JP3289583B2 - 車両の衝突判定方法及び衝突判定装置 - Google Patents

車両の衝突判定方法及び衝突判定装置

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JP3289583B2 JP31146595A JP31146595A JP3289583B2 JP 3289583 B2 JP3289583 B2 JP 3289583B2 JP 31146595 A JP31146595 A JP 31146595A JP 31146595 A JP31146595 A JP 31146595A JP 3289583 B2 JP3289583 B2 JP 3289583B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、短期と長期の速度
変化量に衝撃力を併せ、車両の衝突を高速かつ高精度に
判定するようにした車両の衝突判定方法及び衝突判定装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4に示す車両の衝突判定装置1は、車
両衝突時にエアバッグを展開させるべき衝突であるか否
かを判定するための装置であり、加速度センサ2により
得られる加速度信号Gを折り返し歪み排除用の低域濾波
回路3にて濾波し、離散値データとしてディジタル信号
処理部1a内に取り込み、衝撃力判定と短区間積分判定
と長区間積分判定とにかけて衝突判定を行うものであ
る。
【0003】衝突判定装置1は、車両が衝突したときに
乗員に危害が及ぶ塑性衝突について、車両の前部を無数
のばね体が複合された塑性ばねと見なすことを前提とし
ており、衝突により車両が停止に至る過程で加速度信号
の基本1/4正弦波に重畳する各種の振動波形のなかか
ら、衝突時に顕著な特定の帯域成分を抽出することによ
り、速度変化量を追跡しただけでは分からない衝撃力を
検出し、悪路走行や縁石乗り上げ等に伴う衝撃等と区別
して、安全装置の作動を必要とする衝突を判定するよう
工夫してある。様々な実験の結果、加速度データに含ま
れる20Hzから200Hzの帯域成分が衝撃の大きさ
に応じて大きな変化を示すことが判っており、このため
衝撃力演算では、まず帯域濾波回路4において上記の特
定帯域成分を抽出し、抽出した帯域成分を二乗演算器5
において二乗演算し、ここで得られる衝撃力を表す数値
ΔE(k)を続く比較器6においてしきい値判別する。
なお、二乗演算の根拠は、近似的に余弦曲線に従って減
衰する速度の場合、余弦曲線上の位相0度と90度の間
できわめて隣接する2点間の衝撃力が、これら2点間で
の速度変化分の二乗に比例すると見なせる点にある。
【0004】比較器6においてしきい値判別された衝撃
力を表す数値ΔE(k)は、続く波形整形器7において
波形整形される。この波形整形器7は、しきい値を越え
る衝撃力が比較器6の出力として得られたときに、比較
器6の出力を一定期間だけ時間軸方向に伸長し、少なく
とも一定時間は持続する波形に整形するものである。波
形整形器7は、具体的には、比較器6の出力の立ち上が
りでトリガされて例えば20ms程度持続するワンショ
ットパルスを生成するワンショット回路7aと、このワ
ンショット回路7aの出力ワンショットパルスと比較器
6の原出力との論理和をとるオアゲート回路7bとから
構成される。このため、二乗演算器5の出力が危険値を
越える急激な衝撃力の変化を示すときは、波形整形器7
の出力が衝突認定の可能性が大であることをワンショッ
トパルスの持続期間に亙って明示し続ける。
【0005】速度変化量に関する区間積分は、短区間と
長区間の各区間積分器8,9により行われ、離散値化さ
れた加速度データG(k)を、実施例では短区間積分器
8は18msの積分区間Tで、また長区間積分器9は9
0msの積分区間nTでそれぞれ逐次加算して積分演算
する。各区間積分器8,9の出力は続く比較器10,1
1においてしきい値判別され、それぞれ一定の基準値V
rs,Vrlを越える区間積分値が得られた場合に、判
定回路12に対してハイレベルの信号を出力する。判定
回路12には、衝撃力のしきい値判別出力と長区間積分
値及び短区間積分値のしきい値判別出力とが供給され、
ここで衝突認定に至るか否かの衝突判定が行われる。す
なわち、判定回路12は、衝撃力判別出力と短区間積分
値のしきい値判別出力との論理積をとるアンドゲート回
路12aと、このアンドゲート回路12aの出力と長区
間積分値のしきい値判別出力との論理和をとるオアゲー
ト回路12bとから構成されており、オアゲート回路1
2bのハイレベル出力がエアバッグ展開トリガ信号とな
る。
【0006】図5に示す衝撃力ΔE(k)と速度変化量
ΔV(k)を2軸とする平面上で見た場合、判定回路1
2による判定は、衝突域と非衝突域を区画する3本の直
線からなる判定曲線を境界に行われる。すなわち、この
判定曲線が区画する衝突域とは、 (i)ΔE(k)>Erで、かつΔV(k)>Vrs か、又は (ii)ΔV(k)>Vrl の2条件を少なくとも満たす領域である。なお、同図に
は、中速での正面衝突と高速での正面衝突の外に、緩衝
機能をもった缶状体からなるクッションドラムとの衝突
や、電柱や支柱といったポールへの衝突といった事例ご
とに、衝撃力ΔE(k)と速度変化量ΔV(k)の相関
が最も深い領域を、それぞれ点線で囲って示してある。
また、判定曲線の内側の領域には、通常走行や車体のシ
ャーシ部分だけの危険を伴わない衝突を示す縁石乗り上
げ或は悪路走行のごとく、判定回路12が非衝突である
と判定する事例についても、衝撃力ΔE(k)と速度変
化量ΔV(k)の相関が最も深い領域をそれぞれ点線で
囲って示してある。これらの分類パターンは、実際に車
両を使って衝突実験をしたさいに得られたデータにもと
づいて作成され、衝撃力ΔE(k)と速度変化量ΔV
(k)が判れば、3本の直線が区画する衝突域の内外に
衝突と非衝突が区別できることが判る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の車両の衝突判定
装置1は、ディジタル信号処理部1a内の帯域濾波回路
4の濾波特性として、例えば20〜200Hzを濾波帯
域とする濾波特性を想定しており、ディジタルフィルタ
にてこの濾波特性を実現するには、非常に複雑な回路構
成が必要になり、実際に差分方程式で表される差分演算
に要するソフトウェアが複雑化するため、ディジタル信
号処理部1aの構成主体であるCPU(図示せず)は多
大の負担を覚悟しなければならない。また、二乗演算器
5における面倒な二乗演算を含めた要求処理能力からし
ても、ディジタル信号処理部1aには16ビットCPU
が不可欠であり、CPUを8ビットCPUに変えてコス
ト低減を図るといった道は閉ざされていた。
【0008】また、短区間積分器8から得られる速度変
化量ΔV(k)は、衝突の前後で著しい変化を示す高速
の正面衝突のようなケースでは衝突判定に役立つが、衝
突域と非衝突域を分ける判定曲線に近い中速の正面衝突
のような場合、すなわち加速度データがじわっと変化す
るようなときに、エアバッグを展開すべき展開トリガ信
号が遅れる等の課題があった。
【0009】さらにまた、加速度信号の時間変化率をし
きい値判別して衝突を検出する構成を採用しようとする
と、例えば時速8マイル(約12.2Km/h)の衝突
ではエアバッグを展開させず、時速12マイル(約1
9.2Km/h)の衝突ではエアバッグを展開させると
いうように、車両の走行速度に基づいて展開条件を規定
したような場合に、特に車体剛性の乏しい車種では、時
速8マイル以下の衝突においても車体に共振が生じ、こ
の共振に伴う共振周波数成分の時間変化率がしきい値を
越えてしまい、不要にエアバッグを展開させてしまうこ
とがある等の課題があった。
【0010】本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされ
たものであり、衝撃力と加速度信号の短区間積分出力が
ともに所定のしきい値を越えるか、又は加速度信号低周
波成分の短区間積分出力及び振幅制限時間微分出力とが
ともに所定のしきい値を越えるか、又は加速度信号の長
区間積分出力が所定のしきい値を越えるときに衝突判定
を下し、車両が衝突したときに乗員に危害が及ぶ塑性衝
突について、短期と長期の速度変化量に衝撃力を合わせ
て総合的に衝突判定し、高速かつ高精度の衝突判定を行
うことを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し、かつ
前記課題を解決するため、本発明の車両の衝突判定方法
は、車両に加わる加速度を検出し、該加速度を現在値ま
で短区間積分する一方、現在値まで長区間積分し、かつ
前記加速度の低周波成分を現在値まで短区間積分する一
方、振幅制限して時間微分し、かつ前記加速度から抽出
される車両の衝突時に顕著に現れる特定の帯域成分の絶
対値をとって衝撃力を演算し、該衝撃力と前記短区間積
分出力がともに所定のしきい値を越えるか、又は前記加
速度の低周波成分の前記短区間積分出力及び前記振幅制
限時間微分出力とがともに所定のしきい値を越えるか、
又は前記長区間積分出力が所定のしきい値を越えるかを
判別して衝突を判定することを特徴とするものである。
【0012】また、本発明の車両の衝突判定装置は、車
両に加わる加速度を検出する加速度センサと、該加速度
センサの出力を現在値まで比較的短い区間だけ積分する
第1の短区間積分器と、前記加速度の低周波成分を抽出
する低域濾波回路と、該低域濾波回路の出力を現在値ま
で比較的短い区間だけ積分する第2の短区間積分器と、
前記低域濾波回路の出力を一定の上限以下に振幅制限す
るリミッタ回路と、該リミッタ回路の出力を時間微分す
る微分器と、前記加速度センサの出力を現在値まで比較
的長い区間に亙って積分する長区間積分器と、前記加速
度センサの出力から抽出される車両の衝突時に顕著に現
れる特定の帯域成分の絶対値をとって衝撃力を演算する
衝撃力演算手段と、該衝撃力演算手段の出力と前記第1
の短区間積分器の出力がともに所定のしきい値を越える
か、又は前記第2の短区間積分器の出力と前記微分器の
出力がともに所定のしきい値を越えるか、又は前記長区
間積分器の出力が所定のしきい値を越えるかを判別して
衝突を判定する判定回路とを具備することを特徴とする
ものである。
【0013】さらに、本発明の車両の衝突判定装置は、
前記衝撃力演算手段が、前記加速度センサの出力から車
両の衝突時に顕著に現れる特定の帯域成分を抽出するア
ナログ回路構成の帯域濾波器と、該帯域濾波器の出力の
絶対値をとる絶対値回路と、該絶対値回路の出力を所定
値を基準にしきい値判別する比較器と、該比較器の出力
を少なくとも一定時間は持続する波形に整形する波形整
形器とを含むこと、或いは前記低域濾波回路が、離散値
データとして与えられる加速度信号を差分演算により濾
波するディジタルフィルタで構成された一次低域濾波回
路であること、或いは前記リミッタ回路が、前記低域濾
波回路の出力を所定のしきい値を基準に大小判別する判
別ステップと、該判別ステップの判別結果に応じて、前
記低域濾波回路の出力が前記しきい値を越える場合は、
該低域濾波回路の出力を前記しきい値に固定する上限抑
制ステップとに従ってソフトウェア上で振幅制限するこ
と、或いは前記微分器が、前記リミッタ回路から供給さ
れる離散値データをシンプソンの微分公式に則った演算
アルゴリズムに従って時間微分すること等を、他の特徴
とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図1ないし図3を参照して説明する。図1は、本発
明の車両の衝突判定装置の一実施形態を示す回路構成
図、図2は、図1に示したディジタルフィルタからなる
低域濾波回路の回路構成図、図3は、図2に示した低域
濾波回路の濾波特性を示す図である。
【0015】図1に示す車両の衝突判定装置21は、加
速度センサ22により得られる加速度信号Gを、アナロ
グ回路構成の低域濾波回路23aと高域濾波回路23b
を縦列接続した帯域濾波器23により帯域濾波し、ディ
ジタル信号処理部21a内で加速度信号Gの絶対値判定
と短区間積分判定と長区間積分判定及び加速度信号低周
波成分の短区間積分判定と振幅制限微分判定の計5種類
の判定を総合して衝突判定を行う構成としたものであ
り、ディジタル信号処理部21aの構成主体であるCP
U(図示せず)を16ビットCPUではなく遥かに安価
な8ビットCPUとしながらも、従来の衝突判定装置1
と同等もしくはそれ以上の正確かつ確実な衝突判定を可
能にした点に特徴がある。
【0016】加速度センサ22としては、ピエゾ抵抗変
化を利用する応力歪みゲージを車両の進行方向に受圧面
を向けて半導体基板上に組み込んだものが用いられる
が、ピエゾ抵抗変化を検出する半導体加速度センサに限
らず、圧電素子を用いたもの或いは純粋機械式に弾性ば
ねを用いるものなども使用できる。加速度センサ22が
出力する加速度信号Gは、離散値データに変換する前に
低域濾波回路23aにおいて折り返し歪みの影響を排除
すべく80ないし260Hzを越える高周波成分例えば
80Hzを越える高周波成分を除去され、続く高域濾波
回路23bに送り出される一方で、ディジタル信号処理
部21a内の第1の短区間積分器24と長区間積分器2
5と低域濾波回路26に対し、それぞれAD変換入力ポ
ート経由で送り込まれる。
【0017】高域濾波回路23bは、低域濾波回路23
aの出力に含まれる20ないし160Hz以下の低周波
成分例えば20Hz以下の低周波成分を除去し、濾波出
力をAD変換入力ポート経由でディジタル信号処理部2
1a内の絶対値回路26に送り込む。絶対値回路26
は、従来の二乗演算器5に代わって衝撃力演算を行う回
路であるが、8ビットCPUを構成主体とするディジタ
ル信号処理部21aにとっては、帯域濾波演算を部外に
移行させ、なおかつ二乗演算から絶対値演算に変更した
ことで、処理能力負担が大いに軽減されたのは事実であ
る。なお、近似的に余弦曲線に従って減衰する速度に関
し、前述のごとく、余弦曲線上の位相0度と90度の間
できわめて隣接する2点間での衝撃力は、これら2点間
での速度変化分の二乗に比例すると見なしたときに、加
速度データの二乗演算値をもって表すのが妥当である
が、実施例のごとく、二乗演算値を絶対値で置換する一
方で、後続のしきい値判別での判定基準を与えるErを
Erの平方根で置換して対処した場合、衝撃力判定の中
身は実質的に変わらないことになる。
【0018】こうして、絶対値回路26から加速度デー
タG(k)の正負に関係なく得られた衝撃力の大きさに
関係する絶対値|G(k)|は、続く比較器27におい
て一定の基準値すなわちErの平方根を基準にしきい値
判別され、波形整形器28に送り込まれる。波形整形器
28は、しきい値を越える衝撃力が比較器27の出力と
して得られたときに、比較器27の出力を一定期間だけ
時間軸方向に伸長し、少なくとも一定時間は持続する波
形に整形するものであり、実施例の場合、比較器27の
出力の立ち上がりでトリガされて30ms持続するワン
ショットパルスを生成するワンショット回路28aと、
このワンショット回路28aの出力ワンショットパルス
と比較器27の原出力との論理和をとるオアゲート回路
28bとで構成してある。このため、絶対値回路26の
出力が危険値を越える急激な衝撃力の変化を示したとき
は、波形整形器28の出力が衝突認定の可能性が大であ
ることを、30msの期間に亙って明示し続けることに
なる。
【0019】一方、各区間積分器24,25により行わ
れ区間積分は、離散値化された加速度データG(k)
を、第1の短区間積分器24が10ないし14ms例え
ば14msの積分区間Tで、また長区間積分器25が9
0msの積分区間nTでそれぞれ逐次加算して積分演算
することにより行われる。長区間積分器25の長区間積
分出力は、続く比較器29において一定の基準値Vrl
を基準にしきい値判別され、一定の基準値Vrlを越え
る長区間積分値が得られる場合に、判定回路30内の3
入力1出力型のオアゲート回路31に対しハイレベルの
信号を供給する。なお、判定回路30は、オアゲート回
路31の外に2個のアンドゲート回路32,33を内蔵
しており、アンドゲート回路32,33の出力と上記比
較器29の出力がオアゲート回路31に供給される。
【0020】第1の短区間積分器24の出力は、比較器
34に供給される。比較器34は、短区間積分出力をそ
れぞれ一定の基準値Vrs1を基準にしきい値判別し、
しきい値判別出力を続く波形整形器35に供給する。波
形整形器35は、前述の波形整形器28と同様、ワンシ
ョット回路35aとオアゲート回路35bからなり、第
1の短区間積分器24の出力が衝突認定の可能性が大で
あることを、30ms程度の期間に亙るパルスを出力し
て明示する。波形整形器35の出力はアンドゲート回路
32に供給され、波形整形器28の出力との論理積演算
に供される。
【0021】低域濾波回路23aからディジタル信号処
理部21a内に送り込まれた加速度信号は、第1の短区
間積分器24と長区間積分器25の外に、ソフトウェア
処理による低域濾波回路36を介して第2の短区間積分
器37とリミッタ回路38とに送り込まれる。低域濾波
回路36は、離散値データとして与えられる加速度信号
を差分演算により濾波するディジタルフィルタで構成さ
れ、図2に示す一次低域濾波回路からなる。同図に示し
た低域濾波回路は、1サンプル周期分の遅延を行う遅延
器36aの出力を係数器36bにて係数Eを乗じて加算
器36cに帰還し、入力加速度データに加算する。さら
に、加算器36cの出力に係数器36dにおいて係数D
を乗じた加速度データと、係数器36eにおいて遅延器
36aの出力に係数Dを乗じた1サンプル前の加速度デ
ータとを加算器36fに供給し、ここで両者を加算して
濾波出力とする。低域濾波回路36によるディジタル信
号処理の内容を示す演算式は、同図に付記したz変換伝
達特性H(z)により表される。この演算式は、遮断周
波数fcが1/2πτの一次低域濾波回路のラプラス変
換伝達関数H(s)=1/(1+τs)に双一次変換を
施すことで簡単に導くことができる。ただし、サンプリ
ング周期をTsとしたときに、D=πfcTs/(1+π
fcTs),E=1−2Dである。また、ディジタル信
号処理部21aにおける実際の演算は、第k番目のサン
プリングデータをXkとし、第k番目の濾波出力をYkと
したときに、以下に示す差分方程式に則って行われる。 Yk=D・Xk+D・Xk-1+E・Yk-1 この実施形態においては、サンプリング周期Tsを例え
ば1.0msに選定し、かつD=0.125,E=0.
75に設定しており、図3に示した低域濾波特性を規定
する遮断周波数fcは45Hzとなる。また、係数D,
Eを変えずにサンプリング周期Tsだけを1.2msに
変更した場合、遮断周波数fcは38Hzとなる。この
ように、ソフトウェア処理により実現される低域濾波回
路36は、アナログ回路構成の低域濾波回路23aで抽
出された例えば80Hz以下の加速度信号低域成分か
ら、さらに36〜45Hz以下の低周波成分Gfを抽出
し、これらを第2の短区間積分器37とリミッタ回路3
8とに供給する。
【0022】なお、低域濾波回路36により除去される
36〜45Hzから80Hzに含まれる加速度信号低域
成分には、剛性に乏しい車種が路肩に乗り上げた程度で
車体に発生する共振周波数が含まれている。また、こう
した共振周波数はエアバッグの展開を必要とする衝突に
起因して発生するものでないため、低域濾波回路36に
よって判定条件から除外したことは非常に意義深く、衝
突判定精度の向上に寄与することができる。
【0023】第2の短区間積分器37は、低域濾波回路
36が出力する離散値化された加速度信号の低周波成分
Gfを、10ないし14ms例えば14msの比較的短
い積分区間で逐次加算して積分演算する。この第2の短
区間積分器37の出力は、続く比較器39において一定
の基準値Vrs2を基準にしきい値判別され、一定の基
準値Vrs2を越える短区間積分値が得られる場合に、
判定回路30内のアンドゲート回路33に対しハイレベ
ルの信号を供給する。
【0024】一方、リミッタ回路38は、加速度信号低
周波成分Gfに対しソフトウェア処理により振幅制限を
施す。具体的には、低域濾波回路36の出力を所定のし
きい値Gtを基準に大小判別する判別ステップ38a
と、該判別ステップの判別結果に応じて、低域濾波回路
36の出力がしきい値Gtを越える場合に、低域濾波回
路36の出力をしきい値Gtに固定する上限抑制ステッ
プ38bとが組み込まれており、これらのステップに従
って加速度信号低周波成分を振幅制限する。なお、しき
い値Gtとしては、例えば重力加速度の36倍程度の値
が用いられ、基本波モードや高調波モードの共振に伴っ
て瞬間的に発生する大振幅の低周波成分は、一定限度G
tをもって抑制される。
【0025】リミッタ回路38に続く微分器40は、リ
ミッタ回路38から供給される離散値データをシンプソ
ンの微分公式に則った演算アルゴリズムに従って時間微
分する。シンプソンの公式によれば、加速度信号低周波
成分Gfの現在値Gf(k)とその3サンプル前までの
データGf(k−1),Gf(k−2),Gf(k−
3)とを用い、 {Gf(k)+3Gf(k−1)−3Gf(k−2)−
Gf(k−3)}/6 なる演算により時間微分値が導出される。微分器36
は、得られた時間微分値を比較器41に供給する。比較
器41は、短区間積分出力の時間微分値を一定の基準値
αrを基準にしきい値判別し、しきい値判別出力をアン
ドゲート回路33に供給して比較器39の出力との論理
積演算に供する。
【0026】このため、絶対値回路26や第1の短区間
積分器24或いは長区間積分器25の出力がしきい値を
越えないような中速の正面衝突が発生したときに、じわ
っと増大するような加速度に対して第2の短区間積分器
24の出力と微分器40の出力がともにしきい値を越え
るため、有効に衝突判定を下すことができる。また、例
えば縁石乗り上げとともに加速度信号低周波成分が急激
な時間変化を示した場合でも、第2の短区間積分器37
の短区間積分出力がしきい値Vrs2以下である場合に
は、衝突判定が下されることはない。また、その逆に第
2の短区間積分器37の短区間積分出力がしきい値Vr
s2を越えても、加速度信号低周波成分が急激な時間変
化を示さない限り、衝突判定が下されることはない。さ
らにまた、例えば時速8マイル(約12.2Km/h)
の衝突ではエアバッグを展開させず、時速12マイル
(約19.2Km/h)の衝突ではエアバッグを展開さ
せるというように、車両の走行速度に基づいて展開条件
を規定したような場合に、特に車体剛性の乏しい車種で
は、時速8マイル以下の衝突において車体に共振が発生
しやすい。しかしながら、低域濾波回路36による前処
理により共振周波数成分が除去された加速度信号Gfに
ついて、短区間積分判定と振幅制限微分判定を施すよう
構成してあるため、衝突判定装置21が不要にエアバッ
グを展開させてしまうことはない。
【0027】このように、車両の衝突判定装置11によ
れば、車両が衝突したときに乗員に危害が及ぶ塑性衝突
について、車両の前部を無数のばね体が複合された塑性
ばねと見なすことで、衝突により車両が停止に至る過程
で加速度信号の基本1/4正弦波に重畳する各種の振動
波形のなかから、衝突時に顕著な特定の帯域成分を抽出
することにより、速度変化量を追跡しただけでは分から
ない衝撃力を検出し、悪路走行や縁石乗り上げ等に伴う
衝撃等と区別して、安全装置の作動を必要とする衝突で
あることを判定することができる。また、速度変化量に
ついても短期と長期の速度変化量の両面から総合的に衝
突判定するため、緩慢な速度変化量の推移が長区間積分
値に現れるクッションドラム衝突を判定したり、或いは
速度変化量には大差のないポール衝突と悪路走行とを衝
撃力の違いを利用して精度よく判定することができ、特
に加速度信号低周波成分について短区間積分判定と振幅
制限微分判定を衝突判定に導入したことで、加速度がじ
わっと増大するような中速の正面衝突時に有効に衝突判
定を下すことができ、しかも例えば縁石乗り上げととも
に加速度信号低周波成分が急激な時間変化を示した場合
でも、第2の短区間積分器37の出力がしきい値に満た
ないために、誤って衝突判定を下すこともなく、さらに
また車両の走行速度に基づいて展開条件を規定したよう
な場合に、特に車体剛性の乏しい車種は、低速衝突時に
おいて車体に共振が発生しやすくなる傾向にあるが、前
以て共振周波数成分を除去した加速度信号低周波成分G
fについて、短区間積分判定と振幅制限微分判定を施す
ため、不要にエアバッグを展開させてしまうことはな
く、エアバッグの展開を必要とする衝突が発生したこと
を、正確かつ確実に判定することができる。
【0028】また、アナログ回路構成の帯域濾波器23
において、衝突時に塑性変形する車両の前部の加速度振
動波形のうち、衝突時に特有の顕著な変化を示す帯域成
分を抽出し、衝撃力の目安として衝突判定に有効活用す
ることができ、さらにこうして抽出した加速度信号の絶
対値をとることにより、加速度信号の正負に関係なく衝
撃力をエネルギ量として算出することができる。また、
比較器27のしきい値レベルを越える衝撃力について
は、瞬間的なものも持続性をもったものも少なくとも一
定時間は持続する波形に整形して処理するため、危険レ
ベルに達した衝撃力の存在を一定時間明示することがで
き、特に論理判断に適した信号波形として衝突判定に供
することができる。また、加速度信号を帯域濾波して二
乗演算していた従来の衝突判定装置1と異なり、帯域濾
過器23をアナログ回路で構成し、二乗演算を絶対値演
算に置き換えたことで、ディジタル信号処理の中枢を担
うCPUを、例えば16ビットCPUではなく8ビット
CPUで構成したり、或いは処理能力に生じた余裕を、
ソフトウェア処理による低域濾波や振幅制限に振り分け
ることができる。
【0029】また、低域濾波回路36を、離散値データ
として与えられる加速度信号を差分演算により濾波する
ディジタルフィルタで構成された一次低域濾波回路とし
たから、ソフトウェア処理により加速度信号の低周波成
分を抽出することができ、低域濾波の遮断周波数fcが
係数D,Eの設定変更により容易に可変できる。このた
め、車種に応じて異なる低速衝突時の共振周波数に対応
して、容易に最適遮断周波数の設定が可能であり、同様
にまたサンプリング周期Tsに対応した遮断周波数の設
定変更も容易であり、複数の車種に柔軟に対応すること
ができる。
【0030】また、リミッタ回路38が、低域濾波回路
36の出力を所定のしきい値Gtを基準に大小判別する
判別ステップ38aと、判別ステップ38aの判別結果
に応じて、低域濾波回路36の出力がしきい値Gtを越
える場合は、低域濾波回路36の出力をしきい値Gtに
固定する上限抑制ステップ38bとに従ってソフトウェ
ア上で振幅制限するため、振幅制限により制限される上
限の重力加速度を規定するしきい値Gtを、ソフトウェ
ア上で簡単に設定することができ、複数の車種に柔軟に
対応することができる。
【0031】また、微分器36が、短区間積分器24か
ら離散値データとして与えられる短区間積分出力をシン
プソンの微分公式に則った演算アルゴリズムに従って時
間微分する構成としたから、離散値データとして与えら
れる振幅制限出力をソフトウェア処理により時間微分す
ることができ、現在値を示すサンプルデータから3サン
プル前までのサンプルデータを用いて加減算処理により
演算できるため、ディジタル信号処理による時間微分を
簡単に実行することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、車両に
加わる加速度を現在値まで短区間積分する一方、現在値
まで長区間積分し、かつ前記加速度の低周波成分を現在
値まで短区間積分する一方、振幅制限して時間微分し、
かつ前記加速度から抽出される車両の衝突時に顕著に現
れる特定の帯域成分の絶対値をとって衝撃力を演算し、
該衝撃力と前記短区間積分出力がともに所定のしきい値
を越えるか、又は前記加速度の低周波成分の前記短区間
積分出力及び前記振幅制限微分出力とがともに所定のし
きい値を越えるか、又は前記長区間積分出力が所定のし
きい値を越えるかを判別して衝突を判定する構成とした
から、車両が衝突したときに乗員に危害が及ぶ塑性衝突
について、車両の前部を無数のばね体が複合された塑性
ばねと見なすことで、衝突により車両が停止に至る過程
で加速度信号の基本1/4正弦波に重畳する各種の振動
波形のなかから、衝突時に顕著な特定の帯域成分を抽出
することにより、速度変化量を追跡しただけでは分から
ない衝撃力を検出し、悪路走行や縁石乗り上げ等に伴う
衝撃等と区別して、安全装置の作動を必要とする衝突で
あることを判定することができ、また速度変化量につい
ても短期と長期の速度変化量の両面から総合的に衝突判
定するため、緩慢な速度変化量の推移が長区間積分値に
現れるクッションドラム衝突を判定したり、或いは速度
変化量には大差のないポール衝突と悪路走行とを衝撃力
の違いを利用して精度よく判定することができ、特に加
速度信号低周波成分について短区間積分判定と振幅制限
微分判定を衝突判定に導入したことで、加速度がじわっ
と増大するような中速の正面衝突時に有効に衝突判定を
下すことができ、しかも例えば縁石乗り上げとともに加
速度信号低周波成分が急激な時間変化を示した場合で
も、短区間積分出力がしきい値に満たないために、誤っ
て衝突判定を下すこともなく、さらにまた例えば時速8
マイル(約12.2Km/h)の衝突ではエアバッグを
展開させず、時速12マイル(約19.2Km/h)の
衝突ではエアバッグを展開させるというように、車両の
走行速度に基づいて展開条件を規定したような場合に、
特に車体剛性の乏しい車種は、時速8マイル以下の衝突
において車体に共振が発生しやすくなる傾向を示すが、
前以て共振周波数成分を除去した加速度信号低周波成分
について、短区間積分判定と振幅制限微分判定を施すた
め、不要にエアバッグを展開させてしまうことはなく、
エアバッグの展開を必要とする衝突が発生したことを、
正確かつ確実に判定することができる等の優れた効果を
奏する。
【0033】また、本発明は、衝撃力演算手段を、加速
度センサの出力から車両の衝突時に顕著に現れる特定の
帯域成分を抽出するアナログ回路構成の帯域濾波器と、
帯域濾波器の出力の絶対値をとる絶対値回路と、絶対値
回路の出力を所定値を基準にしきい値判別する比較器
と、比較器の出力を少なくとも一定時間は持続する波形
に整形する波形整形器とから構成したので、帯域濾波器
において、衝突時に塑性変形する車両の前部の加速度振
動波形のうち、衝突時に特有の顕著な変化を示す帯域成
分を抽出し、衝撃力の目安として衝突判定に有効活用す
ることができ、さらにこうして抽出した加速度信号の絶
対値をとることにより、加速度信号の正負に関係なく衝
撃力をエネルギ量として算出することができ、また比較
器のしきい値レベルを越える衝撃力については、瞬間的
なものも持続性をもったものも少なくとも一定時間は持
続する波形に整形して処理するため、危険レベルに達し
た衝撃力の存在を一定時間明示することができ、特に論
理判断に適した信号波形として衝突判定に供することが
でき、また加速度信号を帯域濾波して二乗演算していた
従来の衝突判定装置と異なり、帯域濾過器をアナログ回
路で構成し、二乗演算を絶対値演算に置き換えたこと
で、ディジタル信号処理の中枢であるCPUを、例えば
16ビットCPUではなく8ビットCPUで構成した
り、処理能力に生じた余裕をソフトウェア処理による低
域濾波や振幅制限に振り分けたりすることができる等の
効果を奏する。
【0034】また、低域濾波回路を、離散値データとし
て与えられる加速度信号を差分演算により濾波するディ
ジタルフィルタで構成された一次低域濾波回路としたか
ら、ソフトウェア処理により加速度信号の低周波成分を
抽出することができ、低域濾波の遮断周波数が係数値の
設定変更により容易に可変できるため、車種に応じて異
なる低速衝突時の共振周波数に対応して、容易に最適遮
断周波数の設定が可能であり、同様にまたサンプリング
周波数に対応した遮断周波数の設定変更も容易であり、
複数の車種に柔軟に対応することができる等の効果を奏
する。
【0035】また、リミッタ回路は、前記低域濾波回路
の出力を所定のしきい値を基準に大小判別する判別ステ
ップと、該判別ステップの判別結果に応じて、前記低域
濾波回路の出力が前記しきい値を越える場合は、該低域
濾波回路の出力を前記しきい値に固定する上限抑制ステ
ップとに従ってソフトウェア上で振幅制限するため、振
幅制限により制限される上限の重力加速度を規定するし
きい値を、ソフトウェア上で簡単に設定することがで
き、複数の車種に柔軟に対応することができる等の効果
を奏する。
【0036】さらにまた、微分器が、短区間積分器から
離散値データとして与えられる短区間積分出力をシンプ
ソンの微分公式に則った演算アルゴリズムに従って時間
微分する構成としたから、離散値データとして与えられ
る振幅制限出力をソフトウェア処理により時間微分する
ことができ、現在値を示すサンプルデータから3サンプ
ル前のサンプルデータを用いて加減算処理により演算で
きるため、ディジタル信号処理による時間微分を簡単に
実行することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の衝突判定装置の一実施形態を示
す回路構成図である。
【図2】図1に示したディジタルフィルタからなる低域
濾波回路の回路構成図である。
【図3】図2に示した低域濾波回路の濾波特性を示す図
である。
【図4】従来の車両の衝突判定装置の一例を示す回路構
成図である。
【図5】図4に示した車両の衝突判定装置の衝突判定条
件を示す図である。
【符号の説明】
21 車両の衝突判定装置 21a ディジタル信号処理部 22 加速度センサ 23 帯域濾波器 24 第1の短区間積分器 25 長区間積分器 26 絶対値回路 27,29,34,39,41 比較器 28 波形整形器 30 判定回路 31 オアゲート回路 32,33 アンドゲート回路 36 低域濾波回路 37 第2の短区間積分器 38 リミッタ回路 40 微分器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−60777(JP,A) 特開 平5−147497(JP,A) 特開 平6−99787(JP,A) 特開 平5−278559(JP,A) 特開 平5−330398(JP,A) 特開 平6−211100(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/32

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に加わる加速度を検出し、該加速度
    を現在値まで短区間積分する一方、現在値まで長区間積
    分し、かつ前記加速度の低周波成分を現在値まで短区間
    積分する一方、振幅制限して時間微分し、かつ前記加速
    度から抽出される車両の衝突時に顕著に現れる特定の帯
    域成分の絶対値をとって衝撃力を演算し、該衝撃力と前
    記短区間積分出力がともに所定のしきい値を越えるか、
    又は前記加速度の低周波成分の前記短区間積分出力及び
    前記振幅制限微分出力とがともに所定のしきい値を越え
    るか、又は前記長区間積分出力が所定のしきい値を越え
    るかを判別して衝突を判定することを特徴とする車両の
    衝突判定方法。
  2. 【請求項2】 車両に加わる加速度を検出する加速度セ
    ンサと、該加速度センサの出力を現在値まで比較的短い
    区間だけ積分する第1の短区間積分器と、前記加速度の
    低周波成分を抽出する低域濾波回路と、該低域濾波回路
    の出力を現在値まで比較的短い区間だけ積分する第2の
    短区間積分器と、前記低域濾波回路の出力を一定の上限
    以下に振幅制限するリミッタ回路と、該リミッタ回路の
    出力を時間微分する微分器と、前記加速度センサの出力
    を現在値まで比較的長い区間に亙って積分する長区間積
    分器と、前記加速度センサの出力から抽出される車両の
    衝突時に顕著に現れる特定の帯域成分の絶対値をとって
    衝撃力を演算する衝撃力演算手段と、該衝撃力演算手段
    の出力と前記第1の短区間積分器の出力がともに所定の
    しきい値を越えるか、又は前記第2の短区間積分器の出
    力と前記微分器の出力がともに所定のしきい値を越える
    か、又は前記長区間積分器の出力が所定のしきい値を越
    えるかを判別して衝突を判定する判定回路とを具備する
    ことを特徴とする車両の衝突判定装置。
  3. 【請求項3】 前記衝撃力演算手段は、前記加速度セン
    サの出力から車両の衝突時に顕著に現れる特定の帯域成
    分を抽出するアナログ回路構成の帯域濾波器と、該帯域
    濾波器の出力の絶対値をとる絶対値回路と、該絶対値回
    路の出力を所定値を基準にしきい値判別する比較器と、
    該比較器の出力を少なくとも一定時間は持続する波形に
    整形する波形整形器とを含むことを特徴とする請求項2
    記載の車両の衝突判定装置。
  4. 【請求項4】 前記低域濾波回路は、離散値データとし
    て与えられる加速度信号を差分演算により濾波するディ
    ジタルフィルタで構成された一次低域濾波回路であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の車両の衝突判定装置。
  5. 【請求項5】 前記リミッタ回路は、前記低域濾波回路
    の出力を所定のしきい値を基準に大小判別する判別ステ
    ップと、該判別ステップの判別結果に応じて、前記低域
    濾波回路の出力が前記しきい値を越える場合は、該低域
    濾波回路の出力を前記しきい値に固定する上限抑制ステ
    ップとに従ってソフトウェア上で振幅制限することを特
    徴とする請求項2記載の車両の衝突判定装置。
  6. 【請求項6】 前記微分器は、前記リミッタ回路から供
    給される離散値データをシンプソンの微分公式に則った
    演算アルゴリズムに従って時間微分することを特徴とす
    る請求項2記載の車両の衝突判定装置。
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