートには見
られなかった数々の優れた特徴を兼備したものである。
しかして、かかる積層シートを構成するシート状物の
うち織布及び不織布としては、木綿、絹などの天然繊
維、ガラス繊維、石綿などの無機質繊維、ビスコースレ
ーヨン、キュプラなどの再成繊維、トリアセテートなど
の半合成繊維、ナイロン系繊維、ポリエステル系繊維、
アクリル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリオレフイ
ン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリウレタン
系繊維などの合成繊維などから選ばれた少くとも一種の
繊維素材よりなる織物、編物及び不織布等が例示され、
その目付けは、通常5乃至1000g/m2のものが好ましい。
また、本発明で言うシート状物とは、前記織布及び不
織布のほかに、更にポリウレタン系、ポリ塩化ビニル
系、ポリオレフイン系、ポリスチレン系などの発泡体シ
ート、ビニル系レザー、ナイロン系レザー、ウレタン系
レザーなどの合成皮革、ポリエステル系、ポリカーボネ
ート系、ポリ塩化ビニル系、ポリスチレン系、ポリアミ
ド系、フッ素系、アクリル系、ポリオレフィン系、メラ
ミン系、フェノール系などの熱可塑性あるいは熱硬化性
プラスチックシート、及び上質紙、クラフト紙、グラシ
ン紙、和紙、板紙、合成紙、塗工紙などの紙等を包含
し、これらを単独あるいは併用して使用するものであ
る。
尚、かかるシート状物は、必要に応じて防水処理、防
炎処理、難燃処理等を施したものでもさしつかえなく、
また該シート状物と高強度バランスポリウレタンフィル
ムをラミネートする方法は、接着剤及び加熱などによる
ドライラミネート法、熱圧ラミネート、フレームラミネ
ート法等が一般的である。
[実施例] 以下、本発明の高強度バランスポリウレタンフィルム
及びその積層シートについて、実施例により更に詳しく
説明する。尚、本発明において行った物性の測定法及び
評価方法は次の如くである。
(1) 結晶融解熱 差動走査熱量計(DSC)に15mgの試料を入れ、これを1
5℃/minの昇温速度で昇温し、融解時にあらわれる発熱
ピーク面積から発熱量を求め、これを試料1g当りに換算
して求めた。
(2) 製膜性 供試の熱可塑性ポリウレタン樹脂を、インフレーショ
ン押出成形法によって製膜した時、フィルム同士の粘着
が少く製膜可能であったものを(○)、フィルムが粘着
したり、あるいは蛇行して製膜困難であったものを
(×)とした。
(3) 配向度 フィルムのヤング率から、次式により配向度を求め
た。
尚、ヤング率の測定は、JIS K7311−1987の規定する
方法で引張試験を行い、引張応力が20gに達するまでの
歪み量(伸び)からヤング率を算出した。また未配向フ
ィルムとは、配向フィルムをジメチルホルムアミド溶液
中に溶解せしめ、流延法にて再度フィルム状に加工した
ものを使用した。
(4) 静摩擦係数 ASTMD1894に規定する方法で測定した。
(5) 熱収縮率 供試フィルムを100℃熱水中に10秒間浸漬し、その間
の熱収縮率を求めた。
(6) 引張強度 JIS K7311−1987に規定する方法で測定した。尚、引
張強度は、実用上の強度を評価するため、その単位を
(kg/5mm)として表した。
(7) 柔軟性 JIS K7311−1987に規定する100%伸長時の引張応力に
よって柔軟性の良否を評価した。尚、100%伸長時の引
張応力は、その単位を(kg/5mm)として表した。
(8) 透湿度 JIS Z0208−1976に規定する方法で測定した。
(9) ラミネート適性 表面温度140〜150℃の熱ロールを装備する熱圧ラミネ
ート機を用いて、ポリエステル不織布(目付50g/m2)と
のラミネート試験を行った。このラミネート試験を通し
て、フイルムの巻取り、巻戻しなどの作業性並びにラミ
ネート後のカール、シワ等の外観のいづれにも問題がな
かったものを(○)、いづれかに問題が認められたもの
を(×)とした。
(10) 総合評価 フィルム製膜性、引張強度、柔軟性、透湿度及びラミ
ネート適性等の評価結果をもとに総合評価したもので、
ポリウレタンフィルムとして優れた諸性質を兼備してい
るものを(○)、フィルム性能上不都合なものを(×)
とした。
実施例1〜4、比較例1〜2 口径50mmのインフレーション押出成形機を用いて、第
1表に示す如き結晶融解熱の種々異なるアジペートエス
テル系の熱可塑性ポリウレタン樹脂を160乃至200℃の温
度で溶融混練し、インフレダイスから押出した後、引続
きブローアップ比2.1、引取速度8m/minの条件でインフ
レーション成形することによって、フィルム厚さ50μ、
折径750mmの熱可塑性ポリウレタンフィルムを作成し
た。尚、得られたフィルムの配向度は、使用した熱可塑
性ポリウレタン樹脂の結晶融解熱によって多少のちがい
は見られたが、いづれもタテ、ヨコ両方向共に40乃至50
%であった。
これらポリウレタンフィルムについて、製膜性、静摩
擦係数、熱収縮率、引張強度、柔軟性、ラミネート適性
等を評価した結果を第1表に示したが、同表より結晶融
解熱、静摩擦係数、熱収縮率が共に本発明の範囲にある
ものは、製膜性が良く、しかも強度、柔軟性などのフィ
ルム特性並びにラミネート適性等に優れることが確認さ
れた。
実施例5〜7、比較例3〜7 ステアリン酸系の滑剤を固形分で0.05重量%含有して
なる結晶融解熱0.6cal/gのアジペートエステル系熱可塑
性ポリウレタン樹脂を、口径50mmのインフレーション押
出成形機により樹脂温度175℃にて押出した後、ブロー
アップ比1.2乃至3.4、引取速度2乃至14m/minの条件で
それぞれインフレーション成形することによって、タテ
及びヨコ方向の配向度が種々異なる。厚さ60μの熱可塑
性ポリウレタンフィルムを作成した。
これらポリウレタンフィルムについて、静摩擦係数、
熱収縮率、引張強度、柔軟性及びラミネート適性等を評
価した結果を第2表に示した。同表より配向度、静摩擦
係数、熱収縮率が共に本発明の範囲にあるものは、強度
が強く柔軟で、しかもラミネート適性に優れるなど、熱
可塑性ポリウレタンフィルムとしての優れた諸性質を兼
備していることが確認された。
実施例8〜13、比較例7〜10 結晶融解熱1.7cal/gの熱可塑性ポリウレタン樹脂を用
い、インフレーション成形の際のブローアップ比、引取
速度を変化させる以外は前記実施例と同様の方法によっ
てタテ及びヨコ方向の配向度が種々異なる、厚さ60μの
熱可塑性ポリウレタンフィルムを作成した。
これらポリウレタンフィルムについて、静摩擦係数、
熱収縮率、引張強度、柔軟性及びラミネート適性等を評
価した結果を第3表に示した。同表より配向度、静摩擦
係数、熱収縮率が共に本発明の範囲にあるものは、強度
が強く柔軟で、しかもラミネート適性に優れることが確
認された。
実施例14 目付50g/m2のポリウレタン弾性不織布の表面に、前記
実施例12で得た高強度バランスポリウレタンフィルムを
温度150℃、圧力0.5kg/cm2、時間2秒の条件で熱圧ラミ
ネートすることによって、不織布と高強度バランスポリ
ウレタンフィルムによる二層の積層シートを作成した。
この積層シートについて、引張強度、柔軟性、透湿性
等の測定結果を第4表に示したが、同表より本発明の高
強度バランスポリウレタンフィルムと不織布よりなる積
層シートは、強度が強く、柔軟性、透湿性共に優れてい
ることが確認された。
比較例11 実施例12で得た高強度バランスポリウレタンフィルム
の代りに、比較例7で得たポリウレタンフィルムを用い
る以外は、実施例14と同様の方法で積層シートを作成し
た。
この積層シートについて、引張強度、柔軟性、透湿性
等の測定結果を第4表に示したが、同表より配向度が本
発明の範囲より低いポリウレタンフィルムを用いた積層
シートは、強度が弱く実用的でなかった。
比較例12 押出加工時の押出量を調節する以外は比較例7と同様
の方法によって、配向度がタテ、ヨコ両方向共に10%の
厚さ、120μのポリウレタンフィルムを作成した。この
ポリウレタンフィルムと前記実施例14で使用した不織布
を温度150℃、圧力0.5kg/cm2、時間4秒の条件で熱圧ラ
ミネートすることによって、不織布とポリウレタンフィ
ルムとなる積層シートを作成した。
この積層シートについて、引張強度、柔軟性、透湿性
等の測定結果を第4表に示したが、同表よりポリウレタ
ンフィルムの厚さを厚くすることにより得られる積層シ
ートの強度不足の問題は解消されたものの、反面柔軟性
と透湿性が大幅に低下して、ポリウレタン樹脂の特性が
失われた。
実施例15 市販の軟質ポリ塩化ビニル製発泡体シート(厚さ3m
m)の片面に、実施例6で得た高強度バランスポリウレ
タンフィルムをフレームラミネート法により積層一体化
せしめることにより、二層構造の積層シートを作成し
た。
この積層シートは、下記の如く引張強度、柔軟性、透
湿性共に優れていた。
引張強度:3.0/3.0(kg/5mm) 柔軟性:0.21/0.21(kg/5mm) 透湿性:960(g/m2.24hr) 比較例13 実施例6で得た高強度バランスポリウレタンフィルム
の代りに、比較例5で得たポリウレタンフィルムを用い
る以外は、実施例15と同様の方法で積層シートを作成し
たが、得られた積層シートはカールが著しく実用的でな
かった。
[発明の効果] 本発明の高強度バランスポリウレタンフィルムは、特
定の結晶融解熱と配向度並びに滑り性、熱寸法安定性等
を有するものであるため、引張強度、衝撃強度等の機械
的強度が強く、しかもこれらの強度がタテ、ヨコ方向に
バランスした特性値を有するほか、非粘着性で優れた取
扱い性及びラミネート適性等を兼備したものである。
また、本発明は、かかる高強度バランスポリウレタン
フィルムをベースとして、更に他の織布、不織布等のシ
ート状物をラミネートした積層シートを包含するもの
で、この場合はフィルムの機械的強度が強いために、フ
ィルムの薄肉化によるコストダウンに加えて、柔軟性、
透湿性等の熱可塑性ポリウレタン樹脂本来の特性が最大
限に発揮されるという特筆すべき効果をも奏し得るな
ど、フィルムとしての実用性のみならず、他のシート状
物との積層シートとしても極めて利用価値の高いもので
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ)乃至(ヘ)は、本発明の高強度バランスポ
リウレタンフィルムをベースとしてなる積層シートの一
実施例を示す断面図である。 1……高強度バランスポリウレタンフィルム、2,2a,2b
……シート状物

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶融解熱0.1乃至3cal/gの熱可塑性ポリ
    ウレタン樹脂よりなるフィルムであって、該フィルムの
    ヤング率から求めたタテ及びヨコ方向の配向度PX,PY
    それぞれ下記(1)及び(2)式を満足すると共に、静
    摩擦係数が0.1乃至0.95で、且つ100℃熱水中における収
    縮率が30%以下であることを特徴とする高強度バランス
    ポリウレタンフィルム。 30≦PX+PY≦120 ………(1) 0.5≦PX/PY≦2 ………(2) (但し、PX,PYの単位はパーセントである。)
  2. 【請求項2】結晶融解熱0.1乃至3cal/gの熱可塑性ポリ
    ウレタン樹脂よりなるフィルムであって、該フィルムの
    ヤング率から求めたタテ及びヨコ方向の配向度PX,PY
    それぞれ前記(1)及び(2)式を満足すると共に、静
    摩擦係数が0.1乃至0.95で、且つ100℃熱水中における収
    縮率が30%以下である高強度バランスポリウレタンフィ
    ルムと、織布、不織布、発泡体シート、合成皮革、プラ
    スチックシート、紙から選ばれる1種又は2種以上のシ
    ート状物からなる積層シート。
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JP2007333045A (ja) * 2006-06-14 2007-12-27 Teijin Fibers Ltd ガスホルダー用膜材およびそれを用いてなるガスホルダー

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