JP2882727B2 - 水処理法 - Google Patents

水処理法

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JP2882727B2 JP5134795A JP13479593A JP2882727B2 JP 2882727 B2 JP2882727 B2 JP 2882727B2 JP 5134795 A JP5134795 A JP 5134795A JP 13479593 A JP13479593 A JP 13479593A JP 2882727 B2 JP2882727 B2 JP 2882727B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気分解水処理の分野、
より詳しくは飲料水の微生物、有機有害物質及び重金属
イオンからの電気化学的精製のための方法に関する。
【0002】本発明は病原性微生物により汚染された甘
水(sweet water)から純粋な飲料水を得る
ために最も有利に利用されうる。
【0003】
【従来の技術】この10年の間、人口の急速な増大及び
工業の性急な発達が水の消費量の徐々なる増大の原因と
なっている。それとは別に、未だ未開発にある人口の少
ない地域、同様に大都市において、環境状況の急激な悪
化に原因して、例えば春の大洪水により、水質は急激に
低下しており、飲料水に授けられている規格を満足しな
くなってきていることがある。従って、汚濁物から甘水
を精製する必要性が現れた。
【0004】水質を向上せしめるための電気分解水処理
に関する方法が従来技術において知られている(米国特
許第3,910,829号を参照のこと)。これに記載
の方法に従うと、3枚の連続して接続されたメンブラン
型電気分解セルを含んで成るフロースルー水圧系の電気
化学処理に水をかけている。この方法は、水を順に、ま
ず第1電気分解セルのカソード区画において、次に第2
及び第3電気分解セルのアノード区画においてよく処理
することを携えている。上記の方法により処理した水は
陽極酸化に由来するかなりの量の生成物を含み、従って
完全に消毒されているが、しかしながら飲料水における
基準に合っている。更に、上記の方法は、3枚のメンブ
ラン型電気分解セルとは別に、電気分解セルの運転条件
をシンクロニズムにおいて予め設定するためのシステム
の存在を必要とし、これによりこの方法の実用性はかな
り難しくされている。
【0005】従来技術において別の電気分解水精製方法
も同様に知られており(ソビエト連邦発明者証第1,1
71,428号;Bulletin第29;1985に
おいて公開)、ここでは水を電気分解セルの第1と第2
区画にわたって流させている。この後者は浸透性隔壁に
よって第1と第2の区画に分かれており、それぞれには
電極が収容され、これらの電極のうちの一方がアノード
であり、そして他方がカソードである。次にこのアノー
ドとカソードとの間の水に電流を流がす。水は順にカソ
ード、次いでアノード区画に流れ、そして、アノード区
画に入る前、この水は濾過にかけられる。上記の区画の
順序で水を流すことにより、アノード区画における処理
後の水は残留陽極酸化生成物、例えばHClO,ClO
- を含み、これは人体にとって毒性である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は微生
物、有機有害物質及び重金属イオンにより汚染された水
の処理のための方法の開発にあり、この方法において、
電気分解セルの一方の区画から他方への水流のオーバー
フローの予備設定順列により、更には電極間空間におけ
る予備設定電流値の維持により、出発新鮮水から純粋な
飲料水が得られるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
第1と第2の区画へと浸透膜によって分けられている電
気分解セル(それぞれには電極が収容されており、その
うちの1つはアノードであり、そして他方はカソードで
ある)の第1及び第2区画に水を流し、アノードとカソ
ードの間の水に電流を流し;このカソード区画から水を
取り出し;この水を濾過し、次いでこのように処理した
水を取り外すことを含んで成る水処理法により達成され
る。本発明に関する改善は、即ち、水をアノード区画か
らカソード区画へと順にオーバーフローさせること、並
びにアノードとカソードとの間の水に流す電流が直流で
あり、そしてその値が以下の式より決定されること; I=K×(C)1/4 ×Q 式(I) (式中、Iは電流アンペア(A) Cは供給水の鉱物度(0.1〜1.5g/L) Qは水の流速(g/L)
【数2】 ここでI/Qの比は約110〜約220K/L内に収め
る)にある。
【0008】本発明に従って水処理法が提案され、これ
は第1と第2の区画へと浸透膜によって分けられている
電気分解セル(ぞれぞれには電極が収容されており、そ
のうちの一方はアノードであり、そして他方はカソード
である)の第1及び第2区画に順に汚染水を流し;アノ
ードとカソードとの間の水に直電流を流し〔ここで、そ
の電流値は以下の式より決定される: I=K×(C)1/4 ×Q (式中、Iは電流アンペア(A) Cは供給水の鉱物度(0.1〜1.5g/L) Qは水の流速(g/L)
【数3】 ここでI/Qの比は約110〜約220K/Lに収め
る)〕;カソード区画から、上記のように処理した水を
取外した後にこの水を多孔性炭素性材料の層で濾過し;
最後にこの処理水を排出する段階を含んで成り、ここで
液体はアノード区画からカソード区画に向って順次流れ
るようになっている。
【0009】上記の工程のフローシートは、微生物、有
害な有機物質、例えばフェノール、並びに重金属イオ
ン、例えば銅、鉄及び鉛イオンによって汚染された供給
甘水から純粋なポータブル水を獲得せしめることを可能
とする。水流を電気分解セルのアノード区画からカソー
ド区画へと向ける推奨の順序を以下の概念に従って解説
する。アノード区画にわたる水の流れの際、任意の新鮮
(甘)水の自然鉱物度を構成する塩に由来する陽極酸化
生成物、例えばHClO,ClO- の生成、並びにオゾ
ン及び酸の生成が生じ、これらは水中の微生物を破壊
し、且つ、酸化有機不純物、例えばフェノールを
【化1】 そしてホルムアルデヒドを HCHO+2OH- −2e→H2 +CO2 +HO2 により、人体に常に存在している水、二酸化炭素、カル
ボン酸のような人間にとって無害な物質にする。
【0010】電極間の水に流す電流の値を支配する式は
実験に由来する。これは、供給水の鉱物度「C」値の全
範囲にわたって、110KL/L以下のI/Qの比では
純粋な飲料水が得られず、そして供給水の鉱物度「C」
値の全範囲にわたって220KL/L以上のI/Qの比
では、高いエネルギー消費量が向上した品質のポータブ
ル水をもたらさないという実験結果によって確立され
た。
【0011】本発明の内容は以下のその特定の態様から
より良く理解されるであろう。
【0012】本発明の方法は以下のように実施される。
【0013】C=0.8g/Lの鉱物度を有し、且つ、
微生物、例えばレギオネレア ニューモフィラ(Leg
ionellae pneumophillae)によ
り8×106 単位/mlにて汚染された供給新鮮(甘)水
を、BakhirB.M.とZadorozhnyYu.G.の「Electrochemical
RPE-Model Reactors」第14巻、モスコワ、1991
年のパンフレットにその構造配列が詳細されている電気
分解セルで、その水を純粋な飲料水へと換えるために本
発明に関する方法の処理にかけた。精製すべきであり、
そして図面において破線aで示す水を、例えば20L/
時間の流速でポンプ1によって電気分解セル又は槽2へ
と供給する。この後者は、ジルコニアをベースとするセ
ラミックより成る浸透膜又は隔壁5によって第1(3)
と第2(4)の区画へと分割されている。この区画3に
はアノードとして働く電極6が収容され、そして電極4
にはカソードを構成する電極7が収容されている。精製
すべき水は順に第1アノード区画3、次いで第2カソー
ド区画4へと流れる。この電極6と7の間の液体に直電
流を流す。この電流値は次式より決定される: I=K×(C)1/4 ×Q (式中、Iは電流アンペア(A) Cは供給水鉱度化=0.8g/L Qは水の流速=20L/時間
【数4】 である)。
【0014】精製すべき水が矢印「a」で示す方向にお
いて区画3を流れるに従い、陽極酸化生成物、例えばH
ClO及びClO- が任意の飲料水の天然鉱物度を構成
する塩により生成される。アノード6で生成される活性
塩素化合物ClO- ,HClO,Cl2 、並びにオゾ
ン、酸素及びフリーラジカルCl″,O″,HO2 はレ
ギオネラ ニューモフィラを破壊し、且つ有機汚染物、
例えばフェノールを C6 5 OH+8ClO- →CHCOOH+8Cl-
2CO2 +H2 O そしてホルムアルデヒドを HCHO+2OH- −2e→H2 +CO2 +H2 O により、人体において常に存在する水、二酸化炭素ガス
及びカルボン酸のような人間に無毒な物質にする。
【0015】アノード区画3を離れる水(図面において
破線a1 で示している)は微生物から精製されている
が、しかし所望されない塩素臭が残っている。この水を
次にカソード区画4の中に流し入れ、ここで以下の過程
がとられる:何種かの有機不純物、例えばアミノ化合
物、ニトリルの電極7の表層上での電気分解還元及び区
画4の中での触媒還元、それに付随するそれらの加水分
解により、水及び生物学的に不活性な気体が生成する。
水に溶けている重金属イオン、例えば銅、亜鉛、ニッケ
ル、鉛、水銀他のイオンは人体にとって無毒な中性原子
又は不活性な水酸化物へと変換される。電極7にてヒド
ロキシル基が生成されるに従い、水のpHは上昇し、それ
に次亜塩素酸塩イオン含有量の有意なる上昇が伴う。こ
れら次亜塩素酸イオンは細菌細胞と直接反応する。その
結果、ClO- イオンの高い殺菌作用に基づき、細菌細
胞において不可逆的な変化が起き、その代謝に障害が及
ぼされ、そして細菌は死に至る。カソード4区画におい
て、水のレドックス電位は人体のレドックス電位に近い
レベルに達するように変動する。その結果、この水に
は、人体の細胞膜に浸透し、且つ、人体の代謝過程に参
入する高い能力が備わる。
【0016】電気分解セル(槽)2のカソード区画4を
離れるに基づき、図面において破線a2 で示している水
は固形多孔炭素性材料、例えば顆粒グラファイトで充填
されたフィルター8に到着する。活性塩素の分解反応が
この炭素性材料の表層で起こる: 2HClO+C→2HCl+CO2 2NaClO+C→2NaCl+CO2
【0017】フィルター8の中でのこれらの反応の結
果、その無菌性を未だ保持し続けている水から塩素臭が
なくなり、そして有用となるだけでなく、飲むのに適す
るようにもなる(その流れは図面の実線a3 に示してい
る)。
【0018】
【発明の効果】本発明の方法はあらゆる度合い汚染度の
理由により飲料に適さない水から純粋な飲料水を獲得す
ることを可能とする。ここで、水電気分解処理に必要さ
れる深さは電流の消費量を変更することによってわか
る。通常、ほとんどの天然水にとって、電流消費量は1
10〜220クーロン/リットル(Coul/リット
ル)である。
【0019】本発明の方法は汚染物として、0.1〜
1.5g/Lの量の塩を含み、そして微生物、例えばサ
ルモネラ(Salmonellae)、腸内細菌、シュ
ードモナ(Pseudomonae)、ポリビリ(Po
lyviri)、レギオネラニューモフィラを106
107 単位/mLの濃度において含む水を、飲料水にとっ
て必要とされるレベルにまで精製せしめることを可能と
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う水処理法を実施するための水圧シ
ステムを示す。
【符号の説明】
1…ポンプ 2…電気分解セル 3…第1区画 4…第2区画 5…浸透膜 6…アノードとして働く電極 7…カソードとして働く電極 8…フィルター a…精製すべき水 a1 …微生物の除去した水 a2 …カソード区画を離れる水 a3 …無菌、且つ、脱塩素臭の水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ボリス イバノビチ レオノフ ロシア連邦,モスコー,オクティアブル スカヤ プロスチャド,1,クバルチー ラ 23 (72)発明者 フラディミル イブラギモビチ プリル トスキ ロシア連邦,モスコー,ドゥガンスカヤ ウリツア,7,コルプス 1,クバル チーラ 179 (72)発明者 エフジェニ アナトリエビチ レペティ ン ロシア連邦,モスコフスカヤ オブラス ト,ビドノエ,ウリツア ソベトスカ ヤ,2−ベー,クバルチーラ 13 (72)発明者 ユリ ゲオルギエビチ ザドルズニ ウズベキスタン共和国,タシケント,マ ッシフ ユヌサバド,クバルタル 8, 23,クバルチーラ 23 (72)発明者 ニコライ ニコラエビチ ナイダ ロシア連邦,モスコー,8 ウリツア ソコリノイ ゴリ,8,コルプス 2, クバルチーラ 186 (72)発明者 オレグ アレクセービチ マシコフ ロシア連邦,モスコー,クロメンスカヤ ナベレズナヤ,26,クバルチーラ 203 (72)発明者 ヌグザル フラディスラボビチ ジェイ ラニシビリ ロシア連邦,モスコー,ボロネズスカヤ ウリツア 8,コルプス 3,クバル チーラ 204 (72)発明者 セルゲイ クロニドビチ ブチン ロシア連邦,モスコー,クルボコレニ ペレウロク,11/13,クバルチーラ 18 (56)参考文献 特開 平1−228589(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C02F 1/46 - 1/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水処理法であって、浸透膜(5)によっ
    て第1と第2の区画(3,4)とに分けられている電気
    分解セル(2)の第1及び第2区画(3,4)に水を連
    続的に流す、ここでそれぞれの区画には電極(6,7)
    が収容されており、そのうちの一方はアノードであり、
    そして他方はカソードである;このアノードとカソード
    との間の前記水に電流を流す;このカソード区画(4)
    から前記水を取り出す;前記水を濾過する;続いてこの
    ように処理した水を排出する段階を含んで成り、ここ
    で、前記水はアノード区画(6)からカソード区画
    (4)に向けて連続的に流す、このアノードとカソード
    との間の水に流す電流は直流とする、そしてその値は以
    下の式より決定する: I=K×(C)1/4 ×Q (式中、Iは電流(A) Cは供給水の0.1〜1.5g/Lに相当する当該供給
    水中の塩類の濃度を表す鉱物度(mineraliza
    tion) Qは水の流速(L/時間) 【数1】 ここでI/Qの比は110〜220クーロン/リットル
    の範囲内とする)ことを特徴とする方法。
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