JP2884992B2 - リークデテクタ - Google Patents

リークデテクタ

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JP2884992B2
JP2884992B2 JP5120192A JP12019293A JP2884992B2 JP 2884992 B2 JP2884992 B2 JP 2884992B2 JP 5120192 A JP5120192 A JP 5120192A JP 12019293 A JP12019293 A JP 12019293A JP 2884992 B2 JP2884992 B2 JP 2884992B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、封止検査や密閉検査等
を行う際に利用されるリークデテクタに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のリークデテクタとして
は、被試験体を所定真空度にまで排気した後、被試験体
より漏出してくるヘリウムを含むガスの中から、イオン
化したヘリウムのみを分析管により分離して、そのヘリ
ウムの量をイオン検出器により検出し、その検出結果
を、例えば、ペンレコーダのようなアナログ測定部によ
り表示して、被試験体からの漏出量を間接的に測定、記
録するものが知られている。このような漏出量の測定で
は、時間の経過とともに増加し減少する漏出量の最大値
を検出することが、被試験体の特性を知る上で重要であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般的に、
被試験体からの漏出量に応じてイオン検出器から出力さ
れる信号は、ダイナミックレンジが非常に大きく、かつ
その変化も急激である。このような漏出量を、アナログ
測定部により測定、記録する場合、その精度を上げるべ
く可能な限り漏出量を大きく表示するようにしている。
一方、瞬時に大きな信号がイオン検出器により検出され
ると、アナログ測定部の限られた表示領域に表示したの
では測定ができない場合がある。そのため、測定者が信
号の測定レンジ切換を手動で行い、同一の表示領域の大
きさで、時々刻々大きくなる漏出量を表示して精度の劣
化を防止している。
【0004】しかしながら、このような手動でのレンジ
切換では、その切換の際に時間的に空白部分が発生し、
その都度時系列データに、いわゆる「とび」が生じて漏
出量の変化を把握する場合に障害となっている。すなわ
ち、測定レンジを切り換えている間と漏出量が最大値を
呈するタイミングとが一致すると、漏出量の正確な最大
値を検出、測定することができなくなり、最悪の場合、
再度の検査が必要となった。
【0005】本発明は、このような不具合を解消するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係るリークデテクタは、物体の
漏出量を検知する検知手段と、検知手段により検知した
漏出量を指数部データと仮数部データとに演算するデー
タ演算手段と、データ演算手段で演算した指数部データ
と仮数部データとを一の表示画面に分離して同時に目視
可能、且つ測定レンジの切替なしでリアルタイムに時間
軸とともに連続的に表示するとともに、少なくとも仮数
部データをグラフ表示する表示手段とを具備してなるこ
とを特徴とする。
【0007】
【作用】このような構成のものであれば、検知手段が検
知した物体の漏出量は、データ演算手段が演算して指数
部データと仮数部データとに分離し、表示手段がそれら
2つのデータを測定レンジの切替えなしで同時に目視可
能に分離してリアルタイムに時間軸とともに連続的に表
示するので、漏出量に急激な変化が生じても、表示手段
の表示レンジを切り換える必要がなくなる。すなわち、
時々刻々変化する漏出量を、その全体的なボリュームを
指数部データにより表示し、かつ同時に詳細な数量を仮
数部データにより時間軸とともに表示するようにしてい
る。このように、漏出量に対応する1つの量を2つのデ
ータで表示することにより、指数部データからどの時点
で漏出量が多くなったかを迅速に判定でき、そして、仮
数部データから最大になった時点とその最大値を容易に
認識できて、その最大値を測定することができる。加え
て、2つのデータを同一の画面にデジタル表示すること
で指数部と仮数部の対応関係が一見できる。これによ
り、漏出量を瞬時に把握することができ、作業者の迅速
な対応が可能となる。また、手動による測定レンジの切
換を行わないので、連続的に漏出量の測定を行うことが
でき、測定不良の発生を防止することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。図1に示すヘリウムリークデテクタは、被試
験体1を粗引ポンプ2に接続する排気系Lと、この排気
系Lの途中にテストバルブ3を介して選択的に接続され
る分析管4と、分析管4からの出力信号を増幅する検知
部アンプ5と、検知部アンプ5の出力信号をA/D変換
するA/Dコンバータ6と、A/Dコンバータ6から出
力されるデジタルデータを指数部データDiと仮数部デ
ータDfとに分離する分離演算部7と、分離演算部7か
ら出力される指数部データDiと仮数部データDfとを
表示する表示手段たる表示部8とを具備している。この
構成において、分析管4と検知部アンプ5とで検知手段
が、またA/Dコンバータ6と分離演算部7とでデータ
演算手段が、それぞれ構成される。なお、排気系L、分
析管4及び検知部アンプ5は、それぞれ当該分野でよく
知られたものを広く適用することができる。
【0009】A/Dコンバータ6は、ヘリウムによる漏
出検査の漏出量のダイナミックレンジを考慮して、検知
部アンプ5の出力信号が、例えば、0.1秒間に10
〜10倍程度変化してもA/D変換可能なように、入
力レンジ及びサンプリング速度等を設定する。分離演算
部7は、マイクロコンピュータシステムからなり、A/
Dコンバータ6から入力される1つのデシタルデータを
指数部データDiと仮数部データDfとに分離し、2つ
のデータとして表示部8に出力するとともに、それらの
指数部データDiと仮数部データDfとを測定後に出力
できるよう記憶している。また、指数部データDiと仮
数部データDfとを、例えばペンレコーダなどの外部の
測定記録装置に、表示部8への出力と同時あるいは別個
に出力し得るように、そのための出力端子を具備してい
る。表示部8は、表示面としてCRT表示装置を備える
とともに、分離演算部7から入力される、指数部データ
Diと仮数部データDfとを、指数部データDiはCR
T表示装置の表示画面DSの上部分に線分Slにて表示
できる画像データとし、また仮数部データDfは同じ
く、表示画面DSの下部分に棒グラフBgの形にて表示
できる画像データにする画像処理装置を備えている。し
たがって、表示部8は、入力される指数部データDiと
仮数部データDfとを、図2に示すように、表示画面D
Sの上側部分と下側部分とに分離して表示する。
【0010】このような構成において、漏出検査は、ま
ず粗引ポンプ2により被試験体1を所定真空度にまで排
気した後テストバルブ3を開にして、分析管4に被試験
体1より漏出したヘリウムを含む漏出ガスを流入させ、
この分析管4においてヘリウムのみを漏出ガスから分離
し、分離したヘリウムの量を測定することで、被試験体
1からの漏出量を間接的に測定する。しかして、漏出し
たヘリウムの量に応じて変化する分析管4からの出力信
号は、検知部アンプ5によりA/D変換可能な信号レベ
ルにまで増幅された後、A/Dコンバータ6によりディ
ジタル信号に変換され、分離演算部7に入力される。分
離演算部7では、入力されたディジタル信号から、例え
ば、測定単位をatm・cc/s(He)として、漏出
量を演算し、その演算結果をさらに指数部データDiと
仮数部データDfとに分離して記憶するとともに表示部
8に出力する。この実施例では、指数部データDiは、
符号付きの羃指数のみをデータにしており、仮数部デー
タDfは、0〜10.0の数値範囲のデータにして、そ
れぞれ出力される。したがって、仮数部データの表示範
囲を表示画面DSの比較的大部分に設定し、指数部デー
タDiは、そのデータの性格上変動が緩やかなので、表
示画面DSの残る部分を用いて表示する。
【0011】表示部8に表示される指数部データDiと
仮数部データDfとは、図2に示すように、表示画面D
Sの上側部分と下側部分とに分離して表示される。具体
的には、表示画面DSの上側部分に画面左側から右方向
に時間の経過とともに伸びる線分Slで指数部データD
iが表示され、同時に時間の経過にしたがって画面右方
向に順次描画される棒グラフBgで仮数部データDfを
表示する。表示される線分Sl及び棒グラフBgとも、
画面横方向に経過時間が目盛られており、画面縦方向に
漏出量の目盛が設定してある。ここで、例えば、ヘリウ
ムの漏出量が徐々に増加している状態では、仮数部デー
タDfを示す棒グラフBgが順次高くなりながら画面右
方向に描画されていく。この間、指数部データDiを示
す線分Slは同一目盛上を画面右方向に時間経過ととも
に長くなっていく。そして、仮数部データDfがその表
示レンジの最大値以上の値となった場合には、指数部デ
ータDiの線分は、一目盛下がって新たに線分を描画し
はじめ、同様に、仮数部データDfの棒グラフBgは、
指数部データDiの変化に一致して新たな棒クラフBg
を描画する。つまり、例えば、仮数部データDfが7.
4から12.8に変化した場合には、指数部データDi
が、−9から−8のように一目盛変更され、これに一致
して仮数部データDfが5.4に変更されて、次の描画
位置に表示される。この後さらに漏出ヘリウムが検知さ
れ、その漏出量が表示部8に表示されるが、上記したよ
うに漏出量の多少に応じてそれぞれのデータの表示は変
わるが、検知及び表示が一時的にも中断されることはな
い。
【0012】以上の様な構成のものであれば、検知した
物体の漏出量を、指数部データDiと仮数部データDf
とに分離して測定レンジの切替えなしで同時に目視が可
能とし、リアルタイムに時間軸とともに連続的に表示す
ることにより、漏出量に急激な変化が生じても、表示手
段の表示レンジの切り換えを必要とせずに連続して漏出
量を検知することができる。また、このように漏出量に
対応する1つの量を2つのデータで表示することによ
り、漏出量の最大値を読み取る際には、指数部データD
iの線分Slの変動状態から、漏出量がどの程度の時間
経過後に最大値になったのかを容易に判定し、同時に仮
数部データDfの棒グラフBgの変動状態から、漏出量
の最大値を読み取ることができる。それゆえに、被試験
体1の封止状態あるいは密閉状態の時間的特性を迅速
に、かつ容易に判定、認識することができる。加えて、
2つのデータを同一の表示画面DSにデジタル表示して
いることで指数部データDiと仮数部データDfの対応
関係が一目瞭然となる。これにより、漏出量を瞬時に把
握することができ、作業者の迅速な対応が可能となる。
また、手動による測定レンジの切換を行わないので、連
続的に漏出量の測定を行うことができ、測定不良の発生
を防止することができる。したがって、漏出量の大小や
検出値の変化の緩急によらず、リークテストを迅速、的
確、容易に行なうことができる。
【0013】なお、本発明は以上説明した実施例に限定
されるものではない。上記実施例にあっては、仮数部デ
ータDfを棒グラフBgにより表示したが、折れ線グラ
フで表示するものであってもよい。また、指数部データ
Diの表示は、上記実施例のように線分Slで表示する
とともに、そのデータの大きさに応じて色分けし、色が
変化したことにより指数部データDiが変化したことを
把握できるようにするものであってもよい。また、表示
手段としては、上記実施例におけるCRT表示装置の代
わりに、液晶表示装置などを用いるものであってもよ
い。あるいは、記録も同時にできるペンレコーダやプロ
ッタなどであってもよい。その他、各部の構成は図示例
に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲で種々変形が可能である。
【0014】
【発明の効果】本発明は、以上に詳述したように、検知
した物体の漏出量を、指数部データと仮数部データとに
分離して、同時に目視可能に表示しているので、急激
に、かつ大幅に変化する場合をも比較的小さなダイナミ
ックレンジで表現することが可能となり、しかも指数部
データを採用することにより、測定レンジの切り換えを
行うことなく連続して漏出量を検知することができる。
表示手段においても時々刻々変化する漏出量をリアルタ
イムに時間軸とともに連続的に表示し、加えて、指数部
データと仮数部データを一の表示画面にデジタル表示す
ることで、漏出量の時間的特性を容易に認識し、漏出量
の最大値を容易に、かつ確実に認識することができる。
したがって、リーク量の大小や検出値の変化の緩急によ
らず、リークテストを迅速、的確、容易に行なうことが
できるという優れた効果を奏するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成説明図。
【図2】同実施例における表示部の表示画面の一例を示
す画面構成図。
【符号の説明】
1…被試験体 4…分析管 5…検知部アンプ 6…A/Dコンバータ 7…分離演算部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体の漏出量を検知する検知手段と、 検知手段により検知した漏出量を指数部データと仮数部
    データとに演算するデータ演算手段と、 データ演算手段で演算した指数部データと仮数部データ
    とを一の表示画面に分離して同時に目視可能、且つ測定
    レンジの切替なしでリアルタイムに時間軸とともに連続
    的に表示するとともに、少なくとも仮数部データをグラ
    フ表示する表示手段とを具備してなることを特徴とする
    リークデテクタ。
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