JP2883155B2 - 導電性細条リールの残量検出装置 - Google Patents

導電性細条リールの残量検出装置

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JP2883155B2 JP10026690A JP10026690A JP2883155B2 JP 2883155 B2 JP2883155 B2 JP 2883155B2 JP 10026690 A JP10026690 A JP 10026690A JP 10026690 A JP10026690 A JP 10026690A JP 2883155 B2 JP2883155 B2 JP 2883155B2
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高顯 松尾
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、導電性細条を巻回したリール上の導電性細
条の残量検出装置、特にタイヤの製造に使用されるビー
ドコアの成形工程におけるスチールコードの巻出し施設
において、スチールコードリール上にスチールコードが
未だ残っている段階でスチールコードの終端を自動的に
検出することができる装置に関するものである。
(従来の技術) 上述したタイヤの製造に使用されるビードコアを成形
するに当たっては、一般的に複数台、例えば18台のスチ
ールコードリールから複数のスチールコードを同時に繰
り出して複数列複数段のビードコアを成形している。こ
のような方法でビードコアを製造する場合には、各スチ
ールコードリール上のスチールコードの残量がなくなっ
てから新たなスチールコードリールと入れ換えるように
すると不良品が出ることになるが、従来スチールコード
リール上のスチールコードの残量を自動的に検出できる
実用的な装置が開発されていないため、作業員が目視に
よって複数のスチールコードリールを監視していて、適
当なタイミングで残量が少なくなったスチールコードリ
ールを新たなスチールコードリールと入れ換える必要が
あり、作業員に多大の労力が掛かるとともに人的ミスが
発生する可能性があった。従来、スチールコードリール
上のスチールコードの残量を検出する技術としては、ス
チールコードリールに巻回されているスチールコードの
長さと、リールから繰り出されたスチールコードの長さ
とから残量を予測し、この予測した残量が予め決めた長
さとなったときにリールからの繰り出しを停止するもの
がある。また、スチールコードリール上のスチールコー
ドに導電性のロッドを圧接させ、導通がなくなった点を
スチールコードの終端として検出することが提案されて
いる。
(発明が解決しようとする課題) 上述したようにリール繰り出し量から残量を予測検出
するものは、スチールコードリール毎のばらつきや製造
メーカによる巻回量のばらつきがあるため、スチールコ
ードリール上のスチールコードの残量を正確に検出する
ことができず、スチールコードが足りなくなったり、残
量の多いスチールコードリールを交換するようになった
りする欠点がある。また、導電性のロッドをスチールコ
ードリールに摺接するものでは、スチールコードに傷を
付ける恐れがあるとともに導電性ロッドの磨耗が激し
く、頻繁に交換しなければならず、メンテナンスが甚だ
面倒となる欠点がある。このような欠点を解決するため
に、イメージセンサやテレビジョンシステムを用いてス
チールコードリールを撮像し、得られる画像を処理して
スチールコードの残量を検出することも考えられるが、
高価となる欠点がある。特に、ビードコアの成形におい
ては、多数のスチールコードリールを用いるため、その
各々に高価な撮像装置を設けることは莫大な設備費が掛
かることになり、実用上問題がある。
本発明の目的は、上述した従来の欠点を除去してリー
ル上の導電性細条の残量を自動的に正確に検出すること
ができ、しかも構成が簡単で設備費が安価な導電性細条
の残量検出装置を提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段および作用) 本発明は、導電性細条を巻回したリール上の細条の残
量を検出する装置において、導電性細条のリール軸線方
向に見て互いに離間してリール上の導電性細条と常時接
触するように配置された一対の導電性ローラと、この導
電性ローラをそれぞれ回転自在に支持する一対の導電性
ベアリングと、前記導電性ベアリング、導電性ローラお
よび導電性細条を経て電流を流す電流と、前記導電性ベ
アリング、導電性ローラおよび導電性細条を経て流れる
電流の変化を検知してリール上の導電性細条の終端が一
方の導電性ローラを外れるタイミングを検出する手段と
を具えることを特徴とするものである。
このような本発明の残量検出装置においては、一対の
導電性ローラの一方が導電性細条から外れるタイミング
を正確に検出することができるが、この瞬時ではロール
上に残存する導電性細条は最終巻列となり、ロールの巻
径と導電性細条の線径とから残量を知ることができる。
また、導電性細条と導電性ベアリングによって回転自在
に支持された導電性ローラとの接触であるので、導電性
細条に傷が付くようなことはないとともに導電性ローラ
の磨耗もきわめて少なくなり、メンテナンスも容易とな
る。さらに、構成は非常に簡単となるので安価に実施す
ることができる。
(実施例) 第1図は本発明による導電性細条リールの残量検出装
置の一実施例の構成を示す正面図であり、第2図は同じ
くその側面図である。本例では、導電性細条としてタイ
ヤの製造に使用されるビードコアを成形するためのスチ
ールコードを例にとって説明する。一般にスチールコー
ド1はスチールコードリール2に巻回されており、複数
のスチールコードリールから繰り出された複数のスチー
ルコードをゴムシートと一緒にドラム上に巻き取ってビ
ードコアを成形している。すなわち、スチールコードリ
ール2を絶縁性のフリーローラ3および4によって回転
自在に支持し、スチールコードリールから繰り出したス
チールコードリール1をガイドローラ5を経てビードコ
ア成形ドラムへ送り出すように構成する。スチールコー
ドリール2上でスチールコード1の終端を検出するため
に検出ヘッド6を設け、この検出ヘッドをアーム7のセ
ンタに固定し、このアームを軸8を中心として回動自在
に配置する。検出ヘッド6とアーム7との間には絶縁板
9を介挿し、検出ヘッドをアームから電気的に絶縁する
ように構成する。検出ヘッド6は第1図に明瞭に示すよ
うに、スチールコードリール2の縦軸方向に所定の間隔
をおいて配置した一対の導電性ローラ10および11と、こ
れらの導電性ローラをそれぞれ導電性ベアリング12およ
び13を介して回転自在に支持する一対の導電性の軸14お
よび15とを具えている。これらの導電性軸14および15を
それぞれ絶縁材料製の支持板16および17を介してフレー
ム18に連結する。このフレーム18にはハウジング19を取
付け、このハウジングにはランプ20を取り付け、このラ
ンプをハウジング19に設けた端子21および22に接続す
る。また、電源24を設け、その一方の出力端子24aをリ
ード線23を介して一方の導電性軸14に接続する。また、
他方の導電性軸15をリード線25を介して端子21に接続す
るとともにリード線26を介して導通検知回路27に接続
し、この導通検知回路を電源24の他方の出力端子24bに
接続する。また、ハウジング19に設けた端子22はリード
線29を介して電源24の他方の出力端子24bに接続する。
このようにしてランプ20と導通検知回路27は電源24に対
して並列に接続されることになる。
今、スチールコードリール2に十分な量のスチールコ
ード1が残っている場合には、電源24の一方の出力端子
24aから、リード線23、導電性の軸14、導電性のベアリ
ング12、導電性のローラ10、リール上に残存するスチー
ルコード1、導電性のローラ11、導電性のベアリング1
3、導電性の軸15、リード線26および導通検知回路27を
経て電源24の他方の端子24bに電流が流れるとともに導
電性軸15からは、リード線23、端子21、ランプ20、端子
22およびリード線29を経て電源24の他方の出力端子24b
にも電流が流れることになる。その結果、ランプ20は点
灯することになり、また導通検知回路27は導通状態を検
出することになる。このように、ハウジング17に設けら
れたランプ20が点灯されるのを見て作業者はスチールコ
ード1がスチールコードリール2上に十分な長さ残存し
ているのを知ることができる。また、導通検知回路27か
ら出力される検知信号を制御部28へ伝達し、検知信号に
基づいてスチールコードの繰り出しを制御する。
第3図はスチールコードリールの巻き終わりの部分に
おいて、上述した導通検知回路27において検出される信
号の変化を示すものである。期間T1はスチールコードリ
ール2に、導電性ローラ14および15の双方がスチールコ
ード1の上を転動するに足りるだけのスチールコードが
残っている状態を示すものである。この状態ではスチー
ルコード1を経て電流が流れるが、導電性ローラ14およ
び15がスチールコード上で踊るため、電流は定常的には
流れず、断続したものとなる。スチールコードリール2
上のスチールコード1がさらに繰り出されていき、一方
の導電性ローラ14がスチールコードから外れると、この
ローラはその下側に巻かれている絶縁性の紙Pと接触す
るようになり、電流は流れなくなり、ランプ20が消え
る。検出ヘッド6は、この状態においても、スチールコ
ードリール2にはさらに1個のビードコアを成形するの
に十分な量のスチールコード1が残存しているような位
置に配置する。このように検出ヘッド6がスチールコー
ドリール2上のスチールコード1の終端を検出した後
は、制御部28はタイマ制御モードに入り、期間T2の間、
例えば1分10秒間は通常のようにスチールコードの繰り
出しを許可する。この時間は、スチールコードリール上
のスチールコードの残量が4m程度となるようにせってし
てある。その後、繰り出し速度を低速に切換え、期間T3
の間、例えば10秒間繰り出した後に、繰り出しを停止す
る。これと同時に制御部28はブザーを鳴動させて作業員
にスチールコードの終了を通報する。作業員はこのブザ
ーの鳴動に応じてスチールコードリールの交換を行った
後、ビードコアの成形作業を再開する。
(発明の効果) 上述したように、本発明による導電性細条リールの残
量検出装置によれば、一対の導電性ローラを導電性細条
に当接し、その導通、非導通状態を検出することによっ
て残量を検出するようにしたため、リール上での導電性
細条の残りが所定の長さとなったタイミングを正確に検
出することができる。また、導電性ローラは導電性ベア
リングによって回転自在に支持するので、導電性ローラ
と導電性細条との接触によって導電性細条を傷つけるこ
とはなくなるとともに導電性ローラの磨耗も少なくな
り、交換の頻度も低くなりのでメインテナンスも簡単と
なる。さらに、導電性ローラや導電性ベアリングは一般
に市販されているローラやベアリングをそのまま使用す
ることができ、非常に安価に製造することができる。従
って、タイヤの製造に使用されるビードコアの成形にお
いて、多数のスチールコードリールの各々に検出ヘッド
を設けても設備費はそれ程高くならない利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による導電性細条リールの残量検出装置
の一実施例の構成を示す正面図、 第2図は同じくその側面図、 第3図は導通検知回路において検出される信号の変化を
示すグラフである。 1……スチールコード 2……スチールコードリール 6……検出ヘッド、7……アーム 10,11……導電性ローラ 12,13……導電性ベアリング 14,15……導電性軸、16,17……絶縁板 20……ランプ、24……電源 27……導通検知回路、28……制御部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性細条を巻回したリール上の導電性細
    条の残量を検出する装置において、導電性細条のリール
    軸線方向に見て互いに離間してリール上の導電性細条と
    常時接触するように配置された一対の導電性ローラと、
    この導電性ローラをそれぞれ回転自在に支持する一対の
    導電性ベアリングと、前記導電性ベアリング、導電性ロ
    ーラおよび導電性細条を経て電流を流す手段と、前記導
    電性ベアリング、導電性ローラおよび導電性細条を経て
    流れる電流の変化を検知してリール上の導電性細条の終
    端が一方の導電性ローラを外れるタイミングを検出する
    手段とを具えることを特徴とする導電性細条リールの残
    量検出装置。
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