JP2880616B2 - 電子式金銭登録機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、スーパーマーケットや
百貨店等の主として大型店舗の店頭に設置されて商品の
売上登録処理を行なうのに用いられる電子式金銭登録機
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種の電子式金銭登録機に
は、顧客による種々の金種での支払いに対応できるよう
に、現金キー、信用キー、券キーおよび掛キー等の支払
い金種が予め決定された締めキー（支払いキー）を各々
所定個数だけ備えている。例えば、異なるクレジットカ
ードによる支払いを個別に登録できるように信用キーを
複数個（例えば４個）備えている。これらの締めキーの
種類とそれらの個数は、電子式金銭登録機の機種毎に固
定的に決定されている。

【０００３】次に、この従来の電子式金銭登録機の登録
処理について図９のフローチャートを参照しながら説明
する。置数キーと部門キーとを用いてキー入力した顧客
の買上商品の部門、金額、個数等の情報をメモリに記憶
して商品登録を行ない（ステップＳ１）、この商品登録
の処理を登録操作の終了であると判断される（ステップ
Ｓ２）まで継続する。そして、顧客の支払った金額が置
数キーで入力された後に顧客の支払った金種が該当する
締めキーで入力されると、この締めキーのキー入力によ
り商品の登録終了であると判別（ステップＳ２）して締
め登録に移行する（ステップＳ３）。

【０００４】即ち、中央演算処理装置がキー入力された
締めキーに対し予め固定的に設定されている金種を判別
し、現金キーであると判別した（ステップＳ４）場合
に、取引メモリに現金キーに対応して設けられた現金専
用メモリエリアに金額や回数を加算して現金登録を行な
う（ステップＳ５）。現金キーでない場合には続いて券
キーであるか否かを判別し（ステップＳ６）、券キーで
あると判別した（ステップＳ６）場合に、取引メモリに
券キーに対応して設けられた券専用メモリエリアに金額
や回数を加算して券登録を行なう（ステップＳ７）。券
キーでない場合には続いて信用キーであるか否かを判別
し（ステップＳ８）、信用キーであると判別した（ステ
ップＳ８）場合に、取引メモリに信用キーに対応して設
けられた信用専用メモリエリアに金額や回数を加算して
信用登録を行なう（ステップＳ９）。信用キーでない場
合には続いて掛キーであるか否かを判別し（ステップＳ
１０）、掛キーであると判別した（ステップＳ１０）場
合に、取引メモリに掛キーに対応して設けられた掛専用
メモリエリアに金額や回数を加算して掛登録を行なう
（ステップＳ１１）。掛キーでないと判別した（ステッ
プＳ１０）場合には、エラー処理を行なう（ステップＳ
１２）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述のように従来の電
子式金銭登録機では、金種が予め固定的に決定された締
めキーが機種毎に所定の数を備えているととともに、取
引メモリ内に各締めキーに個々に１対１で対応して専用
メモリエリアが設けられているため、以下のような不都
合が生じている。例えば、信用キーを４個備えている場
合、店舗によっては扱うクレジットカードが多いために
信用キーが不足する場合や、信用キーが２〜３個程度で
よい場合がある。一方、信用キーが少ないか無くてもよ
い代わりに、現金売上金額の内訳を１０代、２０代、３
０代、４０代、５０代といったように各年令層別に集計
して管理する必要から、各年令層別専用に５個以上の現
金キーを欲しい店舗もある。ところが、締めキーの種類
や個数が機種毎に固定であるために、前述のようなユー
ザーの要望にフレシキブルに対応することが全くできな
い問題がある。そのため、前述のような要望をどうして
も達成したい店舗では、止むなく高価な高級機であるＰ
ＯＳ（ｐｏｉｎｔ ｏｆ ｓａｌｅ）システム（販売時
点情報管理システム）を導入しているのが実状である
が、大型店舗では、台数が多いために高価な高級機を設
置するのは到底無理である。

【０００６】そこで本発明は、締めキーの運用方法に対
するユーザーの要望にフレキシブルに且つ簡便に対応で
きる機能を備えた電子式金銭登録機を提供することを技
術的課題とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記した各課
題を達成するための技術的手段として、電子式金銭登録
機を次のように構成した。即ち、売上商品の部門登録を
行うための複数の部門キーと、顧客の支払いを登録する
ための締めキーを予め所定の個数だけ備えた電子式金銭
登録機において、所定のキーシーケンスに基づく手順の
キー操作により前記部門キーに対し締めキーを設定して
メモリに記憶するフリーキーレイアウト設定手段と、所
定のキーシーケンスに基づくキー操作により前記フリー
キーレイアウト設定手段で設定された締めキーまたは予
め設定された前記各締めキーに対し現金、クレジットカ
ード等による信用、商品券や小切手等による券、掛け売
り等の掛の金種のうちの何れかを任意に設定してメモリ
に記憶する金種設定手段と、操作されたキーが前記メモ
リの検索により締めキーであると判別した時に当該締め
キーの金種を前記メモリから読み出し設定して支払いの
登録処理を行なう支払い登録手段とを備えたことを特徴
として構成されている。

【０００８】

【作用】部門キーは少なくてもよい代わりに現金キーや
信用キー等の締めキーを数多く必要とするユーザーにお
いては、キーレイアウト設定のキーシーケンスに基づく
操作手順でキーを操作して使用しない部門キーに締めキ
ーを割り付け設定してメモリに記憶する。この新たに設
定した締めキーまたは予め設けられているうちの不要な
締めキーに対し、金種設定のキーシーケンスに基づく操
作手順でキー操作して所望の金種を設定すると、その金
種設定データが締めキーに対応してメモリに記憶され
る。そして、実使用時の登録処理において、中央演算処
理装置がメモリを検索して締め登録に使用されたキーが
締めキーがあるか否かを判別し、締めキーである場合に
は、更にメモリを検索して当該締めキーの金種を読み出
し設定することにより、その金種に基づき支払いの登録
処理を行なう。従って、従来において高価な高級機のＰ
ＯＳシステムでしか実現できなかった機能を簡便に得る
ことができ、締めキーの運用方法に対するユーザーの要
望にフレキシブルに対応することができる。また、使用
していない部門キーを締めキーに変更設定できるように
構成しているので、入力手段であるキーボード上に新た
なキーを増設する必要がなく、また使用していない部門
キーの有効利用も図ることができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の好適な一実施例について図面
を参照しながら詳述する。図１は本発明の一実施例のハ
ードウェアのブロック構成を示し、同図において、中央
演算処理装置（１）は、システム全体を制御するもの
で、置数や演算等に用いられるレジスタの他に制御部お
よび演算部を備えた構成になっている。この中央演算処
理装置（１）は、キー入力部（４）から操作キーに対応
して出力されるキーコード、またはモード切換スイッチ
（５）の切換位置に対応して出力されるモード指定位置
データが入力されると、ＲＯＭ（２）に予め設定入力さ
れている各種処理のプログラムやＲＡＭ（３）に記憶の
設定データに基づき入力処理、部門登録処理、締め登録
処理、表示および印字処理等を実行し、演算処理結果を
ＲＡＭ（３）に登録データとして記憶し、且つ表示装置
（７）に表示し、プリンタからなる印字装置（６）を駆
動してレシート紙やジャーナル紙に売上データや売上合
計データを印字し、通貨等を収納管理するドロワー
（８）の開閉等を制御する。

【００１０】図２は上述のキー入力部（４）およびモー
ド切換スイッチ（５）からなる入力手段のキーボード上
のレイアウトを示す平面図で、キー入力部（４）には、
金額を入力するための置数キー（９）、乗算キー（１
０）、小数点キー（１１）、クリアキー（１２）、売上
商品の部門登録を行なうための２０個の部門キー（１
３）、小計キー（１４）、現金キー（１５）と４個の信
用キー（１６）と券キー（１７）と掛キー（１８）とか
らなる合計７個の締めキーが設けられている。

【００１１】また、モード切換スイッチ（５）は、設定
モード、登録モード、電源切モード、点検精算モードお
よびサービスモード等に切り換えできる回転式スイッチ
である。各モードにおける処理を簡単に説明すると、設
定モードでは、後述の各締めキーに対する金種の設定や
各種の設定を行なう。登録モードでは、部門別売上金額
および個数合計のデータの累計や金種別売上金額や回数
合計のデータの累計を行なってＲＡＭ（３）への各種の
登録処理を行ない、表示装置（７）に対し表示データを
供給して売上データ等を表示する表示処理を行ない、印
字装置（６）に対し印字データを供給して印字処理を実
行する。点検精算モードでは、印字装置（６）に印字デ
ータを供給して売上データや売上合計データを印字す
る。サービスモードでは、後述の締めキー増設等のため
のフリーキーのレイアウト設定を行なう。

【００１２】また、図１に示すように、ＲＡＭ（３）内
には、部門メモリ（３ａ）、取引メモリ（３ｂ）、設定
メモリ（３ｃ）、キーレイアウト設定メモリ（３ｄ）お
よび商品登録データ一時記憶メモリ（３ｅ）を備えてい
る。部門メモリ（３ａ）には、部門コードに対応して商
品名や単価等のデータが記憶されている他に、図３
（ａ）に示すように、部門別の売上金額合計と売上個数
合計とを記憶する部門別売上合計メモリ（Ｍ１）を備え
ている。取引メモリ（３ｂ）には、値引きデータや消費
税データ等が記憶されている他に、図３（ｂ）に示すよ
うに、締めキー別の売上金額合計と売上回数合計とを記
憶する締めキー別売上合計メモリ（Ｍ２）を備えてい
る。設定メモリ（３ｃ）には、種々の設定データが記憶
されている他に、図３（ｃ）に示すように、予め割り付
け設定された各フアンクションＮｏに各々対応させて各
締めキーとこれらの金種データとを記憶する金種設定記
憶メモリ（Ｍ３）備えており、これの設定手段等の詳細
は後述する。キーレイアウト設定メモリ（３ｄ）には、
後述の図５（ｂ）に示すように、全ての各キー（９）〜
（１８）に対し各々のハードウェア的位置を示すアドレ
スとして割り付けられたキーハードコードに対応させて
１６進数値のキー識別コード（キーＮｏ）が記憶されて
おり、これの設定手段の詳細についても後述する。商品
登録データ一時記憶メモリ（３ｅ）は、入力された登録
データを締め登録処理まで一時記憶するものである。

【００１３】この実施例では、図２に示したように、現
金キー（１５）と４個の信用キー（１６）と券キー（１
７）と掛キー（１８）との合計７個の締めキーを標準構
成として予め設けた場合を例示してあるが、本発明で
は、この７個の締めキーの金種を後述するように適宜変
更して設定することもでき、更に、必要に応じて締めキ
ーを２０個まで増やせるようになっている。即ち、図４
に示すように、「１」〜「７１」の各キーＮｏに対し各
々所定のキーが予め割り付けられており、この例では、
「５２」のキーＮｏから「７１」のキーＮｏまでの２０
個のキーが締めキーに設定されている。このうちの「５
２」のキーＮｏから「５８」のキーＮｏまでの７個の締
めキーに対する金種が設定メモリ（３）に既に設定され
ている。この設定メモリ（３ｃ）の金種設定記憶メモリ
（Ｍ３）を示した図３（ｃ）において、「５２」のキー
Ｎｏから「７１」のキーＮｏまでの締め１キーから締め
２０キーに対し「４７」のファンクションＮｏから「６
６」のファンクションＮｏが予め設定されている。そし
て、金種を示す金種番号として、「００」が使用禁止、
「０１」が現金、「０２」が券、「０３」が信用、「０
４」が掛と設定されている。従って、この実施例では、
図２に示したように、締め１キーが「０１」の金種番号
であって現金、締め２キー乃至締め５キーがそれぞれ
「０３」の金種番号であって信用、図３（ｃ）に図示し
ていないが締め６キーが「０２」の金種番号であって
券、締め７キーが「０４」の金種番号であって掛と予め
設定されていることになる。そして、「５９」のキーＮ
ｏから「７１」のキーＮｏまでの１３個の締めキーの金
種が未定であって未使用状態になっており、後述する
が、前述の金種決定済みの７個の締めキーの金種変更を
含め２０個全ての締めキーに対しユーザーが必要に応じ
て任意の金種を設定できるようになっている。

【００１４】いま、客層別現金売上の管理を行なう目的
で、例えば締めキーとして現金キーを４個増やして既存
の１個を含め合計５個とし、これらを１０代、２０代、
３０代、４０代および５０代の各年令層専用に使用する
場合について説明する。先ず、図２に示した７個の締め
キー以外のキーに４個の締めキーの割り付けを行なうた
めに、モード切換スイッチ（５）をサービス位置に設定
し、図５（ａ）に示すフリーキーレイアウト設定のため
のキーシーケンスに基づく操作手順でキー操作を行な
う。

【００１５】即ち、フリーキーレイアウト設定のＪＯＢ
コードである「９５０」を置数キー（９）により入力
し、続いて小数点キー（１１）および乗算キー（１０）
を順次押下すると、これを中央演算処理装置（１）が判
別してフリーキーレイアウト設定モードとなる。次にキ
ーＮｏを入力するのであるが、図４で示した「５２」の
キーＮｏから「５８」のキーＮｏの各締めキーが前述の
ように予め金種が決定されているので、この場合は、
「５９」のキーＮｏから「６２」のキーＮｏの４個の締
めキーを利用することになる。先ず、「５９」のキーＮ
ｏを置数キー（９）により入力して締め８キーを指定
し、この締め８キーを割り付けるべきフリーキーを押下
する。いま、フリーキーとして部門番号が「１６」の部
門キー（１３）を押下すると、この部門キー（１３）の
位置に締め８キーが配置されたことになる。続いて、図
５（ａ）の矢印で示すキーシーケンスを実行し、「６
０」から「６２」までのキーＮｏを順次入力するととも
に、その入力時毎にフリーキーとして部門番号が「１
７」から「１９」までの各部門キー（１３）を押下す
る。最後に、現金キー（１５）を押下操作すると、部門
番号が「１６」から「１９」の各部門キー（１３）がそ
れぞれ締め８キーから締め１１キーに置換される。即
ち、部門番号が「１６」から「１９」の各キーは部門キ
ーではなくなる。

【００１６】このようにして設定されたキーレイアウト
情報はＲＡＭ（３）のキーレイアウト設定メモリ（３
ｄ）に記憶される。そのキーレイアウト設定メモリ（３
ｄ）の一部を図５（ｂ）に示してあり、このメモリ（３
ｄ）の各１バイトが各々のキーハードコードに１対１で
対応しており、その各１バイトには、各キー毎に絶対的
に決められたキー識別コードが１６進数値で記憶されて
いる。例えば、同図（ｂ）に示す「０２」のキーハード
コードのキーが押下されると、この「０２」のキーハー
ドコードに対応して記憶されているキー識別コードの
「３４ｈ」が読み出され、この１６進数値の「３４ｈ」
を１０進数値に変換すると「５２」であり、図４に示し
た「５２」のキーＮｏのキーは「締め１キー」である。
従って、中央演算処理装置（１）は、「０２」のキーハ
ードコードのキーが押下されると、そのキーが「締め１
キー」であると判別する。前述のフリーキーレイアウト
設定は、このキーレイアウト設定メモリ（３ｄ）内のデ
ータを任意に入れ換えることを意味する。そのため、
「締め８キー」から「締め２０キー」をユーザーにおい
て使用しない任意のキーに割り付けることができる。

【００１７】次に、任意のキーに割り付けた各締めキー
に対する金種の設定処理について説明する。先ず、モー
ド切換スイッチ（５）を設定位置にセットした後に、図
６に示す金種設定のためのキーシーケンスに基づく操作
手順でキー操作を行なう。即ち、金種設定のＪＯＢコー
ドである「２３３０」を置数キー（９）により入力し、
続いて小数点キー（１１）および乗算キー（１０）を順
次押下すると、この「２３３０」のＪＯＢコードがＲＡ
Ｍ（３）に記憶されて金種設定モードとなり、中央演算
処理装置（１）が、この記憶データにより次の入力が締
めキーに対する金種設定であると判断して金種設定処理
を実行する。

【００１８】続いて、締めキー毎に予め決定されたファ
ンクションＮｏを置数キー（９）と乗算キー（１０）と
により入力するのであるが、この実施例では、前述のよ
うに２０個の締めキーに対し「４６」から「６６」のフ
ァンクションＮｏが予め設定されており、「４６」から
「５２」の７個のファンクションＮｏの締めキーが予め
設定されているので、先ず、「５３」のファンクション
Ｎｏを置数キーにより入力した後に乗算キー（１０）を
押下すると、どの締めキーであるかを示すファンクショ
ンＮｏがＲＡＭ（３）に記憶される。次に、置数キー
（９）と乗算キー（１０）とにより前述のように「０
０」から「０４」の何れかの金種データを入力するので
あるが、この場合は「現金」を設定するので「０１」を
置数キー（９）により入力し、次に乗算キー（１０）を
押下した時点で、図３（ｃ）で示した設定メモリ（３
ｃ）の金種設定記憶メモリ（Ｍ３）における前述の一時
記憶したファンクションＮｏのアドレス位置を選択して
締め８キーに対する金種を「０１」と記憶する。その後
に、図６の矢印で示すキーシーケンスを実行し、新たな
ファンクションＮｏを指定して別の締めキーに対する金
種設定を所要回数繰り返す。つまり、「５４」から「５
６」までのファンクションＮｏを順次入力するととも
に、その入力時毎に「０１」をそれぞれ入力し、最後
に、現金キー（１５）を押下操作すると、これらの締め
キーに対する金種データが金種設定記憶メモリ（Ｍ３）
に記憶されて設定ＪＯＢが終了する。尚、予め設定され
ている締め１キーから締め７キーに対する金種について
も、前述の金種設定のキーシーケンスを実行することに
より、例えば、信用キーが２個あればよいユーザーにと
っては残りの２個の信用キーを他の締めキーに転換する
こもできる。

【００１９】次に、前記実施例の締め登録処理について
図７のフローチャートを参照しながら説明する。同図に
おいて図９と同等の処理を行なうステップについては同
一のステップ符号を付してある。モード切換スイッチ
（５）を登録位置に設定し、顧客の買上商品の情報を置
数キー（９）と部門キー（１３）とを用いて順次入力す
る。この入力された金額や個数等の情報は、ＲＡＭ
（３）の部門メモリ（３ａ）における該当部門のエリア
にそれぞれ加算しながら記憶されるとともに商品登録デ
ータ一時記憶メモリ（３ｅ）に記憶されて商品登録を行
なう（ステップＳ１）。この商品登録の処理を登録操作
の終了であると判断される（ステップＳ２）まで継続す
る。そして、顧客の支払った金額が置数キー（９）で入
力された後に顧客の支払った金種が該当する締めキーで
入力されると、この締めキーのキー入力により商品の登
録終了であると判別（ステップＳ２）して締め登録に移
行する（ステップＳ３）。

【００２０】即ち、中央演算処理装置（１）がキーレイ
アウト設定メモリ（３ｄ）を検索して押下されたキーの
キーハードコードに対応するキー識別コードからそのキ
ーが締めキーであるか否かを判別し（スイッチ１３）、
締めキーでなかった場合にエラー処理を行なうが、締め
キーであると判別した場合には、設定メモリ（３ｃ）の
金種設定記憶メモリ（Ｍ３）を検索して締めキー別金種
登録を読み出す（スイッチ１４）。そして、読み出した
金種が現金登録であると判別した（ステップＳ１５）場
合に、取引メモリ（３ｂ）の締めキー別売上合計メモリ
（Ｍ２）の該当する現金の締めキーのエリアに、商品登
録データ一時記憶メモリ（３ｅ）に一時記憶していた金
額および合計を加算して記憶し、現金登録を行なう（ス
イッチ１６）。この取引メモリ（３ｂ）の締めキー別売
上合計メモリ（Ｍ２）の該当する締めキーのエリアに金
額および合計を加算する時に判別されるのは、使用され
た締めキーの番号であって設定されている金種ではな
い。これは、以下の券処理、信用処理および掛処理の何
れの場合も同様である。また、部門メモリ（３ａ）の部
門別売上合計メモリ（Ｍ１）の該当する部門のエリア
に、商品登録データ一時記憶メモリ（３ｅ）に一時記憶
していた売上金額および売上個数を加算して記憶する。

【００２１】現金設定でない場合には続いて券設定であ
るか否かを判別し（ステップＳ１７）、券設定であると
判別した（ステップＳ１７）場合に、現金設定の場合と
同様に、取引メモリ（３ｂ）の締めキー別売上合計メモ
リ（Ｍ２）の該当する券の締めキーのエリアに、商品登
録データ一時記憶メモリ（３ｅ）に一時記憶していた金
額および合計を加算して記憶し、券登録を行なう（スイ
ッチ１８）。また、部門メモリ（３ａ）の部門別売上合
計メモリ（Ｍ１）の該当する部門のエリアに、商品登録
データ一時記憶メモリ（３ｅ）に一時記憶していた売上
金額および売上個数を加算して記憶する。券設定でない
場合には続いて信用設定であるか否かを判別し（ステッ
プＳ１９）、信用設定であると判別した（ステップＳ１
９）場合にも同様に、取引メモリ（３ｂ）の締めキー別
売上合計メモリ（Ｍ２）の該当する信用の締めキーのエ
リアに、商品登録データ一時記憶メモリ（３ｅ）に一時
記憶していた金額および合計を加算して記憶し、信用登
録を行なう（スイッチ２０）。また、部門メモリ（３
ａ）の部門別売上合計メモリ（Ｍ１）の該当する部門の
エリアに、商品登録データ一時記憶メモリ（３ｅ）に一
時記憶していた売上金額および売上個数を加算して記憶
する。信用設定でない場合には続いて掛設定であるか否
かを判別し（ステップＳ２１）、掛設定であると判別し
た（ステップＳ２１）場合にも同様に、取引メモリ（３
ｂ）の締めキー別売上合計メモリ（Ｍ２）の該当する掛
の締めキーのエリアに、商品登録データ一時記憶メモリ
（３ｅ）に一時記憶していた金額および合計を加算して
記憶し、掛登録を行なう（スイッチ２２）。また、部門
メモリ（３ａ）の部門別売上合計メモリ（Ｍ１）の該当
する部門のエリアに、商品登録データ一時記憶メモリ
（３ｅ）に一時記憶していた売上金額および売上個数を
加算して記憶する。一方、掛設定でないと判別した（ス
イッチ２１）場合にはエラー処理を行なう（スイッチ２
３）。

【００２２】上述の登録処理の具体例を図８を参照しな
がら説明する。同図（ａ）に示すように、顧客が部門１
の１５００円の商品を１個購入して２０００円の現金を
支払った場合、置数キー（９）で入力された「１５０
０」の金額と部門キー（１３）で入力された「部門１」
のデータが部門メモリ（３ａ）と商品登録データ記憶メ
モリ（３ｅ）とに記憶され、次に、置数キー（９）で
「２０００」の支払い金額が入力された後に現金キー
（１５）の押下により締め登録が実行され、中央演算処
理装置（１）が消費税を１５００円×０．０３＝４５円
と演算し、続いて、釣銭を２０００円−（１５００円＋
４５円）＝４６５円と演算し、現金売上金額の１５４５
円と売上回数の１回とを、取引メモリ（３ｂ）の締めキ
ー別売上合計メモリ（Ｍ２）における締め１キーに対応
するエリアに加算して記憶するとともに、この内容を表
示装置（７）に表示し、且つ図８（ｂ）に示すようにレ
シート紙（１９）に印字装置（６）により印字される。

【００２３】また、前述のように現金キーを４個増設し
て既存の１個を含め合計５個とし、この５個の現金キー
を、１０代、２０代、３０代、４０代および５０代の年
代層専用として用い、顧客の年代の判断をオペレータに
任せて入力すれば、取引メモリ（３ｂ）の締めキー別売
上合計メモリ（Ｍ２）に記憶されている各現金キーのそ
れぞれの売上金額が客層別売上金額に相当し、このデー
タをレポートに印字したり、後方処理のコンピュータに
データを入力して分析すれば、客層別売上管理を容易に
行なえる。

【００２４】

【発明の効果】以上のように本発明の電子式金銭登録機
によると、所定のキーシーケンスに基づく手順のキー操
作により部門キーに対し締めキーを設定してメモリに記
憶するフリーキーレイアウト設定手段と、所定のキーシ
ーケンスに基づくキー操作によりフリーキーレイアウト
設定手段で設定された締めキーまたは予め設定された各
締めキーに対し現金、信用、券、掛の金種のうちの何れ
かを任意に設定してメモリに記憶する金種設定手段と、
操作されたキーがメモリの検索により締めキーであると
判別した時に当該締めキーの金種をメモリから読み出し
設定して支払いの登録処理を行なう支払い登録手段とを
備えた構成としたので、ユーザーにおいて使用しない部
門キーに締めキーを割り付け設定できるとともに、その
新たに設定した締めキーに対し所望の金種を設定でき、
実使用時の登録処理において、操作した締めキーの金種
を読み出し設定してその金種に基づき支払いの登録処理
を行なうことができる。従って、部門キーは少なくても
よい代わりに現金キーや信用キー等の締めキーを数多く
必要としたり、年令別現金売上管理をするために現金キ
ーを多く必要としたりといった締めキーの運用方法に対
するユーザーの要望に極めてフレキシブルに対応するこ
とができ、従来において高価な高級機のＰＯＳシステム
でしか実現できなかった機能を簡便に得られる。また、
使用していない部門キーを締めキーに変更設定できるよ
うに構成しているので、入力手段であるキーボード上に
新たなキーを増設する必要がなく、また使用していない
部門キーの有効利用も図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のハードウェア構成のブロッ
ク図である。

【図２】同上、入力手段のレイアウトを示す平面図であ
る。

【図３】（ａ）〜（ｃ）は同上の記憶手段としてのＲＡ
Ｍ内部の各メモリの説明図である。

【図４】同上、各キーとそれらのキーＮｏを示す説明図
である。

【図５】（ａ），（ｂ）は、同上のフリーキーレイアウ
ト設定の操作手順のキーシケンスとそのデータを記憶す
るキーレイアウト設定メモリの説明図である。

【図６】同上、締めキーへの金種設定の操作手順のキー
シーケンスの説明図である。

【図７】同上、登録処理を示すフローチャートである。

【図８】（ａ），（ｂ）は同上の売上登録の操作手順の
キーシーケンスと印字例の説明図である。

【図９】従来の電子式金銭登録機の登録処理を示すフロ
ーチャートである。

【符号の説明】

１ 中央演算処理装置 ３ ＲＡＭ（メモリ） ３ｂ 取引メモリ ３ｃ 設定メモリ ３ｄ キーレイアウト設定メモリ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 売上商品の部門登録を行うための複数の
   部門キーと、顧客の支払いを登録するための締めキーを
   予め所定の個数だけ備えた電子式金銭登録機において、
   所定のキーシーケンスに基づく手順のキー操作により前
   記部門キーに対し締めキーを設定してメモリに記憶する
   フリーキーレイアウト設定手段と、所定のキーシーケン
   スに基づくキー操作により前記フリーキーレイアウト設
   定手段で設定された締めキーまたは予め設定された前記
   各締めキーに対し現金、クレジットカード等による信
   用、商品券や小切手等による券、掛け売り等の掛の金種
   のうちの何れかを任意に設定してメモリに記憶する金種
   設定手段と、操作されたキーが前記メモリの検索により
   締めキーであると判別した時に当該締めキーの金種を前
   記メモリから読み出し設定して支払いの登録処理を行な
   う支払い登録手段とを備えたことを特徴とする電子式金
   銭登録機。