JP2888662B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JP2888662B2
JP2888662B2 JP8888991A JP8888991A JP2888662B2 JP 2888662 B2 JP2888662 B2 JP 2888662B2 JP 8888991 A JP8888991 A JP 8888991A JP 8888991 A JP8888991 A JP 8888991A JP 2888662 B2 JP2888662 B2 JP 2888662B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の油圧制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の自動変速機には、トル
クコンバータとプラネタリギヤシステムとが設けられ、
トルクコンバータはエンジン出力軸のトルクをオイルを
介してタービンシャフトに伝達し、プラネタリギヤシス
テムはタービンシャフトのトルクを変速して変速機出力
軸に伝達するようになっている。ここで、プラネタリギ
ヤシステムは、その内部でのトルク伝達経路を切り替え
ることによって変速比が切り替えられるようになってい
る。そして、プラネタリギヤシステムには、トルク伝達
経路を切り替えるために、複数の油圧式クラッチと油圧
式ブレーキとが設けられる。かかる自動変速機において
は、トルクコンバータにオイルを供給し、かつプラネタ
リギヤシステムのクラッチとブレーキとに油圧をかけま
たはこれをリリースするために油圧制御装置が設けられ
る。
【0003】かかる油圧制御装置において、クラッチな
いしブレーキでのトルク伝達量に対して作動油圧(ライ
ン圧)が高すぎると、これらが急激にオン・オフされ、
変速ショックが生じるといった問題がある。また、逆に
作動油圧が低すぎると、クラッチあるいはブレーキの摺
接部に過度なすべりが生じ、変速に要する時間が長くな
り、かつクラッチあるいはブレーキが早期に摩耗すると
いった問題がある。
【0004】そこで、油圧制御装置の作動油圧を、エン
ジン負荷に応じて、すなわち、ほぼクラッチないしブレ
ーキでのトルク伝達量に応じて設定するようにし、変速
ショックの発生を防止しつつ、変速時間の短縮と摺接部
の摩耗の低減とを図るようにした自動変速機の油圧制御
装置が提案されている(例えば、特公昭61−4802
1号公報参照)。そして、かかる油圧制御装置において
は、1速〜2速、2速〜3速等の変速の種類に応じて、
夫々作動油圧のエンジン負荷に対する特性が異なるマッ
プが設けられ、このマップに従って運転状態に応じて適
正な作動油圧が設定されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般にエン
ジン負荷の検出にはスロットル開度センサが用いられる
が、かかるスロットル開度センサは、スロットル弁の開
度が小さい領域では、その検出精度が悪くなるといった
問題がある。このため、スロットル開度(エンジン負荷)
に応じて作動油圧を設定するようにした上記従来の油圧
制御装置では、スロットル開度が小さい領域での作動油
圧の制御が不安定となるといった問題がある。
【0006】これを改善するため、スロットル開度セン
サの検出値が、これ以下ではスロットル開度センサの信
頼性が低下するような限界値(切替値)より小さいときに
は、作動油圧を一定値に固定し、スロットル開度が小さ
い領域での作動油圧制御の安定化を図るようにした油圧
制御装置が提案されている。しかしながら、スロットル
開度が上記限界値より小さいような低負荷領域でも変速
が行なわれることがあるので(例えば、スロットル弁全
閉時でもバックアウト変速等の変速が行なわれる)、ス
ロットル開度が限界値より小さいときには作動油圧を固
定するようにした上記従来の油圧制御装置では、スロッ
トル開度が限界値より小さいときに変速ショックが発生
するといった問題がある。
【0007】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、基本的にはエンジン負荷に
応じて作動油圧を設定するようにした自動変速機の油圧
制御装置において、エンジン負荷が低い領域でも、作動
油圧の制御を安定化することができ、かつ変速ショック
の発生、変速の遅延、摺接部の摩耗等を有効に防止する
ことできる油圧制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、第1の発明は、エンジン負荷を検出するエンジン負
荷検出手段と、該エンジン負荷検出手段によって検出さ
れるエンジン負荷検出値に応じて油圧装置の作動油圧を
設定する作動油圧制御手段と、上記エンジン負荷検出値
が予め設定される切替値より小さいときには、該エンジ
ン負荷検出値に対する関係においては、油圧装置の作動
油圧を一定の低負荷時用油圧に固定する作動油圧固定手
段とが設けられた自動変速機の油圧制御装置において、
エンジンがアイドル状態にあるか否かを検出するアイド
ル状態検出手段と、変速時において上記アイドル状態検
出手段によってエンジンがアイドル状態にあることが検
出されたときには、上記低負荷時用油圧を低下させる低
負荷時用油圧変更手段とが設けられていることを特徴と
する自動変速機の油圧制御装置を提供する。
【0009】第2の発明は、第1の発明にかかる自動変
速機の油圧制御装置において、低負荷時用油圧変更手段
が、車速に応じて低負荷時用油圧を変更するようになっ
ていることを特徴とする自動変速機の油圧制御装置を提
供する。
【0010】第3の発明は、第1の発明にかかる自動変
速機の油圧制御装置において、エンジン負荷検出値に対
する作動油圧特性が、変速時と非変速時とに対して個別
的に、かつ低負荷時には非変速時の作動油圧が変速時の
作動油圧より低くなるように設定されていて、変速時に
おいて、アイドル状態検出手段によってエンジンがアイ
ドル状態にあることが検出されたときには、低負荷時用
油圧変更手段が非変速時用の作動油圧特性に従って作動
油圧を設定するようになっていることを特徴とする自動
変速機の油圧制御装置を提供する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図1に示すように、自動車用パワープラントPには、エ
ンジン1と自動変速機2とが設けられている。ここで、
エンジン1には、エアクリーナ3と吸気通路4と吸気マ
ニホールド5とを介して吸気が供給されるようになって
おり、この吸気量は、吸気通路4に介設されたスロット
ル弁6によって絞られるようになっている。
【0012】自動変速機2にはトルクコンバータ7と機
械式変速部8とが設けられている。そして、自動変速機
2は、エンジン出力軸(図示せず)のトルクを、トルクコ
ンバータ7で変速してタービンシャフト(図示せず)に伝
達し、このタービンシャフトのトルクをさらに機械式変
速部8で変速して変速機出力軸9に伝達するようになっ
ている。ここで、機械式変速部8は、プラネタリギヤシ
ステムで構成される普通の機械式変速機であって、図示
していないが、複数の油圧式クラッチと油圧式ブレーキ
とを備え、これらのクラッチとブレーキのオン・オフの
組み合わせを変えることによってトルク伝達経路を切り
替え、これによって変速比を切り替えるようになってい
る。
【0013】そして、トルクコンバータ7にオイルを供
給するとともに、ロックアップクラッチ(図示せず)ある
いは機械式変速部8の各種クラッチ、ブレーキ等(図示
せず)に油圧を供給しまたは油圧をリリースするために
油圧装置11が設けられ、この油圧装置11には、ライ
ン圧制御用ソレノイドバルブ12と、複数の変速用ソレ
ノイドバルブ13とが設けられている。これらのライン
圧制御用ソレノイドバルブ12と変速用ソレノイドバル
ブ13とは、夫々、コントロールユニット14からの信
号に従って作動するようになっている。ここで、ライン
圧制御用ソレノイドバルブ12は、後で説明するよう
に、車両の運転状態に応じて油圧装置11のライン圧
(作動油圧)を制御し、一方変速用ソレノイドバルブ13
は、車両の運転状態に応じて各種シフトバルブ(図示せ
ず)を切り替えてクラッチおよびブレーキのオン・オフ
の組み合わせを変え、機械式変速部8の変速比を切り替
えるようになっている。なお、コントロールユニット1
4には、スロットル弁6に対して設けられたスロットル
開度センサ15によって検出されるスロットル開度、車
速センサ16によって検出される車速、アイドルスイッ
チ17によって検出されるアイドル信号等が制御情報と
して入力されるようになっている。
【0014】図2に示すように、油圧装置11において
は、オイルパン21内のオイルが、オイルポンプ22に
よってオイル供給通路23に吐出され、このオイルが油
圧装置11の各部(例えば、マニュアルバルブ)、あるい
は自動変速機2(図1参照)の各部に供給されるようにな
っているが、オイルポンプ22の吐出圧はエンジン回転
数に伴って変化するので、オイル供給通路23内の油圧
すなわちライン圧を適正値に保持するためにライン圧制
御機構20が設けられている。
【0015】ライン圧制御機構20にはライン圧制御バ
ルブ24が設けられ、このライン圧制御バルブ24は、
後で説明するように、基本的にはコントロールユニット
14の指示に従って供給されるパイロット圧にほぼ比例
するライン圧を、オイル供給通路23に形成させるとと
もに、トルコン油路25を介してトルクコンバータ7
(図1参照)にトルク伝達用のオイルを供給するようにな
っている。
【0016】ライン圧制御バルブ24に供給される上記
パイロット圧は、減圧弁27と、スロットルモジュレー
タバルブ28と、アキュムレータ29と、コントロール
ユニット14からの信号に従って作動するライン圧制御
用ソレノイドバルブ12とによって、次のような機構で
形成されるようになっている。すなわち、オイル供給通
路23内の油圧(ライン圧)が、油圧導入通路26を介し
て減圧弁27に導入され、この減圧弁27によって減圧
された後、減圧油路31を介してスロットルモジュレー
タバルブ28の入力ポート28a,28bに入力される。
また、減圧油路31の油圧は、減圧油路31から分岐す
るデューティ圧通路33を介してスロットルモジュレー
タバルブ28のコントロールポート28cにも導入され
る。ここで、デューティ圧通路33内の油圧、すなわち
コントロールポート28cにかかる油圧は、コントロー
ルユニット14から入力されるデューティ比に応じて開
閉されるライン圧制御用ソレノイドバルブ12によって
制御される。なお、このデューティ比は、後で説明する
ように、コントロールユニット14によって、スロット
ル開度、車速、アイドル信号等に応じて所定の方法で設
定される。
【0017】そして、コントロールポート28cにかけ
られた油圧に対応する油圧が、パイロット圧としてスロ
ットルモジュレータバルブ28からパイロット圧通路3
2に出力される。ここで、パイロット圧通路32に臨ん
でアキュムレータ29が設けられ、このアキュムレータ
29によってパイロット圧通路32内の油圧振動ないし
脈動が吸収され、パイロット圧が安定化される。なお、
アキュムレータ29はドレンポート34と排圧ポート3
5とを備え、リリーフバルブとしても機能するようにな
っている。
【0018】このようにして形成されたパイロット圧通
路32内の油圧すなわちパイロット圧が、ライン圧制御
バルブ24に供給され、前記したとおり、ライン圧制御
バルブ24によって、このパイロット圧に比例するライ
ン圧がオイル供給通路23に形成される。
【0019】図3に示すように、ライン圧制御バルブ2
4は、実質的に、バルブボディ41と、このバルブボデ
ィ41に形成されたスプール穴42と、このスプール穴
42内に軸線方向に摺動可能に収容されたスプール43
と、スプール穴42とスプール43との間に介設された
スリーブ44とで構成されている。そして、スプール穴
42には複数の大径部が形成される一方、これらの大径
部と対応する位置において、スプール43に細軸部が形
成され、これらの対応する大径部内周面と細軸部外周面
との間に、夫々、パイロット圧通路32が配置された方
の端部側(図3では左側)から順に、第1〜第8油室45
〜52が形成されている。以下では、便宜上、スプール
43の軸線方向(図3では左右方向)にみて、パイロット
圧通路32側(図3では左側)を「左」といい、これと反対
側を「右」という。
【0020】第1油室45はパイロット圧通路32と連
通し、この第1油室45にはパイロット圧が導入される
ようになっている。このパイロット圧によってスプール
43には右向きの力が作用する。第2油室46は、他端
がオイルパン21(図2参照)に通じる第1ドレン油路5
3と連通している。第3油室47は、他端がマニュアル
バルブ(図示せず)のリバースポートに接続されるリバー
ス油路54と連通している。第4油室48は、他端がオ
イルパン21(図2参照)に通じる第2ドレン油路55と
連通している。第5油室49は、他端がトルクコンバー
タ7(図1参照)に接続されるトルコン油路25と連通し
ている。第6油室50は、他端がオイル供給通路23
(図2参照)に接続される第1ライン油路57と連通して
いる。第7油室51は、他端がオイルパン21(図2参
照)に通じるメインドレン油路58と連通している。第
8油室52は、他端がオイル供給通路23(図2参照)に
接続される第2ライン油路59と連通している。なお、
この第2ライン油路59には、第8油室52内の油圧振
動を打ち消すためにオリフィス60が介設されている。
【0021】ここで、第8油室52内のオイルと接する
部分において、スプール43の左側の受圧面63は比較
的大きく、一方右側の受圧面64は非常に小さいので、
この受圧面積の差によって、スプール23には、第8油
室52内の油圧すなわちライン圧に比例して左向きの力
が作用する。この左向きの力は、ライン圧制御における
ライン圧のフィードバック要素となる。また、スプール
43はスプリング62によって常時右向きに付勢されて
いる。上記構成において、スプール43には、実質的
に、第1油室45内の油圧(パイロット圧)による右向き
の力と、スプリング62による右向きの力と、第8油室
52内の油圧(ライン圧)による左向きの力とが作用する
ことになり、スプール43は、これらの力が釣り合うよ
うな位置に保持されることになる。なお、リバースシフ
ト時に第3油室47に油圧が導入されたときには、この
油圧によってスプール43には若干右向きの力が作用す
る。
【0022】ここで、パイロット圧が低い場合には、ス
プール43が左向きに移動し、これに伴ってランド65
が仮想線で示すA1位置にきて、第1ライン油路57と
メインドレン油路58との連通部の開口面積が大きくな
り、矢印Rで示すように第1ライン油路57内のオイル
すなわちオイル供給通路23(図2参照)内のオイルがメ
インドレン油路58にリリースされ、オイル供給通路2
3内の油圧すなわちライン圧が低くなる。逆に、パイロ
ット圧が上昇すると、スプール43が右向きに移動し、
ランド65が実線で示す位置にきて、第1ライン油路5
7とメインドレン油路58との連通部の開口面積が小さ
くなり、オイルのリリース量が減少してオイル供給通路
23内の油圧すなわちライン圧が上昇する。このように
して、パイロット圧にほぼ比例するライン圧が得られる
ようになっている。ここで、前記したとおり、第8油室
52に導入されるライン圧がフィードバック機能を有す
るので、ライン圧はパイロット圧に対応するようにフィ
ードバック制御されることになる。なお、エンジン運転
中においては、スプール43が比較的左側に位置し、第
1ライン油路57とトルコン油路25とが連通するの
で、オイル供給通路23(図2参照)内のオイルがトルコ
ン油路25を介してトルクコンバータ7(図1参照)に供
給される。なお、エンジン停止時にはランド66が仮想
線A2位置にくるので、第1ライン油路57とトルコン
油路25とが遮断される。
【0023】前記したとおり、パイロット圧はコントロ
ールユニット14からライン圧制御用ソレノイドバルブ
12に印加されるデューティ比に対応して形成され、一
方ライン圧はパイロット圧にほぼ比例して形成されるの
で、結局ライン圧はコントロールユニット14によって
設定されるデューティ比に対応して形成されることにな
る。ここで、ライン圧のデューティ比に対する特性は、
例えば図5のように設定される。
【0024】ところで、コントロールユニット14は、
マイクロコンピュータで構成され、スロットル開度、車
速、アイドル信号等を制御情報として、車両の運転状態
に応じて、油圧装置11の油圧制御(ライン圧制御)を行
なうようになっているが、以下、図4に示すフローチャ
ートに従って、適宜図1〜図3を参照しつつ、油圧制御
の制御方法を説明する。
【0025】制御が開始されると、ステップ#1でスロ
ットル開度センサ15によって検出されるスロットル開
度TVθが読み込まれ、ステップ#2で車速センサ16
によって検出される車速が読み込まれ、ステップ#3で
アイドルスイッチ17によって検出されるアイドルスイ
ッチ信号が読み込まれる。
【0026】次に、ステップ#4で車両が変速すべき運
転状態にあるか否かが比較・判定される。コントロール
ユニット14のROMには、例えば図6に示すように、
スロットル開度TVθと車速Vとを元とする変速マップ
が記憶されており、前回の運転状態と今回の運転状態と
をかかる変速マップに照らし合わせて、変速すべき運転
状態にあるか否かを判定するようになっている。
【0027】ステップ#4で、変速すべき運転状態にな
いと判定されれば(NO)、ステップ#5で通常時用油圧
マップ(非変速時用マップ)に従って、油圧装置11の作
動油圧(ライン圧)が設定される。なお、ライン圧の設定
ないし制御は、前記したとおり、コントロールユニット
14からライン圧制御用ソレノイドバルブ12に印加す
るデューティ比を制御することによって行なわれる。図
7に示すように、かかる通常時用油圧マップG1におい
ては、基本的には、ライン圧がスロットル開度TVθの
関数として設定され、スロットル開度が大きいときほど
ライン圧が高められ、機械式変速部8のクラッチあるい
はブレーキでのトルク伝達容量に応じた適正なライン圧
が得られるようになっている。しかしながら、前記した
とおり、スロットル開度センサ15は、スロットル開度
TVθが小さい領域(低負荷領域)では、検出値にばらつ
きが生じ、その検出精度が低下する。このため、かかる
領域でスロットル開度TVθに対応させてライン圧を設
定するとライン圧制御が乱れてしまうので、スロットル
開度TVθが切替値θmより小さい領域では、ライン圧
を一定値P1に固定してライン圧制御の安定化を図るよ
うにしている。ここで、切替値θmは、これ以下ではス
ロットル開度センサ15の信頼性が十分に得られないよ
うな限界値に設定されている。この後、制御はステップ
#1に復帰する。
【0028】他方、ステップ#4で変速すべき運転状態
にあると判定されれば(YES)、ステップ#6でアイド
ルスイッチ信号がオンであるか否かが比較・判定され
る。ここで、アイドルスイッチ信号がオフであると判定
されれば(NO)、ステップ#7で変速の種類、すなわち
1速〜2速、2速〜3速、3速〜4速のいずれの変速で
あるかが判定され、続いて、テップ#8で、変速の種類
に応じて、変速時用油圧マップに従って油圧装置11の
油圧(ライン圧)が設定される。なお、変速時用油圧マッ
プが、変速の種類毎に設定されているのはもちろんであ
る。
【0029】図7に一例を示すように、変速時用油圧マ
ップG2も、通常時用油圧マップG1と同様に、基本的に
はスロットル開度TVθが大きいときほどライン圧が高
くなるような特性に設定され、かつスロットル開度TV
θが切替値θmより小さい領域では、ライン圧が一定値
2に固定され、ライン圧制御の安定化が図られてい
る。
【0030】ここで、通常時用油圧マップG1において
は、スロットル開度TVθが比較的小さい領域すなわち
低負荷領域では、ライン圧が、変速時用油圧マップG2
の場合より低い値に設定されている。これは、通常時
(非変速時)において、低負荷領域では機械式変速部8の
クラッチないしブレーキでのトルク伝達量が非常に小さ
くなるので、かかるトルク伝達量に応じたライン圧は、
変速時に必要とされるライン圧よりも小さくなるからで
ある。これに伴って、通常時用油圧マップG1の固定油
圧P1も、変速時用油圧マップG2の固定油圧P2より低
い値に設定されている。
【0031】これに対して、スロットル開度TVθが比
較的大きい領域すなわち高負荷領域では、通常時用油圧
マップG1のライン圧が、変速時用油圧マップG2のライ
ン圧よりも高い値に設定されている。これは、通常時に
おいて、高負荷領域では機械式変速部8のクラッチない
しブレーキでのトルク伝達量が大きくなるので、クラッ
チないしブレーキのすべりを防止するためにライン圧を
高める必要があるからである。逆に、変速時において
は、クラッチないしブレーキに適度なすべりが生じる方
が、クラッチないしブレーキの接続が円滑化され、変速
ショックの発生が防止されるので、ライン圧が比較的低
く設定されている。
【0032】次に、ステップ#9で変速操作が終了した
か否かが比較・判定され、変速操作が終了していないと
判定されれば(NO)、変速操作が終了するまでこのステ
ップ#9が繰り返し実行される。変速操作が終了してい
ると判定されれば(YES)、ステップ#1に復帰する。
【0033】前記のステップ#6で、アイドルスイッチ
信号がオンであると判定されれば(YES)、ステップ#
10で変速の種類が判定され、続いてステップ#11で
変速の種類に応じて、アイドル時用のライン圧制御が行
なわれる。前記したとおり、変速時においては、基本的
には、変速時用油圧マップG2に従って油圧制御が行な
われるようになっているが、この場合スロットル開度T
Vθがθmより小さい領域では、ライン圧制御の安定化
を図るために、ライン圧が一定値P2に固定される。し
かしながら、このようにすると、TVθ<θmとなる領
域において、スロットル開度TVθが比較的大きい場合
にはライン圧が適正値に保持されるものの、スロットル
開度TVθが比較的小さい場合には、機械式変速部8の
クラッチないしブレーキでのトルク伝達量に比較して、
ライン圧が高くなりすぎ、シフトアップ変速時に変速シ
ョックが発生することになる(例えば、加速状態からア
クセルを全閉するバックアウト変速時)。そこで、アイ
ドルスイッチ信号がオンとなった場合、すなわちスロッ
トル弁6がほぼ全閉される領域では、通常時用油圧マッ
プG1に従ってライン圧を設定し(固定油圧P1)、非アイ
ドル状態における変速時(固定油圧P2)よりライン圧を
低下させ、変速ショックの発生を防止するようにしてい
る。例えば、スロットル開度TVθがθiのときにアイ
ドルスイッチ信号がオンされるとすれば、変速時におけ
るライン圧のスロットル開度TVθに対する特性は、実
質的に図7中のG3のような特性となる。この場合、ア
イドルスイッチ17がオンされたときに、油圧マップを
変速時用油圧マップG2から通常時用油圧マップG1に切
り替えるだけでよく、新たにROMに制御情報を記憶す
る必要がない。このため、コントロールユニット14の
容量の増加を招かない。
【0034】なお、このように、アイドル状態における
変速時に、油圧マップを変速時用油圧マップG2から通
常時用油圧マップG1に切り替えるのではなく、固定油
圧を、新たにP2より低い所定値に設定するようにして
もよい。この場合には、例えば図8に示すように、車速
Vが速いときほど固定油圧を高めるようにするのが好ま
しい。すなわち、アイドル状態における変速例えばバッ
クアウト変速は、低速から高速までの広い車速領域にま
たがっているが、アイドル状態における変速時におい
て、ライン圧を一定値に保持した場合、高速時にはイナ
ーシャにより機械式変速部8のクラッチないしブレーキ
の容量不足が生じ、すべり感が発生するなどといったシ
フトフィーリングの悪化を招き、かつクラッチ焼けが発
生するおそれがある。逆に、低速時にはクラッチないし
ブレーキが容量過多となり、変速ショックが生じるおそ
れがある。そこで、前記したように、アイドル状態にお
ける変速時のライン圧を車速に応じて変えるようにすれ
ば、このような不具合の発生が防止され、変速ショック
の発生が防止されるとともに、変速に要する時間が一定
化され、クラッチないしブレーキの摺接部の過度なすべ
りの発生が防止され、摺接部の耐久性が高められること
になる。
【0035】この後、ステップ#9で、変速操作が終了
したか否かが比較・判定され、変速操作が終了していな
いと判定されれば(NO)、変速操作が終了するまでこの
ステップ#9が繰り返し実行される。変速操作が終了し
ていると判定されれば(YES)、ステップ#1に復帰す
る。以上、本発明によれば、油圧装置11のライン圧
が、車両の運転状態に応じて設定され、変速ショックの
発生が防止されるとともに、変速時間が一定化され、機
械式変速部8のクラッチないしブレーキの耐久性が高め
られる。
【0036】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、エンジン負
荷が切替値以上の場合には、ライン圧がエンジン負荷に
応じて設定されるので、クラッチないしブレーキでのト
ルク伝達量に応じたライン圧が得られ、変速ショックの
発生が防止される。また、エンジン負荷が切替値より小
さい場合には、ライン圧が固定されるので、エンジン負
荷検出手段の検出精度が低くなる低負荷領域でのライン
圧制御の安定化が図られる。そして、アイドルスイッチ
オン時における変速時には、作動油圧が下げられるの
で、ライン圧制御の安定性を保持しつつ変速ショックの
発生が防止される。
【0037】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、アイドルス
イッチオン時においる変速時には、作動油圧が車速に応
じて設定されるので、ライン圧がイナーシャに応じて設
定され、変速ショックの発生が防止されるとともに、変
速に要する時間が一定化され、クラッチ、ブレーキ等の
摺接部の過度のすべりの発生が防止され、クラッチない
しブレーキの耐久性が高められる。
【0038】第3の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、アイドルス
イッチオン時における変速時には、油圧マップを変速時
用油圧マップから通常時用油圧マップに切り替えること
によって、作動油圧を下げるようにしているので、制御
機構の複雑化あるいは容量増加を招かない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる油圧制御装置を備えた自動変速
機と、エンジンとからなるパワープラントの側面立面説
明図である。
【図2】油圧装置のライン圧制御機構の系統図である。
【図3】ライン圧制御バルブの側面断面説明図である。
【図4】油圧制御の制御方法を示すフローチャートであ
る。
【図5】油圧(ライン圧)のデューティ比に対する特性を
示す図である。
【図6】自動変速機の機械式変速部の変速特性を示す図
である。
【図7】通常時と変速時とにおける、ライン圧のスロッ
トル開度に対する特性を示す図である。
【図8】アイドルスイッチオン時における変速時の、ラ
イン圧の車速に対する特性を示す図である。
【符号の説明】
P…パワープラント 1…エンジン 2…自動変速機 6…スロットル弁 11…油圧装置 14…コントロールユニット 15…スロットル開度センサ 16…車速センサ 17…アイドルスイッチ 20…油圧制御機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−275939(JP,A) 特開 平2−42263(JP,A) 特開 平3−14960(JP,A) 特開 昭62−132063(JP,A) 特開 昭49−38047(JP,A) 特開 昭60−4659(JP,A) 実開 昭62−12038(JP,U) 特公 昭61−48021(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン負荷を検出するエンジン負荷検
    出手段と、該エンジン負荷検出手段によって検出される
    エンジン負荷検出値に応じて油圧装置の作動油圧を設定
    する作動油圧制御手段と、上記エンジン負荷検出値が予
    め設定される切替値より小さいときには、該エンジン負
    荷検出値に対する関係においては、油圧装置の作動油圧
    を一定の低負荷時用油圧に固定する作動油圧固定手段と
    が設けられた自動変速機の油圧制御装置において、エン
    ジンがアイドル状態にあるか否かを検出するアイドル状
    態検出手段と、変速時において上記アイドル状態検出手
    段によってエンジンがアイドル状態にあることが検出さ
    れたときには、上記低負荷時用油圧を低下させる低負荷
    時用油圧変更手段とが設けられていることを特徴とする
    自動変速機の油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された自動変速機の油圧
    制御装置において低負荷時用油圧変更手段が、車速に応
    じて低負荷時用油圧を変更するようになっていることを
    特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された自動変速機の油圧
    制御装置において、エンジン負荷検出値に対する作動油
    圧特性が、変速時と非変速時とに対して個別的に、かつ
    低負荷時には非変速時の作動油圧が変速時の作動油圧よ
    り低くなるように設定されていて、変速時において、ア
    イドル状態検出手段によってエンジンがアイドル状態に
    あることが検出されたときには、低負荷時用油圧変更手
    段が非変速時用の作動油圧特性に従って作動油圧を設定
    するようになっていることを特徴とする自動変速機の油
    圧制御装置。
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