JP2878259B1 - 三次元繊維構造体及びその製造方法 - Google Patents

三次元繊維構造体及びその製造方法

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JP2878259B1
JP2878259B1 JP10040027A JP4002798A JP2878259B1 JP 2878259 B1 JP2878259 B1 JP 2878259B1 JP 10040027 A JP10040027 A JP 10040027A JP 4002798 A JP4002798 A JP 4002798A JP 2878259 B1 JP2878259 B1 JP 2878259B1
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Abstract

【要約】 【課題】 他の複合材との接着性が向上し、接着部での
応力集中が起こり難い複合材の骨格材として好適な三次
元繊維構造体を提供する。 【解決手段】 三次元繊維構造体Wは一端側がテーパー
状に形成されている。三次元繊維構造体Wは配向角0°
で折り返し状に配列された第1の面内配列糸xと、配向
角90°で折り返し状に配列された第2の面内配列糸y
と、配向角±45°で折り返し状に配列されたバイアス
糸B1 ,B2 とにより、互いに平行な糸層が形成されて
いる。厚さ方向糸zは各糸層と直交する方向に配列され
るとともに、抜け止め糸Pにより抜け止めされて各糸層
を結合している。各面内配列糸x,y及びバイアス糸B
1 ,B2 はその存在比率が三次元繊維構造体Wの厚さに
関係なく所定の比率となるように折り返し位置が設定さ
れている。テーパー部Tの斜面側の最表層を構成する糸
層は、バイアス糸B1 により形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は三次元繊維構造体及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化複合材(FRP複合材)は軽量
の構造材料として広く使用されている。複合材用補強基
材として三次元織物(三次元繊維構造体)がある。この
三次元織物を骨格材として、樹脂あるいは無機物をマト
リックスとした複合材はロケット、航空機、自動車、船
舶及び建築物の構造材として幅広い用途が期待されてい
る。
【0003】しかし、大型で複雑な形状の繊維強化複合
材を1個の三次元繊維構造体を骨格材として製造するの
は、三次元繊維構造体の製造が難しく手間がかかる。そ
こで単純な形状の二次元構造体又は三次元繊維構造体を
骨格材とした構造材と、三次元繊維構造体を骨格材とし
た構造材とを接着結合して使用することが考えられる。
一方、繊維強化複合材の接着結合に際しては、繊維強化
複合材の接合部の形状が、接合部の応力集中に大きな影
響を与えることが知られている(複合材料工学(日科技
連)840〜841頁、845頁)。そして、図16
(a)に示すように、一定厚みの板材71同士を接合し
た場合に比較して、図16(b)に示すように、一定厚
みの板材71と一端が斜状(テーパー状)に形成された
板材72とを接合した場合及び図16(c)に示すよう
に、一端が斜状に形成された板材72同士を接合した場
合の方が応力集中が起こり難い。また、一定厚みの板材
71同士を接合した場合は、接着面のラップ長Lを増し
ても接着能(耐荷重)にほとんど寄与しないが、一端が
斜状に形成された板材72同士を接合した場合は接着面
のラップ長Lを増すことにより接着能が向上する。従っ
て、一端がテーパー状に形成された三次元繊維構造体を
骨格材とした構造材を使用することにより、結合部(接
合部)の特性(強度、応力集中の起こり難さ等)の優れ
た大型の構造材が得られる。
【0004】従来、厚さが順次変化する三次元織物の製
造方法として、例えば、特開平2−191743号公報
には、図17に示す方法が開示されている。この方法で
は、三次元織物の断面形状に対応して複数行、複数列に
張設した経糸X群の行間に経糸Xと直交する状態で緯糸
Yを挿入する工程と、経糸X群の列間に経糸X及び緯糸
Yと直交する状態で垂直糸(厚さ方向糸)Zを挿入する
工程とが繰り返される。そして、製織途中から緯糸Yを
挿入する行数を少なくして三次元織物の厚みを順次薄く
する。また、緯糸Yを挿入する行数を少なくするととも
に表層側の経糸Xを途中から切断して三次元織物の厚み
を順次薄くする。
【0005】特開平1−221559号公報には、異形
断面を有する三次元織物が開示されている。この三次元
織物Wは図18に示すように、三次元織物Wの断面に対
応して配列された多数本の長さ方向糸(経糸)Xと、長
さ方向糸Xの配列幅に応じて幅方向に配列された幅方向
糸(緯糸)Yと、三次元織物Wの厚さ方向に配列された
垂直方向糸zとを備えている。
【0006】また、特開平9−164619号公報に
は、複雑な形状の繊維構造体として、部品形状に対して
層状に配列させた面内方向の繊維と、平面状に形成され
た織物とからなる積層体とを、積層方向に配列された繊
維によって一体化したものが開示されている。即ち、図
19に示すように、繊維構造体73は単純形状部分74
と、折り曲げ部分や凹凸部分などの複雑形状部分75と
に分けられている。単純形状部分74には平面状の織物
76,77が積層され、複雑形状部分75には平面状の
織物76,77の間にプリプレグ(繊維に樹脂を含浸さ
せた素材)78が配置されている。そして、全体が積層
(板厚)方向の繊維79によって一体に結合されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平2−
191743号公報に開示された三次元織物は3軸織物
のため、斜め方向からの力に対する強度が不十分であ
る。また、織機で織る構造のため、先端が尖った形状の
テーパー部を有するものを製造するのは難しい。一方、
特開平1−221559号公報に開示された三次元織物
も3軸織物のため、斜め方向からの力に対する強度が不
十分である。また、垂直糸zの端部が三次元織物の表面
に突出するため、複合材にした場合に表面を滑らかにす
るのが難しいという問題がある。
【0008】また、特開平9−164619号公報に開
示された繊維構造体の場合は、平面状の織物76,77
とプリプレグ78(面内方向の繊維)とを積層方向の繊
維で結合しているので、製作装置及び製作方法が大型化
・複雑化する。
【0009】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その第1の目的は少なくとも一端がテーパ
ー状に形成され、他の複合材との接着性が向上し、接着
部での応力集中が起こり難い複合材の骨格材として好適
な三次元繊維構造体を提供することにあり、第2の目的
はその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため、請求項1に記載の発明では、互いに直交する方
向に折り返し状に配列された第1及び第2の面内配列糸
により形成された複数の糸層と、前記両面内配列糸に対
して交差する方向に折り返し状に配列されたバイアス糸
により形成された複数の糸層と、前記各糸層と直交する
方向に配列されて前記各糸層を結合する厚さ方向糸とを
含む三次元繊維構造体であって、少なくともその一端側
がテーパー状に薄くなるように、かつ前記各面内配列糸
及びバイアス糸の存在比率が三次元繊維構造体の厚さに
関係なく所定の比率となるように形成されている。
【0011】請求項2に記載の発明では、前記バイアス
糸は前記第1及び第2の面内配列糸に対してほぼ±45
°の角度で交差するように配列されている。請求項3に
記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明に
おいて、前記テーパー状の部分の少なくとも一方の最表
層を構成する糸層は、テーパー状の部分の基端に連続す
る部分の最表層を構成する同じ糸層がテーパー状の部分
の最先端まで配列されている。
【0012】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれか一項に記載の発明において、最表層を
構成する糸層はバイアス糸により形成されている。前記
第2の目的を達成するため、請求項5に記載の発明で
は、厚さ方向糸の挿入区域と対応する領域を囲むように
規制部材を所定ピッチで配置可能な枠体と、該枠体の内
側の所定位置に所定ピッチで規制部材を支持可能な支持
体とを備えた治具を使用し、三次元繊維構造体のテーパ
ー部と対応する枠体の内側の所定位置に所定ピッチで規
制部材を立設支持した状態で、互いに直交する方向に折
り返し状に配列される第1及び第2の面内配列糸と、両
面内配列糸に対して交差する方向に折り返し状に配列さ
れるバイアス糸とを所定の規制部材と係合して折り返す
ように所定の順序で配列して形成した糸層とを所定数積
層して4軸配向となる積層糸群を形成した後、前記積層
糸群を前記枠体に保持した状態で、1列に配置された複
数の厚さ方向糸挿入針を厚さ方向糸とともに積層糸群に
一斉にかつ厚さ方向糸の保持部が積層糸群の外側に出る
まで突き刺し、厚さ方向糸挿入針の突出側に厚さ方向糸
のループを形成する工程と、前記ループに抜け止め糸を
厚さ方向糸挿入針の配列方向に沿って挿通する工程と、
前記ループに抜け止め糸が挿通された後、厚さ方向糸挿
入針を引き戻して積層糸群を締付ける工程とを繰り返し
て厚さ方向糸を所定の挿入領域に挿入し、その後、積層
糸群を前記治具から取り外すようにした。
【0013】従って、請求項1に記載の発明の三次元繊
維構造体は5軸の構成で、面内配列糸及びバイアス糸の
存在比率がテーパー状部においても所定比率となってお
り、応力集中を起こさない配列に構成できるため、板厚
の薄い部分においても強度が強くなる。また、複合材を
構成して他の複合材と接着して使用するときに、接合部
の応力集中が抑制される。
【0014】請求項2に記載の発明では、バイアス糸は
第1及び第2の面内配列糸に対してほぼ±45°の角度
で交差するように配列されているため、他の角度で配列
した場合に比較して、斜め方向からの力に対して最も有
効に機能する。
【0015】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、テーパー状の部分の最
表層を構成する糸層は、同じ糸層で形成されているた
め、複合材を形成した場合にテーパー状の部分の表面を
滑らかに形成し易くなる。
【0016】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれか一項に記載の発明において、最表層が
バイアス糸による糸層で形成されるため、第1及び第2
の面内配列糸による糸層で形成した場合と比較して、配
列糸の密度が高くなり、表面の平滑性が向上する。ま
た、最小の積層構成として、プラス方向とマイナス方向
の2層のバイアス糸層で成り立つため、先端を非常に薄
くすることができ、接着効果を向上させることができ
る。
【0017】請求項5に記載の発明では、枠体の所定位
置及び枠体の内側の三次元繊維構造体のテーパー部と対
応する所定位置に所定ピッチで規制部材を立設支持した
状態で、第1の面内配列糸、第2の面内配列糸及びバイ
アス糸が配列される。各糸が所定の規制部材と係合して
折り返すように所定の順序で配列されて、4軸配向とな
る積層糸群が形成される。その積層糸群が枠体に保持さ
れた状態で、1列に配置された厚さ方向糸挿入針が積層
糸群に挿通され、厚さ方向糸が積層糸群に折り返し状に
挿入されてそのループに抜け止め糸が挿通される。次に
厚さ方向糸挿入針が引き戻されて積層糸群の締付けと、
厚さ方向糸の抜け止めとがなされる。厚さ方向糸が所定
の挿入区域に挿入された後、積層糸群が治具から取り外
されて三次元繊維構造体が完成する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図1〜図13に従って説明する。図2に示すよ
うに三次元繊維構造体Wは厚さが一定の板材の一端側
を、先端に向かってテーパー状に形成した外形形状に形
成されている。図1に示すように、三次元繊維構造体W
は第1の面内配列糸x、第2の面内配列糸y、バイアス
糸B1 ,B2 、厚さ方向糸z及び抜け止め糸Pにより構
成されている。第1の面内配列糸xは三次元繊維構造体
Wの長手方向と平行に延びるように配向角0°で折り返
し状に配列され、第2の面内配列糸yは配向角90°で
折り返し状に配列されている。即ち、両面内配列糸x,
yは互いに直交する方向に折り返し状に配列され、それ
ぞれ互いに平行な糸層を形成している。なお、配向角と
は糸が三次元繊維構造体Wの長手方向となす角度を意味
する。
【0019】バイアス糸B1 ,B2 は両面内配列糸x,
yに対して交差する方向、即ち三次元繊維構造体Wの長
手方向及び幅方向の両方向と交差するように折り返し状
に配列され、それぞれ互いに平行な糸層を形成してい
る。この実施の形態ではバイアス糸B1 ,B2 は両面内
配列糸x,yに対してほぼ±45°の角度で交差するよ
うに配列されている(配向角±45°)。従来技術と異
なり、特定方向に配列される糸のみを除去してテーパー
部の厚さを変えるのではなく、各面内配列糸x,y及び
バイアス糸B1 ,B2 はその存在比率が三次元繊維構造
体Wの厚さに関係なく所定の比率となるように折り返し
位置が設定されている。
【0020】この実施の形態では三次元繊維構造体Wの
テーパー状の部分(テーパー部)T以外の部分の糸層が
22層となるように形成されている。第2層P2、第4
層P4、第6層P6、第8層P8、第10層P10、第
13層P13、第15層P15、第17層P17、第1
9層P19及び第21層P21が第1の面内配列糸xで
形成され、第3層P3、第9層P9、第14層P14及
び第20層P20が第2の面内配列糸yで形成されてい
る。また、第1層P1、第7層P7、第16層P16及
び第22層P22がバイアス糸B1 で形成され、第5層
P5、第11層P11、第12層P12及び第18層P
18がバイアス糸B2 で形成されている。即ち、この実
施の形態では各糸層は三次元繊維構造体Wの厚さ方向の
中立面に対してほぼ鏡面対称に配置されている。
【0021】テーパー部Tの斜面側の最表層を構成する
糸層は、テーパー部Tの基端に連続する部分の最表層を
構成する同じ糸層がテーパー部Tの最先端まで配列され
ている。この実施の形態ではバイアス糸層により最表層
が形成されている。また、各糸層を構成する糸は、それ
ぞれ連続する1本の糸で形成されている。
【0022】厚さ方向糸zは所定数積層された各糸層と
直交する方向に配列されて、前記各糸層を結合してい
る。厚さ方向糸zは三次元繊維構造体Wの表面側(図1
の上側)で折り返すように底面側から挿入されるととも
に、三次元繊維構造体Wの表面側において幅方向に配列
された抜け止め糸Pにより抜け止めされている。厚さ方
向糸zが抜け止め糸Pと共同で各糸層を締め付けること
により、各糸層が結合されている。
【0023】なお、各糸を構成する繊維の材質としては
複合材の用途に応じてカーボン繊維、ガラス繊維、セラ
ミック繊維、ポリアラミド繊維等種々のものが使用され
る。この実施の形態においては、各糸としてカーボン繊
維のロービング(トウ)が使用されている。ロービング
(トウ)とは細い単繊維のフィラメントを多数本束ねた
実質無撚りの繊維束を意味する。従って、図1では糸の
長さ方向と直交する断面の形状を便宜上円として表して
いるが、実際は積層糸群Fとして積層された状態では扁
平な楕円となる。
【0024】次に前記のように構成された三次元繊維構
造体Wの製造に使用する治具の構成を説明する。この治
具は三次元繊維構造体Wの形状に対応した積層糸群の配
列と、配列された積層糸群への厚さ方向糸zの挿入時に
おける積層糸群の保持とに使用される。
【0025】図3及び図4に示すように、治具1は支持
体としての支持ベース2と、支持ベース2上に載置され
る枠体3と、枠体3内に配置される押圧補助部材4とか
ら構成されている。枠体3は製造する積層糸群の外形形
状に対応した形状(この実施の形態では長方形状)に形
成され、厚さ方向糸zの挿入区域と対応する領域を囲む
ように、規制部材としてのピン5が所定ピッチで取り外
し可能に配置されている。支持ベース2には枠体3が支
持ベース2上の所定位置に配置された状態で、枠体3の
内側の所定位置に所定ピッチで規制部材としてのパイプ
6を取り外し可能に立設支持する孔2aが多数形成され
ている。
【0026】押圧補助部材4は所定間隔で平行に配設さ
れた複数の支持板7を備えている。そして、両面内配列
糸x,y及びバイアス糸B1 ,B2 を配列する際には、
図3に示すように治具1は、所定位置にパイプ6が立設
された支持ベース2上に枠体3が配置されるとともに、
枠体3の内側に押圧補助部材4が配置されて使用され
る。この状態ではパイプ6は、隣接する支持板7間ある
いは支持板7と枠体3の内面との間に配置された状態と
なる。押圧補助部材4は治具1上に配列された積層糸群
への厚さ方向糸zの挿入時に、積層糸群を押圧する役割
を果たす。
【0027】次に治具1上に形成された積層糸群に厚さ
方向糸zを複数本ずつ同時に挿入して、三次元繊維構造
体Wを製造する厚さ方向糸挿入装置を説明する。図10
に示すように、厚さ方向糸挿入装置10は枠体3上に形
成された積層糸群Fをその厚さ方向が水平となるように
保持し、厚さ方向糸zを積層糸群Fの幅方向(図10の
上下方向)に沿って1列ずつ同時に挿入するようになっ
ている。
【0028】図5は厚さ方向糸挿入装置の一部破断概略
平面図、図6は同じく一部破断概略側面図である。図5
及び図6に示すように、厚さ方向糸挿入装置10のベー
スプレート(基板)11上にはその前側(図6の左側)
に一対のレール12が左右方向(図6の紙面と垂直方
向)に延設され、レール12に沿って支持テーブル13
が摺動可能に支持されている。支持テーブル13は、ベ
ースプレート11上に支持されたモータ14によって駆
動されるボールネジ機構15により、レール12に沿っ
て往復動される。ボールネジ機構15はベルト伝動機構
16を介して駆動される。
【0029】支持テーブル13上には保持装置を構成す
る一対の支持ブラケット17が突設されている。各支持
ブラケット17にはその上部及び下部後面に、所定の間
隔をおいて枠体3を固定するボルトが螺合するネジ穴
(いずれも図示せず)が形成されている。枠体3はその
コーナー部にボルト挿通孔3a(図2,図10等に図
示)が形成されている。支持ブラケット17はボルト挿
通孔3aを貫通するボルトにより、枠体3をその上に形
成された積層糸群Fとともに保持する。モータ14によ
るボールネジ機構15の回転駆動により、支持テーブル
13が枠体3とともにレール12に沿って所定ピッチず
つ移動可能になっている。
【0030】ベースプレート11には支持テーブル13
より後側に一対のブラケット18(一方のみ図示)が立
設され、両ブラケット18間には一対のガイドロッド1
9がレール12と平行に架設されている。ガイドロッド
19には支持プレート20がブラケットを介して摺動可
能に支持され、支持プレート20は一方のブラケット1
8に固定されたエアシリンダ21の作動により所定の距
離を往復移動可能となっている。
【0031】支持プレート20の前後両端には一対の支
持ブラケット22が立設され、支持ブラケット22の第
1端部寄りには上下一対のガイドロッド23(図6に図
示)が平行に架設されている。両ガイドロッド23の間
には両支持ブラケット22を貫通する状態でボールネジ
24が回動可能に支持されている。両ガイドロッド23
には移動体25が摺動可能に支持され、移動体25には
ボールネジ24と螺合するボールナット26が固定され
ている。ボールネジ24は駆動モータ27によりベルト
伝動機構28を介して正逆回転駆動される。
【0032】移動体25の前端には針支持体29が固定
され、その前部に厚さ方向糸挿入針(以下、単に挿入針
という)30がパイプ6の配列ピッチと対応する所定ピ
ッチで1列に水平に固定されている。針支持体29は前
側の支持ブラケット22に形成された孔22a(図6に
図示)を貫通する状態で配設されている。そして、駆動
モータ27の作動により針支持体29は挿入針30が支
持ブラケット17に保持された積層糸群Fと係合不能な
待機位置と、針孔30a(図10に図示)が積層糸群F
の反対側となる位置まで積層糸群Fを貫通する作用位置
とに移動される。
【0033】支持ブラケット22の第2端部寄りには上
下一対の支持ロッド31が支持ブラケット22を貫通し
た状態で摺動可能に支持されている。支持プレート20
には後側の支持ブラケット22寄りに、ブラケット32
を介してエアシリンダ33が前後方向に延びるように水
平に固定されている。両支持ロッド31は後端側が連結
板34を介して互いに連結され、連結板34がエアシリ
ンダ33のピストンロッド33aに連結されている。両
支持ロッド31の前端には穿孔針支持体35が固定さ
れ、穿孔針支持体35には穿孔針36が挿入針30と対
応した所定ピッチで1列に固定されている。穿孔針36
の列はエアシリンダ21の作動時における支持プレート
20の移動距離と等しい間隔を保って挿入針30の列と
平行に配置されている。エアシリンダ33の作動により
穿孔針支持体35は穿孔針36が支持ブラケット17に
保持された積層糸群Fと係合不能な待機位置と、積層糸
群Fを貫通する作用位置とに移動される。
【0034】図5に示すように、ベースプレート11上
には前側の支持ブラケット22の近傍にエアシリンダ3
7が前後方向に延びるように水平に配設され、そのピス
トンロッド37aの先端にブラケット38を介して押圧
部材39が固定されている。図10及び図11に示すよ
うに、押圧部材39は挿入針30列の配列方向に沿って
延びる断面L字状の支持部39aを備え、支持部39a
には挿入針30列の配列方向と直交する方向に延びる凹
部40が平行に所定ピッチで形成されている。押圧部材
39は凹部40で治具1の支持板7と係合して支持板7
を位置決めする。押圧部材39は枠体3の内側の幅より
若干短く形成され、枠体3と係合せずに支持板7を介し
て積層糸群Fを押圧可能となっている。
【0035】押圧部材39は支持ブラケット17に保持
された積層糸群Fに対して挿入針30及び穿孔針36の
待機位置側に配設され、挿入針30列の挿入位置近傍に
おいて挿入針30列の移動方向に沿って移動可能に配設
されている。エアシリンダ37の作動により押圧部材3
9は支持ブラケット17に保持された積層糸群Fを、挿
入針30列の前進側へ支持板7を介して押圧する作用位
置と、積層糸群Fと係合不能な待機位置とに移動され
る。
【0036】図5及び図6に示すように、ベースプレー
ト11上にはエアシリンダ41,42が前後方向に延び
るようにブラケット43を介して固定されている。各エ
アシリンダ41,42のピストンロッド41a,42a
の先端には、対を成すプレスプレート44,45が固定
されている。両プレスプレート44,45は平面L字状
に形成されるとともに押圧部材39と同じ長さに形成さ
れている。両プレスプレート44,45は積層糸群Fと
の接触部の幅が隣接するピン5及びパイプ6の間隔より
狭く形成されている。両プレスプレート44,45は挿
入針30又は穿孔針36と対向する位置で、支持板7と
直交する状態で支持板7と共同して積層糸群Fを押圧す
るように互いに近接して配設されている。エアシリンダ
41,42の作動により、各プレスプレート44,45
は積層糸群Fを針列の後退側へ押圧する作用位置と、積
層糸群Fと係合不能な待機位置とに移動される。
【0037】また、ベースプレート11及び支持テーブ
ル13には、支持ブラケット17に保持された積層糸群
Fの下端と対応する位置に孔11a,13aが形成され
ている。そして、挿入針30列が積層糸群Fを貫通する
位置と対応する位置に、抜け止め糸挿通用針(以下、単
に抜け止め糸針という)46が挿入針30列の配列方向
に沿って移動可能に配設されている(図6及び図10に
その先端部を図示)。抜け止め糸針46は先端にベラを
有し、図示しない駆動装置により往復動されて、作用位
置に配置されたときの挿入針30列に連なる厚さ方向糸
zのループを貫通する作用位置と、積層糸群Fと対応す
る位置から退避した待機位置とに配置されるようになっ
ている。厚さ方向糸挿入装置10は基本的には特開平8
−218249号公報に開示されたものと同様に構成さ
れている。
【0038】次に前記のように構成された治具1及び厚
さ方向糸挿入装置10を使用して一端側がテーパー状に
形成された平板状の三次元繊維構造体Wを製造する方法
を説明する。
【0039】先ず図3に示すように、三次元繊維構造体
Wのテーパー部Tと対応する領域にパイプ6を立設した
治具1を使用して積層糸群Fを形成する。図7(a)に
示すように、バイアス糸B1 が45°の配向角でピン5
及びパイプ6と係合して折り返すように配列されて、バ
イアス糸層としての第1層P1が形成される。第1層P
1は三次元繊維構造体Wの底部側の表面を構成する。次
に図7(b)に示すように、第1の面内配列糸xが0°
の配向角でピン5及びパイプ6と係合して折り返すよう
に配列されて、第1の面内配列糸層としての第2層P2
が形成される。第2層P2を形成する第1の面内配列糸
xは第1層P1を形成するバイアス糸B1 より手前で折
り返される。
【0040】次に図7(c)に示すように、第2の面内
配列糸yが90°の配向角でピン5と係合して折り返す
ように配列されて、第2の面内配列糸層としての第3層
P3が形成される。次に図7(d)に示すように、第1
の面内配列糸xが0°の配向角でピン5及びパイプ6と
係合して折り返すように配列されて、第1の面内配列糸
層としての第4層P4が形成される。第4層P4の第1
の面内配列糸xは第1層P1の配列時にバイアス糸B1
が折り返すパイプ6より1ピッチ分テーパー部Tの端部
側寄り(図7の右側寄り)に配置されたパイプ6と係合
して折り返される。次に図7(e)に示すように、バイ
アス糸B2 が−45°の配向角でピン5及びパイプ6と
係合して折り返すように配列されて、バイアス糸層とし
ての第5層P5が形成される。第5層P5のバイアス糸
B2 は第4層P4の第1の面内配列糸xが折り返すパイ
プ6より1ピッチ分テーパー部Tの端部側寄りに配置さ
れたパイプ6と係合して折り返される。
【0041】以下、同様にして図1に示すように、第1
の面内配列糸x、バイアス糸B1 、第1の面内配列糸
x、第2の面内配列糸y、第1の面内配列糸x、バイア
ス糸B2 の順で各糸が配列されて第6層P6〜第11層
P11が形成される。各面内配列糸x,y及びバイアス
糸B1 ,B2 は設計された所定位置と対応する位置のピ
ン5又はパイプ6と係合して折り返すように配列され
る。
【0042】その後、同様にして第12層P12〜第2
2層P22までが形成されて積層糸群Fが形成される。
第12層P12〜第22層P22の各糸層を構成する面
内配列糸x,y及びバイアス糸B1 ,B2 は、第1層P
1〜第11層P11と、第12層P12〜第22層P2
2とが、テーパー部T以外の箇所において三次元繊維構
造体の厚さ方向の中立面に対してほぼ鏡面対称となる順
序で配列される。
【0043】なお、積層糸群Fの密度を高めるとともに
厚さを調整するため、各糸層の配列が完了するたび、あ
るいは適宜の糸層が形成された時点毎に糸層が上から押
圧部材で押圧されて積層糸群Fが圧縮される。
【0044】全ての糸層の配列終了後、支持ベース2を
取り外し、積層糸群Fにパイプ6が挿通された状態で、
かつ押圧補助部材4が枠体3に装着された状態で、図5
に示すように、枠体3が積層糸群Fとともに支持テーブ
ル13の支持ブラケット17にボルトにより固定され
る。そして、支持テーブル13は積層糸群Fのテーパー
部T側の端部と対応するパイプ6が穿孔針36と対応す
る厚さ方向糸zの挿入開始位置に配置される。なお、図
5に示す支持テーブル13の位置は厚さ方向糸zの挿入
がほとんど終了に近づいた時点における位置である。支
持テーブル13が挿入開始位置に配置され、挿入針3
0、穿孔針36、押圧部材39及びプレスプレート4
4,45が待機位置に配置された状態から積層糸群Fへ
の厚さ方向糸zの挿入作業が開始される。
【0045】先ずエアシリンダ37が作動され、図12
に示すように、押圧部材39が支持板7と係合する作用
位置に配置される。次にエアシリンダ41,42が作動
されて両プレスプレート44,45が作用位置に配置さ
れ、押圧部材39及び両プレスプレート44,45によ
り積層糸群Fは穿孔針36列と対応する箇所が圧縮状態
に保持される。その状態でエアシリンダ33が作動され
て穿孔針36が積層糸群Fを貫通する位置まで前進した
後、元の位置まで後退する。穿孔針36はその前進時に
パイプ6と係合した後、パイプ6を積層糸群Fから押し
出しながら積層糸群Fを貫通する。穿孔針36は支持板
7及び両プレスプレート44,45にガイドされながら
パイプ6の抜き跡に沿って移動し、穿孔針36が多少曲
がっていても穿孔針36は積層糸群Fに対して垂直に挿
通される。積層糸群Fは支持板7及び両プレスプレート
44,45によって押圧されているため、穿孔針36の
前進時に各糸の配列が乱れることはない。積層糸群Fを
構成する繊維が支持板7及び両プレスプレート44,4
5の圧縮作用によりある程度密に配置された状態にある
ため、穿孔針36の抜き跡に孔が形成される。
【0046】次にエアシリンダ21が突出作動されて支
持プレート20とともに穿孔針36列及び挿入針30列
が移動され、挿入針30列が穿孔針36の抜き跡の孔と
対向する位置に配置される。その状態でエアシリンダ4
1が作動されてプレスプレート44が待機位置に配置さ
れた後、駆動モータ27が作動され、挿入針30が前進
して作用位置に配置される。挿入針30は針孔30aが
積層糸群Fの前方に出るまで積層糸群Fに挿通される。
挿入針30が前進端に達した後、駆動モータ27が逆転
されて挿入針30がわずかに後退させられる。その結
果、積層糸群Fから針孔30aに連なる厚さ方向糸zが
抜け止め糸針46の通過を許容するループを形成した状
態となる。
【0047】次に抜け止め糸針46が作動され、抜け止
め糸Pが前記ループに挿通される。その後、駆動モータ
27が逆転されて挿入針30が後退し、積層糸群Fから
離脱して待機位置に配置される。また、エアシリンダ4
1が作動されてプレスプレート44が再び作用位置に配
置される。この状態で張力調整部(図示せず)の作用に
より厚さ方向糸zが引き戻され、積層糸群F内に挿入さ
れた厚さ方向糸zが抜け止め糸Pにより抜け止めされた
状態で締付けられる。次にエアシリンダ21が作動さ
れ、支持プレート20とともに穿孔針36列及び挿入針
30列が初期位置に戻される。また、エアシリンダ3
7,41,42が作動されて押圧部材39及びプレスプ
レート44,45が待機位置に配置される。以上により
厚さ方向糸zの1回の挿入サイクルが完了する。
【0048】次にモータ14が駆動されて支持テーブル
13が厚さ方向糸zの挿入ピッチ分移動され、穿孔針3
6が積層糸群Fへの次回の厚さ方向糸挿入位置と対向す
る状態となる。以下、前記と同様にして順次厚さ方向糸
zの挿入サイクルが実行される。積層糸群Fのテーパー
部T以外の箇所への厚さ方向糸zの挿入時には、当該箇
所にパイプ6が存在しないが、積層糸群Fは支持板7及
び両プレスプレート44,45の圧縮作用によりある程
度密に配置された状態で穿孔針36による穿孔作用を受
ける。従って、穿孔針36の抜き跡に孔が形成され、挿
入針30は孔の部分で積層糸群Fを貫通する。そして、
積層糸群Fを構成する各糸層が厚さ方向糸zにより結合
される。積層糸群Fの厚さ方向糸挿入区域全域への厚さ
方向糸zの挿入が終了した後、各ピン5が枠体3から取
り外されて三次元繊維構造体Wが枠体3から取り外さ
れ、三次元繊維構造体Wの製造が完了する。
【0049】枠体3の第2端部近傍においては押圧部材
39を作用位置に配置すると、押圧部材39が枠体3と
干渉するので押圧部材39による押圧を行わずに厚さ方
向糸zの挿入が行われる。しかし、この時点では積層糸
群Fの厚さ方向糸挿入区域の大部分への厚さ方向糸zの
挿入が完了している。従って、積層糸群Fの大部分は厚
さ方向糸zにより締め付けられた状態にあり、また、厚
さ方向糸zを挿入すべき箇所の近傍に枠体3が位置する
ため、プレスプレート45と枠体3により積層糸群Fが
圧縮状態に保持される。その結果、押圧部材39を介し
た支持板7による積層糸群Fの押圧操作が行われなくて
も、厚さ方向糸zの挿入及び締付けが円滑に行われる。
【0050】なお、図示の都合上、図3,4に示す概略
斜視図及び図7〜9に示す模式断面図と、図10に示す
模式斜視図とは、ピン5及びパイプ6の本数やピッチ等
が異なっている。
【0051】前記のように構成された三次元繊維構造体
Wは繊維強化複合材の強化材(骨格材)として使用さ
れ、マトリックスとして樹脂や無機物が使用される。例
えば、カーボン/カーボン複合材を構成する場合は、三
次元繊維構造体Wに樹脂を含浸、硬化させた後、焼成し
て製作する。そして、繊維強化複合材は他の複合材と接
着剤により接着して使用される。
【0052】例えば、航空機の前脚収納部の扉のヒンジ
部材として、三次元繊維構造体を強化材とした複合材を
使用する場合は、図13に示すように、テーパー部47
aとブロック部47bとを備えた形状の三次元繊維構造
体を形成する。そして、その三次元繊維構造体を骨格材
として複合材47を製作し、プリプレグから形成した板
状の複合材48の所定位置に接着剤を使用して接着す
る。ヒンジの軸(図示せず)の挿通箇所には金属製又は
セラミック製の軸受部材49が装着されている。軸受部
材49を装着するための孔は、三次元繊維構造体の段階
で形成するか、複合材47を製作した後に形成する。
【0053】複合材同士を接着剤で接着する接着継ぎ手
方式では、接合部の強度にテーパー部の角度及び先端部
の厚さが影響を与える。先端部の厚さは応力集中に影響
し、先端部が厚くなるほど応力集中が高くなるため、で
きるだけ薄い方がよい。また、テーパー部の角度は10
°以下であれば接合部の強度が高くなる。
【0054】この実施の形態では以下の効果を有する。 (イ) 三次元繊維構造体Wが5軸構造で、かつ各面内
配列糸x,y及びバイアス糸B1 ,B2 の存在比率がテ
ーパー部Tにおいても所定の比率となっている。従っ
て、この三次元繊維構造体Wを強化材とした複合材は、
厚さが異なる部分においても強度が安定して優れ、他の
複合材との接着部での応力集中が起こり難くなり、接着
強度即ち接着部が耐え得る負荷(荷重)が大きくなる。
【0055】(ロ) 三次元繊維構造体Wを構成するバ
イアス糸B1 ,B2 が、第1及び第2の面内配列糸x,
yに対してほぼ±45°の角度で交差するように配列さ
れている。従って、他の角度で配列した場合に比較し
て、斜め方向からの力に対して最も有効に機能する。
【0056】(ハ) テーパー部Tの最表層を構成する
糸層は、同じ糸層で形成されているため、複合材を形成
した場合にテーパー部Tの表面を滑らかに形成し易くな
る。従って、表面を滑らかにする後加工の手間が不要、
又は少なくなる。
【0057】(ニ) テーパー部Tの厚さを変更するの
に、各糸層を形成する糸を所定の位置で切断するのでは
なく、所定の位置で厚さ方向糸zと係合した状態で折り
返すように配列されているため、各糸の折り返し位置が
所定の位置に位置決めされるとともに糸の真直度が向上
し、複合材としたときの物性が向上する。
【0058】(ホ) 最表層がバイアス糸による糸層で
形成されているため、第1の面内配列糸x又は第2の面
内配列糸yによる糸層で形成した場合と比較して、最表
層に配列された糸の密度が高くなり、表面の平滑性が向
上する。また、最小の積層構成として、プラス方向とマ
イナス方向の2層のバイアス糸層で成り立つため、先端
を非常に薄くすることができ、接着効果を向上させるこ
とができる。
【0059】(ヘ) 各糸層が三次元繊維構造体Wの厚
さ方向の中立面に対してほぼ鏡面対称に配置されている
ため、複合材を形成した際に反りが生じ難くなる。
(ト) 各糸層を構成する糸として、少なくとも当該糸
層内で連続した1本の糸が使用されているため、各糸を
適切な張力を付与した状態で配列するのが容易となり、
複合材としたときの物性の向上に寄与する。
【0060】(チ) 厚さ方向糸zの挿入区域に配列さ
れた規制部材としてパイプ6が使用されているため、積
層糸群Fへの厚さ方向糸zの挿入作業時に、穿孔針36
の先端がパイプ6の孔と係合してパイプ6を積層糸群F
から押し出し易くなる。
【0061】(リ) 枠体3の内側に立設支持されたパ
イプ6が積層糸群Fから押し出された位置に、厚さ方向
糸zが折り返し状に挿入される。そして、積層糸群Fの
中間層を形成するとともにテーパー部Tの途中で折り返
すように配列された糸は、厚さ方向糸zで各糸層が結合
されるまで所定位置に位置決めされるとともに折り返し
部が確実に厚さ方向糸zと係合して位置決めされる。従
って、糸の真直度が向上し、複合材としたときの物性が
向上する三次元繊維構造体Wが得られる。
【0062】(ヌ) 厚さ方向糸zの挿入時に、枠体3
に保持された積層糸群Fが、押圧部材39により位置決
めされた状態で押圧力を受ける支持板7と、プレスプレ
ート44,45とにより押圧される。従って、積層糸群
Fにパイプ6が挿入されている状態においても、積層糸
群Fの必要箇所を押圧することが容易となる。また、支
持板7がガイドとしての役割も果たし、穿孔針36によ
る積層糸群Fの所定位置への孔の形成が容易になる。
【0063】なお、実施の形態は前記に限定されるもの
ではなく、例えば、次のように具体化してもよい。 ○ 三次元繊維構造体Wは互いに直交するX,Y,Zの
3方向と、X及びYの両方向に対して交差する2方向の
合計5軸に糸が配列された構造であればよく、バイアス
糸B1 ,B2 の配向角は±45°以外であってもよい。
【0064】○ 三次元繊維構造体Wを構成する各糸層
を、三次元繊維構造体Wの厚さ方向の中立面に対してほ
ぼ鏡面対称以外の配置としてもよい。例えば、第12層
P12、第16層P16、第18層P18及び第22層
P22を構成するバイアス糸の配向角を、45°、−4
5°、45°、−45°の順にしてもよい。また、互い
に配向角が異なる一組のバイアス糸B1 ,B2 は隣接す
る糸層となるように配列してもよい。
【0065】○ 三次元繊維構造体Wの最表層を配向角
45°のバイアス糸B1 で形成する代わりに、配向角−
45°のバイアス糸B2 で形成したり、バイアス糸B1
,B2 に代えて、第1の面内配列糸x又は第2の面内
配列糸yによって形成してもよい。 ○ 厚さ方向糸zの配列は抜け止め糸Pと共同で各糸層
を締め付ける配列のものに限らず、例えば特開平6−1
84906号公報に開示された繊維構造体のように、チ
ェーンステッチ方式で厚さ方向糸z自身が抜け止め機能
を果たすように各糸層を貫通して締め付ける構成として
もよい。また、厚さ方向糸zが積層糸群Fの表側から裏
側へ挿通される工程と、裏側から表側へ挿通される工程
とが交互に繰り返された配列方法としてもよい。
【0066】○ 三次元繊維構造体Wのテーパー部Tの
最表層を構成する糸層を、テーパー部Tの基端に連続す
る部分の最表層を構成する同じ糸層を形成する糸で形成
せずに、異なる糸層を形成する糸の折り返し部が、テー
パー部Tの斜面に露出する構成でもよい。
【0067】○ 三次元繊維構造体Wの形状は図2に示
すような、テーパー部Tとして斜面部が片側に形成され
形状に限らず、目的とする最終製品の形状に合わせて適
宜変更してもよい。例えば、図14に示すような、斜面
部が両側に形成されたテーパー部Tを片側(一端)に有
する形状や、図15に示すような、斜面部が片側に形成
されたテーパー部Tを両端に有する形状としてもよい。
また、三次元繊維構造体Wの形状は、テーパー部Tの基
端に連続する部分がテーパー部Tの基端と同じ厚さで延
びるものに限らず、テーパー部Tの基端より厚さが増加
する形状としてもよい。
【0068】○ 穿孔針36の直径を支持ベース2に立
設される規制部材の直径と同じに形成し、支持板7の配
列間隔を規制部材の直径と同じにする。この構成では規
制部材は隣接する支持板7間、あるいは枠体3と支持板
7間に挟持される。従って、枠体3が積層糸群Fに挿通
された状態の規制部材とともに支持ベース2から取り外
された状態においても、積層糸群Fに挿通された状態の
規制部材は支持ベース2の孔2aの配列ピッチで所定の
位置に保持される。その結果、規制部材として穿孔針3
6と対向する側の端部が、穿孔針36と係合し易い形状
のパイプ6あるいは凹部が形成された特殊なピンを使用
せずに通常のピンを使用しても、穿孔針36による押し
出しが容易になる。従って、価格の安い通常のピンを使
用でき、製造コストが安くなる。
【0069】○ 積層糸群Fの厚さや繊維の種類によっ
ては穿孔針36による孔開けを行わずに、挿入針30で
規制部材(パイプ6)を積層糸群Fから押し出しなが
ら、規制部材がない部分では積層糸群Fに直接挿入針3
0を挿入して厚さ方向糸zを挿入してもよい。この場合
は穿孔針36及びその駆動装置が不要な分、厚さ方向糸
挿入装置10の構成が簡単になる。
【0070】○ 積層糸群Fに対して挿入針30の突出
側に配置されるプレスプレート44,45は2個一組に
限らず、1個でもよい。1個とする場合はプレスプレー
トが作用位置に配置された状態で挿入針30が積層糸群
Fに挿通されたとき、挿入針30の突出側における厚さ
方向糸zのループの形成に支障を来さない側に配置す
る。
【0071】○ 押圧部材39の凹部40を省略して、
押圧部材39で支持板7の位置決めを行わずに単に支持
板7を押圧してもよい。この場合、押圧部材39製造が
簡単になる。
【0072】前記各実施の形態から把握できる請求項記
載以外の技術的思想(発明)について、以下にその効果
とともに記載する。 (1) 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発
明において、少なくともテーパー状の部分の各糸層を形
成する糸は厚さ方向糸と係合する状態で折り返すように
配列されている。この場合、各糸の折り返し位置が所定
の位置に位置決めされるとともに糸の真直度が向上し、
複合材としたときの物性が向上する。
【0073】(2) 請求項3又は請求項4に記載の発
明において、前記各糸層は三次元繊維構造体の厚さ方向
の中立面に対してほぼ鏡面対称に配置されている。この
場合、複合材を形成した際に反りが生じ難い。
【0074】(3) 請求項5に記載の発明において、
枠体の内側に立設支持された規制部材が積層糸群から押
し出された位置に、厚さ方向糸が折り返し状に挿入され
る。この場合、積層糸群の中間層を形成するとともにテ
ーパー部の途中で折り返すように配列された糸の折り返
し部が確実に厚さ方向糸と係合して位置決めされ、糸の
真直度が向上し、複合材としたときの物性が向上する。
【0075】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項4
に記載の発明によれば、他の複合材との接着性が向上
し、接着部での応力集中が起こり難い複合材を得ること
ができる。
【0076】請求項2に記載の発明によれば、三次元繊
維構造体を構成するバイアス糸が、斜め方向からの力に
対して最も有効に機能する。請求項3に記載の発明によ
れば、複合材を形成した場合にテーパー部の表面を滑ら
かに形成し易くなり、表面を滑らかにする後加工の手間
が不要、又は少なくなる。
【0077】請求項4に記載の発明によれば、第1の面
内配列糸又は第2の面内配列糸による糸層で最表層を形
成した場合と比較して、最表層に配列された糸の密度が
高くなり、表面の平滑性が向上する。また、最小の積層
構成として、プラス方向とマイナス方向の2層のバイア
ス糸層で成り立つため、先端を非常に薄くすることがで
き、接着効果を向上させることができる。
【0078】請求項5に記載の発明によれば、他の複合
材との接着性が向上し、接着部での応力集中が起こり難
い複合材の骨格材として好適な三次元繊維構造体を効率
よく製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態の三次元繊維構造体の模式断面
図。
【図2】同じく模式斜視図。
【図3】積層糸群の形成に使用する治具の概略斜視図。
【図4】その分解斜視図。
【図5】厚さ方向糸挿入装置の概略平面図。
【図6】同じく概略側面図。
【図7】(a)〜(e)は第1〜第5層の糸の配列状態
を示す模式図。
【図8】(a)〜(d)は第10〜第13層の糸の配列
状態を示す模式図。
【図9】(a)〜(d)は第19〜第22層の糸の配列
状態を示す模式図。
【図10】 厚さ方向糸挿入装置の作用を説明する模式
斜視図。
【図11】 押圧部材の概略斜視図。
【図12】 押圧部材の作用を説明する模式断面図。
【図13】 三次元繊維構造体の使用状態の一例を示す
模式斜視図。
【図14】 別の三次元繊維構造体の模式斜視図。
【図15】 別の三次元繊維構造体の模式斜視図。
【図16】 2個の複合材の接合状態を示す模式側面
図。
【図17】 従来の三次元織物の織成状態を示す模式断
面図。
【図18】 別の従来の三次元織物の模式断面図。
【図19】 別の従来の繊維構造体の概略斜視図。
【符号の説明】
1…治具、2…支持体としての支持ベース、3…枠体、
5…規制部材としてのピン、6…規制部材としてのパイ
プ、30…厚さ方向糸挿入針、x…第1の面内配列糸、
y…第2の面内配列糸、z…厚さ方向糸、B1 ,B2 …
バイアス糸、F…積層糸群、P…抜け止め糸、W…三次
元繊維構造体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 徹 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工 業 株式会社 岐阜工場 内 (72)発明者 小野原 薫 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工 業 株式会社 岐阜工場 内 (56)参考文献 特開 平2−191743(JP,A) 特開 平1−221559(JP,A) 特開 平9−164619(JP,A) 特開 平3−220343(JP,A) 特開 平5−106139(JP,A) 特開 平1−292162(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D03D 25/00 B32B 5/02 D03D 41/00 D04H 3/07

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに直交する方向に折り返し状に配列
    された第1及び第2の面内配列糸により形成された複数
    の糸層と、前記両面内配列糸に対して交差する方向に折
    り返し状に配列されたバイアス糸により形成された複数
    の糸層と、前記各糸層と直交する方向に配列されて前記
    各糸層を結合する厚さ方向糸とを含む三次元繊維構造体
    であって、 少なくともその一端側がテーパー状に薄くなるように、
    かつ前記各面内配列糸及びバイアス糸の存在比率が三次
    元繊維構造体の厚さに関係なく所定の比率となるように
    形成されている三次元繊維構造体。
  2. 【請求項2】 前記バイアス糸は前記第1及び第2の面
    内配列糸に対してほぼ±45°の角度で交差するように
    配列されている請求項1に記載の三次元繊維構造体。
  3. 【請求項3】 前記テーパー状の部分の少なくとも一方
    の最表層を構成する糸層は、テーパー状の部分の基端に
    連続する部分の最表層を構成する同じ糸層がテーパー状
    の部分の最先端まで配列されている請求項1又は請求項
    2に記載の三次元繊維構造体。
  4. 【請求項4】 最表層を構成する糸層はバイアス糸によ
    り形成されている請求項1〜請求項3のいずれか一項に
    記載の三次元繊維構造体。
  5. 【請求項5】 厚さ方向糸の挿入区域と対応する領域を
    囲むように規制部材が所定ピッチで配置可能な枠体と、
    該枠体の内側の所定位置に所定ピッチで規制部材を支持
    可能な支持体とを備えた治具を使用し、三次元繊維構造
    体のテーパー部と対応する枠体の内側の所定位置に所定
    ピッチで規制部材を立設支持した状態で、互いに直交す
    る方向に折り返し状に配列される第1及び第2の面内配
    列糸と、両面内配列糸に対して交差する方向に折り返し
    状に配列されるバイアス糸とを所定の規制部材と係合し
    て折り返すように所定の順序で配列して形成した糸層と
    を所定数積層して4軸配向となる積層糸群を形成した
    後、前記積層糸群を前記枠体に保持した状態で、1列に
    配置された複数の厚さ方向糸挿入針を厚さ方向糸ととも
    に積層糸群に一斉にかつ厚さ方向糸の保持部が積層糸群
    の外側に出るまで突き刺し、厚さ方向糸挿入針の突出側
    に厚さ方向糸のループを形成する工程と、前記ループに
    抜け止め糸を厚さ方向糸挿入針の配列方向に沿って挿通
    する工程と、前記ループに抜け止め糸が挿通された後、
    厚さ方向糸挿入針を引き戻して積層糸群を締付ける工程
    とを繰り返して厚さ方向糸を所定の挿入領域に挿入し、
    その後、積層糸群を前記治具から取り外すようにした三
    次元繊維構造体の製造方法。
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