JP2884230B2 - 缶蓋部材の加工・組立装置 - Google Patents

缶蓋部材の加工・組立装置

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JP2884230B2 JP27889696A JP27889696A JP2884230B2 JP 2884230 B2 JP2884230 B2 JP 2884230B2 JP 27889696 A JP27889696 A JP 27889696A JP 27889696 A JP27889696 A JP 27889696A JP 2884230 B2 JP2884230 B2 JP 2884230B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は缶蓋部材の加工・組
立装置に関し、特に、5ガロン缶等と呼ばれる缶の缶蓋
部材に対して、口金部材を取付ける装置に関する。
【0002】
【発明の背景および発明が解決しようとする課題】5ガ
ロン缶と呼ばれる18リットル入りの金属缶は、缶本体
(缶胴)の上に別体に作成した缶蓋部材を取付けて構成
するが、前記缶蓋部材には開閉可能なキャップを設ける
口金部材を固定して取付け、液体の出し入れ口として設
けている。前記缶蓋部材は、例えば、実公昭61−44
23号公報等に示されるような装置を用いて、金属板部
材の周囲の部分にフランジを加工するが、前述したよう
な装置を用いて板部材の加工を行ってから、口金部材を
固定するための加工を行う必要がある。前記缶蓋部材
は、図10に示されるように構成されるもので、缶本体
のサイズに対応させて形成した缶蓋部材1は、任意の凹
凸を形成して板の強度を向上させる加工を行ったもの
に、その缶蓋部材の1つの角の部分に対して口金部材1
0を固定して取付ける加工を行っている。
【0003】前記口金部材10としては、図11、12
に示すような構成を有するものを用いており、図11
(a)、(b)に示す口金部材10においては、キャッ
プを係止するためのネジ条を有する本体11の上部分に
二重に巻き締めた口部12を介して開口部13を設け、
本体11の下部には折り返し部を設けたフランジ14を
形成している。そして、前記フランジ14の部分を缶蓋
部材の板部材と重ねて巻き締めることにより、口金部材
10を缶蓋部材1に一体に固定させる。また、図12
(a)、(b)に示す缶蓋部材10aにおいては、本体
11の下部に上向きに折り曲げたフランジ14aを用い
て缶蓋部材に固着することができるようにされる。
【0004】前記図11、12に示されるような口金部
材を缶蓋部材に取付ける際には、図13〜14のそれぞ
れに示されるような工程を経て缶蓋部材の加工と口金部
材の取付けの作業が行われる。図13に示す例は、前記
口金部材10を缶蓋部材1に対して取付ける作業工程を
示しているもので、同図(a)に示す打ち抜き工程で
は、注ぎ口に対応する孔4と凹部とをプレスにより成形
して、打ち抜き成型部3を形成する。次いで、同図
(b)に示す工程では、孔の周囲の部分を上側に立ち上
げる立上加工部5を形成する。さらに、同図(c)の工
程では、前記立上加工部5に対して口金部材10のフラ
ンジ14が嵌合するように、口金部材供給装置から口金
部材10を供給し、缶蓋部材の立上加工部5と口金部材
のフランジ14とを相互に位置決め(仮カシメ)する。
その後に、同図(d)に示す工程では、立上加工部5と
フランジ14とを重ねる状態で巻き締めて(本カシ
メ)、巻締固定部6を介して両部材を一体に固着するこ
とにより、口金部材10を設けた缶蓋部材1を作成す
る。
【0005】また、図14に示す例は、前記図12に示
される口金部材10aを缶蓋部材1に対して取付ける作
業工程を示しているもので、同図(a)に示す打ち抜き
工程では打ち抜き成型部3を形成し、同図(b)の工程
では孔の周囲の部分を上側に立上る立上加工部5を形成
する。さらに、同図(c)の工程では、前記立上加工部
5に対して口金部材10aのフランジ14aが嵌合する
ように、口金部材供給装置から口金部材10aを前記図
13の場合と逆にした状態で、あらかじめ反転状態にし
て供給し、缶蓋部材の立上加工部5と口金部材のフラン
ジ14aとを相互に位置決め(仮カシメ)する。その後
に、同図(d)に示す工程では、立上加工部5とフラン
ジ14aとを重ねる状態で巻き締めて(本カシメ)、巻
締固定部6を介して両部材を一体に固着することによ
り、口金部材10aを設けた缶蓋部材1を作成する。
【0006】前記図13、14に示す例とは別に、図1
5に示す例では、同図(a)に示す工程は打ち抜き成型
部3の加工と立上加工部5の加工とを順次施した状態を
示しており、その後に、立上加工部5を外側に折り曲げ
て二重折り部5aを形成する。そして、同図(b)に示
す工程では、缶蓋部材の二重折り部5aに対して、フラ
ンジ14を位置決め(仮カシメ)するようにして、口金
部材10を供給する。同図(c)の工程では前記立上加
工部とフランジ14とを重ねる状態で巻き締めて(本カ
シメ)、巻締固定部6を介して両部材を一体に固着する
ことにより、口金部材10aを設けた缶蓋部材1を作成
する。
【0007】前述したような工程を経て、缶蓋部材に対
して口金部材を一体に取付ける作業を行うものである
が、前記缶蓋部材の成型と口金部材の固定とを行うため
には、各作業に対応するプレス機等の工作機械を準備し
ておき、各工程に対応する作業を行う必要があった。そ
して、各工作機械の間では、ベルトコンベア等を配置し
て、缶蓋部材の素材を搬送しながら、各工程での加工の
作業を行うような手段を用いていた。したがって、缶蓋
部材製造工程においては、比較的能率の良くない作業を
強いられることになり、また、口金部材の供給や位置決
め等を行う際に、作業員は繁雑な作業を行う必要がある
等の、多くの解決を要する問題が残っていた。
【0008】本発明は、前述したような従来の缶蓋部材
製造の問題を解消するもので、1つの自動加工装置に複
数の小型に構成したプレス型を配置して、缶蓋部材に口
金部材を装着する孔の加工から、口金部材を固着する作
業までを順次行い得るような装置を提供すること、およ
び、前記装置の加工工程の間での搬送と位置決めを正確
に行い得る装置と、装置のプレス型の交換を容易に行い
得る装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、口金部材を一
体に組み込んた缶蓋部材を製造する装置に関する。本発
明の請求項1の発明は、缶蓋部材の材料に口金部材装着
用の孔を設ける工程と、前記孔の周囲の部分に立上がり
部を加工する工程と、前記立上がり部に口金部材を装着
する工程と、前記口金部材を缶蓋部材に対して固着する
工程と、に対応させた加工部を順次配置して1つの加工
装置を構成し、前記加工工程の各加工部に沿わせて被加
工物を搬送する1つの送り装置と、前記送り装置により
搬送される被加工物の案内を行う搬送ガイド部材と、各
加工部に対応させて配置し、被加工物の位置決めを行う
位置決め装置と、前記各加工部に設ける型部材と、を設
けて構成することを特徴とする。
【0010】請求項2の発明は、前記加工装置において
は、本体フレームのフロント側からリヤ側に向けて設け
た凹部と、前記凹部に配置するプレス機の上下のフレー
ムと、前記凹部のリヤ側で、前記各加工部に対応させて
配置する加工部材と、前記凹部のフロント側で、前記各
加工部に沿わせて加工物の搬送と位置決めのための搬送
ガイド部材と、送り装置および位置決め装置と、を設
け、前記被加工物の搬送と位置決めのための搬送ガイド
部材と、送り装置および位置決め装置とを、前記本体フ
レームの凹部の開口部からフロント側に移動可能に設け
ることを特徴とする。
【0011】請求項3の発明は、前記加工装置の各加工
部には、プレス機の上型部材と下型部材とを各々設け、
前記プレス機の上型部材と下型部材は、各々の支持部材
に設けたガイド手段と位置決め手段とを用いて、前記本
体フレームに設けた凹部の開口部側からリヤ側に向けて
摺動させながら装着可能に構成し、前記上型部材と下型
部材とを、各々の支持部材に対してピン部材と支持アー
ム部材とを用いて固定保持させることを特徴とする。請
求項4の発明は、前記加工部に配置する上型部材を支持
するために、上部フレームに支持される上下動フレーム
に対して、加工部の上型部材をそれぞれ支持する上型支
持フレームを設け、前記上下動フレームを支持する端部
ガイド柱部材と、各加工部材の上型支持フレームを支持
する型案内柱部材とを各々配置するとともに、前記端部
ガイド柱部材と型案内柱部材の各々に対して、上下動フ
レームと上型支持フレームの固定を行う手段を設けるこ
とを特徴とする。
【0012】前述したように構成したことにより、請求
項1に記載の発明においては、1つの自動加工装置に対
して複数の加工部材に対応する加工部材をそれぞれ配置
して、缶蓋部材に口金部材を装着する工程を順次実施す
る装置を構成することができる。また、自動加工装置の
加工部に対して缶蓋部材に口金部材を取付ける作業工程
にしたがって各加工部材を配置しているので、缶蓋部材
を一定の間隔で搬送しながら位置決めし、組み立て作業
を自動的に行うことができる。請求項2に記載する発明
では、プレス装置の本体に設けた凹部のリヤ側に近接さ
せた位置にプレスの作用を行う機構を配置して構成する
ことにより、加工作業による反力を、自動加工装置の装
置本体に直接負担させることが可能であり、本体フレー
ムの上下のフレームに対する応力の負担を軽減すること
ができる。また、加工部に対して被加工物の搬送と位置
決め等を行う装置を、自動加工装置の凹部に対して移動
可能に設けたことにより、加工部材に対するメンテナン
スや型部材の交換等の作業に際して、凹部のフロント側
に配置する各装置を邪魔にならない位置に保持させるこ
とが可能になる。
【0013】請求項3に記載の発明では、加工部に配置
する加工部材を、上型部材と下型部材とを組み合わせて
構成し、前記上型部材と下型部材との各々を、支持部材
に対してフロント側から着脱可能に構成したことによ
り、型部材の交換の作業を容易に行うことができる。ま
た、請求項4に記載の発明では、各加工部材に対して配
置する型部材を、共通の上下動フレームに対して上型支
持フレームを介して支持させ、前記上下動フレームと上
型支持フレームとをそれぞれ型案内柱部材を介して案内
と固定を行う手段を設けたことにより、装置のメンテナ
ンスを行う際や、型部材を交換する時には、支持部材の
固定を行って安全に作業を行うことが可能になる。
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】図示される例にしたがって、本発
明の缶蓋部材の加工・組立装置を説明する。図1に示す
例は、本発明の缶蓋部材の加工・組立装置に適用する自
動加工装置20の側面図として示しているもので、前記
自動加工装置20は一般のプレス加工装置の場合と同様
に、本体21に対して下部に下部フレーム23を、上部
に上部フレーム22をそれぞれ配置しており、前記上下
のフレーム22、23の間のフロント側には、加工装置
を配置する凹部24を設けている。また、前記凹部24
には、加工部30を設けており、前記加工部30には、
上下動フレーム25に支持されて上下動する上型部材4
0と、下部フレーム23に支持される下型部材45とを
配置している。
【0016】なお、図1に示されるように、本発明の加
工部30に配置する上下のプレス型としての型部材4
0、45による加工位置は、フレームに設けた凹部24
のリヤ側の端部にできるだけ近接させた位置に配置して
いる。そして、前記図10に示したように、缶蓋部材に
対して口金部材を取付けるための各種の加工を行う際
に、押圧力が大きく作用する位置を、前記凹部24のリ
ヤ側の端部、つまり、本体フレーム21に近接させた位
置に配置している。前述したようにして、プレス装置の
大きな力が作用する部分を、開口側でなしにリヤ側に配
置したことにより、本発明の自動加工装置20において
は、加工部に沿わせて缶蓋部材を搬送するための搬送ガ
イド部材50を、装置のフロント側に大きく突出させて
配置している。したがって、缶蓋部材に対する加工位置
を凹部24のリヤ側に設定した状態で、缶蓋部材に対す
る送りの作用を良好に行い得るように設けている。
【0017】図2に示す例は、前記自動加工装置20の
凹部に配置する加工部30の正面図であり、前記加工部
30においては、缶蓋部材に口金部材を取付けるための
加工工程にしたがって、加工部材31〜35を各々配置
している。前記加工部材において、例えば、図13の加
工工程(a)〜(d)にしたがった加工を行う場合に
は、加工部材31には缶蓋部材に孔開け加工を行うため
のプレス型を配置しており、加工部材32には立ち上げ
加工部を形成するためのプレス型を配置する。また、加
工部材34には口金部材を供給して位置決めを行うため
に、口金部材を供給するフィーダ等の装置を組み込んで
おき、加工部材35には口金部材の基部と缶蓋部材の立
ち上げ加工を行ったフランジ部とを一体に押圧して固着
するために、プレス型をそれぞれ配置して構成する。な
お、前記加工部30において、加工部材として5つの加
工部を配置しているが、口金部材を缶蓋部材に取付ける
ための加工が4工程の場合には、中間部の1つの加工部
材は使用しない場合もあり、図15に示すような立ち上
げ部を二重折りする加工等を行う場合には、5工程の加
工を行うために使用できるようにする。
【0018】前記自動加工装置における缶蓋部材の加工
工程にしたがって、缶蓋部材を加工部で搬送するため
に、送り装置60を配置しており、前記送り装置60に
おいては、駆動装置62により間欠駆動されるチェーン
61に図1に示すような送り爪部材63を所定の間隔で
配置している。前記駆動装置62においては、チェーン
61を一定の間隔ずつ駆動することにより、前記チェー
ンに取付けた送り爪部材を各加工部材に対して缶蓋部材
の位置決めを行い得る間隔ずつ移動させて、各加工部材
に設けたプレス型に対して缶蓋部材の加工部分の位置決
めを行い得るようにする。
【0019】また、前記送り装置60による缶蓋部材の
搬送に対応させて、缶蓋部材の正確な位置決めを行うた
めに、位置決め装置を配置しており、前記位置決め装置
には上下動用シリンダ76により上下動されるピン支持
フレーム75と、前記ピン支持フレームに配置する多数
の位置決め用ピン71……を設けて、送り装置により搬
送される缶蓋部材の前後の端部に対して位置決めピンを
突出させて位置決めを行うようにする。さらに、前記加
工部にしたがって搬送される缶蓋部材を案内するため
に、リヤガイド51とフロントガイド52とを対向させ
て配置しており、前記2つのガイド部材51、52の間
で、缶蓋部材のフロント側とリヤ側の側面を案内し、送
り装置により搬送される缶蓋部材が、各加工部材に対し
て斜め送りされたりすることがないように案内する。
【0020】
【実施例1】前記自動加工装置の加工部に配置するプレ
ス型は、図3、4に示すように構成されるもので、下型
部材45は下部フレーム23に対して固定位置に取付け
られるが、上型部材40は上部フレームに支持されて図
示を省略した駆動機構により上下動される上下動フレー
ム25に支持される。前記上下動フレーム25は、本体
フレームに対して端部ガイド柱部材26を介して上下動
方向の移動の案内が行われるもので、一般のプレス機械
と同様に、前記端部ガイド柱部材26には、上下動フレ
ーム25を上昇方向に付勢するためのスプリング部材
と、案内ロッド部材とロッドに対して上下動フレームの
移動の摩擦を低減するための摺動機構等が一体に設けら
れている。また、装置の点検や、休止時の上下動フレー
ムの支持を行うために、前記端部ガイド柱部材26に固
定ピン等を装着する手段を設けて、上下動フレームを上
昇させた位置で保持することができるようにする。
【0021】前記上下動フレーム25に対して加工部に
配置する各加工部材では、上型支持フレーム35を介し
て上型部材40を取り付けているもので、前記上型支持
フレーム36に対しては、型案内柱部材37、37aを
両側に配置して、上型支持フレーム36の上下動の案内
を行う。また、前記型案内柱部材37においても、前記
端部ガイド柱部材の場合と同様に、上型部材40の交換
等を行う際に、上型支持フレーム36を上昇させた位置
に固定保持するための固定手段を配置する。なお、前記
型案内柱部材においても、端部ガイド柱部材と同様に、
上型支持フレームを案内するための摺動機構と、付勢手
段等を各々設けている。
【0022】前記図3、4に示される実施例において、
上型部材40と下型部材45とを、各々の支持部材に対
して取付けるために、図5に示すような位置決めと固定
の手段を設けている。例えば、下型部材45の場合を示
すと、下型部材45の装着部のリヤ側の部分には位置決
め部材48を配置して、下型部材を矢印X方向に移動さ
せながら装着する際に、下型部材のリヤ側の位置決めを
行い得るようにする。また、前記下型部材を位置決め部
材48により停止させた後で、下部フレーム23に設け
た型支持部材38に対して、下型部材のベース部材45
aとの間にピン部材49……を挿入して、前記ピン49
……により下型部材の位置決めを行うことができるよう
にする。さらに、前記下型部材45を着脱する動作を行
うために、下型部材の装着方向の両側の部分を規制する
とともに、下型部材の固定を行う部材として、アーム部
材46、46aを設けた案内部材43aをそれぞれ配置
しており、下型部材45のベース部材45aをアーム部
材により案内できるようにする。前記アーム部材46
は、ノブ部材47により揺動されるもので、下型部材を
装着した後でノブ部材47を手で作動させることによ
り、アーム部材46……を下型部材に対する係止位置に
揺動させて、下型部材を型支持部材47に対して固定保
持させるようにする。
【0023】前記下型部材に対する固定部材と同様な手
段は、上型部材40に対しても配置するものであるが、
上型部材40においては、重い型部材を手で持って着脱
の動作を行わなければならないという問題がある。そこ
で、本発明のプレス加工部においては、上型部材40を
着脱する際に型部材をスライドさせて案内するための案
内部材43を設けており、前記案内部材43に設けたア
ーム部材41に対して、上型部材40の上部材40aの
側部を摺動させて案内することにより、下型部材の着脱
の動作を容易に行い得るように構成している。また、前
記案内部材43に設けるアーム部材41は、ノブ部材4
2により下型部材を固定保持するロック位置と、下型部
材を案内する位置との間で揺動させるように構成してお
り、下型部材40をセット位置にまで押し込んでから、
ノブ部材42を介してアーム部材41を係止位置に揺動
させて下型部材を作動位置に固定保持させる。さらに、
前記下型部材に対しても、図5に示したような型固定手
段を設けているもので、リヤ側の位置決め部材と、ピン
44による固定手段とを用いている。
【0024】前述したように構成したことにより、前記
自動加工装置の加工部に配置する加工部材では、上型部
材40と下型部材45とを各々交換する際には、まず、
上下動フレーム25を上昇させた位置で、端部ガイド柱
部材に設ける固定手段を用いて固定保持させる。その後
に、各加工部材に配置する上型支持フレーム36を、型
案内柱部材37に設ける固定手段を用いて固定してか
ら、上下の型部材をそれぞれ交換する作業を行う。前記
上型部材と下型部材とを交換する際には、各々の型部材
を係止しているアーム部材を、ノブ部材を回動させるこ
とにより開放位置にまで揺動させ、挿入ピン44、49
をそれぞれ抜き出してから、案内部材に沿わせて上型部
材と下型部材との各々を、加工装置のフロント側に向け
て移動させて、取り外しを行う。その後に、新たな上型
部材と下型部材とを各々の装着位置に挿入固定して、ア
ーム部材を用いて固定保持させることができるので、重
い型部材を直接手で持って装着する作業を行う必要がな
く、案内部材に沿わせて摺動させて容易に位置決めする
作業を行うことを可能にする。
【0025】前述したような着脱手段を設けた本発明の
装置において、プレス型部材(上下の型部材)は、図6
に示されるように、缶蓋部材の口金部材のみを加工する
ものであるから、前記缶蓋部材の大きさに比較して、非
常に小型のものとして構成している。つまり、本発明に
おいては、各加工工程での加工を行う部分に対応させ
て、必要最小限の大きさを有する型部材として構成され
ており、そのために、上下の型部材のサイズを小さく構
成して、できるだけ軽量化している。そして、型部材の
交換等を行う場合には、従来の大きな型部材に比較し
て、小型軽量化されたものを取り扱うことにり、作業者
の労力を軽減できるとともに、型部材の着脱の作業効率
を向上させることができる。
【0026】
【実施例2】図6、7には、缶蓋部材の搬送と位置決め
のための部材の構成を示しているもので、搬送ガイド部
材50には缶蓋部材1を案内するためのリヤガイド51
とフロントガイド52とを対向させて配置している。前
記リヤガイドとフロントガイドとは、缶蓋部材1のフロ
ント側とリヤ側との平行な端部を摺動させて案内する案
内部材を設けているもので、フロントガイド52を例に
して説明すると、2つのスライドアーム52a、52b
の間で、缶蓋部材1の上下の面を案内する手段と、缶蓋
部材の側面を案内するためのローラ部材52cとを配置
している。また、リヤガイド51においては、2つの平
行に突出させたスライドアームの間に、缶蓋部材のリヤ
側の端部を案内する手段を構成している。
【0027】さらに、前記フロントガイド52のスライ
ドアームにより缶蓋部材が規制される部分には、位置決
め装置70の位置決め用ピン71を出没可能に配置して
いる。前記位置決め用ピンを缶蓋部材の搬送方向の前後
の位置に突出させることにより、送り装置のフレーム6
5に支持される送り爪部材63により、間欠的に搬送さ
れる缶蓋部材を加工位置に正確に位置決めできるように
する。前記位置決め用ピン71……に対しては、前述し
たように、上下動用シリンダ76により上下動されるピ
ン支持フレーム75を配置し、各加工部材に対して缶蓋
部材を各々位置決めすることにより、加工部に設けた各
々の加工部材での加工に際して、缶蓋部材の位置決めを
容易に行い得るように構成している。
【0028】前記搬送ガイド部材50に対応させて、図
1、2に示されるように、装置本体21に駆動装置54
により上下動させる上下動フレーム53と、前記上下動
フレーム53を案内する摺動ガイド部材55とをそれぞ
れ配置している。前記上下動フレーム53にはフロント
ガイド52を支持しているもので、下型部材の交換を行
う場合や、装置のメンテナンスを行う際には、図7に示
す位置までフロント側の装置を下降させ、搬送ガイド部
材と送り装置等が邪魔にならないようにしてから、作業
を行い得るようにする。
【0029】前述したように、加工部のフロント側に配
置する装置を下降させることは、前記自動加工装置にお
いて、プレス加工を行う部分を本体フレームに設けた凹
部のリヤ側に配置しているためである。つまり、前記搬
送ガイド部材や送り装置等が型部材のフロント側に固定
されていると、型部材を交換したりメンテナンスを行う
際に、フロント側に配置されている装置等が邪魔にな
る。そこで、前記図7に示されるように、搬送ガイド部
材50を下降させた状態では、フロントガイド52と送
り爪部材63等が、下型部材45の着脱時の移動位置よ
りも下側に固定されることになる。したがって、前述し
たようなフロント側の装置を移動させることによって、
重い型部材を着脱する作業を行う際に、本体フレームの
フロント側には障害となるものはなくなり、型部材の交
換等の作業性を向上させることができる。
【0030】また、本発明の実施例において、上下動フ
レーム53に対して、フロントガイド52と送り装置6
0および位置決め装置70とを、一体に支持させるよう
に配置して構成する場合には、プレス作業を行う本体装
置に対して配置する搬送と位置決めおよび被加工物の案
内のための各部材を、任意の構成のものとして設けるこ
とができる。したがって、缶蓋部材を加工する場合で
も、サイズや形状の異なるものを対象とする時には、1
つの自動加工装置を用いて下型部材と上型部材とを交換
することにより対処させるのみでなく、缶蓋部材の形状
やサイズ等に対応させて、搬送ガイド部材と送り装置、
位置決め装置等の各構成部材を、その被加工物のサイズ
や形状等に応じて組み合わせて配置することも可能にな
る。
【0031】前記本発明の加工装置においては、図8、
9に示されるようにして、缶蓋部材の搬送と位置決めの
動作を行うことができる。従来の缶蓋加工装置等におい
て、缶蓋部材を搬送するための装置は、長いロッド部材
に爪部材(プッシャ部材)を揺動可能に設けているもの
を用いている。そして、前記ロッドを往復移動させる動
作と、プッシャ部材を出没させる動作とを組み合わせ
て、缶蓋部材を間欠的に所定の間隔で搬送するようにし
ている。しかしながら、ロッドとプッシャとを組み合わ
せて構成する間欠送り装置では、プッシャの出没の動作
を正確に行わせるために、ロッドの往復移動の時間が制
約されるという問題があり、高速化に対処させることが
面倒である。また、ロッドが大きな重量を有すること、
および、ロッドの往復移動の慣性が大きいことから、高
速搬送しようとすると、駆動装置を大型のものとして構
成する必要があり、実際には高速化に対応させることが
困難であるという問題が残っている。
【0032】そこで、図8に示すように、缶蓋部材の間
欠搬送を行うために、チェーン61に一定のピッチで送
り爪部材63を取付けた送り装置を用いており、前記チ
ェーンを間欠送りが可能なモータを用いて駆動してい
る。また、前記送り装置60においては、装置のフレー
ム65に設けた案内部材を介して、送り側66と戻り側
67とをそれぞれ案内するように構成している。そし
て、本発明の送り装置においては、チェーン61を間欠
的に一定のピッチで一方に駆動することにより、被加工
部材としての缶蓋部材1を2つの送り爪部材の間に挟む
状態で、間欠的に送る動作を行うことができる。したが
って、前述したような送り装置を用いる場合には、チェ
ーン61と送り爪部材63等の質量が比較的小さいもの
であることから、モータの負担が少なく、駆動・停止に
際しての慣性力が小さいことにより、駆動と停止の動作
を正確に行い得て、チェーンを高速で駆動して被加工物
の搬送を行う場合にも、被加工物の定ピッチ搬送に対処
させることができる。
【0033】図9に示される例において、缶蓋部材の停
止位置1A、1B……を、各々の加工位置(図2の加工
部材31〜35)に対応させて配置しているもので、各
々の加工位置の間隔Lを缶蓋部材の長さL1と、送り爪
部材63の長さL2に、余裕長さL3を加えたものとし
て構成する。また、前記缶蓋部材に対して位置決めを行
うための位置決め用ピン71、72……は、2つの缶蓋
部材の間に入るように設ける位置決め用ピン71a、7
2の外側の部分の間隔を、(L−L1)に設定し、送り
爪部材により搬送される缶蓋部材を加工部材に対応させ
て位置決めする際には、2つの隣接する位置決め用ピン
71a、72を下部から上に向けて突出させることによ
り、位置決めできるようにする。
【0034】したがって、各加工部材における缶蓋部材
は、搬送方向の前後に突出される位置決め用ピン71、
71aにより前後の位置決めが行われ、位置決め用ピン
とリヤガイドおよびフロントガイドによって、加工位置
に対して正確に固定保持されるようになる。また、前記
缶蓋部材に対して1つの工程の加工が終了すると、位置
決め用ピンは缶蓋部材の移動の邪魔にならない位置に下
降され、送り装置の送り爪部材により次のステップに向
けて所定の間隔Lだけの搬送が行われる。前述したよう
に、本発明の自動加工装置においては、送り装置のチェ
ーンを駆動するための駆動装置において、送り爪部材6
3を加工部材の間隔に対応させて駆動するためには、例
えばパルスモータを使用した場合に、前記モータに印加
するパルスを送り爪部材を間隔Lだけ移動させるよう
に、制御装置を設定する装置として構成することができ
るものとされる。
【0035】また、本発明の実施例では、自動加工装置
により加工される被加工物が缶蓋部材の場合で説明して
いるが、前記缶蓋部材の他に、任意の部品の加工と組み
立てとを行う装置を構成することも可能である。また、
前記自動加工装置の加工部材に対して配置する加工部材
としては、プレス型の他に、溶接設備やその他の任意の
加工装置を組み込むこともでき、1つの部材を加工しな
がら、他の部材を一体に組み込む作業を連続して行う装
置を構成することができる。
【0036】
【発明の効果】前述したように構成したことにより、請
求項1に記載の発明においては、1つの自動加工装置に
対して複数の加工部材に対応する加工部材をそれぞれ配
置して、缶蓋部材に口金部材を装着する工程を順次実施
する装置を構成することができる。また、自動加工装置
の加工部に対して缶蓋部材に口金部材を取付ける作業工
程にしたがって各加工部材を配置しているので、缶蓋部
材を一定の間隔で搬送しながら位置決めし、組み立て作
業を自動的に行うことができる。請求項2に記載する発
明では、プレス装置の本体に設けた凹部のリヤ側に近接
させた位置にプレスの作用を行う機構を配置して構成す
ることにより、加工作業による反力を、自動加工装置の
装置本体に直接負担させることが可能であり、本体フレ
ームの上下のフレームに対する応力の負担を軽減するこ
とができる。また、加工部に対して被加工物の搬送と位
置決め等を行う装置を、自動加工装置の凹部に対して移
動可能に設けたことにより、加工部材に対するメンテナ
ンスや型部材の交換等の作業に際して、凹部のフロント
側に配置する各装置を邪魔にならない位置に保持させる
ことが可能になる。
【0037】請求項3に記載の発明では、加工部に配置
する加工部材を、上型部材と下型部材とを組み合わせて
構成し、前記上型部材と下型部材との各々を、支持部材
に対してフロント側から着脱可能に構成したことによ
り、型部材の交換の作業を容易に行うことができる。ま
た、請求項4に記載の発明では、各加工部材に対して配
置する型部材を、共通の上下動フレームに対して上型支
持フレームを介して支持させ、前記上下動フレームと上
型支持フレームとをそれぞれ型案内柱部材を介して案内
と固定を行う手段を設けたことにより、装置のメンテナ
ンスを行う際や、型部材を交換する時には、支持部材の
固定を行って安全に作業を行うことが可能になる。
【0038】そして、前述したような装置を構成するこ
とにより、特に、搬送装置においては、チェーンを用い
た間欠送り機構を採用したことにより、被加工物の高速
搬送を行いながら、加工位置に正確に停止させて位置決
めを行うことができ、製造能率を向上させることができ
る。また、プレス型を小型に構成することにより、型部
材の交換等の作業を容易に行うことができ、装置のフロ
ント側に配置する装置を移動させて行い得るので、メン
テナンスを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の自動加工装置の側面図である。
【図2】 自動加工装置に配置する加工部の正面図であ
る。
【図3】 自動加工装置に配置する加工部材の側面図で
ある。
【図4】 図3の加工部材の正面図である。
【図5】 型部材の位置決めの部材の説明図である。
【図6】 自動加工装置のフロント側に配置する搬送・
位置決め部材の構成を示す説明図である。
【図7】 搬送ガイド部材を下降させた状態の説明図で
ある。
【図8】 本発明の送り装置の構成を示す説明図であ
る。
【図9】 被加工物の搬送と位置決めの動作の説明図で
ある。
【図10】 缶蓋部材の構成を示す平面図である。
【図11】 口金部材の説明図で、(a)は平面図
(b)は断面図である。
【図12】 口金部材の別の構成を示す説明図で、
(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図13】 缶蓋部材の加工工程の説明図で、(a)な
いし(d)はそれぞれ加工の順序を示す説明図である。
【図14】 缶蓋部材の別の実施例の加工工程の説明図
で、(a)ないし(d)はそれぞれ加工の順序を示す説
明図である。
【図15】 缶蓋部材の他の実施例の加工工程の説明図
で、(a)ないし(c)はそれぞれ加工の順序を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 缶蓋部材、 10 口金部材、 20 自動
加工装置、24 凹部、 25 上下動フレーム、
26 端部ガイド柱部材、30 加工部、 31
〜35 加工部材 36 上型支持フレーム、37
型案内柱部材、 40 上型部材、 41 ア
ーム部材、45 下型部材、 46 アーム部材、
49 挿入ピン、50 搬送ガイド部材、 51
リヤガイド、52 フロントガイド、 54
上下動装置、60 送り装置、 61 チェーン、
63 送り爪部材、70 位置決め装置、 71
位置決め用ピン、75 ピン支持フレーム、 7
6 上下動用シリンダ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B21D 51/26 B21D 51/26 V 51/44 51/44 Z (72)発明者 戸井 繁 埼玉県草加市西町1101番地 株式会社迫 製作所内 (56)参考文献 特開 昭51−56389(JP,A) 特開 平6−183485(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21D 51/38 B21D 51/26 B21D 51/44

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 口金部材を一体に組み込んた缶蓋部材を
    製造する装置であって、 缶蓋部材の材料に口金部材装着用の孔を設ける工程と、 前記孔の周囲の部分に立上がり部を加工する工程と、 前記立上がり部に口金部材を装着する工程と、 前記口金部材を缶蓋部材に対して固着する工程と、に対
    応させた加工部を順次配置して1つの加工装置を構成
    し、 前記加工工程の各加工部に沿わせて被加工物を搬送する
    1つの送り装置と、 前記送り装置により搬送される被加工物の案内を行う搬
    送ガイド部材と、 各加工部に対応させて配置し、被加工物の位置決めを行
    う位置決め装置と、 前記各加工部に設ける型部材と、 を設けて構成することを特徴とする缶蓋部材の加工・組
    立装置。
  2. 【請求項2】 前記加工装置においては、本体フレーム
    のフロント側からリヤ側に向けて設けた凹部と、 前記凹部に配置するプレス機の上下のフレームと、 前記凹部のリヤ側で、前記各加工部に対応させて配置す
    る加工部材と、 前記凹部のフロント側で、前記各加工部に沿わせて加工
    物の搬送と位置決めのための搬送ガイド部材と、送り装
    置および位置決め装置と、を設け、 前記被加工物の搬送と位置決めのための搬送ガイド部材
    と、送り装置および位置決め装置とを、前記本体フレー
    ムの凹部の開口部からフロント側に移動可能に設けるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の缶蓋部材の加工・組立
    装置。
  3. 【請求項3】 前記加工装置の各加工部には、プレス機
    の上型部材と下型部材とを各々設け、 前記プレス機の上型部材と下型部材は、各々の支持部材
    に設けたガイド手段と位置決め手段とを用いて、前記本
    体フレームに設けた凹部の開口部側からリヤ側に向けて
    摺動させながら装着可能に構成し、 前記上型部材と下型部材とを、各々の支持部材に対して
    ピン部材と支持アーム部材とを用いて固定保持させるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の缶蓋部材の加工・組立
    装置。
  4. 【請求項4】 前記加工部に配置する上型部材を支持す
    るために、上部フレームに支持される上下動フレームに
    対して、加工部の上型部材をそれぞれ支持する上型支持
    フレームを設け、 前記上下動フレームを支持する端部ガイド柱部材と、各
    加工部材の上型支持フレームを支持する型案内柱部材と
    を各々配置するとともに、 前記端部ガイド柱部材と型案内柱部材の各々に対して、
    上下動フレームと上型支持フレームの固定を行う手段を
    設けることを特徴とする請求項3に記載の缶蓋部材の加
    工・組立装置。
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