JPS6240930B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は周波数変換や直流送電などの電力変換
設備における系統事故時に電力変換装置の再起動
方式に関する。

第１図は周波数変換装置の構成図を示す。

第１図において、例えばサイリスタを主体とし
て構成された三相ブリツジの変換装置１，２はそ
れぞれ変換用変圧器３，４、しや断器５，６を介
して交流系統７，８に接続され、交流を直流にま
た直流を交流に変換するものであり、９は直流リ
アクトルである。このような構成における制御保
護装置としては、前記変換装置１，２の起動停止
をつかさどる起動停止共通制御回路１０、前記起
動停止共通制御回路１０の信号により前記変換装
置１又は２の起動停止をつかさどる起動停止個別
制御回路１１，１２、及び直流電流や直流電圧な
どを制御するアナログ量制御回路１３，１４、変
換装置の点弧位相を決定する位相制御回路１５，
１６、変換装置へ点弧信号を送出するゲート制御
回路１７，１８、更に種々の事故の中で通常中故
障として分類され、前記中故障が発生した場合し
や断器５，６をしや断することなく所望の保護操
作のみを行なつて事故解除後再起動を行なわせる
再起動制御回路１９などによつて構成される。さ
て、従来の再起動方式では、第２図のタイムチヤ
ートに示すように例えば交流系統の一線地絡が発
生した場合、その事故を検出して変換装置をすみ
やかにブロツクし事故解除後一定の時間経過後
（以下、この時間を無電圧時間と呼ぶ。）再起動す
る方式が採用されている。このような再起動方式
が採用されている理由は、第１図における位相制
御回路１５，１６の能力に基因するものである。
即ち、従来の位相制御回路は交流系統電圧の相交
点を基準としている為、交流系統電圧が低下する
と点弧信号がばらつき、最終的には正常な点弧パ
ルスを送出することができなくなり、且つ一旦正
常な点弧パルスを送出することができなくなると
交流系統電圧が回復しても即座に正常な点弧パル
スを送出することができない。かかる状態の為前
記無電圧時間と云うものが必要であつた。上記の
ことは交流送電の高速度再閉路に比べて、電力変
換装置の大きな欠点であり、従つて近年この研究
が進められて、交流系統電圧回復と同時に再起動
可能な位相制御回路が開発され、種々の報告がな
されている。

第３図は、新しい位相制御回路を用いた場合の
再起動のタイムチヤートである。

前述したごとく、周波数変換や直流送電などに
おいても交流送電の高速度再閉路以上の高速再起
動が可能になつたが新たな問題が発生している。
例えば、交流系統事故が発生し、その事故を除去
するための当該しや断器がしや断されて交流系統
電圧が回復する場合、当然交流系統には電圧動揺
が発生する。又再閉路が行なわれると変圧器のイ
ンラツシユ電流が流れて交流系統に大きな波形歪
が発生する。このような状態で変換装置を再起動
すると異常電圧や転流失敗を引き起こして再起動
失敗という欠点があつた。

従つて、本発明はこのような欠点を除去する為
になされたものであつて、再起動時における異常
電圧や転流失敗を防止し再起動失敗に到らない電
力変換装置の再起動方式を提供することにある。

第４図は本発明の一実施例を示す。

第４図が第１図と異なる点について説明する
と、２０，２１は波形歪検出装置で、例えば従来
の波形歪検出装置のようにアクテイブフイルター
によつて高調波を検出して、その高調波レベルが
所定値以上ならばロジツクレベル“１”となるよ
うなものである。２２，２３はインバータ素子、
２４はアンド素子である。

さて、交流系統に事故が発生して変換装置を停
止し、交流系統電圧回復と同時に再起動しようと
するとき、例えば波形歪検出装置２０が波形歪を
検出してロジツクレベル“１”となつておれば、
インバータ素子２２の出力信号がロジツクレベル
“０”となるので再起動制御回路１９の出力信
号、即ち再起動指令がアンド素子２４によつてロ
ツクされ再起動がロツクされる。その後、前記波
形歪検出回路２０の出力信号がロジツクレベル
“０”になれば自動的に再起動する。尚、再起動
時の順変換装置の制御遅れ角及び逆変換装置の制
御進み角はソフトスタートする為に、定格運転中
の制御遅れ角や制御進み角よりも大きく通常位相
角90゜近傍である為、異常電圧の発生や転流失敗
は起こりにくくなつているので前記波形歪検出回
路は低感度でよい。従つて、再起動時間が従来の
再起動時間と同程度になることはなく、又本発明
の方式を採用した為に、本発明の方式を採用しな
い場合と比較して例えば、数10ｍｓ再起動時間が
長くなつても交流送電の高速度再閉路よりも高速
であり、且つ再起動失敗やサイリスタを破壊する
こともないので、著しい利点をもつている。

又、再起動指令をロツクする信号として、前記
波形歪検出回路の出力信号のみならず、更に例え
ば交流不足電圧継電器などが動作していないと云
う条件を付加すれば一層確実となり信頼度が向上
する。尚、これまでの説明は交流系統の事故につ
いてのみ言及したが、例えば直流送電設備におけ
る直流送電線地絡などにも有効である。

以上の説明のように、本発明は交流系統事故な
どによつて変換装置が停止され、その後変換装置
を再起動するとき交流系統の波形歪を検出し、前
記波形歪が所定値以下であると云う条件を付加す
ることにより再起動時の異常電圧や転流失敗やサ
イリスタの破壊を防止することができ、著しく信
頼度が向上すると云う効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は周波数変換装置の構成図、第２図は従
来の再起動タイムチヤート、第３図は従来の他の
再起動タイムチヤート、第４図は本発明の一実施
例を示す構成図である。 １，２……変換装置、３，４……変換用変圧
器、５，６……しや断器、７，８……交流系統、
９……直流リアクトル、１０……起動停止共通制
御回路、１１，１２……起動停止個別制御回路、
１３，１４……アナログ量制御回路、１５，１６
……位相制御回路、１７，１８……ゲート制御回
路、１９……再起動制御回路、２０，２１……波
形歪検出回路、２２，２３……インバータ素子、
２４……アンド素子。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 順変換装置と逆変換装置とから成り異なる複
   数の交流系統に連系された電力変換装置の再起動
   方式において、前記交流系統の電圧波形の歪みを
   検出し波形歪が所定値以下の場合に論理信号
   「１」を出力する波形歪検出回路と、再起動信号
   と前記波形歪検出回路の出力信号を入力信号とし
   て加えられるアンド回路を具備し、当該アンド回
   路の出力信号で前記電力変換装置を再起動するこ
   とを特徴とする電力変換装置の再起動方式。