JP2894853B2 - 車両の衝突判定装置 - Google Patents
車両の衝突判定装置Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は車両の衝突判別装置に関
し、特に衝突時の加速度センサの出力波形の周波数成分
を分析することにより衝突判定を行う車両の衝突判定装
置に係る。
し、特に衝突時の加速度センサの出力波形の周波数成分
を分析することにより衝突判定を行う車両の衝突判定装
置に係る。
【０００２】車両の衝突判定装置はいわゆるエアバック
システムを作動させるために車両の衝突を判定するもの
であるが、この種の衝突判定装置は、たとえば、図５に
示すようなＢＯＳＣＨ社製のものがある。この衝突判定
装置は加速度センサ（Ｇセンサ）２１で検出した加速度
信号をハイパスフィルタ２２を通した後アンプ２３によ
り増幅し、リミッタ２４により波形を一定周波数に限定
して出力し、この出力信号ａと予め設定されたオフセッ
ト値ａｓとから積分器２５により次式により積分を行
う。ただし、§は積分記号である。なお、ここでいうオ
フセット値ａｓとは通常走行時に発生する加速度信号Ｇ
の最大値である。すなわち、次式においては、出力信号
ａからオフセット値ａｓを引くことによって、通常走行
時に発生するノイズ成分をマスキングしている。
システムを作動させるために車両の衝突を判定するもの
であるが、この種の衝突判定装置は、たとえば、図５に
示すようなＢＯＳＣＨ社製のものがある。この衝突判定
装置は加速度センサ（Ｇセンサ）２１で検出した加速度
信号をハイパスフィルタ２２を通した後アンプ２３によ
り増幅し、リミッタ２４により波形を一定周波数に限定
して出力し、この出力信号ａと予め設定されたオフセッ
ト値ａｓとから積分器２５により次式により積分を行
う。ただし、§は積分記号である。なお、ここでいうオ
フセット値ａｓとは通常走行時に発生する加速度信号Ｇ
の最大値である。すなわち、次式においては、出力信号
ａからオフセット値ａｓを引くことによって、通常走行
時に発生するノイズ成分をマスキングしている。
【０００３】ΔＶ＝§（ａ−ａｓ）ｄｔ
【０００４】そして、この積分値ΔＶを比較器２６に入
力してしきい値ΔＶthと比較し、積分値ΔＶがしきい値
ΔＶthを越えたときを衝突と判定してトリガーをエアバ
ック回路に出力し、エアバックを展開させていた。な
お、このしきい値ΔＶthは、車両の衝突実験などにより
得られたデータを基に求められ、乗員に損傷を与えるよ
うな衝突をした時の加速度センサ２１の出力の積分値の
平均的な値である。
力してしきい値ΔＶthと比較し、積分値ΔＶがしきい値
ΔＶthを越えたときを衝突と判定してトリガーをエアバ
ック回路に出力し、エアバックを展開させていた。な
お、このしきい値ΔＶthは、車両の衝突実験などにより
得られたデータを基に求められ、乗員に損傷を与えるよ
うな衝突をした時の加速度センサ２１の出力の積分値の
平均的な値である。
【０００５】このように従来の衝突判定装置は加速度波
形を積分することにより、速度変化の積分値ΔＶを求
め、一定のしきい値ΔＶthを越えたとき衝突判定信号を
出力してエアバックを展開させている。
形を積分することにより、速度変化の積分値ΔＶを求
め、一定のしきい値ΔＶthを越えたとき衝突判定信号を
出力してエアバックを展開させている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このＢ
ＯＳＣＨ社製の衝突判定装置も衝突時の基本的な波形の
特徴を捉えて処理しているとはいえず信頼性がいまだ十
分ではなく、また、Ｇサンサ２１の故障時には誤った衝
突判定信号を出力して誤作動を招くおそれがあった。ま
た、特開昭５８−１８７８５３号「高炉の内部異常の検
出方法」には、高炉外壁に設けた加速度センサの出力信
号のうち炉状況と関連のある周波数帯を抽出し、抽出さ
れた信号又はそのパターンの変化から炉内異常を判定す
るようにした方法が開示されている。しかしながら、こ
の方法は、ただ単に加速度センサの出力信号から炉内異
常検出という目的に応じた周波数成分を抽出して診断す
るに過ぎず、加速度という単一の物理量を帯域処理して
診断に用いるだけであるため、複雑な異常検出はできな
い等の課題を抱えるものであった。また、特開昭５８−
１７４８８２号「地震判定装置」には、地動速度信号を
微分し、通過帯域が異なる第１，第２の一対のフィルタ
により地震波と人工雑音を抽出し、バックグラウンドノ
イズである人工雑音の積分値をしきい値として地震波を
しきい値判別して地震判定するようにした装置が開示さ
れている。しかしながら、この装置は、比較器における
比較対象となるのが、一方が地動速度信号微分値の低域
濾波出力である地震波であり、他方が地動速度信号微分
値の中域濾波出力の積分値である人工雑音積分値である
というように、異なる物理量どうしを強引に比較器にお
いて比較する構成であり、このため地震波と人工雑音を
峻別できる理論的かつ実証的な根拠に乏しいものである
ことは明らかであった。また、特開昭６３−３１４４６
９号「自動車用衝突センサー」には、加速度信号を積分
する積分器と、この積分器の出力をしきい値判別して衝
突判定信号を得る衝突判定装置が開示されている。しか
しながら、この装置は、感度軸の方向が異なる一対の加
速度センサを設け、それぞれが出力する加速度信号を積
分し、各積分値のしきい値判別結果の組み合わせに応じ
て衝突判定信号を得る、いわゆるダブルセンサ型に属す
るものであり、単一の加速度センサを用いるシングルセ
ンサ型と異なり、衝突時に車両に発生する加速度を感度
軸に沿うベクトル成分として抽出し、しかも両方のベク
トル成分に基づいて衝突判定する構成であるため、仮に
一方の加速度センサが異常をきたしてしまったような場
合、他方の加速度センサが有効に機能していても衝突検
出そのものが実行不能の状態に陥ってしまうといった課
題を抱えるものであった。
ＯＳＣＨ社製の衝突判定装置も衝突時の基本的な波形の
特徴を捉えて処理しているとはいえず信頼性がいまだ十
分ではなく、また、Ｇサンサ２１の故障時には誤った衝
突判定信号を出力して誤作動を招くおそれがあった。ま
た、特開昭５８−１８７８５３号「高炉の内部異常の検
出方法」には、高炉外壁に設けた加速度センサの出力信
号のうち炉状況と関連のある周波数帯を抽出し、抽出さ
れた信号又はそのパターンの変化から炉内異常を判定す
るようにした方法が開示されている。しかしながら、こ
の方法は、ただ単に加速度センサの出力信号から炉内異
常検出という目的に応じた周波数成分を抽出して診断す
るに過ぎず、加速度という単一の物理量を帯域処理して
診断に用いるだけであるため、複雑な異常検出はできな
い等の課題を抱えるものであった。また、特開昭５８−
１７４８８２号「地震判定装置」には、地動速度信号を
微分し、通過帯域が異なる第１，第２の一対のフィルタ
により地震波と人工雑音を抽出し、バックグラウンドノ
イズである人工雑音の積分値をしきい値として地震波を
しきい値判別して地震判定するようにした装置が開示さ
れている。しかしながら、この装置は、比較器における
比較対象となるのが、一方が地動速度信号微分値の低域
濾波出力である地震波であり、他方が地動速度信号微分
値の中域濾波出力の積分値である人工雑音積分値である
というように、異なる物理量どうしを強引に比較器にお
いて比較する構成であり、このため地震波と人工雑音を
峻別できる理論的かつ実証的な根拠に乏しいものである
ことは明らかであった。また、特開昭６３−３１４４６
９号「自動車用衝突センサー」には、加速度信号を積分
する積分器と、この積分器の出力をしきい値判別して衝
突判定信号を得る衝突判定装置が開示されている。しか
しながら、この装置は、感度軸の方向が異なる一対の加
速度センサを設け、それぞれが出力する加速度信号を積
分し、各積分値のしきい値判別結果の組み合わせに応じ
て衝突判定信号を得る、いわゆるダブルセンサ型に属す
るものであり、単一の加速度センサを用いるシングルセ
ンサ型と異なり、衝突時に車両に発生する加速度を感度
軸に沿うベクトル成分として抽出し、しかも両方のベク
トル成分に基づいて衝突判定する構成であるため、仮に
一方の加速度センサが異常をきたしてしまったような場
合、他方の加速度センサが有効に機能していても衝突検
出そのものが実行不能の状態に陥ってしまうといった課
題を抱えるものであった。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決したものであり、車両の加速度を検出する単一の加速
度センサと、該加速度センサの出力を積分する積分器
と、該積分器の積分出力を第１のしきい値を基準にしき
い値判別し、該積分出力が該第１のしきい値を越えると
きに第１の信号を出力する第１の比較器と、前記加速度
センサの出力から衝突時に顕著に現れる複数の周波数成
分を抽出する濾波手段と、該濾波手段が濾波した複数の
周波数成分を重み付け加算する加算手段と、該加算手段
の加算出力を第２のしきい値を基準にしきい値判別し、
該加算出力が該第２のしきい値を越えるときに第２の信
号を出力する第２の比較器と、前記第１の比較器に接続
され、前記第２の比較器が出力する前記第２の信号によ
りゲートを開け、前記第１の比較器が出力する前記第１
の信号を衝突判定信号として通過させて外部出力するゲ
ート手段とを具備することを特徴とするものである。
決したものであり、車両の加速度を検出する単一の加速
度センサと、該加速度センサの出力を積分する積分器
と、該積分器の積分出力を第１のしきい値を基準にしき
い値判別し、該積分出力が該第１のしきい値を越えると
きに第１の信号を出力する第１の比較器と、前記加速度
センサの出力から衝突時に顕著に現れる複数の周波数成
分を抽出する濾波手段と、該濾波手段が濾波した複数の
周波数成分を重み付け加算する加算手段と、該加算手段
の加算出力を第２のしきい値を基準にしきい値判別し、
該加算出力が該第２のしきい値を越えるときに第２の信
号を出力する第２の比較器と、前記第１の比較器に接続
され、前記第２の比較器が出力する前記第２の信号によ
りゲートを開け、前記第１の比較器が出力する前記第１
の信号を衝突判定信号として通過させて外部出力するゲ
ート手段とを具備することを特徴とするものである。
【０００８】
【実施例】以下、本発明の実施例を図１ないし図４を参
照して説明する。図１は、本発明の車両の衝突判定装置
の一実施例を示すブロック構成図、図２は、車室内で測
定された衝突時の加速度サンサの出力波形図、図３は、
衝突時の加速度センサの出力波形のスペクトル図、図４
は、フィルタの出力波形特性図である。
照して説明する。図１は、本発明の車両の衝突判定装置
の一実施例を示すブロック構成図、図２は、車室内で測
定された衝突時の加速度サンサの出力波形図、図３は、
衝突時の加速度センサの出力波形のスペクトル図、図４
は、フィルタの出力波形特性図である。
【０００９】図１中、１は車室内に配置された車両の加
速度を検出する加速度センサであり、車両の衝突時には
この加速度センサ１の加速度信号Ｇは、図２に示すよう
な出力波形を示し、この出力波形を解析すると図３に示
すようなスペクトル波形となる。この図３より、加速度
信号Ｇのうち１０Ｈｚ、４００Ｈｚ±２００Ｈｚ又は１
０００ＨＺ±２００Ｈｚの部分の周波数成分に衝突時に
固有の特徴があることが分かる。
速度を検出する加速度センサであり、車両の衝突時には
この加速度センサ１の加速度信号Ｇは、図２に示すよう
な出力波形を示し、この出力波形を解析すると図３に示
すようなスペクトル波形となる。この図３より、加速度
信号Ｇのうち１０Ｈｚ、４００Ｈｚ±２００Ｈｚ又は１
０００ＨＺ±２００Ｈｚの部分の周波数成分に衝突時に
固有の特徴があることが分かる。
【００１０】上記加速度センサ１の出力側はローパスフ
ィルタ２に接続されており、ローパスフィルタ２は加速
度信号Ｇのノイズ成分を除去する。ローパスフィルタ２
の出力側はアンプ３に接続される。アンプ３は、ローパ
スフィルタ２の出力を増幅する。アンプ３の出力側は、
Ａ／Ｄ変換器４に接続されている。Ａ／Ｄ変換器４は、
ノイズ成分が除去された加速度信号Ｇをディジタル信号
ｇに変換する。Ａ／Ｄ変換器４の出力側は、オフセット
積分演算部５及び加速度信号波形特徴抽出部９に接続さ
れている。
ィルタ２に接続されており、ローパスフィルタ２は加速
度信号Ｇのノイズ成分を除去する。ローパスフィルタ２
の出力側はアンプ３に接続される。アンプ３は、ローパ
スフィルタ２の出力を増幅する。アンプ３の出力側は、
Ａ／Ｄ変換器４に接続されている。Ａ／Ｄ変換器４は、
ノイズ成分が除去された加速度信号Ｇをディジタル信号
ｇに変換する。Ａ／Ｄ変換器４の出力側は、オフセット
積分演算部５及び加速度信号波形特徴抽出部９に接続さ
れている。
【００１１】上記オフセット積分演算部５は、積分器
６、第１の比較器７から構成されており、ディジタル信
号に変換された加速度信号ｇは積分器６において次式に
従ってオフセット積分値ΔＶが演算される。ただし、§
は積分記号である。
６、第１の比較器７から構成されており、ディジタル信
号に変換された加速度信号ｇは積分器６において次式に
従ってオフセット積分値ΔＶが演算される。ただし、§
は積分記号である。
【００１２】ΔＶ＝§（ｇ−ａｓ）ｄｔ
【００１３】なお、オフセット値ａｓは従来技術で説明
したものと同じである。そして、積分器６で算出された
積分値ΔＶは、第１の比較器７の一方の入力端子に出力
される。
したものと同じである。そして、積分器６で算出された
積分値ΔＶは、第１の比較器７の一方の入力端子に出力
される。
【００１４】そして、第１の比較器７は一方の入力端子
に積分値ΔＶを入力するとともに、他方の入力端子に第
１のしきい値ΔＶthを入力し、この第１のしきい値ΔＶ
thと積分値ΔＶを比較し、積分値ΔＶが第１のしきい値
ΔＶthを越えたとき、すなわち、衝突と判定されたとき
に第１の信号である衝突判定信号Ｚ１をスイッチ８に出
力する。
に積分値ΔＶを入力するとともに、他方の入力端子に第
１のしきい値ΔＶthを入力し、この第１のしきい値ΔＶ
thと積分値ΔＶを比較し、積分値ΔＶが第１のしきい値
ΔＶthを越えたとき、すなわち、衝突と判定されたとき
に第１の信号である衝突判定信号Ｚ１をスイッチ８に出
力する。
【００１５】一方、加速度信号波形特徴抽出部９はフィ
ルタ部１０と第２の比較器１１とから構成されている。
フィルタ部１０はローパスフィルタ１０ａ、バンドパス
フィルタ１０ｂ、１０ｃを有し、図３に示すように車両
の衝突時の加速度センサ１の出力波形には、１０Ｈｚ±
１０Ｈｚ、４００Ｈｚ±２００Ｈｚ又は１０００Ｈｚ±
２００Ｈｚの部分の周波数成分に特徴があることに着目
して、これらの周波数帯域の周波数成分のみをローパス
フィルタ１０ａ、バンドパスフィルタ１０ｂ、１０ｃを
用いて選択的に抽出する（図４参照）。抽出された周波
数成分ＬＰＦ（ｆ１），ＢＰＦ（ｆ２），ＢＰＦ（ｆ
３）は加算器１２で合成（重み付け加算）され、次式に
より、加速度センサ１により検出された加速度信号Ｇの
波形と、実験データなどから得られた車両衝突時の加速
度信号波形との適合度合（確率）ＷＳが求められる。
ルタ部１０と第２の比較器１１とから構成されている。
フィルタ部１０はローパスフィルタ１０ａ、バンドパス
フィルタ１０ｂ、１０ｃを有し、図３に示すように車両
の衝突時の加速度センサ１の出力波形には、１０Ｈｚ±
１０Ｈｚ、４００Ｈｚ±２００Ｈｚ又は１０００Ｈｚ±
２００Ｈｚの部分の周波数成分に特徴があることに着目
して、これらの周波数帯域の周波数成分のみをローパス
フィルタ１０ａ、バンドパスフィルタ１０ｂ、１０ｃを
用いて選択的に抽出する（図４参照）。抽出された周波
数成分ＬＰＦ（ｆ１），ＢＰＦ（ｆ２），ＢＰＦ（ｆ
３）は加算器１２で合成（重み付け加算）され、次式に
より、加速度センサ１により検出された加速度信号Ｇの
波形と、実験データなどから得られた車両衝突時の加速
度信号波形との適合度合（確率）ＷＳが求められる。
【００１６】ＷＳ＝ｋ１＊ＬＰＦ（ｆ１）＋ｋ２＊ＢＰ
Ｆ（ｆ２）＋ｋ３＊ＢＰＦ（ｆ３）
Ｆ（ｆ２）＋ｋ３＊ＢＰＦ（ｆ３）
【００１７】ここで、ｋ１、ｋ２、ｋ３は各周波数成分
ＬＰＦ（ｆ１），ＢＰＦ（ｆ２），ＢＰＦ（ｆ３）の比
重（重み）を決める係数である。
ＬＰＦ（ｆ１），ＢＰＦ（ｆ２），ＢＰＦ（ｆ３）の比
重（重み）を決める係数である。
【００１８】そして、適合度合ＷＳは比較器１１の−端
子に入力され、＋端子に入力される第２のしきい値ＷＳ
thと比較され、適合度合ＷＳ＞しきい値ＷＳthのときに
第２の信号Ｚ２を出力してスイッチ８を閉じる。
子に入力され、＋端子に入力される第２のしきい値ＷＳ
thと比較され、適合度合ＷＳ＞しきい値ＷＳthのときに
第２の信号Ｚ２を出力してスイッチ８を閉じる。
【００１９】次に、上記構成からなる衝突判定装置の動
作を説明する。
作を説明する。
【００２０】加速度センサ１により検出された加速度信
号はローパスフィルタ２でノイズ成分が除去されてアン
プ３で増幅され、Ａ／Ｄ変換器４によりディジタル信号
に変換される。ディジタル信号に変換された加速度信号
ａはオフセット積分演算部５及び衝突波形特徴抽出部９
に入力される。オフセット積分演算部５ではオフセット
値ａｓと合成された後、積分器６で積分が行われてオフ
セット積分値ΔＶが求められる。求められたオフセット
積分値ΔＶは、第１の比較器７の−端子に入力されて第
１のしきい値ΔＶthと比較され、オフセット積分値ΔＶ
が第１のしきい値ΔＶthよりも大きいと、衝突判定信号
Ｚ１がスイッチ８に出力される。一方、衝突波形特徴抽
出部９では各フィルタ１０ａ、１０ｂ、１０ｃがそれぞ
れの１０Ｈｚ±１０Ｈｚ、４００Ｈｚ±２００Ｈｚ又は
１０００Ｈｚ±２００Ｈｚの部分の周波数成分のみを抽
出し、これらの周波数成分を合成することで衝突波形の
適合度合（確率）ＷＳが求められる。さらに、この適合
度合（確率）ＷＳが第２の比較器１１において第２のし
きい値ＷＳthと比較され、適合度合ＷＳが第２のしきい
値ＷＳthより大きいとき、第２の信号Ｚ２をゲート手段
としてのスイッチ８に出力する。第２の信号Ｚ２を入力
したスイッチ８が閉じる（すなわち、ゲート手段がゲー
トを開く）と、前記衝突判定信号Ｚ１がスイッチ８を通
過し、トリガーとしてエアバック回路に出力され、これ
によりエアバックが展開する。なお、第２のしきい値Ｗ
Ｓthは衝突波形の適合度合のしきい値であり、衝突実験
により得られた衝突データから実験的に得た値を使用す
る。
号はローパスフィルタ２でノイズ成分が除去されてアン
プ３で増幅され、Ａ／Ｄ変換器４によりディジタル信号
に変換される。ディジタル信号に変換された加速度信号
ａはオフセット積分演算部５及び衝突波形特徴抽出部９
に入力される。オフセット積分演算部５ではオフセット
値ａｓと合成された後、積分器６で積分が行われてオフ
セット積分値ΔＶが求められる。求められたオフセット
積分値ΔＶは、第１の比較器７の−端子に入力されて第
１のしきい値ΔＶthと比較され、オフセット積分値ΔＶ
が第１のしきい値ΔＶthよりも大きいと、衝突判定信号
Ｚ１がスイッチ８に出力される。一方、衝突波形特徴抽
出部９では各フィルタ１０ａ、１０ｂ、１０ｃがそれぞ
れの１０Ｈｚ±１０Ｈｚ、４００Ｈｚ±２００Ｈｚ又は
１０００Ｈｚ±２００Ｈｚの部分の周波数成分のみを抽
出し、これらの周波数成分を合成することで衝突波形の
適合度合（確率）ＷＳが求められる。さらに、この適合
度合（確率）ＷＳが第２の比較器１１において第２のし
きい値ＷＳthと比較され、適合度合ＷＳが第２のしきい
値ＷＳthより大きいとき、第２の信号Ｚ２をゲート手段
としてのスイッチ８に出力する。第２の信号Ｚ２を入力
したスイッチ８が閉じる（すなわち、ゲート手段がゲー
トを開く）と、前記衝突判定信号Ｚ１がスイッチ８を通
過し、トリガーとしてエアバック回路に出力され、これ
によりエアバックが展開する。なお、第２のしきい値Ｗ
Ｓthは衝突波形の適合度合のしきい値であり、衝突実験
により得られた衝突データから実験的に得た値を使用す
る。
【００２１】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、単一の加速度センサが検出する車両の加速度
の積分値が第１のしきい値を越え、かつ加速度に含まれ
る衝突時に顕在化する複数の周波数成分の重み付け加算
値がしきい値を越えたときに衝突判定を下す構成とした
から、ただ単に加速度信号のしきい値判別結果にだけ応
じて乗員拘束具の作動の可否を決定する従来の装置と異
なり、速度変化と特定帯域の加速度という２つの物理量
に基づいて正確な衝突判定が可能であり、例えば低速衝
突や悪路走行或いは縁石乗り上げといった乗員拘束具の
作動を必要としない衝突事象については、速度変化量か
又は特定帯域の加速度合成値のいずれか一方がしきい値
に満たないために衝突判定信号が出力されることはな
く、また中速或いは高速での衝突については、速度変化
量と特定帯域の加速度合成値の両方がしきい値を満たし
た時点で確実に衝突判定を下すことができ、従って例え
ば加速度センサの出力信号のうち１０Ｈｚ近傍、４００
Ｈｚ近傍又は１０００Ｈｚ近傍の周波数成分だけを抽出
することで、衝突時に顕在化する周波数成分を捕らえて
確実な衝突判定を下すことができ、さらにまた第１及び
第２のしきい値と特定周波数成分の帯域ならびに重み付
け係数という４つのパラメータを調整することで、車種
に応じた幅広い対応が可能であり、しかも使用する加速
度センサが単一のシングルセンサ型の構成としたので、
従来の特殊なダブルセンサ型のように、一方の加速度セ
ンサの故障がそのまま衝突判定の放棄に至るといったこ
とはなく、並列配置した加速度センサごとに設けた衝突
判定装置により複数の衝突角度に対応した耐久性の高い
衝突判定が可能である等の優れた効果を奏する。
によれば、単一の加速度センサが検出する車両の加速度
の積分値が第１のしきい値を越え、かつ加速度に含まれ
る衝突時に顕在化する複数の周波数成分の重み付け加算
値がしきい値を越えたときに衝突判定を下す構成とした
から、ただ単に加速度信号のしきい値判別結果にだけ応
じて乗員拘束具の作動の可否を決定する従来の装置と異
なり、速度変化と特定帯域の加速度という２つの物理量
に基づいて正確な衝突判定が可能であり、例えば低速衝
突や悪路走行或いは縁石乗り上げといった乗員拘束具の
作動を必要としない衝突事象については、速度変化量か
又は特定帯域の加速度合成値のいずれか一方がしきい値
に満たないために衝突判定信号が出力されることはな
く、また中速或いは高速での衝突については、速度変化
量と特定帯域の加速度合成値の両方がしきい値を満たし
た時点で確実に衝突判定を下すことができ、従って例え
ば加速度センサの出力信号のうち１０Ｈｚ近傍、４００
Ｈｚ近傍又は１０００Ｈｚ近傍の周波数成分だけを抽出
することで、衝突時に顕在化する周波数成分を捕らえて
確実な衝突判定を下すことができ、さらにまた第１及び
第２のしきい値と特定周波数成分の帯域ならびに重み付
け係数という４つのパラメータを調整することで、車種
に応じた幅広い対応が可能であり、しかも使用する加速
度センサが単一のシングルセンサ型の構成としたので、
従来の特殊なダブルセンサ型のように、一方の加速度セ
ンサの故障がそのまま衝突判定の放棄に至るといったこ
とはなく、並列配置した加速度センサごとに設けた衝突
判定装置により複数の衝突角度に対応した耐久性の高い
衝突判定が可能である等の優れた効果を奏する。
【図１】本発明の車両の衝突判定装置の一実施例を示す
ブロック構成図である。
ブロック構成図である。
【図２】車室内で測定された衝突時の加速度サンサの出
力波形図である。
力波形図である。
【図３】衝突時の加速度センサの出力波形のスペクトル
図である。
図である。
【図４】フィルタの出力波形特性図である。
【図５】従来の車両の衝突判定装置の一例を示すブロッ
ク構成図である。
ク構成図である。
１ 加速度センサ ４ Ａ／Ｄ変換器 ５ オフセット積分演算部 ６ 積分器 ７，１１ 比較器 ８ スイッチ ９ 衝突波形特徴抽出部 １０ フィルタ部 １０ａ ローパスフィルタ １０ｂ，１０ｃ バンドパスフィルタ １２ 加算器
Claims (1)
- 【請求項１】 車両の加速度を検出する単一の加速度セ
ンサと、該加速度センサの出力を積分する積分器と、該
積分器の積分出力を第１のしきい値を基準にしきい値判
別し、該積分出力が該第１のしきい値を越えるときに第
１の信号を出力する第１の比較器と、前記加速度センサ
の出力から衝突時に顕著に現れる複数の周波数成分を抽
出する濾波手段と、該濾波手段が濾波した複数の周波数
成分を重み付け加算する加算手段と、該加算手段の加算
出力を第２のしきい値を基準にしきい値判別し、該加算
出力が該第２のしきい値を越えるときに第２の信号を出
力する第２の比較器と、前記第１の比較器に接続され、
前記第２の比較器が出力する前記第２の信号によりゲー
トを開け、前記第１の比較器が出力する前記第１の信号
を衝突判定信号として通過させて外部出力するゲート手
段とを具備することを特徴とする車両の衝突判定装置。
Priority Applications (6)
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|---|---|---|---|
| JP3031736A JP2894853B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 車両の衝突判定装置 |
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| DE69225817T DE69225817T2 (de) | 1991-01-31 | 1992-01-31 | Vorrichtung zur Erfassung eines Fahrzeugaufpralls |
| AU10688/92A AU655625B2 (en) | 1991-01-31 | 1992-01-31 | Vehicle collison detecting apparatus |
| US07/828,455 US5285187A (en) | 1991-01-31 | 1992-01-31 | Vehicle collision detecting apparatus |
| EP92101612A EP0498312B1 (en) | 1991-01-31 | 1992-01-31 | Vehicle collision detecting apparatus |
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|---|---|---|---|
| JP3031736A JP2894853B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 車両の衝突判定装置 |
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|---|---|
| JP (1) | JP2894853B2 (ja) |
Cited By (1)
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| JP2013501923A (ja) * | 2009-08-14 | 2013-01-17 | コンテイネンタル・オートモーテイブ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング | 特に自動車における固体伝搬音信号の信号処理方法及び対応する信号処理装置を持つ乗客保護システム |
Families Citing this family (1)
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Family Cites Families (1)
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|---|---|---|---|---|
| JPS63124044A (ja) * | 1986-11-14 | 1988-05-27 | Konica Corp | ハロゲン化銀カラ−写真感光材料 |
-
1991
- 1991-01-31 JP JP3031736A patent/JP2894853B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013501923A (ja) * | 2009-08-14 | 2013-01-17 | コンテイネンタル・オートモーテイブ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング | 特に自動車における固体伝搬音信号の信号処理方法及び対応する信号処理装置を持つ乗客保護システム |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
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| JPH054559A (ja) | 1993-01-14 |
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