JP2892472B2 - 保存安定性の良い水分高含有成形飼料 - Google Patents

保存安定性の良い水分高含有成形飼料

Info

Publication number
JP2892472B2
JP2892472B2 JP2237812A JP23781290A JP2892472B2 JP 2892472 B2 JP2892472 B2 JP 2892472B2 JP 2237812 A JP2237812 A JP 2237812A JP 23781290 A JP23781290 A JP 23781290A JP 2892472 B2 JP2892472 B2 JP 2892472B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
feed
fish
water
storage stability
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2237812A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04121148A (ja
Inventor
弘 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DAISERU KAGAKU KOGYO KK
Original Assignee
DAISERU KAGAKU KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DAISERU KAGAKU KOGYO KK filed Critical DAISERU KAGAKU KOGYO KK
Priority to JP2237812A priority Critical patent/JP2892472B2/ja
Publication of JPH04121148A publication Critical patent/JPH04121148A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2892472B2 publication Critical patent/JP2892472B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Feed For Specific Animals (AREA)
  • Fodder In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、水分含有量とpHを調整することにより保存
安定性を向上させた成形飼料に関する。更に本発明はか
かる成形飼料を給餌する養殖の方法に関する。
〔従来の技術及びその課題〕
近年、特に、高級魚介類、甲殻類などの需要が高まる
一方、漁獲海域の制約などもあって、魚介類の養殖によ
る生産が次第に盛んになり、養殖は、水産業において、
重要な役割を担うに至っている。
これらの養殖魚類の飼料としては、保存安定性の優れ
たドライペレット状飼料が多く用いられている。また、
一方では、水分含有率の高いモイストペレットが用いら
れている。モイストペレットは、保存安定性は悪いが、
安価ないわしなどの生魚を、配合飼料に混合して、飼料
のコストを小さくできること、嗜好性が良い、飼料効率
が良いなどの点で、ドライペレットより優位性があるこ
となどから、現在も非常に多く用いられている。例え
ば、ブリ、マダイ、ギンザケなどの養殖にモイストペレ
ットは用いられている。
通常、ドライペレット中の水分は5〜15重量%程度で
ある。この程度の水分であれば変敗など品質の悪変は少
なく、保存安定性は十分に保たれる。
これに対してモイストペレット中の水分は、生魚又は
冷凍魚などと配合飼料の混合比にもよるが、15〜70重量
%、通常は30〜60重量%程度であることが多い。
従って、モイストペレットの場合、変質、変敗などに
よる品質の悪変が早い。このような品質低下を防止する
ために、毎日必要量を製造し、長期間貯蔵することを避
けるか、又は低温で貯蔵する或いは冷凍するなどして比
較的短期間(1〜7日間)貯蔵されることはあるが、一
般的には、毎日又は2〜3日毎の頻度で製造される。
以上のことから、嗜好性、飼料効率を損なうことな
く、水分含有量の高い、保存安定性の優れた成形飼料の
開発が望まれている。例えば、室温で2週間程度品質の
悪変を生じることなく保管できれば、非常に経済的であ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記現状に鑑み、養殖魚類の嗜好性、
飼料効率を損なうことなく、水分含有率の高い成形飼料
の保存安定性を向上させ、経済的に有利に製造できるモ
イストペレットを提供すべく、研究した結果、本発明を
完成するに至った。
即ち、本発明は、成形された飼料中の水分含量が15〜
45重量%で、且つ等量の水を加えてスラリー状にした時
の水素イオン濃度(pH)が2.5〜5.5の範囲になるように
有機又は無機の酸を加えてなる保存安定性の良い水分高
含有成形養魚用飼料、及びかかる飼料を魚類に給餌する
ことを特徴とする養殖方法に関する。
水分含有量の高い飼料が時間の経過と共に、変敗し
て、その品質が悪変する主な原因は、カビ類、酵母、細
菌などの微生物の生育、活動によることは知られてい
る。微生物の生育、活動は環境条件によって規制され
る。その環境条件には、栄養源、温度、湿度、水分、p
H、塩濃度、糖濃度、酸素濃度、酸化、還元電位、炭酸
ガス濃度などがある。
しかし、これらの要素のうち1つのみを制御して経済
的有利に、かつ飼料としての嗜好性、飼料効率を損なう
ことなく、微生物の生育、活動を阻害又は抑制するには
制約が伴う。例えば水分については、飼料中の水には結
合水(タンパクや炭水化物と水素結合している水)と自
由水(遊離水、即ち熱力学的運動が自由な水)とがあ
り、微生物が利用できるのは自由水のみである。この自
由水中には、また各種の溶質が溶けて溶液となってい
る。この溶液から微生物が利用できる水の量は通常、水
分活性、Aw(water activity)で表される。特に、細
菌、酵母などより、カビは更にAw値の小さな所まで、生
育、活動ができる。従って、水分のみを調節してモイス
トペレットの保存安定性を保とうとすれば、ドライペレ
ットのような水分量にする必要があり、Aw値を0.64以下
にする必要が生じる。
また、pHの調節という観点からは、微生物のpH特性と
して、生育に最適なpH範囲の他に、酸性側の生育限界を
示す最小pHとアルカリ側の生育限界を示す最大pHがあ
り、微生物の成育を抑制するためには最小pH以下又は最
大pH以上にすることが必要になる。一般に飼料は弱酸性
から中性を示すものがほとんどであり、通常のモイスト
ペレットの場合も、水を等量加えたスラリー状物のpHは
6.0〜中性程度である。従って、モイストペレットの保
存安定性をpHのみを調節して向上させようとすると、カ
ビ、酵母、細菌のうち、酵母の最小pHが最も低いので酵
母の最小pH以下、即ちpHを1.5以下にすることが要求さ
れる。しかしながら、pHをそのように低くした飼料は、
嗜好性が損なわれ、飼料としての機能も損なわれる結果
となる。
本発明は、モイストペレットの養殖魚類に対する嗜好
性と飼料効率を損なうことなく、保存安定性を向上させ
るために、飼料中の水分量を調整し、且つ飼料に水を加
えた時のpHの範囲を特定することによって微生物による
変質、変敗などの悪変を抑制するものである。
本発明の成形飼料はいわし、ガジ、タラ、鮭等通常モ
イストペレット状飼料の調製に用いられる魚介類、又は
それらの加工くずが配合されている。このような魚介類
を適当な形態、例えばスリ身状として魚粉、脱脂大豆、
コーングルテンミール、小麦粉、リン酸カルシウム、ビ
タミン配合剤及びカルボキシメチルセルロースのナトリ
ウム塩等からなる配合飼料に混合し、成形して本発明の
飼料とする。酸はスリ身状の生魚に添加しても、生魚を
配合飼料と混合する際に添加してもよい。また、飼料の
成形方法は特に限定されない。
また、通常、モイストペレットの形状安定性を向上さ
せるために粘結剤として添加されるカルボキシメチルセ
ルロースアルカリ塩、アルギン酸ソーダなども、品質の
悪変抑制にいくらか効果がある。これらの添加量は通
常、モイストペレット中に1〜3重量%程度であり、Aw
値を低くする効果はそれほど期待できないとしても、モ
イストペレットの環境の変化などによって生じる局部的
に水分含有量の多い部分の形成を少なくするなどの効果
によるものと考えられる。
本発明の成形飼料のより好ましい水分量とpHの範囲
は、水分20〜40重量%、pH3〜5である。酸の添加量
は、酸の種類、飼料にもよるが、例えばギ酸の場合は飼
料重量に対し、0.2〜6%程度である。なお、有機酸と
しては酢酸、プロピオン酸なども同様の効果がある。し
かし、ギ酸の方が安価であり、同じpH範囲にするための
添加量も少なくてすみ、より好ましい。
また、無機酸としては、リン酸、塩酸、硫酸などが用
いられるが、リン酸がより望ましい。リン酸の場合も添
加量は飼料重量に対し、0.2〜5%程度の範囲になる。
本発明の成形飼料の実施態様の一例を示す。
凍結したガジのすり身にギ酸を約1.5重量%添加し、
これと魚粉、脱脂大豆等からなる配合飼料を混合してモ
イストペレットを調製する。このモイストペレットは水
分が約40重量%で、等量の水を加えてスラリー状にした
時のpHが4.5である。この飼料をポリエチレンの袋に入
れ、30℃で2週間保管したが、外観、臭気に悪変等の異
状は認められなかった。これに対してギ酸を添加しない
方法で同様に調製し、保管した飼料は3日目にはカビ状
物が認められ、臭いにも悪変が認められ、1週間後に
は、外観、臭気等が著しく悪変した。
本発明の成形飼料に飼料中の脂肪分の酸化防止のため
に通常用いられている抗酸化剤、例えばエトキシキン、
BHT等の1種又は2種以上を添加しておくことは有効で
ある。
本発明の養殖方法は、本発明の飼料を養殖魚類に給餌
することによって行われる。例えば、本発明の飼料をド
ナルドソントラウト(ニジマスを選抜飼育した改良新
種、以下同じ)に乾物基準で魚体重の2%/日相当の割
合で給餌し、一定期間飼育した結果、嗜好性、飼料効率
ともに酸を加えなかった。対照区と差は認めらられなか
った。
〔発明の効果〕
モイストペレット中の水分を15〜45重量%とし、有機
酸又は無機酸を加えることによって、等量の水を加えて
飼料をスラリー状にした時のpHが2.5〜5.5になるように
調整した本発明のモイストペレットによれば、養殖魚類
の嗜好性及び飼料効率を損なうことなく、保存安定性が
著しく向上する。
〔実施例〕
以下、実施例にて本発明を説明するが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。
1.飼料の調製 1)生魚のガジを凍結し、チョッパーにかけ、すり身状
にし、ギ酸をすり身状物重量に対し3%添加して、よく
混合した後、約20℃の室温下に2日間保管した。これ
に、表−1に示す配合飼料を重量比で等量加え、よく混
合した後、チョッパーにかけ、本発明のモイストペレッ
トを造った。
2)比較として、1)と同じすり身状物に、ギ酸を添加
することなく、これに、配合飼料を重量比で等量加え、
1)と同様にしてモイストペレットを造った。
3)配合飼料の調製 配合飼料は魚粉、脱脂大豆、コーングルテンミール、
小麦粉、リン酸カルシウム、ビタミン配合剤及びCMC
(カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩)を表−
1に示した比率で配合して調製した。
4)保存安定性試験 1)の本発明のモイストペレットと、2)の比較のモ
イストペレットをそれぞれ500gポリエチレン製の袋に詰
め、30℃の恒温室にそれぞれ保管した。その結果は、表
−2の通りであった。
5)試育試験 飼育試験は、試験用の魚としてドナルドソントラウト
を用いて行った。試験開始時の平均体重は115gであっ
た。各水槽に50匹ずつの魚を入れ、地下水を曝気した水
を用い、水温12〜15℃の流水下で、上記1)、2)と同
じ方法で調製したモイストペレットを、乾物重量基準で
魚体重の2%相当となる量を毎日、2回に分けて給餌
し、3ケ月間飼育した。
この間残餌量に差はなく、3ケ月後の飼料効率(増体
重量/給餌量)はそれぞれ、1)の飼料では0.64、2)
の飼料では0.62であり、差は認められなかった。なお、
飼料1)、2)は1週間に1回ずつ調製した。また、
1)のモイストペレットは約20℃の室温下に保管した。
2)のモイストペレットは−25℃冷凍庫に保管した。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成形された飼料中の水分含量が15〜45重量
    %で、且つ等量の水を加えてスラリー状にした時の水素
    イオン濃度(pH)が2.5〜5.5の範囲になるように有機又
    は無機の酸を加えてなる養魚用成形飼料。
  2. 【請求項2】請求項1記載の飼料を給餌することを特徴
    とする魚類の養殖方法。
JP2237812A 1990-09-07 1990-09-07 保存安定性の良い水分高含有成形飼料 Expired - Fee Related JP2892472B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2237812A JP2892472B2 (ja) 1990-09-07 1990-09-07 保存安定性の良い水分高含有成形飼料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2237812A JP2892472B2 (ja) 1990-09-07 1990-09-07 保存安定性の良い水分高含有成形飼料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04121148A JPH04121148A (ja) 1992-04-22
JP2892472B2 true JP2892472B2 (ja) 1999-05-17

Family

ID=17020774

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2237812A Expired - Fee Related JP2892472B2 (ja) 1990-09-07 1990-09-07 保存安定性の良い水分高含有成形飼料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2892472B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012039962A (ja) * 2010-08-20 2012-03-01 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 液状発酵残渣を含有する固形飼料及びその使用
JP2023183448A (ja) * 2022-06-16 2023-12-28 マルハニチロ株式会社 ブリ属養殖魚及びブリ属養殖魚の育成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04121148A (ja) 1992-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11506012A (ja) 反芻動物用飼料添加物
US6787166B2 (en) Use of an acid preparation as feed additive in farm animal husbandry
EP2880989A1 (en) Foodstuff for cultured fish and method for promoting growth of cultured fish using same
JP2004057156A (ja) 養魚用飼料
JP4046239B2 (ja) マグロ属魚類用摂餌促進物質、マグロ属魚類用配合飼料及びマグロ属魚類釣獲用の擬似餌
JP6215074B2 (ja) スッポン用飼料及び養殖スッポンの生産方法ならびにスッポン身肉のアミノ酸増加方法
JP2892472B2 (ja) 保存安定性の良い水分高含有成形飼料
JP2935704B1 (ja) 養豚飼育方法及びそれに用いられる飼料
Nwanna et al. Phosphorus requirements of African catfish, Clarias gariepinus, based on broken-line regression analysis methods
JP2676475B2 (ja) 魚介類の肉質改善剤とそれを含有する養殖魚介類用飼料
JPH11127795A (ja) 養魚用餌料
KR101815626B1 (ko) 실뱀장어의 초기 냉동사료
JPH04131047A (ja) 醗酵飼料及び醗酵肥料
CN111990537A (zh) 一种功能性营养酶解鱿鱼膏及其制备方法
RU2786666C1 (ru) Протеиновая кормовая добавка для индустриальной аквакультуры
CN115606715B (zh) 一种含诱食剂的淡水鱼饲料及其制备方法
JP2943785B2 (ja) 養魚粉末飼料用添加物及び養魚用飼料
CN108497206A (zh) 一种提高产蛋期土鸡产蛋率的饲料
JP2000342191A (ja) 養殖魚育成用の飼料及び養殖魚の飼育方法
JPH0693821B2 (ja) 養魚飼料用添加物
JPH01215248A (ja) 養魚用飼料
JP2003235470A (ja) 養魚用飼料
Nwanna et al. Effect of graded levels of phosphorus on growth and mineral concentration in giant African catfish Heterobranchus bidorsalis
JPH0678687A (ja) 甲殻類用飼料
CN116569995A (zh) 一种改善大黄鱼肌肉品质的氨基酸复合物和包含其的大黄鱼饲料以及大黄鱼的养殖方法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees