JP2882256B2 - 暖冷房機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は冷房時は圧縮機を利用
し、暖房時は冷媒加熱器からの燃焼熱を圧縮機以外の熱
搬送手段で運転する暖冷房機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の冷媒加熱により暖房を行な
う暖冷房機として、例えば特開昭５７−１０１２６３号
公報に示される図２のような構成のものがある。

【０００３】即ち、圧縮機２８，流路切換弁２９，室外
送風機３０を有する室外熱交換器３１，第１電磁弁３
２，キャピラリチューブ３３，室内送風機３４を有する
室内熱交換器３５，第２電磁弁３６，逆止弁３７，アキ
ュムレータ３８，を順次配管接続して循環路を構成し、
さらに第３電磁弁３９，冷媒ポンプ４０，バーナ４１を
有する冷媒加熱器４２を直列に配管接続した回路をキャ
ピラリチューブ３３の下流として第２電磁弁３６の上流
との間に接続して構成してあり、作動媒体として冷媒が
封入してある。

【０００４】そして暖房運転は圧縮機２８を駆動し室外
熱交換器３１側の冷媒を冷媒加熱器４２側に移す汲み上
げ運転の後に、冷媒加熱器４２をバーナ４１で加熱する
ことにより蒸発器とし、室内熱交換器３５を凝縮器，冷
媒ポンプ４０を冷媒搬送手段として暖房サイクルを構成
し、さらに冷房は圧縮機駆動による従来方式の冷房サイ
クルを構成している。

【０００５】また、従来他の冷媒加熱により暖房を行な
う暖冷房機として、冷房は圧縮機駆動による従来方式で
行ない、暖房はこの冷房用の圧縮機を冷媒ガスポンプと
して作用させるもの（図示せず）がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成では暖房運転時には冷媒循環用の搬送手段と
して、冷媒ポンプあるいは圧縮機を駆動しなければなら
ず、熱搬送用動力として比較的大きな電気入力を消費
し、暖房ランニングコストが高くなるという問題を有し
ていた。

【０００７】本発明は、かかる従来の問題点を解消する
もので、暖房時の電気入力を極くわずかとするととも
に、安定した冷媒加熱による暖房運転のできる機器を提
供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の暖冷房機は、バーナを有する冷媒加熱器，
気液セパレータ，受液器，第１逆止弁，第１開閉弁を有
する熱搬送部に、前記気液セパレータ，室内ファンを有
する室内熱交換器，第２逆止弁，前記受液器を順次配管
接続した暖房回路と、一端は流路切換弁など他端は第２
開閉弁を介して前記暖房回路に付加接続した室外熱交換
器と圧縮機を有する冷房回路と、バーナ燃焼停止時の冷
媒の循環制御を前記第１開閉弁の開閉あるいは圧縮機の
運転のいずれによって行なうかを制御する第１制御装置
と、前記冷媒循環時圧縮機の運転有無に応じて燃焼停止
後の室内ファンの運転状態を制御する第２制御装置とか
ら構成してある。

【０００９】

【作用】本発明は、上記した構成によって、極くわずか
の電気入力で済む第１開閉弁の開閉動作の繰返しで冷媒
搬送を行ない低ランニングコスト化し、さらにバーナ燃
焼停止時に、圧縮機の運転を行なう場合には、室内ファ
ンを設定風量からゆっくりと風量を低下させ、暖房運転
中の冷媒圧力を急激に低下させて圧縮機の吐出圧力上昇
を防止し、電気入力の低減を図ることができる。又、バ
ーナ燃焼停止時に圧縮機の運転が無い場合には、室内フ
ァンを設定風量から圧縮機が運転する場合よりも早く風
量を低下させ、次の暖房開始の冷媒加熱器内の液冷媒を
確保し、燃焼開始時の冷媒加熱器の異常過熱を防止する
ことができ、安定した冷媒加熱による暖房運転が実現で
きる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面にもとづい
て説明する。

【００１１】図１において、１は冷媒加熱器２に設けた
過熱検知器，３は気液分離器で冷媒加熱器２と気液セパ
レータ３は環状管路に接続してある。４は気液セパレー
タ３の上方に設けた受液器，５は受液器４と気液セパレ
ータ３の間に設けた第１逆止弁，６は受液器４と気液セ
パレータ３とを接続する均圧管７に設けた第１開閉弁で
あり、８は冷媒加熱器２，気液セパレータ３，受液器
４，第１逆止弁５，第１開閉弁６を有する熱搬送部であ
る。そして気液セパレータ３からは、第３逆止弁９，流
路切換弁１０，室内ファン１１を有する室内熱交換器１
２，第２逆止弁１３，受液器４を環状に冷媒配管接続
し、暖房回路を形成している。１４は冷媒加熱用のバー
ナ，１５はバーナ１４への燃料の供給を可変する燃料供
給装置である。

【００１２】１６は圧縮機１７，室外熱交換器１８，第
２開閉弁１９を有する冷房回路であり、一端は流路切換
弁１０を介し配管接続すると共に、圧縮機１７の吐出管
２０を第４逆止弁２１を介し第３逆止弁９と流路切換弁
１０の間に接続している。２２は第３開閉弁２３と減圧
装置２４を有する第２の冷房回路である。

【００１３】２５は過熱検知器１，第１開閉弁６，燃料
供給装置１５，圧縮機１７，第２開閉弁１９，室温検知
器２６に電気的に接続した第１制御装置で、暖房燃焼停
止時に第１開閉弁６の開閉による冷媒循環制御か圧縮機
１７の駆動によるポンプダウン制御のいずれかに変更す
るものである。

【００１４】２７は上記第１制御装置２５からの圧縮機
運転の有無信号により室内ファン１１の運転状態を制御
する第２制御装置である。

【００１５】上記構成において、暖房はバーナ１４での
燃焼熱により加熱された液冷媒が気液２相状態で気液セ
パレータ３に流入し、液冷媒は気液セパレータ３の下方
より再び冷媒加熱器２に流入する。一方、気液分離され
たガス冷媒は、第３逆止弁９，流路切換弁１０を通って
室内熱交換器１２に流入し、室内ファン１１の運転で室
内側に放熱した冷媒は凝縮液化してさらに過冷却液とな
る。

【００１６】ここで受液器４に連通する均圧管７の第１
開閉弁６が第１制御装置２５により閉成すると、冷媒加
熱器２での蒸発圧力によって押された過冷却液が第２逆
止弁１３を通って受液器４内にわずか流入し、すると受
液器４内にあった飽和ガス冷媒がこの過冷却液により冷
却されて凝縮し、この凝縮時の急激な減圧作用により新
たな過冷却液冷媒は受液器４内が満液になるまで一気に
流入する。

【００１７】次に第１開閉弁６が第１制御装置２５によ
り開成すると、受液器４と気液セパレータ３の圧力が均
圧管７により連通され同圧になり、受液器４内の液冷媒
が重力により気液セパレータ３に落下し、冷媒加熱器２
に液冷媒が供給され、これの繰返しで圧縮機１７を使用
することなく冷媒が循環する。

【００１８】ここで上記第１開閉弁６に電磁弁を使用す
れば、冷媒の循環のための搬送動力は電磁弁の消費電力
だけで良くなり、電磁弁は定格入力７ｗ程度であるから
これを開閉動作させる動力、すなわち実質３〜４ｗｈ程
度の微少搬送動力で冷媒を循環することができる。

【００１９】一方、この暖冷房機は長時間暖房運転をす
ると、流路切換弁１０あるいは第２開閉弁１９から冷媒
が徐々に冷房回路側１６へ漏れていき、暖房回路側の冷
媒量が減少し、その結果冷媒加熱器２に設けた過熱検知
器１の温度が上昇して燃焼が停止する。その際圧縮機１
７の運転によるポンプダウンで室外熱交換器１８側に漏
れた冷媒を暖房回路に回収し、その後第２開閉弁１９の
短時間の開成と圧縮機の運転継続により冷媒加熱器２へ
十分な液冷媒を確保し暖房燃焼運転に入る。

【００２０】この時、すなわち燃焼停止時のポンプダウ
ン動作に入っている時には圧縮機が運転するので、第２
制御装置２７は燃焼停止後の室内ファン１１のファン制
御を、燃焼停止時の設定回転数から大きな変化速度で変
化（室内風量を早く低下させる方向へ変化）させるよう
になり、暖房運転時の冷媒圧力は急激に低下して、圧縮
機１７のポンプダウン運転時の消費電力が小さくてす
む。

【００２１】又通常のルームサーモＯＮ／ＯＦＦの時の
ように、燃焼停止時圧縮機の運転がなく第１開閉弁６を
開閉するのみの場合は、燃焼停止時後の室内ファン１１
の制御は燃焼停止時の設定回転数から圧縮機を運転して
ポンプダウン動作を行なっている時よりも小さな変化速
度で変化（前記ポンプダウン動作を行なっている時より
も室内風量をゆっくりと低下させるように変化）させ、
暖房運転時の冷媒圧力をあまり低下させることなく室内
熱交換器出口冷媒の過冷却度を十分保つことができるよ
うにして、第１開閉弁６の開閉動作により燃焼停止後も
十分に室内熱交換器にから液冷媒を受液器４へ引き込む
ことにより、冷媒加熱器２へ十分な液冷媒を確保し、次
の暖房燃焼運転に入るようにしている。

【００２２】以上のように燃焼停止時には圧縮機運転の
有無を判断し、圧縮機運転がある場合には、室内ファン
の回転数を設定回転数から早く低下させ、冷媒圧力を急
激に低下させる為、圧縮機の消費電力の低減が図れると
共に、燃焼停止時に圧縮機運転がない場合は燃焼停止か
ら室内ファンの回転数を設定回転数から圧縮機が動く場
合に比べてゆっくりと低下させる為、燃焼停止後も室内
熱交換器出口の液冷媒の過冷却度が十分に保たれ、第１
開閉弁の開閉動作により冷媒加熱器２へ十分な液冷媒が
確保でき、次の燃焼開始時に冷媒加熱器での異常過熱を
防止できて、機器の信頼性、耐久性が向上する効果があ
る。

【００２３】なお冷房は流路切換弁１０を図１破線方向
に切換え、第２開閉弁１９ならびに第３開閉弁２３の開
成と、圧縮機１７と室内ファン１１および室外ファンの
運転により、従来方式の圧縮機駆動の冷房を行なう。

【００２４】

【発明の効果】以上のように本発明の暖冷房機は、燃焼
停止時の室内ファンの制御を圧縮機の運転有無に応じて
変えるようにしているので圧縮機の消費電力の低減化が
図れると共に、燃焼開始時の冷媒加熱器の異常加熱を防
止でき、かつ安定した冷媒加熱運転が可能となり、機器
の信頼性が向上できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における暖冷房機のシステム
構成図

【図２】従来の暖冷房機のシステム構成図

【符号の説明】

２ 冷媒加熱器 ３ 気液セパレータ ４ 受液器 ５ 第１逆止弁 ６ 第１開閉弁 １２ 室内熱交換器 １３ 第２逆止弁 １７ 圧縮機 １８ 室外熱交換器 １９ 第２開閉弁 ２５ 第１制御装置 ２６ 第２制御装置

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】バーナを有する冷媒加熱器，気液セパレー
   タ，受液器，第１逆止弁，第１開閉弁を有する熱搬送部
   に、前記気液セパレータ，室内ファンを有する室内熱交
   換器，第２逆止弁，前記受液器を順次配管接続した暖房
   回路と、一端は流路切換弁など他端は第２開閉弁を介し
   て前記暖房回路に付加接続した室外熱交換器ならびに圧
   縮機を有する冷房回路と、バーナ燃焼停止時の冷媒循環
   の制御を前記第１開閉弁の開閉あるいは圧縮機の運転の
   いずれによって行なうかを制御する第１制御装置と、前
   記冷媒循環時圧縮機の運転有無に応じて燃焼停止後の室
   内ファンの運転状態を制御する第２制御装置とからなる
   暖冷房機。
2. 【請求項２】上記第２制御装置は、バーナ燃焼停止時の
   冷媒循環を第１開閉弁の開閉によって行なっている時は
   圧縮機の駆動によって行なっている時よりも燃焼停止
   時、設定回転数から小さな変化速度で回転数を減少させ
   るように構成した請求項１記載の暖冷房機。