JP2883358B2 - ホース - Google Patents

ホース

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、高強度、低伸度で高弾性率のポリビニルア
ルコール系繊維(以下PVA繊維)で補強されたホース、
特にオイルブレーキホースに関するもので、高耐圧によ
る安全性、ホースの低膨張化、耐疲労向上、耐熱水性、
耐熱性等ホースのメンテナンスフリーの要求を満足する
ホースを提供することを目的とするものである。
<従来技術> オイルブレーキホースは自動車や2輪車の重要保安部
品として、繊維製造から組立て工程まで厳重な品質管理
のもとで造られている。繊維素材としてはレーヨン繊維
から順次PVA繊維へと移行しつつあり、国内においてはP
VA繊維が主要な補強材となつている。
レーヨン繊維の強度は約5g/dで伸度は約8%、初期弾
性率は約120g/dであり、いずれもPVA繊維よりも劣り、
さらにレーヨン補強ホースの膨張量もまた耐圧性も、そ
してJIS−D−2602による耐疲労性もPVA繊維補強ホース
より劣る。以上の様なことからPVA繊維素材を用いたオ
イルブレーキホースが主流になつている。特にPVA繊維
は他の繊維と比べて強度、初期弾性率、耐薬品性に優れ
ており、この点が現在ホースの補強材の主流となつてい
る原因である。
従来からのPVA繊維として、PVAを水溶液とし乾式紡糸
によつて得られるタイプと湿式紡糸によつて得られるタ
イプの両者がある。前者のタイプは強度約9.2g/d、伸度
約7.7%、初期弾性率約190g/dで汎用オイルブレーキホ
ースに使われているが強度面ではまだ不満足である。一
方、後者タイプは強度約11.5g/d、伸度約6.6%、初期弾
性率約246g/dの繊維で、特殊タイプのホースに使われて
いるが、耐疲労性で前者よりも劣ることより、特に低膨
張性が要求される仕様のオイルブレーキホースに使われ
ている。これらの事から強度(ホース耐圧に関係)、初
期弾性率(ホース膨張量に関係)、耐摩耗性(ホースの
耐疲労性に関係)にすぐれたPVA繊維の出現が期待され
ていた。さらに繊維補強されたゴムホースは、通常製造
の段階で加硫処理が行なわれるが、ホースの加硫は直接
高圧スチームの圧力容器の中で行なわれる場合が多い。
被鉛方式や連続熱風加硫方式もあるが、簡便さの点で直
接蒸気での加硫が主流の方式である。加硫温度は150〜1
60℃でゴム層が蒸気の浸入を防いでいるが、当然ながら
若干の水分は透過して来る。またゴムに異物混入による
ピンホールが存在している場合もある。
またブレーキホースにおいては、山道の下り坂でブレ
ーキを踏む回数が増えるとブレーキシューで発熱した摩
擦熱が金属部分を経てブレーキホースに伝わる。その瞬
間温度は200°以上にも達し、したがつて高い結晶融解
温度を必要とする。
またブレーキホースは雨水がかかる場所にあることか
ら、ホースのゴムを通つて水分が糸に達し、さらにブレ
ーキ液にまで達する。ブレーキ液の水分率は長期使用後
で3%の含水率になつていると言われる。したがつて、
吸湿下での加熱による強度低下がないこと、すなわち耐
熱水性が要求される。PVA繊維は原料のPVAが水溶性であ
ることから、水分による物性悪化は常に問題となるとこ
ろであるが、耐熱水性に優れたPVA繊維を使用すること
により、吸湿下での加熱による繊維の強度低下の不安を
減少させることができる。
以上耐熱水性の向上は、ホース製造面でのトラブル防
止と使用時の湿熱劣化の不安を減少させることとなる。
また耐熱性の向上は、ホース使用時の熱劣化を防ぐこと
となる。しかるに従来のPVA繊維は耐熱水性および耐熱
性の点で満足できるものではない。
オイルブレーキホースと類似の構造を有するホースと
して、クラツチホースやアンチロツクブレーキシステム
用のホースなどがあるが、これらホースも前記ブレーキ
ホースと同様に前記した性能を有していることが重要で
あり、これらホース以外のホースであつても、その大部
分は前記した性能を有していることが好ましい。
<発明が解決しようとする課題> 以上述べたように、従来のPVA繊維はホースの補強材
として極めて優れたものであるにもかかわらず、高性能
のホースを作るには不十分であつた。すなわち高性能ホ
ース、特に高性能オイルブレーキホースは、高耐圧性、
低膨張性、耐熱性、耐熱水性および耐疲労性が要求され
るが、従来のPVA繊維ではこれらを高度に満足すること
ができなかつた。
<課題を解決するための手段> 本発明は、上記した課題を解決することを目的とする
ものであり、この目的は、下記(a)〜(e)の条件を
満足するPVA繊維を補強材とするホースにより達成され
る。特にホースがオイルブレーキホースである場合に
は、該PVA繊維がコード状で用いられているのが好まし
く、とりわけ該PVA繊維が第1層(内層)のブレード層
としてコード状で用いられているのが好ましい。
(a)引張り強力が15g/d以上であること、 (b)初期弾性率が250g/d以上であること、 (c)120℃の熱水による繊維の定長熱処理後の強度保
持率が80%以上であること、 (d)示差熱分析による結晶融解吸熱ピーク温度(Tm)
が240℃より高く、かつ結晶融解開始温度(Ti)との差
(Tm−Ti)が25℃未満であること、 (e)PVAの重合度が3000以上であり、かつ音速より求
めた分子配向係数αが0.91以上0.95以下、X線回析より
求めた結晶化度Xcが70%以上、さらに繊維軸方向の結晶
サイズD(020)が130オングストローム以上、繊維軸方向
の結晶サイズD(020)/繊維半径方向の結晶サイズD(100)
が2.0以上であること、 すなわち、オイルブレーキホースは、SAE Standard J
1401やJIS−D−2602に記載されている様に2ブレード
の2層構造となつている。1層が破壊されても、安全性
を確保するための2層構造である。第1層である内層ブ
レード系がホースの性能に大きく寄与するので、高性能
なPVA繊維を少なくとも第1層に用いることが好まし
い。
本発明の重要な点は、特定のPVAポリマーから作られ
る高性能繊維が補強材として用いられていることによ
り、ホース製造時の工程上の耐熱水性の難点を減じ、さ
らにホースの性能も向上させたことにある。
高強度、高弾性率を有するPVA繊維を得る方法として
は、高分子量ポリエチレンのゲル紡糸・超延伸の考え方
を応用した方法(例えば、特開昭59−100710号、特開昭
59−130313号、特開昭61−108711号等)が提案されてい
る。しかしながらこれらの方法では高強力、高弾性率の
PVA繊維は得られても従来のPVA繊維より高度な耐熱水性
を具備することはできなかつた。
本発明者らは、分子の高次構造がある特定の範囲にあ
るものが、強度15g/d以上、弾性率250g/d以上のレベル
を保ちつつ120℃以上の耐熱水性を有する繊維であるこ
とを見出し、このような繊維のオイルブレーキホースへ
の応用を行なつたところ、そのホースの性能(すなわ
ち、耐熱水性のみならず、高耐熱性、低膨張性、耐疲労
性、耐熱性)が格段に優れていることを見出した。この
繊維は重合度が3000以上のPVAポリマーを紡糸−延伸す
る工程において、3倍以上の湿延伸と、乾燥工程におけ
る少量の収縮とさらに高温での加熱延伸を行なう製法で
得られるものである。その結果、得られるPVA繊維の高
次構造を表現する手段として、X線回折より求めた結晶
化度Xcが70%以上であり、音速より求めた分子配向係数
αが、0.91以上0.95以下であり、そしてX線回折より求
めた繊維軸方向の結晶サイズD(020)が130オングストロ
ーム以上であり、さらに半径方向の結晶サイズとの比D
(020)/D(100)が、2.0以上であること、以上の数値範囲
を満足するPVA繊維は120℃以上の耐熱水性を有し、耐熱
性においても熱分析より求めた融点(Tm)が240℃を越
え、かつ結晶融解開始温度(Ti)と融点(Tm)との差△
Tが25℃以下であり、ホース補強材とした場合の高温特
性を向上させる。もちろん、強度15g/d以上、弾性率250
g/d以上を満足し、高強力・高弾性においても申しぶん
ない。
繊維が高強度および伸長されにくいことはホースの耐
圧性を向上させる。初期弾性率を高めることが、ブレー
キホースでは特に重要で、ホース耐圧の約1/10の圧力
(約100kg/cm2)でのホースの単位長さ当りの膨張量は
ブレーキのききの良否を決める。この値は主として糸の
初期弾性率で決まり、さらにホースを編組(ブレード)
する時の糸のゆるみによつても多少影響される。
重合度が3000以上のPVAからなるPVA繊維は、耐摩耗に
も重合度効果を発揮する。JIS−D−2601(ブレーキホ
ース)に記載の疲労試験は加圧下でホースの片端を円運
動で振り廻す試験で、タイヤの振動を想定したものであ
る。この動きによつて編組された糸相互の摩擦により摩
耗され、耐圧が低下し、バーストする。
本発明で使用するPVA繊維でもつてブレーキホースを
作ると、耐疲労性は約2倍に向上する。
本発明において、該PVA繊維は、具体的には撚糸や接
着処理され、場合によつては、引きそろえを行なつたコ
ードで編組される。接着処理は通常R.F.L.処理と呼ばれ
るゴム接着処理が行なわれ、補強材として用いられる。
また補強されるゴムとしては、耐オゾン性、耐熱性よ
り、外層ゴムはEPDM,CRやこれらを主とするブレンドゴ
ム、内層ゴムはSBR.EPDMゴム等が挙げられる。これ以外
のホース材料としては、ポリウレタン、ポリ塩化ビニ
ル、ナイロン等の可撓性を有する樹脂なども用いること
ができる。これらのホースは、一般に樹脂ホースと呼ば
れる。
ホースの製造方法としては、たとえば内管チユーブを
スチールもしくはプラスチツクマントレル上に押出し、
繊維をブレードもしくはスパイラル方式で巻付け、外層
カバーを行なうものである。オイルブレーキホースの場
合は、繊維層が2層に補強を行なう。ホース破損の危険
性を少なくさせるためである。ゴムホースの場合は加硫
工程を必要とするし、樹脂ホースの場合は冷却のために
水中をくぐらせる。マントレルは最後に引抜く。
本発明のホースは、オイルブレーキホースの他に、前
記したクラツチホース、アンチツクブレードシステム用
ホース、樹脂ホース、さらにその他一般のホース全体を
含む。
なお本文中に示すパラメーターや物性値は以下の方法
で測定されたものである。
1)PVAの粘度平均重合度A JIS K6726に準じ、30℃の
水溶液の極限粘度〔η〕の測定値より次式によつて算出
した。
logA=1.63log(〔η〕×104/8.29) 2)引張伸度、弾性率 JIS K1013に準じ、予め調湿された繊維を試長20cm
で、0.25g/dの初荷重および100%/分の引張速度にて破
断強伸度および初期弾性率を求め、5点以上の平均値を
採用した。デニールは重量法により測定した。
3)熱分析 パーキンエルマー社製DSC−2C型を用い、窒素ガス雰
囲気下で昇温速度10℃/分で室温から280℃までの測定
を行い、結晶融解吸熱ピークがベースライント接する低
温側の点を結晶融解開始温度Ti、ピークの頂点を融点Tm
として求め、△T=Tm−Tiを算出した。
4)音速より求めた分子配向係数α (株)オリエンテツク製パルス式直読粘弾性測定器DD
V−5−B型を用い、繊維軸に沿つた10KHzの音波の速度
Cを測定し、PVAのキヤストフイルムから得られた無配
向試料の音速Cu(2.20km/sec)と比較して次のMoseley
の式より分子配向係数αを算出した。
α=1−Cn2/C2 5)X線回折 理学電機(株)製広角X線回折装置RAD−γC型を用
い、線源として40kv、100mAのCuKα線を使用し、グラフ
アイトモノクロメーターとシンチレーシヨンカウンター
を使用した。結晶化度Xcの測定には2mmφ、0.5度、0.15
mmのスリツト系を使用し、走査速度は2θ=5〜35度に
対し1.0度/分であつた。一方、結晶サイズの測定にはD
S0.5度、SS0.5度、RS0.15mmのスリツト系を用い、0.5度
/分の走査速度で行つた。次に上記透過法で得られた面
指数(020)、(100)のピークの半値幅B(hkl)の値
から次のScherrerの式を用い各結晶サイズを算出した。
D(hkl)=Kλ/Bo(hkl)cosθ(hkl) ただしK=0.9、λ=1.5418オングストロームであ
り、BoはJonesの方法により求めたスリツトの補正後の
回折曲線の広がり(ラジアン)、θ(hkl)はブラツグ
角(度)である。
6)耐熱水性 繊維をガラスパイプ巻付け、収縮できない様にし、水
を入れたオートクレーブ中で加熱する。その後繊維を取
出し風乾調湿後、前記した方法で引張強伸度を測り、初
期強度と比較し、強力残存率を求める。
7)ホースの膨張量 水圧系統内の気ほう除去を完全に行ない、105kgf/cm2
の圧力をかけて、バルブを閉め、再度バルブを開いた時
にホースから出て来る水量を円柱ガラス管の液面上昇よ
り単位長さ(ft)当りの膨張量を求める。
8)ホースの耐圧性 ホースの破裂にいたるまで毎分1750±700kgf/cm2の加
圧速度で、連続加圧を行ない破裂時の圧力を測定する。
9)ホースの耐疲労性 自由長が、200〜600mmのホースに内圧16〜18kgf/cm2
の圧力をかけてホースの一端を固定し、他端を半径100m
mの円運動を行なわせる。試料が破損するまでの時間を
測定する。
10)ホースの耐熱水性 未加硫ホースに千枚通しでピンホールを開け、ホース
の外からスチームが入る様にして、加硫する。加硫条件
は150℃×60分のスチーム下で行なう。そして耐圧性(k
g/cm2)を求める。
11)ホースの耐熱性 ホースを200℃に高め、金具の抜け程度を調べ、糸の
切断よりも低い値で抜けるかどうかを調べる。
次に本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1および2 粘度平均重合度が7000(実施例1)および16000(実
施例2)の完全ケン化ポリビニルアルコールをそれぞれ
9重量%および6重量%になるようにグリセリンに混合
し、180℃にて溶解せしめた。次いで該溶液をホース数4
0、孔径0.15mmのノズルより吐出させ、25mm下の一浴中
に落下させた。該一浴の組成はメタノール/グリセリン
=6/4重量比であり、温度は15℃に保つた。この段階で
ほぼ真円に近い透明なゲル状の繊維を得たが、一浴を出
て二浴へ移る前の繊維中の溶媒の残存率は実施例1で29
重量%、実施例2で51重量%であつた。続いてこれらの
繊維を40℃のメタノールからなる二浴中で5倍の湿延伸
を加え、さらに続くメタノール浴でほぼ完全に溶剤をメ
タノールに置換した後80℃の熱風でいずれも9%の収縮
を入れながらメタノールを乾燥除去した。
次に該原糸を240℃の熱風炉で一段延伸した。総延伸
倍率は切断延伸倍率より少し低い倍率で、安定して連続
に加工できる条件より決定されるが、実施例1では20.5
倍、実施例2で19.8倍であつた。
得られた延伸糸のヤーン性能と耐熱水性を第1表に示
し、上述の方法で測定された高次構造パラメータを同第
1表に示す。乾燥時に収縮を入れた実施例1と2では本
発明で目的とする繊維に必要な高次構造の要件をすべて
満足し、ヤーン強度および弾性率共に高い値が得られ
る。
次にこの得られたヤーンを合糸し1200dにして90回/m
の加撚をし、ゴムとの接着のために、レゾルシン・ホル
マリン−ラテツクス(以下RFL)接着剤液で固形分付着
率5%になる様に処理を施し、定長下110℃で乾燥、160
℃で熱処理を行なう。この処理で糸の物性値はほとんど
変化しない。
ホース製造は従来ビニロンと同様に行なう。すなわち
外径3.2mmφのマンドレルにインナーチユーブとしてSBR
ゴムを押出し、第1層(内層)ブレードとしてPVA繊維
を20キヤリア数で編組する。コードは1200dを2本合糸
して編組し、0.2mmのクツシヨンゴム巻き付けた後、さ
らに1200dを3本合糸したコードで24キヤリアー数で編
組する。その後EPDM系のカバーゴムとして押出し被覆す
る。ホースの外径は10.5mmφである。150℃のスチーム
蒸気下60分加硫する。できたホースを300mmに切断し、
両端に金具を取り付ける。金具取付けは補強糸の切断伸
度が低いので加締にはその程度を調整する必要がある。
このようにして製造されたブレーキホースの性能評価
結果を第1表に示す。評価方法はJIS D2602に記載の方
法による。項目としては膨張量、耐圧、耐疲労の試験を
実施した。なお得られたホース内でも補強繊維は、第1
表に示したヤーン性能、耐熱水性、X線回析結果、分子
配向、熱分析結果は殆んど変化なかつた。
実施例3 粘度平均重合度が4700の完全ケン化ポリビニルアルコ
ールを8重量%になるようにジメチルスルホキシドに混
合し、同時に該ポリマーに対して0.5重量%のホウ酸を
添加して90℃にて攪拌溶解した。次いで該溶液をホール
数20、孔径0.12mmのノズルより吐出させ、20mm下の一浴
中に落下させた。該一浴の組成はメタノール/ジメチル
スルホキシド=8/2重量比であり、浴温は8℃に保たれ
た。続いて浴剤が残存している状態の透明なゲル状の繊
維を40℃のメタノール浴中で4.5倍湿延伸した後、後続
するメタノール浴中でほぼ完全に浴剤を抽出し、100℃
の熱風で15%の収縮を入れながら乾燥した。得られた繊
維のホウ酸残存率は0.17重量%であり、溶剤残存率は0.
6重量%であつた。次に該原糸を190℃と235℃の熱風炉
で二段階に延伸し、総延伸倍率19.7倍の延伸糸を得た。
得られた延伸糸の性能を第1表に示し、高次構造パラメ
ータも同表に示す。本発明で目的とする繊維に必要な高
次構造の要件をすべて満足し、ヤーン強度および弾性率
共高い値が得られた。
このヤーンを用いて実施例1と同様の方法によりオイ
ルブレーキホースを作製した。ホースの性能を第1表に
示す。得られたホース内での繊維性能は実施例1、2と
同様にホースにする前と殆んど変化なかつた。
比較例1 市販されている最も高強力のPVA繊維で実施例1と同
様にオイルブレーキホースを作製した。そして実施例1
と同様に、ヤーン性能測定および高次構造測定、さらに
ホース性能を測定した。結果を第1表に示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−164886(JP,A) 特開 昭55−2805(JP,A) 実開 昭62−176585(JP,U) 実開 昭56−72981(JP,U) 特公 昭45−15580(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16L 11/08 B29D 23/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)〜(e)の条件を満足するポリ
    ビニルアルコール系繊維を補強材とするホース。 (a)引張り強力が15g/d以上であること、 (b)初期弾性率が250g/d以上であること、 (c)120℃の熱水による繊維の定長熱処理後の強度保
    持率が80%以上であること、 (d)示差熱分析による結晶融解吸熱ピーク温度(Tm)
    が240℃より高く、かつ結晶融解開始温度(Ti)との差
    (Tm−Ti)が25℃未満であること、 (e)ポリビニルアルコール系ポリマーの重合度が3000
    以上であり、かつ音速より求めた分子配向係数αが0.91
    以上0.95以下、X線回析より求めた結晶化度Xcが70%以
    上、さらに繊維軸方向の結晶サイズD(020)が130オング
    ストローム以上、繊維軸方向の結晶サイズD(020)/繊維
    半径方向の結晶サイズD(100)が2.0以上であること、
  2. 【請求項2】PVA系繊維がコード状で用いられており、
    ホースがオイルブレーキホースである請求項1に記載の
    ホース。
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