JP2878350B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents

放電灯点灯装置

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JP2878350B2 JP30880689A JP30880689A JP2878350B2 JP 2878350 B2 JP2878350 B2 JP 2878350B2 JP 30880689 A JP30880689 A JP 30880689A JP 30880689 A JP30880689 A JP 30880689A JP 2878350 B2 JP2878350 B2 JP 2878350B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、共振型のインバータ回路を用いた放電灯点
灯装置に関するものであり、例えば高輝度放電灯(HI
D)を高周波で点灯させる用途に適するものである。
[従来の技術] 従来例1 第6図は従来例の回路図である。以下、その回路構成
について説明する。直流電源V1には、スイッチング素子
Q1,Q2の直列回路が並列的に接続されている。各スイッ
チング素子Q1,Q2はパワーMOSFETよりなり、寄生の逆並
列ダイオードを有している。スイッチング素子Q2の両端
には、限流用のインダクタLと直流カット用のコンデン
サC2を介して、共振用のコンデンサC1が接続されてい
る。共振用のコンデンサC1には、電流トランスCTの1次
巻線を介して放電灯RLが並列的に接続されている。各ス
イッチング素子Q1,Q2は駆動回路DR1,DR2により交互にオ
ン・オフ駆動される。これにより、インダクタLとコン
デンサC1から成る共振回路には、略正弦波の交流電流が
流れ、コンデンサC1の両端に発生する交流電圧が放電灯
RLに印加される。直流カット用のコンデンサC2の容量
は、共振用のコンデンサC1の容量に比べて十分に大きく
設定されており、共振には寄与しない。定常状態におい
て、スイッチング素子Q1,Q2のオン期間が等しい場合に
は、直流電源V1の1/2の電圧が直流カット用のコンデン
サC2に充電される。
放電灯RLには電流トランスCTの1次巻線が直列的に接
続されている。電流トランスCTの2次巻線の一端は接地
されており、他端は整流用のダイオードD1を介してコン
デンサC3の一端に接続されている。コンデンサC3の他端
は接地されている。コンデンサC3に得られる電圧はコン
パレータCMPの非反転入力端子に印加されている。コン
パレータCMPの反転入力端子には、基準電圧Vrが印加さ
れている。コンパレータCMPの出力VCPはPNPトランジス
タQ0のベースに供給されている。このPNPトランジスタQ
0は、高周波発振用の発振器T1と低周波発振用の発振器T
2の間に介在しており、後者から前者への制御信号を開
閉するものである。
高周波発振用の発振器T1は汎用のタイマーIC(例えば
シグネティックス社製のNE555)よりなる。このタイマ
ーICは無安定マルチバイブレータを構成するように、抵
抗R1,R2及びコンデンサC4を外付けされており、その周
波数制御端子(5番ピン)に与えられる制御電圧V5が上
昇すると、発振出力V3の周波数は低下する。発振器T1の
発振出力V3は、第1及び第2のアンド回路AND1,AND2の
一方の入力とされると共に、DフリップフロップFFのク
ロック入力Cとされている。DフリップフロップFFの出
力は、データ入力Dに接続されている。したがって、
DフリップフロップFFの出力Q,には、発振器T1の発振
出力V3を1/2の周波数に分周した出力が得られる。この
DフリップフロップFFの出力,Qは、それぞれ第1及び
第2のアンド回路AND1,AND2の他方の入力とされてい
る。アンド回路AND1,AND2の各出力VD1,VD2は、それぞれ
駆動回路DR1,DR2を介してスイッチング素子Q1,Q2の制御
電極に供給されている。
次に、低周波発振用の発振器T2は、高周波発振用の発
振器T1と同じ汎用のタイマーIC(シグネティックス社製
のNE555)よりなり、無安定マルチバイブレータを構成
するように、抵抗R3,R4及びコンデンサC5を外付けされ
ている。この発振器T2の周波数制御端子(5番ピン)は
デカップリングコンデンサC6を介して接地されている。
したがって、その発振周波数は固定であり、且つ、発振
器T1の発振周波数に比べると、十分に低く設定されてい
る。発振器T2の出力端子(3番ピン)は否定回路INVの
入力端子に接続されている。否定回路INVの出力端子
は、抵抗R7を介して抵抗R5,R6の各一端に接続されてい
る。抵抗R5の他端は制御電源電圧Vccに接続されてお
り、抵抗R6の他端は接地されている。抵抗R5,R6の接続
点は上述のトランジスタQ0のエミッタに接続され、トラ
ンジスタQ0のコレクタは発振器T1の周波数制御端子(5
番ピン)に接続されている。
第7図は上記回路の共振特性を示している。横軸fは
インバータ装置の動作周波数であり、縦軸VRLは放電灯R
Lの両端電圧である。放電灯RLが点灯していない無負荷
状態においては、放電灯RLのインピーダンスは実質的に
無限大である。このとき、共振周波数f0の近傍では、放
電灯RLの電圧VRLは非常に高くなる。そこで、この特性
を放電灯RLの始動に利用するために、無負荷状態におい
ては、インバータ装置の動作周波数fは、共振周波数f0
から遠い周波数f1と共振周波数f0に近い周波数f2とに交
互に切り替えられる。そして、共振周波数f0に近い周波
数f2で動作したときに、放電灯RLに始動用の高電圧が印
加されるようにしている。一方、放電灯RLが点灯する
と、放電灯RLのインピーダンスが低下するので、共振曲
線の傾斜は緩やかとなり、共振周波数が低下する。そこ
で、この場合には、インバータ装置を点灯時の周波数f3
で動作させる。いずれの場合においても、共振回路はそ
の共振周波数よりも高い周波数で励振されるので、イン
ダクタLに流れる共振電流は、スイッチング素子Q2の両
端に生じる励振電圧に対して遅れ位相となる。これを遅
相モードと呼ぶ。この遅相モードでは、スイッチング素
子Q1に順方向電流が流れているタイミングでスイッチン
グ素子Q1がオフ、スイッチング素子Q2がオンとなり、ス
イッチング素子Q1の順方向に流れていた共振電流はスイ
ッチング素子Q2の逆方向ダイオードを介して流れ、その
後、共振電流の極性が反転すると、既にオンされている
スイッチング素子Q2の順方向に流れる。スイッチング素
子Q1がオン、スイッチング素子Q2がオフする場合につい
ても同様である。したがって、遅相モードにおいては、
スイッチング素子Q1(又はQ2)がオンされるタイミング
では、そのスイッチング素子Q1(又はQ2)に逆方向電流
が流れており、スイッチング素子Q1,Q2が同時にオンす
るような不都合は生じない。
仮に、無負荷状態において、インバータ装置を点灯時
の周波数f3で動作させると、共振回路はその共振周波数
f0よりも低い周波数で励振されるので、インダクタLに
流れる共振電流は、スイッチング素子Q2の両端に生じる
励振電圧に対して進み位相となる。これを進相モードと
呼ぶ。この進相モードでは、スイッチング素子Q1に逆方
向電流が流れているタイミングでスイッチング素子Q1
オフ、スイッチング素子Q2がオンとなり、スイッチング
素子Q1の逆方向ダイオードに流れていた共振電流はスイ
ッチング素子Q2の順方向に流れる。スイッチング素子Q1
がオン、スイッチング素子Q2がオフする場合も同様であ
る。このように、進相モードにおいては、スイッチング
素子Q1(又はQ2)がオンされるタイミングでは、他方の
スイッチング素子Q2(又はQ1)に逆方向電流が流れてい
るので、当該他方のスイッチング素子Q2(又はQ1)の逆
並列ダイオードの逆回復時間が経過するまでは、スイッ
チング素子Q1,Q2が同時にオンするという不都合が生じ
る。
そこで、第6図に示す回路では、放電灯RLが無負荷状
態であるときには、インバータ装置を周波数f1又はf2
動作させ、放電灯RLが点灯状態となったことを判別した
後、インバータ装置を周波数f3で動作させており、常に
遅相モードで動作させることにより、スイッチング素子
Q1,Q2が同時にオンすることを防止している。以下、そ
の動作について具体的に説明する。
第8図は上記回路の動作波形図であり、発振器T1の発
振周波数を決定するコンデンサC4の電圧VC4と、発振器T
1の発振出力V3と、駆動回路DR1,DR2にそれぞれ入力され
るアンド回路AND1,AND2の出力VD1,VD2と、発振器T2によ
り制御される電圧Vxと、コンパレータCMPの出力VCPの関
係を示している。放電灯RLが点灯状態であるときには、
放電灯RLに電流IRLが流れるので、コンデンサC3の電圧
が上昇し、その電圧が基準電圧Vrを越えることにより、
コンパレータCMPの出力VCPは“High"レベルとなる。こ
のため、PNPトランジスタQ0は非導通状態となる。故
に、発振器T1の発振周波数は、抵抗R1,R2とコンデンサC
4により決まる点灯時の周波数f3となる。また、放電灯R
Lが無負荷状態であるときには、コンデンサC3の電圧が
基準電圧Vrよりも低くなり、コンパレータCMPの出力VCP
は“Low"レベルとなる。このため、PNPトランジスタQ0
は導通状態となる。したがって、発振器T1の周波数制御
端子(5番ピン)に与えられる制御電圧V5は、発振器T2
により制御される電圧Vxに等しくなる。
発振器T2の出力端子(3番ピン)が“High"レベルで
あるときには、否定回路INVの出力が“Low"レベルとな
るので、抵抗R7は抵抗R6に並列接続されることになり、
電圧Vxは低くなる。一方、発振器T2の出力端子(3番ピ
ン)が“Low"レベルであるときには、否定回路INVの出
力が“High"レベルとなるので、抵抗R7は抵抗R5に並列
接続されることになり、電圧Vxは高くなる。これにより
発振器T1の発振周波数fが切り替えられる。
第9図は上記回路の無負荷状態における動作波形図で
あり、発振器T2により制御される電圧Vxと、発振器T1の
発振周波数fと、放電灯RLの両端電圧VRLの関係を示し
ている。電圧Vxが低いときには、発振器T1の発振周波数
は高い周波数f1となり、無負荷共振周波数f0から離れ
る。このとき、放電灯RLの両端電圧VRLは低い。また、
電圧Vxが高いときには、発振器T1の発振周波数は低い周
波数f2となり、無負荷共振周波数f0に近付く。このと
き、放電灯RLの両端電圧VRLは高くなる。発振器T1の発
振周波数が周波数f2に設定される期間は、周波数f1に設
定される期間よりも短く設定されている。したがって、
放電灯RLには、発振器T2で決まる一定周期毎に高電圧パ
ルスが与えられる。この高電圧パルスにより放電灯RL
始動する。
しかしながら、この従来例にあっては、無負荷状態に
おいて、共振周波数f0に近い周波数f2で高電圧パルスを
発生した後、共振周波数f0から遠い周波数f1に戻るとき
に、進相モードになることがあった。これは、共振周波
数f0に近い周波数f2で動作して高電圧パルスを発生する
際に、インダクタLやコンデンサC1を含む共振回路に大
きなエネルギーが蓄積され、周波数f1に戻った後に、上
記のエネルギーが自由振動で放出されるためであると考
えられる。このような進相モードでの動作は、共振回路
のエネルギーが減衰するまで続くものであるが、無負荷
状態においては放電灯RLが高インピーダンスであるの
で、共振回路のエネルギーが減衰しにくく、進相モード
が持続しやすい。このため、スイッチング素子Q1,Q2
同時オンによる過電流が流れて、素子の劣化や破壊を招
くことがあった。
従来例2 第10図は他の従来例の回路図である。この回路にあっ
ては、駆動回路DR1,DR2に駆動信号を供給する高周波発
振器Aの発振周波数を、点灯判別器Bと低周波発振器C
の出力により可変としている。すなわち、点灯判別器B
により放電灯RLが点灯状態であると判別されたときに
は、高周波発振器Aの発振周波数を点灯時の周波数f3
設定し、点灯判別器Bにより放電灯RLが無負荷状態(非
点灯状態)であると判別されたときには、高周波発振器
Aの発振周波数を共振周波数f0から遠い周波数f1と、共
振周波数f0に近い周波数f2に交互に切り替える。ただ
し、この周波数f1と周波数f2の切替を滑らかに行うため
に、低周波発振器Cの出力にコンデンサCpを接続してい
る。このように、無負荷状態における周波数f1と周波数
f2の切替を滑らかに行うことによって、共振回路のエネ
ルギーを徐々に増大させ、その後、徐々に減衰させるこ
とができ、周波数の急変による進相モードの発生を防止
している。そして、放電灯RLが点灯状態になると、点灯
判別器Bにより低周波発振器Cの出力が短絡され、高周
波発振器Aは点灯時の周波数f3で発振する。
以下、具体的な回路構成について説明する。
まず、低周波発振器Cについては、従来例1で用いた
発振器T2と基本的には同じ構成であり、否定回路INVを
省略しただけである。
次に、点灯判別器Bについて説明する。放電灯RL
は、電流検出用の低抵抗Rsが直列的に接続されている。
この低抵抗Rsに発生する電圧は、コンパレータCMPの非
反転入力端子に印加されている。コンパレータCMPの反
転入力端子には、基準電圧Vrが印加されている。コンパ
レータCMPの出力電圧は、抵抗R0とダイオードD1を介し
てコンデンサC3に充電される。コンデンサC3に得られる
電圧Vdは、抵抗R8を介してトランジスタQ6のベースに供
給されている。トランジスタQ6はコンデンサCpの両端に
並列的されている。以上により点灯判別器Bが構成され
ている。
次に、高周波発振器Aについて説明する。コンデンサ
Cpに得られる電圧Vpは、オペアンプAMPよりなるインピ
ーダンス変換器と抵抗R9を介してトランジスタQ5のベー
スに供給されている。ここで、オペアンプAMPは、入力
インピーダンスが高く、出力インピーダンスが低く、ゲ
インが1のアンプであり、コンデンサCpの電圧Vpが高周
波発振器Aからの影響を受けないようにするためのバッ
ファとして作用する。トランジスタQ5のエミッタは抵抗
R10を介して接地されており、コレクタは抵抗R11の一端
に接続され、抵抗R11の他端は接地されている。抵抗R11
の上記一端は、PNPトランジスタQ3のベース及びコレク
タに接続されると共に、PNPトランジスタQ4のベースに
も接続されている。PNPトランジスタQ3,Q4のコレクタは
制御電源電圧Vccに接続されている。PNPトランジスタQ4
のコレクタは、コンデンサCFと抵抗R12の各一端に接続
されると共に、シュミット回路STの入力端子に接続され
ている。コンデンサCFの他端は接地されており、抵抗R
12の他端はトランジスタQ7を介して接地されている。ト
ランジスタQ7のベースは、抵抗R13を介してシュミット
回路STの出力端子に接続されている。シュミット回路ST
は、コンデンサCFに得られる電圧VCFが第1のレベルを
上回ると、出力VSTが“High"レベルとなり、第1のレベ
ルよりも低い第2のレベルを下回ると、出力VSTが“Lo
w"レベルとなる。このシュミット回路STの出力VSTは、
アンド回路AND1,AND2の一方の入力とされると共に、D
フリップフロップFFのクロック入力Cとされている。D
フリップフロップFFの否定出力は、データ入力Dに接
続されている。これにより、DフリップフロップFFの出
力Q及び否定出力には、クロック入力Cを1/2の周波
数に分周した信号が得られる。DフリップフロップFFの
各出力,Qは、アンド回路AND1,AND2の他方の入力とさ
れている。アンド回路AND1,AND2の各出力は、それぞれ
駆動回路DR1,DR2を介してスイッチング素子Q1,Q2の制御
電極に供給されている。
第11図は上記回路の動作波形図であり、点灯判別器B
におけるコンデンサC3の電圧Vdと、低周波発振器Cの出
力に接続されたコンデンサCpの電圧Vpと、トランジスタ
Q3に流れる電流Icと、高周波発振器Aの発振周波数f、
及び放電灯RLの両端電圧VRLの関係を示している。以
下、上記回路の動作について説明する。
まず、無負荷状態においては、放電灯RLに電流IRL
流れないので、電流検出用の低抵抗Rsの両端には電圧が
発生せず、コンパレータCMPの出力は“Low"レベルであ
り、コンデンサC3の電圧Vdは低い。このため、トランジ
スタQ6はオフされており、コンデンサCpの電圧Vpは、低
周波発振器Cの出力に応じて一定周期で増減する。低周
波発振器CにおけるタイマーICよりなる発振器T2の出力
端子(3番ピン)が“High"レベルであるときには、抵
抗R7が抵抗R5に並列接続されることになり、定常状態で
は、コンデンサCpの電圧Vpは、制御電源電圧Vccを並列
抵抗(R5//R7)とR6で分圧した高い電圧Vp1となる。こ
のとき、高周波発振器Aの発振周波数はf=f1となる。
次に、発振器T2の出力端子(3番ピン)が“Low"レベル
になると、抵抗R7が抵抗R6に並列接続されることにな
り、コンデンサCpの電圧Vpは、制御電源電圧Vccを抵抗R
5と並列抵抗(R6//R7)で分圧した低い電圧Vp2を目標値
として、所定の時定数で低下する。Vp=Vp2のとき、高
周波発振器Aの発振周波数はf=f2となる。発振器T2の
出力端子(3番ピン)が“Low"レベルである期間は短く
設定されており、直ぐに“High"レベルに戻るので、コ
ンデンサCpの電圧Vpは再び上記の電圧Vp1を目標値とし
て、所定の時定数で上昇する。このとき、高周波発振器
Aの発振周波数fは、周波数f1から周波数f2に緩やかに
低下し、その後、再び周波数f1に緩やかに上昇する。し
たがって、放電灯RLの両端電圧VRLは緩やかに上昇し、
その後、緩やかに低下する。
高周波発振器Aの発振動作はシュミット回路STにより
行われている。シュミット回路STの入力端子に接続され
たコンデンサCFは、トランジスタQ4を介して流れる電流
により充電される。コンデンサCFの充電電圧VCFが第1
のレベルを上回ると、シュミット回路STの出力VSTが“H
igh"レベルとなる。このとき、抵抗R13を介してトラン
ジスタQ7にベース電流が流れて、トランジスタQ7がオン
になる。このため、コンデンサCFには抵抗R12が並列接
続され、コンデンサCFの電荷は抵抗R12を介して放電さ
れ、その充電電圧VCFは低下する。コンデンサCFの充電
電圧VCFが第1のレベルよりも低い第2のレベルを下回
ると、シュミット回路STの出力VSTが“Low"レベルとな
る。このとき、トランジスタQ7はオフとなり、コンデン
サCFの放電は停止され、コンデンサCFはトランジスタQ4
を介して流れる電流により再び充電される。以下、同じ
動作を繰り返し、シュミット回路STの出力VSTには、矩
形波電圧よりなる発振出力が得られる。この発振出力
は、DフリップフロップFFにより分周され、アンド回路
AND1,AND2によりデッドタイムを付与されて、駆動回路D
R1,DR2を介してスイッチング素子Q1,Q2の駆動信号とな
る。シュミット回路STの発振周波数は、コンデンサCF
充放電速度によって決定されるので、トランジスタQ4
流れる電流を制御することにより、発振周波数を変える
ことができる。トランジスタQ4,Q3はhfeが略等しく、カ
レントミラー回路を構成しているので、トランジスタQ4
に流れる電流は、トランジスタQ3に流れる電流Icと同じ
である。このトランジスタQ3はベース・コレクタ間を短
絡されて、単なるPN接合ダイオードとして使用されてい
るので、そのコレクタ・エミッタ間電圧VCE3は略一定
(0.6〜0.7V)である。このため、トランジスタQ3と抵
抗R11の接続点の電圧VR11は一定値(Vcc-VCE3)とな
り、抵抗R11に流れる電流IR11も一定値VR11/R11とな
る。トランジスタQ3に流れる電流Icは、この抵抗R11
流れる電流IR11と、トランジスタQ5を介して流れる電流
Ifを加算したものであり、電流Ifは外部から与えられる
電圧Vpに応じて可変とされている。電圧Vpが上昇する
と、オペアンプAMPの出力電圧Vaが上昇し、トランジス
タQ5のエミッタ電位Vfが上昇するので、トランジスタQ5
を介して抵抗R10に流れる電流If(=Vf/R10)が増加す
る。反対に、電圧Vpが低下すると、電流Ifは減少する。
したがって、第11図の動作波形図に示すように、電圧Vp
が低下すると、電流Ic(=IR11+If)が減少し、コンデ
ンサCFの充電速度が遅くなるので、発振周波数fは低く
なる。反対に、電圧Vpが上昇すると、電流Icが増加し、
コンデンサCFの充電速度が速くなるので、発振周波数f
は高くなる。
次に、放電灯RLが点灯状態になると、電流IRLが流れ
るので、コンパレータCMPの出力が高周波的に“High"レ
ベルと“Low"レベルを繰り返す状態となり、コンデンサ
C3の電圧Vdが上昇する。このため、トランジスタQ6がオ
ンとなり、コンデンサCpが短絡され、その電圧Vpは略ゼ
ロとなる。このとき、高周波発振器Aの発振周波数f
は、点灯時の周波数f3となり、そのまま固定される。
この従来例にあっては、無負荷状態において、高周波
発振器Aの発振周波数fを切替制御するための電圧Vpを
コンデンサCpにより緩慢に変化させているので、共振周
波数f0から遠い周波数f1から共振周波数f0に近い周波数
f2に徐々に近付くにつれて、共振回路のエネルギーは徐
々に蓄積され、その後、周波数f2から周波数f1に徐々に
遠ざかるにつれて、共振回路のエネルギーは徐々に放出
される。したがって、進相モードになることはない。し
かしながら、この従来例では、放電灯RLの電圧VRLは緩
慢に上昇し、その後、緩慢に低下するので、共振回路に
大きな電流が流れている期間が長くなり、回路損失が増
大し、特にスイッチング損失が増大するので、結果的に
はスイッチング素子Q1,Q2の劣化を防止することはでき
ない。また、共振回路に高電圧が印加されている期間が
長いので、回路素子も高耐圧の高価な部品を使用する必
要があり、装置のコストが高くなるという問題がある。
[発明が解決しようとする課題] 上述のように、共振型のインバータ装置により放電灯
を点灯させる場合には、動作周波数を共振回路の共振周
波数に近付けると、高電圧を発生させることができる。
そこで、この性質を利用して、従来例1のように、放電
灯の無負荷状態において、インバータ装置の動作周波数
を共振周波数f0より遠い第1の周波数f1から共振周波数
f0に近い第2の周波数f2に近付ける動作を所定期間毎に
繰り返すことにより、放電灯に周期的な高電圧パルスを
与えて、この高電圧パルスにより放電灯を始動させるこ
とが提案されている。ところが、第1の周波数f1では共
振回路に蓄積されるエネルギーが小さく、第2の周波数
f2では共振回路に蓄積されるエネルギーが大きいので、
動作周波数の切替を急激に行うと、共振回路のエネルギ
ーが自由振動により放出されて、進相モードとなること
があり、スイッチング素子の同時オンによる過電流が流
れて、素子の劣化や破壊を招くことがあった。そこで、
従来例2のように、動作周波数の切替を緩慢に行うこと
が提案されている。しかしながら、従来例2では進相モ
ードとなることは防止できるが、共振回路に大きなエネ
ルギーが蓄積されている期間が長くなるので、回路損失
が増大するという問題があり、また、スイッチング素子
に流れる電流が増大すると共に、開閉する電圧も高くな
るので、結果的には、素子の劣化を防止することはでき
ないという問題があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、共振型のインバータ装置を用
いて放電灯を点灯させる放電灯点灯装置において、無負
荷状態で動作周波数を共振周波数に近付けて始動用の高
電圧を放電灯に与える際に、回路損失の増大を防止しな
がら、共振回路の蓄積エネルギーに起因する進相モード
の発生を回避することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明にあっては、上記の課題を解決するために、第
1図に示すように、逆方向電流を阻止しない第1及び第
2のスイッチング素子Q1,Q2の直列回路を直流電源V1
並列的に接続し、第1及び第2のスイッチング素子Q1,Q
2を交互にオン・オフ駆動する駆動回路DR1,DR2を備え、
インダクタLとコンデンサC1及び放電灯RLを含み第1及
び第2のスイッチング素子Q1,Q2の接続点に得られる電
圧により励振される共振回路を備える放電灯点灯装置に
おいて、放電灯RLが点灯状態であるか否かを判別する点
灯判別器Bと、放電灯RLが点灯状態でないと判別された
ときにスイッチング素子Q1,Q2の動作周波数を、共振回
路の共振周波数f0よりも高い第1の周波数f1と、共振周
波数f0よりも高く第1の周波数f1よりも低い第2の周波
数f2とに交互に切り替える周波数制御手段とを備え、第
2の周波数f2から第1の周波数f1への移行速度は、第1
の周波数f1から第2の周波数f2への移行速度に比べて十
分に遅く設定されていることを特徴とするものである。
[作用] 本発明にあっては、共振型のインバータ装置を用いた
放電灯点灯装置において、放電灯RLが点灯状態でないと
判別されたときには、スイッチング素子Q1,Q2の動作周
波数fを、共振回路の共振周波数f0よりも高い第1の周
波数f1と、共振周波数f0よりも高く第1の周波数f1より
も低い第2の周波数f2とに交互に切り替えて放電灯RL
始動用の高電圧を与えている。この際、第1の周波数f1
から第2の周波数f2に変化させるときには、周波数を急
速に変化させるようにしたから、従来例2のように、周
波数を緩慢に変化させる場合に比べると、回路損失が少
なくなる。このとき、共振回路は蓄積エネルギーを増大
させる段階であるので、自由振動に起因する進相モード
は生じない。次に、第2の周波数f2から第1の周波数f1
に戻すときには、共振回路は蓄積エネルギーを減少させ
る段階であるので、共振回路の自由振動に起因する進相
モードが生じ得るが、本発明にあっては、このときに
は、従来例2と同様に、周波数を緩慢に変化させるよう
にしたから、共振回路の自由振動に起因する進相モード
は防止できる。
つまり、共振回路の蓄積エネルギーが増大する段階で
は、共振回路は外部からの励振電圧に支配されやすい強
制振動状態となるが、共振回路の蓄積エネルギーが減少
する段階では、共振回路は外部からの励振電圧に支配さ
れにくい自由振動状態となる。そして、自由振動状態で
は励振周波数が共振周波数よりも高くても進相モードと
なることがあるが、強制振動状態では励振周波数が共振
周波数よりも高ければ進相モードにはならない。本発明
は、このような共振回路の性質に着目したものであり、
進相モードとなる可能性が高い自由振動状態でのみ周波
数を緩慢に変化させ、進相モードとなる可能性が低い強
制振動状態では周波数を急速に変化させるようにして、
常に周波数を緩慢に変化させる従来例2に比べて、回路
損失を減少させることを可能としたものである。
[実施例1] 第1図は本発明の第1実施例の回路図である。以下、
その回路構成について説明する。直流電源V1とスイッチ
ング素子Q1,Q2、インダクタL、コンデンサC1,C2及び放
電灯RLを含む主回路の構成は、第6図又は第10図に示し
た従来例と同様であるので、重複する説明は省略する。
また、点灯判別器Bは、第10図に示した従来例の電圧Vd
に相当する出力VDETを発生するように構成されている。
本実施例にあっては、3つの発振器OSC1〜OSC3を備え
ている。第1の発振器OSC1は第2の発振器OSC2に与える
制御電圧Vcを周期的に変化させるための発振器である。
第2の発振器OSC2は、第1の発振器OSC1の出力電圧に応
じて発振周波数fcがf1〜f2の範囲で変化する電圧制御型
の発振器である。第3の発振器OSC3は、点灯時の周波数
f3を発振する発振器である。発振器OSC3の発振出力はア
ンド回路AND3の一方の入力とされており、発振器OSC2の
発振出力はアンド回路AND4の一方の入力とされている。
アンド回路AND3の他方の入力には、点灯判別器Bの出力
VDETが供給されており、アンド回路AND4の他方の入力に
は、点灯判別Bの出力VDETを否定回路INV2により反転し
た信号が入力されている。アンド回路AND3,AND4の出力
は、オア回路ORを介して分周器DIVに入力されている。
分周器DIVの第1及び第2の分周出力は、それぞれ駆動
回路DR1,DR2を介してスイッチング素子Q1,Q2の制御電極
に供給されている。
第2図は本実施例の動作波形図であり、発振器OSC1か
ら得られる制御電圧Vcと、発振器OSC2の発振周波数fc
と、発振器OSC3の発振周波数f3と、点灯判別器Bの出力
VDETと、オア回路ORの出力周波数fと、放電灯RLの両端
電圧VRLの関係を示している。電源投入時においては、
点灯判別器Bの出力VDETは“Low"レベルであるから、ア
ンド回路AND3は信号通過禁止状態であり、アンド回路AN
D4は信号通過可能状態である。したがって、オア回路OR
の出力周波数fは、発振器OSC2の発振周波数fcで決定さ
れる。この発振周波数fcは、発振器OSC1で決まる一定期
間毎に共振点に近い周波数f2に低下し、その度に、放電
灯RLの両端電圧VRLは高くなる。これによって、放電灯R
Lには始動用の高電圧パルスが周期的に与えられる。こ
の高電圧パルスにより放電灯RLが点灯すると、点灯判別
器Bの出力VDETは“High"レベルとなるので、アンド回
路AND3は信号通過可能状態となり、アンド回路AND4は信
号通過禁止状態となる。したがって、オア回路ORの出力
周波数fは、発振器OSC3の発振周波数f3で決定される。
本実施例にあっては、発振器OSC1から出力される制御
電圧Vcを第2図に示すような鋸歯状波としたので、発振
器OSC2の発振周波数fcは、周波数f1から周波数f2に急速
に変化し、周波数f2から周波数f1には緩慢に変化する。
したがって、周波数f1から周波数f2に緩慢に変化させる
従来例2に比べると、放電灯RLの両端電圧VRLが高電圧
となる期間は短くなり、回路損失は減少する。また、周
波数f2から周波数f1への変化は、共振回路に蓄積された
エネルギーの減衰速度に合わせて緩慢に行われるので、
共振回路の自由振動に起因する進相モードは生じない。
[実施例2] 第3図は本発明の第2実施例の回路図である。本実施
例は、第10図に示した従来例に、オペアンプAMP2と抵抗
R14及びダイオードD2を付加したものである。オペアン
プAMP2は、入力インピーダンスが高く、出力インピーダ
ンスが低く、ゲインが1のインピーダンス変換用のアン
プである。放電灯RLが点灯状態でないとき、点灯判別器
Bの出力インピーダンスは高く、コンデンサCpの電圧Vp
は低周波発振器Cにより制御される。低周波発振器Cの
出力電圧が低くなると、コンデンサCpはダイオードD2
介して急速に放電されるので、その電圧Vpは急速に低下
する。したがって、高周波発振器Aの発振周波数fは周
波数f1から周波数f2に急速に低下する。また、低周波発
振器Cの出力電圧が高くなると、コンデンサCpは抵抗R
14を介して緩慢に充電されるので、その電圧Vpは緩慢に
上昇する。したがって、高周波発振器Aの発振周波数f
は周波数f2から周波数f1に緩慢に変化する。その他の動
作については、第11図に示す従来例と同様である。
本実施例にあっては、このように、従来例に若干の回
路部品を追加するだけで、本発明を容易に実施すること
ができる。
[実施例3] 第5図は本発明の第3実施例の回路図である。以下、
その回路構成について説明する。直流電源V1とスイッチ
ング素子Q1,Q2、インダクタL、コンデンサC1,C2及び放
電灯RLを含む主回路の構成は、第6図又は第10図に示し
た従来例と同様であるので、重複する説明は省略する。
また、点灯判別器Bは放電灯RLが点灯状態であるか否か
を判別できる回路であれば任意の回路を使用できる。こ
の点灯判別器Bの出力は、切替スイッチSWの制御信号と
されている。放電灯RLが点灯状態でないと判定されたと
きには、切替スイッチSWは端子a側に接続され、放電灯
RLが点灯状態であると判定されたときには、切替スイッ
チSWは端子b側に接続される。端子a側には発振器OSC
が接続されており、端子b側には基準電圧Vrが接続され
ている。発振器OSCは、実施例1で説明した発振器OSC1
と同じであり、第2図に示すような鋸歯状波の制御電圧
Vcを発生する。
この制御電圧Vcは単安定マルチバイブレータMMのパル
ス幅を制御する電圧となり、制御電圧Vcが上昇すると、
パルス幅は広くなる。単安定マルチバイブレータMMの出
力Qは、アンド回路AND1,AND2の一方の入力とされると
共に、TフリップフロップFFのトリガー入力Tとされて
いる。TフリップフロップFFの出力Q及び否定出力に
は、トリガー入力Tを1/2の周波数に分周した出力が得
られる。これらの出力はアンド回路AND3,AND4の一方の
入力とされている。アンド回路AND3,AND4の他方の入力
には、それぞれ検出器ZD2,ZD1の出力が供給されてい
る。アンド回路AND3,AND4の出力は、それぞれアンド回
路AND1,AND2の他方の入力とされると共に、オア回路OR
を介して単安定マルチバイブレータMMのトリガー入力と
されている。そして、アンド回路AND1,AND2の出力は、
それぞれ駆動回路DR1,DR2を介してスイッチング素子Q1,
Q2の制御電極に供給されている。
本実施例にあっては、進相モードとなったときに、2
つのスイッチング素子Q1,Q2が同時にオンすることを防
止するために、検出器ZD1,ZD2とアンド回路AND3,AND4よ
りなる同時オン防止回路を備えている。検出器ZD1は、
電流トランスを介してスイッチング素子Q1に流れる逆方
向電流を検出しており、この検出器ZD1の出力は、スイ
ッチング素子Q1に逆方向電流が流れたときにのみ“Low"
レベルとなる。同様に、検出器ZD2は電流トランスを介
してスイッチング素子Q2に流れる逆方向電流を検出して
おり、この検出器ZD2の出力は、スイッチング素子Q2
逆方向電流が流れたときにのみ“Low"レベルとなる。
以下、本実施例の動作について説明する。単安定マル
チバイブレータMMは、オア回路ORの出力の立ち上がりで
トリガーされる。そして、一定期間が経過して、この単
安定マルチバイブレータMMの出力Qが立ち下がると、T
フリップフロップFFの出力が反転する。今、Tフリップ
フロップFFの否定出力が“High"レベルから“Low"レ
ベルに反転し、出力Qが“Low"レベルから“High"レベ
ルに反転したとすると、アンド回路AND2の出力は、単安
定マルチバイブレータMMの出力Qの立ち下がりのタイミ
ングで、“High"レベルから“Low"レベルに変化する。
このため、スイッチング素子Q2は順方向電流を阻止する
状態となるが、このとき、スイッチング素子Q1に逆方向
電流が流れていれば、遅相モードであり、スイッチング
素子Q1に直ちにオン信号を与えても同時オンは生じな
い。この場合には、検出器ZD2の出力は“High"レベルで
あるので、アンド回路AND3の出力は“High"レベルとな
り、オア回路ORを介して単安定マルチバイブレータMMが
トリガーされる。これによって、単安定マルチバイブレ
ータMMの出力Qが一定期間は“High"レベルとなり、そ
の間、アンド回路AND1の出力が“High"レベルとなっ
て、スイッチング素子Q1にオン信号が与えられる。
一方、上述のように、アンド回路AND2の出力が“Hig
h"レベルから“Low"レベルに変化したときに、スイッチ
ング素子Q2に逆方向電流が流れている場合には、進相モ
ードであり、スイッチング素子Q1に直ちにオン信号を与
えると、同時オンの現象が生じる。この場合には、検出
器ZD2の出力は“Low"レベルであるので、アンド回路AND
3の出力は“Low"レベルとなり、単安定マルチバイブレ
ータMMはトリガーされない。その後、スイッチング素子
Q2の逆方向電流が停止し、他方のスイッチング素子Q1
逆方向電流が流れる状態になると、検出器ZD2の出力は
“High"レベルとなるので、このタイミングでアンド回
路AND3の出力は“High"レベルとなり、単安定マルチバ
イブレータMMがトリガーされる。これによって、単安定
マルチバイブレータMMの出力Qが一定期間は“High"レ
ベルとなり、その間、アンド回路AND1の出力が“High"
レベルとなって、スイッチング素子Q1にオン信号が与え
られる。したがって、進相モードとなることを防止する
ことができ、2つのスイッチング素子Q1,Q2が同時にオ
ンすることはない。
以上の動作は、スイッチング素子Q1がオンされるタイ
ミングを、アンド回路AND3と検出器ZD2により制御する
場合について説明したが、スイッチング素子Q2がオンさ
れるタイミングをアンド回路AND4と検出器ZD1により制
御する場合にも同様に成り立つことは言うまでもない。
さて、このような同時オン防止回路を備えるインバー
タ装置において、単安定マルチバイブレータMMのパルス
幅を外部から与えられる制御電圧Vcによって可変とした
ことが本実施例の特徴である。電源投入時には、放電灯
RLは点灯状態でないから、切替スイッチSWは端子a側に
接続されており、発振器OSCから出力される鋸歯状波の
制御電圧Vcによって単安定マルチバイブレータMMのパル
ス幅が制御される。制御電圧Vcが高いときには、単安定
マルチバイブレータMMのパルス幅は狭く、発振周波数f
は第1の周波数f1となる。そして、制御電圧Vcが急速に
低下すると、単安定マルチバイブレータMMのパルス幅は
急速に広くなり、発振周波数fは第2の周波数f2に急速
に変化する。その後、制御電圧Vcが緩慢に上昇すると、
単安定マルチバイブレータMMのパルス幅は緩慢に狭くな
り、発振周波数fは第1の周波数f1に緩慢に変化する。
したがって、放電灯RLには周期的に高電圧パルスが与え
られる。この高電圧パルスにより放電灯RLが始動して、
点灯状態になると、切替スイッチSWは端子b側に接続さ
れ、単安定マルチバイブレータMMのパルス幅は基準電圧
Vrで決まる一定値となり、発振周波数fは点灯時の周波
数f3となる。
この実施例にあっては、アンド回路AND3,AND4と検出
器ZD1,ZD2よりなる同時オン防止回路を備えているの
で、第2の周波数f2から第1の周波数f1に戻るときの周
波数変化速度を他の実施例の場合に比べて速くすること
が可能となり、回路損失を一層減少させることができる
ものである。
なお、上記各実施例において、スイッチング素子Q1,Q
2はパワーMOSFETに限定されるものではなく、バイポー
ラトランジスタに逆並列ダイオードを付加したものであ
っても良く、一般に逆方向電流を阻止しない半導体スイ
ッチ素子であれば使用できる。
また、インバータ装置の回路構成についても、実施例
で例示したような変形ハーフブリッジ回路には限定され
ず、ハーフブリッジ回路やフルブリッジ回路等であって
も良く、共振型のインバータ装置であれば、本発明を適
用できる。ここで、フルブリッジ回路とは、第1及び第
2のスイッチング素子の直列回路と、第3及び第4のス
イッチング素子の直列回路が、直流電源に並列的に接続
され、第1及び第2のスイッチング素子の接続点と第3
及び第4のスイッチング素子の接続点との間に負荷を含
むLC共振回路が接続された回路であり、LC共振回路に交
互に逆極性の電圧が印加されるように、第3のスイッチ
ング素子は第2のスイッチング素子と同時にオン・オフ
され、第4のスイッチング素子は第1のスイッチング素
子と同時にオン・オフされる。また、ハーフブリッジ回
路とは、フルブリッジ回路における第3及び第4のスイ
ッチング素子をそれぞれコンデンサに置き換えた回路で
ある。
[発明の効果] 本発明にあっては、いわゆる共振型のインバータ装置
を用いて放電灯を点灯させる放電灯点灯装置において、
放電灯が点灯状態でないと判別されたときに、スイッチ
ング素子の動作周波数を、共振回路の共振周波数よりも
高い第1の周波数と、共振周波数よりも高く第1の周波
数よりも低い第2の周波数とに交互に切り替えて放電灯
に始動用の高電圧を与える際に、第1の周波数から第2
の周波数に変化させるときには、周波数を急速に変化さ
せるようにしたから、周波数を緩慢に変化させる場合に
比べると、回路損失が少なくなるという効果があり、第
2の周波数から第1の周波数に戻すときには、周波数を
緩慢に変化させるようにしたから、共振回路の自由振動
に起因する進相モードを防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例の回路図、第2図は同上の
動作波形図、第3図は本発明の第2実施例の回路図、第
4図は同上の動作波形図、第5図は本発明の第3実施例
の回路図、第6図は従来例の回路図、第7図は同上の共
振特性を示す図、第8図及び第9図は同上の動作波形
図、第10図は他の従来例の回路図、第11図は同上の動作
波形図である。 V1は直流電源、Q1,Q2はスイッチング素子、Lはインダ
クタ、C1,C2はコンデンサ、RLは放電灯、Bは点灯判別
器、OSC1〜OSC3は発振器である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】逆方向電流を阻止しない第1及び第2のス
    イッチング素子の直列回路を直流電源に並列的に接続
    し、第1及び第2のスイッチング素子を交互にオン・オ
    フ駆動する駆動回路を備え、インダクタとコンデンサ及
    び放電灯を含み第1及び第2のスイッチング素子の接続
    点に得られる電圧により励振される共振回路を備える放
    電灯点灯装置であって、放電灯が点灯状態であるか否か
    を判別する点灯判別器と、放電灯が点灯状態でないと判
    別されたときにスイッチング素子の動作周波数を、共振
    回路の共振周波数よりも高い第1の周波数と、共振周波
    数よりも高く第1の周波数よりも低い第2の周波数とに
    交互に切り替える周波数制御手段とを備え、第2の周波
    数から第1の周波数への移行速度は、第1の周波数から
    第2の周波数への移行速度に比べて十分に遅く設定され
    ていることを特徴とする放電灯点灯装置。
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