JP2892981B2 - コンクリート成形体の吊り上げ用インサート金具及びこれを用いたコンクリート成形体 - Google Patents

コンクリート成形体の吊り上げ用インサート金具及びこれを用いたコンクリート成形体

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JP2892981B2
JP2892981B2 JP8000348A JP34896A JP2892981B2 JP 2892981 B2 JP2892981 B2 JP 2892981B2 JP 8000348 A JP8000348 A JP 8000348A JP 34896 A JP34896 A JP 34896A JP 2892981 B2 JP2892981 B2 JP 2892981B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吊り上げ操作を可
能とさせるコンクリート成形体に関し、特に吊り上げ具
の接続用としてコンクリート成形体に予め埋め込ませて
おく吊り上げ用インサート金具及びそれを埋め込んだコ
ンクリート成形体並びに吊り上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば道路の側溝や下水道設備などに
は、予め工場で成形加工したU字溝、その蓋、ヒューム
管、マンホール部材などのコンクリート成形体(コンク
リートブロック)が広く用いられている。これらのコン
クリート成形体は工場から現場にトラックなどで運ば
れ、必要な場所に設置される。それについては、当然
に、トラックへの積み下し作業が必要になる。この作業
は、従来では一般に玉掛け作業によっていた。つまり、
ロープや特殊なヘッドなどを用い、所定の方式でコンク
リート成形体を抱えるようにして吊り上げるようにして
いた。
【0003】これらの従来例を以下具体的に説明する。
図29は、他の玉掛け装置の従来例である。図30はそ
の使用例図である。この玉掛け装置は、図30に示すよ
うにU字溝コンクリートブロック専用吊り上げ装置であ
り、クランプと称せられている。図29(イ)が略S字
形2つのクランプ100、101とを重ね合わせた構造
で、図29(ロ)が1つのクランプ118の例である。
クランプ100と101とは、それぞれ自由結合部11
0、117、112、119でその結合軸囲りに自由回
動できるように結合されている。クランプ100と10
1との先端には接触部103、104が設けてあり、こ
れがU字溝の把持部となる。2つの把持部103と10
4との間隔は吊り上げるコンクリートブロックの重さに
依存し、重ければ狭く閉じようとしてコンクリートブロ
ックの接触部分に強く押しつけられる。各クランプ10
0と101とは、結合部110と117とで2つの部材
がそれぞれ結合している。結合部119の軸上には吊り
上げ用の引っかけ部材102が設けられている。図29
(ロ)のクランプ118は図29(イ)の2つのクラン
プ100と101とのいずれか一方と同じ構造である。
使用時例えば図29(ロ)の装置で玉掛けを行うには2
つの装置51、51′を用意しておき、図30に示すよ
うに、U字溝の両端腕の部分上側位置に把持部106、
107を押しつけておき、ロープ120で上に吊り上げ
る。この吊り上げ開始時には、把持部106、107と
がU字溝の両端腕の両側に押しつけられ、U字溝を把持
する。そしてロープを吊り上げることでU字溝の吊り上
げを行う。図29(イ)の装置でも同様である。
【0004】図31は、他の玉掛け装置の従来例図、図
32はその使用例図である。この装置は、図29のクラ
ンプを大型化したものであり、U字溝の側面部の内側か
ら吊り下げようとするものである。図31の装置は、把
持機構136と137とそれらを直結する連結部13
8、139より成る。把持機構136と137とは、両
側面把持部130、132、131、134を持ち、こ
れらを図32に示すようにU字溝201の側面内側に押
しつける。そして吊り上げ部材135の穴にロープを巻
き付けて吊り上げる。吊り上げに際して、U字溝201
が重ければそれに応じた押しつけ力が側面に働き、吊り
上げがなされる。また、こうした玉掛け装置に代わっ
て、吊り上げ用のインサート金具をコンクリート成形体
を内部に持つ外枠に予め取り付けておき、これに吊り上
げ具を接続して吊り上げる方式が提案されている。
【0005】この方式に用いるインサート金具として
は、例えば図33(イ)、(ロ)に示すような異形鉄筋
FaやFbに内ねじSaやSbの加工を施した金具が知られ
ている。このインサート金具は、外枠だけでなく、外枠
のないコンクリート成形体に埋め込むものとしても提案
されている。即ち、コンクリート成形体に対してこのイ
ンサート金具は、鉄筋が一般的に持つコンクリートに対
する付着力を利用することで引抜耐力、つまり吊り上げ
時の引抜力に対する抵抗力を確保して吊り上げに耐えさ
せることを意図したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図29の玉掛け装置
は、把持部103と104、106と107との把持力
が弱く、軽い重量のU字溝の吊り上げに使用されてい
る。また図31の玉掛け装置はU字溝の内側側面に押し
つけるものであるが、一般にU字溝は、底側が狭く、開
口孔となる上側に向かって広がるような内側径をなす
(φ1<φ2)。このような内側に把持部を押しつけた場
合、その押圧力がいかに強くても上側に開いているた
め、図29と同様に軽い重量のU字溝の吊り上げ用にし
か使えなかった。また軽い重量のブロックにおいても完
全に脱落防止をはかることは困難であり、現実に吊り上
げ中の脱落事故の報告が幾つかなされている。また、図
29、図30の玉掛け装置は、それ自体で数10kgの
重さを持ち、玉掛け準備作業が予想以上に困難であっ
た。また、吊り上げ側でも(コンクリートブロックの重
さ)+(数10kgの玉掛け装置)の重量がかかること
になり、重量負担が大きかった。更に、図29と図30
に示すように吊り上げブロックの種別毎に吊り上げ装置
を個別に必要としている。更に、それら個別の吊り上げ
装置も図29と図30にみれるように複雑で部材量も多
く、高価であった。このようなことから、数10kgか
ら数100kg、又は2トン程度までの重量のあるコン
クリートブロックの吊り上げは、ロープをそのブロック
にかけて吊り上げる昔からのやり方をとっているのが現
実である。ロープをかけての吊り上げは安全ではある
が、ロープのその都度の巻き付けと鍵による施錠とが必
要であり、作業効率が悪かった。
【0007】一方、上記インサート金具は、これを埋め
込むべきコンクリート成形体は、その多くが一般的に数
cm〜20cm程度の厚みしか持っていない(特注のブ
ロック、例えばテトラポットの如き例では30cm程度
の厚みを持つ場合もある)ことから、吊り上げるのに最
も望ましい位置に埋め込むには余り長さをとれず、異形
鉄筋の一般的付着力程度では必ずしも十分な引抜抵抗力
を確保することができない。つまりインサート金具のコ
ンクリート成形体への確実な結合力を安定的に得られな
い。そのため、特殊なコンクリート成形体を除いては実
用性に乏しいというのが実情である。従って、こうした
欠点を持つために、上記異形鉄筋は、コンクリート成形
体を直接吊り上げるのではなく、コンクリート成形体の
木枠に打ち込み(埋め込み)、この木枠ごとコンクリー
ト成形体を移動させる如き例に使われる。
【0008】このような事情を背景に本願発明者等は、
実用性の高い吊り上げ用インサート金具を求めて研究を
重ねてきた。その結果インサート金具のコンクリート成
形体への確実な結合性を安定的に得られるようにするに
は、鉄筋自体のコンクリート結合力を利用する構造に替
えて、他の構造によらなければならないとの知見を得
た。そこでこのような観点から鋭意研究したところ、吊
り上げ荷重の方向に対し直交する要素、特に平面的に直
交する要素をインサート金具に設け、この要素のコンク
リートへの結合力を利用するのが最も有効であるとの知
見が得られ、さらに有筋のコンクリート成形体の場合に
は前記要素を鉄筋に係止させるようにすることで、より
確実性の高い結合力をより安定的に得ることが可能とな
るとの知見が得られた。
【0009】本発明は、上記のような知見に基づくもの
であり、この知見による吊り上げ用インサート金具の構
造を最も使い易い形で、しかもコンクリート成形体への
結合力を最も効果的に発揮させることができるように具
現化することで得られたものである。更に本発明は、構
造的にも吊り上げ容易で、且つコンクリート成形体の吊
り上げ時の安全性が極めて高いインサート金具及びそれ
を埋め込んだコンクリート成形体を提供するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、有筋又は直筋
コンクリート成形体を吊り上げる際の、雄ねじ部を持つ
吊り上げ具の接続用として、予めコンクリート成形体内
に埋め込んでおく吊り上げ用インサート金具において、
埋め込み深さ相当の長さを持ち、且つ雌ねじ部を内部に
形成の螺合孔を長さ方向に延在させ、螺合孔の一方の入
口側(吊り上げ入口側)からその内部にかけて上記吊り
上げ具の雄ねじ部が螺着可能な長ナット部材と、長ナッ
ト部材の螺合孔の他方の入口側からその内部にかけて螺
着可能な長さのねじ部と、このねじ部を支持する頭部
と、より成るボルト部材と、長ナット部材とボルト部材
との間に挿着されて使用されると共に、その挿着面より
も一部又は全周囲にわたって大きな外形を有し、コンク
リート内の鉄筋の下側に挿着される平板状の引抜抵抗部
材と、より成るコンクリート成形体の吊り上げ用インサ
ート金具を開示する。
【0011】更に本発明は、有筋コンクリート成形体を
吊り上げる際の、雄ねじ部を持つ吊り上げ具の接続用と
して、予めコンクリート成形体内に埋め込んでおく吊り
上げ用インサート金具において、埋め込み深さ相当の長
さを持ち、且つ雌ねじ部を内部に形成の螺合孔を長さ方
向に延在させ、螺合孔の一方の入口側(吊り上げ入口
側)からその内部にかけて上記吊り上げ具の雄ねじ部が
螺着可能な長ナット部材と、長ナット部材の螺合孔の他
方の入口側からその内部にかけて螺着可能な長さのねじ
部と、このねじ部を支持し、且つねじ部の長さ方向に対
して直角方向に長さを持つ棒状部と、より成るボルト部
材兼抵抗部材と、より成るコンクリート成形体の吊り上
げ用インサート金具を開示する。
【0012】更に本発明は、有筋又は無筋コンクリート
成形体を吊り上げる際の、雄ねじ部を持つ吊り上げ具の
接続用として、予めコンクリート成形体内に埋め込んで
おく吊り上げ用インサート金具において、埋め込み深さ
相当の長さを持ち、且つ雌ねじ部を内部に形成の螺合孔
を長さ方向に延在させ、螺合孔の吊り上げ入口側からそ
の内部にかけて上記吊り上げ具の雄ねじ部が螺着可能な
長ナット部材と、長ナット部材の底部に溶接又は一体固
定されて、長ナット部材の底部断面よりも一部又は全周
囲にわたって大きな外形を有する平板状(又は、長ナッ
ト部材の長さ方向に対して直角方向に長さを持つ棒状)
の引抜抵抗部材と、より成るコンクリート成形体の吊り
上げ用インサート金具を開示する。更に本発明は、こう
したインサート金具を埋め込んだコンクリート成形体及
びかかるコンクリート成形体の吊り上げ方法をも開示す
る。
【0013】このような本発明による吊り上げ用インサ
ート金具は、長ナット部材とボルト部材の間に挟み込ま
せる平板状又は棒状の引抜抵抗部材を長ナット部材の外
周から突出させ、これにコンクリートへの結合力を受け
持たせるようにしているので、確実性の高い結合力を安
定的に得ることができる。また本発明になる吊り上げ用
インサート金具は、各部材に分解可能であるので、流通
過程や資材としての保管に際しての扱い性に優れるとい
う長所もある。
【0014】さらに、本発明になるインサート金具はボ
ルト部材の長ナット部材への螺合長を調節することで実
質的な全長を調整できるので、特に引抜抵抗部材を鉄筋
に係止させる場合に、コンクリート成形体内での鉄筋の
位置とコンクリート成形体の外面、つまり長ナット部材
の吊り上げ具への接続側端面のレベル面との距離に多少
の相違やバラツキがあっても、これに簡単に対応するこ
とができ、使い勝手に優れるという利点もある。
【0015】上記のような吊り上げ用インサート金具に
おける引抜抵抗部材の長ナット部材外周からの突出部分
の大きさは、コンクリート成形体に用いられている鉄筋
の太さにより若干広くする程度が好ましく、より安全に
は2〜5倍程度とすればよい。また引抜抵抗部材の形状
は、正方形や円形のように回転対称性のある形状とする
のが、向きに限定を与えずに済むのが好ましい。さらに
長ナット部材の外周面は、多角形、例えば6角形にする
のが好ましい。このようにすることで、吊り上げ具から
長ナット部材に掛かる回転力に対する抵抗性を高めるこ
とができ、安全性をより向上させることができる。
【0016】本発明ではまた、上記のような吊り上げ用
インサート金具を埋め込むコンクリート成形体につい
て、望ましい吊り上げ位置に鉄筋を配し、この鉄筋に引
抜抵抗部材を保持(係止)させるようにしている。この
ように鉄筋に引抜抵抗部材を係止させる場合には、その
係止位置に縦鉄筋と横鉄筋の交差部がくるようにし、こ
の交差部における鉄筋に保持(係止)(例えば溶接)さ
せるようにすると、コンクリート成形体との結合力をさ
らに一層強化することができる。更に本発明によれば、
無筋のコンクリート成形体の埋め込みにも使用できた。
更に本発明によれば、ボルト部材を排して、直接に長ナ
ット部材の底面に抵抗部材を溶接固定せしめたことによ
り、ボルト部材の頭部及び挿着部分の厚みが不要とな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態による吊り
上げ用インサート金具は、図1に示すように、長ナット
部材1、ボルト部材2、及び引抜抵抗部材3から成り間
に引抜抵抗部材3を挟み込むようにして長ナット部材1
にボルト部材2を螺着させた状態にして、図2に示すよ
うにコンクリート成形体Cに埋め込んで用いる。この部
材3は一種の座金ともみれるが、しかし、通常の座金は
ボルトとナットとの間に介在して両者の結合をはかるた
めのサイズであればよく、またボルトとナットとの間に
機械部品の一部を介在させて締結させる如き例にあって
は、座金はこれら三者の結合をはかるためのサイズであ
ればよい。これに対し、本実施の形態での抵抗部材3は
そうした従来の座金よりも大きいサイズであり、コンク
リート成形体全体を支える如き機能を持つ。サイズ及び
使い方並びに機能が全く異なる。
【0018】長ナット部材1は、埋め込み対象のコンク
リート成形体Cにおける埋め込み長さに応じた所定の長
さで形成し、その外周面を6角形にする。また長手方向
に貫通する螺合孔5を設け、この螺合孔5内に全長にわ
たって雌ねじを形成する。ボルト部材2には、標準的な
市販のボルトを用いることができる。ボルト部材2は、
雄ねじ部2Aと頭部2Bとより成り、雄ねじ部2Aの長
さは、螺合孔5の下部からその途中までの長さでよい。
引抜抵抗部材3は、例えば一般的な道路の側溝用のコン
クリート成形体などの場合であれば、2〜3mm程度の
鋼板で形成し、その中心にボルト部材2の雄ねじ部2A
を通すための通孔6を設ける。部材3の外形の形状は、
図にみられるような正方形状とするのが一般的に好まし
いが、必要に応じて円形等他の形状としてもよい。ま
た、長方形としてその長手方向に強度を持たせる形状も
ありうる。
【0019】長ナット部材1の螺合孔5の長さは、
{(ボルト2の雄ねじ部2Aの長さ)+(図2の螺合部
Jsの長さ)−(抵抗体3の厚み)}であることが好ま
しい。これにより、互いに完全に密な結合となるからで
ある。
【0020】このような吊り上げ用インサート金具の有
筋コンクリート成形体への埋め込みは図2に示すように
なる。具体的には、コンクリート成形体Cの内部にある
鉄筋Raに引抜抵抗部材3を吊り上げ方向の反対側から
係止させるようにし、この状態で長ナット部材1の接続
側端面Dがコンクリート成形体Cの外面と面一になるよ
うにする。係止位置は、鉄筋Raを例に横筋とすればこ
れに交差する縦筋Rbとの交差部位とするのが好まし
い。
【0021】なお図中には、吊り上げ時に吊り上げ用イ
ンサート金具Iに接続される吊り上げ具の接続金具Jも
併せて示してある。この接続金具Jはハンド部(接続
部)Jaと螺合部Jsとより成り、ハンド部JaはA側か
らみて紙面の奥側に90゜、紙面の手前側に90゜の回
転、即ち、接続面Cに対し螺合部Jsとは独立に180
゜の回転ができる構造である。螺合部Jsは接続軸Bに
対し360゜回転可能な構造、即ち軸Bの周囲にハンド
部Jaとは独立に360゜回転可能な構造である。例え
ば、マ−テック社の通常全方向形アイボルトと称せられ
るフレノリンクボルトAタイプを吊り上げ具の接続金具
として使用する。Aタイプの中でA−10は使用荷重が
0.5トン、A−16は1.5トンである。長ナット部
材1の雄ねじ部である螺合部Jsを接続軸Bに対し36
0゜回転できるという機能を生かしながら、端面Dから
回転させながら螺着させる。螺着停止位置は螺合部Js
の雄ねじが完全に螺合孔5に入り切る位置であることが
好ましい。吊り上げ具Jを取り付けた後にハンド部Ja
にクレーンチェーン等を巻き付けてコンクリート成形体
を吊り上げる。こうした吊り上げ具の取り付け及び吊り
上げに際して、図2の吊り上げ具Jを用いることで、螺
合部Jsの螺合孔5への螺合を容易に行えると共に、接
続面Cに対し180゜の回転が自在に行えることから吊
り上げ時に無理な力が掛からない。
【0022】このような吊り上げによれば、インサート
金具はコンクリート内に完全に埋め込み固定されている
こと、螺合による吊り上げの安全度は極めて高く、脱落
の心配もない。更に吊り上げに際しての作業も、吊り上
げ具を螺合させるだけでよいため、従来の玉掛け作業に
比して極めて簡単である。また、本発明のインサート金
具を埋め込んだコクリート成形体を、施設した後の数年
後に取り出して除去する場合、インサート金具に付加し
たキャップを取りはずして、吊り上げ金具を螺合させる
ことで吊り上げることができる。この場合を事前に想定
して、螺合部を埋めるキャップは、コンクリート成形体
の施設中及び施設後の土中等において、螺合部から容易
に離脱しないようにしておくことが必要である。
【0023】図3〜図5に示すのは、上記の吊り上げ用
インサート金具を埋め込んだコンクリート成形体の代表
的な例である。埋め込み位置は吊り上げ方向に面した面
である。図3のコンクリート成形体は側溝の蓋であり、
そのほぼ中心部に1ケ所で吊り上げ用インサート金具I
を埋め込むようにする。その埋め込み構造は、ボルト2
の雄ねじ部2Aを、その間に通孔を介して抵抗体3を挿
着して、完全に螺合孔5の内部に螺着させ、更に図2に
ついて説明したのと同様に縦筋Rbと横筋Raとの交差部
位で鉄筋に下側から引抜抵抗部材3を係止させるように
する。
【0024】図4のコンクリート成形体は、U字溝であ
り、その底部に左右に関する重心位置で吊り上げ用イン
サート金具Iを埋め込むようにする。その埋め込み構造
は、上述したのと同様に縦筋Rbと横筋Raとの交差部位
で鉄筋に下側から引抜抵抗部材3を係止させる構造とす
る。この場合の埋め込み箇所は、U字溝の長さ方向で2
ケ所とする。図5のコンクリート成形体は、ヒューム管
である。この場合にも長さ方向で2ケ所の位置に吊り上
げ用インサート金具Iを埋め込むようにする。図6はU
字溝コンクリートブロック10の吊り上げの様子を示す
図である。U字溝ブロック10の中央部にインサート金
具Iを埋め込んでおき、これに吊り上げ具Jを接続させ
て、クレーン11で吊り上げた。
【0025】尚、ボルト部材2の雄ねじ部2Aを抵抗体
3を挟んで完全に長ナット部材1の下側から螺合させる
としたが、そうではなく、ボルト部材2の長ナット部材
1への螺合長を調節することで実質的な全長の調整も可
能である。特に引抜抵抗部材3を鉄筋に係止させる場合
に、コンクリート成形体の厚み(深さ)の大小がある場
合のその大小の厚みを螺合長さ調節することでカバーが
できること、またコンクリート成形体C内での鉄筋の位
置とコンクリート成形体Cの外面、つまり長ナット部材
の吊り上げ具への接続側端面Dのレベル面との距離に多
少の相違やバラツキがあっても、これに簡単に対応する
ことができ、使い勝手に優れるという利点もある。
【0026】上記のような吊り上げ用インサート金具I
における引抜抵抗部材3の長ナット部材外周からの突出
部分の大きさは、コンクリート成形体Cに用いられてい
る鉄筋の太さにより若干広くする程度が好ましく、より
安全には2〜5倍程度とすればよい。また引抜抵抗部材
3の形状は、正方形としたが故に、回転対称性のある形
状となり、向きに限定を与えずに済む。しかし、正方形
以外の矩形や多角形、円の例もありうる。さらに長ナッ
ト部材1の外周面は、6角形としたが、他の多角形でも
よい。6角形とした場合には、吊り上げ具から長ナット
部材に掛かる回転力に対する抵抗性を高めることがで
き、安全性をより向上させることができる。
【0027】次に、インサート金具Iの埋め込みの仕方
について説明する。 (1)、先ず埋め込み位置を決定する。例えばU字溝で
あれば図4の如き底部中央位置を選ぶ。2ケ所以上の位
置を選ぶ例もある(図5の如き例)。コンクリート成形
体の種類により埋め込み位置は事前に求めておく。 (2)、外枠を配置し、その枠内で鉄筋を配置する。特
にその選択位置又は近傍位置では、縦と横とで交差する
ように鉄筋配置を行う。 (3)、その選択位置の鉄筋の下側にインサート金具を
取り付ける。取り付けに際し、インサート金具は鉄筋に
針金やバネ等を利用して固定係止する。両者を点溶接さ
せてもよい。縦と横との交差鉄筋位置に取り付ける場合
には、金具が接触する鉄筋側に固定係止すればよい。 (4)、コンクリートを形枠に流し込み、コンクリート
成形体をつくる。コンクリートが固化することでインサ
ート金具は、成形体内に埋め込み固着する。尚、インサ
ート金具の長ナット部材の螺合孔5の上部入口側にはビ
ニール製のキャップを取り付けておき、コンクリート材
やゴミ等の異物が上部入口側から内部に入り込まないよ
うにしておく。更に、螺合孔5の上面がコンクリートの
上面と一致(面の一致)するような関係にしておく。キ
ャップは、吊り上げ時までそのまま取り付けておくこと
で、雨や砂等の異物混入の防止、及び、さび防止をはか
れる。 (5)、コンクリート固定後に形枠をはずして、コンク
リート成形体を得る。 以上のコンクリート成形体を吊り上げ具で移動して施設
固定した後にあっては、キャップを再度つけてもよい
が、キャップなしでそのまま開孔したままの状態で放置
しても、特に問題はない。しかし、見た目が悪かった
り、破損の原因となったりする恐れのあるときには、ね
じで埋め殺したりしておくとよい。
【0028】尚、有筋コンクリート成形体の例とした
が、無筋コンクリート成形体も存在する。無筋コンクリ
ート成形体に対して、本件発明者は慎重に実験と研究と
を重ねた結果、本インサート金具を埋め込んでも、コン
クリート成形体を充分安全に吊り上げることができるこ
とが確認できた。尚、有筋コンクリートのインサート金
具に比べ、抵抗体の外形サイズは大きくした方がよい。
また有筋コンクリート成形体にあっても、直接に鉄筋の
下側に設置せずに、離して設置した例も実験を行った。
吊り上げに支障はなかった。しかし、この場合も、抵抗
体の外形サイズは大きくした方がよい。また、交差鉄筋
でない一方向のみの鉄筋例もあるが、鉄筋の直下又は離
間させた両例でも、支障なく吊り上げを行えた。
【0029】図7は、本発明の他の実施の形態を示す図
である。図(イ)が外観斜視図、図(ロ)がその側面
図、図(ハ)が実際の溶接状態を示す図である。この実
施の形態は、ボルト部材2を排し、矩形の抵抗部材30
を長ナット部材1の底部に全面溶接等で固定したもので
ある。この場合、抵抗部材30は、通孔6を有しない、
単なる平板状鋼板体である。溶接を事前に行っておけ
ば、長ナット部材1と抵抗部材30とが一体化されてイ
ンサート金具として扱えるため、販売、流通に便利であ
り、且つコンクリート埋め込み時にもこのインサート金
具を持ってきて設置すればよく、種々便利である。勿
論、コンクリート成形体製造時にコンクリート埋め込み
直前に、溶接するようにしてもよい。溶接状態は図
(ハ)に示すように溶接個所が溶けた状態30Aの如く
なる。
【0030】かかる実施の形態は、コンクリート成形体
の埋め込み部位が薄い厚み(例えば5cm程度)である
場合に特に使用価値がある。即ち、図1の如き例にあっ
ては、ボルト部材2で締結するが、このボルト部材2の
頭部2Bはある高さを持っており、その高さ相当分だけ
余分な厚みが必要である。そこで、図7に示す如き例に
すれば、ボルト部材2を使わないため、その高さ相当分
だけ薄いコンクリート成形体に使用できる。
【0031】図7のインサート金具にあっては、ボルト
部材による螺合が不要なため長ナット部材1の螺合孔5
は、螺合体Jsの長さ相当分の深さがあればよい。この
ようにすれば、長ナット部材1の底部側には螺合孔5が
存在せず、底部全面が6角形長ナット部材の6角形の鋼
板面となる。この鋼板面の中心位置が抵抗体30の中心
位置に一致するようにして面合わせをして全面積にわた
って抵抗体30との接触面が生じ、この接触面相互の面
溶接(又は周囲溶接)となり、強固な結合状態をはかれ
る。ボルト部材2を設けた図1の例と、同等の結合強度
が得られる。抵抗体30の外形は、矩形としたが、長方
形や多面体、円形の例もある。また、鉄筋、無筋の両者
にも適用できる。
【0032】以上の各実施の形態で使用する材料として
は、以下の種々のものが使える。 (1)、鉄材、鋼材、(2)、アルミ材、ステンレス
材、(3)、合金材、超鋼合金材 螺合孔の雄ねじがコンクリート成形体の自重によって絶
対に変形や破損を起こしてはならない。従って、螺合孔
の形成等の加工が容易でない場合もあるが、硬い金属を
使うことが好ましい。
【0033】他の実施の形態 (1)、長ナット部材の底側をスカート状に全周囲に大
きく拡げた部材とし、これをそのままインサート金具と
して使用する。1つの部材でインサート金具を製造でき
る利点を持つ。 (2)、(1)のスカート部の下部に抵抗体を挿着して
インサート金具とする例もある。スカート部との結合は
針金による停止、溶接による係止・ボルト止めによる係
止等がある。 (3)、図28は本発明の更に他の実施の形態を示す図
(分解図)である。ボルト部材2は、雄ねじ部2AA
と、頭部2Bと、それらの中間部を構成する、雄ねじ部
2Aと同一材質の長棒状部2Cと、より形成した。長棒
状部2Cは雄ねじ部2Aの2倍〜3倍程度の長さを持
ち、この上部に図1の雄ねじ部2Aと同径且つ同長の雄
ねじ部2Aを形成したものである。コンクリートブロッ
クの厚みが30cmを越える例がある。テトラポットの
如き例である。雄ねじ部2Aの長さは吊り上げ具の雌ね
じ部の長さ及びそれに付加した若干の長さ調整用の余裕
長さを持てばよいが、こうしたブロックでは、このイン
サート金具はある程度深く埋め込むことが強度上必要で
ある。そこで、そうした深みに相当する長さの棒状部2
Cを設けておくことにしたのである。かかるボルト部材
2は、長い棒状部を持つがボルト部材を用意しておき、
このボルト部材の、上方側に必要な長さの雄ねじ部を形
成することで得られる。 (4)、コンクリート成形体自体の幅が小さいブロック
の例がある。例えば、インサート金具を埋め込むべき位
置が、深さ(高さ)×横×縦=L×M×Nとして、Mか
Nかのいずれかが、極端に小さい値の場合がある。こう
した場合、図1や図7の抵抗体3、30が横×縦=5c
m×5cmの大きさであるとすると、MかNかのいずれ
か一方が5cm未満であることがある。これではインサ
ート金具のコンクリート成形体内部への完全な埋め込み
はできずインサート金具の一部が外部に露出してしま
う。抵抗体3、30の大きさを横×縦=5cm×5cm
ではなく、MかNかの値よりも小さい値、例えば2cm
×2cmの大きさにすれば完全埋め込みは可能である
が、コンクリート内への結合度(持ち上げ可能な荷重)
が小さくなり、安全性に問題を生ずることがある。その
対策としては、第1に抵抗体3、30の大きさを、例え
ば縦×横=2cm×5cmの如く長方形にすればよい。
但し、図1の抵抗体3では通孔6を維持する必要がある
ため、縦や横のサイズを通孔6のサイズぎりぎりまで小
さくすることは安全性の点で問題がある。そこで、第2
のやり方として、図1に関しては抵抗体3を取り除き、
抵抗体3の代わりにヘッド部2Bを棒状体(縦か横かの
いずれか一方の方向に棒状であること)とするやり方、
図7に関して抵抗体30の代わりに棒状体を取り付ける
やり方、がある。図34の(イ)、(ロ)がヘッド部2
Bを棒状体2BBとした例であり、(イ)が図1、
(ロ)が図28に対応した図である。図34の(ハ)が
図7に対応した図であり、棒状部3BBと長ナット部材
1とでインサート金具を形成した。図34(イ)、
(ロ)、(ハ)の如き形状を得るには溶接による一体
化、又は図34(イ)、(ロ)、(ハ)になるような材
料切り出しによるやり方等種々に存在する。かかる棒状
体は、コンクリート成形体の縦か横かのいずれか一方の
長手方向に、棒状体の長手方向を埋め込むやり方をと
る。このようにすれば、縦か横かのいずれか一方が小さ
い値のコンクリート成形体に対して、インサート金具を
外部に露出させることなく、完全に内部に埋め込むこと
が可能となる。棒状体の長手方向長さは、大きくとるこ
とで安全性や結合度を更に高めることができる。棒状体
の形状としては六角形、四角形、円形等がある。 (5)、抵抗体3、30を2段以上設けるやり方もあ
る。図1の抵抗体3の例では、第1に抵抗体3を2つ積
み重ねるやり方、第2にヘッド部2Bの下部にもう1つ
の抵抗体を溶接するやり方等がある。図28に関しては
抵抗体3がヘッド部2Bに重ねるようにして埋め込む
が、雄ねじ部2AAの下段端部に第2の抵抗体を固定し
ておき、これをそのまま埋め込むやり方がある。図28
への適用は棒状部2Cが長くなっているため安全性及び
結合度をよくする利点を生む。
【0034】図1の実施の形態によるインサート金具を
使用した場合の、従来例(ワイヤによる玉掛け作業)と
の作業費対比を以下に示す。 (1)、ヒューム管B形300(図8) このヒューム管は有筋で、重量は165kgである。か
かるヒューム管にP1、P2の2点でインサート金具を埋
め込み吊り上げ作業を行った。対比を図9に示す。ここ
で図9の対比図の見方を説明する。1個当りの長さ20
00mmとはヒューム管の長さであり、「10m当り」
とは5本分のヒューム管での対比を行ったものである。
「世話役」とは、いわゆる作業上「おかまわり」と称せ
られるものであり、この世話役に関するデータについ
て、 0.3…0.3時間の時間消費したことを意味する。 6,030…0.3時間が6,030円に相当すること
を意味する。 0.225…0.225時間の時間消費したことを意味
する。 4,523…0.225時間が4,523円に相当する
ことを意味する。 1,508…従来例と本インサート金具との費用差額が
1,508円であることを意味する。
【0035】他のデータも同様な考え方に基づく。尚、
本インサート金具に関する消費時間(及び費用)は、実
際よりも相当大きく見積っている。安全の上に安全を重
ねて作業を行うという観点をとったためであり、従来と
同様の安全性の尺度で作業を行えば、個々に3分の1程
度の値ですむことを明らかにしておく。即ち、本インサ
ート金具は、大きく分けて、コンクリート埋め込み時の
作業、吊り上げ時の吊りあげ具のねじ込み作業、吊り上
げ作業との3つがある。従来のロープ式ではコンクリー
ト埋め込み時の作業とねじ込み作業とがないが、本イン
サート金具でのこの2つの作業量は極めて小さい。一
方、ロープ式では、ロープのコンクリートへのわたしと
鍵による錠結作業が余分に必要になり、この作業量が極
めて大である。更にロープ式では吊り上げて下ろしての
ロープのはずし作業が更に付加される。本インサート金
具ではこのようなロープに必要な作業はほとんどない。
こうした比較からわかるように、ロープ式に比して本イ
ンサート金具は、極めて大きく作業量を軽減できる利点
を持つ。 (2)、擁壁H800(図10) この擁壁は、無筋で、重量は596kgである。L字形
形態をなす。かかる擁壁に底部側の内側面の2点P3
4、壁側の内側面の1点P5の合計3点でインサート金
具を埋め込み吊り上げ作業を行った。対比を図11に示
す。 (3)、U字溝蓋ISL300(図12) この蓋は有筋で、重量は132kgである。中央位置P
6の1点にインサート金具を埋め込み吊り上げ作業を行
った。対比を図13に示す。 (4)、ヒューム管B形600(図14) ヒューム管は有筋で、重量は660kgである。かかる
ヒューム管にP7、P8の2点でインサート金具を埋め込
み吊り上げ作業を行った。対比を図15に示す。 (5)、U字溝KDS−30*60(図16) このU字溝は有筋で、重量は634kgである。かかる
U字溝の底部内側の2点P9、P10にインサート金具を
埋め込み吊り上げ作業を行った。対比を図17に示す。 (6)、U字溝KDS−30*100(図18) このU字溝は有筋で、重量は1070kgである。かか
るU字溝の底部内側の2点P11、P12にインサート金具
を埋め込み吊り上げ作業を行った。対比を図19に示
す。 (7)、ボックス側溝B−CAT30*30*2000
(図20) このボックス側溝は有筋で、重量は540kgである。
このボックス側溝の頂部上面の2点P13、P14にインサ
ート金具を埋め込み吊り上げ作業を行った。対比を図2
1に示す。 (8)、NWLワイダー(落蓋式)600*600T−
20(図22) このワイダーは有筋で、重量は1288kgである。か
かるワイダーの底部内側の2点P15、P16にインサート
金具を埋め込み吊り上げ作業を行った。対比を図23に
示す。 (9)、コンクリート基礎付歩車道境界ブロックLE
(図24) このブロックは、いわゆる歩道と車道との境界に使われ
る縁石であり、無筋で、重量は668kgであった。こ
のブロックにP17、P18の交差方向2点でインサート金
具を埋め込み吊り上げ作業を行った。対比を図25に示
す。 (10)、集水桝400*4000(グレーチング付
き)(図26) このブロックは、無筋で800kgの重量である。2点
19、P20の2点にインサート金具を埋め込み吊り上げ
作業を行った。対比を図27に示す。
【0036】規格化について 以上の実施対比でわかるように、本発明のインサート金
具は、簡単な構造であるがその実用的価値は極めて高
い。本出願人は、かかるインサート金具を使用しての玉
掛けについて茨城県の土木規格に採用してもらうよう申
請を行っており、採用の可能性は極めて高いとの感触を
得ている。茨城県の土木規格は、建設省の土木規格と極
めて類似しており、茨城県の土木規格の他に、建設省の
土木規格への申請をするべく準備中である。また、こう
した規格化に当たっては、落下等の事故の検討も当然な
されており、本出願人の実験と検討及び茨城県の土木課
の検討においても、殆どコンクリートブロックの落下は
なかったとのことである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
コンクリート成形体の吊り上げ作業を容易化する吊り上
げ用インサート金具のコンクリート成形体への結合力の
確実性を高め且つ安定的なものにでき、コンクリート成
形体を扱う作業の作業性の向上に寄与できる。また本発
明のインサート金具は、コンクリート成形体の内部に完
全に埋め込まれることから、コンクリート成形体の施設
後に外形上支障はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態による吊り上げ用インサート金具
の分解斜視図である。
【図2】図1の吊り上げ用インサート金具をコンクリー
ト成形体に埋め込んだ状態の部分断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態によるコンクリート成形
体の一部破断を含む平面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態によるコンクリート成
形体の断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態によるコンクリ
ート成形体の平面図である。
【図6】本発明のコンクリートU字溝吊り上げ例図であ
る。
【図7】本発明の他のインサート金具を示す図である。
【図8】本発明のインサート金具の埋め込み例を示す図
である。
【図9】従来例との対比図である。
【図10】本発明のインサート金具の埋め込み例を示す
図である。
【図11】従来例との対比図である。
【図12】本発明のインサート金具の埋め込み例を示す
図である。
【図13】従来例との対比図である。
【図14】本発明のインサート金具の埋め込み例を示す
図である。
【図15】従来例との対比図である。
【図16】本発明のインサート金具の埋め込み例を示す
図である。
【図17】従来例との対比図である。
【図18】本発明のインサート金具の埋め込み例を示す
図である。
【図19】従来例との対比図である。
【図20】本発明のインサート金具の埋め込み例を示す
図である。
【図21】従来例との対比図である。
【図22】本発明のインサート金具の埋め込み例を示す
図である。
【図23】従来例との対比図である。
【図24】本発明のインサート金具の埋め込み例を示す
図である。
【図25】従来例との対比図である。
【図26】本発明のインサート金具の埋め込み例を示す
図である。
【図27】従来例との対比図である。
【図28】本発明の他のインサート金具の実施の形態を
示す図である。
【図29】従来の玉掛け装置を示す図である。
【図30】図29の装置の使用例図である。
【図31】従来の他の玉掛け装置を示す図である。
【図32】図32の装置の使用例図である。
【図33】従来のインサート金具の斜視図である。
【図34】本発明の他のインサート金具の一部の実施の
形態図である。
【符号の説明】
1 長ナット部材 2 ボルト部材 3 引抜抵抗部材 5 螺合孔 6 通孔
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−223684(JP,A) 特開 平6−278988(JP,A) 実開 昭54−43829(JP,U) 実開 昭55−11916(JP,U) 実開 平1−115688(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B66C 1/66 E04G 21/16

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有筋コンクリート成形体を吊り上げる際
    の、雄ねじ部を持つ吊り上げ具の接続用として、予めコ
    ンクリート成形体内に埋め込んでおく吊り上げ用インサ
    ート金具において、 埋め込み深さ相当の長さを持ち、且つ雌ねじ部を内部に
    形成の螺合孔を長さ方向に延在させ、螺合孔の一方の入
    口側(吊り上げ入口側)からその内部にかけて上記吊り
    上げ具の雄ねじ部が螺着可能な長ナット部材と、 長ナット部材の螺合孔の他方の入口側からその内部にか
    けて螺着可能な長さのねじ部と、このねじ部を支持する
    頭部と、より成るボルト部材と、 長ナット部材とボルト部材との間に挿着されて使用され
    ると共に、その挿着面よりも一部又は全周囲にわたって
    大きな外形を有し、コンクリート内の鉄筋の下側に挿着
    される平板状の引抜抵抗部材と、 より成るコンクリート成形体の吊り上げ用インサート金
    具。
  2. 【請求項2】 吊り上げ操作を可能とする、有筋のコン
    クリート成形体において、1つ又は複数の吊り上げ相当
    位置にある鉄筋下に引抜抵抗部材を保持させた状態で請
    求項1に記載の吊り上げ用インサート金具を埋め込んだ
    ことを特徴とするコンクリート成形体。
  3. 【請求項3】 鉄筋の交差部での保持は、引抜抵抗部材
    と鉄筋とを溶接させ又は仮係止させるものとした請求項
    2に記載のコンクリート成形体。
  4. 【請求項4】 無筋又は有筋コンクリート成形体を吊り
    上げる際の、雄ねじ部を持つ吊り上げ具の接続用とし
    て、予めコンクリート成形体内に埋め込んでおく吊り上
    げ用インサート金具において、 埋め込み深さ相当の長さを持ち、且つ雌ねじ部を内部に
    形成の螺合孔を長さ方向に延在させ、螺合孔の吊り上げ
    入口側からその内部にかけて上記吊り上げ具の雄ねじ部
    が螺着可能な長ナット部材と、 長ナット部材の螺合孔の他方の入口側からその内部にか
    けて螺着可能な長さのねじ部と、このねじ部を支持する
    頭部と、より成るボルト部材と、 長ナット部材とボルト部材との間に挿着されて使用され
    ると共に、その挿着面よりも一部又は全周囲にわたって
    大きな外形を有する平板状の引抜抵抗部材と、 より成る吊り上げ用インサート金具。
  5. 【請求項5】 上記引抜抵抗部材は、ボルト部材のねじ
    部を挿通可能で且つ前記頭部の外形及び長ナット部材の
    外形よりも小さい通孔と、前記ボルト部材の頭部の外形
    及び長ナット部材の外形よりも一部又は全周囲にわたっ
    て大きな外形の平板状部材とする請求項1又は4に記載
    のコンクリート成形体の吊り上げ用インサート金具。
  6. 【請求項6】 有筋又は無筋コンクリート成形体を吊り
    上げる際の、雄ねじ部を持つ吊り上げ具の接続用とし
    て、予めコンクリート成形体内に埋め込んでおく吊り上
    げ用インサート金具において、 埋め込み深さ相当の長さを持ち、且つ雌ねじ部を内部に
    形成の螺合孔を長さ方向に延在させ、螺合孔の吊り上げ
    入口側からその内部にかけて上記吊り上げ具の雄ねじ部
    が螺着可能な長ナット部材と、 長ナット部材の底部に溶接又は一体固定されて、長ナッ
    ト部材の底部断面よりも一部又は全周囲にわたって大き
    な外形を有する平板状の引抜抵抗部材と、 より成るコンクリート成形体の吊り上げ用インサート金
    具。
  7. 【請求項7】 上記長ナット部材は、螺合孔は深さ方向
    の途中までとし、長ナット部材の底部は孔のない平坦な
    面とする請求項6に記載のコンクリート成形体の吊り上
    げ用インサート金具。
  8. 【請求項8】 吊り上げ操作を可能とする、有筋又は無
    筋のコンクリート成形体において、1つ又は複数の吊り
    上げ相当位置に請求項6に記載の吊り上げ用インサート
    金具を埋め込んだことを特徴とするコンクリート成形
    体。
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