JP2880144B2 - アルミ合金製工具の製造方法 - Google Patents
アルミ合金製工具の製造方法Info
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Description
あるいは電気工事等の作業時に使用されるスパナ、トル
クレンチ、モンキレンチ、ペンチ、ニッパ等の工具を、
アルミ合金を使用して製造する工具の製造方法であっ
て、特にその工具の疲労強度を高め、しかも軽量化して
工具の取り扱いを容易ならしめることができるアルミ合
金工具の製造方法に関するものである。
製造するために使用する金属材料として、特にそれら工
具の軽量化を目的としてチタン合金を使用することが提
案されている。しかしながらこのチタン合金は、価格的
に高価であることから実用に供することが困難であっ
た。そこで、このチタン合金にかわる軽量化金属材料と
してアルミ合金を使用する工具が提案されている。
工具を製造する方法としては、先ず最初に押出機により
押し出されるアルミ合金押出素材(棒状素材)を作成
し、次いでこの押出素材を鍛造機により型鍛造して所定
形状の工具(例えば、トルクレンチヘッド)を製造して
いるものである。
の押し出しにより得られるアルミ合金押出素材の表層で
は、粗大な再結晶組織となっているために、疲労強度が
低下されているにもかかわらず、その表層に粗大な再結
晶組織を有するままで型鍛造を行っている従来の型鍛造
製品は、押出素材表層の粗大再結晶組織層が増大、ある
いは型鍛造材内部へ粗大再結晶組織が押し込まれ、これ
が原因で疲労強度がさらに低下し、十分な疲労強度を保
持する製品(工具)を得ることが困難とされていた。
合金押出素材の表層に、疲労強度を弱める要因となる粗
大な再結晶組織が存在する押出素材を特に曲げ応力が繰
り返し作用するトルクレンチヘッド等の工具型鍛造材と
して型鍛造することはその押出素材の表層部にある粗大
なる再結晶組織が、工具型鍛造材の表層(表層部)で増
大、あるいは型鍛造材内部へ押入されることとなり、こ
れが原因で工具表層の疲労強度が低下し、該工具の耐久
性が低いものであった。
厚を増大せしめればその工具の重量が増加し、このため
に作業性及び取扱いの悪い工具となるという不具合が生
じる。
の不具合に着目してなされたもので、上記の工具を製造
するに当たり応力が繰り返し加わる個所の工具型鍛造材
表層部に疲労強度の低い粗大再結晶組織が存在しないよ
うにすることで疲労強度及び耐久性を高めることができ
るアルミ合金製工具の製造方法の提供を第1の目的とし
ている。
肉厚の増加を抑制して材料使用量を低減し、さらに押出
素材表層部の粗大再結晶組織の除去を所望個所で部分的
に行い、除去費用を低減することで、経済性を高めると
共に、軽量化を維持できるアルミ合金製工具の製造方法
の提供を第2の目的としている。
を達成するため、本発明では、押出機により押し出され
たアルミ合金押出素材を、型鍛造してアルミ合金工具を
製造する方法において、上記押し出しにより形成された
押出素材の表層部を部分的に除去してなる押出成形素材
を得、次いでこの押出成形素材を型鍛造して、上記表層
部除去部分の疲労強度を高めたアルミ合金製工具の製造
方法を特徴としている。
明するが、本実施形態では、図1で示す如き、トルクレ
ンチのヘッド1(工具)を型鍛造成形することを目的と
するものであり、このトルクレンチヘッド1(以下これ
を単に工具と称す)を型鍛造するに使用する材料として
不図示である押出成形機を使用し、アルミ合金ビレット
から押し出されたアルミ合金の押出材を素材として用い
る。
に用いるアルミ合金製押出素材について述べると、押出
機から押し出されたアルミ合金押出素材2の内部におけ
る再結晶組織について観察すると、その再結晶組織の態
様は、アルミ合金の成分の違いによって異なる。
A、アルミ合金B、及びアルミ合金Cの三種類の合金を
選択し、それらアルミ合金の押出機により押し出された
アルミ合金押出素材2の型鍛造前と型鍛造後におけるそ
れぞれの再結晶組織層の厚さを測定した結果を表2で示
す如き値が得られた。なお上記各アルミ合金押出素材2
の製造条件及び型鍛造条件は下記の如くである。
時) 押出方法:間接押出 押出時のビレット加熱温度:350℃ 押出速度:1.5mm/sec 押出後急冷 2.型鍛造条件 型鍛造素材(押出素材)加熱温度:470℃ 型鍛造速度:0.8m/sec 3.T6処理(型鍛造後熱処理) 溶体化処理470℃、3hr、水冷+時効処理120
℃、24hr
使用してトルクレンチヘッド等の型鍛造材を型鍛造する
と、その型鍛造材の内部にまで粗大再結晶組織が分布し
型鍛造材全体としての疲労強度が低下される。またアル
ミ合金Bによる型鍛造後の型鍛造材では、その粗大再結
晶組織層厚さ(H)は1000μmであり、型鍛造前と
比較して2倍以上に増大している。このときの型鍛造材
表層部組織を図4で示し、また型鍛造前における押出材
の表層部の粗大再結晶組織層厚さ(h)を図5で示す。
またアルミ合金Cによる型鍛造後の型鍛造材ではその粗
大再結晶組織層の厚さは180μmとなり型鍛造前と比
較して6倍に増大している。
ルミ合金を型鍛造した後の素材の内部又は表面に、型鍛
造する以前の押出素材2と比して厚さの大なる粗大再結
晶組織層が形成されることが判り、これにより前述のよ
うに、型鍛造材の疲労強度が低下する要因となってい
た。また工具の耐久性低下の要因となる応力腐食割れき
裂は、粗大再結晶粒の粒界に沿って成長し、その成長が
微細結晶粒に粒界で停止することから、結晶粒界の形態
によって応力腐食感受性が異なり、微細結晶粒界よりも
粗大結晶粒界の方が応力腐食感受性が高いものであっ
た。
し出されたアルミ合金押出素材の所望個所(押出材が製
品となって特に高い応力が繰返し加わる個所)の表層部
の粗大再結晶組織を除去してなる押出成形素材4を用い
て所望の工具等を型鍛造することで、特にその工具の使
用時に高い応力が加わる部分の疲労強度を高めるもので
ある。
出機より押し出された断面円形のアルミ合金押出素材2
における所望個所(高応力作用個所)の表層部3を例え
ば切削手段により除去してなる押出成形素材4を得る
(この実施例でのアルミ合金押出素材2の成分は、前述
のアルミ合金Bと等しいものを使用した)。
てなる成形素材4を、型鍛造して例えば、図1で示す如
き、トルクレンチヘッド1を製造する。かくして型鍛造
されたトルクレンチにおける高応力受け部5の表層部組
織を観察したところ、図6の顕微鏡写真で見られるよう
に、そのトルクレンチ表層部における組織が、微細組織
となっている。
3を除去した押出成形素材4を用いて型鍛造したトルク
レンチヘッド1と、従来のように、表層部を全く除去し
ない押出素材を用いて型鍛造したトルクレンチヘッドの
曲げ疲労強度及び重量比を測定した結果、表3及び表4
に示す如き結果が得られた。すなわち本発明により得ら
れる工具は、表3で示すように従来品と比較して高い疲
労強度で耐久性が向上され、さらに表4で示すように軽
量化されていることも判る。
型鍛造する前の押出素材の表層に存在している粗大再結
晶組織を除去した押出成形素材を得、この押出成形素材
を用いて工具等を型鍛造するものであるから、その型鍛
造時において、粗大再結晶組織による悪影響を受けるこ
とがなくなる。つまり粗大再結晶組織が型鍛造材内部へ
押入されることあるいは粗大再結晶組織層が増大される
こと等が解消され、これにより疲労強度を高くして耐久
性に優れさらには安価である工具等を製造することが可
能であり、その上軽量化が可能であることから取り扱
い、作業性等に優れた工具を製造することができるとい
う作用効果を奏するものである。
説明図。
図。
出成形素材の側面図及び正面図。
真。
微鏡写真。
真。
Claims (1)
- 【請求項1】 押出機により押し出されたアルミ合金押
出素材を、型鍛造してアルミ合金製工具を製造する方法
において、上記押し出しにより形成された押出素材の表
層部を部分的に除去してなる押出成形素材を得、次いで
この押出成形素材を型鍛造して、上記表層部除去部分の
疲労強度を高めたことを特徴とするアルミ合金製工具の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11195697A JP2880144B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | アルミ合金製工具の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11195697A JP2880144B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | アルミ合金製工具の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10286650A JPH10286650A (ja) | 1998-10-27 |
JP2880144B2 true JP2880144B2 (ja) | 1999-04-05 |
Family
ID=14574376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11195697A Expired - Fee Related JP2880144B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | アルミ合金製工具の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2880144B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1108887C (zh) * | 2000-12-22 | 2003-05-21 | 王秀和 | 手工钳毛坯件辊轧成形制作方法 |
JP5540546B2 (ja) * | 2009-03-31 | 2014-07-02 | 日本軽金属株式会社 | 高力アルミニウム合金ボルトの製造方法 |
RU194768U1 (ru) * | 2019-04-17 | 2019-12-23 | Публичное Акционерное Общество "Корпорация Всмпо-Ависма" | Заготовка из высоколегированных алюминиевых сплавов |
-
1997
- 1997-04-14 JP JP11195697A patent/JP2880144B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH10286650A (ja) | 1998-10-27 |
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