JPH042239Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はシールド式掘削機に係るものである。

（従来の技術） 第５図は従来の土圧系シールド式掘削機を示
し、シールド本体ａの前面に配置されたカツタヘ
ツドｂの回転軸ｃを、バルクヘツドｄに配設され
た軸受ｅによつて支持するとともに、回転軸ｃに
固着された大歯輪ｆに、シールド本体ａに装架さ
れた駆動モータｇの駆動軸に固着された小歯車ｈ
を噛合し、同駆動モータｇによつて前記カツタヘ
ツドｂを駆動回転して同カツタヘツドｂに装着さ
れたカツタビツトｉによつて地山を掘削し、掘削
土をシールド本体ａ内におけるバルクヘツドｄに
よつて区画されたカツタチヤンバｙ内に取込み、
スクリユウコンベヤｋによつて搬出するようにな
つている。なお図中ｌはカツタヘツドｂに内蔵さ
れた余掘装置である。

第６図は従来の泥水式のシールド式掘削機で、
シールド本体ａの前部にカツタチヤンバｊを区画
するバルクヘツドｄに送泥パイプｍ及び排泥パイ
プｎ並にアジテータ装置ｏが取付けられ、カツタ
ヘツドｂによつて掘削された土砂はカツタチヤン
バｊに取込まれ、送泥パイプｍを介して送られる
泥水とアジテータ装置ｏによつて攪拌されたの
ち、排泥パイプｎを介して排出される。

更に前記泥水式のシールド式掘削機において
は、カツタヘツドｂを傾斜させることによつて、
シールド下部空間を広くとるように考慮されてい
る。傾斜カツタの場合、シールドフードの先端部
ｐの形状が楕円形となるので余掘装置ｌが必要と
なる。

（考案が解決しようとする問題点） 第５図に示した従来の土圧系シールド式掘削機
においては、スクリユウコンベヤｋの設置スペー
スを広くとる必要があるため、前記モータｇ、各
歯輪ｆ，ｈ等よりなるカツタ駆動部の設置のため
の空間が制限され、駆動部減速比が大きくとれ
ず、装備カツタトルクが減少してしまう。

またカツタ駆動部とスクリユウコンベヤｋとの
干渉を避けるため、シールド機長を長くする必要
があり、シールド機長の増大に伴なつて操舵性能
が低下し、コストアツプとなる。

次に第６図に示した従来の泥水式のシールド式
掘削機においては、送泥パイプｍ、排泥パイプｎ
及びアジテータ装置ｏの設置スペースを広くとる
必要があるためにカツタを傾斜させているが、こ
のためカツタ駆動部空間が制限され、駆動部減速
比が大きくとれず、装置カツタトルクが減少して
しまう。

またカツタを傾斜させることによつて構造が複
雑化し、コストアツプとなる。

（問題点を解決するための手段） 本考案はこのような問題点を解決しようとする
もので、シールド機前面に同機より小径のカツタ
ヘツドをシールド機軸芯とオフセツトして配設す
るとともに、前記カツタヘツドに余掘装置を出没
自在に内蔵してなることを特徴とするもので、そ
の目的とする処は、シールド機長を増大すること
なく排土設備の取付用空間を十分に確保でき、構
造が簡単で経済性の優れたシールド式掘削機を供
する点にある。

（作用） 本考案に係るシールド式掘削機においては前記
したように、シールド機前面に配設されるカツタ
ヘツドの径をシールド機より小径とするととも
に、同カツタヘツドをシールド機軸芯とオフセツ
トして配置することによつて、シールド機内に排
土設備、或いは泥水式のシールド式掘削機におい
てはアジテータ装置等の設置用の空間を十分に広
く設け、同空間に設置された排土設備によつて前
記カツタヘツドによつて掘削された土砂を排出す
るものである。

而して前記カツタヘツドの径をシールド機の径
より小径とすることによつて生起した未掘削部分
は、前記カツタヘツドに出没自在に内蔵された余
掘装置によつて掘削されるものである。

（考案の効果） 本考案に係るシールド式掘削機においては前記
したように、シールド機前面に同機より小径の小
形化されたカツタヘツドをシールド機軸芯とオフ
セツトして配設することにより、カツタ駆動部も
小形化されるとともにシールド機内にその軸芯と
オフセツトして配設されるので、シールド機内に
おける排土設備、アジテータ装置の設置のための
空間が確保され、またこのように排土設備取付ス
ペースが増大されることによつて大径の礫等の障
害物の除去が容易になる。

また本考案によれば前記排土設備等の設置空間
を確保するためにカツタヘツド及びその駆動部を
シールド機軸芯に対してオフセツトするだけでよ
く、シールド機長を増大させる必要がないので操
舵性能が低下することがなく、コストアツプの要
因を最小限に抑止しうるものである。

また前記したようにカツタヘツド径が減少され
ることによつてシールド機の掘進エネルギを節減
し、更にカツタ駆動部が小型化されるのでコスト
ダウンが可能となる。

更にまた前記カツタヘツドに出没自在に内蔵さ
れた余掘装置によつて、カツタヘツドを小形化す
ることによつて生じた未掘削部分をも掘削しうる
ものである。

（実施例） 以下本考案を図示の実施例について説明する。

１はシールド本体、２はシールド本体内前部に
配設されたバルクヘツドリングガーダ、３はバル
クヘツドリングで、同バルクヘツドリング３によ
つてシールド本体１内前部に切羽面に対向するカ
ツタチヤンバ４を画成している。図中５はマンホ
ールである。

６はシールド本体１より小径に形成されたカツ
タヘツドで、同カツタヘツド軸芯Ａがシールド本
体軸芯Ｂより上方にＬだけオフセツトして配設さ
れ、カツタヘツド回転軸はバルクヘツド部に配設
された軸受７に支承されている。同軸受７におけ
るバルクヘツド側の固定部に対する外側回転部に
設けた大径歯輪に、シールド本体１内に装架され
た駆動モータ８の駆動軸に固定された小径歯輪が
噛合し、前記モータ８によつてカツタヘツド６が
駆動回転されるようになつている。

図中９はカツタビツトである。

前記カツタヘツド６には余掘装置が内蔵され、
同余掘装置はカツタヘツド６の外周面より出没す
る余掘用コピーカツタ１０及び同コピーカツタ作
動用のコピーカツタジヤツキ１１より構成されて
いる。

図中１２は同コピーカツタジヤツキ１１に対す
る油圧配管、１３は同ジヤツキ１１に接続された
バルクヘツド前方の油圧配管１２と、圧油供給源
に接続されたバルクヘツド後方の油圧配管１２′
とを接続するロータリジヨイントである。

前記カツタヘツド６及びその駆動装置をシール
ド本体軸芯Ｂより上方にオフセツトさせたことに
よつて生じたシールド本体１内前方下部の広い排
土設備の設置用空間を利用して、カツタチヤンバ
４に連絡するスクリユウコンベヤ１４が前記カツ
タ駆動装置と干渉することのないように配設され
る。図中１５は同コンベヤの駆動モータである。

なお泥水式のシールド式掘削機においては、ス
クリユウコンベヤ１４の代りにバルクヘツド部分
に排泥管及びアジテータ装置が設置される。

更に前記シールド本体バルクヘツドリング２に
はシールドジヤツキ１６が装着されている。

図示の実施例は前記したように構成されている
ので、カツタヘツド６を駆動回転して地山をカツ
タビツト９によつて切削し、〓をカツタチヤンバ
４に取込んでスクリユウコンベヤ１４で排出する
とともに、掘削機の掘進に伴つてその後方に形成
された横穴の内周面に組付けられたセグメント１
７に反力を支持させながらシールドジヤツキ１６
を伸長し、シールドジヤツキ１６を伸長し、シー
ルド掘削機を推進する。

なお前記シールド本体バルクヘツドリングガー
ダ２及びバルクヘツドリング３はカツタチヤンバ
４内で発生する土圧を支持する。

カツタヘツド６はシールド本体軸芯Ｂよりオフ
セツトＬ量だけ偏心して取付けられているので、
カツタヘツド６に取付けられたカツタビツト９の
みではシールド本体１の外径までは切削できな
い。

このため油圧配管１２′、ロータリジヨイント
１３、及び油圧配管１２を介してコピーカツタジ
ヤツキ１１に圧油を供給し、余掘用コピーカツタ
１０をカツタヘツド６の旋回と連動して同カツタ
ヘツド６より出没させ、シールド本体１の外径寸
法に合致する径を掘削するように制御する。

第３図は余掘用コピーカツタ１０のストローク
制御状態を示すもので、カツタヘツド６はシール
ド本体１とオフセツト量Ｌを維持しているので、
余掘用コピーカツタ１０はオフセツト量Ｌの２倍
のストロークを必要とする。また余掘用コピーカ
ツター位置１０ａ，１０ｂ，１０ｃに対応したス
トロークに制御する必要がある。

第４図は余掘用コピーカツタ１０のストローク
制御目標値を示す座標で 制御目標値Ｓ＝√（₁−₂）²＋（₁−₂）² は、直線ｙ＝tanθxとカツタヘツド外周円x²＋y²
＝γ²との交点（x₁，y₁）、及び直線ｙ＝tanθxとシ
ールド外周円x²＋（ｙ＋ｅ）²＝R²の交点（x₂，y₂）
との距離で求められる。

図示の実施例においては前記したように、カツ
タヘツド６がシールド本体１の外径より小径にな
るように小型化され、同カツタヘツドの駆動部も
これに伴つて小型化され、且つ前記カツタヘツド
６の軸芯Ａがシールド本体１の軸芯Ｂより上方に
Ｌだけオフセツトして配置されていることによつ
てシールド本体１の前方下部には土圧系シールド
式掘削機においてはスクリユウコンベヤ１４、泥
水圧式のシールド式掘削機においては排泥管やア
ジテータ装置の設置のための広いスペースが形成
され、前記排土装置やアジテータ装置の設置が容
易になり、且つメインテナンスが行い易くなる。
またバツクヘツドに設けるマンホール５を大きく
とれ、メンテナンス用アクセスホールとして有効
に利用できる。

またこれらの設置空間を確保するためにシール
ド機長を増大させる必要がないので操舵性能の低
下を招来することなく、コストアツプの要因を最
小限に抑えることができる。

また前記実施例によればカツタヘツド６を小型
化することによつてシールド式掘削機の掘進エネ
ルギを節減し、カツタヘツド駆動部が小型化され
ることと相俟つて経済性の優れたシールド式掘削
機が構成される。

更に前記実施例によれば、カツタヘツド６の下
部空間に切羽土圧が作用するため、土圧系シール
ド式掘削機の場合、排土用スクリユウコンベヤ１
４の〓取込口に推力を与えることができ、排土が
円滑に行なわれるとともに、スクリユウ先端部で
の土圧制御が可能となり、切羽の安定制御に役立
つ。

更にまた前記実施例によれば、余掘装置によつ
て土砂を天端方向に押上げる際、切羽土圧が高く
なり、切羽の崩壊が防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るオフセツトカツタを装備
したシールド式掘削機の一実施例を示す縦断側面
図、第２図はその正面図、第３図は余掘装置にお
ける余掘用コピーカツタのストローク制御範囲を
示す説明図、第４図は余掘用コピーカツタのスト
ローグ制御目標値を示す座標、第５図は従来の土
圧系シールド式掘削機を示す縦断側面図、第６図
は従来の泥水式のシールド式掘削機を示す縦断側
面図である。 １……シールド本体、６……カツタヘツド、８
……駆動モータ、９……カツタビツト、１０……
余掘用コピーカツタ、１１……コピーカツタジヤ
ツキ、１４……スクリユウコンベヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シールド機前面に同機より小径のカツタヘツド
   をシールド機軸芯とオフセツトして配設するとと
   もに、前記カツタヘツドに余掘装置を出没自在に
   内蔵してなることを特徴とするオフセツトカツタ
   を装備したシールド式掘削機。