JP2893413B2 - 高耐摩耗性に優れる電線 - Google Patents

高耐摩耗性に優れる電線

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JP2893413B2
JP2893413B2 JP2008907A JP890790A JP2893413B2 JP 2893413 B2 JP2893413 B2 JP 2893413B2 JP 2008907 A JP2008907 A JP 2008907A JP 890790 A JP890790 A JP 890790A JP 2893413 B2 JP2893413 B2 JP 2893413B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、合成樹脂性絶縁電線に係り、特に、絶縁被
覆材の耐摩耗特性を向上することができ、かつ被覆厚さ
を薄くして軽量化及び作業性を向上することのできる高
耐摩耗性に優れる電線に関する。
【従来の技術】
近年、優れた合成樹脂が安価に作られるようになり、
絶縁性能が良いところから合成樹脂を用いて被覆する絶
縁電線、ケーブル等が多くなってきている。このような
電線、ケーブル等の絶縁に使用される合成樹脂は、コス
トが低く、施工時の端末処理作業がやり易いところか
ら、主として塩化ビニル樹脂が多く用いられている。こ
の塩化ビニル樹脂としては、機械的にもかなり強く難燃
性で、耐薬品性・電気特性が良く、着色も自由で機械加
工も良いところから軟質ポリ塩化ビニルが用いられてい
る。 このような軟質ポリ塩化ビニルによって被覆された絶
縁電線は、屋内外に布設され常時外界と接した状態とな
っている。この塩化ビニル絶縁電線は、電力を供給する
導体の上に内部半導電層を被覆し、この内部半導電層の
上に絶縁体を被覆し、この絶縁体の上に外部半導電層を
被覆し、この外部半導電層の上に最外層としてシースが
被覆されている。 このシースは、塩化ビニル樹脂に、可塑剤、安定剤、
滑剤、充填剤を配合して、混合し加熱し、そして成型し
ている。このような軟質ポリ塩化ビニルを最外層シース
として被覆した絶縁電線は、常に外界と接し、摩耗し易
い環境に置かれている。このため、このような絶縁電線
は、硬い金属等と接触又は衝突するとシースが容易に傷
を受け、場合によっては一部分が損傷にまで至り、絶縁
体の摩耗により絶縁不良及び火災の事故を発生する危険
性を有している。 そこで、近年、絶縁体の摩耗により絶縁不良及び火災
の事故の発生を防止するため、絶縁電線のシース(被
覆)材の摩耗特性を向上させることが嘱望され、従来、
種々の対策が講じられている。すなわち、絶縁体の摩耗
により絶縁不良及び火災の事故の発生を防止するため従
来は、絶縁電線の絶縁体の厚さを厚くし、絶縁体の厚さ
によって絶縁体に摩耗があっても、直ちに絶縁不良を発
生させることがないようにしている。あるいはまた、熱
可塑性ポリウレタンを絶縁体として使用することによっ
て絶縁電線の絶縁体に耐摩耗性を付与して絶縁体の摩耗
により絶縁不良及び火災の事故の発生を防止しようとし
ている。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、絶縁体の摩耗により絶縁不良及び火災
の事故の発生を防止するための前者の方法にあっては、
絶縁体の厚さを厚くすることによって絶縁体の摩耗によ
り絶縁不良を防止することはできるが、絶縁体の厚さを
厚くすることによって絶縁電線の電線径が太くなり、絶
縁電線の重量が増し、コストアップを来し、作業性が著
しく悪くなるという問題点を有している。 また、絶縁体の摩耗により絶縁不良及び火災の事故の
発生を防止するための後者の方法にあっては、熱可塑性
ポリウレタンの硬度が高いので、熱可塑性ポリウレタン
を絶縁体として使用することによって絶縁電線の絶縁体
に耐摩耗性を付与して絶縁体の耐摩耗性を向上すること
ができるが、熱可塑性ポリウレタンは、熱可塑性塩化ビ
ニルコンパウンドに比べ、高価であるため絶縁電線その
もののコストアップになってしまい、また、硬度の低い
ウレタンを用いたのでは、摩耗特性(特にスクレープ
性)が悪く、吸湿による仮水分解を起し易く押出し加工
性が劣るという問題点を有している。 本発明の目的は、絶縁被覆材の耐摩耗特性を向上し、
かつ被覆厚さを薄くして軽量化及び作業性を向上しよう
とすることにある。
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係る高耐摩耗性に優れる電線
においては、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、可塑
剤20〜100重量部、安定剤3〜7重量部、精製された四
塩化ケイ素の酸水素焔中における気相加水分解によって
製造される高分散性の無定形性シリカで球形の粒子が鎖
状に凝集してつながった二酸化ケイ素のエーロゾル状態
の超微粒子無定形シリカ2〜20重量部を配合して形成し
た塩化ビニル組成物によって絶縁体を構成したものであ
る。 可塑剤と安定剤の添加されている塩化ビニル樹脂に配
合される超微粒子無定形シリカは、精製された四塩化ケ
イ素の酸水素焔中における気相加水分解によって製造さ
れる高分散性の無定形シリカで球形の粒子が鎖状に凝集
してつながった二酸化ケイ素のエーロゾルである。この
無定形のシリカは、一次粒子が10ミリミクロン程度の大
きさで、無定形のシリカそのものが補強作用を示し耐摩
耗特性を向上させる作用を持っている。 ここにおける安定剤は、三塩基性硫酸鉛であり、その
粒度は、3〜7μ程度である。可塑剤と安定剤の添加さ
れている塩化ビニル樹脂に配合される超微粒子無定形シ
リカを2重量部以上で、20重量部以下としたのは、超微
粒子無定形シリカが2重量部以上無いと、耐摩耗特性を
向上させる作用がなく、20重量部有れば、耐摩耗特性の
向上性は略平衡となるため20重量部以上有っても、これ
以上の耐摩耗特性の向上を図ることはできない量である
からである。 安定剤として用いられる微粒子安定剤は、ここではPb
系安定剤であり、従来の粒度3〜7程度に対して、さら
に細かい粒子の安定剤で、三塩基性硫酸鉛の粒度を、1
〜3μとして脂肪酸で表面処理を促したものである。微
粒子安定剤を3重量部以上で、7重量部以下としたの
は、微粒子安定剤が3重量部以上無いと、耐摩耗特性を
向上させる作用がなく、7重量部有れば、耐摩耗特性の
向上は十分図ることができ、7重量部を超えて配合する
と、耐スクレープ性が下がってしまうからである。 請求項2に記載の発明に係る高耐摩耗性に優れる電線
においては、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、可塑
剤20〜100重量部、脂肪酸で表面処理を施し粒度1〜3
μのPb系の微粒子安定剤3〜7重量部、精製された四塩
化ケイ素の酸水素焔中における気相加水分解によって製
造される高分散性の無定形性シリカで球形の粒子が鎖状
に凝集してつながった二酸化ケイ素のエーロゾル状態の
超微粒子無定形シリカ2〜20重量部を配合して形成した
塩化ビニル組成物によって絶縁体を構成したものであ
る。 ここでは、微粒子安定剤として、従来の粒度3〜7μ
程度よりさらに細かい1〜3μ程度の三塩基性硫酸鉛粒
子の表面を脂肪酸で処理したPb系安定剤を用いると共
に、一次粒子が10μ程度の大きさで、精製された四塩化
ケイ素の酸水素焔中における気相加水分解によって製造
される高分散性の無定形性シリカで球形の粒子が鎖状に
凝集してつながった二酸化ケイ素のエーロゾル状態の超
微粒子無定形シリカを併用配合している。このように微
粒子安定材と超微粒子無定形シリカ併用配合することに
よって、さらに耐摩耗特性を向上させている。
【作用】
塩化ビニル樹脂100重量部に対して、可塑剤20〜100重
量部、安定剤3〜7重量部、精製された四塩化ケイ素の
酸水素焔中における気相加水分解によって製造される高
分散性の無定形性シリカで球形の粒子が鎖状に凝集して
つながった二酸化ケイ素のエーロゾル状態の超微粒子無
定形シリカ2〜20重量部を配合して形成した塩化ビニル
組成物によって絶縁体を構成しているため、チキソトロ
ピー効果(攪拌、振動によりゾルからゲルになり、放置
するとまたゲルに戻る現象)が大きくなり、押出加工特
性が向上すると共に、表面光沢が上がり平滑となり、こ
の表面の滑り効果が起き摩耗特性が向上するので絶縁被
覆材の耐摩耗特性を向上することができ、かつ被覆厚さ
を薄くして軽量化及び作業性を向上することができる。 また、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、可塑剤20
〜100重量部脂肪酸で表面処理を施し粒度1〜3μのPb
系の微粒子安定剤3〜7重量部精製された四塩化ケイ素
の酸水素焔中における気相加水分解によって製造される
高分散性の無定形性シリカで球形の粒子が鎖状に凝集し
てつながった二酸化ケイ素のエーロゾル状態の超微粒子
無定形シリカ2〜20重量部を配合して形成した塩化ビニ
ル組成物によって絶縁体を構成しているため、チキソト
ロピー効果(攪拌、振動によりゾルからゲルになり、放
置するとまたゲルに戻る現象)が大きくなり、押出加工
特性がさらに向上すると共に、表面光沢が上がり平滑と
なり、この表面の滑り効果が起き摩擦特性が向上するの
で摩耗特性を向上させることができ、絶縁電線の絶縁被
覆層の厚さを従来の絶縁電線の絶縁被覆層の厚さよりも
薄くしても、従来の絶縁電線の絶縁被覆層と同等以上の
耐摩耗特性を得ることができる。また、絶縁被覆層の厚
さを薄くすることができるため、絶縁電線の軽量化を図
ることができ、かつ絶縁電線の絶縁層が薄くできる分だ
け可撓性が良くなり、作業性を向上することができ、牽
いては製品コストを削減することができ、製品体積の減
少を図ることができる。
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例について従来例と対比し
て説明する。 実施例1 本実施例は、塩化ビニル樹脂(具体的には、P−1100
の塩化ビニ樹脂)100重量部に対して、DINP(ジ・イソ
・ノニル・フタレート)35重量部、Pb系安定剤(三塩基
性硫酸鉛)5重量部、超微粒子無定形シリカ(具体的に
は、日本アエロジル(株)製のアエロジル♯200)5重
量部を配合した絶縁体を0.2mmの厚さに被覆した絶縁電
線と0.4mmの厚さに被覆した絶縁電線である。 実施例2 本実施例は、塩化ビニル樹脂(具体的には、P−1100
の塩化ビニ樹脂)100重量部に対して、DINP(ジ・イソ
・ノニル・フタレート)35重量部、微粒子Pb系安定剤
(具体的には、水澤化学(株)製のMY−811)3重量
部、炭酸カルシウム10重量部を配合した絶縁体を0.2mm
の厚さに被覆した絶縁電線である。 実施例3 本実施例は、塩化ビニル樹脂(具体的には、P−1100
の塩化ビニ樹脂)100重量部に対して、DINP(ジ・イソ
・ノニル・フタレート)35重量部、微粒子Pb系安定剤
(具体的には、水澤化学(株)製のMY−811)5重量
部、炭酸カルシウム10重量部を配合した絶縁体を0.2mm
の厚さに被覆した絶縁電線と0.4mmの厚さに被覆した絶
縁電線である。 実施例4 本実施例は、塩化ビニル樹脂(具体的には、P−1100
の塩化ビニ樹脂)100重量部に対して、DINP(ジ・イソ
・ノニル・フタレート)35重量部、微粒子Pb系安定剤
(具体的には、水澤化学(株)製のMY−811)7重量
部、炭酸カルシウム10重量部を配合した絶縁体を0.2mm
の厚さに被覆した絶縁電線である。 実施例5 本実施例は、塩化ビニル樹脂(具体的には、P−1100
の塩化ビニ樹脂)100重量部に対して、DINP(ジ・イソ
・ノニル・フタレート)35重量部、微粒子Pb系安定剤
(具体的には、水澤化学(株)製のMY−811)5重量
部、超微粒子無定形シリカ(具体的には、日本アエロジ
ル(株)製のアエロジル♯200)5重量部を配合した絶
縁体を0.2mmの厚さに被覆した絶縁電線と0.4mmの厚さに
被覆した絶縁電線である。 実施例6 本実施例は、塩化ビニル樹脂(具体的には、P−1100
の塩化ビニ樹脂)100重量部に対して、DINP(ジ・イソ
・ノニル・フタレート)35重量部、微粒子Pb系安定剤
(具体的には、水澤化学(株)製のMY−811)7重量
部、超微粒子無定形シリカ(具体的には、日本アエロジ
ル(株)製のアエロジル♯200)10重量部を配合した絶
縁体を0.2mmの厚さに被覆した絶縁電線である。 従来例1 従来例1は、塩化ビニル樹脂(具体的には、P−1100
の塩化ビニ樹脂)100重量部に対して、DINP(ジ・イソ
・ノニル・フタレート)40重量部、Pb系安定剤(三塩基
性硫酸鉛)5重量部、炭酸カルシウム20重量部を配合し
た絶縁体を0.4mmの厚さに被覆した絶縁電線である。 従来例2 従来例2は、塩化ビニル樹脂(具体的には、P−1100
の塩化ビニ樹脂)100重量部に対して、DINP(ジ・イソ
・ノニル・フタレート)50重量部、Pb系安定剤(三塩基
性硫酸鉛)5重量部、炭酸カルシウム10重量部を配合し
た絶縁体を0.4mmの厚さに被覆した絶縁電線である。 これらの各実施例、各従来例についてJIS C3406の耐
摩耗特性、及び耐スクレープ性による絶縁被覆材の摩耗
特性の向上についての比較結果を第1表に示してある。 この第1表中の耐摩耗特性は、耐摩耗試験(JIS C340
6)結果によるもので、各実施例、各従来例において同
一の条件で試験をしている。 この耐摩耗試験は、次のようにして行う。すなわち、
まず、試料を長さ約900mmにとり、丸棒の上を長手方向
に直行する方向に摺動できるように置かれたJIS R6251
(研磨布)に限定する150番Cの摩耗テープに接するよ
うに両端部を固定する。しかる後、この試料の上に錘で
所定の荷重を加え、この摩耗テープを1500mm/minの速さ
で一方向に走行させる。すると、試料表面は、この摩耗
テープと試料表面との摩擦によって、摩耗する。この試
料表面は、摩耗が進むことによって、ついには試料内の
導体と摩耗テープとが接触する(電気的短絡によって検
知する)。このときの走行開始地点から試料内の導体と
摩耗テープとが接触した地点までの摩耗テープの長さ
(走行距離)を読み取り、この距離の長さが耐摩耗特性
を表すことになる。 この耐摩耗試験は、1ヵ所のみの測定によって求める
のではなく、1ヵ所の測定を行った後、試料を25mm移動
し、時計方向に90度回転させて固定し、前述と同様の耐
摩耗試験を行い、同様の方法で順次耐摩耗試験を行って
いき、1試料に対して8個の測定値を読み取り、この8
個の測定値の平均値を求め、この平均値をもって耐摩耗
特性値とする。 また、この第1表中の耐スクレープ性は、耐スクレー
プ試験結果によるもので、各実施例、各従来例において
同一の条件で試験をしている。この耐スクレープ試験
は、試料をクランプし、この試料の上に高荷重(5N)を
かけたスチールのエッジ(スクレープ刃0.125R)で強く
擦りつけ(押圧したまま左右に動かして)、試料表面の
摩耗状態(試料表面の削り取り具合)をみるものであ
る。スチールのエッジで強く擦りつけると、スチールの
エッジと試料表面との摩擦によって、摩耗する。この試
料表面は、摩耗が進むことによって、ついには試料内の
導体とスチールのエッジとが接触し(電気的短絡によっ
て検知する)、絶縁破壊を生じる。このときの擦りつけ
回数を読み取り、この擦りつけ回数が耐スクレープ性を
表すことになる。 第1表の実施例(No.1〜No.6)と従来例(No.1〜No.
2)との比較から明らかな如く、本発明によると、実施
例(No.1〜No.6)は、いずれも耐摩耗特性が、2000mm以
上あり、耐スクレープ性が、800回以上となっている。
これに対し、従来例1は、耐摩耗特性が、2750mmで、実
施例(No.1〜No.6)の2000mmを超えたものとなっている
が、耐スクレープ性が、450回と実施例(No.1〜No.6)
の最下値800回の約50%と著しく下回っており、全体と
して耐摩耗性が低いものとなっている。また、従来例2
は、耐摩耗特性が、320mmで、実施例(No.1〜No.6)の2
000mmを著しく下回っており、耐スクレープ性が、60回
と実施例(No.1〜No.6)の最下値800回の10%にも満た
ず、甚だしく下回っており、全体として耐摩耗性が著し
く低いものとなっている。 また、従来例1と従来例2とを比較すると、従来例2
の絶縁体の被覆厚は、従来例1の絶縁体の被覆厚の約50
%の厚さとしている。このため、従来例1と従来例2の
耐摩耗特性が2750mmに対し320mm、耐スクレープ性が450
回に対し60回と特性が1/7以下に低下している。したが
って、絶縁電線の耐摩耗特性、耐スクレープ性を向上す
るには、絶縁体被覆厚を厚くすることによりできること
がわかる。しかし、絶縁体の被覆厚を厚くすると絶縁電
線全体として重量が増し、製品コストが上がり、製品体
積が大きくなってしまい収容能力が低下する。 実施例1、実施例3、実施例7については、絶縁体被
覆厚0.2mmのものと、絶縁体被覆厚0.4mmの実施例が示さ
れている。 実施例2の絶縁体被覆厚0.4mmの試料は、耐摩耗特性
が、6300mmで、耐スクレープ性が、3400回であり、同一
の組成による絶縁体被覆厚を0.2mmにした試料は、耐摩
耗特性が、3350mmで、耐スクレープ性が、1800回と、特
性が50%近く低下するが、試料の絶縁体被覆厚を0.2mm
に薄くしても、絶縁体被覆厚0.4mmである従来例1(耐
摩耗特性が2750mm、耐スクレープ性が450回)の特性よ
りも著しく耐摩耗特性、耐スクレープ性の向上を図るこ
とができる。 実施例3の絶縁体被覆厚0.4mmの試料は、耐摩耗特性
が、4200mmで、耐スクレープ性が、2000回であり、同一
の組成による絶縁体被覆厚を0.2mmにした試料は、耐摩
耗特性が、2150mmで、耐スクレープ性が、1050回と、特
性が50%近く低下するが、試料の絶縁体被覆厚を0.2mm
に薄くしても、絶縁体被覆厚0.4mmである従来例1(耐
摩耗特性が2750mm、耐スクレープ性が450回)と比較す
ると、耐摩耗特性が若干(20%)低下するも、耐スクレ
ープ性は約2.2倍と著しい特性の向上を図ることができ
る。 実施例5の絶縁体被覆厚0.4mmの試料は、耐摩耗特性
が、7700mmで、耐スクレープ性が、3950回であり、同一
の組成による絶縁体被覆厚を0.2mmにした試料は、耐摩
耗特性が、4300mmで、耐スクレープ性が、2500回と、特
性が約40%に近く低下するが、試料の絶縁体被覆厚を0.
2mmに薄くしても、絶縁体被覆厚0.4mmである従来例1
(耐摩耗特性が2750mm、耐スクレープ性が450回)の特
性よりも著しく耐摩耗特性、耐スクレープ性を約40%近
く向上することができる。 このように、本実施例によれば、絶縁体被覆厚を0.2m
mと薄くしても絶縁体被覆厚0.4mmの従来例よりも著しく
絶縁体被覆材の耐摩耗特性を向上することができる。し
たがって、本実施例によれば、被覆厚さを薄くして軽量
化を図ることができ、かつ絶縁電線の敷設の際の作業性
を著しく向上することができる。
【発明の効果】
本発明は、上述の通り構成されているので、次に記載
する効果を奏する。 塩化ビニル樹脂100重量部に対して、可塑剤20〜100重
量部、安定剤3〜7重量部、精製された四塩化ケイ素の
酸水素焔中における気相加水分解によって製造される高
分散性の無定形性シリカで球形の粒子が鎖状に凝集して
つながった二酸化ケイ素のエーロゾル状態の超微粒子無
定形シリカ2〜20重量部を配合して形成した塩化ビニル
組成物によって絶縁体を構成しているため、チキソトロ
ピー効果(攪拌、振動によりゾルからゲルになり、放置
するとまたゲルに戻る現象)が大きくなり、押出加工特
性を向上すると共に、表面光沢を上げ、平滑にできて、
この表面の滑り効果によって摩擦特性が向上でき、絶縁
被覆材の耐摩耗特性、耐スクレープ性を向上することが
でき、かつ被覆厚さの軽量化及び作業性を著しく向上す
ることができる。 さらに、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、可塑剤2
0〜100重量部、脂肪酸で表面処理を施し粒度1〜3μの
Pb系の微粒子安定剤3〜7重量部、精製された四塩化ケ
イ素の酸水素焔中における気相加水分解によって製造さ
れる高分散性の無定形性シリカで球形の粒子が鎖状に凝
集してつながった二酸化ケイ素のエーロゾル状態の超微
粒子無定形シリカ2〜20重量部を配合して形成した塩化
ビニル組成物によって絶縁体を構成しているため、チキ
ソトロピー効果(攪拌、振動によりゾルからゲルにな
り、放置するとまたゲルに戻る現象)が大きくなり、押
出加工特性を向上すると共に、表面光沢を上げ、平滑に
できて、この表面の滑り効果によって摩擦特性が向上で
き絶縁被覆材の耐摩耗特性、耐スクレープ性を向上する
ことができ、かつ被覆厚さの軽量化及び作業性を著しく
向上することができる。このように微粒子安定剤と超微
粒子無定形シリカを併合配合することで、さらに摩耗特
性が向上し、絶縁電線の絶縁被覆厚を薄くしても、従来
の絶縁電線の絶縁体と同等の摩耗特性が得られることか
ら、軽量化及び作業性の向上、製品コストの削減、製品
体積の減少を図ることができる。したがって、例えば、
自動車用絶縁電線においては、製品体積の減少により、
多数の絶縁電線を一定体積中に使用可能となることか
ら、多機能化が可能となり、また、絶縁電線が摩耗した
ことによる絶縁不良及び火災の事故を防ぐことが可能と
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−103910(JP,A) 特開 昭62−103911(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01B 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル樹脂100重量部に対して、可塑
    剤20〜100重量部、安定剤3〜7重量部、精製された四
    塩化ケイ素の酸水素焔中における気相加水分解によって
    製造される高分散性の無定形性シリカで球形の粒子が鎖
    状に凝集してつながった二酸化ケイ素のエーロゾル状態
    の超微粒子無定形シリカ2〜20重量部を配合して形成し
    た塩化ビニル組成物によって絶縁体を構成してなる高耐
    摩耗性に優れる電線。
  2. 【請求項2】塩化ビニル樹脂100重量部に対して、可塑
    剤20〜100重量部、脂肪酸で表面処理を施し粒度1〜3
    μのPb系の微粒子安定剤3〜7重量部、精製された四塩
    化ケイ素の酸水素焔中における気相加水分解によって製
    造される高分散性の無定形性シリカで球形の粒子が鎖状
    に凝集してつながった二酸化ケイ素のエーロゾル状態の
    超微粒子無定形シリカ2〜20重量部を配合して形成した
    塩化ビニル組成物によって絶縁体を構成してなる高耐摩
    耗性に優れる電線。
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