JP2894300B2 - コンパクト・バーミキュラ黒鉛鋳鉄 - Google Patents

コンパクト・バーミキュラ黒鉛鋳鉄

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なコンパクト・
バーミキュラ黒鉛鋳鉄に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、エレベーターの乗かごを吊るワ
イヤロープを巻掛けて駆動するシーブは、一般的に片状
黒鉛鋳鉄(Ferrun Casting、以下FCと略称する)が用
いられている。これは黒鉛による自己潤滑作用のために
ワイヤロープとの相性が良いことと、加工性が容易で安
価なためである。そして、前記シーブは、ワイヤロープ
との摩擦駆動力を確保するために、ワイヤロープを巻掛
けるロープ溝を断面V形あるいはワイヤロープがロープ
溝の底に接触しないようにするためアンダーカット形の
ロープ溝としている。即ち、前記ワイヤロープをロープ
溝の側面と接触させ、その接触面圧を高め、摩擦力を増
加させている。このように、ワイヤロープとロープ溝間
のくさび効果を利用すれば、摩擦力が増大するが、ワイ
ヤロープによつてシーブの摩耗が促進され、シーブの寿
命を短かくする問題があった。
【0003】上記FCよりも耐摩耗性が優れたものとし
て、鋳放し状態で基地組織がパーライトである球状黒鉛
鋳鉄(Ferrum Casting Ductile、以下FCDと略称す
る)がある(特開昭57−188645号公報,特開平1−12304
8号公報)。しかし、上記FCDは、組織が緻密で、硬度
が高いことから、一般に機械加工時の切削性が上記FC
に比べて劣り、鋳造価格も割高となるために、エレベー
ター用シーブの材料として適しているとは云えない。
【0004】一方、機械的性質,物理的性質,切削性,
鋳造性が上記FCと上記FCDとの中間となるコンパク
ト・バーミキュラ黒鉛鋳鉄(Compact Vermicular Graphi
te、以下CVと称す)が考えられている(特開昭60−24
8864号公報,特開昭61−3866号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記CVは上記FCと
FCDとの中間特性を有するが、耐摩耗性及び鋳造性が
まだまだ低く、加えて、パーライト組織の安全化につい
ても十分でなく、FCとFCDとの中間特性を備えた鋳
鉄として十分に満足できるものではなかった。
【0006】本発明の目的の一つは、耐摩耗性を向上し
得るコンパクト・バーミキュラ黒鉛鋳鉄を得ることにあ
る。
【0007】本発明の別の目的の一つは、鋳造性がすぐ
れたコンパクト・バーミキュラ黒鉛鋳鉄を得ることにあ
る。
【0008】本発明の他の目的は、パーライト組織を安
定化し得るコンパクト・バーミキュラ黒鉛鋳鉄を得るこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、コンパクト・バーミキュラ黒鉛鋳鉄を、重
量比でC:3.3〜3.8%,Si1.5〜3.0%,M
n:0.2〜0.8%,P:0.1% 以下,S:0.01
〜0.08%,Cu:0.25〜1.5%,Sn:0.03
〜0.2%,Mg:0.005〜0.04%,残部がFe
と不可避的不純物を有する亜共晶成分からなり、鋳放し
パーライト面積率が90%以上で構成したのである。
【0010】上記構成のうちCは黒鉛を析出させるため
の必須成分であり、SiはCVの組織の安定化を図るた
めに必要な成分である。このほか、重要なことはパーラ
イト組織を面積率90%以上で安定化させるためには炭
素当量を亜共晶成分とすることと、Sを0.01〜0.0
8%入れることで黒鉛の球状化を阻害させ、黒鉛形状を
いも虫状、云い代えれば片状黒鉛の先端に丸みを持たせ
た形状としたことである
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明による新規なコンパク
ト・バーミキュラ黒鉛鋳鉄(Ferrum CompactVermicula
r、以下FCVと略称する)の実施の形態を説明する。
【0012】キュラポラで溶解後、黒鉛球状化処理,接
種処理及び脱硫処理を行い、表1に示す成分組成の溶湯
を鋳型に注湯し、その後、冷し金により冷却速度を調整
しつつ凝固させ試験片を製作した。そして、これら試験
片について機械的性質,黒鉛の球状化率,基地組織のパ
ーライト化率等を測定した。尚、表1において、試料N
o.1及び2は比較例であり、試料No.3は本発明による
実施例である。そして、試料No.1,2の炭素当量(C+
1/3Si)
【0013】
【表1】 は4.3% を越えて過共晶となっているのに対し、試料
No.3は4.3% 以下の亜共晶成分となっている。これ
ら試料1〜3の各種測定結果を表2に示す。この表2か
ら判るように、過共晶成分となった試料No.1,2はパ
ーライト化率が68%,74%であるのに対し、亜共晶
成分となる試料No.3はパーライト化率が94%まで高
められ、安定したパーライト組織のFCVとなった。こ
の試料No.3の鋳放し状態における金属組織は、図1の
顕微鏡写真(倍率100倍)に示すように、片状黒鉛の
先端の丸みが特徴であり、ほぼ完全なパーライト基地に
晶出している様子が判る。また、表2から各種機械的性
質(引張強さ,伸び,硬度)も試料No.3が優れている
ことが判る。
【0014】
【表2】 尚、表1の成分組織から判るように、本発明のFCVの
場合(試料No.3)は、C及びSiのほかにMn,S
n,Cu,S,Mg,P及びFeを有している。このう
ちCは黒鉛を析出させるための必須成分であり、FCV
のためには3.0〜3.9% が必要である。しかし、3.
3% 未満であると、チル化(炭化物の析出)傾向が大
となり、反面3.8%を越えるとフエライトが出易くな
るので3.3〜3.8% の範囲が実用的であり、最も好
ましい範囲は3.4〜3.6%である。Siは添加量が少
ないとFCVの安定化を阻害してチル化傾向が大とな
り、反面添加量が多くなると黒鉛の形状が粗大化してフ
エライト化し易くなるために、1.5〜3.0%の範囲が
実用的であり、最も好ましい範囲は1.8〜2.5%であ
る。
【0015】また、Mnはパーライト組織を安定させる
ために有効であるが、多量に含有するとチル化傾向を高
めるため、0.2〜0.8%の範囲が好ましい。
【0016】Snは一般には添加を制限されているもの
であるが、0.03% 以上添加することでパーライト組
織を安定化させていることは注目すべき点である。しか
し、0.25% 以上になると黒鉛形状が片状になってF
CVの黒鉛形状が得られないので、0.03〜0.2%
の範囲が望ましい。
【0017】Cuも一般には添加を制限されているもの
であるが、0.25% 以上添加することで、FCVをパ
ーライト基地化すると共に、耐力及び靭性を向上させる
点で注目される。しかし、2.0% を越えると組織に偏
析をおこし易いために、0.25〜1.5% が好ましい。
【0018】Sは黒鉛の球状化を阻害する成分であり、
0.01% 未満では黒鉛が球状化し、球状黒鉛鋳鉄に近
くなる。そして、収縮が大きくなり、ひけのために鋳巣
などの鋳造欠陥が発生し易くなる。反面0.09% 以上
になると黒鉛が片状化するので安定したFCVが得られ
ない。そのために、0.01〜0.08%の範囲が好まし
い。
【0019】Mgは0.05% 未満では黒鉛形状が片状
黒鉛となり、0.04% を越えると球状黒鉛となると共
に、ノロかみなどの鋳造欠陥が生ずるので、0.005
〜0.04% の範囲が望ましい。
【0020】またPは0.1% を越えると基地に硬い組
織であるリン化鉄(ステダイト)が析出し、本鋳鉄でプ
ーリなどを形成した場合、相手部材であるワイヤロープ
の摩耗を早めるので、0.1% 以下とした。
【0021】以上説明したように本発明の実施例によれ
ば、パーライト組織を面積率90%以上として安定化す
ることができ、耐摩耗性に優れたFCVを得ることがで
きる。さらに、上記FCVは鋳放し状態で得られるの
で、凝固後の処理は不要となり、鋳造性が優れたFCV
が得られる。
【0022】次に、上記本発明によるFCVによりエレ
ベーター用シーブを形成した場合を図2〜図5について
説明する。一般に、エレベーター装置は昇降路1の頂部
に形成した機械室2内に巻上機3を設置し、この巻上機
3により後述の乗かご9を昇降させている。前記巻上機
3は電動機4と、この電動機4の回転を減速する減速機
5と、この減速機5の出力軸に連結されたシーブ6と、
前記減速機5の入力軸を制動する電磁ブレーキ7とで構
成されている。そして、前記シーブ6はその外周に複数
本のロープ溝6Gを有しており、このロープ溝6Gにワ
イヤロープ8を巻掛け、その両端を昇降路1内に吊下げ
て乗かご9及びつり合いおもり10を連結している。そ
して、前記シーブ6を電動機4によつて回転させること
により、前記ワイヤロープ8は前記ロープ溝6Gとの摩
擦力によつて移動し、前記乗かご9を昇降させる。
【0023】上記エレベーター用のシーブ6を本発明に
よるパーライト組織のFCVで形成した場合の効果を検
証するために、図6及び図7に示す試験装置を用いて摩
耗寿命試験を行った。試験装置は水平方向に間隔をおい
て設置された2組の供試シーブ20a,20bと、これ
ら2組の供試シーブ20a,20bの中間上部に位置す
るアイドルプーリ21と、前記供試シーブ20a,20
bの外側下方に位置する駆動プーリ22と張力調整プー
リ23と、これら供試シーブ20a,20b,アイドル
プーリ21,駆動プーリ22,張力調整プーリ23に巻
掛けられ連結金具24により無端状に連結されたワイヤ
ロープ8とより構成されている。そして前記2組の供試
シーブ20a,20bは夫々複数回転軸25上に取付け
られている。この回転軸25の一端は軸受26を貫通し
ており、その貫通端に夫々歯数がわずかに異なるスプロ
ケット27a,27bを取付けている。そして、両供試
シーブ20a,20bのスプロケット27a,27b間
をチェーン28で連結している。また、前記駆動プーリ
22には駆動軸29を介して駆動装置30が連結され、
前記張力調整プーリ23には油圧装置31を連結して前
記駆動プーリ22との距離を調整している。
【0024】以上の構成の試験装置において、前記駆動
装置30を正転,逆転させ、これを繰返すことにより、
前記ワイヤロープ8が図6の矢印a,bの如く走行する
が、この際前述したように前記スプロケット27aと2
7bは歯数をわずかに異なるようにして供試シーブ20
a,20bの周速に差をもたせているため、前記供試シ
ーブ20a,20bと前記ワイヤロープ8との間にはわ
ずかな滑りが生じ、前記供試シーブ20a,20bを強
制的に摩耗させるのである。尚、スプロケット27a,
27bの歯数の代りに、一方の供試シーブの速度を変え
たり、外径を変えたりしてもよい。
【0025】上記試験装置に、供試品シーブ20a,2
0bとして本発明によるパーライト組織のFCVを用い
たシーブと、パーライト基地組織のFCDを用いたシー
ブと、FCを用いたシーブを装着し、比較試験を実施し
た。
【0026】ここで、供試シーブの摩耗量の評価法とし
て、図8に示すように、シーブ20の摩耗によりワイヤ
ロープ8aが8bの位置に変位するのであるが、その摩
耗した断面積32をシーブ摩耗量(mm2)として測定する
ことにした。シーブ摩耗量の測定はモデリング・コンパ
ウンドにより型を採取し、その断面を拡大して計測し
た。
【0027】以上の方法にて前述の供試品シーブの摩耗
寿命の比較試験を実施した結果の一例を図9に示す。図
9より明らかなように、本発明によるFCVからなるシ
ーブの摩耗量は、FCからなるシーブに比較して著しく
低減し、FCDのシーブと同等な耐摩耗性を有している
ことがわかる。
【0028】尚、前述の供試シーブに用いたFCVはパ
ーライト面積率が94%のものであるが、同様なシーブ
摩耗試験機による試験結果より、パーライト面積率は9
0%以上であれば良好な耐摩耗性を有することを得てい
る。具体例としては、パーライト面積率が80%の場合
には耐摩耗性が30〜40%低下することを確認してい
る。
【0029】上記FCVからなるシーブを、定格速度が
105m/分の規格形エレベーターの走行距離に換算す
ると、56000km以上の使用に耐えることが判った。
走行距離56000kmは、稼働実績から求めた月当りの
走行時間が120時間となる上記規格形エレベーターの
走行距離であり、また定格速度105m/分は規格形エ
レベーターとして最も早いエレベーターである。そし
て、上記走行距離56000kmは、約7年の使用期限に相当
するものであり、実際に3〜5年で交換していた従来の
シーブに比べて大幅に耐摩耗性が向上している。
【0030】次に、本発明によるFCVをエレベーター
用巻上機のシーブに応用した場合のワイヤロープへの影
響を確認するため、図10及び図11に示す試験装置を
用いてワイヤロープの寿命試験を実施した。
【0031】図10において、供試シーブ20a,20
bとアイドルプーリ21はワイヤロープがダブルS字の
如く巻掛けられるように配置し、供試ワイヤロープ33
を屈曲させる。試験装置の各部位は前述のシーブ摩耗試
験装置とほぼ同じであり、異なるのはチェーン28がな
いのと図11に示す構成である。即ち、図11は図10
の供試シーブ20aの部分の断面を示すC−C断面図で
ある。供試ワイヤロープ33を巻掛けた供試シーブ20
aは、軸受26に両端回転支持された軸25との間に各
々独立した滑り軸受34を介して回転支持されている。
このように構成してあるため、供試ワイヤロープ33の
連続屈曲試験、つまりワイヤロープの屈曲疲労の寿命試
験が可能である。
【0032】上記のワイヤロープ寿命試験装置に、供試
シーブとして、本発明によるFCVで形成したシーブ
と、FCからなるシーブを装着した。これと組合せる供
試ワイヤロープ33の断面の一例を図12に示す。図1
2において、35はワイヤロープの芯綱、36は3種類
の細いワイヤから構成されたストランドを示し、このス
トランド36は外層素線37,中間素線38,芯線39
からなっている。
【0033】前記の外層素線37の抗張力が135kgf
/mm2 級のワイヤロープをE種(又はエレベーター種)
と呼び、エレベーター用ワイヤロープとして一般に使用
されているものであるため、前述のFCの供試シーブと
組合せることにした。
【0034】同様に、外層素線37の抗張力が165kg
f/mm2 級のワイヤロープをA種と呼ぶが、本発明のF
CVを用いた供試シーブと組合せ、ワイヤロープの寿命
試験を実施することにした。
【0035】以上の試験装置を用い、前述の供試シーブ
と供試ワイヤロープとの組合せによるワイヤロープの寿
命比較試験を実施した結果の一例を図13に示す。図1
3は、試験装置の往復回数、つまり供試ワイヤロープ3
3の屈曲回数と、供試ワイヤロープ33のシーブと接触
する外層素線37の損傷状態(素線断線の数)との関係
を示したものである。図13より明らかなように、FC
からなる供試シーブと組合せたE種のワイヤロープの損
傷に比較して、本発明によるFCVからなる供試シーブ
と組合せたA種のワイヤロープの損傷の度合は著しく軽
減され、エレベーター用巻上機のシーブとワイヤロープ
に適していることがわかる。具体的には損傷の度合が約
50%軽減されることを確認している。
【0036】尚、前述のワイヤロープの外層素線の抗張
力が165kgf/mm2 級のA種ロープについて詳述した
が、このワイヤロープの外層素線の硬度はHV 420〜460
であるワイヤロープが適していることを同様な試験結果
より得ている。
【0037】次に、本発明によるFCVの超音波による
非破壊検査について述べる。一般に鋳鉄中の超音波の通
過速度は、内在する黒鉛の形状と強い正相関関係にある
ことが知られている。このため、鋳鉄の機械的性質と超
音波の通過速度との関係を把握することにより、鋳鉄の
黒鉛形状は実際に超音波を当ててその超音波速度を測定
すれば区分できる。本発明によるFCVについても超音
波による検査を実施してみた。図14にその一例とし
て、鋳鉄の機械的性質である引張強さと超音波通過速度
との関係を示す試験結果を示す。供試品の鋳物は本発明
によるFCVからなるシーブ,FCDのシーブ及びFC
のシーブの実体強度(引張強さ)と超音波速度の関係を求
めたものである。図14より明らかなように、FCの領
域とFCDの領域の中間に本発明によるFCVの領域は
あり、その領域における超音波速度の範囲は4800m
/s〜5400m/sにあることがわかる。同様に、本
発明によるFCVの硬度と超音波速度との関係を測定す
ると、超音波速度が4800m/s〜5400m/sに
おける硬度がHB =200〜250に相当することがわ
かった。
【0038】以上述べてきた本発明によるFCVは、亜
共晶成分からなる鋳放しパーライト基地組織のCVであ
るが、亜共晶成分からなるCVであつても凝固後に熱処
理、例えば焼入れ,焼戻し、あるいは焼ならしを施すこ
とによりパーライト基地組織のFCVが得られる。一
方、凝固中の亜共晶成分からなるFCVの冷却速度を調
整する目的で、冷し金などの冷却速度調整手段を用いて
パーライト基地組織のFCVが得られる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、鋳放し状態でパーライ
ト基地組織の面積率が90%以上で安定化したコンパク
ト・バーミキュラ黒鉛鋳鉄を得ることができ、しかも耐
摩耗性及び鋳造性に優れているので、ワイヤロープを巻
掛け、これを駆動するシーブに適した新規なコンパクト
・バーミキュラに適した黒鉛鋳鉄を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコンパクト・バーミキュラ黒鉛鋳
鉄の金属組織を示す顕微鏡写真。
【図2】エレベーター用シーブを示す正面図。
【選択図】 図1
【図3】エレベーター用シーブの一部縦断側面図。
【図4】エレベーター装置を示す概略構造図。
【図5】エレベーター用巻上機を示す平面図。
【図6】シーブの摩耗試験装置を示す構造図。
【図7】図6のB−B線に沿う拡大断面図。
【図8】シーブの摩耗状態を示す説明図。
【図9】試験回数とシーブの摩耗量との関係を示す線
図。
【図10】ロープの寿命試験装置を示す構造図。
【図11】図10のC−C線に沿う拡大断面図。
【図12】ワイヤロープを示す拡大断面図。
【図13】ロープ寿命試験結果を示す線図。
【図14】引張強さと音速の関係を示す線図。
【符号の説明】
6…シーブ、8…ワイヤロープ、9…乗かご。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奈良 俊彦 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社 日立製作所 水戸工場内 (72)発明者 高橋 龍彦 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社 日立製作所 水戸工場内 (56)参考文献 特開 昭61−3866(JP,A) 特開 昭61−227149(JP,A) 特開 昭60−248864(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 37/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比でC:3.3〜3.8%,Si:1.
    5〜3.0%,Mn:0.2〜0.8%,P:0.1% 以
    下,S:0.01〜0.08%,Cu:0.25〜1.5
    %,Sn:0.03〜0.2%,Mg:0.005〜0.0
    4%,残部がFeと不可避的不純物を有する亜共晶成分
    からなり、鋳放しパーライト面積率が90%以上で構成
    されることを特徴とするコンパクト・バーミキュラ黒鉛
    鋳鉄。
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