JP2889740B2 - ボックス柱のタブの開先加工方法 - Google Patents

ボックス柱のタブの開先加工方法

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JP2889740B2 JP18754591A JP18754591A JP2889740B2 JP 2889740 B2 JP2889740 B2 JP 2889740B2 JP 18754591 A JP18754591 A JP 18754591A JP 18754591 A JP18754591 A JP 18754591A JP 2889740 B2 JP2889740 B2 JP 2889740B2
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山 健 二 奥
田 弘 文 園
野 文 彦 作
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマア−クを使っ
た切断(以下プラズマ切断という)によりボックス柱の
タブの開先加工を行う方法に関するもので、特に溶接用
の開先加工に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば各種鉄鋼材を用いるボックス柱の
製造過程において、ボックス柱内部の所定箇所に挿入す
るダイヤフラムはフランジ材およびウェブ材にエレク
トロスラグ溶接によって一体化される。
【0003】図6の(a)に、ダイヤフラムを一体化し
た段階のボックス柱の外観を、図6の(b)にボックス
柱の平面を、図6の(c)にボックス柱のIC−IC線
断面を示す。これらの図面において1がダイヤフラム、
2がフランジ材、3がウェブ材、4がエレクトロスラグ
溶接による溶接金属である。5は後にフランジ材2とウ
エブ材3とを工程のCO2 ガスシ−ルドア−ク溶接又
はサブマ−ジア−ク溶接するための開先、6はエレクト
ロスラグ溶接用のタブすなわち短尺部材である。ダイヤ
フラム1の端面とウエブ材3の間の空間に、フランジ材
のタブ6の穴を通してエレクトロスラグ溶接電極が挿
入され、この電極を引き上げつつエレクトロスラグ溶接
が継続され、これによる溶接金属4によりダイヤフラム
1がウェブ3に溶接されている。このようにダイヤフラ
ム1を溶接したボックス柱のタブ6部の概要を図7の
(a)に拡大して示す。ダイヤフラム1の溶接を終了し
た時点で、タブ6は不要となり、図7の(b)に示すよ
うに、タブ6が、開先と連続するように除去される。
従来、前記エレクトロスラグ溶接後のスタ−トタブおよ
びエンドタブ部(6)は、ガス切断の吹管を開先表面よ
り開先底部に向って移動させガス切断の後、カ−ボン電
極によるア−クエア−ガウジングにより溝加工し、さら
にグラインダ−研磨による仕上げ,又はカ−ボン電極に
よるア−クエア−ガウジングによる溝加工の後、グライ
ンダ−研磨により、開先整形されていた。つまり除去さ
れていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガス切
断,ア−クエア−ガウジングおよびグラインダ−研磨に
よる、一辺が垂直で他辺が垂直よりも水平方向に傾斜し
たν型もしくは両辺共に垂直よりも水平方向に傾斜した
v型の溝(以下両形状共にV型溝という表現に含まれる
ものとする)の溝加工では、多大の工数と時間を要す
る。また粉塵,騒音が発生する。さらに、溝加工した開
先部に炭素付着,浸炭層および窒化層ができ、CO2
スシ−ルドア−ク又は、サブマ−ジア−ク溶接時に、溶
接割れ,ピットおよびブロホ−ルなどの、溶接欠陥の発
生原因となる。このように従来は、タブ6等の短尺部材
の溝加工に多大の労力を要し、溝加工により作業環境が
悪化し、さらに、加工された溝の健全性が損なわれる、
という問題があった。
【0005】そこで、本発明は、粉塵,騒音の発生が少
なく、開先部に有害な成分を残さず、かつ短時間にタブ
の開先加工をすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のボックス柱のタ
ブの開先加工方法は、ウェブ材とフランジ材との当接部
に両材を溶接するための開先が、ダイヤフラムの位置を
外して形成され、これによりダイヤフラムをエレクトロ
スラグ溶接するためのタブが残ったボックス柱の、該ダ
イヤフラムを溶接した後の該タブに、一辺が垂直で他辺
が垂直よりも水平方向に傾斜したν型もしくは両辺共に
垂直よりも水平方向に傾斜したv型の溝一方の溝辺
形成するように、プラズマア−クを用いて所定の溝深さ
までプラズマ切断を施し次に、他方の溝辺を形成する
ようにプラズマア−クを用いてプラズマ切断を施し、そ
してさらに溝の底部をプラズマア−クを用いて整形,
清掃することを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明者らは、プラズマ切断で目標のV型溝加
工を行うための予備試験を行った。まず、図2に示す態
様の溝加工で、鋼種SM490A鋼の短尺試験片を用い
電流,速度およびト−チ角度θの、溝深さHにおよぼす
影響を調べた。短尺試験片の板厚tは150mm、長さ
Lは50mmであった。図3に、電流,速度の溝深さH
におよぼす影響を示す。なお、条件として、 電流250A,300A,350A、 速度50〜600mm/min、 インサ−トチップ径:2.6mm、 プラズマガス:Ar40リットル/min+H2 10リット
ル/min、 ア−クスタンドオフ:10mm、 である。図3より、電流が高くなる程、また速度が遅い
程溝深さHが大きくなることがわかる。
【0008】図4に、ト−チ角度(θ)の影響を調べた
結果を示す。条件は、 ト−チ角度25°,30°,35°、 電流:300A、 で他の条件は、前記と同様である。図4より、ト−チ角
度(θ)が小さい程溝深さは大きくなる。
【0009】次に、図5に示すように、目標溝深さにお
よぼす切断スタ−ト部からの距離の影響を調べた。試験
片は図2に示す形状で、 板厚(t):150mm、 板長さ(L):120mm である。図5中、 Aは、目標溝深さ45mm、ト−チ角度(θ):0°、電
流:300A,速度:400mm/min、 Bは、目標溝深さ45mm、ト−チ角度(θ):35°、電
流:300A,速度:320mm/min、 Cは、目標溝深さ80mm、ト−チ角度(θ):25°、電
流:300A,速度:120mm/min である。他の条件は、前記と同様である。図5におい
て、いずれの条件も切断スタ−ト部から100mm程度ま
で進むと、若干ドロスが上方へ吹上げ、さらに進んで切
断スタ−ト部から110mm以上になるとドロスが上方へ
激しく吹き上げ再溶着をするようになるとともに、目標
溝深さが得られなくなる。切断スタ−ト部から90mm以
下であると、ドロスが切断スタ−ト部へ安定して流出
し、ほぼ目標溝深さが得られた。
【0010】また、いずれの実験においも、粉塵,騒音
の発生が少なく、付着物のない切断面が得られた。
【0011】以上の内容から、本発明におけるプラズマ
ア−クを用いるプラズマ切断によって開先加工しうるタ
ブは、プラズマ切断の条件によって多少の差はあるが、
切断ドロスを排除して、良好な狭巾溝を加工できる長さ
であり、略110mm以下である。
【0012】なお、プラズマガスをArのみで流量40
〜60リットル/minでも同様の結果が得られた。以下実
施例により、本発明の効果を詳述する。
【0013】
【実施例】図1の(a)に示す、辺が垂直で他辺が垂直
よりも水平方向に傾斜したν型の開先溝5をフランジ材
2に形成した態様、および、図1の(b)に示す、両辺
共に垂直よりも水平方向に傾斜したv型の開先溝5をウ
エブ材3とフランジ材2の当接境界部に形成した態様
の、ダイヤフラム1をエレクトロスラグ溶接したボック
ス柱の、溶接金属4を形成したタブ部(6)の、ウエブ
材3とフランジ材2とのCO2 ガスシ−ルドア−クまた
はサブマ−ジア−-ク溶接をするための開先加工(すで
にある開先5と連続一体の溝加工)の例について説明す
る。なお、図1の(b)のタブを溝加工すると図1の
(c)に示す形となる。
【0014】プラズマア−ク切断による溝加工の本発明
方法による条件例を第1表に、また比較例として従来技
術を第2表に示す。なお、図1の(a)では、板厚t:
45mm,タブ長さL(図示せず):60mmである。
図1の(b)では、板厚t:80mm,タブ長さL(図
示せず):80mmである。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】まず、実験No.1は、プラズマ切断によ
り、ト−チ角度35°で図1の(a)のA1方向より溝
深さ45mmまで狭巾溝加工し、次いで、ト−チ角度0
°でA2の方向より狭巾の溝を、A1の方向からの溝底
部先端まで到達させ、ν型に削除し、最後にA3の方向
よりト−チ角度15°で溝底部を整形,清掃した。前記
溝加工の後CO2 ガスシ−ルドア−ク溶接による多層盛
溶接,またサブマ−ジア−ク溶接による1層盛溶接を行
ったが、溶接部にピット,ブロホ−ルおよび割れなどの
溶接欠陥は生じなかった。
【0018】実験No.2は、プラズマ切断によりト−
チ角度25°で図1の(b)のA1の方向より溝深さ8
0mmまで狭巾溝加工し、次いでA2の方向よりト−チ
角度−25°でA1の方向から狭巾溝加工の深さを溝底
部先端まで到達させてV字状に削除し溝を形成し、最後
にA3の方向よりト−チ角度0°で溝底部を整形,清掃
した。溝加工の後、サブマ−ジア−ク溶接による多層盛
溶接を行ったが、溶接部に欠陥は生じなかった。
【0019】比較例中、実験No.3は、図1の(a)
に示す開先を、カ−ボン電極によるア−クエア−ガウジ
ングで溝加工をした後、グラインダ−研磨で整形,清掃
した。加工時間は10minでプラズマ切断による実験N
o.1に比べ3.5倍もの時間を要した。
【0020】比較例中、実験No.4は、図1の(b)
に示す開先を、ガス切断の吹管を開先表面より開先底部
に向って移動させ切断した後、カ−ボン電極によるア−
クエア−ガウジングで溝加工し、さらにグラインダ−研
磨により整形,清掃した。加工時間は22.5minでプ
ラズマ切断による実験No.2に比べ5倍もの時間を要
した。また実験No.3および実験No.4は、粉塵お
よび騒音の発生が多い
【0021】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明方法によれ
ば、ボックス柱のタブ(6)の開先加工において、粉
塵,騒音の発生が少なく、開先部(5)に有害な成分を
残さず、かつ短時間に開先加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の実施例に用いた試験体の
部分断面を示す図である。(b)は、本発明の実施例に
用いた試験体の部分断面を示す図である。(c)は、
(b)の溝加工後の断面を示す図である。
【図2】 予備試験で実施した短尺試験材の加工態様を
示す斜視図である。
【図3】 図2に示す態様で実施したプラズマ切断の加
工結果を示すグラフであり、プラズマ切断の電流および
速度と溝深さの関係を示す。
【図4】 図2に示す態様で実施したプラズマ切断の加
工結果を示すグラフであり、ト−チ角度および速度に対
する溝深さの関係を示す。
【図5】 図2に示す態様で実施したプラズマ切断の加
工結果を示すグラフであり、切断スタ−トからの加工距
離と目標溝深さに対する実際の溝深さの偏差を示すグラ
フである。
【図6】 (a)は、加工途中のボックス柱の外観を示
す斜視図であり、(b)は平面図、(c)はIC−IC
線断面図である。
【図7】 (a)は、ν型開先を形成したボックス柱の
タブ部の拡大斜視図であり、(b)は、タブ部の切除加
工後の斜視図である。
【符号の説明】
1:ダイヤフラム 2:フランジ材 3:ウエブ材 4:エレクトロスラグ溶接による溶接金属 5:開先部 6:タブ部 7:プラズマ切断ト−チ t:板厚 L:加工長(タ
ブ長さ) θ:ト−チ角度 H:溝深さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 園 田 弘 文 千葉県習志野市東習志野7丁目6番1号 日鐵溶接工業株式会社 機器事業部 内 (72)発明者 作 野 文 彦 千葉県習志野市東習志野7丁目6番1号 日鐵溶接工業株式会社 機器事業部 内 (56)参考文献 特開 昭59−64164(JP,A) 特開 昭53−104550(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 10/00,31/00,33/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウェブ材とフランジ材との当接部に両材を
    溶接するための開先が、ダイヤフラムの位置を外して形
    成され、これによりダイヤフラムをエレクトロスラグ溶
    接するためのタブが残ったボックス柱の、該ダイヤフラ
    ムを溶接した後の該タブに、一辺が垂直で他辺が垂直よ
    りも水平方向に傾斜したν型もしくは両辺共に垂直より
    も水平方向に傾斜したv型の溝一方の溝辺を形成する
    ように、プラズマア−クを用いて所定の溝深さまでプラ
    ズマ切断を施し次に、他方の溝辺を形成するように
    ラズマア−クを用いてプラズマ切断を施し、そしてさら
    溝の底部をプラズマア−クを用いて整形,清掃する
    ことを特徴とする、ボックス柱のタブの開先加工方法。
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