JP2893417B2 - 電動機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、樹脂モールドでフレームが形成される電動
機に関する。

［従来の技術］ フレームが樹脂モールドされる電動機は、一般にフレ
ームと一体に取付け脚が成形製作される。

このため、取付け脚が大きくなると機械的強度が問題
となり、一般には、取付け脚の肉厚を大きくしたり、リ
ブ備えたり、あるいは外側から鉄製のフランジを併用す
るなどの方法が試みられている。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、これらの方法では、取付け脚を構成す
るためのモールド樹脂の使用量が多くなることや、特別
のフランジなどを作らなければならないといった問題を
有していた。

本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであ
り、モールド樹脂が少なくても丈夫な取付け脚が形成で
き、また、製作が容易な電動機を得ることを目的として
いる。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、固定子鉄心を形成する鋼板を積層し、この
積層される鋼板の一部の外径を大きく突出部を形成し、
この突出部を取付け脚として埋設するようにフレームを
樹脂モールドで構成することによって問題点を解決して
いる。

［作用］ 取付け脚に埋設される鋼板が取付け脚の機械的強度を
大きくすることになり、しかも、この鋼板が固定子鉄心
と一体のため、位置精度が良く樹脂モールドの成形に際
してモールド樹脂量を少なくしても鋼板がフレームの外
側へ露出することがない。

［実施例］ 本発明を図面に示された一実施例に基づいて説明する
と、第１図は、本発明の一実施例による電動機の構造を
示す要部の縦断面図であり、第２図は、その積層された
鋼板の断面図である。

第１図において、電動機は、鋼板を積層して固定子鉄
心１が形成されており、固定子鉄心１には、外径方向へ
突出した突出部２が形成されている。

そして、突出部２には、貫通孔３が形成されており、
この貫通孔３を残して全体がモールド樹脂で覆われたフ
レーム４を形成している。

さらに、突出部２を覆う部分のフレーム４は、取付け
脚５を形成しているものであり、貫通孔３に図示されな
いボルトなどを通してこれも図示されない機器等に取り
付けられるものである。

また、固定子鉄心１には、巻線６が施されており、こ
の巻線６についてもモールド樹脂で覆われフレーム４の
内側になるように構成されている。

フレーム４には、固定子鉄心１の内側に回転子７を備
えるためにブラケット8a、8bが軸方向の両側から取り付
けられている。

突出部２は、固定子鉄心１を積層して形成する際、径
方向外側へ大きくなる部分を積層工程に加えれば容易に
できるものであり、別の工程で製作されたものを積層に
際して組み込んでも製作できるものである。

いずれの場合でも、巻線６が装着されるまでの工程で
積層鋼板として所定の位置へ介在させれば良い。

また、鋼板が積層される位置、すなわち突出部２を積
層方向の任意の位置にすることも必要に応じて容易にで
きるものである。

第２図において、電動機は、突出部２を有する鋼板の
部分で径方向に断面すると、突出部２が４方向へ突出し
ており、それぞれに貫通孔３が形成されている。

また、巻線は、図示されてないが固定子鉄心１に軸方
向に納められるものであり、鋼板には、巻線６が納めら
れるスロットが多数形成されているものである。

この様な構成において、電動機は、鋼板を積層して固
定子鉄心１を形成し、この際、突出部２を有する鋼板を
介在して固定子鉄心１の側部に突出部２を形成する。

そして、巻線６を納めた後、モールド樹脂によってフ
レーム４を形成する。

このとき、突出部２に形成された貫通孔３を残してフ
レーム４を形成することによって貫通孔３を備えた取付
け脚５が形成できる。

この様な取付け脚５は、鋼板による突出部２が内側に
備えられることになるため、取付け強度がフレーム４に
よって決定されるのではなく、固定子鉄心１と一体にな
った突出部２との総合的な強度によって決定されること
になる。

このため、フレーム４の肉厚を小さくしても強度には
ほとんど影響を与えることがなく、丈夫な、しかも固定
子鉄心１と一体になった取付け脚５が形成でき、取付け
が丈夫で正確になる電動機を得ることができる。

この様な取付け脚５の機械的強度は、突出部２が主体
となるため、フレーム４に期待する必要はなく、フレー
ム４は、突出部12を薄く被う程度の量でよく、樹脂量を
相当節約することができる。

一般にこの種樹脂は、高価であり、節約の経済的効果
は、大きいものである。

［発明の効果］ 以上、本発明によれば、取付け脚が容易に製作でき、
しかも丈夫になり、また、同時に経済的効果も得られ、
その効果は極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例による電動機の構造を示す
要部の縦断面図であり、第２図は、その積層された鋼板
の断面図である。 １…固定子鉄心、２…突出部、３…貫通孔、４…フレー
ム、５…取付け脚、６…巻線。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】固定子鉄心を形成する鋼板を積層し、この
   積層される鋼板の一部の外径を大きくして突出部を形成
   し、この突出部を取付け脚として埋設するようにフレー
   ムを樹脂モールドで構成することを特徴とする電動機。