JP2892800B2 - インバータの定ブレーキ力制御方式 - Google Patents

インバータの定ブレーキ力制御方式

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JP2892800B2
JP2892800B2 JP2247494A JP24749490A JP2892800B2 JP 2892800 B2 JP2892800 B2 JP 2892800B2 JP 2247494 A JP2247494 A JP 2247494A JP 24749490 A JP24749490 A JP 24749490A JP 2892800 B2 JP2892800 B2 JP 2892800B2
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雅人 岩滝
亙 三宅
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は可変電圧可変周波数インバータを用いた固定
抵抗値方式発電ブレーキの制御方式に関する。
〔従来の技術〕
可変電圧可変周波数(以下VVVF)インバータ装置と誘
導電動機による電気車の駆動方式が近年多数実用化され
ている。VVVFインバータは、力行時はもちろんのこと、
制動時に誘導電動機の発生するエネルギを架線系に返還
して電力利用効率を上ずる回生ブレーキが簡単に行なえ
るため実用例も多い。しかし、中には、給電系統が弱い
ために、架線系が不安定であつたり、回生負荷がほとん
ど期待出来ないようなシステムでは、回生ブレーキが採
用出来ず、電気ブレーキとして発電ブレーキを採用する
ことになる。この方式は車上にブレーキ抵抗器を搭載
し、誘導電動機の発生する交流エネルギをVVVFインバー
タにより直流に変換して、抵抗器で消費させる。ところ
で従来の装置ではレイルウエイ ガゼツト インターナ
シヨナル(Railway Gazetto International)1976.6p.2
13に示されているように、ブレーキ抵抗器と直列ブレー
キチヨツパを接続し、このチヨツパにより通流率を制御
して直流回路の電圧を一定に保つことが行なわれてい
る。直流回路の電圧を一定に保つことによりVVVFインバ
ータの制御が容易になるためである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、電気品の小型・軽量化の点について
考慮されておらず、ブレーキ抵抗器の他にブレーキチヨ
ツパを必要とする問題があつた。
本発明の目的は、電気品の小型・軽量化のためブレー
キチヨツパを無くすことにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明はインバータ制御
の1パルス領域では変調率を固定し、モータ電流をイン
バータ周波数の平方根に比例して制御を行ない、1パル
ス以外の多パルス領域では、逆に、モータ電流を固定
し、変調率をインバータ周波数の平方根に比例して制御
を行なうようにして定ブレーキトルクが得られるように
した。
〔作用〕
VVVFインバータ制御における基本式は下記の通りであ
る。
φ=EMIMV …(1) IM=φ・S=EMSIMV …(2) T=K1・φ・IM …(3) ここでφ:誘導電動機の磁束,EM:誘導電動機の相間
電圧,IMV:インバータ周波数,IM:誘導電動機の相
電流,S:すべり周波数,T:誘導電動機のトルク,K1
定数である。
さらに、固定抵抗式発電ブレーキVVVFインバータ回路
では次の式が成立する。
EDC=R・IDC …(4) EM=K2・EDC・VC …(5) EM・IM=K3・EDC・IDC=K3・R・IDC 2 …(6) ここでEDC:直流部電圧,R:発電ブレーキ抵抗値,
IDC:直流電流,VC:変調率,K2,K3:定数である。
一パルス領域では変調率VC=1.0に固定されている。
従つて、(5)式からEMとEDCは比例することになる。
ここでIMに比例させると(6)式からIDCに比例することになり(4),(5)式から、結局、EM
に比例することになる。しかるに(1)式からφは に比例することになり、結局(3)式からトルクTは で一定値が得られることになる。
一方、多パルス領域ではIMを固定し、VCに比例するように制御する。(5),(6)式からEDC
に比例する。再度、(5)式へ戻れば、結局、EM
INVに比例し、(1)式からφ一定の制御となることが
わかる。従つて、(3)式からトルクTは一定×一定で
一定値が得られることになる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を説明する。
第2図はVVVFインバータによる固定抵抗方式発電ブレ
ーキの主回路及び制御の概要を示す図である。誘導電動
機に取付けられた速度センサから出力された速度信号
は、速度信号回路1により制御装置内へ取り込まれる。
一方、ブレーキ力指令やフイルタコンデンサ電圧値から
モータ電流パターン発生回路2によりモータ電流パター
ンが発生する。このパターンとモータ実電流との偏差を
取り、すべり周波数処理部3によりすべり周波数が発生
される。すべり周波数は、速度信号と演算されてイナバ
ータ周波数となる。このインバータ周波数により変調率
演算部4から変調率が出力され、この両者がPWMパルス
発生器5に入力されることによりPWMパルスが発生す
る。なお、インバータ周波数は、モータ電流パターン発
生回路2にも使用される。
本発明の特徴とするところは、モータ電流パターン発
生回路2と、変調率演算部4である。すなわち、従来の
方式であるとこの両者の出力は第3図に示すように、変
調率が固定される1パルス領域ではモータ電流をインバ
ータ周波数に比例させ、1パルス以外の多パルス領域で
は、逆に、モータ電流をブレーキ力指令値に応じて固定
し、変調率をインバータ周波数に比例させて制御し、定
ブレーキ(トルク)特性を得るようにしていた。このこ
とは(1)〜(3),(5)式から自明なように、一パ
ルス領域では(1)式からφがインバータ周波数に反比
例して低下してゆくのに対して、モータ電流をインバー
タ周波数に比例して増加させれば(3)式から定トルク
が得られ、また、多パルス領域では、(5)式からEM
インバータ周波数に比例するため(1)式より、φが一
定となり、モータ電流が一定であれば(3)式から定ト
ルクから得られるためである。φを一定に保つことは誘
導電動機の制御を安定に行なうためにも必要なことであ
る。
以上の従来方式は、直流電圧が一定であるため前述の
ような方法が可能となるが、固定抵抗式発電ブレーキ方
式の場合は、直流側へ返還される電力(電流)により直
流電圧が変化するため、従来方式では定ブレーキ(トル
ク)特性が得られない。
本発明の場合、変調率が固定となる一パルス領域で
は、モータ電流を一パルス周波数の平方根に比例させ
る。このようにすれば、直流電圧がインバータ周波数の
平方根に比例し、φはインバータ周波数の平方根に反比
例することになる。従つて、トルクが一定となる。ま
た、一パルス以外の多パルス領域では、モータ電流を一
定に制御すれば制御が簡単になるが、変調率をインバー
タ周波数の平方根に比例いさせて制御する。このように
すれば直流電圧もインバータ周波数の平方根に比例する
ため、φは一定になり、安定あ制御が行なえ、モータ電
流とφとの積であるトルクも一定となる。
なお、説明では一パルス領域でモータ電流をインバー
タ周波数の平方根に比例させ増加させてゆくとしたが、
機器の耐圧から決なる直流電圧の制限(上限)値以下に
するため、所定のインバータ周波数よりも上では、モー
タ電流を一定にして制限を加える。
また、架線電化方式は直流電化であつても交流電化で
あつても同様な制御方式が可能となる。すなわち、直流
電化、交流電化によらず発電ブレーキ回路は、独立した
電気回路として構成出来るからである。つまり、本発明
は、VVFインバータを用いた電気車であれば、電化方式
のいかんによらず適用が可能である。
本実施例によれば、ブレーキチヨツパなしの固定抵抗
器方式で、安定した定ブレーキ特性を得ることが出来
る。
〔発明の効果〕
本発明によれば、VVVFインバータによる発電ブレーキ
を行なう際に、直流電圧を一定に保つブレーキチヨツパ
が不要になるため、電気車搭載用電気品の小型化・軽量
化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例によるモータ電流・変調率
の制御方法を示す説明図、第2図はVVVFインバータによ
る固定抵抗方式発電ブレーキの主回路図、第3図は従来
方式によるモータ電流・変調率の制御方法を示す説明図
である。 1…速度信号回路、2…モータ電流パターン発生回路、
3…すべり周波数処理部、4…変調率演算部、5…PWM
パルス発生器。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気車を駆動するモータに可変電圧可変周
    波数の電力を供給するインバータ、前記インバータの直
    流入力側に接続されるフィルタコンデンサ、前記インバ
    ータの出力電流(モータ電流)を検出しそれが指令値に
    なるようにすべり周波数を制御する電流制御手段、前記
    すべり周波数と前記モータの回転周波数に基づき生成さ
    れた変調率と周波数指令により前記インバータの出力電
    圧が半周期で多パルス及び1パルスの電圧を出力させる
    制御手段、前記モータのブレーキ時に、前記フィルタコ
    ンデンサと並列に固定抵抗値の抵抗器を接続する回路を
    備え、前記インバータよりの直流電流を該抵抗器に流す
    ようにしたインバータの定ブレーキ力制御方式におい
    て、 前記モータのブレーキ時、前記インバータ制御の1パル
    ス領域では、前記変調率を固定し、前記モータ電流指令
    値を前記インバータ周波数の平方根に比例させた値と
    し、 前記モータのブレーキ時、前記インバータ制御の多パル
    ス領域では、前記モータ電流指定値を固定し、前記変調
    率を前記インバータ周波数の平方根に比例させた値とし
    たことを特徴とするインバータの定ブレーキ力制御方
    式。
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