JP2895346B2 - 加工部耐食性に優れた溶融アルミめっき鋼板 - Google Patents

加工部耐食性に優れた溶融アルミめっき鋼板

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JP2895346B2 JP12138993A JP12138993A JP2895346B2 JP 2895346 B2 JP2895346 B2 JP 2895346B2 JP 12138993 A JP12138993 A JP 12138993A JP 12138993 A JP12138993 A JP 12138993A JP 2895346 B2 JP2895346 B2 JP 2895346B2
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隆之 大森
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はめっき層の加工性、加工
部耐食性を改善した溶融アルミめっき鋼板に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術およびその課題】近年、屋根や建築物外壁
に使用される鋼板は、特に長期に亘る耐久性の向上につ
いての要求が厳しくなっている。このため新たな素材と
して例えばZn−Al合金めっき鋼板を用いた塗装鋼板
(特公平2−36384号公報)、あるいは溶融アルミ
めっき鋼板を用いた塗装鋼板(特公平1−14866号
公報)等が開発されている。一般にZn−Al系合金め
っき鋼板においてAl濃度の増大はめっき層の耐食性を
向上させるために、種々のZn−Al系合金めっき鋼板
が開発されている。一方建材用鋼板は曲げ加工をされて
施工される事が多く、加工の厳しい部分ではめっき層に
亀裂が発生しやすいという問題点を抱えている中で、Z
n−Al合金におけるAl含有量の増大はめっき層によ
る地鉄の犠牲防食能を減退させ、アルミめっき鋼板に至
っては大気中においてめっき層による地鉄の犠牲防食能
が消失し、剪断端面や加工によるめっき層の亀裂部から
赤錆を生じやすいという欠点がある。
【0003】この欠点を補う鋼板として、アルミめっき
鋼板にZn−Mg合金粉末を添加した塗装鋼板(特開昭
59−159334号公報)等が開発されている。しか
しこれらの鋼板はめっき層に発生した亀裂を上層の塗装
で防錆しようとするもので、本質的なものではなく、ま
た効果も不十分である。まためっき後に原板の加工性向
上を狙って熱処理をする例(特公昭63−67551号
公報)も見られるが、原板の深絞り性は向上するもの
の、めっき層の加工性はあまり向上しない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はアルミめっき鋼
板の曲げ、あるいはプレス加工によるめっき層の加工性
を向上させ、めっき層の亀裂発生を抑制しようとするも
のである。アルミめっき鋼板のめっき層は鋳造組織で、
非常に延性、展性に乏しいとされてきた。しかし本発明
者らはめっき層を詳細に研究した結果、アルミめっき層
の延性はその組織によって大きく異なることを見いだ
し、組織を制御することによって加工部に亀裂の入りに
くい溶融アルミめっき鋼板を提供するものである。
【0005】以下本発明について詳細に説明する。溶融
アルミめっき鋼板のめっき浴には通常合金の成長を抑制
する目的から、Siを9%程度添加している。めっき層
中のSiは冷却過程で針状共晶結晶となってめっき層に
分散する。この針状SiはマトリックスのAlに対して
硬度が高いためにめっき層に加工が加わったときこのS
iに応力が集中し、亀裂の起点になるものと考えられ
る。まためっき浴にはポット、ロール、ストリップ等か
ら混入するFeを1〜2%含有している。一方状態図に
よると、固相Al中のFe固溶度は約0.05%である
と報告され、またAlにSiが入るとAl中Feの固溶
度はさらに減少するとされている。このため溶融アルミ
が冷却される過程で液相中のFeはAl,Siと比較的
粗大な三元金属間化合物(以下単に金属間化合物と呼
ぶ)を形成する。
【0006】この金属間化合物もマトリックスAlより
も硬度が高く、めっき層の加工性の劣化を促進する。さ
らに溶融状態からの冷却速度が大きいときにはAl中の
Feの固溶限が拡大してAl中に非平衡にFeを固溶す
る。この固溶FeはAl固溶強化への効果が大きく、や
はりめっき層の延性等の加工性を阻害する。
【0007】以上の背景からアルミめっき層の加工性を
向上させる方法として、(1)Siを添加しない。
(2)粗大金属間化合物の生成を抑制する。(3)Fe
の固溶を抑制する。等の方法が考えられる。(1)の方
法はめっき層−地鉄界面に成長する合金層を抑制するた
めにSiは必須であることから困難である。また(2)
の粗大金属間化合物生成を抑えることであるが、浴中F
eは浴中機器やめっき原板から由来するものであるため
一定量の含有は不可避的なもので、金属間化合物の生成
を抑える事はすなわち固溶Feを増す事であるため、加
工性改善に結びつかない。同様の理由で(3)のFe固
溶を抑制する事も金属間化合物の生成を促進することに
なり加工性改善に結びつかない。かかる状況で本発明者
らは検討を重ねた結果、次の結論に至った。
【0008】すなわち粗大な金属間化合物は応力集中を
招きやすく加工性を劣化させるが、細かく分散させる事
によってそれを防ぐ事が出来るという発想に至り、これ
を元に最初の溶融状態からの冷却過程ではできるだけ急
冷して粗大な金属間化合物の生成を抑えると共に共晶S
iをもできるだけ細かくし、次に過飽和に固溶したFe
を析出させる事により従来の材料に較べて大幅にめっき
層を軟質化させ、加工時のめっき層の亀裂を抑制するこ
とに成功したものである。そしてめっき層を軟質化した
ときのめっき組織はAl、針状共晶Si、Fe−Al−
Si三元金属間化合物及び1μm以下のFe−Al−S
i析出相を0.3個/μm2 以上含有することが必須で
あることを見いだしたものである。
【0009】なお組織の観察方法であるが、通常の断面
研磨による観察では組織の違いは明確にならず、表面か
ら研磨することでエッチングを施す事無しに組織を明確
に観察する事が可能である。写真は本発明材の光学顕微
鏡組織を示す。この中の針状の黒っぽい5μm〜25μ
m程度の結晶がSiで、Siよりもやや白っぽい針状ま
たは鈎状の3μm〜15μm程度の結晶が粗大金属間化
合物である。一方マトリックスAl中に一様に分散した
1μm以下の結晶が析出相である。金属間化合物につい
ては二次電子像、あるいは反射電子像を観察するともっ
と分かりやすく、二次電子像で白っぽく観察されるのが
金属間化合物、析出相である。
【0010】次に本発明の構成と限定理由について説明
する。めっき原板は普通鋼であっても、クロム添加鋼で
あっても良い。熱延、あるいは冷延されためっき原板を
ゼンジマー法あるいは無酸化炉法で溶融アルミめっきを
行い、めっき付着量を調節した後に冷却し、捲き取る。
ここでめっき浴の組成はSiを重量比で3%〜12%、
Feを約2%含有し、残部は実質的にAlである。Si
は前述したように合金層の成長を抑制している。この目
的のためには3%以上Siが必要であるが、効果が飽和
することおよび過剰に添加するとSi−Al合金が生成
して耐食性を劣化させるため上限を12%とする。
【0011】また本発明の要旨であるところのめっき層
組織中の析出物は1μm以下を0.3個/μm2 以上と
する。前述したように粗大な金属間化合物は加工時に応
力集中を招きやすいことから析出物は小さいほど好まし
く、その上限を1μmとし、急冷して粗大金属間化合物
をできるだけ防ぐ目的から微細析出物密度は多い程好ま
しく、これ以下では加工性に効果が不十分であることか
ら下限を0.3個/μm2 とした。めっきの付着量につ
いては本発明において特に限定しないが、通常の付着量
である両面60g/m2 から200g/m2 の範囲内で
顕著な効果を示した。過飽和に固溶したFeを析出させ
る方法についても特に限定はしないが、めっき後に加
熱、焼鈍する事が好ましい。尚本発明品はめっきのまま
アルミの地肌を生かして使用する事も、クロメート等塗
装下地処理、塗装を施して塗装鋼板として使用する事も
可能である。
【0012】
【実施例】次に本発明についてその実施例を元に説明す
る。板厚0.8mm、板幅914mmの冷延コイルを無
酸化炉方式の連続溶融アルミめっきラインにて、めっき
浴中のSi添加量を重量比で0.2%〜15%に変えて
アルミめっきを行い、ガスワイピング法によりめっき付
着量を60〜200g/m2 に調節した後に冷却して捲
きとった。めっき後ボックス焼鈍炉にて400℃で10
hr焼鈍を行い、過飽和のFeを析出処理した。比較の
ため析出処理5minの材料も作成した(表1比較例
4)。次にクロム酸系化成処理液ZM−1320TK
(日本パーカライジング社製)を皮膜量がクロム換算で
約20mg/m2 になるようにロール塗装を行い、10
0℃で乾燥させた。続いてポリエチレン系ワックスを約
2%を含有するアクリル系樹脂を厚み4μmで塗装し
た。めっき後焼鈍していない材料と焼鈍した材料、焼鈍
後更に塗装した材料の3種について1t曲げ(同じ板厚
の板を1枚挟んだ曲げ加工),3t曲げ(3枚挟んだ曲
げ加工)加工をそれぞれ行い、めっき層の亀裂発生と赤
錆発生について評価した。試験結果を表1にまとめる
が、比較例に比べて本発明の材料はめっき層の亀裂が抑
制され、湿気槽試験においても良好な結果を示した。評
価方法は以下の通りである。
【0013】亀裂発生状況 供試材を50mm×100mm寸法に剪断し、1t,3
t曲げ後の加工部亀裂発生状況を次の基準で目視判定し
た。 評 点 判定基準 ○ 亀裂発生無し △ 微細亀裂発生 × 亀裂発生顕著
【0014】赤錆発生状況 曲げ加工試験片に対して湿気槽 試験(HCT)を行った。試験7日後の曲げ加工部の赤
錆を評価した。なお湿気槽試験の条件は相対湿度:95
%、温度:49℃である。 評 点 判定基準 ○ 赤錆発生無し △ 赤錆発生僅か × 赤錆発生顕著
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によるアルミ
めっき鋼板は曲げあるいはプレス加工した際に加工部に
めっき亀裂が発生し難く、加工部の赤錆防止に顕著な効
果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアルミめっきの組織(×100)
を示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤永 実 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新日本製鐵株式会社 八幡製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭58−224159(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 2/12 - 2/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の表面に、Si3wt%〜12wt
    %、残部がAl及び不可避的不純物からなるめっき層
    で、その組成がAl、針状共晶Si、Fe−Al−Si
    三元金属間化合物からなり、かつ1μm以下のFe−A
    l−Si析出相を0.3個/μm以上含有するアルミ
    めっき層を有することを特徴とする加工部耐食性に優れ
    た溶融アルミめっき鋼板。
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