JP2887789B1 - 帯域制限方式 - Google Patents

Abstract

【要約】 【課題】 多重スーパーヘテロダイン方式無線受信機に
おいて、中間周波帯域及び低周波帯域に係わる不要信号
の影響を低減する。 【解決手段】 予めマイクロコンピューター（９）のメ
モリー（９２）に、中間周波通過帯域幅と低周波通過帯
域幅とを可変するための周波数情報を格納しておく。次
に、入力受信信号の周波数情報とメモリー（９２）の周
波数情報とをＣＰＵ（９２）により演算処理し、インタ
ーフェース（９１）を介して各部へ出力する。そして、
周波数変換部（１，３）及び復調部（５）の発振器（１
２，３２，５２）並びにＤＳＰフィルター（６）の動作
を、帯域幅調整器（８）により同時に等量連動して変化
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主にＳＳＢ用無線
受信機における不要信号の除去を有効に行うための、帯
域制限方式に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の無線受信機としては、例
えばオペアンプなどでアクティブフィルターを構成した
ものや、Ｄｉｇｉｔａｌ Ｓｉｇｎａｌ Ｐｒｏｃｅｓ
ｓｏｒ（以下、ＤＳＰと称す。）により低周波フィルタ
ー、あるいは中間周波フィルターを構成して使用したも
のがある。

【０００３】そして、上記ＤＳＰによる低周波フィルタ
ーと中間周波フィルターとを組み合わせたうえで、それ
ぞれのフィルターにおける通過帯域幅を独立して可変す
るようにしたものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
従来技術においては、低周波フィルターと中間周波フィ
ルターとの通過帯域幅を独立して可変するよう構成され
ているため、目的の受信信号に対する混信の除去におい
て、前記低周波フィルター及び中間周波フィルターの通
過帯域幅が必らずしもぴったり合わないため、混信妨害
波等による不要信号を十分除去しきれないという欠点が
あった。

【０００５】本発明は、従来より知られていた通過帯域
幅を可変する方式の、このような欠点を改良する目的で
成されたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記のような目
的を達成しようとするもので、少なくとも２回周波数変
換を行うスーパーヘテロダイン方式無線受信機におい
て、この無線受信機の中間周波通過帯域幅可変手段と、
ＤＳＰを用いた低周波通過帯域幅可変フィルター手段と
を同時に等量連動して変化させることにより、前記無線
受信機が受信する希望信号以外の不要信号を低減し、か
つ、これらの動作をすべて主制御手段によって行うこと
を特徴とするものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明するが、図１はマイクロコンピュ
ーター９のソフトウェア部分と、周波数変換部１，３の
各出力周波数をそれぞれ通過する中間周波フィルター
２，４と、最終的に音声周波数帯域の出力を得るための
復調部５と、ＤＳＰフィルター６を介して所望の音声出
力を得る低周波増幅器７により構成されたハードウェア
部分からなり、図２及び図３は上記図１に係わる中間周
波フィルター２，４とＤＳＰフィルター６との関係を説
明するための略特性図であり、図４は上記図１のソフト
ウェア部分における制御プログラムのフローチャートで
ある。

【０００８】図１のダブルスーパーヘテロダイン方式無
線受信機において、周波数変換部１の混合器１１へ入力
された受信信号（例えば５０ＭＨｚ）は、予めマイクロ
コンピューター９のメモリー９２に格納されている帯域
幅情報と、任意に受信帯域幅を可変する帯域幅調整器８
の情報とをＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉ
ｎｇ Ｕｎｉｔ）９３により演算処理した後、インター
フェース９１を介して発振器１２へ供給し、所望の局部
発振周波数（例えば６０．７ＭＨｚ）を得る。

【０００９】そして、混合器１１に加えられた前記受信
信号（５０ＭＨｚ）と局部発振周波数（６０．７ＭＨ
ｚ）は、その差の周波数である第１の中間周波数（１
０．７ＭＨｚ）に変換され、続いて中間周波フィルター
２により所望の帯域幅を通過する。

【００１０】更に、前記中間周波フィルター２を通過し
た１０．７ＭＨｚの信号は、次に周波数変換部３の混合
器３１へ入力され、周波数情報として、予めマイクロコ
ンピューター９のメモリー９２に格納されている帯域幅
情報と、任意に受信帯域幅を可変する帯域幅調整器８の
情報とをＣＰＵ９３により演算処理した後、インターフ
ェース９１を介して発振器１２へ供給し、所望の局部発
振周波数（ここでは１０．２４５ＭＨｚ）を得る。

【００１１】そして、混合器３１に加えられた前記第１
の中間周波数（１０．７ＭＨｚ）は、その差の周波数で
ある第２の中間周波数（４５５ｋＨｚ）に変換され、続
いて中間周波フィルター４により所望の帯域幅を通過す
る。

【００１２】更に、前記中間周波フィルター４を通過し
た４５５ｋＨｚの信号は、次に復調部５の検波器５１へ
入力され、音声周波数帯域の出力を得るための周波数情
報として、予めマイクロコンピューター９のメモリー９
２に格納されている帯域幅情報と、任意に受信帯域幅を
可変する帯域幅調整器８の情報とをＣＰＵ９３により演
算処理した後、インターフェース９１を介して発振器５
２へ供給し、所望の局部発振周波数（ここでは４５６．
５ｋＨｚ）を得る。

【００１３】そして、検波器５１に加えられた前記第２
の中間周波数は、その差の周波数である音声周波数信号
（例えば０．３ｋＨｚ〜２．７ｋＨｚ）を得る。

【００１４】このようにして得られた音声周波数信号
は、次にＤＳＰフィルター６へ入力するが、前記中間周
波フィルター２，４の特性について、シェープ・ファク
ター（Ｓｈａｐｅ Ｆａｃｔｏｒ）が“１”という理想
的なものは技術的に不可能であり、また、帯域外減衰量
が“無限大”ということもありえないため、通常、検波
後の音声周波数信号の中に、ノイズ等の不要信号が混入
するとＳ／Ｎ比が悪くなり、また基本波（図２のｆ1 ）
であれば明瞭度も損なわれる。

【００１５】そこで、図３に示したように、前記図１の
発振器（ＯＳＣ）１２，３２，５２の発振周波数を変化
させて、中間周波フィルター（ＦＬ1 ，ＦＬ2 ）２，４
の合成帯域幅を狭めることにより不要信号（ｆ1 ）を除
去し、更に、ＤＳＰフィルター（ＤＳＰ．ＦＩＬ）６の
帯域幅を前記中間周波フィルター（ＦＬ1 ，ＦＬ2 ）
２，４の合成帯域幅と連動して可変することにより、中
間周波数帯域及び低周波数帯域に係わる影響を低減した
音声信号が得られる。

【００１６】そして、低周波増幅器７により必要な音声
信号出力が得られるよう構成したものである。

【００１７】

【発明の効果】本発明は以上説明したように、マイクロ
コンピューターの主制御手段により、中間周波数の帯域
幅と音声周波数の帯域幅とをそれぞれ同時に等量変化す
るよう構成してあるため、受信希望信号に対する不要信
号の除去が極めて有効に行えるという優れた効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示すブロック図である。

【図２】従来のフィルター群に係る特性例を示した図で
ある。

【図３】本発明に係るフィルター群の特性例を示した図
である。

【図４】本発明に係るマイクロコンピューターにより実
行される制御プログラムのフローチャートである。

【符号の説明】

１，３ 周波数変換部 ２，４ 中間周波フィルター（ＦＬ1 ，ＦＬ2 ） ５ 復調部 ６ ＤＳＰフィルター（ＤＳＰ．ＦＩＬ） ７ 低周波増幅器（ＡＦ．ＡＭＰ） ８ 帯域幅調整器（ＢＷ．ＡＤＪ） ９ マイクロコンピューター １１，３１ 混合器（ＭＩＸ） １２，３２，５２ 発振器（ＯＳＣ） ５１ 検波器（ＤＥＴ） ９１ インターフェース ９２ メモリー ９３ ＣＰＵ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 周波数変換を２回以上行う多重スーパー
   ヘテロダイン方式無線受信機において、中間周波数の通
   過帯域幅を可変する手段と、デジタル信号処理手段を用
   いた低周波用の通過帯域幅を可変するフィルター手段と
   を連動して可変することにより、それぞれの通過帯域幅
   を同時に等量変化させて、前記無線受信機が受信する希
   望信号に対して生じうる不要信号の影響を低減せしめ、
   かつ、これら一連の動作をすべて主制御手段によって行
   うことを特徴とする帯域制限方式。