JP2895014B2 - イオンレーザ装置 - Google Patents

イオンレーザ装置

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JP2895014B2
JP2895014B2 JP9010430A JP1043097A JP2895014B2 JP 2895014 B2 JP2895014 B2 JP 2895014B2 JP 9010430 A JP9010430 A JP 9010430A JP 1043097 A JP1043097 A JP 1043097A JP 2895014 B2 JP2895014 B2 JP 2895014B2
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optical
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壽威 進士
康夫 太田
弘一 中村
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Nidek Co Ltd
NEC Corp
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Nidek Co Ltd
Nippon Electric Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • H01S3/05Construction or shape of optical resonators; Accommodation of active medium therein; Shape of active medium
    • H01S3/08Construction or shape of optical resonators or components thereof
    • H01S3/086One or more reflectors having variable properties or positions for initial adjustment of the resonator
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
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    • H01S3/08Construction or shape of optical resonators or components thereof
    • H01S3/08086Multiple-wavelength emission
    • H01S3/0809Two-wavelenghth emission

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイオンレーザ装置の
発振波長の選択に関し、特にクリプトンイオンレーザや
アルゴンイオンレーザなどの複数の波長領域の光を発振
するイオンレーザ装置の波長選択機構に属する。
【0002】
【従来の技術】一般にレーザ装置は単一波長ないしはご
く近い波長を有する多波長の同時発振を行うものが多
い。イオンレーザ装置ではイオンレーザ管に封入された
ガス媒質には放電により励起される多数のエネルギー準
位があり、その多数のエネルギー準位に対応し、増幅す
ることによって発振可能となる多数の波長の光が存在す
る。その増幅はイオンレーザ管をはさんで対向するよう
に設置された一対の光共振用ミラーを用いて行われ、発
振させようとする波長領域の光を一対の光共振用ミラー
の間で反射、共振させるのである。
【0003】発振光が2つ以上の波長領域を有するイオ
ンレーザ装置において、一対の光共振用ミラーの反射特
性を調節することにより、イオンレーザ装置からある特
定の波長領域の光を取り出すこともできれば、広い波長
領域に渡る多数の波長の光を同時に取り出すこともでき
る。
【0004】また、それぞれ異なる波長領域に対応した
複数の光共振用ミラーを切換えることにより、同一のイ
オンレーザ装置から異なる波長領域の光を選択して取り
出すことができる。
【0005】医療の用途、もしくは感光材や蛍光材を使
用する場合などの波長感度を有する事例において異なっ
た波長の光を一台のレーザによりその場合に応じて選択
して供給することは非常に有用なことである。
【0006】発振光が2つ以上の波長領域を有するレー
ザにおいてミラーを切換えることにより、波長領域を選
択するという考え方は以前より存在した。
【0007】図8は、そのような一例として米国特許第
5,426,662号公報(従来技術1)に記載されて
いる波長切換手段の構成を示した概略的構成図である。
【0008】イオンレーザ管201は複数のロッド棒2
09とプレート210やプレート211を含む複数のプ
レートより構成される共振器208に固定されている。
共振器208の一番外側のプレート210に可動プレー
ト214が複数の調整ネジ217を介して接続されてお
り、調整ネジ217を調整することにより可動プレート
214のレーザ光軸に対する角度を調整することができ
る。
【0009】一方、イオンレーザ管201は内部ミラー
型でありベローズ240を介してミラー支持体241が
接続されており、ミラー支持体241には第一の波長領
域に適合する反射特性を有する第一の波長領域用全反射
ミラー205と、第一の波長領域とは異なる第二の波長
領域に適合する反射特性を有する第二の波長領域用全反
射ミラー220が設置されている。
【0010】共振器208の他端には図示されていない
が、第一の波長領域及び第二の波長領域の両方に適合す
る反射特性を有する出力ミラーがあり、出力ミラーと第
一の波長領域用全反射ミラー205または第二の波長領
域用全反射ミラー220との間に光共振器系を構成す
る。
【0011】ミラー支持体241は揺りかご状支持体2
42に接続され、揺りかご状支持体242は可動プレー
ト214に設置された受けネジ225または受けネジ2
27を介して可動プレート214に接続されている。揺
りかご状支持体242は受けネジ225または受けネジ
227のどちらかと接触することにより2つの位置に設
定することができる。その位置の調整はそれぞれ受けネ
ジ225と受けネジ227とを調整することにより行わ
れる。
【0012】また、揺りかご状支持体242は接続軸2
43を介して図示されていないがパルスモータに接続さ
れている。揺りかご状支持体242はレーザの光軸と直
交する回転軸223を有している。パルスモータの回転
は接続軸243を介して揺りかご状支持体242の回転
軸223を中心とした回転に変換され、揺りかご状支持
体242は2つの位置のうちのいずれか一方を選択する
ことができる。二つの位置について第一の位置において
は、出力ミラーと第一の波長領域用全反射ミラー205
が光共振器系を構成し、第一の波長領域の光を発振す
る。第二の位置においては出力ミラーと第二の波長領域
用全反射ミラー220が光共振器系を構成し、第二の波
長領域の光を発振する。
【0013】そして、パルスモータを外部制御により駆
動させることにより、揺りかご状支持体242の2つの
位置のうちの一方を選択し、第一の波長領域の光と第二
の波長領域の光のうちの一方を選択してレーザ光として
取り出すことができる。
【0014】従来技術1に記載されているレーザ装置の
特長としては内部ミラータイプのレーザ管を想定し、レ
ーザ管自体に変形させやすいベローズを介して2種類の
全反射ミラーを設置し、2種類の全反射ミラーを保持し
ている揺りかご状支持体242に2種類の位置設定を行
うことにより、2種類のミラーのうちから一方を選択し
て使用できるようにしていることにあり、揺りかご状支
持体242について2種類の位置を精度よく設定してミ
ラーの選択ができるよう工夫されている。
【0015】一方、図9は実開昭63−71563号公
報(従来技術2)に記載されているエキシマレーザ発振
器の波長切換手段の構成を示した概略的構成図である。
レーザ管301にはブロア350により循環されるレー
ザ発振を行うガス媒質が封入されており、充電キャパシ
タ351、この充電キャパシタ351に接続された予備
放電ギャップ(図示せず)、ピーキングキャパシタ(図
示せず)、主放電ギャップ302、スイッチング素子3
52、高電圧発生装置(図示せず)が放電回路を形成し
ている。レーザ管301の一端は、矢印で図示したレー
ザ光307の光軸上に設置された出力ミラー306であ
り、光軸上のレーザ管のもう一方の端にはレーザ光30
7が透過する窓353が設置されている。レーザ管30
1の窓353の外側には回転円盤341が設置され、こ
の回転円盤341には出力ミラー306に選択的に対向
される互いに異なる発振波長に適合する複数の部分透過
ミラー305aおよび305bが設置されている。ま
た、部分透過ミラー305a,305bの背後にはレー
ザ光出力をモニタするために凹面鏡354およびジュー
ルメータ355が設置されている。そして、回転円盤3
41を回転させることにより、部分透過ミラー305
a,305bのうちの一つをレーザの光軸上に設置し、
発振波長を選択するようになっている。
【0016】従来技術2に記載されているエキシマレー
ザ発振器は、波長選択するための複数のミラーを外部ミ
ラータイプとしている。ミラーマウントの形状や回転軸
の設定方法は異なるが、複数のミラーを一つのミラーマ
ウントに装着し、ミラーマウントを動かすことによりミ
ラーを選択するという点では従来技術1と同一の側面を
有している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術1に
記載されている技術では以下に示すように3つの問題が
ある。
【0018】第一の問題は、ミラー支持体241が大き
く複雑な構造を取り、レーザ装置自体が大きく重量のあ
る構造となってしまうことである。ベローズ240はイ
オンレーザ管201が真空系を構成するために金属でで
きている。そのためベローズ240は曲げる角度が制限
されており、狭い角度範囲で第一の波長領域用全反射ミ
ラー205と第二の波長領域用全反射ミラー220の2
枚のミラーを設定しなければならず、ミラー支持体24
1は光軸方向の長さを十分に取る必要がある。
【0019】また、レーザにおいてミラーの角度はμr
adの精度を要求される。一つのミラーホルダにおいて
複数のミラーを同時にμradの精度で配置することは
通常の機械的な公差では不可能なことである。したがっ
て、各ミラーに対して微小な位置調整ができる構造をミ
ラー支持体241本体に有することが必要である。その
ためミラー支持体241の構造は複雑かつ重くなる。
【0020】このようにして可動部であるミラー支持体
241は大きく重くなり、ミラー支持体241を支える
揺りかご状支持体242や共振器208自体も大きくな
る。
【0021】第二の問題は立ち上がり特性や温度特性、
対振動衝撃等の環境特性に対して弱いことである。ミラ
ー支持体241が大きくなり重量が増大することによ
り、共振器208を構成するロッド棒209にかかる負
担は大きくなり対環境的影響を受けやすくなる。また、
ミラー支持体241の構造が複雑になることは各部品の
位置精度などの不安定要因を増大させ、環境等の影響を
受けやすくし、レーザの安定動作に悪影響を与えるもの
である。
【0022】第三の問題は揺りかご状支持体242の位
置設定機構が何らかの故障を起こした場合に、二種類の
波長領域の光の発振が同時に止まってしまう危険性があ
ることである。
【0023】即ち、揺りかご状支持体242の位置を設
定する接続軸243が異常を起こした場合には揺りかご
状支持体242の位置の設定はできなくなるが、第一の
波長領域用全反射ミラー205と第二の波長領域用全反
射ミラー220は共に揺りかご状支持体242に設置さ
れているため、第一及び第二の波長の波長位置設定が同
時にできなくなってしまうことになる。
【0024】ミラーの切換機構部は頻繁に動作させ、か
つ構造も複雑であるため故障する危険性は他の部分に比
べて高いと考えられるが、特に医療用途等の緊急を要す
る場合においては2種類の波長の光が同時に使用できな
くなることは望ましくない。
【0025】また、上述した従来技術2においては以下
のような2つの問題があった。第一の問題はその構造が
複雑かつ重いものになることである。
【0026】従来技術2においては、回転円盤341は
簡略して描かれているが、従来技術1の場合と同様に一
つの回転円盤341に複数のミラーを同時に保持してい
るため、各ミラー間の相互の角度を調整する微調整機構
が必要であり、可動部である回転円盤341自体の構造
は複雑かつ重くなり、対環境的影響を受けやすくなり、
レーザの安定動作に関しても問題があった。
【0027】第二の問題は回転円盤341の位置設定機
構が故障を起こした場合に発振が止まってしまう危険性
があることである。これは一つのミラーホルダに全ての
ミラーが搭載されていることから起こるもので、前述し
た従来技術1の場合と同じである。
【0028】それ故に、本発明においては複数のミラー
を切換えることにより、複数の波長領域よりその一つを
選択することのできるイオンレーザ装置においてミラー
切換機構の小型、軽量化を図る。
【0029】また、ミラー切換機構の小型、軽量化によ
りイオンレーザ装置の温度特性や対衝撃特性等の対環境
特性の向上を実現し、安定したイオンレーザ装置の供給
を目指す。
【0030】さらに、ミラー切換機構が故障を起こした
場合でも、少なくとも一つの波長領域については発振を
確保できる特長を有するイオンレーザ装置の供給を目的
とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、イオン
レーザ管と、該イオンレーザ管をはさんで対向するよう
に設置された一対の光共振用ミラーとを有し、発振光が
2つ以上の波長領域を有するイオンレーザ装置におい
て、前記一対の光共振用ミラーのうち一方は第一の波長
領域に適合する反射特性を有し、前記光共振用ミラーの
もう一方のミラーとの間に第一の光共振器系を構成し、
前記第一の波長領域の光を発振する事が可能な固定され
た第一の波長領域用ミラーと、前記第一の波長領域とは
異なる第二の波長領域に適合する反射特性を有し、前記
光共振用ミラーのもう一方のミラーとの間に、第二の光
共振器系を構成し、前記第二の波長領域の光を発振する
事が可能な第二の波長領域用ミラーより構成され、前記
第二の波長領域用ミラーは第一の位置と前記第一の位置
とは異なる第二の位置を取ることができ、前記第一の位
置では前記第二の波長領域用ミラーは前記第一の光共振
器系の外側に配置され、前記第一の光共振器系が機能
し、前記第一の波長領域の光を発振し、前記第二の位置
では前記第二の波長領域用ミラーは前記第一の光共振器
系の内側に配置され、前記光共振用ミラーのもう一方の
ミラーと前記第二の光共振器系を構成し、前記第二の波
長領域の光を発振する事を特徴とするイオンレーザ装置
が得られる。
【0032】また、本発明によれば、前記第二の波長領
域用ミラーを保持する可動ミラーマウントを具備し、該
可動ミラーマウントは回転軸を有しており、該回転軸は
レーザの光軸と直交しており、前記回転軸を回転するこ
とにより前記可動な第二のミラーを前記第一の位置およ
び前記第二の位置に切換えることができることを特徴と
するイオンレーザ装置が得られる。
【0033】また、本発明によれば、可動な前記回転軸
がパルスモータに接続され、外部制御により該パスルモ
ータを動作させることにより、可動な前記第二のミラー
を前記第一の位置および前記第二の位置に切換えること
ができることを特徴とするイオンレーザ装置が得られ
る。
【0034】さらに、本発明によれば、固定された前記
第一のミラーを保持する固定ミラーマウントを有し、該
固定ミラーマウントはスリットと該スリットの幅を調整
できる調整ネジとを有し、前記スリットはその幅を調整
することにより固定された前記第一のミラーの角度を調
整することができることを特徴とするイオンレーザ装置
が得られる。
【0035】
【作用】イオンレーザ装置の第一の波長領域用ミラーを
固定ミラーマウントに設置し、第二の波長領域用ミラー
を可動ミラーマウントに設置して、第一の波長領域用ミ
ラーと光共振用ミラーのもう一方とで構成する光共振器
系の内側で第二の波長領域用ミラーを光軸内へ挿入、抜
出することにより、ミラーを選択し、発振する波長領域
の選択を行うことができる。また、第一の波長領域用ミ
ラーが固定ミラーマウントに装着されていることによ
り、可動ミラーマウント等のミラー切換機構とは独立し
て位置を固定することができ、可動ミラーマウントの保
持機構等ミラー切換機構が故障した場合でも、第一の波
長領域用ミラーにより設定される光共振器系は確保さ
れ、発振が止まることはない。
【0036】また、固定ミラーマウントの調整ネジを調
整することにより第一の波長領域用全反射ミラーの第二
の波長領域用ミラーに対する角度を微調整することがで
きる。そのため調整ネジを調整することにより、ミラー
を切り換えた場合でも可動プレートの角度を調整する調
整ネジの設定を変更することなくそれぞれの波長領域で
光が発振した状況で使用することができる。
【0037】さらに第一の波長領域用ミラーと第二の波
長領域用ミラーとは個別のミラーマウントに保持されて
いるために、固定ミラーマウントの調整ネジは可動ミラ
ーマウントの外部に設けることができ、可動ミラーマウ
ントは小型、軽量となり対環境特性が向上し、イオンレ
ーザ装置の安定性が向上する。なお可動プレートの角度
を調整する調整ネジにパルスモータを接続し、イオンレ
ーザ装置の運転初期に第一の波長領域用ミラーおよび第
二の波長領域用ミラーのそれぞれについて可動プレート
の角度を調整する調整ネジの最適位置を求め、可動プレ
ートの角度を調整する調整ネジのそれぞれの最適位置に
対応するパルスモータの設定値をCPUに記憶させるこ
とにより、イオンレーザ装置の運転中にミラーを切換え
ても自動的に第一の波長領域用ミラー及び第二の波長領
域用ミラーをそれぞれ最適な角度に設定することもでき
る。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のイオンレーザ装
置の一実施の形態例における構成を図1乃至図4を参照
しながら説明する。
【0039】ここでは説明の簡略化のために、出力ミラ
ーを共通とし、全反射ミラーについて2枚のミラーを使
用する場合について説明する。なお、出力の効率は落ち
るが全反射ミラーが1枚で出力ミラーを2枚使用する場
合も考えられ同様の説明となる。
【0040】図1に示したイオンレーザ装置は外部ミラ
ー型とし、イオンレーザ管1と、このイオンレーザ管1
をはさんで対向するように設置された一対の光共振用ミ
ラー(第一の波長領域用全反射ミラー5、出力ミラー
6)がそれぞれ独立して配置されている。第一の波長領
域用全反射ミラー5は、図2に示す固定ミラーマウント
22を介して可動プレート14に接続されており、第一
の波長領域に適合した反射特性を有する。
【0041】一方、第二の波長領域用全反射ミラー20
は、可動プレート14に対して位置を変えることのでき
る可動ミラーマウント19に設置されており、第一の波
長領域とは異なる第二の波長領域に適合した反射特性を
有する。また光共振用ミラーのもう一方(出力ミラー
6)は第一の波長領域および第二の波長領域の両方に適
合した反射特性を有する。第二の波長領域用全反射ミラ
ー20は2つの位置を取ることができ、第一の位置を取
る場合(図3を参照)は光共振用ミラーのもう一方6と
第一の波長領域用全反射ミラー5がなす光共振器系の外
側に設置され、光共振用ミラーのもう一方6と第一の波
長領域用全反射ミラー5の間で光共振器系を構成し、第
一の波長領域の光を発振する。また、第二の波長領域用
全反射ミラー20が第二の位置をとる場合(図4を参
照)には、光共振用ミラーのもう一方(出力ミラー6)
と第一の波長領域用ミラー5がなす光共振器系の内側に
第二の波長領域用全反射ミラーが設定され、光共振用ミ
ラーのもう一方(出力ミラー6)と第二の波長領域用ミ
ラー20の間で光共振器系が構成され、第二の波長領域
の光を発振する。第二の波長領域用全反射ミラー20の
位置の選択は、図2に示すパルスモータ32により行
う。
【0042】また、図2に示すように、固定ミラーマウ
ント22はスリット36およびスリット36の幅を調整
する調整ネジ37を有する。固定ミラーマウント22の
調整ネジ37により第一の波長領域用全反射ミラー5の
可動プレート14に対する角度の調整を行うことができ
る。
【0043】さらに、本発明の実施の形態について図面
を参照しながら詳細に説明する。
【0044】図1は本発明の第一の実施の形態における
イオンレーザ装置の構造を横方向から見たときの断面の
概略の構成図である。イオンレーザ装置はレーザ発振を
行うガス媒質が封入されているイオンレーザ管1とイオ
ンレーザ管1をはさんで対向するように設置された一対
の光共振用ミラー(第一の波長領域用全反射ミラー5、
出力ミラー6)を有する。
【0045】イオンレーザ管1は内部に細い円筒状の真
直度の良い細管2があり、細管2をはさむようにして陽
極3、陰極4の二つの電極が設置されており、封入され
たガス媒質に電圧を与えることにより放電を行う。放電
時にはイオン化された原子は原子に特有の複数の波長を
もつ光を発生するが、イオンレーザ管1をはさんで対向
するように設置された光共振用ミラー5,6により特定
の波長領域の光を増幅する。光共振用ミラー(第一の波
長領域用全反射ミラー5、出力ミラー6)のうち一方の
ミラーは第一の波長領域の光をすべて反射する第一の波
長領域用全反射ミラー5であり、もう一方は第一の波長
領域及び第一の波長領域とは異なる第二の波長領域の光
の大部分を反射し、一部のみを透過する出力ミラー6で
ある。第一の波長領域用全反射ミラー5と出力ミラー6
の間で増幅された光の一部が出力ミラー6を通して外部
に出力されることによりレーザ光7が得られる。
【0046】レーザ光を増幅させるためにはイオンレー
ザ管1の細管2に対して光共振用ミラー5,6がそれぞ
れ正確に垂直な位置をとることが要求され、イオンレー
ザ発振器においては以下のような共振器8が形成されて
いる。
【0047】すなわち、共振器8はインバーやスーパー
インバー等の熱膨張率の小さい素材を使用した3本のロ
ッド棒9(図1では1本のロッド棒は描かれていない)
とロッド棒9を結合する複数のプレート10,11,1
2,13とで構造体が形成されている。イオンレーザ管
1は2つのプレート11,12に保持されている。また
ロッド棒9の両端にはプ2つのレート10,13があ
り、プレート10,13それぞれに第一の波長領域用全
反射ミラー5、出力ミラー6を保持する2つの可動プレ
ート14,15が接続されている。可動プレート14,
15は2つのプレート10,13とは複数のバネ16を
介して接続されている。また、2つの可動プレート1
4,15にはそれぞれ3本の調整ネジ17(図では1本
ずつ調整ネジが描かれていない)が接続され,調整ネジ
17により2つの可動プレート14,15と2つのプレ
ート10,13との間隔および角度を調整できるように
なっている。
【0048】また可動プレート14にはレーザ光7に直
交した軸を持つ回転軸18を中心にして回転することの
出来る可動ミラーマウント19が設けられている。可動
ミラーマウント19には第二の波長領域の光のすべてを
反射する第二の波長領域用全反射ミラー20が設置され
ている。また、第一の波長領域用全反射ミラー5と第二
の波長領域用全反射ミラー20との周囲には、可動プレ
ート14に接続されて外部の塵埃の侵入を防止するカバ
ー21が設置されている。
【0049】図2は図1のイオンレーザ装置の全反射側
ミラーの近傍部を上方よりながめた概略の構成図で全反
射ミラー近傍部をより詳しく表している。また、カバー
21は内部の構造が分かるように断面(斜線部)で切っ
てある。
【0050】図2に示されている符号1〜21は図1に
示された要素部品と同一のものを表す。
【0051】可動プレート14には固定ミラーマウント
22と第二の波長領域用全反射ミラー20が設置された
可動ミラーマウント19が接続されている。固定ミラー
マウント22には第一の波長領域用全反射ミラー5が設
置されており、カバー21は固定ミラーマウント22と
可動ミラーマウント19を外部と遮断している。
【0052】可動ミラーマウント19にはレーザ光7に
直交した中心軸18を中心にして回転する回転軸23が
設置され、回転軸23の一端には回転腕24が設置され
ている。可動プレート14に保持されている受けネジ2
5と可動プレート14に支持体26(図5に示した)を
介して保持されている受けネジ27(図5に示した)が
あり、回転腕24は受けネジ25と受けネジ27のいず
れかと接触することにより2つの位置に設定することが
できる。二つの位置のそれぞれの位置での固定は回転腕
24に設置されているバネ支持体28と可動プレート1
4に設置されているバネ支持体29により保持されてい
るコイルバネ30によって行われる。
【0053】また回転腕24にはアーム31が設置され
ている。パルスモータ32は回転軸33が中心軸18に
一致するように設定されており、回転軸33には回転腕
34が接続されている。回転腕34には穴35が設けら
れており、アーム31が穴35の中に挿入され、パルス
モータ32が動くことにより回転腕34を通じて回転腕
24を動かし、回転腕24は2つの位置より一方を選択
できる。穴35の直径はアーム31の軸径より大きくな
っており、回転腕34の可動範囲を回転腕24の可動範
囲よりも両端においてわずかに小さくすることにより、
回転腕24が受けネジ25または受けネジ27と接触し
ているときに、回転腕34はアーム31と接触せず、パ
ルスモータ32が回転腕24からの力を受けないように
なっている。
【0054】さらに、固定ミラーマウント22にはスリ
ット36が設置され、スリット部分に接続された調整ネ
ジ37により第一の波長領域用全反射ミラー5の水平方
向の角度調整が出来るようになっている。これにより第
一の波長領域用全反射ミラー5の第二の波長領域用全反
射ミラー20に対する水平方向の角度を調節し、ミラー
を切換えてもともに水平方向の角度が一致した状態に調
整することが出来る。
【0055】可動ミラーマウント19と回転腕24の動
きについて図面を参照してさらに詳細に説明する。図3
は図1のイオンレーザ装置の可動ミラーマウント19が
第一の位置にあるときの可動ミラーマウント19近傍を
横から見た概略図でミラー切換機構部は断面で表してあ
る。図3の符号で表している構成要素は図1及び図2の
場合と共通である。また、可動ミラーマウント19の位
置は図1及び図2での設定に対応している。
【0056】可動ミラーマウント19は垂直に交差する
ように貫通穴があり、一方の貫通穴には近接して第二の
波長領域用全反射ミラー20が設置されており、もう一
方の貫通穴はそのまま素通しとなっている。
【0057】図3において可動ミラーマウント19は二
つの位置のうちの第1の位置に設定されており、第二の
波長領域用全反射ミラー20はレーザ光7の光軸から外
れ、レーザ光7は可動ミラーマウント19の貫通穴を通
して第一の波長領域用全反射ミラー5に到達する。レー
ザ光7は第一の波長領域用全反射ミラー5で反射され第
一の波長領域の光を増幅する。
【0058】図4は図1のイオンレーザ装置において可
動ミラーマウント19が二つの位置のうちの第二の位置
に設定されたときの図3に対応する概略図である。ミラ
ー切換機構部は断面(斜線)で表してある。図4の符号
で表している構成要素は図1〜図3の場合と共通であ
る。
【0059】第二の波長領域用全反射ミラー20はレー
ザ光7の光軸に垂直となるように設定されている。レー
ザ光7は第二の波長領域用全反射ミラー20で反射され
第二の波長領域の光を増幅する。レーザ光7は第二の波
長領域用全反射ミラー20の後面に位置するミラー抑え
用の支持体(図には示されていない)によって遮断され
て第一の波長領域用ミラー5に到達しないため、第一の
波長領域の光は発振しない。または、第二の波長領域用
全反射ミラー20の反射面とは逆側の面に第二の波長領
域用全反射ミラー20が第二の位置をとったときに光軸
に対して垂直とならない一定の角度を付けることによっ
て光軸をずらし、第一の波長領域用全反射ミラーでの共
振関係を崩し、第一の波長領域の光を発振させないこと
もできる。
【0060】図5は図1のイオンレーザ装置で可動ミラ
ーマウント19が第一の位置に設定されたときの回転腕
24近傍を図2で示したA−A′線の断面で横から見た
矢視の概略図である。可動ミラーマウント19近傍は図
3の状態に対応している。図5の符号で表している構成
要素は図1〜図4の場合と共通である。
【0061】可動ミラーマウント19に接続されている
回転腕24はCPUより信号を受けたパルスモータ32
により第一の位置が選択された状態で、受けネジ25に
より固定位置が定められ、コイルバネ30によって位置
が固定されている。受けネジ25を調整することにより
回転腕24の細かな位置調整をすることができる。
【0062】図6は図1のイオンレーザ装置で可動ミラ
ーマウント19が第二の位置に設定されたときの図5に
対応する矢視の概略図である。可動ミラーマウント19
近傍は図4の状態に対応している。
【0063】可動ミラーマウント19に接続されている
回転腕24はCPUより信号を受けたパルスモータ32
により第二の位置が選択された状態で、受けネジ27に
より固定位置が定められ、コイルバネ30によって位置
が固定されている。受けネジ27を調整することにより
回転腕24の細かな位置調整をすることができ、第一の
波長領域用全反射ミラー5に対する第二の波長領域用全
反射ミラー20の垂直方向の角度調整をすることがで
き、ミラーを切換えてもともに垂直方向の角度が一致し
た状態に調整することができる。
【0064】このようにして第一の波長領域用全反射ミ
ラー5と第二の波長領域用全反射ミラー20の相互の角
度を水平方向は固定ミラーマウント22の調整ネジ37
により調整し、垂直方向は回転腕24を受ける受けネジ
27により調整することにより、それぞれを初期的にア
ライメントが取れた状態とし、CPUからミラーの切換
え信号をパルスモータ32に伝達することにより、イオ
ンレーザ装置より第一の波長領域の光と第二の波長領域
の光を自由に選択して取り出すことができる。
【0065】また、ミラー切換機構が故障した場合でも
固定ミラーマウント22には影響がないため、第一の波
長領域の光の発振は確保され、第一の波長領域の光と第
二の波長領域の光が同時に発振しなくなることはない。
【0066】さらに、調整ネジ17のうち2本はそれぞ
れパルスモータ(図では示していない)に接続されそれ
ぞれ水平方向、垂直方向のアライメントを行なえるよう
になっている。CPU(図に示されていない)がレーザ
光7の出力をモニタし、その最大値が実現されるように
パルスモータに信号を発生することにより、最適のアラ
イメント状態が取れるようになっている。
【0067】パルスモータの設定は記憶させることがで
き、第一の波長領域用全反射ミラー5と第二の波長領域
用全反射ミラー20がそれぞれの波長領域で光を発振さ
せた際に、第一の波長領域用全反射ミラー5の時と第二
の波長領域用全反射ミラー20の時でそれぞれが最適に
アライメントされた状況となる調整ネジ17の設定が異
なってくる場合においても、最初に第一の波長領域の光
および第二の波長領域の光についてそれぞれの最適な調
整ネジ17の位置設定を行うパルスモータの設定値を記
憶させることにより、後はミラーを切換えてもその都
度、パルスモータにより各ミラーを自動的に最適な角度
状態に設定することができる。
【0068】次に本発明の第二の実施の形態について図
面を参照しながら説明する。図7は本発明の第二の実施
の形態におけるイオンレーザ装置の全反射側ミラーの近
傍部を上方よりながめた概略の構成図である。
【0069】図7に示されている符号101〜121は
図1に示された1〜21の構成要素に100を加えた符
号で対応する。可動プレート114には固定ミラーマウ
ント122と可動ミラーマウント119が接続されてい
る。固定ミラーマウント122には第一の波長領域用全
反射ミラー105が設置されており、可動ミラーマウン
ト119には第二の波長領域用全反射ミラー120が設
置されており、固定ミラーマウント122と可動ミラー
マウント119の外側には外部の塵埃の侵入を防止する
カバー121が設置されている。
【0070】可動ミラーマウント119にはレーザ光1
07に平行な軸を持つ中心軸118を中心にして回転す
る回転軸123が設置されている。また、可動ミラーマ
ウント119は回転腕を兼ねている。可動プレート11
4に支持体126を介して保持されている受けネジ12
5と可動プレート114に別の支持体(図には示されて
いない)を介して保持されている別の受けネジ(図には
示されていない)がある。可動ミラーマウント119は
受けネジ125と別の受けネジのいずれかと接触するこ
とにより2つの位置に設定することができる。二つの位
置のそれぞれの位置での固定は可動ミラーマウント11
9に設置されているバネ支持体128と可動プレート1
14に設置されているバネ支持体129により保持され
ているコイルバネ130によって行われる。
【0071】可動ミラーマウント119にはアーム13
1が設置されている。パルスモータ132は回転軸13
3が中心軸118と一致するように設定されており、回
転軸133には回転腕134が接続されている。回転腕
134には穴135が設けられており、アーム131が
穴135の中に挿入され、パルスモータ132が動くこ
とにより回転腕134を通じて可動ミラーマウント11
9を動かし、可動ミラーマウント119は2つの位置よ
り一方を選択できる。穴135の直径はアーム131の
軸径より大きくなっている。
【0072】回転腕134の可動範囲を可動ミラーマウ
ント119の可動範囲よりも両端においてわずかに小さ
くすることにより、可動ミラーマウント119が受けネ
ジ125または別の受けネジに接触している時に、回転
腕134はアーム131と接触せず、パルスモータ13
2が可動ミラーマウント119からの力を受けないよう
になっている。
【0073】さらに固定ミラーマウント122にはスリ
ット136が設置され、スリット部分に接続された調整
ネジ137及び別の調整ネジ(図では示していない)に
より固定ミラーの水平方向及び垂直方向の角度調整がで
きるようになっている。これにより、第一の波長領域用
全反射ミラー105の第二の波長領域用全反射ミラー1
20に対する角度を調節し、ミラーを切換えてもともに
二つの波長領域の光がそれぞれ発振する状態に調整する
ことが出来る。
【0074】さらに、調整ネジ117のうち2本はそれ
ぞれパルスモータ(図では示していない)に接続されそ
れぞれ水平方向、垂直方向のアライメントを行なえるよ
うになっている。CPU(図に示されていない)がレー
ザ光7の出力をモニタし、その最大値が実現されるよう
にパルスモータに信号を発生することにより、最適のア
ライメント状態が取れるようになっている。
【0075】パルスモータの設定は記憶させることがで
き、第一の波長領域用全反射ミラー105と第二の波長
領域用全反射ミラー120とがそれぞれの波長領域で光
を発振させた際に、第一の波長領域用全反射ミラー10
5の時と第二の波長領域用全反射ミラー120の時とで
それぞれが最適にアライメントされた状況となる。この
アライメントされた状況となる調整ネジ117の設定が
異なってくる場合においても、最初に第一の波長領域の
光および第二の波長領域の光についてそれぞれの最適な
調整ネジ117の位置設定を行うパルスモータの設定値
を記憶させることにより、後はミラーを切換えてもその
都度、パルスモータにより各ミラーが自動的に最適な角
度状態に設定することができる。
【0076】[実施例]本発明の実施例について図面を
参照しながら詳細に説明する。本発明の第一の実施例と
してKrイオンレーザの場合を取り上げ、第一の実施の
形態が適用されているものとする。Krイオンレーザは
赤色光(647.1nm)と黄色光(568.2n
m)、および緑色光(530.9nm、520.8n
m)の発振光を有する。出力ミラーは赤色光、黄色光、
緑色光のすべてに対応させ、第一の波長領域用全反射ミ
ラーを黄色および緑色光用とし、第二の波長領域用全反
射ミラーを赤色光用とし、2枚の全反射ミラーを切換え
るようにすれば赤色光と黄色および緑色光の2種類の波
長領域の光を選択的に取り出すことが出来る。
【0077】特に眼科医療用の手術装置に関しては患者
の症状に応じて手術に使用する光の波長域が異なってく
るため1台の装置で波長を選択できることは非常に有用
な手術手段を提供することになる。たとえば網膜剥離の
眼底治療においては通常は緑色から黄色の波長の光が適
しているが、患者の目の中が出血している場合には緑色
の光はヘモグロビンにより吸収されやすいため、吸収さ
れにくい赤色光の方が適している。
【0078】次に、図2を参照しながら詳細に説明す
る。発明の実施の形態に示されている第一の波長領域の
光は黄色及び緑色光に対応し、第二の波長領域の光は赤
色光に対応する。第一の波長領域用全反射ミラー5は黄
色及び緑色光の第一の波長領域用全反射ミラー5に第二
の波長領域用全反射ミラー20は赤色光用全反射ミラー
20に対応する。黄色及び緑色光の第一の波長領域用全
反射ミラー5は520nm〜570nmの波長領域の光
に対して99.5%以上の反射率を有している。
【0079】赤色光の第二の波長領域用全反射ミラー2
0は640nm〜680nmの波長領域の光に対して9
9.5%以上の反射率を有する。また出力ミラー6は5
20nm〜570nmの波長領域の光及び640nm〜
680nmの波長領域の光に対して1〜3%の透過率を
有する。可動ミラーマウント19には赤色光の第二の波
長領域用全反射ミラー20が設置されている。固定ミラ
ーマウント22には黄色及び緑色光の第一の波長領域用
全反射ミラー5が設置されている。
【0080】調整ネジ17のうち二本はそれぞれパルス
モータ(図では示していない)に接続されており、最初
に赤色光、黄色および緑色光それぞれについての最適な
調整ネジ17の位置を記憶させることにより、後はミラ
ーを切り換える度にそれぞれの全反射ミラーが自動的に
最適な角度状態に調整されるようになっている。
【0081】図3においては可動ミラーマウント19は
第一の位置に設定されている。赤色光の第一の波長領域
用全反射ミラー20はレーザ光7の光軸から外れ、黄色
及び緑色光の第一の波長領域用全反射ミラー5により黄
色および緑色光が増幅される。
【0082】図4においては可動ミラーマウント19が
第二の位置に設定されており、赤色光の第二の波長領域
用全反射ミラー20はレーザ光7の光軸に垂直となるよ
うに設定されている。レーザ光7は赤色光の第二の波長
領域用全反射ミラー20で反射され赤色光を増幅する。
また、黄色及び緑色光は発振しない。
【0083】また固定ミラーマウント22に黄色及び緑
色光ミラー5が設置されていることにより、ミラー切換
機構が故障を起こした場合においても黄色及び緑色光の
発振は確保される。医療の現場においては故障に対して
強いことは重要であり、特に眼底治療においては黄色及
び緑色光の光さえでていれば、対応できる場合が多いた
め故障時の対応がとりやすい。
【0084】次に本発明の第二の実施例について説明す
る。第二の実施例においてはArイオンレーザを使用す
る。発明の実施の形態は第一の実施の形態でも第二の実
施の形態でもよい。Arイオンレーザにおいては48
8.0nm、514.5nmに代表される可視光領域の
光と、351.1nm、363.8nmに代表される紫
外光領域の光を発振する。出力ミラーは可視光、紫外光
のすべてに対応させ、第一の波長領域用全反射ミラー5
を可視光用とし、第二の波長領域用全反射ミラー20を
紫外光用とし、2枚の全反射ミラーを切換えるようにす
れば可視光と紫外光の2種類の波長領域の光を選択的に
取り出すことが出来る。
【0085】樹脂硬化などの紫外領域の光を使用する場
合、紫外光は目で見ることが出来ないため、光学系の設
定は可視光を利用した方が便利である。そのため本実施
例のように可視光と紫外光を選択して発振することがで
きれば、可視光を使用して光学系の調整を行い、紫外光
で実際の使用用途に応じたレーザ光照射を行うことが出
来る。
【0086】
【発明の効果】以上、実施の形態例によって説明したよ
うに、本発明のイオンレーザ装置によると、従来の技術
においては切換える2つのミラーの相互の位置調整用と
して可動ミラーマウント部に調整機構を設け、全体とし
て大きな構造を必要としていたのに対し、本発明ではミ
ラーの一方を固定式とし、固定ミラー側にその調整機構
を設けることにより、可動ミラーマウント部を小型化す
るとともに全体としての構造を小さくすることができ、
ミラー切換機構の小型化、軽量化を図ることができる。
【0087】また、本発明は従来技術に比べてミラー切
換え部が簡易な構造で小型化、軽量化されるために立ち
上がり特性や温度特性また対振動衝撃特性等の対環境特
性に優れており、レーザの安定性の向上を図ることがで
きる。
【0088】さらに、本発明においては第一の波長領域
用ミラーを定常的に共振器内で固定し、第二の波長領域
用ミラーを光軸内に挿入、抜出することにより、波長領
域の選択を行うため、ミラー切換機構が故障した場合で
も第一の波長領域用ミラーにより設定される光共振器系
は確保され、発振が止まることがなく、ミラー切換え用
制御系が故障しても発振を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態におけるイオンレー
ザ装置を横方向から見たときの概略構成図である。
【図2】図1のイオンレーザ装置の全反射側ミラーの近
傍部を上方よりながめた概略構成図である。
【図3】図1のイオンレーザ装置の可動ミラーマウント
が第一の位置にあるときの可動ミラーマウント近傍を横
から見た概略構成図である。
【図4】図1のイオンレーザ装置の可動ミラーマウント
が第二の位置にあるときの図3に対応する概略構成図で
ある。
【図5】図1のイオンレーザ装置の可動ミラーマウント
が第一の位置にあるときの回転腕の近傍を図2のA−
A′線断面で横から見た矢視の概略構成図である。
【図6】図1のイオンレーザ装置の可動ミラーマウント
が第二の位置にあるときの図5に対応する矢視の概略構
成図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態におけるイオンレー
ザ装置の全反射側ミラーの近傍部を上方よりながめた概
略構成図である。
【図8】従来技術1のイオンレーザ装置の概略構成図で
ある。
【図9】従来技術2のレーザ装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1,101,201 イオンレーザ管 2 細管 3 陽極 4 陰極 5,105,205 第一の波長領域用全反射ミラー 6, 出力ミラー 7,107,307 レーザ光 8,108,208 共振器 9,109,209 ロッド棒 10,11,12.13,110,210,211
プレート 14,15,114,214 可動プレート 16,116 バネ 17,37,117,137,217 調整ネジ 18,118 中心軸 19,119 可動ミラーマウント 20,120,220 第二の波長領域用全反射ミラ
ー 21,121 カバー 22,122 固定ミラーマウント 23,33,123,223 回転軸 24,34,134 回転腕 25,27,125,225,227 受けネジ 26,126 支持体 28,29,128,129 バネ支持体 30,130 コイルバネ 31,131 アーム 32,132 パルスモータ 35,135 穴 36,136 スリット 240 ベローズ 241 ミラー支持体 242 揺りかご状支持体 243 接続軸 301 レーザ管 302 主放電ギャップ 305a 部分透過ミラー 305b 部分透過ミラー 306 出力ミラー 341 回転円盤 350 ブロア 351 充電キャパシタ 352 スイッチイング素子 353 窓 354 凹面鏡 355 ジュールメータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 弘一 愛知県蒲郡市拾石町前浜34番地14 株式 会社ニデック拾石工場内 (56)参考文献 特開 昭62−285481(JP,A) 特開 平1−152682(JP,A) 特開 平3−11778(JP,A) 特開 昭56−19690(JP,A) 特開 平4−255283(JP,A) 実開 平4−63668(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/034 H01S 3/082 H01S 3/22

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオンレーザ管と、該イオンレーザ管を
    はさんで対向するように設置された一対の光共振用ミラ
    ーとを有し、発振光が2つ以上の波長領域を有するイオ
    ンレーザ装置において、前記一対の光共振用ミラーのう
    ち一方は第一の波長領域に適合する反射特性を有し、前
    記光共振用ミラーのもう一方のミラーとの間に第一の光
    共振器系を構成し、前記第一の波長領域の光を発振する
    事が可能な固定された第一の波長領域用ミラーと、前記
    第一の波長領域とは異なる第二の波長領域に適合する反
    射特性を有し、前記光共振用ミラーのもう一方のミラー
    との間に、第二の光共振器系を構成し、前記第二の波長
    領域の光を発振する事が可能な第二の波長領域用ミラー
    より構成され、前記第二の波長領域用ミラーは第一の位
    置と前記第一の位置とは異なる第二の位置を取ることが
    でき、前記第一の位置では前記第二の波長領域用ミラー
    は前記第一の光共振器系の外側に配置され、前記第一の
    光共振器系が機能し、前記第一の波長領域の光を発振
    し、前記第二の位置では前記第二の波長領域用ミラーは
    前記第一の光共振器系の内側に配置され、前記光共振用
    ミラーのもう一方のミラーと前記第二の光共振器系を構
    成し、前記第二の波長領域の光を発振する事を特徴とす
    るイオンレーザ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のイオンレーザ装置にお
    いて、前記第二の波長領域用ミラーを保持する可動ミラ
    ーマウントを具備し、該可動ミラーマウントは回転軸を
    有しており、該回転軸はレーザの光軸と直交しており、
    前記回転軸を回転することにより前記可動な第二のミラ
    ーを前記第一の位置および前記第二の位置に切換えるこ
    とができることを特徴とするイオンレーザ装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のイオンレーザ装置にお
    いて、可動な前記回転軸がパルスモータに接続され、外
    部制御により該パスルモータを動作させることにより、
    可動な前記第二のミラーを前記第一の位置および前記第
    二の位置の切換えることができることを特徴とするイオ
    ンレーザ装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のイオンレーザ装置にお
    いて、固定された前記第一のミラーを保持する固定ミラ
    ーマウントを有し、該固定ミラーマウントはスリットと
    該スリットの幅を調整できる調整ネジとを有し、前記ス
    リットはその幅を調整することにより固定された前記第
    一のミラーの角度を調整することができることを特徴と
    するイオンレーザ装置。
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