JP2883329B1 - 地中掘削機 - Google Patents

地中掘削機

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JP2883329B1
JP2883329B1 JP12726298A JP12726298A JP2883329B1 JP 2883329 B1 JP2883329 B1 JP 2883329B1 JP 12726298 A JP12726298 A JP 12726298A JP 12726298 A JP12726298 A JP 12726298A JP 2883329 B1 JP2883329 B1 JP 2883329B1
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豊 加島
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大豊建設株式会社
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Abstract

【要約】 【課題】 掘削エネルギーを軽減でき、これに伴いカッ
タ駆動モータに小型のものを用いることができ、設備費
および電力消費量を削減し得る地中掘削機を提供するこ
と。 【解決手段】 所定の間隔をおいて複数の回転軸15を
支持し、各回転軸15にクランク16を連結し、各クラ
ンク16のクランク軸17にわたって共通にカッタヘッ
ド19を取り付け、このカッタヘッド19を平行クラン
ク運動させて地山を掘削する地中掘削機において、前記
回転軸15に、カッタヘッド19の自重による偏心モー
メントを打ち消す方向にカウンタウエイト23を取り付
けて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カッタヘッドを平
行クランク運動させて地山を掘削する型式の地中掘削機
に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の地中掘削機の正面図、図7
は図6のD−D線断面図である。これらの図に示す従来
の地中掘削機としてのシールド機1′は、シールドフー
ド2と、隔壁3と、掘削土砂のチャンバ4と、シールド
筒5と、テールプレート6と、テールシール7と、テー
ルプレート6内で組み立てられたセグメント8と、ピス
トンロッド10およびスプレッダ11を有するシールド
ジャッキ9と、排土装置であるスクリューコンベア12
と、このスクリューコンベア12の入口に対応させて隔
壁3に設けられた土砂排出口13と、円周方向に90°
の間隔をおいて配置されかつ軸受14を介して隔壁3に
支持された回転軸15と、各回転軸15の前端部に一体
に連結されたクランク16と、カッタフレーム20およ
びこれの表面に多数設けられたカッタビット(図示せ
ず)を有するカッタヘッド19と、前記回転軸15の後
端部側に配置されかつ当該回転軸15に取り付けられた
カッタ駆動モータ21とを備えている。
【0003】前記カッタヘッド19は、クランク軸受1
8を介して、4個のクランク16のクランク軸17に共
通に取り付けられている。
【0004】そして、従来の地中掘削機としての前記シ
ールド機1′では、4台のカッタ駆動モータ21を同一
方向に同期的に駆動させることにより、回転軸15,ク
ランク16およびクランク軸17を通じてカッタヘッド
19を平行ランク運動させ、カッタヘッド19に地山を
掘削するために必要なトルクを与える。
【0005】一方、テールプレート6内で組み立てられ
たセグメント8に反力を取ってシールドジャッキ9によ
りシールド機1′全体を推進させ、カッタヘッド19に
推力を与える。
【0006】前述のごとく、カッタヘッド19に、掘削
に必要なトルクと推力を与え、このカッタヘッド19に
より地山(切羽)をシールドフード2の外径とほぼ同じ
形状に掘削する。
【0007】掘削した土砂をチャンバ4に導き、切羽が
崩壊しないようにチャンバ4内を掘削土砂で所定の圧力
に保持しつつ、その掘削土砂をスクリューコンベア12
により、シールド機1′の後方に搬出する。
【0008】切羽を所定範囲掘進した後、シールドシャ
ッキ9を縮小させ、再びテールプレート6内でセグメン
ト8を組み立て、このセグメント8に反力を取ってシー
ルドジャッキ9によりカッタヘッド19に推力を与え
る。
【0009】以上の動作を繰り返して行い、地中を掘進
して行く。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
シールド機1′では、カッタヘッド19が図6において
反時計方向に回動するとき、カッタヘッド19の自重W
cによる偏心モーメントMcは、次式のようになる。
【数1】Mc=Wc×e ただし、e=回転軸とクランク軸間の偏心距離である。
【0011】そして、カッタトルクをTrlとすると
き、地山(切羽)を掘削するための必要トルクTは、次
式で与えられる。
【数2】T=Trl+Mc ∴Trl=T−Mc
【0012】前記数2からも分かるように、従来の地中
掘削機では、地山を掘削するための必要トルクとして、
カッタトルクTrlの他に、カッタヘッドの自重Wcに
よる偏心モーメントMcを余分に見込んでおく必要があ
った。
【0013】このため、大きな掘削エネルギーを必要と
し、大型のカッタ駆動モータを装備する必要があり、回
転軸やクランク,クランクピン,これらの軸受も大型化
するため、設備費が嵩むという問題があり、電力消費量
も多くなるという問題があった。
【0014】本発明は、上記の事情に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、掘削エネルギーを軽減で
き、これに伴いカッタ駆動モータに小型のものを用いる
ことができ、設備費および電力消費量を削減し得る地中
掘削機を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では所定の間隔をおいて複数の回転軸15を
支持し、各回転軸15にクランク16を連結し、各クラ
ンク16のクランク軸17にわたって共通にカッタヘッ
ド19を取り付け、このカッタヘッド19を平行クラン
ク運動させて地山を掘削する地中掘削機において、前記
回転軸15に、カッタヘッド19の自重による偏心モー
メントを打ち消す方向にカウンタウエイト23を取り付
けている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0017】図1は本発明の第1実施例を示す縦断側面
図、図2は図1のA−A矢視図、図3は図1のB−B線
断面図である。
【0018】これら図1〜図3に示す第1実施例におい
て、前記図6および図7に示す従来技術と同じ部材には
同じ符号を付けて示し、これ以上の説明を省略する。
【0019】これらの図に示す第1実施例における地中
掘削機としてのシールド機1では、隔壁3に取り付けら
れた軸受14を介して回転可能に支持された回転軸8の
前端部側に、カッタヘッド19の自重Wcによる偏心モ
ーメントMcを打ち消す方向、すなわちカッタヘッド1
9の偏心方向の反対方向に支持アーム22が固設されて
いる。前記支持アーム22の端部には、カウンタウエイ
ト23が取り付けられている。
【0020】前記カウンタウエイト23には、鉄や鉛等
の比重の大きい金属を使用することが好ましい。前記カ
ウンタウエイト23を鉛で製作する場合には、必要な重
量と形状とを有する鉛のブロックの周囲を鋼板で囲み、
支持アーム22に溶接して取り付けると好適である。ま
た、鉛のブロックを鋼板で囲むことにより、掘削土砂に
よる鉛製のカウンタウエイトの摩耗を防止することがで
きる。
【0021】この第1実施例によれば、カッタ駆動モー
タ21を同一方向に同期的に駆動させ、回転軸15,ク
ランク16およびクランク軸17を通じてカッタヘッド
19を回動させたとき、回転軸15に支持アーム22を
介してカッタヘッド19の偏心方向の反対方向に取り付
けられたカウンタウエイト23が、カッタヘッド19の
偏心モーメントMcを打ち消すか,または著しく減ずる
方向に作用する。
【0022】その結果、カッタ駆動モータ21のエネル
ギーを、カッタヘッド19の自重Wcによる偏心モーメ
ントMcを打ち消すためのエネルギーとして無駄に使う
ことが無くなるので、エネルギー効率を高めることがで
きる。したがって、カッタ駆動モータ21に小型のもの
を使用できるし、回転軸15,クランク16,クランク
軸17およびこれらの軸受を小型化できるし、電力消費
量を削減することもできる。
【0023】なお、図3において、符号24はカウンタ
ウエイト23の先端の回転軌跡を示す。
【0024】ついで、図4は本発明の第2実施例を示す
縦断側面図、図5は図4のC−C線断面図である。
【0025】これらの図に示す第2実施例では、隔壁3
の後方に、所定の空間25をおいて、後部隔壁26が固
定されている。
【0026】前記後部隔壁26の後面には、カッタ駆動
モータ21が取り付けられている。
【0027】前記後部隔壁26および空間25を貫通し
て隔壁3の前方に回転軸15が延設され、かつ回転可能
に支持されている。
【0028】前記回転軸15における空間25を通る部
分には、カッタヘッド19の自重Wcによる偏心モーメ
ントMcを打ち消す方向に、支持アーム22が固設され
ている。前記支持アーム22の端部には、カウンタウエ
イト23が取り付けられている。
【0029】なお、前記隔壁3には長円形の土砂排出口
13′が設けられ、後部隔壁26には他の土砂排出口2
7が設けられている。
【0030】この第2実施例の他の構成は、前記第1実
施例と同様である。
【0031】この第2実施例においても、カウンタウエ
イト23がカッタヘッド19の自重Wcによる偏心モー
メントMcを打ち消しまたは著しく減ずる方向に作用す
る。
【0032】なお、前記第1,第2実施例とも、回転軸
15の全部にカウンタウエイト23を取り付けた例を示
しているが、これに限らず、複数の回転軸の例えば1本
置きに取り付けてもよい。また、第1、第2実施例は、
土圧式シールドの例を示しているが、泥水式シールドに
も適用できる。また、これらの実施例には掘削した土砂
を練混ぜる練混ぜ翼を開示していないが、回転軸に設け
る練混ぜ翼は、前記のカウンターウェイトを兼用して設
けることもできる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では所定の
間隔をおいて支持された回転軸15に、カッタヘッド1
9の自重Wcによる偏心モーメントMcを打ち消す方向
にカウンタウエイト23を取り付けており、このカウン
タウエイト23の作用により前記偏心モーメントMcを
打ち消すか,または著しく減ずることができるので、カ
ッタ駆動モータ21のエネルギーを有効に利用し、エネ
ルギー効率を高めることができる。したがって、本発明
によればカッタ駆動モータ21に小型のものを使用でき
るし、回転軸15やクランク16,クランク軸17,こ
れらの軸受の小型化を図ることができるため、設備費を
削減し得る効果があり、電力消費量を節減し得る効果も
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断側面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す縦断側面図である。
【図5】図4のC−C線断面図である。
【図6】従来技術を示す正面図である。
【図7】図6のD−D線断面図である。
【符号の説明】
1 シールド機 14 回転軸用の軸受 15 回転軸 16 クランク 17 クランク軸 19 カッタヘッド 20 カッタフレーム 21 カッタ駆動モータ 22 カウンタウエイト用の支持アーム

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の間隔をおいて複数の回転軸15を
    支持し、各回転軸15にクランク16を連結し、各クラ
    ンク16のクランク軸17にわたって共通にカッタヘッ
    ド19を取り付け、このカッタヘッド19を平行クラン
    ク運動させて地山を掘削する地中掘削機において、 前記回転軸15に、カッタヘッド19の自重による偏心
    モーメントを打ち消す方向にカウンタウエイト23を取
    り付けた、ことを特徴とする地中掘削機。
JP12726298A 1998-05-11 1998-05-11 地中掘削機 Expired - Fee Related JP2883329B1 (ja)

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