JP2886671B2 - 眼内レンズの製造方法 - Google Patents

眼内レンズの製造方法

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JP2886671B2 JP31632790A JP31632790A JP2886671B2 JP 2886671 B2 JP2886671 B2 JP 2886671B2 JP 31632790 A JP31632790 A JP 31632790A JP 31632790 A JP31632790 A JP 31632790A JP 2886671 B2 JP2886671 B2 JP 2886671B2
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【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、眼内レンズの製造方法に係り、特に光学部
と支持部とが一体に構成されるワンピース型眼内レンズ
にして、その光学部と支持部の材質が異なる眼内レンズ
の製造方法に関するものである。
(背景技術) 眼内レンズは、レンズ本体としての光学部と、該光学
部を眼内の所定位置に取付固定するための支持部とから
構成されており、従来から、それら光学部と支持部とが
別々に形成されて、支持部が光学部に固定されるスリー
ピース型やツーピース型の眼内レンズと、光学部と支持
部とが一体に構成されるワンピース型の眼内レンズとが
知られている。
そして、かかる眼内レンズにおいて、光学部と支持部
の材質が異なるものは良く知られており、光学部を形成
する重合物と支持部を形成する重合物のモノマーを変更
する他、各種の配合剤や添加剤の種類や分量を変える場
合もある。例えば、眼内レンズを眼内に挿入する際に、
支持部の位置を視認し易くするために、光学部を透明な
重合物で形成する一方、支持部を着色剤を加えた重合物
にて形成したり、支持部の柔軟性を変えるために架橋剤
の量を光学部と変えたりしているのである。そうして、
光学部と支持部にそれぞれ要求される性能を得るように
されているのである。
ここで、スリーピース型やツーピース型の眼内レンズ
の場合は、光学部と支持部の材質を変えることは容易で
あるが、光学部と支持部とが一体に構成されて成るワン
ピース型の眼内レンズにあっては、それが非常に困難で
あった。
そのため、従来では、光学部と支持部の材質が異なる
ワンピース型眼内レンズを作製するために、特開平2−
7954号公報に開示されているような方法が考えられてい
る。即ち、そこには、支持部のみが着色されたワンピー
ス型眼内レンズを得る方法が開示されており、先ず、レ
ンズブランクの中央部分を透明なプラスチックで形成し
た後、該中央部分の周辺に液状の着色プラスチック材料
を配置して、重合・硬化させ、中央部分と着色周辺部分
とが重合によって結合せしめられたレンズブランクを得
る。或いは、その逆に、レンズブランクの周辺部分を着
色材料にて形成した後、その中央に設けられた孔部に透
明な液状プラスチック材料を注ぎ込むことにより、同様
に、透明な中央部分と着色周辺部分が重合により結合せ
しめられたエンズブランクを得る。そして、この得られ
たレンズブランクの透明な中央部分から眼内レンズの光
学部を形成し、またその着色周辺部分から眼内レンズの
支持部を形成することによって、目的とする眼内レンズ
を作製するのである。
しかしながら、このような方法では、レンズブランク
の周辺着色部の孔部内に、中央部分を後から重合させる
場合には、該中央部分に歪みが生じてしまう問題があ
り、レンズの光学性能に悪影響が出る恐れがあった。一
方、レンズブランクの透明な中央部分を先に形成し、後
から着色周辺部分を重合させる場合には、該中央部分の
中心を、レンズブランクの中央部の中心に合致させるこ
とが難しいといった問題を内在していた。そして、レン
ズブランク全体の中心と中央部分の中心がずれると、レ
ンズブランク全体の中心を加工中心として形状加工を行
なうことにより、最終製品として得られる眼内レンズに
おいて、光学部に着色部分が現れたり、支持部に透明な
部分が現れることとなって、着色ずれが生じる問題があ
ったのである。
また、特開昭62−161360号公報にも、支持部が着色さ
れたワンピース型眼内レンズの製造方法が開示されてい
るが、この方法は、透明なプラスチック材料から成る光
学部材の周囲を、着色プラスチック材料で囲み、それら
を加熱融合により一体化して、レンズブランクを得て、
該レンズブランクから、目的とする眼内レンズを製作す
るというものである。従って、この製造方法において
も、光学部材の中心をレンズブランク全体の中心に合致
させることが困難で、着色ずれが生じることが避けられ
ないものであった。
このように、従来の方法では、光学部に歪みが生じる
か或いは光学部に支持部の重合物が入り込むことによっ
て、レンズの性能が損なわれる問題があったのであり、
また、支持部に光学部の重合物が入り込むことによっ
て、支持部に所望の物性が得られない問題があったので
ある。
(解決課題) かかる状況下において、本発明は為されたものであ
り、その解決結果とするところは、光学部と支持部が異
なる重合物からなるワンピース型眼内レンズを製造する
に際して、光学部の歪みの問題、及び中心ずれや着色ず
れ等の問題をなくすことにある。
(解決手段) そして、上記の如き課題を解決するため、本発明にあ
っては、光学部と支持部とが一体に構成されてなるワン
ピース型眼内レンズを製造する方法において、(a)眼
内レンズの前記光学部を与える凸部と該凸部の周辺に広
がるツバ部を有するレンズブランクを、第一の重合物か
ら形成する工程と、(b)該レンズブランクの前記凸部
が設けられている側のツバ部の面上に、前記第一の重合
物とは異なる第二の重合物を与える重合性モノマーを適
用し、それを重合させて、該レンズブランクと一体的に
固着された、該第二の重合物からなる積層部を形成する
工程と、(c)かかる積層部が一体的に形成されたレン
ズブランクより、その凸部を光学部に、またその積層部
を支持部にそれぞれ加工して、目的とする眼内レンズを
形成する工程とを、含むようにしたのである。
(作用・効果) 要するに、本発明にあっては、第一の重合物からなる
レンズブランクに、第二の重合物を与える未反応の重合
性材料を適用し、該レンズブランク上でそれを重合させ
ることによって、第一の重合物からなる凸部の周りに第
二の重合物からなる積層部を一体的に固着させるもので
ある。つまり、本発明では、眼内レンズの光学部を与え
る凸部が最初に重合されるのであり、それ故に光学部に
歪みが生じることがなく、安定した光学特性を得ること
が出来るのである。
加えて、かかるレンズブランクにあっては、凸部の周
辺にツバ部が一体に設けられ、ツバ部に対する凸部の位
置が固定されており、そして、該ツバ部上に第二の重合
物からなる積層部が形成されることから、積層部の重合
前後で凸部の位置がずれることがなく、中心ずれの問題
が完全に解消されるのであり、該積層部が形成されたレ
ンズブランクより、極めて簡単に正確な加工中心を求め
ることが出来る。従って、第一の重合物からなる前記凸
部から光学部を、また第二の重合物からなる前記積層部
から支持部を、正しく加工することが出来、従来法の如
く、支持部の重合物が光学部に入り込んだり、光学部の
重合物が支持部に入り込んだりすることがなく、着色ず
れ等が生じることもないのである。
(具体的構成) ところで、かかる本発明において、レンズブランクを
形成する第一の重合物と、積層部を形成する第二の重合
物は、モノマーや、配合剤及び添加剤等の種類が異なる
か、その配合量が異なるようにされた互いに別異の重合
物であって、特性が異なるものである。従って、第一の
重合物には光学部に適した材料を用い、第二の重合物に
は支持部に適した材料を用いることにより、光学部、支
持部共に、優れた特性を備えた眼内レンズを形成するこ
とが出来るのである。
例えば、第一の重合物には着色剤の添加されていない
透明な重合物を用いる一方、第二の重合物には着色剤が
添加された重合物を用いることにより、光学部が透明
で、支持部のみが着色された眼内レンズを得ることが可
能となる。
なお、それら第一、第二の重合物として用いられる具
体的な重合物としては、特に限定はなく、従来から眼内
レンズ材料として用いられている各種の硬質材料や軟質
材料が使用され得る。
例えば、以下に挙げる如き重合性単量体を重合せしめ
ることにより、所定の硬質材料或いは軟質材料を得るこ
とが出来る。なお、表記上、「・・・(メタ)アクリレ
ート」とあるのは、「・・・アクリレート」または「・
・・メタクリレート」を表し、その他の(メタ)アクリ
ル誘導体についても同様である。
すなわち、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n
−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)
アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−
ペンチル(メタ)アクリレート、tert−ペンチル(メ
タ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2
−メチルブチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メ
タ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メ
タ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデ
シル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート等の直鎖状、分岐鎖状、
環状のアルキル(メタ)アクリレート類;フッ素含有
(メタ)アクリレート類;シリコン含有(メタ)アクリ
レート類;スチレン誘導体類;フッ素含有スチレン誘導
体類;N−ビニルラクタム類;ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレ
ート類;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)
アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、
N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メ
タ)アクリルアミド、N−エチルアミノエチル(メタ)
アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類等を挙げ
ることが出来る。
これらの中から、1種又は2種以上を選択して使用
し、或いはこれらより選択した1種又は2種以上を重合
してマクロモノマーと成し、これを重合成分の1つとし
て用いることも出来る。これらの重合成分の組合せ及び
配合割合等は、得ようとする重合物に応じて適宜に決定
される。
また、必要に応じて、一般に用いられている重合性紫
外線吸収剤や重合性染料等を重合成分として加えること
が出来る。
さらに、架橋していない重合物も使用可能であるが、
眼内レンズの光学部を与える第一の重合物にあっては、
安定性等を考慮して、架橋している方が好ましく、以下
の如き架橋剤を添加するのが望ましい。
例えば、4−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、
3−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル
(メタ)アクリレート等があり、これらの中から1種又
は2種以上を選択して配合する。また、分子内に少なく
とも2個以上の重合性基を有するマクロモノマーを、架
橋剤として使用しても差支えない。なお、かかる架橋剤
の配合量が多過ぎると、得られる材料が脆くなって衝撃
等の応力に対して弱くなり、一方、少な過ぎると、効果
が充分に得られないところから、通常は、全重合成分の
100重量部に対して、0.5〜15重量部程度とするのが好ま
しく、より好ましくは1〜10重量部の割合で配合され
る。
また、第一、第二の重合物を与える重合性材料の何れ
についても、上記架橋剤の他、従来から知られている各
種の配合剤や添加剤を加えることが出来る。そして、前
記モノマーと各種配合剤、添加剤を均一に混合すること
によって、それぞれ、第一の重合物を与える重合性材料
と、それとは異なる第二の重合物を与える重合性材料が
調製されるのである。
なお、よく使用される添加剤の具体例としては着色剤
があり、眼内レンズを眼内に挿入する際に、レンズの支
持部を視認し易くするために、支持部を着色するべく、
第二の重合物にしばしば配合される。添加される着色剤
については、生体に対する安全性が要求される他は特に
限定はなく、従来から使用されている染料や顔料が何れ
も用いられ得る。具体的には、食品、医薬品等の分野で
使用されている赤色101号、青色1号等の色素、C.I.ダ
イレクト・ブルー237,C.I.ダイレクト・イエロー8等の
直接染料、C.I.アシッド・ブルー29,C.I.アシッド・ブ
ラック2等の酸性染料、C.I.ベーシック・ブルー5,C.I.
ベーシック・バイオレット1等の塩基性染料、C.I.バッ
ト・ブルー18,SOLUBILISED C.I.バット・ブルー1等の
バット染料、C.I.ソルベント・バイオレット13,C.I.ソ
ルベント・ブリーン3等の油溶染料、C.I.ピグメント・
ブルー15等の分散染料等を挙げることが出来る。特に、
特開平1−299560号公報等に開示されている如き重合性
染料は、重合物中に強固に結合するため、好ましいもの
である。
そして、これらの着色剤の中から、1種又は2種以上
が選択され、前記重合性材料に添加されるのであり、着
色剤の濃度は、通常、0.01〜30重量%程度とされる。0.
01重量%より低いと着色が薄くなり過ぎるからであり、
また30重量%より高くても、それ以上色は濃くならず、
また溶出の恐れがあるからである。また、着色剤が前記
重合性材料に溶解し難い場合や分散し難い場合等には、
更に界面活性剤及び/又は分散剤を添加することが出来
る。
かくして調製された重合性材料は、更に所定の重合開
始剤が加えられることによって、重合操作が実施される
こととなるのである。重合操作は、従来から実施されて
いる各種手法に従って行なわれることとなるが、例え
ば、加熱重合では、アゾビスイソブチロニトリルやアゾ
ビスジメチルバレロニトリル等のラジカル重合開始剤を
配合した後、室温から130℃まで、およそ数十時間掛け
て順次昇温して、重合せしめる。また、光重合を行なう
場合は、ベンゾインやメチルオルソベンゾイルベンゾエ
ート等の光重合開始剤を配合した後、該光重合開始剤の
吸収帯に応じた波長の光線を照射して重合を行なうので
ある。更に、加熱重合と光重合を組み合わせて行なうこ
とも可能である。なお、重合開始剤は、通常用いられて
いる各種のものの中から、1種又は2種以上を組み合わ
せて使用すればよく、配合量は、全重合成分の100重量
部に対して、0.001〜5重量部程度とされ、好ましくは
0.01〜2重量部とされる。
而して、本発明にあっては、先ず、前記第一の重合物
を与える材料が重合せしめられ、そして、得られた第一
の重合物から、眼内レンズの光学部を与える凸部と該凸
部の周辺に広がるツバ部を有するレンズグランクが形成
されるのである。それ故、最終製品たる眼内レンズの光
学部は、歪みのない、優れた光学特性を有するものとな
るのである。
かかるレンズブランクのより具体的な形状は、特に限
定されるものではなく、目的とする眼内レンズの形状に
合わせて、適宜に決定される。例えば、第1図(a)及
び(b)に示されるレンズブランク10は、全体として円
板形状を呈しており、その中央部に同心的に球面状の凸
部12を有し、該凸部12の周りに円環状に広がるツバ部14
を有している。なお、16は、前記ツバ部14の面上に、前
記第二の重合物を与える重合性材料を適用した際に、該
材料がこぼれるのを防止するための突堤であり、操作を
簡便にするものである。
その他、前記凸部12の形状は、第2図の如き円柱形状
や、第3図の如き円柱と球面を組み合わせた形状とする
ことが出来、更には角柱形状等とすることも可能であ
る。また、前記ツバ部14は、必ずしも円環状である必要
はなく、眼内レンズの支持部が形成されるべき部位にの
み設けても良い。更に、前記突堤16は必須のものではな
く、第2図及び第3図に示されるように、それを省略し
ても何等差支えない。その場合、第4図のように、ツバ
部14を囲む枠20を配置することにより、前記第二の重合
物を与える重合性材料を適用する際の便宜を図ることが
出来る。また更に、1つのレンズブランクに複数の凸部
を設けて、それら複数個の凸部に対して、一度に、第二
の重合物からなる積層部を一体的に固着させることが可
能である。その場合、通常は、最終的な形状加工の前
に、連続するツバ部が切断されて凸部ごとに切り分けら
れることとなる。
なお、レンズブランク10の具体的な大きさは、最終製
品たる眼内レンズの大きさよりもやや大きく設定される
が、あまり大き過ぎると、不要部分の除去に手間が掛か
ることとなるため、通常、凸部12の直径(乃至長さ)は
5〜15mm程度、ツバ部14を含めた直径(乃至長さ、但し
突堤16部分を含めない)は10〜20mm程度、凸部の突出高
さは1〜15mm程度に設定される。
そして、このようにして準備された第一の重合物から
なるレンズブランク10に対して、凸部12が設けられてい
る側のツバ部14の面上に、前記第二の重合物を与える重
合性材料を適用して、それを重合させ、積層部22を形成
する。なお、該凸部12と該積層部22との固着は、レンズ
ブランク10内に第二の重合物が含浸せしめられた状態で
重合するため、極めて強固に為され、良好に一体化せし
められ得るのである。また、凸部12はツバ部14に固定さ
れているため、かかる積層部22の重合前後で位置ずれを
起こすことがない。
また、その際、第5図に示されるように、凸部の少な
くとも頂部を残すようにして、積層部22を形成すれば、
凸部12と積層部22が立体的に区別されて、該凸部12より
加工中心を容易に求めることが出来る。この場合には、
積層部22は、凸部12の突出高さよりは少ない厚みで形成
されるのであり、通常、0.2〜10.0mm程度に設定され
る。
そして、このようにして積層部22が形成された後に、
第5図において、破線で示される部分が製品(眼内レン
ズ)となるように、従来と同様にして、切削、研磨等の
形状加工が施されるのであるが、本発明では、積層部22
の重合前後で凸部12の位置ずれが生じないところから、
レンズブランク10の外周部(ツバ部14又は突堤16の外周
部)を把持して、容易に加工中心を求めることが出来、
或いは、前述したように、凸部12の頂部が残るように積
層部22を形成した場合、その凸部12を把持することによ
っても、容易に加工中心を求めることが出来るのであ
る。従って、凸部12を利用して光学部24が形成され、ツ
バ部14を利用して支持部26が形成され、以て第6図に示
される如き、眼内レンズ28が得られるのである。なお、
かかる形状加工には、一般的に使用されているフライス
盤等の精密加工機が用いられる。
このように、本発明では、眼内レンズの光学部を与え
るレンズブランク10の凸部12と支持部を与える積層部22
が確実に固着するために、最終形状に加工した場合に、
それぞれ異なる材質の光学部と支持部が強固に固着され
たワンピース型の眼内レンズが製造可能となるのであ
る。しかも、レンズブランク10に積層部22を設ける際
に、凸部12の位置ずれが生じないことにより、中心ずれ
がなくなり、レンズブランク10の外周部から、又は凸部
が残されている場合には該凸部から、容易に正確な加工
中心を見い出すことが出来るのであり、着色ずれ等が生
じることが極めて効果的に回避される。
(実施例) 以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるも
のでないことは、言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上
記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限
りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべ
きである。
実施例1 先ず、メチルメタクリレート:97重量部とジエチレン
グリコールジメタクリレート:3重量部を配合し、重合し
て得られた架橋ポリメチルメタクリレートを第一の重合
物として、直径20mmの円板状のプレートを形成する。そ
して、このプレートの外周部(突堤16の外周部に相当)
を把持して、第7図に示す寸法(単位:mm)で、円板状
のレンズブランクを作製した。
一方、メチルメタクリレートに、着色剤として0.1%
のC.I.ソルベント・バイオレット13及び重合開始剤とし
て0.2%のアゾビスイソブチロニトリルを含有せしめ
て、第二の重合物を与える重合性材料を調製した。そし
て、これを前記レンズブランクの円環状のツバ部14に注
入し、該ツバ部14にポリエチレンフィルムで蓋をして、
50℃で4時間保持した後、50℃から110℃まで8時間か
けて昇温させ、重合させて、レンズブランクに第二の重
合物からなる積層部を形成した。
しかる後、突堤16の外周部から中心出しをして、フラ
イス盤により加工したところ、着色支持部を有する眼内
レンズが得られた。
実施例2 実施例1の第一の重合物より同様のレンズブランクを
準備する一方、メチルメタクリレート:54g、トリフルオ
ロエチルメタクリレート:45g、エチレングリコールジメ
タクリレート(架橋剤):1g、アゾビスイソブチロニト
リル(重合開始剤):0.1gを混合して、第二の重合物を
与える重合性材料を調製した。
そして、この重合性材料を前記レンズブランクのツバ
部14に注入し、該ツバ部14にポリエチレンフィルムで蓋
をして、35℃で16時間、50℃で6時間保持した後、50℃
から130℃まで12時間かけて昇温させ、重合させた。
しかる後、凸部12から中心出しをして、フライス盤に
より加工したところ、光学部と支持部の材質が異なる眼
内レンズが得られた。
実施例3 実施例1の第一の重合物より、第8図に示す寸法(単
位:mm)で、円板状のレンズブランクを作製した。そし
て、該レンズブランクのツバ部の外周に沿って、内径:2
0mm、高さ:4mmの筒を配置し、突堤を設けた。
一方、メチルメタクリレートに、着色剤として5%の
C.I.ピグメント・ブルー15(分散染料)及び重合開始剤
として0.2%のアゾビスイソブチロニトリルを含有せし
めて、第二の重合物を与える重合性材料を調製した。そ
して、これを前記レンズブランクの円環状のツバ部に注
入し、50℃から110℃まで8時間かけて昇温させ、重合
させて、レンズブランクに第二の重合物からなる積層部
を形成した。
しかる後、凸部12から中心出しをして、フライス盤に
より加工したところ、着色支持部を有する眼内レンズが
得られた。
実施例4 実施例1の第一の重合物より、第9図に示す寸法(単
位:mm)で、4個の凸部12を有するレンズブランクを作
製した。
一方メチルメタクリレートに、着色剤として0.1%の
C.I.ソルベント・グリーン3及び重合開始剤として0.2
%のアゾビスイソブチロニトリルを含有せしめて、第二
の重合物を与える重合性材料を調製した。そして、これ
を前記レンズブランクのツバ部14に注入し、該ツバ部14
にポリエチレンフィルムで蓋をして、50℃で4時間保持
した後、50℃から110℃まで8時間かけて昇温させ、重
合させて、レンズブランクに第二の重合物からなる積層
部を形成し、凸部12を中心に直径20mmの円板状に切り出
した。
しかる後、凸部12から中心出しをして、フライス盤に
より加工したところ、着色支持部を有する眼内レンズが
得られた。
実施例5 実施例1の第一の重合物より同様のレンズブランクを
準備する一方、メチルメタクリレートに、着色剤として
0.1%のC.I.ソルベント・バイオレット13及び光重合開
始剤として0.8%の2−メチル−2−ヒドロキシ−1−
フェニルプロパン−1−オンを含有せしめて、第二の重
合物を与える重合性材料を調製した。そして、この重合
性材料を、前記レンズブランクの円環状のツバ部14に注
入し、該ツバ部14にポリエチレンフィルムで蓋をして、
15Wの紫外線ランプ下20cmで8時間保持し、重合させ
て、レンズブランクに第二の重合物からなる積層部を形
成した。
しかる後、突堤16の外周部から中心出しをして、フラ
イス盤により加工したところ、所定の着色支持部を有す
る眼内レンズが得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、(b)は、それぞれ、レンズブランクの
一例を示す平面図及びそのA−A断面図であり、第2
図、第3図、第4図は、それぞれ、別のレンズブランク
の例を示す縦断面図である。また、第5図は、レンズブ
ランクのツバ部に積層部が形成された状態を示す断面説
明図であり、第6図は、本発明に従って作製された眼内
レンズの一例を示す平面図である。そして、第7図は、
実施例1、2で作製されるレンズブランクの寸法形状を
示す説明図であり、第8図は、実施例3で作製されるレ
ンズブランクの寸法形状を示す説明図であり、第9図
は、実施例4で作製されるレンズブランクの寸法形状を
示す説明図である。 10:レンズブランク、12:凸部 14:ツバ部、16:突堤 22:積層部、24:光学部 26:支持部 28:眼内レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−190949(JP,A) 特開 平4−44755(JP,A) 特開 平2−218371(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61F 2/16 A61L 27/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学部と支持部とが一体に構成されてなる
    ワンピース型眼内レンズを製造する方法にして、 眼内レンズの前記光学部を与える凸部と該凸部の周辺に
    広がるツバ部を有するレンズブランクを、第一の重合物
    から形成する工程と、 該レンズブランクの前記凸部が設けられている側の前記
    ツバ部の面上に、前記第一の重合物とは異なる第二の重
    合物を与える重合性モノマーを適用し、それを重合させ
    て、該レンズブランクと一体的に固着された、該第二の
    重合物からなる積層部を形成する工程と、 かかる積層部が一体的に形成されたレンズブランクよ
    り、その凸部を光学部に、またその積層部を支持部にそ
    れぞれ加工して、目的とする眼内レンズを形成する工程
    とを、 含むことを特徴とする眼内レンズの製造方法。
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