JP2880723B2 - 光磁気ディスク - Google Patents

光磁気ディスク

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、コンピュータ外部記憶装置、或いは音響,
映像情報の記録装置に用いられる光磁気ディスクに関す
るものであり、特に膜面に垂直な方向に磁化容易軸を有
する希土類−遷移金属非晶質合金薄膜を記録層とする繰
り返し消去記録が可能な光磁気ディスクに関するもので
ある。
〔発明の概要〕
本発明は、保護誘電体層と記録磁性層,反射金属層の
積層構造を有する光磁気ディスクにおいて、光学的,磁
気光学的な観点ばかりでなく動的な熱応答の観点から最
適構造を規定することで、広い記録良好領域を有する実
用性の高い光磁気ディスクを提供しようとするものであ
る。
〔従来の技術〕
光磁気ディスクは、磁性薄膜を部分的にキューリー点
又は温度補償点を越えて昇温することでこの部分の保磁
力を消滅させ、外部から印加している記録磁界の方向に
この部分の磁化の向きを反転させることを基本原理とし
ている。したがって、記録反転磁区を高密度に希望する
形状で得るためには、記録レーザ光の照射によって昇温
される形状が反転磁区の形状として忠実に再現される必
要がある。このためには、記録磁性層は均質で結晶粒界
を含まない非晶質薄膜であることが第1の必要条件とな
る。
また、光磁気ディスクでは、磁気カー効果やファラデ
ー効果等の磁気光学効果を利用して記録反転磁区の読み
出しを行っている。したがって、十分な再生信号を得る
ためには電磁波である再生レーザ光の電磁界方向と直交
する方向、つまりレーザ光の入射する方向に磁化される
ことが必要であり、記録磁性層は膜面に垂直方向に磁化
容易軸を有する垂直磁化膜であることが第2の必要条件
となる。
従来、これらの必要条件を満たす光磁気記録膜とし
て、希土類−遷移金属合金薄膜が提案されている。これ
らの希土類−遷移金属合金の非晶質垂直磁化薄膜は、ス
パッタリング法、真空蒸着法等の工業的真空成膜方法で
容易に安価な基板上に形成できる。これらのうち、TbFe
Co及びGdTbFeは、それ自身のカー回転角が大きく実用的
である。
しかし、希土類−遷移金属合金は極めて酸化され易
く、酸化によって磁性機能を失ってしまう欠点がある。
当然腐食もし易い。我々の実験結果では、真空成膜後大
気暴露しただけでTbFeCo膜はその表面から約50Åが酸化
されて、この部分は機能を失うことが明らかになってい
る。したがって、前記希土類−遷移金属合金薄膜を記録
磁性層とする場合には、その前後を酸素を透過させない
透明な熱的,化学的に安定な保護膜で挾持することが第
3の必要条件となる。
このような状況から、例えば米国特許第4610912号に
開示されるように、透明基板上に保護膜,記録磁性層,
保護膜が順次積層され、さらに第4番目の層として金属
反射膜が設けられた光磁気ディスクが知られている。金
属反射膜は、前述の2つの保護膜と共に、見かけ上のカ
ー回転角を拡大する目的で設けられるものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、前述したように、光磁気ディスクにおいて
は記録が熱的に行われるために、磁気,光学的性質のみ
ならず熱応答特性が記録諸特性を大きく支配している。
例えば、記録の分解能は昇温プロファイルの熱的分解能
が支配している。
また、記録消去特性は、使用時の温度環境にも依存し
ている。記録部分の温度は、記録レーザ光による昇温に
ディスクの保存温度が加算されるため、温度がキューリ
ー点に達するに必要な記録レーザ光量は、ディスクの保
存温度が高温であれば少なくてよく、保存温度が低温で
あれば多く必要になるからである。光磁気ディスクがコ
ンピュータの記憶装置等に実用されるには、ディスク装
置内の温度上昇を考慮しなければならず、−10℃〜60℃
の広範囲な温度環境下で良好な特性を有することが必要
である。
さらに、実際のディスク装置の記録,消去,再生レー
ザ光量には、設定値の誤差,レンズの汚れ等の変動要因
があり、−20%〜+10%を越える変動が見込まれる。同
様に外部印加磁界も変動する。光磁気ディスクは、これ
らの変動幅を持つディスク装置間で互換性が必要であ
る。
このような状況下にあって互換性を確保しようとする
と、最強の組合せで記録された記録反転磁区は、最弱の
組合せで消去できなければならない。すなわち、高温
下,最大光量,最大磁界で記録された光磁気ディスク
は、低温下,最小光量,最小磁界の装置で消去できる必
要がある。また、製造上のばらつき等で生まれる高感度
のディスクが最強の組合せで消去された時に、過消去と
して隣接トラックの情報までを消去してはならない。ま
た、この状態で同一トラックを長時間連続再生した場合
であっても、情報が劣化してはならない。
したがって、光磁気ディスクは想定される条件の変動
幅を十分に許容できる広い記録良好領域を持つことが、
第4の必要条件となる。そして、これが最も重要な条件
である。
しかしながら、従来、光磁気ディスクに関して多くの
提案がなされているにもかかわらず、これらは静止的な
光学的,磁気光学的観点から利点を追求したものであっ
て、動的な熱応答の観点からの制約条件を提案したもの
ではなく、前記の必要条件の全てを満たしてはおらず実
用性に乏しい難点があった。
例えば、前述の米国特許第4610912号に開示されるよ
うに、4層構造の光磁気ディスクが提案されているもの
の、前記第4の必要条件を満たすためには各層をどのよ
うな膜厚に設定したらよいかという点については全く検
討されていないのが実情である。
そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案され
たものであって、長寿命で、且つ広範囲な環境条件下
で、条件の変動幅を十分に許容できる広い記録良好領域
を持つ実用的な高記録密度の光磁気ディスクを提供する
ことを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記の目的を達成するために、透明基板上
に窒素化物よりなる第1の保護誘電体層,非結晶質の垂
直磁化容易性を有する記録磁性層,窒素化物よりなる第
2の保護誘電体層,及び前記記録磁性層よりも電気化学
的に卑なる金属よりなる反射金属層が順次積層されてな
り、前記記録磁性層はTbFeCoを主成分とする膜厚180Å
以上,280Å以下の磁性層であり、前記第1の保護誘電体
層はその屈折率と膜厚との積が使用レーザ光の波長の0.
2倍以上,0.35倍以下であり、前記第2の保護誘電体層は
その屈折率と膜厚との積が使用レーザ光の波長の0.1倍
以上,0.15倍以下であり、前記反射金属層は膜厚が500Å
以上,1000Å以下であって前記第2の保護誘電体層との
境界での反射率が70%以上であることを特徴とするもの
である。
すなわち、本発明は光磁気ディスクにおける光学的な
最適条件だけでなく、熱的な最適条件を満たす層構成を
得るための制約条件を明らかにしたもので、透明基板上
に第1の保護誘電体層,非結晶質の垂直磁化容易性を有
する記録磁性層,第2の保護誘電体層,及び反射金属層
を順次積層してなる光磁気ディスクにおいて、 (a)記録磁性層は膜厚180Å以上,280Å以下のTbFeCo
を主成分とする磁性層とすること、 (b)第1の保護誘電体層はその屈折率と膜厚との積が
使用レーザ光の波長の0.2倍以上,0.35倍以下に相当する
膜厚を有する窒素化物とすること、 (c)第2の保護誘電体層はその屈折率と膜厚との積が
使用レーザ光の波長の0.1倍以上,0.15倍以下に相当する
膜厚を有する窒素化物とすること、 (d)反射金属層は膜厚が500Å以上,1000Å以下とし、
さらに前記記録磁性層に比較して電気化学的に卑なる金
属で且つ前記第2の保護誘電体層との境界での反射率が
70%以上の金属とすること、 により、前述の第1の必要条件から第4の必要条件をい
ずれも満足する光磁気ディスクを提供するものである。
保護誘電体層としては、これまで種々の酸化物、窒化
物が提案されているが、窒化珪素、窒化アルミニウム等
の窒素化物は、酸素を含有せぜ成膜工程中で酸素汚染を
引き起こさないために、且つ酸素及び水分子の防御能力
も高いために好適である。
また、前述の保護誘電体層に存在する微細なピンホー
ル等の欠陥に起因する腐食を防ぐために、例えばCr,Ni,
Ti等の添加物を記録磁性層に微量添加することも効果的
である。
なお、前述の酸化を防止するためには、保護誘電体層
及び記録磁性層は大気に暴露されることなく連続して真
空成膜されることが望ましい。
〔作用〕
光磁気ディスクの特性は、材料及びその構成のみで特
徴づけられるものではなく、各層の膜厚の組合せに大き
く依存している。
本発明では、第1の保護誘電体層,記録磁性層,第2
の保護誘電体層,反射金属層の4層構造とされるととも
に、光学的,磁気光学的な観点のみならず動的な熱応答
の観点からこれら各層の膜厚の制約条件が決定されてお
り、想定される条件の変動幅を十分に許容できる広い記
録良好領域が実現される。
〔実施例〕
以下、本発明を適用した具体的な実施例を図面を参照
しながら説明する。
第1図は、本発明を適用した光磁気ディスクの一構成
例を示す部分断面図である。この光磁気ディスクは、透
明基板(1)上に記録層(10)及び有機保護膜(4)が
積層されてなるものであって、さらに必要に応じて接着
層(5)を介して同様の構成の基板を重ね合わせること
により両面ディスクとされる。
透明基板(1)は、ここでは厚さが約1.2mmの透明な
円盤状の基板である。この基板の材料としては、アクリ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、
エポキシ樹脂等のプラスチック材料、あるいはガラス板
が適している。
この透明基板(1)のレーザ光入射側表面(1a)は、
光学的に十分平滑であることが必要であり、記録層(1
0)を設ける側の表面(1b)には、使用するレーザ光波
長のおよそ4分の1の深さを持つ凹凸で案内溝(2)及
び番地符号(3)を設けるのが普通である。
この透明基板(1)の記録層側表面(1b)上には、第
2図に示すように、真空成膜機によって第1保護誘電体
層(11)、記録磁性層(12)、第2保護誘電体層(1
3)、及び反射金属層(14)の4層が順次積層されてい
る。これらのうち、第1保護誘電体層(11)及び第2保
護誘電体層(13)は、酸素及び水分子を透過させず、酸
素を含まない物質で且つ使用レーザ光に対して透明な物
質が望ましく、窒化珪素あるいは窒化アルミニウムが適
している。
記録磁性層(12)は、膜面と垂直な方向に磁化容易方
向を有する非晶質の強磁性層であって、室温にて大きな
保磁力を持ち、且つ200℃近辺にキューリー点を持つこ
とが望ましい。この条件に叶ったものとして、TbFeCoが
適している。また耐腐食性を持たせる目的でCr等の第4
の元素を微量添加させてもよい。
前述の第2保護誘電体層(13)上に積層される反射金
属層(14)は、この境界でレーザ光を70%以上反射する
高反射率の非磁性金属層で、且つ熱的に良導体であるこ
とが望ましく、アルミニウムがこれに適している。
さらに、この反射金属層(14)上には有機保護膜
(4)が設けられているが、この有機保護膜(4)の材
質としては防水性に富む光硬化性樹脂が高生産性の点で
適している。
収束レーザ光は、基板(1)を透過して前述した4層
の積層膜〔記録層(10)〕上に焦点を結ぶように照射さ
れる。記録磁性層(12)が波長に比べて薄い場合には、
レーザ光はこの記録磁性層(12)を透過するので、この
記録層(10)の実効的な光学及び磁気光学的性質は、各
層単独の光学的性質のみならず、各層の膜厚の組合せに
大きく依存する。各層境界で反射した光と透過する光と
が多重干渉するためである。
照射レーザ光は、透明な第1保護誘電体層(11)及び
第2保護誘電体層(13)には吸収されず、記録磁性層
(12)及び反射金属層(14)に吸収されて熱に変換さ
れ、残りが反射光となって戻ってくる。このとき、熱伝
導に優れる反射金属層(14)に吸収されたエネルギー
は、記録に有効でなく、これが大きい場合には、熱が膜
面方向に広がり、熱の分解能が低下してしまうので、こ
れを無視できる程に減らす構成が望ましい。第2保護誘
電体層(13)の厚さが200Å〜800Åの範囲内でこれらの
条件を満たしている。
次に、前述の4層構造を有する光磁気ディスクにおい
て、先の目的を達成するのに必要な各層の制約条件につ
いて述べる。
記録磁性層の制約条件 磁気的応答は、熱応答に比較して極めて早い。したが
って、記録時に速やかに昇温して速やかに冷却すること
が、その後に近接して記録する時の影響を減じる上で重
要であって、前述のように唯一の発熱層であり記録層で
もある記録磁性層(12)の熱容量が小さいこと,すなわ
ちこの記録磁性層(12)の膜厚が薄いことが、この条件
を満たす上で重要である。この層の膜厚が大きい場合、
膜面方向への熱伝導が増え、且つ冷却が遅れるためであ
る。しかし、薄膜の磁性は膜厚が薄いと不安定になり本
来の性質を示さない。
第3図は、TbFeCo層の膜厚をかえたサンプルの保磁力
Hcの測定結果である。このサンプルは、ガラス基板上に
スパッタリング法によって同一条件で、窒化珪素,TbFeC
o層,窒化珪素を連続的に成膜したものである。第3図
に示されるように、保磁力Hcは膜厚が180Å以下で急減
している。
したがって、記録磁性層(12)の膜厚は180Å以上で
あることが条件である。この膜厚の上限は、記録良好領
域の広さが十分得られる範囲とし決められる。記録レー
ザ光量を変化させたときの記録良好な領域は重要な特性
パラメータで、良好領域の下限光量をPmin,上限をPmax
としたときに2×(Pmax−Pmin)/(Pmax+Pmin)なる
式より求められる値がその指標となる。そこで、以下こ
れをエネルギーウインドウと呼ぶことにする。このエネ
ルギーウインドウは、記録良好領域の範囲を、その範囲
の中心値の相対比で表現したものである。
第1図に示した実施例の構造について、発明者等はコ
ンピュータを用いて光学的解析、及び第3次元熱解析を
行った。この解析では記録反転磁区の形状は、温度がキ
ューリー点を越えた領域として求めた。また、再生信号
波長は、対物レンズの開口数を0.5、レーザ光の波長を7
80nmとして回析理論を用いて求めた。さらに幾つかの解
析に用いた構造と同一構造のディスクを試作し、計算結
果と照合して計算精度を高めた。
第4図に、この解析の結果として、前述のエネルギー
ウインドウ及び最適記録光量を示した。この計算では、
第1保護誘電体層(11)を1000Å、第2保護誘電体層
(13)を500Å、反射金属層(14)を700Åとした。ま
た、エネルギーウインドウを信号・雑音比が45dB以上得
られる範囲として求めた。その結果は第4図に示す通り
であり、エネルギーウインドウは、記録磁性層(12)の
膜厚が200Åのときに最大となり、その前後で低下する
ことが明らかである。また、最適記録光量は、記録磁性
層(12)が厚い程多く必要である。エネルギーウインド
ウの値は0.75以上が望ましく、したがって記録磁性層
(12)の膜厚の上限は280Åとなる。さらに望ましいエ
ネルギーウインドウの値を0.80以上と考えると、記録磁
性層(12)の膜厚の上限はおよそ260Åとなる。
次に、前記した0〜60℃の広範囲の使用温度条件に適
合させるための記録磁性層(12)のキューリー温度の制
限について述べる。
第5図は、前述の計算における温度プロファイルで、
毎分3600回転時に、10mW,45n秒の記録レーザパルスを半
径30mmの位置を走査させて照射したときの各部の最高到
達温度を走査方向と直交する断面で見た図である。図
中、曲線(a)は60℃の環境下での温度プロファイル、
曲線(b)は0℃の温度下での温度プロファイル、及び
曲線(c)は温度プロファイルの傾きを示している。熱
的な分解能を高めるには、記録反転磁区の境界を決める
キューリー点で温度プロファイルの傾きが大きい範囲に
あることが必要である。
この傾きが230℃/μm以上の大きさを持つ範囲にキ
ューリー点を選定すると、図中直線(d)で示す170℃
以上となる。
このキューリー点が高いと、記録時の温度がその分高
温になる。この上限は、非晶質である記録磁性層(12)
が結晶化する温度で決まる。これが結晶化すると垂直磁
化容易性が消磁して機能を失う。TbFeCo膜の静止的な結
晶化温度は、示差熱分析によるとおよそ400℃であっ
た。記録時の100n秒程度の短時間にこれを越える温度に
昇温されても、すぐに結晶化することはないが、106
以上の記録消去が求められる場合に、徐々に結晶化が進
行するので、結晶化温度を越えた昇温は好ましくない。
第5図はキューリー点が180℃の場合に最適記録状態と
なる温度プロファイルを示したもので、このときの最高
温度はおよそ330℃である。キューリー点が180℃を越え
る場合には、最適記録状態での最高到達温度はキューリ
ー点の比に相当する分だけ高温になるため、最高到達温
度が400℃の結晶化温度を越えない範囲にキューリー点
を決めると、220℃が上限となる。
第1保護誘電体層の制約条件 第1保護誘電体層(11)は、前述したように、高温多
湿の環境下で基板より侵入する酸素,水分子,あるいは
腐食性イオン類等の反応物質を防ぐ機能、及び積層薄膜
の構成要素としての光学的な機能を有している。保護機
能としては、生産性を悪化させない範囲で厚い程望まし
く、この条件を満たした上で第1保護誘電体層(11)の
厚さは磁気光学的な最適条件から決定できる。
第6図及び第7図は、前述のように規定した記録磁性
層(12)の厚さの範囲で、第1保護誘電体層〔ここでは
窒化珪素。屈折率n=2.05〕の膜厚dを変えたときに、
反射率R、実効カー回転角θと反射率Rの積(R×θ
)、及び位相補償量の値を計算したものである。横軸
は、第1保護誘電体層(11)の膜厚を光学的光路長とし
て、この膜の屈折率nと厚さdの積を使用レーザ光の波
長λの比n・d/λで表現している。実効カー回転角θ
と反射率Rの積は再生信号の大きさに相当するもので、
再生信号はこれに比例する。位相補償量は、楕円偏光に
なって反射されるレーザ光を直線偏光に戻すに必要な位
相補償量のことで、位相補償しない場合には、再生信号
は減少するのでこの位相補償量の値は小さい程望まし
い。
図示の如く、第1保護誘電体層(11)の厚さが磁気光
学的な特性に及ぼす寄与は、記録磁性層(12)の厚さや
後述する第2保護誘電体層(13)の厚さに比べて小さい
が、この膜厚の光路長が0.2〜0.35波長相当の領域で、
実効カー回転角と反射率の積が大きく、且つ位相補償量
の値が小さいことから、第1保護誘電体層(11)の厚さ
はこの範囲にあることが望ましい。
第2保護誘電体層の制約条件 第8図及び第9図は、前述した第1保護誘電体層(1
1)及び記録磁性層(12)の膜厚制約の範囲内で第2保
護誘電体層(13)〔同様に窒化珪素。屈折率n=2.05〕
の厚さを変化させた場合に、記録磁性層(12)のレーザ
光吸収効率、反射率Rと実効カー回転角θとの積(R
×θ)、及び位相補償量がどのように変化するのか計
算した結果である。横軸は、第6図,第7図と同じく、
膜厚dと屈折率nの積をレーザ光の波長λの比として表
している。図示の如く、この第2保護誘電体層(13)の
厚さは、磁気光学特性に大きな影響を与えており、この
範囲は重要である。
記録磁性層(12)のレーザ光吸収効率は、第2保護誘
電体層(13)の厚さにあまり依存しない。再生信号の大
きさに相当する実効カー回転角θと反射率Rの積であ
るカー信号は、第2保護誘電体層(13)の厚さが薄い領
域で大きくなり、且つ位相補償量の値もこの領域で小さ
く、磁気光学的にみた場合は再生信号特性は薄い領域が
有利である。
しかし、保護膜としての機能は膜厚が厚い程有効で、
光路長が0.1波長相当以下では不十分である。さらに、
熱の良導体である反射金属層(14)との間の断熱効果
は、厚さが薄いと不十分となって記録感度が悪化するば
かりか、反射金属層(14)を通して熱が横方向に広がる
ため、熱の分解能が低下してしまう。
第10図は、第4図と同様に重要な記録特性であるエネ
ルギーウインドウを第2保護誘電体層(13)の厚さを変
化させて計算したものである。図示の如く、エネルギー
ウインドウは、この膜厚が光路長で0.14波長相当で最大
になっており、前述したように、膜厚が薄い領域で磁気
光学的な適性があるにもかかわらず、薄くなる程エネル
ギーウインドウは小さくなっている。エネルギーウイン
ドウの値が第4図の場合と同じく0.75以上が望ましく、
第2保護誘電体層(13)の膜厚は、光路長で0.1〜0.15
波長相当の範囲が適当な範囲となる。さらに、望ましい
エネルギーウインドウの値を0.80以上と考えると、光路
長の下限は0.108程度となる。
反射金属層の制約条件 この反射金属層(14)には、反射層としての光学的機
能、ヒートシンクとしての熱的機能、及び腐食し易い記
録磁性層の防食機能を持たせている。この反射金属層
(14)の存在はこれが無い場合に比較して、光学的には
記録磁性層(12)に吸収される記録レーザ光の吸収効率
が改善され、熱的には最適記録感度の走査線速依存性が
少なくなり、化学的には防食効果が改善される。これら
の機能は、膜厚が厚い程効果的であり、400Å以下では
不十分である。しかし熱容量が膜厚が増加するにともな
って増加するために、記録感度が悪化する。したがっ
て、本発明の目的である実用性を達成するには500Å以
上,1000Å以下が適当である。
この反射金属層(14)に記録磁性層(12)の防食効果
を持たせるためには、反射金属層(14)が記録磁性層
(12)に比較して、電気化学的に卑であることが必要で
ある。これは、ピンホール等の欠陥の存在で局部電池を
構成した場合、記録磁性層(12)が優先腐食されないよ
うにするためである。アルミニウムはこの条件に適合す
るが、例えば白金,金,銀,銅等の金属を用いること
は、記録磁性層(12)の腐食を促進するので不適当であ
る。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明において
は、光学的,磁気光学的な観点のみならず動的な熱応答
の観点から第1の保護誘電体層,記録磁性層,第2の保
護誘電体層,反射金属層の膜厚の制約条件が決定されて
おり、熱的分解能が高く高密度記録が可能で、しかも想
定される条件の変動幅を十分に許容できる広い記録良好
領域を持った光磁気ディスクを提供することが可能であ
る。
さらに、本発明によれば、耐腐食性に富み、信頼性が
高く、極めて実用性に富む光磁気ディスクを提供するこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用した光磁気ディスクの一構成例を
一部破断して示す要部概略斜視図であり、第2図は記録
層の構成を示す要部拡大断面図である。 第3図は記録磁性層の膜厚と保磁力Hcの関係を示す特性
図であり、第4図は最適記録光量並びにエネルギーウイ
ンドウの記録磁性層膜厚依存性を示す特性図、第5図は
記録レーザパルスを照射したときの到達温度の分布並び
に温度プロファイルの傾き示す特性図である。 第6図は第1保護誘電体層の光路長と反射率の関係を示
す特性図であり、第7図は第1保護誘電体層の光路長と
R×θ並びに位相補償量の関係を示す特性図である。 第8図は第2保護誘電体層の光路長と記録磁性層のレー
ザ光吸収効率並びにR×θの関係を示す特性図であ
り、第9図は第2保護誘電体層の光路長と位相補償量の
関係を示す特性図、第10図は第2保護誘電体層の光路長
とエネルギーウインドウの関係を示す特性図である。 1……透明基板 11……第1保護誘電体層 12……記録磁性層 13……第2保護誘電体層 14……反射金属層
フロントページの続き (72)発明者 玉田 作哉 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 坂本 進 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 千葉 照夫 東京都品川区北品川6丁目5番6号 ソ ニー・マグネ・プロダクツ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−285255(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上に窒素化物よりなる第1の保護
    誘電体層,非結晶質の垂直磁化容易性を有する記録磁性
    層,窒素化物よりなる第2の保護誘電体層,及び前記記
    録磁性層よりも電気化学的に卑なる金属よりなる反射金
    属層が順次積層されてなり、 前記記録磁性層はTbFeCoを主成分とする膜厚180Å以上,
    280Å以下の磁性層であり、 前記第1の保護誘電体層はその屈折率と膜厚との積が使
    用レーザ光の波長の0.2倍以上,0.35倍以下であり、 前記第2の保護誘電体層はその屈折率と膜厚との積が使
    用レーザ光の波長の0.1倍以上,0.15倍以下であり、 前記反射金属層は膜厚が500Å以上,1000Å以下であって
    前記第2の保護誘電体層との境界での反射率が70%以上
    であることを特徴とする光磁気ディスク。
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