JP2885902B2 - N’―tert―ブチル―N―ハロゲノメチルスルフェニル―N,N’―ジベンゾイルヒドラジン誘導体およびそれを有効成分とする殺虫組成物 - Google Patents

N’―tert―ブチル―N―ハロゲノメチルスルフェニル―N,N’―ジベンゾイルヒドラジン誘導体およびそれを有効成分とする殺虫組成物

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なN′−tert−ブチル−N−ハロゲノメ
チルスルフェニル−N,N′−ジベンゾイルヒドラジン誘
導体に関するものであり、該誘導体は水田、畑地、果樹
園、森林または環境衛生場面における殺虫剤として利用
することができる。また、該誘導体は人または動物を寄
生虫の障害から保護するために寄生虫防除剤として利用
することができる。
〔従来の技術〕
特開昭62-167747号にはN′−置換−N,N′−ジアシル
ヒドラジン誘導体が、また特開昭62-263150号にはN−
置換−N,N′−ジアシルヒドラジン誘導体が殺虫活性を
有することが記載されているが、該開示化合物は本発明
化合物が有するハロゲノメチルスルフェニル基を持た
ず、またハロゲノメチルスルフェニル基の導入は上記出
願から容易でもなく、示唆もされない。
〔発明が解決しようとする課題〕
水田、畑地、果樹園、森林、または環境衛生場面にお
ける有害生物防除場面で、より大きい殺虫活性及び有益
昆虫、環境等には害を及ぼさない性質を有し、かつ低毒
性な化合物が要求されている。また、最近では公知の殺
虫剤たとえば有機リン剤ピレスロイド剤等に対し抵抗性
を示す害虫が増大し、防除が困難となってきており、新
しいタイプの薬剤が要求されている。
本発明は、有益昆虫、環境等には実質的に害を及ぼさ
ず、低毒性で薬剤抵抗性害虫にも卓効を示す新しいタイ
プの殺虫性化合物及びそれを有効成分とする殺虫組成物
を提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために鋭意研究した結果、 一般式 〔式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原
子、ハロゲン原子、(C1〜C4)アルキル基、(C2〜C5
アルケニル基、(C2〜C5)アルキニル基、(C1〜C4)ア
ルコキシ基、(C1〜C4)ハロアルキル基、(C1〜C4)ハ
ロアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表し、R1
R2が隣接したアルコキシ基の場合は、これらの基が結合
して5−または6−員のジオキソラノまたはジオキサノ
環を形成してもよく、R5はハロメチル基を表す。〕で表
される N′−tert−ブチル−N−ハロゲノメチルスルフェニ
ル−N,N′−ジベンゾイルヒドラジン誘導体がすぐれた
殺虫活性を有することを見い出し、本発明を完成するに
至った。
本発明の一般式(I)の化合物は以下の方法で製造す
ることができる。すなわち、一般式 〔式中、R1、R2、R3及びR4は前記と同じ意味を有す
る。〕 で表されるN′−tert−ブチル−N,N′−ジベンゾイ
ルヒドラジンと一般式 R5SX (III) 〔式中、Xはハロゲン原子を表し、R5は前記と同じ意
味を有する。〕 で表されるハロゲノスルフェニルハライドを不活性溶媒
中、適当な塩基の存在下で反応させることにより得られ
る。
反応は一般式(II)の化合物と一般式(III)の化合
物を任意の割合で使用することができるが、好ましくは
等モル比かほぼ等モル比で使用する。溶媒としては反応
物に対して不活性な溶媒を用いることができる。たとえ
ば、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテルなどの脂肪族炭
化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベ
ンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル
類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル
類、またはこれらの混合溶媒などが挙げられる。また、
これらと水との混合溶媒を用いることもできる。塩基と
しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ
金属水素化物などの無機塩基、トリエチルアミン、トリ
ブチルアミン、ピリジンなどの有機塩基を使用すること
ができ、塩基の量は好ましくは1.0〜1.5モル当量を用い
る。反応温度は、−20℃から溶媒の沸点までの温度範囲
で行うことができるが、好ましくは−10℃〜室温の範囲
である。
一般式(I)の化合物を製造するために用いられる一
般式(II)の化合物は、ほぼ当モル量の一般式(IV)で
表されるN′−tert−ブチル−N−ベンゾイルヒドラジ
ドと一般式(V)で表されるベンゾイルハライドを前述
したような不活性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン
などの有機塩基またはアルカリ金属水酸化物の存在下反
応させることにより簡単に製造される。該反応は下記式
で示される。
〔式中、R1、R2、R3、R4及びXは前記と同じ意味を有
する。〕 一般的に式(IV)の化合物1当量当たり約2〜6モル
当量の塩基で反応を完結させるには十分である。
また、一般式(II)の化合物を製造するために用いら
れる一般式(IV)の化合物はt−ブチルヒドラジン塩酸
塩と対応する一般式(VI)で表されるベンゾイルハライ
ドとを反応させることにより得ることができる。該反応
は下記式で示される。
〔式中、R1、R2、及びXは前記と同じ意味を有す
る。〕 該反応の条件たとえば反応溶媒、塩基などは一般式
(IV)の化合物と一般式(V)の化合物との反応に用い
られる条件と同様である。
一般式(I)の化合物あるいは一般式(II)の化合物
の製造時における反応混合物は充分な時間攪拌され通常
の後処理たとえば抽出、水洗、乾燥、溶媒留去等の過程
により目的物が回収される。また、必要があれば再結晶
あるいはカラムクロマトグラフィーにより精製を行うこ
とができる。
本発明の一般式(I)の化合物を使用する場合、使用
目的に応じてそのままかまたは効果を助長あるいは安定
にするために農薬補助剤を混用して、農薬製造分野にお
いて一般に行なわれている方法により、粉剤、細粒剤、
粒剤、水和剤、フロアブル剤、乳剤、マイクロカプセル
剤、油剤、エアゾール、加熱燻蒸剤(蚊取線香、電気蚊
取など)、フォッキングなどの煙霧剤、非加熱燻蒸剤、
毒餌などの任意の製剤形態の組成物にして使用できる。
これらの種々の製剤は実際の使用に際しては、直接そ
のまま使用するか、または水で所望の濃度に希釈して使
用することができる。
ここに言う農薬補助剤としては担体(希釈剤)および
その他の補助剤たとえば展着剤、乳化剤、湿展剤、分散
剤、固着剤、崩壊剤等をあげることができる。液体担体
としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ブ
タノール、オクタノール、グリコールなどのアルコール
類、アセトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド等の
アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、
メチルナフタレン、シクロヘキサノン、動植物油、脂肪
酸、脂肪酸エステルなどまた灯油、軽油等の石油分留物
や水などがあげられる。
固体担体としてはクレー、カオリン、タルク、珪藻
土、シリカ、炭酸カルシウム、モノモリロナイト、ベン
トナイト、長石、石英、アルミナ、鋸屑などがあげられ
る。
また乳化剤または分散剤としては通常界面活性剤が使
用され、たとえば高級アルコール硫酸ナトリウム、ステ
アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシ
エチレンアルキルフエニルエーテル、ラウリルベタイン
などの陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界活性剤、非
イオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤があげら
れる。
又、展着剤としてはポリオキシエチレンノニルフエニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなど
があげられ、湿展剤としてはポリオキシエチレンノニル
フエニルエーテルジアルキルスルホサクシネートなどが
あげられ、固着剤としてはカルボキシメチルセルロー
ス、ポリビニルアルコールなどがあげられ、崩壊剤とし
てはリグニンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナト
リウムなどがあげられる。
さらにこれら本発明化合物は2種以上の配合使用によ
って、より優れた殺虫力を発現させることも可能であ
り、また他の生理活性物質、たとえばアレスリン、フタ
ルスリン、パーメスリン、デカメスリン、フエンバレレ
ート、シクロプロトリンなどのピレスロイドおよび各種
異性体、除虫菊エキス、DDVP、フエニトロチオン、ダイ
アジノン、テメホスなどの有機リン系殺虫剤、NAC、MTM
C、BPMC、ピリマーなどのカーバメート系殺虫剤、その
他の殺虫剤、殺ダニ剤あるいは殺菌剤、殺線虫剤、除草
剤、植物生長調整剤、肥料、BT剤、昆虫ホルモン剤その
他の農薬などと混合することによりさらに効力のすぐれ
た多目的組成物をつくることもでき、また相乗効果も期
待できる。
さらに、たとえばピペロニルブトキサイド、サルホキ
サイド、サフロキサンなどのピレスロイド用共力剤とし
て知られているものを加えることにより、この効力を数
倍にすることもできる。
また、本発明化合物は光、熱、酸化物に安定性が高い
が、必要に応じ酸化防止剤あるいは、紫外線吸収剤、た
とえばBHT、BHAのようなフェノール類、α−ナフチルア
ミンなどのアリールアミン類あるいはベンゾフェノン系
化合物類を安定剤として適宜加えることによって、より
効果の安定した組成物を得ることができる。
本発明組成物中における有効成分含有量は製剤形態、
施用する方法その他の条件により異なり場合によっては
有効成分化合物のみでよいが通常は0.2〜95%(重量)
好ましくは0.5〜80%(重量)の範囲である。
本発明の組成物の使用量は剤形、施用する方法、時
期、その他の条件によって変るが、農園芸用剤、森林防
害虫用剤及び牧野害虫用剤は通常10アール当り有効成分
量で10〜300g、好ましくは15〜200gが使用され、衛生防
害虫用剤は通常1m2当り有効成分量で2〜200mg、好ま
しくは5〜100mgが使用される。たとえば粉剤は10アー
ルあたり有効成分で15〜120g、粒剤は有効成分で30〜24
0g、また乳剤、水和剤は有効成分で40〜250gの範囲であ
る。しかしながら特別の場合には、これらの範囲を越え
ることが、または下まわることが可能であり、また時に
は必要でさえある。
また、寄生虫の防除のために、本発明の一般式(I)
の化合物を使用する場合、体重につき、0.1〜200mg/kg
に相当する投与量で用いることができる。与えられた状
態に対する正確な投与量は、日常的に決定することがで
き、種々の因子、たとえば、用いられる物質、寄生虫の
種類、用いられる配合及び寄生虫にかかったヒトあるい
は動物の状態に依存する。
本発明の殺虫組成物の適用できる具体的な害虫名を挙
げる。
半翅目〔Hemiptera〕からたとえばツマグロヨコバイ
〔Nephotettix cincticeps)、セジロウンカ(Sogatell
a furcifera)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugen
s)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、ホ
ソヘリカメムシ(Riptortus clavatus)、ミナミアオカ
メムシ(Nezara viridula)、ナシグンバイ(Stephanit
is nashi)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vapor
ariorum)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモ
アカアブラムシ(Myzus persicae)、ヤノネカイガラム
シ(Unasqis yanonensis)、鱗翅目〔Lepidoptera〕か
らたとえばキンモンホソガ(Phyllonorycter ringoneel
la〕、コナガ(Plutella xylostella)、ワタミガ(Pro
malactis inonisema)、コカクモンハマキ(Adoxophyes
orana)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivore
lla)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、
ニカメイガ(Chilo supperessalis)、アワノメイガ(O
strinia furnacalis)、ヨトウガ(Mamestra brassica
e)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ハスモン
ヨトウ(Spodoptera litura)、イネツトムシ(Parnara
guttata)、モンシロチョウ(Pieris rapae crucivor
a)、ヘリオチス(Heliothis spp.)、ヤガ(Agrotis s
pp.)、鞘翅目〔Coleoptera〕からたとえばドウガネブ
イブイ(Anomala cuprea)、マメコガネ(Popillia jap
onica)、イネゾウムシ(Echinocnemus soqameus)、イ
ネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、イネ
ドロオイムシ(Oulema oryzae)、ヒメマルカツオブシ
ムシ(Anthrenus verbasci)、コクヌスト(Tenebroide
s mauritanicus)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamai
s)、ニジュウヤホシテントウ(Henosepilachna vigint
ioctopunctata)、アズキゾウムシ(Callosobruchus ch
inensis)、マツノマダラカミキリ(Monochamus altern
atus)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、レプ
チノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemline
ata)、フェドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleari
ae)、ジアブロチカ(Diabrotica spp.)、膜翅目〔Hym
enoptera〕として、たとえばカブラハバチ(Athalia ro
sae japonensis)、ルリチュウレンジハバチ(Arge sim
ilis)、双翅目〔Diptera〕としてたとえばネッタイイ
エカ(Culex pipiens fatigans)、ネッタイシマカ(Ae
des aegypti)、ダイズサヤタマバエ(Asphondylis s
p.)、タネバエ(Hylemya platura)、イエバエ(Musca
domestica vicina)、ウリミバエ(Dacus cucurbita
e)、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae)、キンバエ
(Lucilia spp.)、隠翅目〔Aphaniptera〕としてヒト
ノミ(Pulex irritans)、ケオブスネズミノミ(Xenops
ylla cheopis)、イヌノミ(Ctenocephalides cani
s)、総翅目〔Thysanoptera〕としてチャノキイロアザ
ミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ネギアザミウマ(T
hrips tabaci)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips pal
mi)、イネアザミウマ(Baliothrips biformis)、シラ
ミ目〔Anoplura〕として、たとえばコロモジラミ(Pedi
culus humanus corporis)、ケジラミ(Pthirus pubi
s)、チャタテムシ目〔Psocoptera〕として、たとえば
コチャタテ(Trogium pulsatorium)、ヒラタチャタテ
(Liposcelis bostrychophilus)、直翅目〔Orthopter
a〕としてケラ(Gryllotalpa africana)、トノサマバ
ッタ(Locusta migratoria)、コバネイナゴ(Oxya yez
oensis)、チャバネゴキブリ(Blattella germanic
a)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)。
また、本発明の殺虫組成物が適用できるヒトを苦しめ
る最も重要な寄生虫及びそれによる病気を次に要約する
が、これらに限定されるものではない。
〔実施例〕 以下は実施例をあげて本発明を説明するが、本発明は
これらのみに限定されるものではない。
製造例1. N′−tert−ブチル−N−ジクロロフルオロメチルスル
フェニル−N,N′−ジベンゾイルヒドラジン(化合物No.
1): N′−tert−ブチル−N,N′−ジベンゾイルヒドラジ
ン1.0g(3.37ミリモル)の塩化メチレン10ml溶液にトリ
エチルアミン0.52ml(3.7ミリモル)を加え、反応液を
攪拌しながら0℃まで冷却した。ジクロロフルオロメチ
ルスルフェニルクロリド0.37ml(3.5ミリモル)を10℃
を越えないように滴下し、0〜5℃でさらに1時間攪拌
した。反応液を水にあけ、塩化メチレンで抽出し、有機
層を希塩酸、炭酸水素ナトリウム水、飽和食塩水で順次
洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去
して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにて精製してN′−tert−ブチル−N−ジクロロ
フルオロメチルスルフェニル−N,N′−ジベンゾイルヒ
ドラジン1.44g(収率100%)を淡黄色油状物として得
た。
製造例2. N′−tert−ブチル−N−トリクロロメチルスルフェニ
ル−N,N′−ジベンゾイルヒドラジン(化合物No.2): ジクロロフルオロメチルスルフェニルクロリド0.37ml
の代わりにパークロロメチルカプタン0.40ml(3.65ミリ
モル)を用いる以外は製造例1と同様に処理してN′−
tert−ブチル−N−トリクロロメチルスルフェニル−N,
N′−ジベンゾイルヒドラジン1.20g(収率79.9%)を淡
黄色油状物として得た。このものをさらにヘキサン中で
結晶化させ、0.85gの無色結晶を得た。m.p.113〜4℃ 次に本発明に係る一般式(I)で表される化合物の代
表例を第1表に示す。
次に殺虫組成物を製剤例を用いて具体的に説明する。
製剤例1.乳剤 化合物番号1の化合物20部にキシレン−メチルナフタ
レンの混合液65部を加え溶解し、次いでこれにアルキル
フェノール酸化エチレン縮合物とアルキルベンゼンスル
ホン酸カルシウムの混合物(8:2)15部を混合して乳剤
とした。本剤は水で希釈して散布液として使用する。
製剤例2.水和剤 化合物番号1の化合物20部にカオリン35部、クレー30
部、珪藻土7.5部を混合し、さらにラウリン酸ソーダと
ジナフチルメタンスルホン酸ナトリウムの混合物(1:
1)7.5部を混合して微粉砕して粉剤を得た。本剤は水で
希釈して散布液として使用する。
製剤例3.粉剤 化合物番号2の化合物1部にタルクと炭酸カルシウム
の混合物(1:1)97部を加え混合磨砕して充分均等に分
散配合した後、さらに無水珪酸2部を添加し、混合粉砕
し粉剤とした。本剤はこのまま散布して使用する。
製剤例4.粒剤 化合物番号2の化合物2部をベントナイト微粉末48
部、タルク48部、リグニンスルホン酸ナトリウム2部と
混合した後、水を加え均等になるまで混練する。次に射
出成型機を通して造粒し、整粒機、乾燥機、篩、を通す
ことにより粒径0.6〜1mmの粒剤とした。本剤は直接水田
面および土壌面に散粒して使用する。
製剤例5.油剤 化合物番号1の化合物0.1部にピペロニルブトキサイ
ド0.5部を加え白灯油に溶解し、全体を100部とし、油剤
を得た。本剤はこのまま使用する。
製剤例6.エアゾール 化合物番号5の化合物0.4部、ピペロニルブトキサイ
ド20部、キシレン6部、脱臭灯油7.6部を混合溶融し、
エアゾール容器に充てんし、バルブ部分を取り付けた
後、バルブ部分を通じてフレオン86部を加圧充てんしエ
アゾールを得た。
製剤例7.加熱繊維燻蒸殺虫組成物 化合物番号1の化合物0.05gを適量のクロロホルムに
溶解し、2.5cm×1.5cm厚さ0.3mmの石綿の表面に均等に
吸着させ熱板上加熱繊維燻蒸殺虫組成物を得た。
製剤例8.蚊取線香 化合物番号1の化合物0.5gを20mlのメタノールに溶解
し、線香用担体(タブ粉:粕粉:木粉を3:5:1の割合で
混合)を99.5gと均一に攪拌混合しメタノールを蒸発さ
せた後、水150mlを加えて充分練り合わせたものを成型
乾燥し蚊取線香を得た。
次に本発明に係る一般式(I)で表わされる化合物の
生物効果を試験例により具体的に説明する。
試験例1.コナガに対する効果(茎葉浸漬法) 本発明化合物の20%水和剤あるいは20%乳剤を製剤例
1および2に従って製造し、供試薬剤とした。対照薬剤
としてMEP50%乳剤、サイパーメスリン6%乳剤を用い
た。
試験方法:キャベツ本葉10枚程度に生育したキャベツの
中位葉を切りとり、各供試薬剤の有効成分が200ppmにな
るように水で希釈した処理液に20秒間浸漬した。風乾
後、径9cmのプラスチック容器に入れ、コナガ3令幼虫1
0頭を放虫した。容器には小穴を5〜6ヶ所あけたふた
をして、25℃の低温室内に静置した。処理、放虫してか
ら4日後に生死虫数を調査し、死虫率を算出した。結果
は2連の平均値で第2表に示した。なお、このコナガは
感受性系統の上尾産および有機リン剤、カーバメート
剤、ピレスロイド剤等に抵抗性の鹿児島産を用いた。
試験例2.ハスモンヨトウに対する効果 本発明化合物の20%水和剤あるいは20%乳剤を製剤例
1および2に従って製造し、供試薬剤とした。
試験方法:キャベツ本葉10枚程度に生育したキャベツの
中位葉を切りとり、各供試薬剤の有効成分が200ppmにな
るように水で希釈した処理液に20秒間浸漬した。風乾
後、径9cmのプラスチック容器に処理葉を2枚入れ、ハ
スモンヨトウ3令幼虫5頭を容器中に放虫した。容器に
は小穴を5〜6ヶ所あけたふたをして25℃の定温室内に
静置した。処理、放虫してから4日後に生死虫数を調査
し、死虫率を算出した。結果は3連の平均値で第3表に
示した。
試験例3.コブノメイガに対する効果 本発明化合物の20%水和剤あるいは20%乳剤を製剤例
1及び2に従って製造し、供試薬剤とした。
試験方法:3葉期のイネ10本を各供試薬剤の有効成分が20
0ppmになるように水で希釈した処理液に20秒間浸漬し
た。風乾後、イネをウレタンで巻きガラス円筒(内径44
mm、高さ140mm)内に固定し、コブノメイガ3齢虫を5
頭放虫したのち、ガラス円筒の上部を薬包紙でふたをし
た。ガラス円筒は25℃、16時間明期の恒温室内に静置し
た。処理、放虫してから4日後に生死虫数を調査し、死
虫率を算出した。なお、試験は2連制で行ない、コブノ
メイガは感受性系統を供試した。結果を第4表に示し
た。
試験例4.チャノコカクモンハマキに対する結果 本発明化合物の20%水和剤あるいは20%乳剤を製剤例
1及び2に従って製造し、供試薬剤とした。
試験方法:長さ5cm前後の茶の葉7枚を供試薬剤の有効
成分が200ppmになるように水で希釈した処理液に20秒間
浸漬した。風乾後、プラスチック容器(内径770mm、高
さ40mm)に入れ、チャノコカクモンハマキ3齢虫を5頭
放虫した。容器に小穴を5〜6ヶ所あけたふたをして、
25℃、16時間明期の恒温室内に静置した。処理、放虫し
てから4日後に生死虫数を調査し、死虫率を算出した。
なお、試験は2連制で行ない、チャノコカクモンハマキ
は感受性系統を供試した。結果を第5表に示した。
〔発明の効果〕 本発明は、以下実施例をあげて説明したように構成さ
れているので、以下に記載されるような効果を奏する。
本発明のN′−tert−ブチル−N−ハロゲノメチルス
ルフェニル−N,N′ジベンゾイルヒドラジン誘導体は、
公知の殺虫剤たとえば有機リン剤、ピレスロイド剤等に
対し抵抗性を示す害虫にもすぐれた殺虫効力を示し、水
田、畑地、果樹園、森林または環境衛生場面における有
害生物防除場面で有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 前田 憲彦 (56)参考文献 特開 平2−1441(JP,A) 特公 昭42−13861(JP,B1) 特公 昭31−8381(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 313/00 A01N 51/00 C07D 317/00 REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子、
    ハロゲン原子、(C1〜C4)アルキル基、(C2〜C5)アル
    ケニル基、(C2〜C5)アルキニル基、(C1〜C4)アルコ
    キシ基、(C1〜C4)ハロアルキル基、(C1〜C4)ハロア
    ルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表し、R1とR2
    隣接したアルコキシ基の場合は、これらの基が結合して
    5−または6−員のジオキソラノまたはジオキサノ環を
    形成してもよく、R5はハロメチル基を表す。〕で表され
    るN′−tert−ブチル−N−ハロゲノメチルスルフェニ
    ル−N,N′−ジベンゾイルヒドラジン誘導体。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第(1)項記載の一般式
    (I)で表されるN′−tert−ブチル−N−ハロゲノメ
    チルスルフェニル−N,N′−ジベンゾイルヒドラジン誘
    導体を有効成分として含有することを特徴とする殺虫組
    成物。
  3. 【請求項3】一般式 〔式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子、
    ハロゲン原子、(C1〜C4)アルキル基、(C2〜C5)アル
    ケニル基、(C2〜C5)アルキニル基、(C1〜C4)アルコ
    キシ基、(C1〜C4)ハロアルキル基、(C1〜C4)ハロア
    ルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表し、R1とR2
    隣接したアルコキシ基の場合は、これらの基が結合して
    5−または6−員のジオキソラノまたはジオキサノ環を
    形成してもよい。〕で表されるN′−tert−ブチル−N,
    N′−ジベンゾイルヒドラジンと、 一般式 R5SX (III) 〔式中、R5はハロメチル基を表し、Xはハロゲン原子を
    表す。〕 で表されるハロゲノメチルスルフェニルハライドを不活
    性溶媒中、適当な塩基の存在下反応させることからな
    る、一般式 〔式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子、
    ハロゲン原子、(C1〜C4)アルキル基、(C2〜C5)アル
    ケニル基、(C2〜C5)アルキニル基、(C1〜C4)アルコ
    キシ基、(C1〜C4)ハロアルキル基、(C1〜C4)ハロア
    ルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表し、R1とR2
    隣接したアルコキシ基の場合は、これらの基が結合して
    5−または6−員のジオキソラノまたはジオキサノ環を
    形成してもよく、R5はハロメチル基を表す。〕で表され
    るN′−tert−ブチル−N−ハロゲノメチルスルフェニ
    ル−N,N′−ジベンゾイルヒドラジン誘導体の製造方
    法。
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