JP2892651B2 - 車両のベルト式変速装置 - Google Patents

車両のベルト式変速装置

Info

Publication number
JP2892651B2
JP2892651B2 JP63131375A JP13137588A JP2892651B2 JP 2892651 B2 JP2892651 B2 JP 2892651B2 JP 63131375 A JP63131375 A JP 63131375A JP 13137588 A JP13137588 A JP 13137588A JP 2892651 B2 JP2892651 B2 JP 2892651B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission
transmission chamber
outside air
space
case
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63131375A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01301487A (ja
Inventor
昌寛 西岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Priority to JP63131375A priority Critical patent/JP2892651B2/ja
Publication of JPH01301487A publication Critical patent/JPH01301487A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2892651B2 publication Critical patent/JP2892651B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement Of Transmissions (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、変速比を自動的かつ無段階的に変化させる
車両のベルト式変速装置に関する。
〔従来の技術〕
この種のベルト式変速装置は、エンジンのクランク軸
に直結された駆動シーブと、後輪に連動する従動シーブ
とをVベルトに連結し、エンジンの回転数に応じてシー
ブに対するVベルトの巻き掛け径を変えることにより、
変速比を連続的に変化させる構造となっている。そし
て、このベルト式変速装置では、摩擦熱によるベルトの
劣化を防止するため、シーブやベルトの周囲を覆うケー
スカバーに外気の吸気口と排気口を設け、駆動シーブと
一体に回転するファンにより、上記吸気口から外気を積
極的に伝動室内に導入してベルトの冷却を行ない、この
後、排気口を通じてケースカバーの外方に排出してい
る。
ところで、この変速装置はスクータあるいはファミリ
バイクと称する小型の自動二輪車に多用されているが、
最近では例えば低圧幅広のバルーンタイヤを装備し、不
整地や湿地等も走行し得るようにした自動四輪車にも適
用することが試みられている。
この場合、上記構成の変速装置をそのまま適用する
と、外気の吸気口や排気口から泥水等がケースカバー内
に浸入し、変速装置の作動に支障を来たす不都合が生じ
る。このようなことから、従来では例えば「特開昭61−
89187号公報」に見られるように、吸気口および排気口
に夫々上向きに延びるダクトを接続し、このダクトの先
端をエンジンよりも高い位置に開口させることが行なわ
れている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、この従来の変速装置の場合、吸気用のダク
トと排気用のダクトがケースカバーの前後に離間した位
置から別々に導出されているため、エンジン回りや車体
側のレイアウトによっては、ダクトの配管が複雑なると
いった不具合がある。
また、ダクトの配管経路を簡素化するため、排気側の
ダクトを前方に導いて吸気側のダクトと共に上方に導く
ことも考えられる。しかしながら、このようにすると、
排気側のダクトをケースカバーに沿って前方に引き回さ
なくてはならないから、その分、ダクト長が長くなり、
かつこのダクトをケースカバーにクランプする格別な手
段も必要となる等の問題もある。
本発明は、このような事情にもとづいてなされたもの
で、吸気・排気ダクトの配管経路を短くかつ簡素化する
ことができ、しかも、戻し通路を伝動室内に形成したに
も拘わらず、最低地上高を充分に確保しつつケースカバ
ーが側方に大きく張り出すのを防止できるとともに、戻
し通路を構成するための格別な部品も不要とすることが
でき、かつまた、ケースカバーに対する吸気ダクトおよ
び排気ダクトの取り回しが簡素化され、これらダクトの
接続作業を容易に行なうことができる車両のベルト式変
速装置の提供を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明は、 エンジンのクランクケースの一側部から後方に延びる
とともに、側方に向けて開口された伝動ケースと; この伝動ケースの側面開口部を覆うとともに、この伝
動ケースと協働して気密構造をなす伝動室を形成するケ
ースカバーと; 上記エンジンによって回動駆動される駆動シーブと、
駆動輪に連動して回転する従動シーブと、これら駆動シ
ーブと従動シーブとの間に亘って巻き掛けられたベルト
とを有し、上記伝動室に収容された無段変速機と; 上記伝動室の前端部に外気を取り入れる吸気ダクトと; 上記伝動室内に導入された外気を伝動室の前端部から排
出す排気ダクトと;を備え、 上記吸気ダクトから伝動室の前端に取り入れられた外
気を伝動室の後端に向けて送風するようにした車両のベ
ルト式変速装置を前提としている。
そして、上記伝動ケースとケースカバーの互いに対向
し合う内面に、夫々上記ベルトよりも上方に位置して上
記伝動室の前後方向に延びる仕切り壁を一体に突設し、
これら仕切り壁は、伝動室内で互いに突き合わされると
ともに、上記伝動ケースの上部内面および上記ケースカ
バーの上部内面と協働して上記伝動室とは仕切られた状
態で前後方向に延びる戻し通路を構成し、 この戻し通路の後端に、上記従動シーブの上方に隣接
した位置において上記伝動室に連なる外気回収口を形成
するとともに、上記従動シーブの回転方向は、上記外気
回収口との対向部分においてこの外気回収口に向かうよ
うに定められており、 また、上記ケースカバーの前端部に、区画壁によって
区画された第1および第2の空間と、上記第1の空間に
連なる吸気口と、この吸気口に隣接した位置において上
記第2の空間に連なる排気口とを形成し、 上記第1の空間は、上記伝動室の前端部に連通させる
ともに、上記第2の空間は、上記伝動室とは区画された
状態で上記戻し通路の前端に連通させ、かつ、上記第1
の空間の吸気口に上記吸気ダクトを、上記第2の空間の
排気口に上記排気ダクトを夫々接続したことを特徴とし
ている。
〔作用〕
このような構成において、吸気ダクトから第1の空間
を通じて伝動室の前端に取り入れられた外気は、この伝
動室を後方に流れる過程でベルトを冷却する。この外気
は、伝動室の後端に達した後に外気回収口を通じて戻し
通路内へ流入し、この戻し通路を経て伝動室の前端に戻
される。そして、ここから伝動室を介することなく直接
第2の室および排気口を介して排気ダクトに流れ込み、
この排気ダクトを通じて伝動室の外方に排出される。
したがって、上記構成によれば、ベルト冷却後の外気
を排出する排気ダクトを、ケースカバーに沿わせて伝動
室の後部まで導く必要はなく、その分、ダクト長を短く
することができる。
また、外気回収口と隣接された従動シーブの回転方向
を規定したことにより、伝動室内をベルトの走行方向に
沿って流れる外気は、伝動室の後部において従動シーブ
の回転に追従してこの従動シーブの上部に連れ回ること
になる。そのため、ベルトを冷却しつつ伝動室の後部に
導かれた外気を、従動シーブの回転を利用して上記外気
回収口の開口部分に積極的に導くことができ、この伝動
室内の外気を戻し通路を介して伝動室の外方に効率良く
放出することができる。
また、ケースカバーの前端部に吸気口と排気口とが互
いに隣接して配置され、これら吸気口および排気口に夫
々吸気ダクトや排気ダクトが接続されているので、吸気
ダクトおよび排気ダクトを伝動室の前端部から一括して
引き出すことができる。そのため、ケースカバーに対す
る吸気ダクトおよび排気ダクトの取り回しを簡素化する
ことができ、これらダクトの接続作業や配管作業を容易
に行なうことができる。
しかも、上記構成によると、戻し通路はベルトの上方
に位置するので、ケースカバーが部分的に側方に突出し
たり、伝動ケースやケースカバーが下方に張り出すのを
防止することができる。このため、変速装置の最低地上
高を充分に確保できるとともに、この変速装置の横幅の
増大を防止することができる。
その上、戻し通路は、互いに突き合わせる仕切り壁、
伝動ケースの内面およびケースカバーの内面とで囲まれ
た空間部分によって定められているので、伝動ケースの
側面開口部をケースカバーを覆うと同時に形成される。
それとともに、仕切り壁は伝動ケースやケースカバーと
一体であるから、戻し通路を構成するための専用の部品
は一切不要であり、この伝動室内に戻し通路を容易に形
成することができる。
〔実施例〕
以下本発明の一実施例を、自動四輪車に適用した図面
にもとづいて説明する。
第10図および第11図は、不整地走行に適した自動四輪
車を開示している。この第10図および第11図において、
符号1で示すフレームは、燃料タンク2を支持する左右
の上部フレーム3を備えている。上部レール3は互いに
平行をなして前後方向に延びており、その前後両端部は
下向きに曲げられるとともに、夫々左右の下部レール4
によって連結されている。このフレーム1の前端両側部
には、左右の前輪5が配置されており、これら前輪5は
ステアリング軸6およびバーハンドル7により操向操作
される。そして、前輪5の上方は左右のフロントフェン
ダ8によって覆われており、このフロントフェンダ8の
後部は燃料タンク2の側方にまで延長されているととも
に、この燃料タンク2を上方から覆うタンクカバー9に
連なっている。
また、上部レール3と下部レール4との後端連結部に
は、後方に延びるリヤアーム10が揺動可能に枢支されて
いる。このリヤアーム10の後端部に設けたハブ11には、
車軸12が回転自在に支持されており、この車軸12の両端
部には駆動輪としての左右の後輪13が取付けられてい
る。なお、後輪13および上記前輪5は、低圧幅広のバル
ーンタイヤを装備している。
ところで、上記フレーム1には、前輪5と後輪13との
間に位置してエンジン14が搭載されている。エンジン14
のクランクケース15の一側端部には、第5図に示すよう
に後方に延びる伝動ケース16が一体に設けられている。
伝動ケース16の側面開口部にはケースカバー17がボルト
締めされており、この伝動ケース16とケースカバー17と
の間に気密構造をなす伝動室18が形成されている。そし
て、この伝動室18内にはベルト式の無段変速機19が収容
されている。この無段変速機19は従来公知のものと同様
の構造であって、クランク軸20によって駆動される駆動
シーブ21と、従動軸22に設けた従動シーブ23との間に、
無端状のVベルト24を巻回して構成される。そして、ク
ランク軸20の回転数上昇に伴って駆動シーブ21のフライ
ウェイト25が遠心力で径方向外側に移動すると、その可
動シーブ21aが固定シーブ21b側に移動して、Vベルト24
を径方向外側に押し出し、従動シーブ23に巻回されたV
ベルト24を引張る。すると、従動シーブ23側では、その
可動シーブ23aがスプリング26の付勢力に抗して固定シ
ーブ23bから離間する方向に移動されて、Vベルト24が
従動シーブ23の軸中心部へと移動し、このことによりV
ベルト24の巻き掛け径が変化して、変速比が連続的かつ
無段階的に変わるようになっている。
なお、従動シーブ23は遠心クラッチ27を介して従動軸
22に連結されており、従動シーブ23の回転速度が所定値
に達すると、遠心クラッチ27が作動されてクランク軸20
の動力が従動軸22に伝達される。
伝動ケース16の後部には、伝動室18内とは隔壁30によ
って仕切られた歯車室31が形成されている。この歯車室
31内には従動軸22の一端部に形成した出力歯車32が導入
されているとともに、前進、後進および中立位置の切換
えを行なう副変速機33が組み込まれている。副変速機33
は従動軸22と平行をなす主軸34,中間軸35および出力軸3
6を備えている。主軸34上には前進用減大歯車37と後進
用減大歯車38が回転自在に軸支されており、これら両歯
車38が回転自在に軸支されており、これら両歯車37,38
の間には、主軸34と一体に回転しつつ、軸方向に移動可
能なドッククラッチ39が設けられている。また、中間軸
35上には、この中間軸35と一体に回転する中間歯車40お
よび後進用減小歯車41が設けられており、中間歯車40は
上記前進用減大歯車37と共に出力歯車32と常時噛み合っ
ているとともに、後進用減小歯車41は後進用減大歯車38
と常時噛み合っている。さらに、主軸34と出力軸36とは
互いに噛み合う駆動歯車42,43を介して連動されてお
り、この出力軸36の一端は伝動ケース16の外方に導出さ
れている。出力軸36の導出端および後車軸12には、夫々
スプロケット44,45が取付けられており、、これらスプ
ロケット44,45間に巻回したチェーン46を介してエンジ
ン動力が後輪13に伝えられる。
また、伝動ケース16には、ドッグクラッチ39を軸方向
に移動させて、各歯車の組み合せを変えるシフト機構47
が設けられている。シフト機構47は第5図に示すよう
に、伝動ケース16に回転自在に支持されたシフトカム48
を備えており、このシフトカム48はシフトレバー49によ
って一定角度回動される。シフトカム48が回動される
と、その外周面のカム溝50に案内されたシフトフォーク
51がシフトバー52に沿って往復移動するようになってお
り、このシフトフォーク51の先端部がドッグクラッチ39
のボス部39aに係合されて、ドッグクラッチ39を主軸34
の軸方向に移動させる。
このため、シフトレバー49を中立位置にセットした状
態では、第5図に示すようにドッグクラッチ39は前進用
減大歯車37および後進用減大歯車38のいずれにも噛み合
わないから、これら両歯車37,38は主軸34上で空転する
だけであり、主軸34への動力伝達は行なわれない。これ
に対し、シフトレバー49を前進位置にセットすると、ド
ッグクラッチ39がシフトフォーク51を介して前進用減大
歯車37に噛み合い、従動軸22の回転が第5図中矢印Fで
示すように、出力歯車32から前進用減大歯車37、ドッグ
クラッチ39、主軸34、駆動歯車42,43を介して出力軸36
に伝えられる。
また、シフトレバー49を後進位置にセットすると、ド
ッグクラッチ39がシフトフォーク51を介して後進用減大
歯車38に噛み合い、従動軸22の回転が第5図中矢印Rで
示すように、出力歯車32から中間歯車40、後進用減小歯
車41、後進用減大歯車38、ドッグクラッチ39、主軸34、
駆動歯車42,43を介して出力軸36に伝えられる。
一方、ケースカバー17の前端側面には凹部60が形成さ
れている。この凹部60の前半部の底面には、伝動室18に
連なる連通孔62が開口されている。連通孔62は駆動シー
ブ21の側面に対向されており、この駆動シーブ21の側面
には多数のブレード63が放射状に突設されている。この
ブレード63は駆動シーブ21が回転されると、連通孔62か
ら外気を積極的に吸引するとともに、この外気を第1図
中矢印で示すように、伝動室18の前端からVベルト24の
走行方向に沿って後方に送風するようになっている。こ
のため、本実施例の場合は駆動シーブ21が吸引ファンと
しての機能も兼用している。
また、伝動ケース16とケースカバー17の相対向する内
面には、互いに突き合わされる仕切り壁64a,64bが前後
方向に沿って突設されている。
これら仕切り壁64a,64bは、第1図ないし第4図に示
すように、伝動ケース16の上部内面およびケースカバー
17の上部内面と協働して上記伝動室18とは区画された戻
し通路65を構成している。この戻し通路65は、Vベルト
24の上方に位置されているとともに、このVベルト24に
沿って前後方向に延びている。そして、戻し通路65の後
端は、従動シーブ23の上方にまで導かれており、この戻
し通路65の後端には、外気回収口66が形成されている。
外気回収口66は、上記従動シーブ23の上方に隣接した位
置において、上記伝動室18の後端部に開口されている。
この場合、上記第1図に示すVベルト24の走行方向から
明らかなように、従動シーブ23は、第1図の反時計回り
方向に回転されるようになっており、この従動シーブ23
の回転方向は、上記外気回収口66との対向部分に接線を
引いた場合に、この接線が上記外気回収口66に向かうよ
うに定められている。
戻し通路65の前端は、上記凹部60の後半部に対応する
位置まで延びている。この凹部60の後半部の底面には、
第2図や第4図に示すように、戻し通路65の前端に連な
る排気孔67が開口されている。
さらに、ケースカバー17の凹部60は、第6図に示され
るようなアウタカバー70によって側方から覆われてい
る。アウタカバー70と凹部60との相互対向面には、互い
に突き合わされる区画壁72a,72bが突設されており、こ
れら区画壁72a,72bはアウタカバー70と凹部60との間
を、上記連通孔62が開口する第1の空間73と、排気孔67
が開口する第2の空間74とに区画している。そして、こ
のアウターカバー70の上部には、第1の空間73に連なる
吸気口75と第2の空間74に連なる排気口76が夫々設けら
れている。吸気口75および排気口76は、前後に並べて配
置されているとともに、アウタカバー70から前方斜め上
向きに突出されており、これら吸気口75と排気口76には
上方に向って延びる吸気ダクト77と排気ダクト78が接続
されている。これら両ダクト77,78の上端部は左右のフ
ロントフェンダ8の間に導かれて、第8図に示すように
これらフロントフェンダ8の間を結ぶ連結壁80に連なっ
ており、この連結壁80には上面が開口された四角形箱形
の吸排気凹部81が形成されている。この吸排気凹部81内
は区画壁82によって吸気室83と排気室83の底面に吸気ダ
クト77の上端部が接続されているとともに、排気室84の
底面に排気ダクト78の上端部が接続されている。また、
吸排気凹部81の上面開口縁部にはキャップ85が被嵌され
ている。このキャップ85は第6図に示すように、その中
央部に挿通したボルト86を上記区画壁82に埋め込んだナ
ット87にねじ込むことで着脱可能に締付けられており、
このキャップ85の内側には上記吸気室83と排気室84に対
応する吸気用空間88と排気用空間89が区画して設けられ
ている。キャップ85の外周縁部と吸排気凹部81の開口周
縁部との間には、板状のエレメント90が挟み込まれてお
り、このエレメント90は吸気室83と吸気用空間88および
排気室84と排気用空間89との間に介在されている。そし
て、このエレメント90を上記吸気ダクト77および排気ダ
クト78の上端部が貫通しており、このため、吸気ダクト
77および排気ダクト78は、夫々エレメント90を介して吸
気室83および排気室84に連なっている。
また、吸気室83および排気室84の底面には、夫々凹所
91が形成されており、これら各凹所91の車体側方に面す
る端面には開口部92が形成れている。したがって、本実
施例の場合は吸気室83の開口部92が外気の取入れ口とな
り、排気室84側の開口部92が外気の排出口となってい
る。
なお、フロントフェンダー8の裏面には、開口部92の
側方に対向して防塵壁93が突設されているとともに、上
記キャップ85やフロントフェンダ8の連結壁80は、上記
タンクカバー9の前端延長部によって上方から覆われて
いる。
このような構成において、駆動シーブ21と共にブレー
ド63が回転すると、連通孔62を通じて第1の空間73が負
圧となるので、外気が一方の開口部92から吸気室83に吸
引され、この外気はエレメント90を通過した後、吸気ダ
クト77を経て第1の空間73に導かれる。そして、この外
気は連通孔62から伝動室18内に流れ込むとともに、この
伝動室18内をVベルト24や遠心クラッチ27等を冷却す
る。伝動室18の後端部に達した外気は、第1図中矢印で
示すように、この伝動室18の後端面に沿うとともに、従
動シーブ23の回転に追従してこの従動シーブ23の上方に
向けて連れ回り、ここに開口する外気回収口66から戻し
通路65に流れ込む。そして、この外気は、戻し通路65を
通じて伝動室18の前端の第2の空間74に戻され、ここか
ら排気ダクト78を経てキャップ85の内側の排気用空間89
に排出される。この外気は再びエレメント90を通過した
後、排気室84に排出され、他方の開口部92を通じて外部
に排出される。
このような本発明の一実施例によれば、伝動ケース16
とケースカバー17との間に、伝動室18とは区画された戻
し通路65を形成したので、伝動室18内を流れる過程でV
ベルト24を冷却した外気は、上記戻し通65を経て伝動室
18の前端にまで戻され、ここから排気ダクト78を通じて
外方に排出される。このため、ベルト冷却後の外気を排
出するための排気ダクト78を、伝動ケース16やケースカ
バー17に沿わせて伝動室18の後部まで引き回す必要もな
く、その分、排気ダクト78を短縮することができる。
しかも、上記構成によると、伝動室18内をVベルト24
の走行方向に沿って流れる外気は、伝動室18の後部に達
した時点で従動シーブ23の回転に追従してこの従動シー
ブ23の上部に連れ回るので、Vベルト24を冷却しつつ伝
動室18の後端に導かれた外気を、従動シーブ23の回転を
利用して外気回収口66の開口部分に積極的かつ滑らかに
導くことができる。
したがって、伝動室18に導入された外気を戻し通路65
を介して伝動室18の外方に効率良く放出することがで
き、その分、Vベルト24の冷却性能を高めることができ
る。
また、ケースカバー17の前端部を側方から覆うアウタ
カバー70に、伝動室18に連なる吸気口75と戻し通路65に
連なる排気口76とが前後に並べて設置され、これら吸気
口75および排気口76に夫々吸気ダクト77や排気ダクト78
が接続されているので、これら吸気ダクト77および排気
ダクト78を伝動室18の前端部から一括して引き出すこと
ができる。
そのため、ケースカバー17に対する吸気ダクト77およ
び排気ダクト78の取り回しを簡素化することができ、こ
れらダクト77,78を配管する上での自由度が増大すると
ともに、ダクト77,78の接続作業や配管作業を容易に行
なうことができる。
また、上記構成によれば、戻し通路65は、Vベルト24
の上方において、このVベルト24に沿うように前後方向
に延びているので、伝動室18内に戻し通路65を形成する
に当って、伝動ケース16およびケースカバー17の底部を
下方に突出させたり、あるいはケースカバー17の部分的
に側方に膨出させる必要はない。
このため、伝動ケース16およびケースカバー17の最低
地上高を充分に確保できるとともに、ケースカバー17が
側方に大きく張り出すこともなく、ケースカバー17を含
む伝動ケース16の横幅を狭く抑えることができる。
さらに、戻し通路65は、互いに突き合わされる仕切り
壁64a,64bと伝動ケース16の内面およびケースカバー17
の内面とで囲まれた空間部分によって定められるため
に、伝動ケース16の側面開口部をケースカバー17で覆う
と同時に形成されることになる。それとともに、仕切り
壁64a,64bは、伝動ケース16やケースカバー17と一体で
あるから、戻し通路65を構成するための専用の部品は一
切不要となり、この戻し通路65を容易に形成することが
できる。
なお、上記実施例では吸気ダクトと排気ダクトの開口
端を、エレメントを介して外方と連通させたが、このエ
レメントを省略して直接外方に露出させても良いととも
に、この開口端の位置も左右のリヤフェンダ間に特定さ
れず、例えば燃料タンクやシートの下方に開口させても
良い。
〔発明の効果〕 以上詳述した本発明によれば、ベルト冷却後の外気を
排出する排気ダクトを、ケースカバーに沿わせて伝動室
の後部まで導く必要はなく、その分、ダクト長を短くす
ることができる。しかも、ベルトを冷却しつつ伝動室の
後部に導かれが外気は、従動シーブの回転に追従して外
気回収口の開口部分に連れ回るので、この外気を外気回
収口を介して戻し通路に積極的かつ滑らかに導入するこ
とができる。このため、伝動室に導入された外気を、戻
し通路を介して伝動室の外方に効率良く放出するとがで
き、その分、ベルトの冷却性能を高めることができる。
また、吸気ダクトおよび排気ダクトを伝動室の前端部
から一括して引き出すことができるので、ケースカバー
に対する吸気ダクトおよび排気ダクトの取り回しが簡素
化し、その分、吸・排気ダクトを配管する上での自由度
が増大するとともに、これら吸・排気ダクトの接続作業
や配管作業を容易に行なうことができる。
それとともに、戻し通路を形成するに当って、伝動ケ
ースやケースカバーの底部を下方に突出させたり、ある
いはケースカバーを部分的に側方に膨出させる必要もな
いので、伝動ケースおよびケースカバーの最低地上高を
充分に確保できるとともに、ケースカバーの側方への張
り出しを抑えて、ケースカバーを含む伝動ケースの横幅
を狭く抑えることができる。
加えて、戻し通路は、伝動ケースの側面開口部をケー
スカバーで覆うと同時に形成されるとともに、仕切り壁
は、伝動ケースやケースカバーと一体であるから、戻し
通路を構成するための専用の部品が不要となり、戻し通
路を容易に形成できるといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示し、第1図は伝動ケースの
側面図、第2図はケースカバーの側面図、第3図は第2
図中III−III線に沿う断面図、第4図は第2図中IV−IV
線に沿う断面図、第5図はエンジンの断面図、第6図は
吸気ダクトおよび排気ダクト回りを一部断面した側面
図、第7図は第6図中VII−VII線に沿う断面図、第8図
は吸気ダクトおよび排気ダクトとフロントフェンダの接
続部分を示す平面図、第9図はフロントフェンダと吸気
ダクト及び排気ダクトとの接続部分の断面図、第10図は
自動四輪車の側面図、第11図は自動四輪車の平面図であ
る。 13……駆動輪(後輪) 14……エンジン 15……クランクケース 16……伝動ケース 17……ケースカバー 18……伝動室 19……無段変速機 21……駆動シーブ 23……従動シーブ 24……ベルト(Vベルト) 64a,64b……仕切り壁 65……戻し通路 66……外気回収口 72a,72b……区画壁 73……第1の室 74……第2の室 75……吸気口 76……排気口 77……吸気ダクト 78……排気ダクト

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンのクランクケースの一側部から後
    方に延びるとともに、側方に向けて開口された伝動ケー
    スと; この伝動ケースの側面開口部を覆うとともに、この伝動
    ケースと協働して気密構造をなす伝動室を形成するケー
    スカバーと; 上記エンジンによって回動駆動される駆動シーブと、駆
    動輪に連動して回転する従動シーブと、これら駆動シー
    ブと従動シーブとの間に亘って巻き掛けられたベルトと
    を有し、上記伝動室に収容された無段変速機と; 上記伝動室の前端部に外気を取り入れる吸気ダクトと; 上記伝動室内に導入された外気を伝動室の前端部から排
    出する排気ダクトと;を備え、 上記吸気ダクトから伝動室の前端に取り入れられた外気
    を伝動室の後端に向けて送風するようにした車両のベル
    ト式変速装置であって、 上記伝動ケースとケースカバーの互いに対向し合う内面
    に、夫々上記ベルトよりも上方に位置して上記伝動室の
    前後方向に延びる仕切り壁を一体に突設し、これら仕切
    り壁は、伝動室内で互いに突き合わされるとともに、上
    記伝動ケースの上部内面および上記ケースカバーの上部
    内面と協働して上記伝動室とは仕切られた状態で前後方
    向に延びる戻し通路を構成し、 この戻し通路の後端に、上記従動シーブの上方に隣接し
    た位置において上記伝動室に連なる外気回収口を形成す
    るとともに、上記従動シーブの回転方向は、上記外気回
    収口との対向部分においてこの外気回収口に向かうよう
    に定められており、 また、上記ケースカバーの前端部に、区画壁によって区
    画された第1および第2の空間と、上記第1の空間に連
    なる吸気口と、この吸気口に隣接した位置において上記
    第2の空間に連なる排気口とを形成し、 上記第1の空間は、上記伝動室の前端部に連通させると
    もに、上記第2の空間は、上記伝動室とは区画された状
    態で上記戻し通路の前端に連通させ、かつ、上記第1の
    空間の吸気口に上記吸気ダクトを、上記第2の空間の排
    気口に上記排気ダクトを夫々接続したことを特徴とする
    車両のベルト式変速装置。
JP63131375A 1988-05-31 1988-05-31 車両のベルト式変速装置 Expired - Lifetime JP2892651B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63131375A JP2892651B2 (ja) 1988-05-31 1988-05-31 車両のベルト式変速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63131375A JP2892651B2 (ja) 1988-05-31 1988-05-31 車両のベルト式変速装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01301487A JPH01301487A (ja) 1989-12-05
JP2892651B2 true JP2892651B2 (ja) 1999-05-17

Family

ID=15056472

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63131375A Expired - Lifetime JP2892651B2 (ja) 1988-05-31 1988-05-31 車両のベルト式変速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2892651B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60166980A (ja) * 1984-02-10 1985-08-30 松下電工株式会社 情報盤
JPS6128912U (ja) * 1984-07-24 1986-02-21 中央発條株式会社 コントロ−ルケ−ブルのインナケ−ブル
JPS61282667A (ja) * 1985-06-07 1986-12-12 Honda Motor Co Ltd ベルト伝動装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01301487A (ja) 1989-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4010127B2 (ja) 変速機構の冷却構造
US7647995B2 (en) Riding type vehicle
US7427248B2 (en) Continuously variable transmission
US7377342B2 (en) Transmission for four-wheel drive vehicle and four-wheel drive vehicle
JPH0825498B2 (ja) 荒地走行用鞍乗型4輪車
JPH10291420A (ja) エンジンの動力伝達装置
JPH11294161A (ja) 車両の水冷式エンジン冷却装置
JPH059317B2 (ja)
US20040139728A1 (en) Atmospheric pollutant treatment structure
JP4802727B2 (ja) 不整地走行車両
JP2892651B2 (ja) 車両のベルト式変速装置
JP2011047334A (ja) パワーユニットの冷却装置
JP3150482U (ja) 鞍乗型車両
JPH1111171A (ja) エンジンの動力伝達装置
US20070227491A1 (en) Power unit
US5588406A (en) Structure for lubricating cam sliding surface in an internal combustion engine
JP2843570B2 (ja) 不整地走行用車両のベルト式変速装置
EP0416636B1 (en) A multi-cylinder internal combustion engine
JP4062562B2 (ja) エンジンの動力伝達装置
JPS6216530Y2 (ja)
JP3392851B2 (ja) V型小型液冷式エンジンの冷却液通路構造
WO2023175744A1 (ja) 鞍乗型車両
JPH0722391Y2 (ja) 不整地走行鞍乗型四輪車
WO2017168617A1 (ja) 鞍乗り型車両用パワーユニットにおける伝動ケースのブリーザ構造
JP2023546659A (ja) サドル型車両のための動力伝達レイアウト

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090226

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090226

Year of fee payment: 10