JP2894710B2 - 膵リパーゼの活性測定法 - Google Patents
膵リパーゼの活性測定法Info
- Publication number
- JP2894710B2 JP2894710B2 JP569989A JP569989A JP2894710B2 JP 2894710 B2 JP2894710 B2 JP 2894710B2 JP 569989 A JP569989 A JP 569989A JP 569989 A JP569989 A JP 569989A JP 2894710 B2 JP2894710 B2 JP 2894710B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lipase
- pancreatic lipase
- pancreatic
- lipase activity
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、主として臨床検査の分野における膵リパー
ゼの活性測定方法に関する。
ゼの活性測定方法に関する。
膵リパーゼは、トリグリセライドのα−グリセライド
結合を加水分解する酵素(EC.3.1.1.3.)であることが
知られている。
結合を加水分解する酵素(EC.3.1.1.3.)であることが
知られている。
膵リパーゼは、膵臓の腺房細胞から分泌され、膵管を
通り十二指腸に排せつされて、脂肪消化作用を示す。臨
床的には、膵炎や膵癌等の膵疾患が起こると、膵腺房細
胞の破壊、膵管の狭窄や閉塞などによって膵リパーゼが
血中に逸脱し、血清中のリパーゼ活性値の上昇がみられ
る。膵疾患により血中のアミラーゼ活性も上昇するが、
膵に特異性の高いリパーゼの活性の測定が、膵疾患の診
断にはより有用な指標になると言われている。
通り十二指腸に排せつされて、脂肪消化作用を示す。臨
床的には、膵炎や膵癌等の膵疾患が起こると、膵腺房細
胞の破壊、膵管の狭窄や閉塞などによって膵リパーゼが
血中に逸脱し、血清中のリパーゼ活性値の上昇がみられ
る。膵疾患により血中のアミラーゼ活性も上昇するが、
膵に特異性の高いリパーゼの活性の測定が、膵疾患の診
断にはより有用な指標になると言われている。
[従来の技術] 従来よりリパーゼの活性測定法には種々の方法が知ら
れている。例えば、乳化オリーブ油を基質とし、リパー
ゼの作用により遊離する脂肪酸をアルカリ滴定する方法
や、pH−statを用いる方法、銅錯塩抽出法などがある
が、これらの方法はいずれも感度が低く、操作も困難で
ある。
れている。例えば、乳化オリーブ油を基質とし、リパー
ゼの作用により遊離する脂肪酸をアルカリ滴定する方法
や、pH−statを用いる方法、銅錯塩抽出法などがある
が、これらの方法はいずれも感度が低く、操作も困難で
ある。
現在では、乳化オリーブ油を基質として、リパーゼの
作用によって減少する基質の濁度を測定する比濁法がよ
く用いられている。この方法は、比較的簡単な操作で測
定ができるが、吸光度の差がわずかなため、充分な感度
が得られない。また、濁度の低下は、リパーゼ活性によ
ってのみもたらされるとも限らない。更に、均一で安定
した粒子の乳化オリーブ油の調製が困難であるという問
題も解消されていない。
作用によって減少する基質の濁度を測定する比濁法がよ
く用いられている。この方法は、比較的簡単な操作で測
定ができるが、吸光度の差がわずかなため、充分な感度
が得られない。また、濁度の低下は、リパーゼ活性によ
ってのみもたらされるとも限らない。更に、均一で安定
した粒子の乳化オリーブ油の調製が困難であるという問
題も解消されていない。
種々の合成基質を用いるリパーゼ活性測定法も報告さ
れているが、血清中の各種エステラーゼの影響を少なか
らず受けるため、特異性に問題がある。
れているが、血清中の各種エステラーゼの影響を少なか
らず受けるため、特異性に問題がある。
基質としてジグリセライドを用い、生成するモノグリ
セライドにモノグリセライドリパーゼを作用させて膵リ
パーゼ活性を測定する方法が、特開昭63−245672号に報
告されている。しかしながら、基質としては、膵リパー
ゼの本来の基質であるトリグリセライドを使用すること
が望ましいと考えられる。
セライドにモノグリセライドリパーゼを作用させて膵リ
パーゼ活性を測定する方法が、特開昭63−245672号に報
告されている。しかしながら、基質としては、膵リパー
ゼの本来の基質であるトリグリセライドを使用すること
が望ましいと考えられる。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、従来の膵リパーゼの活性測定法の問
題点を解決し、臨床検査の分野で有用な膵リパーゼの活
性測定法を提供することにある。具体的には、膵リパー
ゼの最適の基質である長鎖脂肪酸トリグリセライドを基
質として用い、加水分解により生成するグリセロールを
例えば発色反応により検出することによって、各種エス
テラーゼの妨害を受けることなく、高感度かつ簡便に膵
リパーゼ活性を測定する方法を提供することである。
題点を解決し、臨床検査の分野で有用な膵リパーゼの活
性測定法を提供することにある。具体的には、膵リパー
ゼの最適の基質である長鎖脂肪酸トリグリセライドを基
質として用い、加水分解により生成するグリセロールを
例えば発色反応により検出することによって、各種エス
テラーゼの妨害を受けることなく、高感度かつ簡便に膵
リパーゼ活性を測定する方法を提供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、基質としてトリグリセライドを用い
て、これに膵リパーゼを作用させ、加水分解により生成
するジグリセライドを、ジグリセライドリパーゼにより
モノグリセライドを経てグリセロールにまで加水分解
し、グリセロールを従来の検出系で測定することによっ
て前述の目的が達成されることを見い出した。
て、これに膵リパーゼを作用させ、加水分解により生成
するジグリセライドを、ジグリセライドリパーゼにより
モノグリセライドを経てグリセロールにまで加水分解
し、グリセロールを従来の検出系で測定することによっ
て前述の目的が達成されることを見い出した。
従って、本発明は、試料中の膵リパーゼの活性を測定
する方法であって、 基質としてのトリグリセライド、 ジグリセライドおよびモノグリセライドに作用し、トリ
グリセライドには作用しないジグリセライドリパーゼ、
並びに グリセロールの検出系 を含有する試薬と試料とを反応させることを含んで成る
方法に関する。
する方法であって、 基質としてのトリグリセライド、 ジグリセライドおよびモノグリセライドに作用し、トリ
グリセライドには作用しないジグリセライドリパーゼ、
並びに グリセロールの検出系 を含有する試薬と試料とを反応させることを含んで成る
方法に関する。
本発明において基質として使用するトリグリセライド
は、好ましくは膵リパーゼの本来の基質である長鎖脂肪
酸トリグリセライド、例えばリノレン酸、リノール酸、
オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン
酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプロン酸等の長鎖脂肪
酸のグリセライドが挙げられる。
は、好ましくは膵リパーゼの本来の基質である長鎖脂肪
酸トリグリセライド、例えばリノレン酸、リノール酸、
オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン
酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプロン酸等の長鎖脂肪
酸のグリセライドが挙げられる。
本発明に用いる、ジグリセライドおよびモノグリセラ
イドに作用し、トリグリセライドには作用しないジグリ
セライドリパーゼについては、本発明の目的が達成でき
るものであれば、特に制限されることはない。
イドに作用し、トリグリセライドには作用しないジグリ
セライドリパーゼについては、本発明の目的が達成でき
るものであれば、特に制限されることはない。
一例として次のようなエステル化反応における性質を
有するジグリセライドリパーゼをあげることができる。
有するジグリセライドリパーゼをあげることができる。
生産菌:ペニシリウム(Penicillium)sp.U−150 分子量:40,000±4,000 至適pH:pH5付近 至適温度:30℃付近 pH安定性:pH5.0〜7.0(35℃で30分間処理) 熱安定性:40℃まで安定(pH5.6で5分間処理) 等電点:pH4.4±0.4 グリセロールの定量は、本発明の目的が達成できるも
のであればどのような方法で行ってもよい。
のであればどのような方法で行ってもよい。
例えば、グリセロールキナーゼ(GK)、グリセロール
ホスフェートオキシダーゼ(GPO)、パーオキシダーゼ
(POD)の各酵素を共役させた検出系を用い、生成する
キノン色素を比色定量することができる。グリセロール
脱水素酵素(GDH)を用いた反応系を用いることもでき
る。
ホスフェートオキシダーゼ(GPO)、パーオキシダーゼ
(POD)の各酵素を共役させた検出系を用い、生成する
キノン色素を比色定量することができる。グリセロール
脱水素酵素(GDH)を用いた反応系を用いることもでき
る。
本発明の一態様においては、次のように表される反応
原理に基づいて測定を行う: [TOOS:N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホ
プロピル)−m−アニシジン] [作用] 本発明の膵リパーゼ活性測定方法によれば、膵リパー
ゼの本来の基質であるトリグリセライドを基質として使
用し、既知の発色反応を検出系として利用して、簡便に
感度良く測定でき、自動分析も可能であるので、本発明
方法は臨床検査の分野において非常に有用である。
原理に基づいて測定を行う: [TOOS:N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホ
プロピル)−m−アニシジン] [作用] 本発明の膵リパーゼ活性測定方法によれば、膵リパー
ゼの本来の基質であるトリグリセライドを基質として使
用し、既知の発色反応を検出系として利用して、簡便に
感度良く測定でき、自動分析も可能であるので、本発明
方法は臨床検査の分野において非常に有用である。
[実施例] 実施例1 次の組成の試薬液を調製した: トリグリセライド 0.4mM ジグリセライドリパーゼ 1単位/ml ATP 1mM GK 0.5単位/ml GPO 30単位/ml 4−アミノアンチピリン 2mM TOOS 1mM POD 2単位/ml 塩化マグネシウム 1mM 非イオン界面活性剤 0.15% コリパーゼ 600単位/ml PIPES緩衝液(pH7.5) 50mM [PIPES=ピペラジン−N,N′−ビス(2−エタンスルホ
ン酸)] 上記試薬液3.0mlを37℃に予備加温し、これに人血清
試料20μを加えて混合し、波長550nmでの吸光度を連
続的に測定し、吸光度変化量を求めた。そして標準液の
測定値から膵リパーゼの活性値を算出した。人血清試料
10例についての測定結果を次表に示す。
ン酸)] 上記試薬液3.0mlを37℃に予備加温し、これに人血清
試料20μを加えて混合し、波長550nmでの吸光度を連
続的に測定し、吸光度変化量を求めた。そして標準液の
測定値から膵リパーゼの活性値を算出した。人血清試料
10例についての測定結果を次表に示す。
実施例2 人血清試料30例について、本発明の実施例1に従って
測定を行った。更に同じ試料について、国際試薬(株)
製「リパーゼ測定用試薬」を用い、トリオレインを基質
として従来の比濁法による測定をも行った。これらの方
法により得られた結果の相関係数はγ=0.948となり、
よく相関することがわかった。
測定を行った。更に同じ試料について、国際試薬(株)
製「リパーゼ測定用試薬」を用い、トリオレインを基質
として従来の比濁法による測定をも行った。これらの方
法により得られた結果の相関係数はγ=0.948となり、
よく相関することがわかった。
Claims (1)
- 【請求項1】試料中の膵リパーゼの活性を測定する方法
であって、 基質としてのトリグリセライド、 ジグリセライドおよびモノグリセライドに作用し、トリ
グリセライドには作用しないジグリセライドリパーゼ、
並びに グリセロールの検出系 を含有する試薬と試料とを反応させることを含んで成る
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP569989A JP2894710B2 (ja) | 1989-01-11 | 1989-01-11 | 膵リパーゼの活性測定法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP569989A JP2894710B2 (ja) | 1989-01-11 | 1989-01-11 | 膵リパーゼの活性測定法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02186999A JPH02186999A (ja) | 1990-07-23 |
JP2894710B2 true JP2894710B2 (ja) | 1999-05-24 |
Family
ID=11618351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP569989A Expired - Fee Related JP2894710B2 (ja) | 1989-01-11 | 1989-01-11 | 膵リパーゼの活性測定法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2894710B2 (ja) |
-
1989
- 1989-01-11 JP JP569989A patent/JP2894710B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02186999A (ja) | 1990-07-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Kurooka et al. | A novel and simple colorimetric assay for human serum lipase | |
JP4836196B2 (ja) | リパーゼの活性測定用組成物および活性測定法 | |
Roberts | Hydrolysis of 4-methylumbelliferyl butyrate: A convenient and sensitive fluorescent assay for lipase activity | |
Lorentz et al. | Arylesterase in serum: elaboration and clinical application of a fixed-incubation method. | |
Peled et al. | A new assay of microbial lipases with emulsified trioleoyl glycerol | |
EP0019253A1 (en) | Test device, composition and method for the determination of triglycerides | |
JPH0134034B2 (ja) | ||
US4195126A (en) | Albumin-dye complex for fatty acid determination | |
US4394445A (en) | Enzymatic glyceride hydrolysis | |
Brignot et al. | Oral lipolysis and its association with diet and the perception and digestion of lipids: A systematic literature review | |
US4999289A (en) | Lipase, its production and use for assay of triglycerides | |
NL7905141A (nl) | Bepaling van triglyceriden alsmede enzymreagentia. | |
US5328832A (en) | Method of determining lipase activity using a transparent stable aqueous solution of triglyceride substrate | |
Inoue et al. | Hydrolysis of ester-type drugs by the purified esterase from human intestinal mucosa | |
JPH0376920B2 (ja) | ||
JP2894710B2 (ja) | 膵リパーゼの活性測定法 | |
JP4861005B2 (ja) | リパーゼ活性測定用組成物および活性測定法 | |
CA1100023A (en) | Process and composition for the quantification of glycerol and triglycerides | |
US4347313A (en) | Analytical determination of lipase | |
JPH1014596A (ja) | 体液中の成分の測定法およびその試薬 | |
Greenberg et al. | Newborn screening for galactosemia: a new method used in Manitoba | |
Salvayre et al. | Fluorometric assay for pancreatic lipase. | |
JP2647684B2 (ja) | トリグリセリドの分析用試薬および分析方法 | |
JP3071852B2 (ja) | 膵リパーゼ測定試薬 | |
Hoffmann et al. | Specific serum pancreatic lipase determination, with use of purified colipase. |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |