JP2894645B2 - 交直変換装置の制御装置 - Google Patents

交直変換装置の制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
[発明の目的]
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交流電力を直流電力に
或いは直流電力を交流電力に変換する交直変換装置を制
御する制御回路を2重系で構成した交直変換装置の制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は交直変換装置を用いた直流送電系
統の構成図で、図3は交直変換装置の制御回路の構成図
を示す。図2に示すように交直変換装置(以下単に変換
装置と記す)1、2は変換器用変圧器3、4を介して交
流系統5、6に接続される一方、平滑リアクトル7、8
を介して直流送電線路9で接続された直流送電等に使用
される。
【0003】前記直流送電システムにおける変換装置の
制御回路は、図3に示すように変換装置の起動停止操作
回路10、この起動停止操作回路10よりの起動停止信
号により順変換器及び逆変換器の起動停止の協調制御を
司どる起動停止制御回路11、この起動停止制御回路1
1の指令に応じて直流送電系統の直流電流や直流電圧等
を一定に制御する回路で構成される基本制御回路12、
この基本制御回路12の出力信号により変換装置の点弧
位相を決定する位相制御回路13、事故時過電圧等を検
出して最適な保護指令を出力する保護回路14、及び前
記各回路の異常発生を監視する異常監視回路15を添字
A,Bを付して示すように2重系で構成した制御回路1
00と前記制御回路100の中の位相制御回路13の出
力信号で0あるシ―ケンシャルな点弧パルスを、波形整
形して変換装置1を構成する半導体整流素子に点弧パル
スを送出するパルス発生回路16で構成されている。
【0004】このように制御回路100を添字A,Bを
付して示すように2重系で構成したときに、自系列で異
常が発生した場合には自系列の位相制御回路の出力を止
め、自系列をシステムから切離す操作を行う。又、点検
等で自系列を停止する場合にも手動のロックスイッチを
設け位相制御回路13の出力を止めるのが一般的であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図3の従来の制御回路
100の構成では次の如き不具合がある。即ち、自系列
が異常の発生もしくは点検で停止している状態で他系列
で運転中に異常が発生すると、他系列の位相制御回路の
パルス出力を止める。これは実質的に瞬時のゲ―トブロ
ックとなる。逆変換器を瞬時にゲ―トブロックすると、
直流送電線路9のキャパシタンスと平滑リアクトル7、
8により直流電圧や直流電流が共振して直流送電線路9
に振動性の直流過電圧や直流過電流が発生することが一
般に知られている。特に前記振動性の直流過電圧は直流
線路等に設置される避雷器の破壊や直流送電ケ―ブルの
絶縁破壊を引起す危険がある。
【0006】本発明の目的は、従来のこうした問題点を
解決するためになされたもので、制御回路を2重系で構
成し、自系列が点検中又は、異常の発生により停止して
いる際に他系列で異常が発生したときに、瞬時ゲ―トブ
ロックを防ぐための交直変換装置の制御装置を提供する
ことにある。 [発明の構成]
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、交流電力を直流電力に或いは直流電力を交
流電力に変換する交直変換装置を制御する制御回路を2
重系で構成した交直変換装置の制御装置に於いて、各系
列の制御回路は、他系列の制御回路が異常もしくは点検
中である時に自系列の制御回路が異常となった場合に前
記交直変換装置をバイパスペアにする手段を具備したこ
とを特徴とするものである。
【0008】
【作用】前述のように構成することにより、他系列の制
御回路が異常もしくは点検中の時には、自系列の制御回
路によって運転を継続するが、この運転継続中に自系列
の制御回路が異常となった場合に交直変換装置はバイパ
スペア運転されるため、交直変換装置は瞬時にゲ―トブ
ロックされることが無くなるため、避雷器の破壊や直流
送電ケ―ブルの絶縁破壊を引起す事もなくなる。
【0009】
【実施例】図1は本発明の一実施例を構成図であり、図
3と同じ機能を遂行する装置には同一符号を付してその
説明は省略、ここでは異なる点を説明する。制御回路1
00Aと100Bとは同一のものであるため、制御回路
100Aのみ以下説明する。
【0010】他系列の制御回路100Bが異常もしくは
点検中であることをオア回路31Bによって検出し、こ
のオア回路31Bの出力信号を、アンド回路21Aの一
方の入力端子に印加し、アンド回路21Aの他方の入力
端子には異常監視回路15Aの出力信号を印加する。こ
のアンド回路21Aはアンド条件が成立すると位相制御
回路13Aに、変換装置1をバイパスペア運転する指令
信号を与える。
【0011】一方オア回路31Bの出力信号をアンド回
路22Aの一方の端子に反転回路を介して印加し、アン
ド回路22Aの他方の端子には異常監視回路15Aの出
力信号を印加する。このアンド回路22Aはアンド条件
が成立すると位相制御回路13Aから出力されるゲ―ト
パルスをブロックする指令信号を位相制御回路13Aに
与える。
【0012】又、制御回路100Bのアンド回路22B
はアンド回路22Aと同一機能を有し、アンド回路21
Bはアンド回路21Aと同一機能を有するものであるの
で、その説明は省略する。位相制御回路13A,13B
から出力されるゲートパルスは、パルス発生回路で波形
整形され変換装置1を構成する半導体整流素子に与えら
れる。次に、制御回路100Aの作用について以下説明
する。
【0013】異常監視回路15Aは制御回路100Aを
構成する各回路の出力を監視し、異常があった場合には
異常検出信号を出力する。オア回路31Aは、異常監視
回路15Aの異常検出信号もしくは点検切換スイッチ3
0Aの出力があることで、制御回路100Aの異常信号
を出力する。アンド回路22Aは制御回路100Bの異
常信号がなく異常監視回路15Aからの異常検出信号が
あることでパルスロック信号を位相制御回路13Aに出
力する。
【0014】制御回路100Bが異常もしくは点検中で
あることをオア回路31Bによって検出し、このオア回
路31Bの出力信号を、アンド回路21Aの一方の入力
端子に印加し、更に、アンド回路21Aの他方の入力端
子には異常監視回路15Aの出力信号を印加しているの
で、制御回路100Bが異常もしくは点検中である時
に、制御回路100Aが異常となった場合には、変換装
置1はバイパスペア運転される。
【0015】又、制御回路100Aが異常もしくは点検
中であることをオア回路31Aによって検出し、このオ
ア回路31Aの出力信号を、アンド回路21Bの一方の
入力端子に印加し、更に、アンド回路21Bの他方の入
力端子には異常監視回路15Bの出力信号を印加してい
るので、制御回路100Aが異常もしくは点検中である
時に、制御回路100Bが異常となった場合にも、変換
装置1はバイパスペア運転される。
【0016】このように、他系列の制御回路が異常もし
くは点検中である時は、自系列の制御回路で変換装置を
運転するが、この時、自系列の制御回路に異常が発生す
ると変換装置は瞬時にゲ―トブロックされることが無
く、バイパスペア運転されるので、過電圧の発生を防止
できる。
【0017】
【発明の効果】以上説明のように本発明によれば、交直
変換装置の制御回路を、2重系で構成し、この制御回路
の片系列が点検中或いは異常の発生により停止している
状態で運転している健全系列に異常がが発生したことに
より変換装置をバイパスペアとすることで逆変換器の運
転中におけるおける瞬時のゲ―トブロックを防止でき、
これにより避雷器の破壊や直流送電ケ―ブルの絶縁破壊
等の重大事故を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す交直変換装置の制御回
路の構成図。
【図2】直流送電系統の構成図。
【図3】従来の交直変換装置の制御回路の構成図。
【符号の説明】
1,2 …変換装置 3,4 …変換器用変圧器 5,6 …交流電源 7,8 …平滑リアクトル 9 …直流送電線路 16 …パルス発生回路 10A,10B…変
換装置起動停止操作回路 11A,11B…起動停止回路 12A,12B…基
本制御回路 13A,13B…位相制御回路 14A,14B…保
護回路 15A,15B…異常監視回路 21A,21B…ア
ンド回路 22A,22B…アンド回路 30A,30B…点
検切換スイッチ 31A,31B…オア回路 100A,100B…制
御回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電力を直流電力に或いは直流電
    力を交流電力に変換する交直変換装置を制御する制御回
    路を2重系で構成した交直変換装置の制御装置に於い
    て、各系列の制御回路は、他系列の制御回路が異常もし
    くは点検中である時に自系列の制御回路が異常となった
    場合に前記交直変換装置をバイパスペアにする手段を具
    備して成る交直変換装置の制御装置。
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