JP2884105B2 - ホスファチジルコリンの製造方法 - Google Patents
ホスファチジルコリンの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はホスファチジルコリンの製造方法に関する。
大豆、卵黄等に含まれるレシチンは乳化性を有し、食
品、化粧品、塗料等の乳化剤として広く利用されてい
る。またレシチンの生理活性作用に着目し、機能性食
品、医薬品等への応用が進められている。さらにレシチ
ンを含むリン脂質を水に分散すると、2分子膜構造の閉
鎖小胞体であるリポソームが形成され、このリポソーム
は薬物送達システムや、臨床診断薬等の素材として有用
である。
品、化粧品、塗料等の乳化剤として広く利用されてい
る。またレシチンの生理活性作用に着目し、機能性食
品、医薬品等への応用が進められている。さらにレシチ
ンを含むリン脂質を水に分散すると、2分子膜構造の閉
鎖小胞体であるリポソームが形成され、このリポソーム
は薬物送達システムや、臨床診断薬等の素材として有用
である。
この様に有用なレシチンを製造する試み、即ちホスフ
ァチジルコリンの製造法が種々検討され、報告されてい
る。
ァチジルコリンの製造法が種々検討され、報告されてい
る。
例えばホスファチジルコリンの製造法としては、
(1)グリセロホスリルコリン(以下「GPC」と略記す
る)をアシルイミダゾールでアシル化する方法(Hermet
terら.Chem.Phys.Lipids 28 111(1981))、(2)
N、N−ジメチル−4−アミノピリジン、N、N−ピロ
リジンピリジン等のエステル化触媒を用い、GPCを脂肪
酸無水物でアシル化する方法(特公昭62−9599号公
報)、(3)N、N−ジシクロヘキシルカルボジイミド
とN、N−ジメチル−4−アミノピリジン等のエステル
化触媒を用い、GPCを脂肪酸無水物でアシル化する方法
(特開昭64−61489号公報)等が知られている。
(1)グリセロホスリルコリン(以下「GPC」と略記す
る)をアシルイミダゾールでアシル化する方法(Hermet
terら.Chem.Phys.Lipids 28 111(1981))、(2)
N、N−ジメチル−4−アミノピリジン、N、N−ピロ
リジンピリジン等のエステル化触媒を用い、GPCを脂肪
酸無水物でアシル化する方法(特公昭62−9599号公
報)、(3)N、N−ジシクロヘキシルカルボジイミド
とN、N−ジメチル−4−アミノピリジン等のエステル
化触媒を用い、GPCを脂肪酸無水物でアシル化する方法
(特開昭64−61489号公報)等が知られている。
しかしながら、従来知られているこれらの製造法には
種々の問題点がある。
種々の問題点がある。
例えば(1)の方法は、飽和脂肪酸残基以外の脂肪酸
残基を有するホスファチジルコリンを製造することがで
きず、反応熱の制御が困難で反応に長時間を要し、収率
も低い。(2)の方法はGPCを担体に担持させ、これを
脂肪酸無水物と接触させて反応するものであるが、GPC
を担体に担持させる操作、反応後の担体の分離操作等に
複雑な工程を必要とし、収率も低い。(3)の方法は粉
砕したGPCを脂肪酸無水物に添加するか、もしくは脂肪
酸無水物中でGPCを微粉砕した後反応するもので、GPCが
粉末状であるため脂肪酸無水物との接触が悪く、反応が
遅いという欠点がある。
残基を有するホスファチジルコリンを製造することがで
きず、反応熱の制御が困難で反応に長時間を要し、収率
も低い。(2)の方法はGPCを担体に担持させ、これを
脂肪酸無水物と接触させて反応するものであるが、GPC
を担体に担持させる操作、反応後の担体の分離操作等に
複雑な工程を必要とし、収率も低い。(3)の方法は粉
砕したGPCを脂肪酸無水物に添加するか、もしくは脂肪
酸無水物中でGPCを微粉砕した後反応するもので、GPCが
粉末状であるため脂肪酸無水物との接触が悪く、反応が
遅いという欠点がある。
以上述べた様に従来の方法では、GPCにアシル基を導
入するに際し、GPCとアシル基を導入する原料が混融せ
ず、従って反応速度が極めて遅くなり、反応に長時間を
要し、かつ収率が低いという欠点があった。
入するに際し、GPCとアシル基を導入する原料が混融せ
ず、従って反応速度が極めて遅くなり、反応に長時間を
要し、かつ収率が低いという欠点があった。
本発明は上記の問題点に着目し、なされたもので、GP
Cと脂肪酸とを用い、簡単な操作で、しかも反応時間が
短く、ホスファチジルコリンを高収率で製造することの
できる方法を提供することを要旨とする。
Cと脂肪酸とを用い、簡単な操作で、しかも反応時間が
短く、ホスファチジルコリンを高収率で製造することの
できる方法を提供することを要旨とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を行な
った結果、特定の溶媒を組み合わせて用いることによ
り、GPCを脂肪酸に極めて微細に分散することができ、
これに塩基性触媒、カルボジイミド系縮合剤の存在下に
反応を行なうと、反応が速やかに進行し、ホスファチジ
ルコリンを高収率で得る方法を見い出し本発明に到っ
た。
った結果、特定の溶媒を組み合わせて用いることによ
り、GPCを脂肪酸に極めて微細に分散することができ、
これに塩基性触媒、カルボジイミド系縮合剤の存在下に
反応を行なうと、反応が速やかに進行し、ホスファチジ
ルコリンを高収率で得る方法を見い出し本発明に到っ
た。
即ち本発明は、GPCと脂肪酸とを低級アルコールに溶
解した後、低級アルコールを除去し、次いで塩基性触
媒、カルボジイミド系縮合剤及び非プロトン性溶媒を加
えて反応するホスファチジルコリンの製造方法である。
解した後、低級アルコールを除去し、次いで塩基性触
媒、カルボジイミド系縮合剤及び非プロトン性溶媒を加
えて反応するホスファチジルコリンの製造方法である。
本発明に用いるGPCは下記一般式で表わされ、 大豆、卵黄、その他動植物油脂等から分離し、精製し
たレシチンを常法に従い加水分解して得られるGPCが挙
げられる。
たレシチンを常法に従い加水分解して得られるGPCが挙
げられる。
本発明に用いる脂肪酸としては、一般式RCOOH(式中
Rは炭素数9〜21の飽和炭化水素基もしくは、不飽和炭
化水素基又は芳香族炭化水素基を示す)で表わされ、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ミリストレイン酸、パル
ミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール
酸、リノレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン
酸、ドコサヘキサエン酸、10,12−オクタデカジエン
酸、2,4−オクタデカジエン酸、10,12−ヘプタデカジエ
ン酸、2,4−ノナデカジエン酸、P−メチルフェニルプ
ロピオン酸、P−ビニルフェニルヘキサン酸等が挙げら
れ、これらの脂肪酸残基は単独もしくは組み合わせて用
いられる。
Rは炭素数9〜21の飽和炭化水素基もしくは、不飽和炭
化水素基又は芳香族炭化水素基を示す)で表わされ、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ミリストレイン酸、パル
ミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール
酸、リノレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン
酸、ドコサヘキサエン酸、10,12−オクタデカジエン
酸、2,4−オクタデカジエン酸、10,12−ヘプタデカジエ
ン酸、2,4−ノナデカジエン酸、P−メチルフェニルプ
ロピオン酸、P−ビニルフェニルヘキサン酸等が挙げら
れ、これらの脂肪酸残基は単独もしくは組み合わせて用
いられる。
本発明に用いられる低級アルコールとしては、メチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec−ブ
チルアルコール、tert−ブチルアルコール、アミルアル
コール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、
ヘプチルアルコール等が挙げられ、メチルアルコール、
エチルアルコールが好ましい。
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec−ブ
チルアルコール、tert−ブチルアルコール、アミルアル
コール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、
ヘプチルアルコール等が挙げられ、メチルアルコール、
エチルアルコールが好ましい。
本発明に用いられる塩基性触媒としては、N,N−ジメ
チル−4−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミ
ノ−2−メチルピリジン,N,N−ジエチル−4−アミノピ
リジン、N,N−ジブチル−4−アミノ−3−エチルピリ
ジン、4−ピロリジノピリジン、4−ピロリジノ−2−
イソプロピルピリジン、4−ピロリジノ−3−ブチルピ
リジン、ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン、トリオクチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン等が
挙げられ、これらは単独もしくは2種以上を混合して用
いることができる。
チル−4−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミ
ノ−2−メチルピリジン,N,N−ジエチル−4−アミノピ
リジン、N,N−ジブチル−4−アミノ−3−エチルピリ
ジン、4−ピロリジノピリジン、4−ピロリジノ−2−
イソプロピルピリジン、4−ピロリジノ−3−ブチルピ
リジン、ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン、トリオクチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン等が
挙げられ、これらは単独もしくは2種以上を混合して用
いることができる。
本発明に用いられるカルボジイミド系縮合剤としては
N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−シクロヘ
キシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミ
ド、N,N′−ジイソプロピルカルボジイミド、1−シク
ロヘキシル−3−(4−ジエチルアミノシクロヘキシ
ル)カルボジイミド、1−エチル−3−(ジエチルアミ
ノプロピル)カルボジイミド等が挙げられる。
N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−シクロヘ
キシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミ
ド、N,N′−ジイソプロピルカルボジイミド、1−シク
ロヘキシル−3−(4−ジエチルアミノシクロヘキシ
ル)カルボジイミド、1−エチル−3−(ジエチルアミ
ノプロピル)カルボジイミド等が挙げられる。
本発明に用いられる非プロトン性溶媒としては、脂肪
酸及び塩基性触媒を溶解または分散することのできる非
プロトン性の溶媒が好ましく、例えばn−ペンタン、n
−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタ
ン、イソオクタン、石油エーテル、シクロセキサン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、塩化エチレン、トリクロルエタン、
クロルベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリド
ン、ヘキサメチルホスホンアミド、スルホラン、テトラ
メチル尿素、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニ
トリル、ニトロベンゼン等が挙げられ、これらは単独も
しくは2種以上を混合して用いることができる。
酸及び塩基性触媒を溶解または分散することのできる非
プロトン性の溶媒が好ましく、例えばn−ペンタン、n
−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタ
ン、イソオクタン、石油エーテル、シクロセキサン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、塩化エチレン、トリクロルエタン、
クロルベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリド
ン、ヘキサメチルホスホンアミド、スルホラン、テトラ
メチル尿素、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニ
トリル、ニトロベンゼン等が挙げられ、これらは単独も
しくは2種以上を混合して用いることができる。
本発明によりホスファチジルコリンを製造するには、
まずGPC1モルと脂肪酸2〜4モルを低級アルコールに溶
解する。低級アルコールの使用量は、GPCと脂肪酸とを
溶解できる量であれば良く、両者の合計量に対し、重量
で1〜5倍量が好ましい。上記溶解の操作において、各
原料の添加順位はいずれが先であっても良く、また溶解
に要する撹拌力は小さくて良く、通常の撹拌機を用いる
ことができる。
まずGPC1モルと脂肪酸2〜4モルを低級アルコールに溶
解する。低級アルコールの使用量は、GPCと脂肪酸とを
溶解できる量であれば良く、両者の合計量に対し、重量
で1〜5倍量が好ましい。上記溶解の操作において、各
原料の添加順位はいずれが先であっても良く、また溶解
に要する撹拌力は小さくて良く、通常の撹拌機を用いる
ことができる。
GPCと脂肪酸とが低級アルコールに溶解し、均一とな
ったなら次に低級アルコールを留去する。低級アルコー
ルの留去は加熱下に蒸留するか、減圧下もしくは減圧下
に加熱して行なうことができ、加熱する場合GPC及び脂
肪酸の変質を防ぐため100℃以下にて行なうことが望ま
しい。ここで低級アルコールを留去してもGPCおよび脂
肪酸のどちらも凝集することなく、いずれか一方が他方
に微細に分散した30℃で固体もしくは液体状の混合物が
得られる。
ったなら次に低級アルコールを留去する。低級アルコー
ルの留去は加熱下に蒸留するか、減圧下もしくは減圧下
に加熱して行なうことができ、加熱する場合GPC及び脂
肪酸の変質を防ぐため100℃以下にて行なうことが望ま
しい。ここで低級アルコールを留去してもGPCおよび脂
肪酸のどちらも凝集することなく、いずれか一方が他方
に微細に分散した30℃で固体もしくは液体状の混合物が
得られる。
次に上記混合物に塩基性触媒、カルボジイミド系縮合
剤及び非プロトン性溶媒を加えてアシル化反応を行な
う。非プロトン性溶媒を加えると、脂肪酸、塩基性触媒
及びカルボジイミド系縮合剤は非プロトン性溶媒に溶解
し、GPCはその中に50ミクロン以下、主に20ミクロン以
下の微細な粒子の状態で分散した分散液が得られる。こ
こに用いる塩基性触媒の添加量は、GPCに対し1〜5重
量%が好ましく、カルボジイミド系縮合剤は脂肪酸1モ
ルに対し0.1〜10モルが好ましい。また非プロトン性溶
媒の添加量は脂肪酸に対し、重量で1〜5倍量が好まし
い。
剤及び非プロトン性溶媒を加えてアシル化反応を行な
う。非プロトン性溶媒を加えると、脂肪酸、塩基性触媒
及びカルボジイミド系縮合剤は非プロトン性溶媒に溶解
し、GPCはその中に50ミクロン以下、主に20ミクロン以
下の微細な粒子の状態で分散した分散液が得られる。こ
こに用いる塩基性触媒の添加量は、GPCに対し1〜5重
量%が好ましく、カルボジイミド系縮合剤は脂肪酸1モ
ルに対し0.1〜10モルが好ましい。また非プロトン性溶
媒の添加量は脂肪酸に対し、重量で1〜5倍量が好まし
い。
アシル化反応はチッ素ガス、ヘリウムガス、アルゴン
ガス等の不活性ガスの気流下、撹拌しながら0〜70℃で
30分〜24時間行なう。反応の進行に従い、分散液は白濁
の状態から透明な状態となり、4〜12時間で反応が完結
する。
ガス等の不活性ガスの気流下、撹拌しながら0〜70℃で
30分〜24時間行なう。反応の進行に従い、分散液は白濁
の状態から透明な状態となり、4〜12時間で反応が完結
する。
反応終了後、反応液を濃縮し、アセトンで洗浄を行な
って塩基性触媒を除去し、アセトン不溶部をメタノール
/クロロホルム系溶媒に溶解し、シリカゲルカラムを用
いて分離精製し、高純度のホスファチジルコリンを得る
ことができる。
って塩基性触媒を除去し、アセトン不溶部をメタノール
/クロロホルム系溶媒に溶解し、シリカゲルカラムを用
いて分離精製し、高純度のホスファチジルコリンを得る
ことができる。
得られるホスファチジルコリンは下記一般式 (式中、Rは反応原料として用いた脂肪酸の脂肪酸残基
に同じ)で表わされる構造を有し、食品、化粧品、塗料
等の乳化剤、医薬品におけるリポソームとしての薬物運
搬体、人工血液、人工細胞等への反応、リン脂質を薄膜
として用いる絶縁性膜、リン脂質の人工膜をフィルター
に吸着させた化学センサー等に用いることができる。
に同じ)で表わされる構造を有し、食品、化粧品、塗料
等の乳化剤、医薬品におけるリポソームとしての薬物運
搬体、人工血液、人工細胞等への反応、リン脂質を薄膜
として用いる絶縁性膜、リン脂質の人工膜をフィルター
に吸着させた化学センサー等に用いることができる。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はその要旨を超えない限り、これらに限定されな
い。
本発明はその要旨を超えない限り、これらに限定されな
い。
実施例1 300mlの撹拌機付きフラスコに、L−α−グリセロホ
スファチジルコリン10g(0.0388モル)、パルミチン酸3
4.8g(0.1358モル)及びメタノール60gを仕込み、70℃
に加熱し溶解した。溶解後、減圧下70℃でメタノールを
留去し、留去後さらに同温度で4時間減圧を行ない、乾
燥した。乾燥後、脱水乾燥したクロロホルム200mlを加
え、緩く撹拌すると白濁した溶液が得られた。次にこの
溶液に4−ジメチルアミノピリジン4.7g(0.0388モル)
とジシクロヘキシルカルボジイミド28g(0.1358モル)
を加え、チッ素ガス気流下、撹拌しながら40℃で5時
間、アシル化反応を行なった。反応終了後、減圧下、30
℃でクロロホルムを留去し、次いでアセトン100mlを加
え、1時間撹拌し、生成した結晶を濾別し、乾燥して2
9.7gの結晶を得た。得られた結晶をクロロホルム/メタ
ノール=65/25の溶剤60mlに溶解し、シリカゲルカラム
に吸着した後、クロロホルム/メタノール/水=65/25/
4の溶離剤を用いて溶離し、溶離液を濃縮して、白色の
結晶29gを得た。得られた結晶は分析の結果、L−β,
γ−ジパルミトイル−α−ホスファチジルコリンであ
り、収率は96%であった。
スファチジルコリン10g(0.0388モル)、パルミチン酸3
4.8g(0.1358モル)及びメタノール60gを仕込み、70℃
に加熱し溶解した。溶解後、減圧下70℃でメタノールを
留去し、留去後さらに同温度で4時間減圧を行ない、乾
燥した。乾燥後、脱水乾燥したクロロホルム200mlを加
え、緩く撹拌すると白濁した溶液が得られた。次にこの
溶液に4−ジメチルアミノピリジン4.7g(0.0388モル)
とジシクロヘキシルカルボジイミド28g(0.1358モル)
を加え、チッ素ガス気流下、撹拌しながら40℃で5時
間、アシル化反応を行なった。反応終了後、減圧下、30
℃でクロロホルムを留去し、次いでアセトン100mlを加
え、1時間撹拌し、生成した結晶を濾別し、乾燥して2
9.7gの結晶を得た。得られた結晶をクロロホルム/メタ
ノール=65/25の溶剤60mlに溶解し、シリカゲルカラム
に吸着した後、クロロホルム/メタノール/水=65/25/
4の溶離剤を用いて溶離し、溶離液を濃縮して、白色の
結晶29gを得た。得られた結晶は分析の結果、L−β,
γ−ジパルミトイル−α−ホスファチジルコリンであ
り、収率は96%であった。
得られた結晶のIR、NMR、TLCの各分析結果を、シグマ
社製L−β,γ−ジパルミトイル−α−ホスファチジル
コリン標準試薬(純度99%)の分析結果と比較したとこ
ろよく一致した。
社製L−β,γ−ジパルミトイル−α−ホスファチジル
コリン標準試薬(純度99%)の分析結果と比較したとこ
ろよく一致した。
実施例2 500mlの撹拌機付きフラスコに、L−α−グリセロホ
スホリルコリン20g(0.0776モル)、ステアリン酸66.2g
(0.2328モル)及びメタノール150gを仕込み、80℃に加
熱し、溶解し、緩速撹拌下に実施例1と同様にしてメタ
ノールを留去し、残渣に脱水乾燥したクロロホルム170m
lとジメチルスルホオキシド80mlを加えて溶解した。得
られた溶液にN,N−ジメチル−4−アミノピリジン28.7g
(0.2328モル)とN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド15.9g(0.0776モル)を加え、チッ素ガス気流下、
室温で7時間アシル化反応を行なった。反応終了後、実
施例1と同様に、脱溶媒、アセトン精製、シリカゲルカ
ラム(溶剤 クロロホルム/メタノール=75/25、溶離
剤 クロロホルム/メタノール/水=65/28/5)により
精製して、L−β,γ−ジステアロイル−α−ホスファ
チジルコリンの白色結晶58.2g(収率97%)を得た。
スホリルコリン20g(0.0776モル)、ステアリン酸66.2g
(0.2328モル)及びメタノール150gを仕込み、80℃に加
熱し、溶解し、緩速撹拌下に実施例1と同様にしてメタ
ノールを留去し、残渣に脱水乾燥したクロロホルム170m
lとジメチルスルホオキシド80mlを加えて溶解した。得
られた溶液にN,N−ジメチル−4−アミノピリジン28.7g
(0.2328モル)とN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド15.9g(0.0776モル)を加え、チッ素ガス気流下、
室温で7時間アシル化反応を行なった。反応終了後、実
施例1と同様に、脱溶媒、アセトン精製、シリカゲルカ
ラム(溶剤 クロロホルム/メタノール=75/25、溶離
剤 クロロホルム/メタノール/水=65/28/5)により
精製して、L−β,γ−ジステアロイル−α−ホスファ
チジルコリンの白色結晶58.2g(収率97%)を得た。
実施例3 300mlの撹拌機付きフラスコに、L−α−グリセロホ
スホリルコリン10g(0.0388モル)、エイコサペンタエ
ン酸35.1g(0.1164モル)及びメタノール100gを仕込
み、30℃に加熱し溶解した。緩速撹拌下、実施例1と同
様にしてメタノールを留去し、残渣に脱水乾燥したクロ
ロホルム70mlを加えて溶解した。得られた溶液に4−ジ
メチルアミノピリジン14.2g(0.1164モル)及びN,N′−
ジシクロヘキシルカルボジイミド23.7g(0.1164モル)
を加え、チッ素ガス気流下、室温で12時間、反応を行な
った。反応終了後、実施例1と同様に、脱溶媒、アセト
ン精製、シリカゲルカラム(溶媒 クロロホルム/メタ
ノール=75/25、溶離剤 クロロホルム/メタノール/
水=65/25/4)により精製して、L−β,α−ジエイコ
サペンタエノイルホスファチジルコリンの白色結晶27g
(収率90%)を得た。
スホリルコリン10g(0.0388モル)、エイコサペンタエ
ン酸35.1g(0.1164モル)及びメタノール100gを仕込
み、30℃に加熱し溶解した。緩速撹拌下、実施例1と同
様にしてメタノールを留去し、残渣に脱水乾燥したクロ
ロホルム70mlを加えて溶解した。得られた溶液に4−ジ
メチルアミノピリジン14.2g(0.1164モル)及びN,N′−
ジシクロヘキシルカルボジイミド23.7g(0.1164モル)
を加え、チッ素ガス気流下、室温で12時間、反応を行な
った。反応終了後、実施例1と同様に、脱溶媒、アセト
ン精製、シリカゲルカラム(溶媒 クロロホルム/メタ
ノール=75/25、溶離剤 クロロホルム/メタノール/
水=65/25/4)により精製して、L−β,α−ジエイコ
サペンタエノイルホスファチジルコリンの白色結晶27g
(収率90%)を得た。
比較例1 300mlの撹拌機付きフラスコに、50〜100メッシュに粉
砕したL−α−グリセロホスホリルコリン10g(0.0388
モル)、パルミチン酸39.8g(0.1552モル)、脱水乾燥
したクロロホルム150ml、4−ジメチルアミノピリジン1
9.1g(0.1552モル)及びN,N′−ジシクロヘキシルカル
ボジイミド7.9g(0.0388モル)を加え、チッ素ガス気流
下、50℃で急速撹拌を行ないながら10時間、反応を行な
った。反応終了後、実施例1と同様に、脱溶媒、アセト
ン精製、シリカゲルカラムによる精製を行ない、L−
β,γ−ジパルミトイル−α−ホスファチジルコリンの
白色結晶16.5gを得た。収率は55%であった。
砕したL−α−グリセロホスホリルコリン10g(0.0388
モル)、パルミチン酸39.8g(0.1552モル)、脱水乾燥
したクロロホルム150ml、4−ジメチルアミノピリジン1
9.1g(0.1552モル)及びN,N′−ジシクロヘキシルカル
ボジイミド7.9g(0.0388モル)を加え、チッ素ガス気流
下、50℃で急速撹拌を行ないながら10時間、反応を行な
った。反応終了後、実施例1と同様に、脱溶媒、アセト
ン精製、シリカゲルカラムによる精製を行ない、L−
β,γ−ジパルミトイル−α−ホスファチジルコリンの
白色結晶16.5gを得た。収率は55%であった。
以上説明した様に、本発明はGPCと脂肪酸を反応して
ホスファチジルコリンを製造する方法において、反応原
料を低級アルコールに溶解して均一に混合した後、低級
アルコールを留去し、非プロトン性溶媒、塩基性触媒及
びカルボジイミド系縮合剤を加えて反応を行なうもの
で、脂肪酸を溶解した非プロトン性溶媒の溶液中にGPC
が極めて微細な状態に分散しているため、従来の方法と
比較して短時間で高い反応率の反応を行なうことがで
き、また担体等を使用することがないので、反応後の精
製が容易となり、かつ純度の高いホスファチジルコリン
を高収率で得ることができる。また本発明の方法はGPC
を分散する操作が簡単なため、複雑な工程や大規模な製
造装置等を必要とせず、経済性に優れる等の効果を有す
る。
ホスファチジルコリンを製造する方法において、反応原
料を低級アルコールに溶解して均一に混合した後、低級
アルコールを留去し、非プロトン性溶媒、塩基性触媒及
びカルボジイミド系縮合剤を加えて反応を行なうもの
で、脂肪酸を溶解した非プロトン性溶媒の溶液中にGPC
が極めて微細な状態に分散しているため、従来の方法と
比較して短時間で高い反応率の反応を行なうことがで
き、また担体等を使用することがないので、反応後の精
製が容易となり、かつ純度の高いホスファチジルコリン
を高収率で得ることができる。また本発明の方法はGPC
を分散する操作が簡単なため、複雑な工程や大規模な製
造装置等を必要とせず、経済性に優れる等の効果を有す
る。
Claims (1)
- 【請求項1】グリセロホスホリルコリンと脂肪酸とを低
級アルコールに溶解した後、低級アルコールを留去し、
次いで塩基性触媒、カルボジイミド系縮合剤及び非プロ
トン性溶媒を加え反応することを特徴とするホスファチ
ジルコリンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21791690A JP2884105B2 (ja) | 1990-08-17 | 1990-08-17 | ホスファチジルコリンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21791690A JP2884105B2 (ja) | 1990-08-17 | 1990-08-17 | ホスファチジルコリンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0499783A JPH0499783A (ja) | 1992-03-31 |
JP2884105B2 true JP2884105B2 (ja) | 1999-04-19 |
Family
ID=16711753
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21791690A Expired - Fee Related JP2884105B2 (ja) | 1990-08-17 | 1990-08-17 | ホスファチジルコリンの製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2884105B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105753897B (zh) * | 2016-03-17 | 2018-01-12 | 苏州东南药业股份有限公司 | 一种合成磷脂dppc的制备方法 |
CN111057099A (zh) * | 2018-10-16 | 2020-04-24 | 合肥博思科创医药科技有限公司 | 一种二棕榈酰基磷脂酰胆碱的制备方法 |
-
1990
- 1990-08-17 JP JP21791690A patent/JP2884105B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0499783A (ja) | 1992-03-31 |
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