JP2890053B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 イ.産業上の利用分野 本発明は磁気テープ、磁気シート、磁気ディスク等の
磁気記録媒体の製造方法に関するものである。
ロ.従来技術 一般に、磁気テープ等の磁気記録媒体は、磁性粉、バ
インダ樹脂等からなる磁性塗料を支持体上に塗布、乾燥
することによって製造される。
磁性層が単層からなる磁気記録媒体においては、高密
度記録への要求が高まり、強磁性粉末の微細化や磁性層
表面の平滑化が進められている。このような強磁性粉末
の微細化や磁性層表面の平滑化に伴い、これを用いた磁
気記録媒体の電磁変換特性は向上するが、走行耐久性の
面においては不利となる。即ち、磁気ヘッド、ガイドポ
スト及び回転ヘッド用シリンダ等と磁性層との接触部に
おいて摩擦が増大したり、磁性層表面の傷の発生、或い
は強磁性粉末の磁性層からの脱落などが起きやすく、従
ってドロップアウトが発生しやすいという問題がある。
また、磁性層の走行耐久性が低いと、特に制止画像を連
続的に再生する条件下(スチルモード)における磁性層
の寿命(スチルライフ)が低下することになる。
このように微細化された強磁性粉末を用いた磁気記録
媒体の走行耐久性の向上を目的として、磁性層にCr
2O3、Al2O3、TiO2、SiO2等の研磨剤が添加されている
(特開昭64-37717号、同61-283030号、同53-133406号、
同57-55973号、同61-57036号公報)。
しかしながら、このように研磨剤を添加する場合に
は、その添加量や粒径の選択が難しく、例えば、研磨剤
の添加量が多すぎると、磁性層の走行耐久性は向上する
ものの、磁性層と磁気ヘッドとの接触性が低下すること
から電磁変換特性が低下し、反対に添加量が少ない場合
は十分な耐久性が得られない。また、研磨剤の粒径につ
いても、粒径が小さければ、ヘッド摩耗量は少ないがス
チル特性が劣り、粒径が大きいと、スチル特性は向上す
るがヘッド摩耗量は多くなる。このため、従来の単一磁
性層の磁気記録媒体においては、適当な粒径の研磨剤を
使用して、ヘッド摩耗量とスチル特性とのバランスを得
るようにしていたが、両者の特性を十分には満足させる
ことはできない。
他方、磁気記録媒体、特に短波長記録を要求されるビ
デオ用磁気記録媒体においては、磁気記録容量を高めた
り、或いは媒体の高周波域と低周波域とにおける磁気記
録特性を共に向上させ、均衡させるべく、複数の磁性層
を有する媒体が提案されている(特開昭48-98803号、特
開昭59-172142号、特公昭52-2218号、特開昭51-64901
号、特公昭56-12937号、特開昭63-146211号、特開昭60-
47228号各公報等)。これらの公知技術によれば、磁性
層の上層に比較的微粒子の磁性粉を用い、下層にそれよ
り大きな磁性粉を用いて、上層でビデオ出力をうけも
ち、下層でクロマ・オーディオ出力をうけもつように設
計されている。
こうした複数の磁性層を有する磁気記録媒体では、上
述した単層の場合とは全く異なって、一般に、上層は下
層に比べて薄い(通常は上層0.6〜1μm、下層1.5〜4
μm)ため、研磨剤の添加については単層磁性層の場合
と同様に考えられない。例えば、特開昭63-146211号公
報や特開昭60-47228号公報には、磁性層の上、下の両層
に研磨剤を含有させること、即ち、上層及び下層に夫々
磁性粉100重量部に対して1重量部又は2重量部のアル
ミナを添加することが示されているが、これらはいずれ
も、磁性層の研磨力が弱くて表面が平滑であるために、
磁気ヘッドとの摺接時に生じる摺動ノイズを下げたり、
スチル耐久性、RF出力を高める上で不十分であることが
分かった。これは、アルミナの量的な問題だけでなく、
磁性層の上層が非常に薄い等、単層磁性層では予測でき
ない特殊な問題が存在するからであると思われるが、上
記した各公報にはその対策は何ら講じられてはいない。
従来の媒体はいずれも、下層の磁性層による影響を考
慮して上層の磁性層を表面性良好に形成すること、或い
は、媒体の表面性を適度にして高出力、高S/Nを得るよ
うに上下の各磁性層の塗布条件の相関性を決めることに
おいて、未だ十分な条件を見出し得ていない。この結
果、媒体の表面がある場合には鏡面化しすぎてその走行
時に摺動ノイズが大きくなり、また媒体の表面が荒れて
いる時には電磁変換特性が低下する。特に、研磨剤の粒
径、量によっては、その分散性が悪くなり、磁性層表面
に存在する量が少なくなり、従って必要量の研磨剤を表
面に分布させるにはその量を増やさなくてはならず、そ
のために電磁変換特性を低下させることになる。
ハ.発明の目的 本発明の目的は、磁性層が複数層からなる磁気記録媒
体の製造方法において、その電磁変換特性を良好に発揮
させながら、走行耐久性を向上させ、ヘッド摩耗やヘッ
ドの傷付きを減らし、更にスチルモード時におけるスチ
ル特性等の耐久性を向上させてドロップアウト、ヘッド
白濁化、摺動ノイズを大きく減少させる媒体の製造方法
を提供することにある。
ニ.発明の構成 即ち、本発明は非磁性支持体上に少なくとも1層から
なる下層と最上層との複数の磁性層を有し、前記最上層
の磁性層は、該磁性層中に、該磁性層中の磁性粉100重
量部に対して平均粒径0.4μm以下のアルミナ粒子を3
〜15重量部含有し、前記下層の磁性層の少なくとも1層
は、該磁性層中に、該磁性層中の磁性粉100重量部に対
して平均粒径0.4μm以下の非磁性酸化物粒子を0.5〜10
重量部(但し、複数層の下層に含まれる場合は、各層に
おいて夫々0.5〜10重量部)含有する磁気記録媒体であ
って、 該磁気記録媒体の前記最上層の磁性層は、磁性塗料を
塗布することにより構成し、前記磁性塗料は、前記アル
ミナ粒子をそのまま前記磁性粉を含む塗料中に添加せ
ず、前記アルミナ粒子を予め別に分散した塗料の形態で
前記磁性粉を含む塗料中に添加することにより得、且
つ、前記非磁性酸化物粒子を有する下層の磁性層は、前
記非磁性酸化物粒子をそのまま前記磁性粉を含む塗料中
に添加せず、前記非磁性酸化物粒子を予め別に分散した
塗料の形態で前記磁性粉を含む塗料中に添加することに
より得ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法に関
するものである。
本発明に係わる磁気記録媒体は、磁性層を複数の層
(最上層と少なくとも1層の下層)で構成しているの
で、そのうちの上層でビデオ出力等の高域の記録、再生
特性を良好とし、かつ下層でクロマ、オーディオ出力等
の比較的低域の記録、再生特性を良好にするように、各
層を形成することができる。このためには一般に、上層
(特に最上層)の保磁力(Hc)を下層よりも大とし、か
つ上層の膜厚(又は層厚)は薄いことが必要であり、特
に1.0μm以下とするのが望ましい。また、この上層に
隣接する下層の膜厚は1.5〜4.0μmとするのが望まし
い。
本発明において、磁性層を構成する複数層は互いに隣
接していることが望ましい。上記の下層は1層であって
よいし、或いは2層以上であってもよいが、このうちの
少なくとも1層(特に最上層に隣接した下層)と、最上
層との一方、又は双方には、上記したカーボンブラック
ペーストを添加する。但し、各層間には明確な境界が実
質的に存在する場合以外に、一定の厚みで以て、両層の
磁性粉が混在してなる境界領域が存在する場合がある
が、こうした境界領域を除いた上又は下側の層を上記の
各層とする。特に、本発明の媒体は、各磁性層を湿潤同
時重層塗布(wet-on-wet)方法で塗布形成するときに好
適である。勿論、下層を乾燥後に上層を塗布するwet-on
-dry方法でもよい。
本発明では、最上層には、研磨力に優れたアルミナ
(特にα−アルミナ)粒子を特定粒径(0.4μm以下)
で特定の割合(磁性粉100重量部に対して3〜15重量
部)で含有させているが、ここで注目すべきことは、最
上層に対してアルミナを単に含有させるのではなく、上
記のアルミナの粒径及び量と、本発明の他の構成要件
(下層の非磁性酸化物粒子の粒径、量)とを組み合わせ
ることにより、その相乗効果が発現され、はじめて上記
したヘッド摩耗、摺動ノイズ、ヘッド白濁、ドロップア
ウトの低減、電磁変換特性の向上が十分に実現できるこ
とである。
即ち、本発明におけるような複数の磁性層の場合、意
外なことに、本発明に基づいて、最上層に含有させる研
磨剤(アルミナ)を3重量部以上と多めにしなければ、
最上層の表面が平滑になりすぎる傾向があるために、上
層の表面性を適度に出すことはできず、かつその研磨力
も不足してしまう。しかしながら、本発明のように研磨
剤の含有量を3重量部以上(特に、好ましくは重量部以
上)とすることによって、電磁変換性能を良好にしなが
らドロップアウト、ヘッド白濁、摺動ノイズを大きく減
少させることができるのである。最上層は膜厚が薄いた
めに、単位体積(膜厚)当たりの研磨剤量が十分とな
り、研磨効果を高めることができたのである。但し、15
重量部を超えると多すぎて、却って電磁変換特性や膜強
度、更にはヘッド摩耗が劣化してしまうので、研磨剤量
は15重量部以下とすべきである。更に好ましい範囲は2
〜10重量部である。この最上層のアルミナの平均粒径は
0.4μm以下とすべきであるが、これは、粒径が0.4μm
を超えると大きすぎて特に電磁変換特性(ルミS/N等)
が悪くなる。この平均粒径は0.10〜0.30μmがよく、0.
18〜0.25μmが更によい。
そして、この最上層の研磨剤と組み合わせて、下層の
少なくとも1層には、平均粒径0.4μm以下の非磁性酸
化物粒子(α−アルミナ、酸化クロム(Cr2O3)、シリ
カ、α−Fe2O3、TiO2及びジルコニア等)が磁性粉100重
量部に対して10重量部以下含有されていることも重要で
ある。ここで、平均粒径を0.4μm以下(好ましくは0.1
0〜0.30μm、更には0.18〜0.25μm)とした理由は上
記と同様であるが、添加量の方は、少ない方が最上層の
表面性に与える影響は少なく、電磁変換特性は向上する
ので、10重量部以下とするべきであり、2.0〜8.5重量部
がよく、2.5〜8.0重量部が更によい。下層への上記非磁
性酸化物(研磨剤)粒子の添加量は、添加される下層が
複数層の場合は各層において夫々10重量部以下とする。
なお、本発明において、上記の「平均粒径」とは、研
磨剤粒子100個当たりの長軸長の平均値を指す(以下、
同様)。
本発明では、上記した各層の研磨剤粒子は、通常のよ
うに、粉体のまま磁性塗料に添加されて塗布されるので
はなく、予め研磨剤粒子を別分散(特にバインダ樹脂中
に前分散)した研磨剤塗料を磁性塗料に添加しているこ
とも特徴である。即ち、この別分散によって、粉でその
まま分散させる場合に比べて研磨剤の分散を十二分に向
上させることができるので、電磁変換特性を良好に維持
しながら目的とする研磨力を発現することができる。
こうした研磨剤塗料を調製するのに用いるバインダ
(結合剤)樹脂として好適なものは、イソシアネート成
分としてイソホロンジイソシアネートを含有し、かつ、
好ましくはスルホン酸基等の極性基及び/又はその塩を
含有するポリウレタンである。或いは、好ましくは上記
のスルホン酸基等の極性基及び/又はその塩を含有する
ポリエステルである。
このようなスルホン酸塩の基等を含有するポリウレタ
ン、特にポリエステルポリウレタンは、上記のスルホン
酸塩の基等を含有するポリエステルの出発材料であるジ
カルボン酸とスルホン酸塩の基等を含有しないジカルボ
ン酸とジオールとの3種類の化合物とジイソシアネート
(特にイソホロンジイソシアネート)とを用いて、縮合
反応と付加反応とにより得ることができる。ポリウレタ
ンの場合は、例えばジオールにスルホン酸塩の基等を導
入し、同様にしてウレタン樹脂を合成することができ
る。ポリエステルの場合は、上記のジカルボン酸とジオ
ールとを縮合反応させることによって合成できる。その
他にも、バインダ樹脂として、例えば、ニトロセルロー
ス、ポリ塩化ビニル等、後述する縮合剤中からも選択可
能である。
上記のスルホン酸塩の基等の極性基は、−SO3M、−CO
OM、−PO(OM′)2(但し、Mは水素又はリチウム、カ
リウム、ナトリウム等のアルカリ金属、M′は水素、リ
チウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属又は炭
化水素残基)等の親水性極性基として表せる。こうした
極性基によって、研磨剤塗料と磁性粉とのなじみが向上
し、これによって相互の分散性を更に良くし、かつ研磨
剤の凝集も防止して塗液安定性を一層向上させることが
でき、ひいては媒体の耐久性をも向上させ得る。
なお、ポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル系樹
脂を変性して、極性基を導入する方法も考えられる。
即ち、これらの樹脂と、例えば Cl−CH2CH2SO3M、 Cl−CH2CH2OSO2M、 (但し、式中、M、M′は上記と同じ意味である。)等
の分子中に上記の極性基及び塩素を含有する化合物とを
脱塩酸反応により縮合させて導入する方法である。
なお、上記したカルボン酸成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸
等の芳香族ジカルボン酸;p−オキシ安息香酸、p−(ヒ
ドロキシエトキシ)安息香酸等の芳香族オキシカルボン
酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ト
リメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等のトリ
及びテトラカルボン酸などが挙げられる。これらの中で
も、好ましいのはテレフタル酸、イソフタル酸、アジピ
ン酸、セバシン酸である。上記スルホン酸金属塩の基を
含有するジカルボン酸成分としては、例えば5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタ
ル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、2−カリウ
ムスルホテレフタル酸などが挙げられる。
上記ジオール成分としては、例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−ト
リメチル−1,3−ネオペンタンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキ
シド付加物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキシ
ド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げら
れる。また、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどのトリ
及び/又はテトラオールを併用することもできる。
ポリウレタン樹脂を得るために使用される上記イソシ
アネート成分としては、例えば2,4−トリレンジイソシ
アネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェ
ニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネート、m−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフェニレンジイソシ
アネート、4,4′−ジイソシアネート−ジフェニルエー
テル、1,3−ナフタレンジイソシアネート、p−キシリ
レンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネー
ト、1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、1,4
−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、4,4−ジイ
ソシアネートジシクロヘキサン、4,4−ジイソシアネー
トジシクロヘキシルメタン、イソホロンジイソシアネー
トなどが挙げられる。
上記した別分散で得られる研磨剤塗料はペースト状を
呈していてよいが、研磨剤100重量部当たり樹脂量は5
〜25重量部がよく、更に10〜20重量部が好ましい。この
別分散の方法としては、研磨剤粒子とバインダを有機溶
剤と共に高粘度で前練りを行い、更に有機溶剤を加えて
低粘度で分散させていく。前練り法としては、三本ロー
ルミル、二本ロールミル、加圧ニーダー、連続ニーダ
ー、オープンニーダー、ワーナーニーダー等があり、低
粘度の分散法としては、サンドミル、ボールミル、レッ
ドデビル等がある。
本発明の磁気記録媒体は、例えば第1図に示すよう
に、ポリエチレンテレフタレート等からなる非磁性支持
体1上に、第1の磁性層2、第2の磁性層4をこの順に
積層したものである。また、この積層面とは反対側の支
持体面にはバックコート層3が設けられているが、これ
は必ずしも設けなくてもよい。第2の磁性層上にはオー
バーコート層を設けてもよい。第2図の例は、上層を更
に層5と6に分けている。
第1図及び第2図磨磁気記録媒体において、第1の磁
性層2の膜厚は1.5〜4.0μmとするのが好ましく、第2
の磁性層4の膜厚、又は第2、第3の磁性層5、6の合
計膜は1.0μm以下(例えば0.6μm)とするのが好まし
い。
磁性層2、4、5、6には磁性粉を含有せしめうる
が、こうした磁性粉としては、γ−Fe2O3、Co含有γ−F
e2O3、Fe3O4、Co含有Fe3O4等の酸化鉄磁性粉;Fe、Ni、C
o、Fe-Ni-Co合金、Fe-Ni合金、Fe-Al合金、Fe-Al-Ni合
金、Fe-Al-Co合金、Fe-Mn-Zn合金、Fe-Ni-Zn合金、Fe-A
l-Ni-Co合金、Fe-Al-Ni-Cr合金、Fe-Al-Co-Cr合金、Fe-
Co-Ni-Cr合金、Fe-Co-Ni-P合金、Co-Ni合金等Fe、Ni、C
o等を主成分とするメタル磁性粉等各種の強磁性粉が挙
げられる。最表面の磁性層4、6と他の磁性層2、5
(及び/又は2)とは、本発明に基づいて、前者4、6
を最上層、後者2、5又は5及び2を下層とする。
これらの磁性粉の中から、上記の各磁性層2、4に好
適なものを選択できる。例えば、上層4に下層2よりも
保磁力(Hc)の高いものを使用するとより高出力の媒体
にすることができる。
各磁性層中にはまた、潤滑剤(例えばシリコーンオイ
ル、グラファイト、二硫化モリブデン、二硫化タングス
テン、炭素原子数12〜20の一塩基性脂肪酸(例えばステ
アリン酸)や、炭素原子総数13〜40個の脂肪酸エステル
等を添加してもよい。
また、磁性層2、4、5、6に使用可能な結合剤とし
ては、平均分子量が約10000〜200000のものがよく、例
えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩
化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル
共重合体、ポル塩化ビニル、ウレタン樹脂、ブタジエン
−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビ
ニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテ
ートブチレート、セルロースダイアセテート、セルロー
ストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロ
セルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ
エステル樹脂、各種の合成ゴム系、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹
脂、シリコン樹脂、アクリル系反応樹脂、高分子量ポリ
エステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、
ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合
物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコール/
高分子量ジオール/イソシアネートの混合物、及びこれ
らの混合物等が例示される。
これらの結合剤は、上述した親水性極性基を有してい
ることが、磁性粉の分散性の点で望ましい。
また、バックコート層3を設ける場合、上記した結合
剤に硫酸バリウム等の非磁性粒子を含有させ、支持体裏
面に塗布する。
また、上記の支持体1の素材としては、ポリエチレン
テレフタレート、ポリプロピレン等のプラスチック、A
l、Zn等の金属、ガラス、BN、Siカーバイド、磁器、陶
器等のセラミックなどが使用される。
次に、上記した媒体の製造装置の一例を第3図に示
す。
この製造装置においては、第1図の媒体を製造するに
当たり、まず供給ロール32から繰出されたフィルム状支
持体1は、押し出しコータ10、11により上記した磁性層
2、4用の各塗料を塗布した後、例えば2000Gaussの前
段配向磁石33により配向され、更に、例えば2000Gauss
の後段配向磁石35を配した乾燥器34に導入され、ここで
上下に配したノズルから熱風を吹き付けて乾燥する。次
に、乾燥された各塗布層付きの支持体1はカレンダーロ
ール38の組合せからなるスーパーカレンダー装置37に導
かれ、ここでカレンダー処理された後に、巻取りロール
39に巻き取られる。各塗料は、図示しないインラインミ
キサーを通して押し出しコータ10、11へと供給してもよ
い。なお、図中、矢印Dは非磁性ベースフィルムの搬送
方向を示す。押し出しコータ10、11には夫々、液溜まり
部13、14が設けられ、各コータからの塗料をウエット・
オン・ウエット方式で重ねる。第2図の媒体を製造する
には、第3図において押し出しコータを更に1つ追加す
ればよい。
ホ.実施例 以下、本発明の実施例を説明する。
以下に示す成分、割合、操作順序等は、本発明の精神
から逸脱しない範囲において種々変更しうる。なお、下
記の実施例において「部」はすべて重量部である。
まず、下記の表−1に示した各組成物を夫々ニーダ
ー、サンドミルで混練、分散し、各磁性塗料を調製し
た。
上記の各磁性塗料を第3図に示した押し出しコータを
用いて夫々吐出させ、厚さ14μmのポリエチレンテレフ
タレートベース上に最上層が0.3μm、下層が2.5μmの
乾燥厚さとなるように塗布し、配向、乾燥処理を行った
後、スーパーカレンダー処理を施した。しかる後、以下
の組成のバックコート用塗料を磁性層の反対側の面に乾
燥厚さ1.0μmとなるよう塗布した。
カーボンブラック(平均粒径 20mμ) 40部 カーボンブラック(平均粒径300mμ) 5部 ニトロセルロース 25部 (旭化成社製セルノバBTH1/2) N−2301(日本ポリウレタン社製) 25部 コロネートL(日本ポリウレタン社製) 10部 シクロヘキサノン 400部 メチルエチルケトン 250部 トルエン 250部 このようにして幅広の磁性フィルムを得、これを巻き
取った。このフィルムを1/2インチ幅に断裁し、各ビデ
オテープとした。これらの各テープについて以下の性能
評価を行い、結果を表−2に示した。
(1)ヘッド白濁は以下の〜の要領で測定した。
測定前にヘッドのクリーニングを行い、ヘッド白濁が
ない状態にする。
サンプルテープ(No.1)<未使用>のテープに、6MHz
の単一周波数を基準テープに対して+20%の記録レベル
で10分間記録し、3回再生した後、8MHzの単一周波数を
基準テープに対して+20%の記録レベルで2分間記録す
る。
常温・低湿(20%)において、サンプルテープ(No.
2)<未使用>を巻始めから巻終わりまでビデオ信号を
記録しながらSPモードで走行させる。
サンプルテープ(No.1)への再度8MHzの単一周波数を
と同じ記録レベルで2分間記録し、再生する。
<評価> ◎…ヘッドのガラス部分に付着物が全くない。
○…前記付着物が一部存在する。
×…ヘッドの全面に付着物が存在する。
(2)摺動ノイズは次の〜の要領で測定した。
テープを走行させずに再生を行い、システムノイズを
スペクトラムアナライザで測定する。
サンプルテープについて1分間ずつ10回再生を行い、
摺動ノイズをスペクトラムアナライザで測定する。
8MHz付近のノズルレベルをシステムノイズを基準(0d
B)として10パスのノイズの値を読み取る。
(3)電磁変換特性は、ルミ−S/N、クロマ−S/Nについ
てビデオデッキ「HR-S7000」(JVC社製)を用い、ノイ
ズメーターとしてシバソク「925 D-1」を用いて測定し
た。各信号の周波数は次の通りである。
ルミ−S/N : 6MHz クロマ−S/N:629KHz (4)ドロップアウトは、「HR-S7000」において100%
ホワイト信号のドロップアウト数(15μs、−14dB)の
1分間平均値をシバソクドロップアウトカウンター(VH
01BZ)で測定した。
この結果によれば、本発明に基づいて、磁性層の最上
層及び下層に研磨剤を添加することによって、ルミ−S/
N等の電磁変換特性、走行耐久性(ヘッド白濁、ドロッ
プアウト)、摺動ノイズのすべての面で良好となる。こ
れは、最上層に所定粒径、量のα−アルミナを別分散で
添加したことと、最上層以外の層に所定粒径、量の非磁
性金属酸化物を別分散で添加したこと(テープの物性を
向上させ、ヘッドあたりを良くすること)との相乗効果
によるものと考えられる。
次に、第2図のように磁性層を層2、5、6と3層に
したとき(但し、上層6は第1図の4と同様であるが、
膜厚は0.3μm、中間層は第1図の2と4との中間のHc
(850Oe)で膜厚は0.3μm、下層2は第1図の2と同
じ)、上記と同様に性能評価を行ったところ、下記表−
3の結果が得られた。これによれば、2層の場合と同様
に、本発明の構成によって性能が十分に出ていることが
分かる。
ヘ.発明の作用効果 本発明は上述したように、磁性層の最上層に平均粒径
0.4μm以下のアルミナを磁性粉に対して3〜15重量部
添加しているので、電磁変換性能を良好にしながらドロ
ップアウト、ヘッド白濁、摺動ノイズを大きく減少さ
せ、ヘッド摩耗も減らすことができる。しかも、下層に
は平均粒径0.4μm以下の非磁性酸化物粒子を磁性粉に
対して10重量部以下としているので、最上層の表面性に
与える影響を少なく、電磁変換特性が向上する。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明を例示的に説明するものであって、 第1図、第2図は磁気記録媒体の一例の断面図、 第3図は磁気記録媒体の製造装置の概略図 である。 なお、図面に示す符号において、 1……非磁性支持体 2……下層磁性層 3……バックコート層 4、6……上層磁性層 5……中間磁性層 である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−89706(JP,A) 特開 昭62−219321(JP,A) 特開 平1−106331(JP,A) 特開 平1−251427(JP,A) 特開 昭62−16242(JP,A) 特開 昭62−134827(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/716 G11B 5/842 G11B 5/708

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に少なくとも1層からなる
    下層と最上層との複数の磁性層を有し、前記最上層の磁
    性層は、該磁性層中に、該磁性層中の磁性粉100重量部
    に対して平均粒径0.4μm以下のアルミナ粒子を3〜15
    重量部含有し、前記下層の磁性層の少なくとも1層は、
    該磁性層中に、該磁性層中の磁性粉100重量部に対して
    平均粒径0.4μm以下の非磁性酸化物粒子を0.5〜10重量
    部(但し、複数層の下層に含まれる場合は、各層におい
    て夫々0.5〜10重量部)含有する磁気記録媒体であっ
    て、 該磁気記録媒体の前記最上層の磁性層は、磁性塗料を塗
    布することにより構成し、前記磁性塗料は、前記アルミ
    ナ粒子をそのまま前記磁性粉を含む塗料中に添加せず、
    前記アルミナ粒子を予め別に分散した塗料の形態で前記
    磁性粉を含む塗料中に添加することにより得、且つ、前
    記非磁性酸化物粒子を有する下層の磁性層は、前記非磁
    性酸化物粒子をそのまま前記磁性粉を含む塗料中に添加
    せず、前記非磁性酸化物粒子を予め別に分散した塗料の
    形態で前記磁性粉を含む塗料中に添加することにより得
    ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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