JP2881069B2 - 半導体デバイスの製法 - Google Patents

半導体デバイスの製法

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JP2881069B2
JP2881069B2 JP4101867A JP10186792A JP2881069B2 JP 2881069 B2 JP2881069 B2 JP 2881069B2 JP 4101867 A JP4101867 A JP 4101867A JP 10186792 A JP10186792 A JP 10186792A JP 2881069 B2 JP2881069 B2 JP 2881069B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、真空室等の真空領域
内に、半導体結晶を構成する原子をガス状態で供給し、
基板表面にSi−SiGeヘテロ接合構造の結晶薄膜
(シリコン単結晶薄膜とシリコンゲルマニウム混晶単結
晶薄膜とを積層した構造、以下同じ)を成長させ、半導
体デバイスを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、素子の高性能化の要求により、従
来のSi系半導体とは異なった材料が開発されている。
その一つは、GaAsを中心とする化合物半導体であ
り、Si系の半導体にはない数々の優れた特性を有して
いる。しかしながら、デバイスの信頼性、高集積化とい
う点においてはまだまだ満足な技術が確立されていな
い。そこで、信頼性、高集積化の容易さ等、半導体材料
として優れた特性を有し、これまで長期に渡って蓄積し
てきた技術を活かせるSi系半導体をさらに高性能化す
るという試みがなされている。その技術の中核をなすの
がエピタキシー技術であり、高品質、高均一性、大きな
成長速度、急峻なドーピングプロファイルならびにヘテ
ロ界面の形成等が要求される。その要求に対応する結晶
成長方法としては、分子線エピタキシャル(MBE)
法、その成長原料をガスソースに代えたガスソースMB
E法、減圧CVD法、常圧CVD法等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法の内、MBE法は次のような欠点がある。Siが
チャンバー内に大量に堆積し、パーティクルの原因とな
る。電子銃式Siソースを使用するため自動化が難し
い。超高真空を必要とするため、真空排気系が複雑且
つ高価になる。原料を消費し終えたときに再充填に手
間がかかるため、ハンドリング特性が悪い。膜成長に
関しては、成長速度が遅い、選択成長ができない。MB
E法は、このような問題を有しており、生産装置化する
には向いていない。常圧CVD法は、粘性流領域でのプ
ロセスであるため、流れ方向に分布を生じやすく、均
一性を出すのが困難である、ガス切れが悪く、急峻な
プロファイルが取りにくい、原料ガスならびにキャリ
アガスとしてH2 ガスを多量に使用するため原料コスト
が高くなるうえ、原料利用効率が悪いことから、大量の
排ガスを生じ安全面において大きな問題となる等の欠点
がある。また、減圧CVD法は、成長速度が大きく生産
向けといえるが、石英製の反応管を用いるホットウォー
ル反応室のため選択成長が難しい、という問題がある。
そこで、上記のMBE法において、原料を、固体ソース
からガスソースに代えた、いわゆるガスソースMBEと
呼ばれる方法でこれらの問題に対応することが考えられ
ている。この方法では、たとえば図10に示すような原
理の装置を用いる。すなわち、この装置の真空室X内の
中央部には、その上方からヒータ6が吊り下げられてお
り、このヒータ6の下面に、インジウム等によって基板
1が貼り付けられた基板ホルダ5が設置されている。そ
して上記ヒータ6によって、上記基板ホルダ5および基
板1に対し輻射加熱を行いながら、下方の原料ガス供給
配管9、10から複数の原料ガスを同時に供給して基板
1の表面1′に付着させ結晶を成長させるのである。こ
の反応は、通常10-3から10-4パスカル(Pa)程度
の高真空下で行われ、真空配管8に連通される真空ポン
プ(図示せず)によって真空引きが行われる。この方法
によれば、原料を連続供給することができるので、従来
のように真空状態を解除して原料充填を行う必要がなく
なる。
【0004】上記ガスソースMBE法では、ガスソース
を用いるため、確かに原料のハンドリングは容易にな
る。しかしながら、上記の方法では、装置の構造上成長
時の圧力は、10-3Pa以下の分子流領域となり、結晶
膜の成長速度が小さく、また、基板を回転させないと、
生成する膜の均一性が得られない等の欠点があり、実験
室スケールでは問題はないものの、量産する場合には、
問題が多い。また、上記ガスソースMBE法は、液体窒
素シュラウド(囲いのなかに液体窒素を流して囲いを冷
却したもの)を使用するため、SiGe混晶単結晶薄膜
成長の場合、使用するGeH4 がこの液体窒素シュラウ
ドからの脱離により、成長中の分圧が一定にならないた
め高品質なSi−SiGeヘテロ接合構造を得るのは難
しい。
【0005】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、基板を回転させることなく、高品質な結晶膜
が、大きな成長速度と、高い均一性を備えて得ることが
できる半導体デバイスの製法の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の半導体デバイスの製法は、10 -1 〜10
-3 Paに設定された真空領域内にSiを含むガスおよび
Geを含むガスを供給し、基板上にSi−SiGeヘテ
ロ接合構造の半導体結晶薄膜を成長させ、半導体デバイ
スを製造する方法であって、基板表面を下向きにした状
態で基板を保持する基板保持部と、上記基板保持部の周
囲に設けられ真空領域内を基板加熱スペースと結晶成長
スペースの二空間に仕切る分離板と、上記基板保持部下
側の反応ガス拡散室と、上記基板を上方から加熱するヒ
ータと、上記ヒータの周囲を囲う下向きコップ状の熱遮
蔽板とを設けるとともに、上記反応ガス拡散室の天井部
一面に所定間隔で複数の開口を形成し、上記反応ガス拡
散室の天井部開口と基板との距離を、上記結晶薄膜生成
の際における上記両ガスの平均自由行程よりも短く設定
し、上記真空領域内を結晶成長温度に加熱した状態で、
Siを含むガスを所定時間供給してSi単結晶薄膜を成
長させたのち、上記加熱状態を維持したまま、そのガス
の供給を停止することにより結晶膜の成長を中断し、つ
いでSiを含むガスおよびGeを含むガスの双方を同時
に所定時間供給して上記Si単結晶薄膜上にSiGe混
晶単結晶薄膜を成長させたのち上記両ガスの供給を停止
するという構成をとる。
【0007】
【作用】すなわち、Si単結晶薄膜(以下「Si膜」と
略す)とSiGe混晶単結晶薄膜(以下「SiGe膜」
と略す)からなるヘテロ接合構造の半導体結晶薄膜を形
成する場合において、従来のガスソースMBE等では、
つぎのようにして行っている。すなわち、Siを含む反
応ガス、たとえばSi2 6 ガスを反応室に所定時間供
給し、所定膜厚のSi膜を形成する。つぎにSi2 6
ガスはそのまま流し続けておき、これに、Geを含む反
応ガス、たとえばGeH4 ガスを所定間隔で供給し、所
定膜厚のSiGe膜を形成するということを行ってい
る。つまり、Si2 6 ガスは、流し続けたままで、G
eH4 ガスだけを所定時間供給したのち、停止するとい
うサイクルを繰り返すことにより、基板上にSi−Si
Geヘテロ接合構造の半導体結晶薄膜を形成し半導体デ
バイスを作製している。このようにして作製された半導
体デバイスは、Si膜とSiGe膜との接合界面におい
て、2種類の原料ガスの混合した領域がかなりでき、界
面の急峻性が悪くなる(異種膜積層形成時に原料ガスの
混合により、ある膜の膜成分に他の膜の膜成分が交じ
り、界面があいまいになること)。その結果、良好なデ
バイス特性が得られなくなる。そこで、本発明者らは、
その原因を追究するとともに良質なSi−SiGeヘテ
ロ接合構造の半導体結晶薄膜を形成する方法について研
究を重ねた結果、1-1〜10-3Paに設定された真空
領域内に、基板を下向きに保持し、基板周囲の分離板に
よって上記真空領域内を上下2空間に仕切って個別に真
空引きし、熱遮蔽板に囲われた特殊なヒータによって上
方から加熱を行うとともに、基板下側から2種類の反応
ガスを、その吐出口(=反応ガス拡散室の天井部開口)
と基板の距離を平均自由行程より短く設定した上で、ま
ず、反応ガスを分子流として均一な分子密度で供給して
Si膜を成長させたのち、つぎのSiGe膜の成長を開
始するまでに、しばらく反応ガスを全く流さない状態
(成長を中断する)を作ると、上記接合界面の急峻性が
著しく向上するということを見いだしこの発明に到達し
た。
【0008】つぎに、この発明を詳しく説明する。
【0009】この発明の半導体デバイスは、通常、10
-1 〜10 -3 Paの真空室内に、基板を下向きに保持する
保持部と、上記保持部の下側に反応ガス拡散室とを設け
て構成された半導体製造装置を用いて得られる。原料と
なる反応ガスは、上記反応ガス拡散室の天井部に所定間
隔で設けられた開口から上向きに吹き出され、基板面に
薄膜を形成する。なお、上記真空室内は基板周囲に設け
られた分離板によって上下2空間に仕切られており、ま
基板と反応ガス拡散室の天井部開口との距離は、数セ
ンチメートル程度(好適には2〜5cm、より好適には3
〜4cm)に設定されている。しかも、上記反応ガス拡散
室の天井部開口は、上記基板面での分子線密度が均一に
なるよう、所定間隔で一面に分布形成されている。この
ようにして、反応ガスを供給することにより、通常のガ
スソースMBE法では困難な、反応ガスの平均自由行程
が数センチメートルとなる比較的高い圧力領域(10-1
Paオーダ)においても、低温で膜成長が可能となる。
また、基板上方から、下向きコップ状の熱遮蔽板で囲わ
れた特殊なヒータ加熱を行うことにより、基板に対する
熱効率を高め、かつ基板面に対する均一加熱を確保して
いる。その結果、基板を回転させることなく高い膜均一
性が得られ、膜の成長速度、原料利用効率の大幅な向上
も可能となる。そして、導入された反応ガスの吐出口コ
ンダクタンスが大きくなるため、例えばガスの種類を変
える際等にガス切れが良く(ガス切れが良いとは、前回
使用時のガスを短時間で排出できるということであ
る)、急峻なヘテロ界面(急峻なヘテロ界面とは、膜の
積層時に、新規生成膜に前回使用時のガスの混入が少な
く、新旧両膜がその接合界面において成分が厳密に異な
るようになることである)が得られる。
【0010】つぎに、この発明を実施例にもとづいて詳
細に説明する。
【0011】
【実施例】図1はこの発明の半導体デバイスの製造に用
いる半導体製造装置を示している。この半導体製造装置
は、円筒形のステンレス製真空室Xを備え、その真空室
X内に円板状の基板1が、中央にガス透過用の穴を有す
るシリコン板(図では省略している)を介して、水平に
設けられた基板保持用のトレイ4の中央開口縁3に水平
に載置され、着脱自在に装着される。上記シリコン板に
よって基板1の全体の均一加熱が可能となる。真空室X
の略中央に設けられたこの基板1は、処理後は真空室X
の周壁の開閉部(図示せず)に設けられた基板交換用治
具(図示せず)により、新たな基板と交換される。そし
て、このトレイ4の外周縁4aと、真空室Xの周壁1a
から内側に水平に突出するステンレス製のガイドリング
1bとの間の間隙に、その間隙を埋める、略リング状の
分離板11が取り付けられている。
【0012】上記略リング状の分離板11は、その内周
側のリング部分と外周側のリング部分とからなり、内周
側部分がカーボンリング20で形成され、外周部分が石
英リング21で形成されている。上記石英リング21
は、熱遮蔽効果が高いため、成膜時の加熱によって基板
1の周囲が中心側から周方向に熱くなるのを、この石英
リング21によって防止することができ、真空室Xの周
壁に対する伝熱を遮蔽する。この種の装置では、成膜状
態をその場で観察するために、真空室XにRHEED等
の観察機器を取り付け、基板1の表面(図示の下側面)
に電子ビームを照射してその軌跡を反対側に設けたスク
リーン(図示せず)上に投影しその投影像を読み取るこ
とが行われるが、このとき、上記分離板11の石英リン
グ21は絶縁体であり、静電気を帯びて帯電しやすい。
そしてこのような帯電部分が存在すると、電子ビームは
指向性を失い、軌跡がスクリーンから大きくずれてスク
リーン上には投影されなくなる。そこで、この装置で
は、石英リング21への帯電を防止するために、石英リ
ング21の下面に、薄肉のカーボンプレート22を取り
付け静電気を真空室Xの周壁1aに逃がすようにしてい
る。また、分離板11のカーボンリング20と基板1と
は、上記石英リング21で真空室Xの周壁1aと遮断さ
れており帯電しやすいため、カーボンリング20をタン
タル線25によってガイドリング1bにアースし静電気
を真空室Xの周壁1aに逃がすようにしている。
【0013】上記真空室Xは、先に述べた分離板11,
トレイ4および基板1によって、基板加熱スペースPと
結晶成長スペースQの二空間に仕切られており、上記基
板加熱スペースP,結晶成長スペースQのそれぞれに
は、真空ポンプ(図示せず)から延びる真空排気配管1
2,13が連通されている。したがって、上記スペース
P,Qは、各別に、それぞれ異なる真空度に設定できる
ようになっている。この基板加熱スペースPにおいて、
上記基板1の上方には、ヒータ(例えば板状カーボング
ラファイトに筋状切り込みを交互に設け、その両端に電
極を取り付けて構成した板状ヒータ等)6が設けられて
おり、その下に均熱板6aが取り付けられている。これ
らは、真空室Xの天井から吊り下げ保持されている。こ
のヒータ6は面状に均一加熱が可能で、特に上記均熱板
6aとの組合せによって非常に均一に面状加熱を行うこ
とができるようになっている。
【0014】そして、上記ヒータ6および均熱板6a
は、開口を下向きにした状態で配設されたコップ状の熱
遮蔽板26で囲われている。この熱遮蔽板26は、8層
構造の積層板からなり、内側の4層がモリブデン材で形
成され、外側の4層がステンレス材で形成されている。
この構造によれば非常に保温性および加熱時の熱の指向
性を高くできるため、前記分離板11の存在と相俟っ
て、ヒータ6の加熱領域を限定し、基板1に対する熱効
率を大幅に向上させることができる。
【0015】一方、上記結晶成長スペースQには、中空
円柱状のマニホールド7が設けられている。このマニホ
ールド7は、内部が中板40で上下2室に区切られてい
る。この中板40は、SiC(炭化ケイ素)コーティン
グのなされたカーボン板40aとモリブデン板40bの
2層構造になっている。モリブデン板40bは、マニホ
ールド7の下室への熱侵入を阻止する。マニホールド7
の下室は、ステンレス製の第2の反応ガス拡散室41に
形成され、その底部にはステンレス製の第2の原料ガス
供給配管42が連通されている。そして、上記第2の原
料ガス供給配管42の先端部は開口に形成されヘッダー
部46になっており、この部分から周方向に第2の原料
ガスが噴射するようになっている。また、上記ヘッダー
部46の周囲には、略中空半球状のステンレス製の反射
板47が設けられており、上記第2の原料ガスは、その
曲面に沿って矢印のように滑らかに均一拡散しながら上
昇するようになっている。マニホールド7の上室は、S
iCコーティングされたカーボン材製の第1の反応ガス
拡散室43内に形成され、その内部には、側方からタン
タル材製の第1の原料ガス供給配管44が導入されてい
る。この原料ガス供給配管44の先端は閉じられてい
て、先端周壁部には、円周方向に所定間隔で複数の吹出
口44bが形成されている。また、上記吹出口44bの
上方には、タンタル材製の水平拡散板48が設けられて
いる。これによって、第1の原料ガスが、破線矢印のよ
うに周方向に均一に拡がりながら上昇するようになって
いる。そして、上記第1の反応ガス拡散室43の天井
部、すなわち、マニホールド7の天板には、図2に示す
ように、一面に、均一な間隔(例えばピッチ18mm)で
多数の開口(直径4.5mm)43aが分布形成(基板面
迄の距離35mm)されている。図2において、開口43
aは、各開口43aを結んで横方向に延びる線Xに対
し、各開口を結んで斜めに延びる線Yが略60度の角度
となるように形成されている。符号1は基板を示してい
る。そして、各開口43aの略中心に、図1に示すよう
に、第2の反応ガス拡散室41の天井部から上方へ延び
るタンタル材製の連通管40cの先端が位置し、各開口
43aの開口壁との間に空隙を設けている。第1の反応
ガス拡散室43に導入された第1の原料ガスは上記空隙
を通って基板1に向かって吹き出し、第2の反応ガス拡
散室41に導入された第2の原料ガスは連通管40cを
通って基板1に向かって吹き出すようになっている。
【0016】この装置を使用するに際しては、真空室1
の圧力を10-1〜10-3Paに設定することが必要で、
より好適には、10-1〜10-2Paに設定する。そし
て、Siを含むガスおよびGeを含むガスを吹き出す開
口43a、連通管40cと、上記基板1との距離を、上
記両ガスの平均自由行程よりも短く設定する。通常、上
記開口43a、連通管40cを、基板1から10cm以
内、好適には2〜5cm、より好適には3〜4cm(上記装
置では3.5cm)の距離に設定し、その開口43aの連
通管40cの先端から原料ガスを吹出し基板1に成膜す
る。このとき基板1は、300〜1100℃の温度範
囲、好適には400〜1000℃の温度範囲に加熱され
ている。通常、PH3 ,AsH3 はクラッキング後、第
1の反応ガス拡散室43に供給され、Siを含むガス
(Si2 6 ,SiH4 )やGeを含むガス(GeH4
等)やP形不純物となるB2 6 は分離しないで直接第
2の反応ガス拡散室41に供給される。図3の半導体デ
バイスを作製する場合は、第2の反応ガス拡散室41の
みを用い、シリコン単結晶薄膜層2の原料となるSi2
6ガスと、シリコンゲルマニウム混晶単結晶薄膜層3
の原料となるGeH4 ガスとを図4および図5に示すよ
うに、区切って(途中で原料ガスを流さない時間を設け
て)基板1上に結晶を成長(例えば成長温度550℃)
させることが行われる。これにより、図3に示す層構造
の半導体デバイスが得られる。図4において、Si2
6 は、60秒間流され、5秒間停止し、10秒間流さ
れ、5秒間停止するというように流される。また、Ge
4 は、図5に示すように、Si2 6 の10秒間の流
れに、重ねて10秒間流される。このようにして、成膜
する場合、その分子線密度は、図6に示すように、基板
1に対して略均一であり、かつ得られた製品(基板+
膜)は図7に示すように均一な厚みの膜が得られる。図
7において、Xは基板中心から横方向に向かう膜厚、Y
は基板中心から縦方向に向かう膜厚である。
【0017】このようにして得られた半導体デバイスの
断面構造を図8に示す。図において、シリコン基板1上
に、膜厚60Åのシリコン単結晶薄膜層2と膜厚20Å
のシリコンゲルマニウム混晶単結晶薄膜層3とが交互に
積層形成されている。この半導体デバイスにおいて、上
記シリコン単結晶薄膜層2とシリコンゲルマニウム混晶
単結晶薄膜層3との各接合界面における急峻性は、図9
に示す直線Aから明らかなように6Åであり良好であっ
た。上記急峻性の測定は、つぎのようにして行った。
【0018】〔急峻性の測定〕二次イオン質量分析装置
(酸素イオンO2 + を加速エネルギー6kVで試料表面
に対して60°の角度で入射し、物理スパッタ効果によ
り、GeのSi中における深さ方向分析を行う。《SI
MS装置》)を用いて、Si/SiGe界面付近におけ
るGeの分布を測定した。
【0019】Geの分布が表面方向に拡がる場合には、
Geの分布は単純な指数関数型にはならないことが知ら
れており、このことからもSi/SiGe界面の急峻性
が極めてよいことがわかる。
【0020】このようにして得られたこの発明に係る半
導体デバイスを光素子に応用したところ、発光ピーク波
長の揺らぎも生じず、またピーク半値幅の増大もあまり
みられず、感度が極めて良好となった。また、高移動度
トランジスタに応用したところ、トランジスタの作動速
度の大幅な向上がみられた。
【0021】なお、上記実施例では、シリコン単結晶薄
膜層2が3層で、シリコンゲルマニウム混晶単結晶薄膜
層3が2層の層構造となっているが、層構造は1層ずつ
でもよいし、複数層ずつでもよい。また、上記層2の厚
みについても60Åに限定するのではなく、例えば、3
0〜300Åの範囲内で選択できる。また、上記層3の
厚みについても20Åに限定するのではなく、例えば1
0〜100Åの範囲内で選択することができる。
【0022】
【発明の効果】以上のように、この発明は、基板上に、
Si−SiGeヘテロ接合構造の半導体結晶薄膜を形成
する際、結晶成長を行う真空領域の圧力を10-1〜10
-3Paに設定し、しかも下向きに保持した基板の周囲に
分離板を設けて上記真空領域内を上下2空間に仕切って
個別に真空引きし、上方から、熱遮蔽板に囲われた特殊
なヒータで加熱を行うとともに、基板下側から2種類の
反応ガスを、その吐出口(=反応ガス拡散室の天井部開
口)と基板との距離を平均自由行程より短く設定(通常
1〜10cm)した上で、Siを含むガスを分子流とし
、基板面での分子密度が均一になるよう、所定時間供
給してSi膜を成長形成させる。このため、得られるS
i膜は非常に均一な膜厚となる。そして、つぎに、ガス
の供給を停止し、所定時間成長を中断した後、Siを含
むガスとGeを含むガスを同時に所定時間供給してSi
Ge膜を上記Si膜上に形成し、ついでそのガスの供給
を停止するというサイクルを繰り返す。このように、ガ
ス供給の停止を行うことにより、Si膜とSiGe膜の
接合界面の急峻性(切れ)が良くなり、超薄膜における
制御精度が向上するため、本来の特性が最大限発揮され
る設計通りのSi−SiGeヘテロ接合構造の半導体結
晶薄膜を有する半導体素子を容易に製造できるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に用いる半導体装置の構造を示す。
【図2】図1の装置のマニホールドの天板に分布形成さ
れる多数の開口の説明図である。
【図3】図1の装置によって得られる半導体デバイスの
説明図である。
【図4】図1の装置に2種類の反応ガスを間隔をあけて
供給する説明図である。
【図5】図1の装置に2種類の反応ガスを間隔をあけて
供給する説明図である。
【図6】分子線相対密度と中心からの距離との関係を示
す図である。
【図7】膜厚と中心からの距離との関係を示す図であ
る。
【図8】この発明の製法により得られた半導体デバイス
の断面図である。
【図9】図6のデバイスのヘテロ接合構造の薄膜の急峻
性の説明図である。
【図10】ガスソースMBE法の原理を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 基板 2 シリコン単結晶薄膜層 3 シリコンゲルマニウム混晶単結晶薄膜層
フロントページの続き (72)発明者 奥村 毅 大阪府堺市上野芝向ケ丘町5−743向ケ 丘寮 (56)参考文献 特開 平3−105915(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/205 H01L 29/16 - 29/167

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10 -1 〜10 -3 Paに設定された真空領
    域内にSiを含むガスおよびGeを含むガスを供給し、
    基板上にSi−SiGeヘテロ接合構造の半導体結晶薄
    膜を成長させ、半導体デバイスを製造する方法であっ
    て、基板表面を下向きにした状態で基板を保持する基板
    保持部と、上記基板保持部の周囲に設けられ真空領域内
    を基板加熱スペースと結晶成長スペースの二空間に仕切
    る分離板と、上記基板保持部下側の反応ガス拡散室と、
    上記基板を上方から加熱するヒータと、上記ヒータの周
    囲を囲う下向きコップ状の熱遮蔽板とを設けるととも
    に、上記反応ガス拡散室の天井部一面に所定間隔で複数
    の開口を形成し、上記反応ガス拡散室の天井部開口と基
    板との距離を、上記結晶薄膜生成の際における上記両ガ
    スの平均自由行程よりも短く設定し、上記真空領域内を
    結晶成長温度に加熱した状態で、Siを含むガスを所定
    時間供給してSi単結晶薄膜を成長させたのち、上記加
    熱状態を維持したまま、そのガスの供給を停止すること
    により結晶膜の成長を中断し、ついでSiを含むガスお
    よびGeを含むガスの双方を同時に所定時間供給して上
    記Si単結晶薄膜上にSiGe混晶単結晶薄膜を成長さ
    せたのち上記両ガスの供給を停止することを特徴とする
    半導体デバイスの製法。
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