JP2886364B2 - Pc複合トラスばりおよびその構築工法 - Google Patents

Pc複合トラスばりおよびその構築工法

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JP2886364B2
JP2886364B2 JP3160436A JP16043691A JP2886364B2 JP 2886364 B2 JP2886364 B2 JP 2886364B2 JP 3160436 A JP3160436 A JP 3160436A JP 16043691 A JP16043691 A JP 16043691A JP 2886364 B2 JP2886364 B2 JP 2886364B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、おもに橋げたなどと
して構築されるPC複合トラスばりおよびその構築工法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、押し出し工法や片持ち工法によ
って構築される橋げたなどのように、断面力が交番する
プレストレストコンクリートばりにおいては、上下床板
部の両方にPC鋼材を配置して断面力に対処するのが一
般的である。
【0003】この補強方法は合理的な方法であるが、架
設中に曲げモーメントによる圧縮応力にプレストレスに
よる圧縮応力が加わるために、一般のPCげたではけた
高を高くして曲げモーメントによる応力を減らすように
工夫されているが、橋げた全体の重量が嵩むという課題
がある。
【0004】そこで、最近では高強度コンクリートの使
用や複合構造による軽量化方法が、種々検討されている
が、実用化には以下に述べるような様々な課題がある。
【0005】このうち、従来のPC箱桁構造におけるウ
ェブ部の部材寸法は、剪断耐力などによって決定される
のではなく、PC鋼材の配置間隔やコンクリート打設時
のバイブレーターの挿入用空間などの構造細目に基いて
決定されているのが一般的である(図19,20 参照) 。
【0006】このため、前記のような従来の断面形状で
高強度コンクリートを使用しても、構造細目上の最小寸
法以下にはできないために軽量化には限界がある。
【0007】また、PCげたの軽量化方法として、図21
に示すようなウェブ部を鋼構造とした複合構造が開発さ
れているが、この構造ではウェブの軸方向剛性が高いた
めに、床板に導入されるプレストレスの一部がウェブ部
によって拘束されてしまうためにプレストレスを有効に
利用できなくなるという課題がある。特に、高強度コン
クリートを使用した場合、導入されるプレストレス量も
増加し、クリープ係数も大きくなる傾向にあるため、ウ
ェブの拘束力によるプレストレスのロスが大きくなるば
かりでなく、ウェブ部内に伝達された導入力(プレスト
レスのロス分)が不必要な圧縮力として悪影響を及ぼ
す。
【0008】また、コンクリートのクリープ、乾燥収縮
によって鋼材とコンクリートとの接合部に大きなずれ剪
断力が発生し、このずれ剪断力は高強度コンクリートを
使用した場合、さらに大きくなるばかりでなく(コンク
リート強度が上がってもずれ剪断力の増加はあまり期待
できないことが実験で明らかになっており)、接合部構
造(ジベル構造)の補強が難しくなる。
【0009】この発明は、以上の課題を解決するために
なされたもので、プレストレスによる補強を有効に行う
ことができ、かつ軽量できわめて経済的なPC複合トラ
スばりおよびその構築工法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る請求項第
1項記載のPC複合トラスばりは、全長にわたってプレ
ストレスを導入して形成された上下床板部と、この上下
床板部間にトラス状に形成されたウェブ部とからなり、
前記上下床板部は、複数本のPC鋼材を挿通することに
よりプレストレスを導入して形成された床板を複数枚連
設すると共に、隣接する床板のPC鋼材どうしをカプラ
ーで緊張状態に接合することにより床板どうしの接合部
に、前記床板に導入されたプレストレス量と同等のプレ
ストレスをそれぞれ導入して形成し、前記ウェブ部は、
前記上下床板間の両側部に垂直部材を、この垂直部材の
前記床板部長手方向の両側にくの字形側部材と逆くの字
形側部材を、前記垂直部材間にX形ブレース材をそれぞ
れ前記上下床板に接合して取り付け、かつ隣接する前記
くの字形側部材と逆くの字形側部材とを接合してトラス
構造をなすように形成してなることを特徴とする。
【0011】この発明に係る請求項第2項記載のPC複
合トラスばりは、全長にわたってプレストレスを導入し
て形成された上下床板部と、この上下床板部間にトラス
状に形成されたウェブ部とからなるPC複合トラスばり
において、前記上下床板部は、複数本のPC鋼材を挿通
することによりプレストレスを導入して形成された床板
を複数枚連設すると共に、隣接する床板のPC鋼材どう
しをカプラーで緊張状態に接合することにより床板どう
しの接合部に前記床板に導入されたプレストレス量と同
等のプレストレスを導入してそれぞれ形成し、前記ウェ
ブ部は、前記上下床板部の両側部に複数のX形ブレース
材を前記床板に接合して取り付けてトラス構造をなすよ
うに形成してなることを特徴とする。
【0012】この発明に係る請求項第3項記載のPC複
合トラスばりの構築工法は、複数本のPC鋼材を挿通す
ることによりプレストレスを導入にして形成された上下
床板と、この上下床板間に設置された複数の垂直部材と
くの字形側部材と逆くの字形側部材とX形ブレース材と
から主げたユニットを構築し、この主げたユニットを複
数連設すると共に、隣接する主げたユニットの上下床板
のPC鋼材どうしをカプラーで緊張状態に接合して床板
どうしの接合部に前記床板に導入されたプレストレス量
と同等のプレストレスを導入し、かつ隣接するくの字形
側部材と逆くの字形側部材どうしを接合してトラス状の
ウェブ部を形成することを特徴とする。
【0013】この発明に係る請求項第4項記載のPC複
合トラスばりの構築工法は、複数本のPC鋼材を挿通す
ることによりプレストレスを導入して形成された複数枚
の床板を連設すると共に、隣接する床板のPC鋼材どう
しをカプラーで緊張状態に接合することにより床板どう
しの接合部に、前記床板に導入されたプレストレス量と
同等のプレストレスをそれぞれ導入し、次に前記上下床
板部間の両側部に複数のX形ブレース材を前記上下床板
に接合して取り付けてトラス状のウェブ部を形成するこ
とを特徴とする。
【0014】
【実施例】以下、この発明に係るPC複合トラスばりを
図示する一実施例に基いて説明すると、図1〜図5にお
いて、符号1は橋の主げたとして構築されたPC複合ト
ラスばり(以下、「主げた」という)を示し、主げた1
は上下床板部1aおよび1bと、この上床板部1aと下床板部
1b間にトラス状に形成されたウェブ部1cとから構築され
ている。また、主げた1は複数個の主げたユニット2を
主げた1の材軸方向に複数連設し、かつその全長にわた
って所定大のプレストレスを導入して構築されている。
【0015】各主げたユニット2は上下床板3,4 とウェ
ブ5とから構築され、上下床板3,4は、それぞれ高強度
コンクリートを使用した鉄筋コンクリートから矩形板状
に形成され、かつそのコンクリート中に複数本のPC鋼
材6を主げた1の材軸方向に沿って挿通することによ
り、所定大のプレストレスを導入して形成されている
(図1参照)。
【0016】PC鋼材6は主げた完成後のクリープによ
って発生する不静定力を最小に抑えるために、それぞれ
上下床板3,4 の図心と略一致するようにその本数および
位置を決め、主げた1の幅方向に所定間隔おきに挿通さ
れている(図1参照)。
【0017】また、PC鋼材6は上下床板3,4 のコンク
リート中に緊張状態にそれぞれ挿通され、そのため上下
床板3,4 のそれぞれに所定大のプレストレスが導入され
ている。さらに、隣接する上下床板3,4 のPC鋼材6ど
うしはカプラー7を介して緊張状態に接合され、そのた
め上下床板3,4 の接合部にも上下床板3,4 自体に導入さ
れているプレストレス量と同等のプレストレスが導入さ
れている(図4参照)。
【0018】したがって、主げたユニット2の上下床板
3,4 のそれぞれに単にプレストレスが導入されているの
ではなく、上下床板3,4 からなる上下床板部1aおよび1b
にその全長にわたって所定大のプレストレスが均等に導
入されている。
【0019】ウェブ5は上下床板3,4 の主げた幅方向の
両側部にそれぞれ立設された垂直部材8と、この垂直部
材8の主げた材軸方向の両側部に取り付けられたくの字
形側部材9aおよび逆くの字形側部材9bと、垂直部材8,8
間に主げた幅方向に対角線状(X形状)に取り付けられ
たX形ブレース材10とから形成されている。
【0020】垂直部材8、くの字形側部材9a、逆くの字
形側部材9bおよびX形ブレース材10は、いずれも上下床
板3,4 と同様に高強度コンクリートを使用した鉄筋コン
クリートから矩形断面形に形成され、かつその各部材の
コンクリート中に複数本のPC鋼材11が緊張状態でそれ
ぞれ挿通され、そのためこれらの部材にも所定大のプレ
ストレスが導入されている。
【0021】また、垂直部材8、くの字形側部材9a、逆
くの字形側部材9bおよびX形ブレース材10の各部材の両
端部は上下床板3,4 の縁端部に一体的にそれぞれ接合さ
れている。さらに、隣接する主げたユニット2どうしの
くの字形側部材9aと逆くの字形側部材9bとは複数本の接
合ボルト又は接合ピン12によって接合されている(図5
参照)。したがって、複数のウェブ5からなるウェブ部
1cは主げた1の材軸方向に連続するトラス状に形成さ
れ、また主げた断面もトラス状に形成されている。
【0022】なお、垂直部材8、くの字形側部材9a、逆
くの字形側部材9bおよびX形ブレース材10は、必ずしも
鉄筋コンクリート構造である必要はなく、鋼材からなる
鋼構造であってもよい。主げた1の上下床板部1a,1b と
ウェブ部1cがこのように形成されていることにより、主
げた1はその全長にわたってトラス構造をなし、また主
げた1の幅方向にもトラス構造をなしている。
【0023】図6および図7は、主げたユニット2の他
の実施例を示し、おもに主げた1のスパンが比較的小さ
いためにウェブ部1cにあまり大きな曲げ剛性が必要とさ
れない場合などに適用されるものである。
【0024】その詳細を説明すると、主げたユニット2
のウェブ5は上下に分割して形成され、その上側部と下
側部はそれぞれ上下床板3,4 の左右両側部に2個ないし
複数個のV字形ウェブ材13aと逆V字形ウェブ材13bを
それぞれ取り付けて形成され(実施例では2個のV字形
ウェブ材13aと逆V字形ウェブ材13bが取り付けられて
いる)、このV字形ウェブ材13aと逆V字形ウェブ材13
bとを複数本の接合ボルト又は接合ピン12によってそれ
ぞれ接合し、かつ上下床板3,4 間にその幅方向に沿って
X形ブレース材(図省略)を取り付けることによりウェ
ブ5が形成されている。その他、上下床板3,4 などの構
成は先の実施例における主げたユニットの構成と略同じ
である。
【0025】なお、V字形ウェブ材13aおよび逆V字形
ウェブ材13bは原則としてH形鋼などの鉄骨材から形成
されているが、高強度コンクリートを使用した鉄筋コン
クリート又は鉄骨コンクリート、あるいはプレストレス
トコンクリートから形成される場合もある(図7参
照)。
【0026】次に、施工方法を順をおって説明する。
【0027】 最初に、地上において、主げたユニッ
ト2を組み立て、かつこの主げたユニット2を複数、ク
レーンなどで運搬可能な長さに接合する(図3参照、以
下これを「施工ユニット」という)。
【0028】複数の主げたユニット2を接合して施工ユ
ニットとするには、隣接する主げたユニット2の上床板
3の端部どうし、下床板4の端部どうしおよびくの字形
側部材9aと逆くの字形側部材9bとの端部どうしをそれぞ
れ突き合わせる。
【0029】そして、上床板3および下床板4のPC鋼
材6どうしをカプラー7によってそれぞれ接合する。そ
の際、PC鋼材6どうしを単に接合するのではなくカプ
ラー7を締め付けてPC鋼材6どうしを互いに引き寄せ
ることにより上下床板3,4 の接合部に上下床板3,4 にそ
れぞれ導入されているプレストレス量と同等のプレスト
レスを導入する。また、くの字形側部材9aと逆くの字形
側部材9bとを複数本の接合ボルト又は接合ピン12によっ
て接合する(図5参照)。
【0030】 次に、所定長さに組み立てられた主げ
たユニット2の集合体、すなわち施工ユニットを橋脚14
間に最も適した従来の架設工法によって、施工ユニット
どうしを随時接合しながら架け渡す。このような場合の
施工ユニットどうしの接合も、主げたユニット2どうし
の接合方法と全く同じ方法で行う。すなわち、上下床板
3,4 のPC鋼材6をカプラー7によって緊張状態に接合
することにより、上下床板3,4 の接合部にプレストレス
を導入し、さらにくの字形側部材9aと逆くの字形側部材
9bとを複数本の接合ボルト又は接合ピン12によって接合
する(図4,5 参照) 。なお、図18はいわゆるベント式支
保工を用いて主げた1を架け渡すクレーン架設方法を示
す。
【0031】このように、主げた1の上下床板部1a,1b
にその全長にわたって一度にプレストレスを導入せず
に、主げたユニット2の上下床板3,4 に個々にプレスト
レスを導入し、次に隣接する主げたユニット2,2 の上下
床板3,4 の接合部にプレストレスを導入するので、上下
床板部1aおよび1bの全長にわたって均等にプレストレス
を導入することができる。また、プレストレスが剛性の
高いウェブ5によって拘束されることがなく、さらに導
入されるプレストレスの略100 %を有効に活用させるこ
とができる。
【0032】次に、この発明に係るPC複合トラスばり
の他の実施例を説明する。図8〜図11において、符号15
はPC複合トラス構造をなして構築された橋げたなどの
主げたを示し、主げた15は複数枚の上下床板16と17を主
げた15の材軸方向にそれぞれ複数枚連設すると共に、そ
の全長にわたってプレストレスを導入し、かつ上下床板
16と17間の主げた幅方向の両側部に複数個のX形ブレー
ス材18を設置して構築されている。
【0033】上下床板16および17は、上下床板3および
4と略同様の構成をなしているが、隣接する上下床板3,
4 の接合部の略中央部に互いに嵌合し合う凹部19と凸部
20がそれぞれ形成され、また主げた幅方向の両縁端部の
略中央部に、X形ブレース材18の端部を接合する凹部21
がそれぞれ形成されている。凹部21の底部はこの部分の
剛性を高めるために厚めに形成されている(図11参照)
。X形ブレース材18はX形ブレース材10の構成と略同
じであり、その上下両端部は上下床板16および17の凹部
21に接合ボルト22によって接合されている。
【0034】次に、施工方法を順をおって説明する。
【0035】 最初に、上下床板16と17をそれぞれ主
げた14の材軸方向に、隣接する床板のPC鋼材(図省
略)どうしをカプラー(図省略)で接合しながら一枚一
枚接合する。この場合、床板16どうしの接合および床板
17どうしの接合部に、PC鋼材どうしを引き寄せて接合
することにより床板16および床板17に導入されているプ
レストレス量と同等のプレストレスを導入する。
【0036】床板16および17をこのように接合すること
により、ウェブ材によって何ら拘束されないため、上下
床板部の全長に必要大のプレストレスを導入することが
でき、またプレストレスによる有害な二次応力が発生す
ることもない。
【0037】 次に、上下床板16と17間の左右両側部
間に、X形ブレース材18を一つ一つ設置し、かつそれぞ
れの上下両端部を上下床板16および17の側部に固定す
る。この場合、X形ブレース材18の上下両端部を上下床
板16と17の凹部21に嵌め込み、接合ボルト22によって接
合する( 図11,13,14参照) 。
【0038】なお、X形ブレース材18はX形ブレース材
10と同様にあらかじめ工場などで形成されるが、PC構
造とする場合に全く拘束されないため、必要大のプレス
トレスを導入することができ、またプレストレスによる
有害な二次応力が発生することもない。
【0039】以下、同様にしてとの作業を主げた15
の全長にわたって交互に繰り返し行うことにより、主げ
た15の全長を構築する( 図15,16,17参照) 。
【0040】他の施工方法を順をおって説明する。
【0041】 最初に、上下床板16と17を主げた14の
材軸方向に一枚一枚それぞれ接合し、かつ複数枚ごとに
プレストレスを導入する(図12参照) 。この場合、上下
床板16と17はウェブ材によって何ら拘束されないため、
必要大のプレストレスを導入することができ、またプレ
ストレスによる有害な二次応力が発生することもない。
【0042】 次に、上下床板16と17間の左右両側部
に、複数のX形ブレース材18を一つ一つ設置し、かつそ
れぞれの上下両端部を上下床板16と17の凹部21に嵌め込
み、接合ボルト22によって接合する( 図11,13,14参照)
【0043】なお、X形ブレース材18はX形ブレース材
10と同様にあらかじめ工場などで形成されるが、PC構
造とする場合に必要大のプレストレスを導入することが
でき、またプレストレスによる有害な二次応力が発生す
ることもない。
【0044】以下、同様にしてとの作業を主げた15
の全長にわたって交互に繰り返し行うことにより、主げ
た15の全長を構築する( 図15,16,17参照) 。
【0045】
【発明の効果】 この発明に係る請求項1記載のPC
複合トラス構造は、以上説明した構成からなり、特に上
下床板部が、複数本のPC鋼材を挿通することによりプ
レストレスを導入して形成された床板を、複数連設する
と共に隣接する床板のPC鋼材どうしをカプラーで緊張
状態に接合することにより、床板どうしの接合部に床板
に導入されたプレストレス量と同等のプレストレスを導
入してそれぞれ形成されているため、主げたの全長にわ
たって所定量のプレストレスを均等に導入できる。
【0046】 また、上下床板部にプレストレスを導
入する際に、剛性の高いウェブ部に拘束されて上下床板
部にプレストレスを導入しにくくなるようなことはない
ため、上下床板部に確実にかつ均等に必要量のプレスト
レスを導入できる。
【0047】 また、ウェブ部は前記上下床板間の両
側部に垂直部材を、この垂直材の床板部長手方向の両側
部にくの字形側部材と逆くの字形側部材を、前記垂直材
間に前記床板の幅方向に沿ってX形ブレース材をそれぞ
れ前記上下床板に接合して取り付け、かつ隣接するくの
字形側部材と逆くの字形側部材をそれぞれ接合して上下
床板部の長手方向および幅方向に連続するトラス構造を
なすように形成されているため、特に上下床板などの部
材を地上などであらかじめ主げたユニットとして組み立
て(図1参照)、この主げたユニットを複数接合して施
工ユニットとし(図3参照)、この施工ユニットをクレ
ーンなどで吊って橋脚間に架け渡すことにより、橋げた
等をきわめて効率的に構築できる。
【0048】 また、請求項2記載のPC複合トラス
ばりは、請求項1の発明と同様に上下床板部に確実にか
つ均等に必要量のプレストレスを導入できるなどの効果
を有する他に、特にウェブ部が、前記上下床板部間の両
側部に複数のX形ブレース材をその上下端部を隣接する
上下床板部の縁端部にそれぞれ接合して取り付けること
により、前記上下床板部の材軸方向に連続するトラス構
造をなすように形成されているため、きわめて効率的に
構築できる。
【0049】 さらに、請求項1、2記載のPC複合
トラスばりはいずれも、ウェブ部分がトラス構造をなす
以外は通常のプレストレスばりと変わりないため、トラ
ス構造が形成された後、上下床板部に導入されたプレス
トレスの全てが、通常のプレストレスばりの場合と同じ
ように上下床板部に発生する、車両荷重などによる引張
力と相殺され、無駄なく有効に利用される。また、これ
により上下床板部を薄くできて軽量化も図れる。
【0050】 この発明に係る請求項3および4記載
のPC複合トラスばりの構築工法は、上下床板部を形成
する際に、特に複数本のPC鋼材を挿通することにより
プレストレスを導入して形成された床板を、複数連設す
ると共に隣接する床板のPC鋼材どうしをカプラーで緊
張状態に接合することにより、床板どうしの接合部に床
板に導入されたプレストレス量と同等のプレストレスを
導入するので、主げたの全長にわたってプレストレスを
導入する際に、剛性の高いウェブ部に拘束されて上下床
板部にプレストレスを導入しにくくなるようなことはな
く、したがって上下床板部に確実にかつ均等に必要量の
プレストレスを導入できるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】主げたユニットの一部斜視図である。
【図2】主げたの側面図である。
【図3】複数個の主げたユニットからなる施工ユニット
(主げたユニットの集合体)の側面図である。
【図4】床板のPC鋼材の接合部の断面図である。
【図5】ウェブ接合部の断面図である。
【図6】主げたユニットの他の実施例を示す分解側面図
である。
【図7】V字形ウェブ材の接合部の断面図である。
【図8】主げたの側面図である。
【図9】主げたの平面図である。
【図10】主げたの縦断面図である。
【図11】床板とX形ブレース材との接合部の構造を示
す分解斜視図である。
【図12】主げたの架設方法の一例を示す側面図であ
る。
【図13】主げたの架設方法の一例を示す側面図であ
る。
【図14】主げたの架設方法の一例を示す側面図であ
る。
【図15】主げたの架設方法の一例を示す側面図であ
る。
【図16】主げたの架設方法の一例を示す側面図であ
る。
【図17】主げたの架設方法の一例を示す側面図であ
る。
【図18】主げたの架設方法の一例を示す側面図であ
る。
【図19】従来の主げたの断面図である。
【図20】従来の主げたの断面図である。
【図21】従来の主げたの断面図である。
【符号の説明】
1…主げた、2…主げたユニット、3…上床板、4…下
床板、5…ウェブ、6…PC鋼材、7…カプラー、8…
垂直部材、9a…くの字形側部材、9b…逆くの字形側部材
9b、10…X形ブレース材、11…PC鋼材、12…接合ボル
ト又は接合ピン、13a…V字形ウェブ材、13b…逆V字
形ウェブ材、14…橋脚、15…主げた、16…上床板、17…
下床板、18…X形ブレース材、19…凹部、20…凸部、21
…凹部、22…接合ボルト。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全長にわたってプレストレスを導入して
    形成された上下床板部と、この上下床板部間にトラス状
    に形成されたウェブ部とからなるPC複合トラスばりに
    おいて、前記上下床板部は、複数本のPC鋼材を挿通す
    ることによりプレストレスを導入して形成された床板を
    複数枚連設すると共に、隣接する床板のPC鋼材どうし
    をカプラーで緊張状態に接合することにより床板どうし
    の接合部に、前記床板に導入されたプレストレス量と同
    等のプレストレスをそれぞれ導入して形成し、前記ウェ
    ブ部は、前記上下床板間の両側部に垂直部材を、この垂
    直部材の前記床板部長手方向の両側部にくの字形側部材
    と逆くの字形側部材を、前記垂直部材間に複数のX形ブ
    レース材をそれぞれ前記上下床板に接合して取り付け、
    かつ隣接する前記くの字形側部材と逆くの字形側部材と
    を接合してトラス構造をなすように形成してなることを
    特徴とするPC複合トラスばり。
  2. 【請求項2】 全長にわたってプレストレスを導入して
    形成された上下床板部と、この上下床板部間にトラス状
    に形成されたウェブ部とからなるPC複合トラスばりに
    おいて、前記上下床板部は、複数本のPC鋼材を挿通す
    ることによりプレストレスを導入して形成された床板を
    複数枚連設すると共に、隣接する床板のPC鋼材どうし
    をカプラーで緊張状態に接合することにより床板どうし
    の接合部に前記床板に導入されたプレストレス量と同等
    のプレストレスを導入してそれぞれ形成し、前記ウェブ
    部は、前記上下床板部間の両側部に複数のX形ブレース
    材を前記床板に接合して取り付けることによりトラス構
    造をなすように形成してなることを特徴とするPC複合
    トラスばり。
  3. 【請求項3】 全長にわたってプレストレスを導入して
    形成された上下床板部と、この上下床板部間にトラス状
    に形成されたウェブ部とからなるPC複合トラスばりの
    構築工法において、複数本のPC鋼材を挿通することに
    よりプレストレスを導入してそれぞれ形成された上下床
    板と、この上下床板間に設置された複数の垂直部材とく
    の字形側部材と逆くの字形側部材とX形ブレース材とか
    ら主げたユニットを構築し、この主げたユニットを複数
    連設すると共に、隣接する主げたユニットの上下床板の
    PC鋼材どうしをカプラーで緊張状態に接合して床板ど
    うしの接合部に前記床板に導入されたプレストレス量と
    同等のプレストレスを導入し、かつ隣接するくの字形側
    部材と逆くの字形側部材どうしを接合してトラス状のウ
    ェブ部を形成することを特徴とするPC複合トラスばり
    の構築工法。
  4. 【請求項4】 全長にわたってプレストレスを導入して
    形成された上下床板部と、この上下床板部間にトラス状
    に形成されたウェブ部とからなるPC複合トラスばりの
    構築工法において、複数本のPC鋼材を挿通することに
    よりプレストレスを導入して形成された複数枚の床板を
    連設すると共に、隣接する床板のPC鋼材どうしをカプ
    ラーで緊張状態に接合することにより床板どうしの接合
    部に、前記床板に導入されたプレストレス量と同等のプ
    レストレスをそれぞれ導入し、次に前記上下床板部間の
    両側部に複数のX形ブレース材を前記上下床板に接合し
    て取り付けてトラス状のウェブ部を形成することを特徴
    とするPC複合トラスばりの構築工法。
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