JP2890899B2 - ワックス塗布方法およびその塗布装置 - Google Patents

ワックス塗布方法およびその塗布装置

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JP2890899B2 JP13929291A JP13929291A JP2890899B2 JP 2890899 B2 JP2890899 B2 JP 2890899B2 JP 13929291 A JP13929291 A JP 13929291A JP 13929291 A JP13929291 A JP 13929291A JP 2890899 B2 JP2890899 B2 JP 2890899B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飲料水やビール等を収
容するアルミ缶等の有底円筒状の缶体の製造工程におい
て、前記缶体の開口部を縮径加工するネッキング装置の
前段に設けられて、前記缶体の開口部外周面に、ネッキ
ング加工時の焼き付き防止用のワックスを塗布するよう
にしたワックス塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、清涼飲料水やビール等の収容容器
としてアルミ缶が用いられているが、このアルミ缶は、
肉厚が薄く変形しやすいために、一端部の開口部を閉塞
する前に、この開口部近傍の周壁を順次縮径させて剛性
を高める処理、いわゆる、ネッキング処理が施されてい
る。
【0003】ところで、このネッキング処理は、図1に
示すように、アルミ缶(缶体)1の開口部1aを胴部1
bの外径よりも小さな内径を有するサイジングダイ2へ
所定圧力で嵌入・縮径させることによって行っている
が、アルミ缶1とサイジングダイ2との滑りが十分でな
い場合には、これらの篏合部分で焼き付きが発生するこ
とがあった。
【0004】そこで、従来では、図2に示すように、ネ
ッキング装置3の前段に潤滑剤塗布装置4を設置し、こ
の潤滑剤塗布装置4によって前記アルミ缶1のネッキン
グ処理を施す部分の外周面に溶剤(ヘキサン)混合型の
潤滑剤を塗布するようにしている。
【0005】さらに詳述すれば、前記潤滑剤塗布装置4
は、図3に示すように、アルミ缶1がその軸線と直交す
る方向へ転動搬送されるガイドプレート5と、このガイ
ドプレート5の下方に配設されて溶剤混合型の潤滑剤L
が収容されたパン6と、前記ガイドプレート5の一側部
に前記アルミ缶1の搬送方向と平行に配設された多孔質
体からなる塗布パッド7と、前記アルミ缶1を上方から
押圧するとともに、前記ガイドプレート5上を転動させ
つつ搬送する搬送ベルト8とからなり、前記塗布パッド
7の下端部が前記パン6内の潤滑剤L内に挿入され、ま
た、上端面には、前記搬送状態にあるアルミ缶1の開口
部の外周面が接触させられるようになっている。
【0006】そして、前記潤滑剤Lは、パン6内から塗
布パッド7の毛細管作用によりその上端面側へ吸い上げ
られて、この上端面を接触状態で転動させられるアルミ
缶1の外周面に塗布されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来の潤滑剤塗布装置であると、次のような不具合が生じ
る。
【0008】すなわち、パン6内の潤滑剤Lは、塗布パ
ッド7の毛細管作用によって塗布部部まで導かれるが、
塗布パッド7の気孔率の不均一等に起因して、塗布パッ
ド7の上面に導かれる潤滑剤Lの量が一定しないといっ
た不具合である。
【0009】また、潤滑剤Lの塗布時は、アルミ缶1に
よって塗布パッド7が若干押圧変形させられ、これによ
って潤滑剤Lが搾り出されることにより、前記アルミ缶
1への塗布が行なわれるのであるが、アルミ缶1と塗布
パッド7との接触状態の変化により、搾り出される潤滑
剤Lの量が変化してしまう。
【0010】さらに、前記塗布パッド7の上面には前記
アルミ缶1が連続して搬送されてくるが、潤滑剤Lの塗
布量のバラつきを抑えるために、塗布パッド7による潤
滑剤Lの吸い上げ速度によってアルミ缶1の供給速度す
なわち搬送速度が制限されてしまう。
【0011】このように、従来の技術においては、アル
ミ缶1への潤滑剤Lの塗布量が安定せず、これによっ
て、後段のネッキング装置3におけるネッキング加工の
円滑性に大きな影響を与えている。
【0012】また、アルミ缶1の搬送速度が潤滑油塗布
装置4において制限されてしまい、生産効率に大きな影
響を与えている。
【0013】一方、前述の従来の技術においては、溶剤
混合型の潤滑剤を使用していることから、その濃度が溶
剤の補給量に大きく左右され、かつ、溶剤が前述のよう
にヘキサン等の揮発性の高い物質であることが多く、し
たがって、この揮発分を含めた溶剤の補給管理を行なわ
なければならないために、潤滑剤の濃度管理が煩雑なも
のとなっている。
【0014】また、溶剤が揮発性を有するために、閉空
間である工場内においては、作業環境の悪化を招き、作
業者の健康上好ましくない。
【0015】さらに、ヘキサン等の溶剤は引火性が極め
て高く、厳しい安全管理が要求される。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述した従来
の不具合を解消せんとしてなされたもので、請求項1記
載の塗布方法は、有底円筒状の缶体をその軸線と直交す
る方向に沿って転動させるとともに、この缶体の開口部
の外周面に、前記缶体の転動方向に沿う回転軸線を有す
る塗布ローラーの外表面を接触させ、この塗布ローラー
の表面に無溶剤系ワックスを付着させるとともに回転さ
せることにより、この塗布ローラーに付着した前記無溶
剤系ワックスを前記缶体の外周面に塗布することを特徴
とする。
【0017】また、請求項2記載の塗布装置は、缶体の
開口部を縮径加工するネッキング装置の前段に設けられ
て、前記缶体の開口部の外周面にワックスを塗布するよ
うにしたワックス塗布装置であって、前記缶体がその軸
線と直交する方向へ転動搬送されるガイドプレートと、
前記ワックスが収容されたワックスパンと、前記ガイド
プレートの一側部に前記缶体の搬送方向と平行に配設さ
れ、かつ、搬送状態にある缶体の開口部の外周面が接触
させられるとともに、前記ワックスパン内のワックスを
前記缶体の開口部の外周面に塗布する塗布ローラーとを
備えていることを特徴とする。
【0018】さらに、請求項3記載の塗布装置は、請求
項2記載の塗布装置において、塗布ローラーの長さが前
記缶体の外周長より大きく設定され、かつ前記塗布ロー
ラーの両端部及び該両端部の周囲の少なくともいずれか
一方には、前記缶体の開口部外周面と前記塗布ローラー
との接触を防止する接触防止部が設けられていることを
特徴とする。
【0019】なお、以上のワックス塗布装置において、
ワックスの塗布を一層均一に行うには、前記ワックスパ
ンに、当該ワックスパン内の前記ワックスに浸されて外
周の一部が当該ワックス外に露出する供給ローラーを設
け、この供給ローラーの外周面の前記ワックス外への露
出部と前記塗布ローラーの外周面とを接触させることが
好ましい。さらに、前記供給ローラーの前記ワックス外
への露出部のうち前記塗布ローラーとの接触部よりも当
該供給ローラーの回転方向と反対側の位置に、当該供給
ローラーと当接する調整ローラーを設けることによりワ
ックスの供給量を均一化して塗布ムラを一層確実に排除
できる。そして、前記供給ローラーに対する前記塗布ロ
ーラー及び前記調整ローラーの接触圧を調整する接触圧
調整機構を設けることにより、ワックス塗布量を必要最
小限に設定できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の請求項2〜請求項6に係る塗
布装置の一実施例について説明する。
【0021】なお、以下の説明中、従来と共通する部分
については同一符号を用いて説明を簡略化する。
【0022】図4において符号10は、本実施例にかか
わるワックス塗布装置を示し、このワックス塗布装置1
0は、アルミ缶1の開口部1aを縮径加工するネッキン
グ装置3の前段に設けられて、前記アルミ缶1の開口部
1aの外周面に無溶剤型ワックスWを塗布するようにし
たワックス塗布装置であって、前記アルミ缶1がその軸
線と直交する方向へ転動搬送されるガイドプレート11
と、前記ワックスWが収容されたワックスパン12と、
図4に示すように、前記ガイドプレート11の一側部に
前記アルミ缶1の搬送方向と平行に配設され、かつ、搬
送状態にあるアルミ缶1の開口部1aの外周面が接触さ
せられるとともに、前記ワックスパン12内のワックス
wを前記アルミ缶1の開口部1aの外周面に塗布する塗
布ローラー13とを備えた概略構成となっている。
【0023】次いで、これらの詳細について説明すれ
ば、前記ワックスパン12は、図5に示すように、基台
14上に略水平状態で取り付けられており、その上方に
形成された開口部12aを覆うようにして前記ガイドプ
レート11が装着されている。
【0024】また、図4に示すように、ワックスパン1
2の下面には、その内部に収容されている前記ワックス
Wを加熱溶融するためのヒーター15が取り付けられて
いる。
【0025】前記ガイドプレート11は、アルミ缶1の
搬送方向に沿って複数の突条16が、アルミ缶1の軸線
方向に間隔をおいて形成されてなるもので、これらの各
突条16によって前記アルミ缶1が支持されるようにな
っている。
【0026】これは、アルミ缶1がガイドプレート11
上を搬送される際における、このガイドプレート11と
の接触面積を減少させて、転がり抵抗を軽減するために
取られた処置である。
【0027】また、前記ガイドプレート11の上方で、
前記アルミ缶1の搬送方向の両側部には、ガイドプレー
ト11とほぼ直交するサイドプレート17・18が所定
間隔をおいて配設されている。
【0028】この両サイドプレート17・18は、前記
基台14に立設されたステー19(図4および図5に
は、一方のステー19のみを示した)にボルト20・2
1を介して取り付けられており、搬送されるアルミ缶1
の軸方向両端部に対向位置させられて、このアルミ缶1
の軸方向の位置決めを行なうようになっている。
【0029】そして、それらの間隔は、前記ボルト20
・21によってアルミ缶1の長さに対応して調整される
ようになっている。
【0030】一方、本実施例においては、前記ワックス
パン12内に、図4に示すように、ピックアップローラ
ー(供給ローラー)22がアルミ缶1の搬送方向に沿っ
て配設されている。このピックアップローラー22は、
前記ワックスパン12内のワックスWに浸される一方で
外周の一部が前記ワックスWの外へ露出せしめられ、こ
の状態でワックスパン12によって回転自在に支持され
ている。
【0031】また、前記ピックアップローラー22の回
転軸23の一端部は、図5に示すように、前記ワックス
パン12から外部へ突出させられており、この突出させ
られた端部に、ピックアップローラー22の回転をなす
駆動モーター24が、ベルト25を介して連結されてい
る。
【0032】そして、前記ピックアップローラー22
の、前記ワックスWの液面よりも上方に露出した部分に
は、図4に示すように、ドクターローラー(調整ローラ
ー)26とアプリケーターローラー27が平行に配設さ
れている。
【0033】これらのドクターローラー26とアプリケ
ーターローラー27は、それぞれの両端部において、連
結プレート28によって相互に回転自在に連結され、さ
らに、これらの各連結プレート28には、前記ピックア
ップローラー22の半径方向に沿った連結ロッド29が
回動自在に連結されている。
【0034】前記各連結ロッド29は、前記ワックスパ
ン12にピックアップローラー22の軸線と平行に取り
付けられたフレーム30に摺動自在に挿通されており、
前記連結プレート28に連結された側と反対側の端部に
は、前記フレーム30の、前記ピックアップローラー2
2と対向する側と反対側の面に当接させられる位置調整
ナット31が螺着されている。
【0035】また、前記フレーム30と前記各連結プレ
ート28との間には、圧縮スプリング32が介装されて
おり、この圧縮スプリング32は、前記各連結プレート
28をフレーム30から離間させる方向に弾発すること
により、前記各ドクターローラー26とアプリケーター
ローラー27とを前記ピックアップローラー22の外周
面に接触させるようになっている。そして、これら連結
プレート28、連結ロッド29、フレーム30、位置調
整ナット31及び圧縮スプリング32によって本実施例
の接触圧調整機構が構成されている。
【0036】このようにして前記ピックアップローラー
22に当接させられた前記アプリケーターローラー27
は、その上端が、図4に示すように、前記ガイドプレー
ト11の上面とほぼ同じ高さに保持され、搬送途中にあ
る前記アルミ缶1の開口部1a側の端縁から微小距離だ
け胴部1b側へ入り込んだ位置において、前記アルミ缶
1の外周面に接触させられるようになっており、本実施
例においては、このアプリケーターローラー27が塗布
ローラー13となされている。
【0037】そして、前記アプリケーターローラー27
は、その長さS1(図6参照)が、前記アルミ缶1の周
長よりも長く設定されている。
【0038】さらに、本実施例においては、図6に示す
ように、前記ガイドプレート11の搬送方向前後の端部
で、前記アプリケーターローラー27の両端部に対向す
る位置には、それぞれ上方へ突出する隆起部(接触防止
部)11aが形成されている。これら隆起部11aのア
ルミ缶搬送方向に沿う両端部には傾斜面11a1、11
2が形成され、しかも、これら傾斜面11a1、11a
1の先端間の距離S2は、アルミ缶1の周長よりも若干長
く設定されており、前記アルミ缶1が、前記アプリケー
ターローラー27の両端部へ搬送された際に、前記アル
ミ缶1を上方へ押し上げて、当該アルミ缶1の開口部外
周面と前記アプリケーターローラー27との接触を防止
するようになっている。
【0039】一方、前記ガイドプレート11の上方に
は、図5に示すように、搬送方向に沿って一対の搬送装
置33・34が設けられている。
【0040】上流側に設けられた搬送装置34は、ガイ
ドプレート11との平行部分を有するように張設された
2本のベルト35と、これらベルト35の張力を調整す
るテンショナー36とによって構成されている。
【0041】また、下流側に設けられた搬送装置33
は、同じく前記ガイドプレート11との平行部分を有す
るように張設された2本のベルト37と、これらベルト
37の張力を調整するテンショナー38と、前記平行部
分をガイドプレート11側へ弾性的に押圧することによ
り、この平行部分の浮き上がりを抑制する押さえローラ
ー39とによって構成されている。
【0042】そして、これらの各搬送装置33・34
は、アルミ缶1を各ベルト35・37によってガイドプ
レート11に押しつけながら転動させることにより、前
記アルミ缶1を順次下流側へ搬送するようになってい
る。
【0043】また、上流側の搬送装置34における搬送
速度に比して下流側の搬送装置33における搬送速度が
大きく設定されている。
【0044】次いで、このように構成された本実施例の
ワックス塗布装置10の作用とともに、請求項1記載の
塗布方法について説明する。
【0045】まず、ワックスパン12内に無溶剤系のワ
ックスWを投入するとともに、このワックスWをヒータ
ー15によって所定温度に加熱する。
【0046】このような加熱操作によって前記ワックス
Wを所定の粘度としたのちに、駆動モーター24を起動
して、前記ピックアップローラー22を回転させる。
【0047】このピックアップローラー22の回転に伴
い、このピックアップローラー22に接触させられてい
るドクターローラー26およびアプリケーターローラー
27も同時に回転させられるとともに、溶融状態にある
前記ワックスWが、前記ピックアップローラー22の外
周面に付着して上方へ送り込まれる。
【0048】前記ピックアップローラー22によって上
方へ送り込まれたワックスWは、まず、その余分な量が
ドクターローラー26によって掻き落とされたのちに、
後段のアプリケーターローラー27側へ送り込まれ、前
記ピックアップローラー22との接触部分においてこの
ピックアップローラー22からアプリケーターローラー
27へ転写されるように付着される。
【0049】このようにして前記ワックスWは、連続的
にワックスパン12からアプリケーターローラー27へ
適性量送り込まれる。
【0050】そして、このアプリケーターローラー27
に対するワックスWの供給量の調整は、位置調整ナット
31を回転させて、前記ドクターローラー26およびア
プリケーターローラー27とピックアップローラー22
との接触圧を調整することによって行なわれる。
【0051】これより搬送装置33・34によってガイ
ドプレート11上へアルミ缶1を連続的に搬送して、そ
の開口部1a近傍の外周面を前記アプリケーターローラ
ー27に接触させることにより、前記外周面に前記ワッ
クスWが塗布される。
【0052】さらに詳述すれば、アルミ缶1は、図示せ
ぬホッパー等から上流側に配設された搬送装置34へ自
重等により同一姿勢で連続的に供給され、この搬送装置
34によって一定速度で下流側の搬送装置33へ送り込
まれる。
【0053】この下流側の搬送装置33は、上流側の搬
送装置34よりも早い速度で前記アルミ缶1を搬送する
ことにより、各アルミ缶1の間に所定の間隔を形成しつ
つ連続して搬送する。
【0054】下流側の搬送装置によって搬送されるアル
ミ缶1は、アプリケーターローラー27の端部に近づい
た時点で、前記ガイドプレート11に形成されている隆
起部11aによって少なくともその開口部1aが上方に
持ち上げられて、前記アプリケーターローラー27の端
部との接触が防止される。
【0055】これは、前記アプリケーターローラー27
の端面に付着しているワックスWが、アプリケーターロ
ーラー27の回転に伴いその端部外周面に移動して盛り
上がり、過剰のワックスWが塗布されることを防止する
ために取られた処置である。
【0056】このようにしてアプリケーターローラー2
7の端部における過剰塗布防止の処置がなされたのち
に、前記アルミ缶1が前記隆起部11aから離間させら
れることにより、その開口部1aがアプリケーターロー
ラー27へ向けて降下させられ、前記隆起部11aから
完全に離間させられた時点で前記開口部1aがアプリケ
ーターローラー27の外表面に接触させられる。
【0057】ここで、アプリケーターローラー27は連
続回転させられているとともに、アルミ缶1も同様に転
動しつつアプリケーターローラー27の軸方向に移動さ
せられていることから、アルミ缶1とアプリケーターロ
ーラー27との、このアプリケーターローラー27外表
面における接触軌跡が、図7に曲線Aで示すように、螺
旋状となり、かつ、アルミ缶1が連続して搬送されてい
ることから複数の接触軌跡Aが平行状態で形成される。
【0058】ところで、アルミ缶1にワックスWを均一
に塗布することを考えると、前記接触軌跡Aは、単一の
接触軌跡A自体のみならず隣り合う接触軌跡A間におい
ても重なり合わないほうが好ましい。
【0059】これは、アルミ缶1の搬送速度とアプリケ
ーターローラー27の回転速度との関係において容易に
管理される。
【0060】すなわち、アルミ缶1の搬送速度をV(缶
/分)、アプリケーターローラー27の回転数をn(r
pm)、アプリケーターローラー27の直径をD(c
m)、ワックスWの塗布幅をaとすると、前記接触軌跡
Aの重なりを防止するアプリケーターローラー27の回
転数nとアルミ缶1の搬送速度Vとの関係が次式で表さ
れる。
【0061】
【数1】
【0062】そして、通常の生産ラインにおいては、生
産計画からアルミ缶1の搬送速度Vが設定されるから、
この搬送速度Vにより、次式に基づいて前記アプリケー
ターローラー27の回転数nを設定すればよいことにな
る。
【0063】
【数2】
【0064】ここで、アプリケーターローラー27の回
転数nとアルミ缶1の搬送速度Vとの関係について、通
常ライン、高速ライン、さらに、超高速ラインの3段階
に分けて理論値を次表に示す。
【0065】
【表1】
【0066】このようにして理論値は求められるが、実
際のラインにおいては、アルミ缶1の搬送時にアルミ缶
1にずれが生じることがあり、この場合には、前表の理
論値よりもアプリケーターローラー27の回転数nを若
干量速めて、図7に示すように、各アルミ缶1とアプリ
ケーターローラー27との接触軌跡A間に所定の間隔G
を形成することが望ましい。
【0067】そして、塗布の完了したアルミ缶1は、前
記ガイドプレート11の下流側の端部において、このガ
イドプレート11に形成されている隆起部11aによっ
て押し上げられて、アプリケーターローラー27の端部
に形成されるワックスWの溜まり部との接触を回避され
て後段のネッキング装置3へ供給される。
【0068】このように本実施例にかかわるワックス塗
布装置によれば、ワックスパン12内のワックスWが無
溶剤系のワックスであり濃度が一定に保持されており、
かつ、このワックスWが、ピックアップローラー22に
よって強制的に引き上げられ、次いでドクターローラー
26によって適性量に調整されたのちに、アプリケータ
ーローラー27へ付着させられるものであるから、アプ
リケーターローラー27へのワックスWの供給量が均一
なものとなる。
【0069】また、ワックスWのアルミ缶1への塗布
が、アプリケーターローラー27によって強制的に行な
われることから、アルミ缶1への塗布も均一なものとな
る。
【0070】さらに、前述のように、ワックスWのアル
ミ缶1への塗布および濃度が均一なものとなることか
ら、アルミ缶1の半径方向から見た塗布幅Bを狭くして
も、十分量の塗布が可能となり、この結果、ワックスW
の消費量の軽減が図られる。
【0071】なお、前記実施例に示した各構成部材の諸
形状や寸法等は一例であって、適用するアルミ缶1の形
状や設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0072】例えば、前記実施例においては、一対の連
結プレート28を独立して用いた例について示したが、
これに代えて図8に示すように、両連結プレート28を
スタビライザー40によって相互に連結するようにして
もよい。
【0073】このような構成とすることによって、ドク
ターローラー26およびアプリケーターローラー27の
支持構造を剛構造として、これらの捩れを防止し、これ
によってピックアップローラー22によって引き上げら
れたワックスwの掻き落とし量ならびにアプリケーター
ローラー27への付着量を、ピックアップローラー22
の長さ方向において一層均一にすることができる。
【0074】また、ドクターローラー26およびアプリ
ケーターローラー27とピックアップローラーー22と
の接触圧を調整する機構を、連結ロッド29に螺着され
た位置調整ナット31の回転によって行なう構成とした
例について示したが、さらに、この位置調整ナット31
とフレーム30との間に、前記位置調整ナット31の回
転量を検出するデジタルカウンタ41を設けてもよい。
【0075】これによって、前記デジタルカウンター4
1の表示により前記接触圧を定量的に把握することがで
き、再現性を確保することができる。
【0076】さらに、位置調整ナット31と連結ロッド
29との螺着部を細目ねじとし、位置調整ナット31に
よる微調整を可能にしたり、連結ロッド29とフレーム
30との摺動部分に含油軸受け42を配設して、連結ロ
ッド29とフレーム30との隙間を狭めて、アプリケー
ターローラー27の振れを抑制するようにしてもよい。
【0077】さらにまた、ドクターローラー27を省略
してもよく、さらには、アプリケーターローラー27の
径を大きくする等の処置により、ピックアップローラー
22をも省略することができる。
【0078】また、前記実施例では隆起部11aをガイ
ドプレート11上に設けているが、本発明はこのような
態様に限定されるものではない。例えば、図10〜図1
5に示すように、ワックスパン12の開口部12aに、
前記アプリケーターローラー27を露出させる打ち抜き
部50aを備えた枠状のカバー50を配設し、このカバ
ー50の前記アプリケーターローラー27の両端部に対
向する位置に隆起部11aを備えた略く字状のプレート
51を取り付けても良い。
【0079】なお、これら図12〜図15に示す例で
も、隆起部11aの両端側に傾斜面11a1、11a2
形成され、これら傾斜面11a1、11a1の先端間の距
離S2(図12参照)がアルミ缶1の周長よりも若干長
く、かつアプリケーターローラー27の全長S1(図1
4参照)より若干短く設定されていることは勿論であ
る。また、この例では、プレート51に溝部52が形成
されることにより、当該プレート51やカバー50にワ
ックスが付着することがないという効果が得られる。
【0080】ここで、以上の例では、アプリケーターロ
ーラー27の両端部とアルミ缶1との接触を防止する接
触防止部として、いずれもアプリケーターローラー27
の両端部の周囲に隆起部11aを設けた例を説明した
が、これらに代えて、あるいはこれらに加えて、アプリ
ケーターローラー27の両端部に、各端部に行くにした
がい漸次小径となるテーパー状の接触防止部を形成し
て、アプリケーターローラー27の両端部におけるアル
ミ缶1との接触を防止するようにしてもよい。
【0081】また、以上の例ではいずれもアルミ缶1に
ワックスを塗布する場合を説明したが、ネッキング加工
の対象となる缶体であればその材質は問わず、鉄缶など
にも当然適用され得るものである。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載のワ
ックス塗布方法は、缶体をその軸線と直交する方向に沿
って転動させるとともに、この缶体の開口部の外周面
に、前記缶体の転動方向に沿う回転軸線を有する塗布ロ
ーラーの外表面を接触させ、この塗布ローラーの表面に
無溶剤系ワックスを付着させるとともに回転させること
により、この塗布ローラーに付着した前記無溶剤系ワッ
クスを前記缶体の外周面に塗布することを特徴とするも
ので、次のような優れた効果を奏する。
【0083】缶体に無溶剤系ワックスを塗布ローラーに
よって強制的に塗布することにより、均一なワックスの
塗布を確実に行なうことができる。
【0084】無溶剤系ワックスを用いることにより、ワ
ックスの濃度変化を抑制して、この点からも塗布される
ワックスの均一化を図ることができる。
【0085】また、無溶剤系のワックスを用いることに
より、ワックス濃度の変化を抑制して濃度管理を簡素化
し、かつ、揮発物質の生成を抑制して作業環境を良好な
ものとすることができる。
【0086】また、請求項2記載の塗布装置は、缶体の
開口部を縮径加工するネッキング装置の前段に設けられ
て、前記缶体の開口部の外周面にワックスを塗布するよ
うにしたワックス塗布装置であって、前記缶体がその軸
線と直交する方向へ転動搬送されるガイドプレートと、
前記ワックスが収容されたワックスパンと、前記ガイド
プレートの一側部に前記缶体の搬送方向と平行に配設さ
れ、かつ、搬送状態にある缶体の開口部の外周面が接触
させられるとともに、前記ワックスパン内のワックスを
前記缶体の開口部の外周面に塗布する塗布ローラーとを
備えていることを特徴とするもので、請求項1記載の塗
布方法を有効に実施することができる等の優れた効果を
奏する。
【0087】そして、請求項3記載の塗布装置によれ
ば、塗布ローラーの両端に付着する過剰なワックスの缶
体への付着を排除してワックスの塗布ムラを排除でき
る。
【0088】また、請求項4記載の塗布装置によれば供
給ローラーを介して塗布ローラーへワックスが供給され
るので当該塗布ローラーへのワックスの塗布ムラがなく
なってワックスをより均一に塗布でき、さらに請求項5
記載の塗布装置によれば塗布ローラーへのワックス塗布
量を一層均一化してワックスの塗布ムラを一層確実に排
除できる。さらに請求項6記載のワックス塗布装置によ
れば、缶体へのワックス塗布の均一化を実現しつつ塗布
ローラーへのワックスの供給量を必要最小限まで絞り込
んでワックス消費量を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】缶体のネッキング方法を説明するための概略図
である。
【図2】ワックス塗布装置とネッキング装置との関連を
説明するための概略正面図である。
【図3】従来のワックス塗布装置の一構造例を示す縦断
面側面図である。
【図4】本発明の一実施例のワックス塗布装置の縦断面
側面図である。
【図5】本発明の一実施例のワックス塗布装置の正面図
である。
【図6】本発明の一実施例のワックス塗布装置のガイド
プレートを示す概略正面図である。
【図7】本発明の一実施例のワックス塗布装置の缶体と
塗布ローラーとの接触軌跡を塗布ローラー上において見
た概略図である。
【図8】塗布ローラーとドクターローラーの支持構造の
変形例を示す平面図である。
【図9】塗布ローラーとドクターローラーの支持構造の
他の変形例を示す一部を断面下側面図である。
【図10】本発明の他の実施例におけるワックス塗布装
置の右側面図である。
【図11】図10に示すワックス塗布装置のワックスパ
ン回りを断面視して示す図である。
【図12】図11のXII方向からの矢視図である。
【図13】図12のXIII−XIII線における断面図であ
る。
【図14】図12に示すアプリケータローラー上を缶体
が通過する状態を示す斜視図である。
【図15】図12のXV−XV線における断面図である。
【符号の説明】
1 アルミ缶(缶体) 1a 開口部 1b 胴部 3 ネッキング装置 10 ワックス塗布装置 11 ガイドプレート 11a 隆起部(接触防止部) 12 ワックスパン 13 塗布ローラー 22 ピックアップローラー(供給ローラー) 26 ドクターローラー(調整ローラー) 27 アプリケーターローラー(塗布ローラー)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B21D 51/26 B21D 51/26 A (56)参考文献 特開 昭63−158155(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05C 1/02 B05D 1/28 B05D 7/00 B05D 7/24 301 B21D 51/26

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底円筒状の缶体を、その軸線と直交す
    る方向に沿って転動させるとともに、この缶体の開口部
    の外周面に、前記缶体の転動方向に沿う回転軸線を有す
    る塗布ローラーの外表面を接触させ、この塗布ローラー
    の表面に無溶剤系ワックスを付着させるとともに回転さ
    せることにより、この塗布ローラーに付着した前記無溶
    剤系ワックスを前記缶体の外周面に塗布することを特徴
    とするワックス塗布方法。
  2. 【請求項2】 有底円筒状の缶体の開口部の外周面にワ
    ックスを塗布するワックス塗布装置であって、 前記缶体がその軸線と直交する方向へ転動搬送されるガ
    イドプレートと、前記ワックスが収容されたワックスパ
    ンと、前記ガイドプレートの一側部に前記缶体の搬送方
    向と平行に配設され、かつ、搬送状態にある缶体の開口
    部の外周面が接触させられるとともに、前記ワックスパ
    ン内のワックスを前記缶体の開口部の外周面に塗布する
    塗布ローラーとを備えていることを特徴とするワックス
    塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記塗布ローラーの長さが前記缶体の外
    周長より大きく設定され、かつ前記塗布ローラーの両端
    部及び該両端部の周囲の少なくともいずれか一方には、
    前記缶体の開口部外周面と前記塗布ローラーとの接触を
    防止する接触防止部が設けられていることを特徴とする
    請求項2記載のワックス塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記ワックスパンに、当該ワックスパン
    内の前記ワックスに浸されて外周の一部が当該ワックス
    外に露出する供給ローラーが設けられ、この供給ローラ
    ーの外周面の前記ワックス外への露出部と前記塗布ロー
    ラーの外周面とが接触していることを特徴とする請求項
    2または請求項3記載のワックス塗布装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のワックス塗布装置におい
    て、前記供給ローラーの前記ワックス外への露出部のう
    ち、前記塗布ローラーとの接触部よりも当該供給ローラ
    ーの回転方向と反対側の位置に、当該供給ローラーと当
    接する調整ローラーが設けられていることを特徴とする
    ワックス塗布装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のワックス塗布装置におい
    て、前記供給ローラーに対する前記塗布ローラー及び前
    記調整ローラーの接触圧を調整する接触圧調整機構が設
    けられていることを特徴とするワックス塗布装置。
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