JP2890225B2 - 立体駐車装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、立体駐車装置の改良に
関し、特にエレベータの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、立体駐車装置では、例えば実開
平３―１３０８６５号公報に開示されているように、車
両を入庫する場合には、入出庫口に入った入庫車両をエ
レベータの昇降台に受け渡し、該昇降台を所定の駐車階
で待機中の走行台車のところまで下降させて入庫車両を
走行台車に受け渡し、該走行台車を目的の駐車棚のとこ
ろまで走行させて入庫車両を駐車棚に格納するようにな
されている。

【０００３】一方、車両を出庫する場合には、走行台車
を目的の駐車棚のところまで走行させて出庫車両を駐車
棚から受け取り、上記走行台車をエレベータの待機中の
昇降台のところまで走行させて出庫車両を昇降台に受け
渡し、該昇降台を入出庫口のところまで上昇させて出庫
車両を入出庫口から出庫するようになされている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
の立体駐車装置におけるエレベータは、１台の昇降台を
上下方向に往復移動させるだけであることから、車両を
１台ずつしか入出庫できず、しかも１台の車両を入出庫
している間は他の車両を入出庫することができず、先の
車両の入出庫が完了するまで待機しなければならないた
め、この間、入出庫待ちとなって入出庫の効率が悪くな
る。

【０００５】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、エレベータとして車両
を載せる複数の受け台を上下方向に循環させる方式のも
のを採用することにより、複数台の車両を連続して入出
庫し得るようにし、入出庫待ちをなくして入出庫の効率
を良くせんとすることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、昇降路に設けられ、車両を載せて入出庫
口と駐車部との間を昇降するエレベータを備えた立体駐
車装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。

【０００７】すなわち、本発明の第１の解決手段は、上
記エレベータを上下方向に鉛直面内で循環する複数本の
エンドレス線条と、該エンドレス線条に所定間隔をあけ
て接続された複数のプレート状受け台とを備えて構成す
る。さらに、該各受け台を受け面からの荷重に対しては
この荷重に抗してフラット面になる一方、受け面の反対
側からの荷重に対しては屈曲するように構成する。ま
た、上記各受け台をエンドレス線条が循環する過程で受
け面を上に向けた水平姿勢と受け面を横に向けた鉛直姿
勢とを交互に繰り返すように構成したことを特徴とす
る。

【０００８】本発明の第２の解決手段は、第１の解決手
段において、搬送方向がエレベータの受け台の移動方向
と同じ方向になるように該受け台と連動する受渡し手段
を入出庫口に設けたことを特徴とする。

【０００９】本発明の第３の解決手段は、第１の解決手
段において、搬送方向がエレベータの受け台の移動方向
と同じ方向になるように該受け台と連動する受渡し手段
を駐車部の昇降路との受渡し位置に設けたことを特徴と
する。

【００１０】本発明の第４の解決手段は、第１の解決手
段において、車両をパレットに搭載して入出庫するもの
とし、かつ駐車部を複数の駐車階に分ける。さらに、エ
レベータの複数の受け台の間隔を受け面を上に向けた水
平姿勢で上記各駐車階の各高さレベルに対応するように
設定したことを特徴とする。

【００１１】

【作用】上記の構成により、本発明の第１の解決手段で
は、入出庫口と駐車部との間を昇降するエレベータの複
数のプレート状受け台は、上下方向に鉛直面内で循環す
る複数本のエンドレス線条に所定間隔をあけて接続さ
れ、入出庫に際しては受け面を上に向けた水平姿勢で車
両を載せて昇降路を昇降する一方、入出庫後は受け面を
横に向けた鉛直姿勢で次の入出庫に備えて昇降路を循環
せしめられる。

【００１２】このことから、複数台の車両を待ち時間な
く連続して入出庫することができて入出庫の効率を良く
することができる。

【００１３】本発明の第２の解決手段では、入庫車両は
エレベータの受け台が移動する過程でその移動方向に受
渡し手段により上記受け台上に押し出され、該受け台の
移動により受け台に載せられることから、受け台には車
両を引き込むための受渡し手段がいらず、装置が簡素に
なるとともに設備費が低減する。

【００１４】一方、出庫車両は上記受け台が移動する過
程でその移動方向に押し出されるとともに受渡し手段に
より同方向に引き込まれて受渡し手段に受け渡されるこ
とから、受け台には車両を押し出すための受渡し手段が
いらず、装置が簡素になるとともに設備費が低減する。

【００１５】本発明の第３の解決手段では、入庫車両は
駐車部の昇降路との受渡し位置に来ると、受け台が移動
する過程でその移動方向に押し出されるとともに受渡し
手段により同方向に引き込まれて受渡し手段に受け渡さ
れることから、受け台には車両を押し出すための受渡し
手段がいらず、装置が簡素になるとともに設備費が低減
する。

【００１６】一方、出庫車両は駐車部の昇降路との受渡
し位置に来ると、受け台が移動する過程でその移動方向
に受渡し手段により上記受け台上に押し出され、該受け
台の移動により受け台に載せられることから、受け台に
は車両を引き込むための受渡し手段がいらず、装置が簡
素になるとともに設備費が低減する。

【００１７】本発明の第４の解決手段では、受け面を上
に向けた水平姿勢の複数の受け台が複数の駐車階の各高
さレベルに対応することから、各受け台と各駐車棚との
間において車載パレットの同時受渡しが可能となり、複
数台の車両の入庫又は出庫が並行して行われ、入出庫の
効率が一段と良くなる。

【００１８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１９】（第１実施例）図１および図２は本発明の
第１実施例に係る立体駐車装置を示す。図１および図２
において、１は地上に設けられた入庫口、２は地下に設
けられた駐車部、３は上記入庫口１と駐車部２とを連絡
する昇降路であって、該昇降路３には車両Ｃを載せて入
庫口１と駐車部２との間を昇降するエレベータ４が設置
されている。

【００２０】上記駐車部２は上段駐車階５と下段駐車階
６とに上下２段に分けられ、該上段および下段駐車階
５，６には複数の駐車棚７，７，…が設けられている。
また、上段および下段駐車階５，６と昇降路３（エレベ
ータ４）との間には走行路８が設けられ、該走行路８に
は走行台車９がレール１０，１０に沿って走行可能に配
置されている。該走行台車９は移載台１１が基台１２に
２組のＸ字状に組まれた支持アーム１３，１３によって
支持されて構成され、上記移載台１１には受渡し手段と
してのプレート状のフォーク１４が設置されており、移
載台１１を図示しない昇降装置によって昇降させること
により、フォーク１４を上段および下段駐車階５，６の
各高さレベルに対応するように位置付け、フォーク１４
の水平移動によりパレットＰを上段および下段駐車階
５，６もしくはエレベータ４との間で受け渡すようにな
されている。

【００２１】本発明の特徴として、上記エレベータ４
は、上下方向に鉛直面内で循環する複数本（４本）のエ
ンドレス線条としてのエンドレスチェーン１５，１５、
１６，１６を備えてなり、該エンドレスチェーン１５，
１５、１６，１６のうち２本のエンドレスチェーン１
５，１５は、他の２本のエンドレスチェーン１６，１６
の外側で５つのスプロケット１７，１７，…に巻き掛け
られて略縦長矩形に配置されている一方、内側の２本の
エンドレスチェーン１６，１６は４つのスプロケット１
８，１８，…に巻き掛けられて略Ｌ字形に配置されてい
る。

【００２２】また、上記４本のエンドレスチェーン１
５，１５、１６，１６のうち外側の２本のエンドレスチ
ェーン１５，１５には、矩形に形成された複数のプレー
ト状受け台１９，１９，…の一端側が所定間隔をあけて
接続されているとともに、内側の２本のエンドレスチェ
ーン１６，１６には各受け台１９の他端側が所定間隔を
あけて接続され、これにより各受け台１９は４本のエン
ドレスチェーン１５，１５、１６，１６に所定間隔をあ
けて支持されている。

【００２３】さらに、上記各受け台１９は受け面１９ａ
からの荷重に対してはこの荷重に抗して１枚板のように
フラット面になる一方、受け面１９ａの反対側からの荷
重に対しては複数箇所で屈曲するように構成され、これ
により、上記４本のエンドレスチェーン１５，１５、１
６，１６が循環する過程で受け面１９ａを上に向けた水
平姿勢と受け面１９ａを横に向けた鉛直姿勢とを交互に
繰り返すようになされている。つまり、各受け台１９
は、入庫口１で車両Ｃを載せて駐車部２側の受渡し位置
まで下降する間は受け面１９ａを上に向けた水平姿勢で
移動する一方、車両Ｃを走行台車９に受け渡してから入
庫口１に上昇する間は受け面１９ａを横に向けた鉛直姿
勢で移動するようになされている。

【００２４】また、上記各受け台１９の間隔は受け面１
９ａを上に向けた水平姿勢の受け台１９が上段および下
段駐車階５，６の各高さレベルに対応するように設定さ
れており、上段駐車階５に入庫する際には走行台車９の
移載台１１を図１仮想線にて示すように上昇させて受け
台１９、フォーク１４および上段駐車階５の各高さレベ
ルを同じにする一方、下段駐車階６に入庫する場合には
走行台車９の移載台１１を図１実線にて示すように下降
させて受け台１９、フォーク１４および下段駐車階６の
各高さレベルを同じにするようになされている。

【００２５】一方、上記入庫口１には、複数本のローラ
２０ａ，２０ａ，…からなる受渡し手段としてのローラ
コンベア２０が設置され、該ローラコンベア２０は搬送
方向がエレベータ４の受け台１９の移動方向（図１右
側）と同じ方向になるように該受け台１９と連動せしめ
られている。

【００２６】次に、車両ＣをパレットＰに搭載して入庫
する要領について説明する。

【００２７】まず、車両Ｃが入庫口１に入ってローラコ
ンベア２０上の空パレットＰに乗り入れると、車載パレ
ットＰがローラコンベア２０の駆動によりエレベータ４
側に押し出され、この押出し方向に移動する受け台１９
に載せられる。この際、図３仮想線にて示すように、車
載パレットＰの先端が受け台１９の水平に移行する先端
部分に乗り、その後、図４に示すように、徐々に車載パ
レットＰが受け台１９に乗り移り、最後には、図５に示
すように、車載パレットＰが受け台１９に完全に乗り移
るようになされることから、受け台１９に車載パレット
Ｐを引き込むための受渡し手段を設けずに済み、装置の
簡素化および設備費の低減化を図ることができる。

【００２８】また、複数の受け台１９，１９，…を循環
させるようにしていることから、複数台の入庫車両Ｃ，
Ｃ，…を次々と連続して駐車部２に送り込むことがで
き、入庫待ちする必要がなく車両Ｃを効率良く入庫する
ことができる。

【００２９】次いで、車載パレットＰを載せた受け台１
９が昇降路３を下降して駐車部２側の受渡し位置に来る
と、走行台車９上のフォーク１４で上記車載パレットＰ
を引き込み、走行台車９を所定の上段または下段駐車階
５，６のところまで走行させて該上段または下段駐車階
５，６に車載パレットＰをフォーク１４で受け渡し、車
両ＣをパレットＰごと上段または下段駐車階５，６に格
納するなお、上記実施例では、入庫側についてだけ説明
したが、出庫側についても同じ構造のエレベータ４を設
置し、該エレベータ４を入庫側と逆向きに駆動するだけ
で車両Ｃを出庫することができるものである。

【００３０】したがって、出庫側についても、出庫口に
ローラコンベア２０を設置するだけで受け台１９の移動
に伴って車載パレットＰを上記ローラコンベア２０に押
し出し、その後はローラコンベア２０の駆動により車載
パレットＰを引き込めばよいので、入庫側と同様に受け
台１９に車載パレットＰを押し出すための受渡し手段を
設けずに済み、装置の簡素化および設備費の低減化を図
ることができる。また、複数の受け台１９，１９，…を
循環させることにより、複数台の出庫車両Ｃ，Ｃ，…を
次々と連続して出庫口に送り出すことができ、出庫待ち
する必要がなく車両Ｃを効率良く出庫することができ
る。

【００３１】（第２実施例）図６は本発明の第２実施例
を示し、この第２実施例では、走行台車９として、基台
１２上に受渡し手段としてのフォーク１４を直接に設け
るとともに、上記基台１２上に支持台２１を介して別の
フォーク１４を設けた２段式のフォーク１４を備えたも
のを採用し、下段のフォーク１４を下段駐車階６および
最下段の水平姿勢の受け台１９の高さレベルに対応させ
るとともに、上段のフォーク１４を上段駐車階５および
下から２段目の水平姿勢の受け台１９の高さレベルに対
応させたたほかは、第１実施例と同一に構成したので、
同一の構成部分については同一の符号を付してその詳細
な説明を省略する。

【００３２】したがって、この第２実施例では、第１実
施例と同様の作用効果を奏することができるものであ
る。

【００３３】加えて、この第２実施例では、車載パレッ
トＰを上下２段のフォーク１４，１４を備えた走行台車
９を介して上下２段の受け台１９，１９と上段および下
段駐車階５，６との間で同時に受け渡して入出庫するこ
とができることから、複数台の車両Ｃ，Ｃ，…の入庫又
は出庫を並行して行うことができて入出庫の効率を一段
と良くすることができる。

【００３４】なお、上記各実施例では、走行台車９に受
渡し手段としてフォーク１４を設けたが、走行台車９に
入庫口１側と同様のベルトコンベアを設け、車載パレッ
トＰが受渡し位置に来た際、上記ベルトコンベアをその
搬送方向がエレベータ４の受け台１９の移動方向と同じ
方向になるように該受け台１９と連動させるようにして
もよい。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に係る本
発明によれば、複数のプレート状受け台を入出庫に際し
ては受け面を上に向けた水平姿勢で車両を載せて昇降路
を昇降させる一方、入出庫後は受け面を横に向けた鉛直
姿勢で次の入出庫に備えて昇降路を循環させるようにし
たので、複数台の車両を待ち時間なく連続して入出庫す
ることができて入出庫の効率を良くすることができる。

【００３６】請求項２に係る本発明によれば、搬送方向
がエレベータの受け台の移動方向と同じ方向になるよう
に該受け台と連動する受渡し手段を入出庫口に設けたの
で、受け台に受渡し手段を設けずとも車両を両者間で受
け渡すことができ、装置の簡素化および設備費の低減化
を図ることができる。

【００３７】請求項３に係る本発明によれば、搬送方向
がエレベータの受け台の移動方向と同じ方向になるよう
に該受け台と連動する受渡し手段を駐車部の昇降路との
受渡し位置に設けたので、受け台に受渡し手段を設けず
とも車両を両者間で受け渡すことができ、装置の簡素化
および設備費の低減化を図ることができる。

【００３８】請求項４に係る本発明によれば、受け面を
上に向けた水平姿勢の複数の受け台を複数の駐車階の各
高さレベルに対応させた状態で、車両をパレットごと各
受け台と各駐車棚との間で受け渡して入出庫するので、
複数台の車両の入庫又は出庫を同時に並行して行うこと
ができて入出庫の効率を一段と良くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例に係る立体駐車装置の縦断面図であ
る。

【図２】エレベータの斜視図である。

【図３】入庫口において車両をローラコンベアからエレ
ベータの受け台に受け渡す初期段階を示す図である。

【図４】入庫口において車両をローラコンベアからエレ
ベータの受け台に受け渡す中途段階を示す図である。

【図５】入庫口においてローラコンベアからエレベータ
の受け台への車両受渡しが完了した状態を示す図であ
る。

【図６】第２実施例に係る立体駐車装置の縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 入庫口 ２ 駐車部 ３ 昇降路 ４ エレベータ ５ 上段駐車階 ６ 下段駐車階 １４ フォーク（受渡し手段） １５ エンドレスチェーン（エンドレス線条） １９ 受け台 １９ａ 受け面 ２０ ローラコンベア（受渡し手段） Ｃ 車両 Ｐ パレット

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降路に設けられ、車両を載せて入出庫
   口と駐車部との間を昇降するエレベータを備えた立体駐
   車装置であって、上記エレベータは、上下方向に鉛直面
   内で循環する複数本のエンドレス線条と、該エンドレス
   線条に所定間隔をあけて接続され、受け面からの荷重に
   対してはこの荷重に抗してフラット面になる一方、受け
   面の反対側からの荷重に対しては屈曲し、かつエンドレ
   ス線条が循環する過程で受け面を上に向けた水平姿勢と
   受け面を横に向けた鉛直姿勢とを交互に繰り返す複数の
   プレート状受け台とを備えてなることを特徴とする立体
   駐車装置。
2. 【請求項２】 入出庫口には、搬送方向がエレベータの
   受け台の移動方向と同じ方向になるように該受け台と連
   動する受渡し手段が設けられていることを特徴とする請
   求項１記載の立体駐車装置。
3. 【請求項３】 駐車部の昇降路との受渡し位置には、搬
   送方向がエレベータの受け台の移動方向と同じ方向にな
   るように該受け台と連動する受渡し手段が設けられてい
   ることを特徴とする請求項１記載の立体駐車装置。
4. 【請求項４】 車両はパレットに搭載されて入出庫され
   るものであり、かつ駐車部は複数の駐車階に分けられて
   おり、エレベータの複数の受け台の間隔は受け面を上に
   向けた水平姿勢で上記各駐車階の各高さレベルに対応す
   るように設定されていることを特徴とする請求項１記載
   の立体駐車装置。