JP2877679B2 - プラスチック用添加剤及びそれを含むプラスチック組成物及びその組成物を含むプラスチック成形品 - Google Patents

プラスチック用添加剤及びそれを含むプラスチック組成物及びその組成物を含むプラスチック成形品

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JP2877679B2
JP2877679B2 JP5326942A JP32694293A JP2877679B2 JP 2877679 B2 JP2877679 B2 JP 2877679B2 JP 5326942 A JP5326942 A JP 5326942A JP 32694293 A JP32694293 A JP 32694293A JP 2877679 B2 JP2877679 B2 JP 2877679B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラスチック成型品に用
いられる磁性付与剤、着色剤乃至着色補助剤等のプラス
チック用添加剤及びそれを含むプラスチック組成物及び
その組成物を含むプラスチック成形品に関する。特に改
善された機械的物性を有し色調濃度ムラのないプラスチ
ック成形品を得ることのできるプラスチック用添加剤及
びそれを含むプラスチック組成物及びその組成物からな
るプラスチック成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックの着色用としては、
カーボン等の着色剤を主体とした所謂「マスターバッ
チ」と呼ばれる黒着色レットが主として使用されてい
る。
【0003】この着色ペレットは直径が2〜6mm程度
の円柱状あるいは、球状のもので着色剤粉末をプラスチ
ックと溶融混練したものである。
【0004】通常この着色ペレットをプラスチックペレ
ットや粗砕物と共に混合混練装置等により溶融混合した
後再度ペレット化するか、もしくは着色ペレットと原材
料ペレットと固体状態で混合し直接成形装置に投入し、
着色成型物を製造している。この場合、成形装置の混練
性能もしくは成形温度、成形速度等の成形条件や成型物
の形態によっては、ペレット中の着色剤を含む着色成分
がプラスチック中に十分均一に分散せずに、成型物内で
の濃度ムラ、あるいは成型物間での濃度差を生じる欠点
があった。また着色剤のみの場合、場合によると経時に
より着色剤粒子がプラスチックと分離し、色味が変化す
る欠点があった。また、最近消費者の個性化と多様化の
ニーズが高まり、特に黒色の場合にもカーボン着色とは
異なった黒色色味を得る方法が求められている。またさ
らには、成型物の用途に応じた成型物の特性を向上させ
る添加剤が求められている。またさらには、特定の用途
にはプラスチック成形物に磁性を付与する添加剤が求め
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成型物内で
の色調の濃度ムラを生じないプラスチック用添加剤を提
供することを目的とする。
【0006】また本発明は、成型物内での色調の濃度ム
ラを生じないプラスチック組成物を提供することを他の
目的とする。
【0007】また本発明は、色調の濃度ムラのない成型
物を提供することをさらに他の目的とする。
【0008】また本発明は、成型品に磁性を付与するた
め添加剤およびその添加剤を用いたプラスチック組成物
を提供することをさらに他の目的とする。
【0009】また本発明は、改善された機械的物性を有
するプラスチック成形品を提供することをさらに他の目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によるプラスチッ
ク用添加剤は、熱可塑性樹脂を含むプラスチック用添加
剤において、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度が40℃
〜80℃であり、磁性粒子を分散含有してなり、該熱可
塑性樹脂が、ポリエステル系樹脂およびスチレン系樹脂
から選ばれる少なくとも1つの樹脂であって数平均分
子量が50,000以下であり、かつ重量平均分子量が
数平均分子量の5倍以上であることを特徴とするもので
ある。本発明によれば、ガラス転移点の低いポリエステ
ル系樹脂およびスチレン系樹脂を添加剤に用いることに
よって磁性粒子と熱可塑性樹脂との分散性および添加剤
とプラスチック成形品を形成するためのプラスチックと
の相溶性を向上させることにより、色調および物性が均
一な成型品を提供することができるものである。
【0011】以下本発明をさらに詳細に説明する。
【0012】本発明に用いられる磁性粒子としては、金
属または金属酸化物等の強磁性を有する材料のなかで、
軟磁性を有し、かつ微粒子状のものが好適である。
【0013】また、形状としては、球状または、多面体
状の形状が分散性または特性の均一性の点から好まし
い。
【0014】磁性粒子としてはFe23 を主成分とす
る磁性酸化鉄フェライトが好ましく、特にFeO・Fe
23 (マグネタイト)、およびγFe23 (マグヘ
マイト)が着色と磁性付与の機能付与を行なうことがで
きる点で特に有効な材料である。また磁性の機能付与の
目的にはCo、Cu、ZnおよびNiの少なくとも1つ
を含むフェライトも好ましく用いられる。
【0015】本発明の添加剤は四三化鉄等の磁性酸化鉄
を熱可塑性ポリマー中に好ましくは30〜60重量%分
散含有したものであり、一定の形態に加工されて、使用
されるものである。
【0016】本発明に用いられる熱可塑性樹脂として
は、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂が挙げられ
る。
【0017】本発明に用いられるポリエステル系樹脂と
は、構成分の主鎖として、エステル結合を有する樹脂を
総称するものであり、酸とアルコールの加熱エステル化
によって合成され、酸及びアルコールを適時、必要に応
じて選択することにより目標とする物性の樹脂を得るこ
とができる。
【0018】例えば、酸成分としては、不飽和酸である
無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン
酸等があり、飽和酸としては無水フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、ヘット酸、こはく酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、テトラクロロ無水フタル
酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタ
ル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等、3官能以上の多塩
基酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸及びそ
の無水物がある。
【0019】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブタジオール1,4、ブ
タジオール1,3、ブタジオール2,3、ジエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリ
コール、ペンタンジオール1,5、ヘキサンジオール
1,6、ネオペンチルグリコール、2,2,4−トリメ
チルペンタンジオール1,3、水素化ビスフェノール、
2,2−ジ(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)プロ
パン、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、グリセ
リン、トリメチレングリコール、2−エチル1,3−ヘ
キサンジオール、フェニルグリシジルエーテル、アリル
グリシジルエーテル等がある。なお前記の酸、アルコー
ルの例以外にも公知の多官能基を有する酸、アルコール
を全て使用できる。
【0020】また、本発明に用いられるスチレン系ポリ
マーとしては、ポリスチレン、ポリP−クロルスチレ
ン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の
単重合体、スチレン−P−クロルスチレン共重合体、ス
チレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエ
ン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、ス
チレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重
合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレ
ン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリ
ル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共
重合体、スチレン−メタクリル酸ステアリル共重合体、
スチレン−メタクリル酸ラウリル共重合体、スチレン−
αクロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アク
リロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテ
ル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合
体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−イソブチレン共重合
体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイ
ン酸エステル共重合体等がある。
【0021】本発明の添加剤を製造するためには上記樹
脂材料を単独で、または他の成分と混合して用いられ
る。この場合樹脂組成物は以下の特性を有することが好
ましい。その一つはDSC法による転移温度が40℃な
いしは80℃、好ましくは50〜70℃であることであ
る。DSC法による熱転移温度の測定はJIS K 7
121に定められている方法で行なう。また、熱可塑性
樹脂のより好ましい特性は分子量とその分布特性で数平
均分子量が5万以下でかつ重量平均分子量が数平均分子
量の5倍以上であることである。分子量分布の測定は下
記の条件によりゲル浸透クロマトで行ない、標準試料に
より測定範囲の信頼性を充分に確認して行なう。
【0022】装置 :GPC−150C(ウォーターズ
社製) カラム:KF801〜7(ショウデックス社製)の7連 温度 :40℃ 溶媒 :THF(テトラヒドロフラン) 流速 :1.0ml/min. 試料 :濃度0.05〜0.6重量%の試料を0.1m
l注入 このような特性を有する熱可塑性樹脂は、特に、磁性体
とのなじみがよく樹脂中へ磁性粒子が分散しやすくまた
目標形態に加工しやすい、熱特性が適度で、溶媒混練の
作業がしやすい、疎水性が良好である、等の性質を有す
ると共に、一般の成型プラスチックであるポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリスチレン等にもある程度相溶
し、品質劣化をおこさない、等の特性がある。
【0023】本発明に用いる磁性粒子として最も典型的
な磁性体は、四三酸化鉄Fe34等を含む磁性体であ
り、平均粒径が0.1〜1.0μm、真比重が5.0前
後のものが用いられ、特に好ましくは平均粒径の±0.
2ミクロンにその80%以上があることが好ましい。
【0024】本発明の添加剤に含まれる磁性体の含有率
としては、30〜60重量%とするのが好ましい。特に
45重量%ないし55重量%が特に好ましい。30重量
%以上にすると、添加剤による改良効果が増大するばか
りでなく、製造時に磁性体の樹脂中への分散が一層良好
になる。また、60重量%以下添加すると、添加剤の真
比重が1.9程度以下になり、プラスチックとの比重差
が小さく、混合時、プラスチックペレットや粗砕物中へ
の分散性が一層良好になる。
【0025】本発明の添加剤を使用する場合、添加剤
は、平均粒径3μm〜20mmの大きさが好ましい。例
えば、体積平均粒径が3μmの球状または不定形の粉体
ないし数平均粒径20mm程度の不定形粒状またビーズ
状またはペレット状の形態で使用することが可能であ
る。好ましい一つの形態は、体積平均粒径5〜20μm
の粉体である。また好ましい今一つの形態は数平均粒径
1〜10mm程度の粗砕物またはペレットまたはビーズ
等の粒状である。体積平均粒径5〜20μmの粉体で用
いる場合、好ましくは、体積平均粒径で5.0〜20.
0μmとし、かつ、4.0μm以下の微粉の含有率が5
0個数%以下とし、径が30μm以上の粗粉の混入は除
く。また数平均粒径1〜10mm程度の不定形粒状また
ビーズ状またはペレット状の形態で用いる場合、より好
ましくは75μm以下が5重量%以下とする。μmオー
ダーの体積平均粒径は、測定装置としてコールターカウ
ンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数分
布,体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)
及びCX−1パーソナルコンピューター(キヤノン製)
を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて約1%
NaCl水溶液を調製する。測定法としては前記電解水
溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、
好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5
ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料
を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散
処理を行ない、前記コールターカウンターTA−II型
により、アパチャーとして100μmアパチャーを用い
て、粒子の体積分布を算出し、体積平均粒径を算出す
る。
【0026】本発明のさらに好ましい構成は、前記ポリ
エステル系樹脂やスチレン系樹脂等の非結晶性熱可塑性
樹脂に、低分子量結晶性樹脂を加えて用いることであ
る。低分子量結晶性樹脂の中で好ましいのは比較的極性
が弱い石油系のワックス類で、特に低分子量のオレフィ
ンが好ましい。
【0027】低分子量オレフィンとして好ましいのは、
重量平均分子量が700〜50,000のポリメチレン
およびポリエチレン、又はポリプロピレン、およびその
誘導体であり、より好ましくは重量平均分子量が800
〜7,000のポリエチレンまたはポリプロピレンおよ
びその誘導体である。
【0028】低分子量オレフィンの平均分子量の測定は
下記の条件で行う。
【0029】装置 :GPC−150C(ウォーターズ
社製) カラム:GMH−HY(東ソー社製)の2連 温度 :135℃ 溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール
添加) 流速 :1.0ml/min. 試料 :濃度0.15重量%の試料を0.4ml注入 以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単
分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲
線を使用し、Mark−Houwink粘度式から導き
出される換算式で換算することによって算出される。上
記低分子量ポリオレフィンは、非常にシャープメルト性
が大きいポリマーであり、添加剤の成型時における溶融
分散性を良好にし、着色等の効果を高める効果があり、
混練能力が十分でない成形機でも良好な結果が得られ
る。
【0030】低分子量ポリオレフィンの添加量は0.5
〜10重量%が適当である。10重量%以上添加する
と、添加剤の流動性が減少し、プラスチック中への分散
性が悪化して、成型物上に、ムラ、流れ等の品質上の問
題を生じる。
【0031】本発明のさらに好ましい構成としては、上
記添加剤中に無機微粒子が含有されることである。無機
微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタ
ン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン
酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸
化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化ジル
コニウム、酸化スズ、炭化ケイ素等がある。これは、無
機微粒子は一般に、一次粒子の粒径が2〜1,000m
μの微粉末である。中でもシリカは、本発明に最も好ま
しく用いられる。
【0032】上記無機微粒子は、表面がシリコンオイ
ル、各種の界面活性剤等に表面処理されていても、本発
明への使用は可能である。これら無機微粒子の添加量
は、0.1〜3重量%が可能であるが、0.3〜1.0
重量%が好ましい。
【0033】これら無機微粒子のうち、最も好ましく用
いられるシリカの物性として、BET法で測定した窒素
吸着による比表面積(m2 /g)がある。添加可能なシ
リカの比表面積としては、50〜200m2 /g、好ま
しくは80〜130m2 /gである。
【0034】粉体状の添加剤の場合、これらの無機微粒
子を添加剤に添加する場合は添加剤粉体と無機微粒子と
を強い分散効果を有するミキサーで混合して用いる。こ
のことにより粉体添加剤の流動性が高まり粉体添加剤が
十分に分散し易くなり、成型時の着色効果、色味、効果
等の添加効果を高めることができる。
【0035】また、無機微粒子が成型物中に分散する
と、成型物の力学(機械)特性を改善することができ
る。このような目的には無機微粒子を原料状態で配合し
溶融時に混合してもよい。
【0036】本発明の添加剤は、前記した熱可塑性樹脂
と磁性体(四三酸化鉄Fe34 等)を主要原料にし
て、次の工程により作られる。
【0037】1)主要原料をヘンシェルミキサー等で均
一に分散する。
【0038】2)分散物をロールミルまたはニーダー、
エクストルーダー、等の混合装置で溶融混練する。
【0039】3)混練物をカッターミル、ハンマー等で
粗粉砕した後、ふるい等を実施し、目標粒度の粗砕物を
作製し、添加剤として使用する。
【0040】4)粉体で使用する場合は粗砕後ジェット
ミル等で微粉砕を行う。
【0041】5)必要に応じて、微粉砕物を風力やあら
んだ効果を利用して分級機等で分級し、目標の粒径に揃
える。
【0042】6)無機微粒子を添加し、ヘンシェルミキ
サー等で混合攪拌する。
【0043】7)粗くとも、100MESH(スクリー
ン間隙約150μ)のふるいにかけて、粗粉を除く。
【0044】本発明の添加剤を製造する上でその製造工
程は極めて重要である。本発明の添加剤を得るためには
まず充分に強力剪断力(shareStress)のも
とでよく磁性体を分散する必要がある。また粗粉砕時や
微粉砕時にも注意が必要である。混練が不十分で粉砕が
適当でないと充分に分散していない磁性体粒子が存在す
ることになり悪影響を及ぼす。このようなことを回避す
るための一つの方法は溶融混練した後材料が完全に冷却
固化する以前に粗粉砕を行うことである。そうすること
によりフリーの磁性体の発生を抑制することができる。
また、本発明の添加剤を製造する一つの好ましい方法
は、上記工程により粉体の状態を得、しかるのちに、再
び溶融粉砕を行うことである。このような工程によりフ
リーの磁性体を極限まで減らすことができる。
【0045】本発明の添加剤の添加量は、成形物の用途
と製造条件によって異なり、成型物中の重量%として、
0.1〜90重量%の範囲から選択される。
【0046】本発明の添加剤は着色、または着色補助、
または力学(機械)特性の改良、または磁性付与の目的
で用いられる。
【0047】本発明の添加剤を用いることにより各種の
特性を有するプラスチック複合組成物を得ることができ
る。
【0048】オレフィン系樹脂および耐衝撃性ポリスチ
レンから選ばれるプラスチックと本発明の添加剤を組み
合わせることにより黒色に着色された成形材料を得るこ
とができる。耐衝撃性ポリスチレンとしてはJIS 7
110に規定されるIzod衝撃値が4以上のものが好
適である。これらは建築材料や道路材料、箱状の容器や
通函、もしくは“雑貨”と呼ばれているハンガー、植木
鉢、ダストボックス、トレイ等またはシート成形材料と
して農業用シート等に用いることができる。このような
目的で本発明の添加剤と組み合わせて用いられるポリオ
レフィンとしてはポリエチレンまたはポリプロピレン及
びその誘導体でLD、HD、LLDのポリエチレン、E
VAc、EEAPPやPP/PEである。
【0049】本発明の添加剤を成型用原材料に添加する
ことにより一般に圧縮強度、曲げ弾性率が上昇する。従
って通缶等重ねて使用する成型物の製造の際に黒色の着
色と同時に強度補強も可能になる。このような目的に使
用する場合の本発明の添加剤の添加量は1.0〜10重
量%である。
【0050】本発明の添加剤としての特筆すべき他の特
性は磁性付与である。本発明の添加剤を成型材料に添加
することにより磁性を有するプラスチック成型物を得る
ことができる。
【0051】本発明の添加剤は軟磁性の磁性体を含有し
ておりこの磁性特性を変えたり、量を変えることにより
磁気特性の異なった成形物を得ることができる。砂鉄等
の磁性材料を成型材料中に混合することは知られている
が、従来技術で磁性体を混合する場合磁性体の偏在を完
全に取り除くことは困難で均一な磁性特性の成型材料を
得ることは困難であったが、本発明の組成物を用いるこ
とにより極めて均一な磁性特性を持った組成物を得るこ
とができるようになる。このような目的に使用する場合
の本発明の添加剤の添加量は0.1〜90重量%であ
る。
【0052】無機微粒子が添加され、磁性体を含有した
着色樹脂粉末としては、例えば磁性トナーがある。
【0053】磁性トナーは、樹脂及び磁性体に加えて、
低分子量ポリオレフィン、無機微粒子、場合によって
は、極性制御剤を加えて、製造されたものであるが、物
性が本発明添加剤の範囲内にあれば、十分に使用するこ
とが可能である。特に、複写機、プリンター、FAX等
において、使用される磁性トナーや、実験試作等で作製
し、廃棄する磁性トナーも、特性を満足すれば、使用す
ることができる。この場合には、本来は廃棄物となるべ
き、廃トナーを有効に利用することができ、資源の有効
活用が達成される。また、廃トナーを再度、単独又は樹
脂とブレンドして溶融し、ペレットや粗砕品に加工して
使用することもできる。
【0054】本発明のさらに好ましい構成としては、上
記添加剤中に紙粉が含有されることである。
【0055】紙粉とは、紙のスリットあるいは裁断時に
発生するパルプ繊維くずを主体としたものである。
【0056】一般に“普通紙”と呼ばれるものは木材パ
ルプ繊維を主原料にして、これに各種の添加剤(ロジ
ン、硫酸アルミニウム、クレー、タルク等)を数%添加
して作られている。そのため、本発明に用いる紙粉中に
も、これら添加剤が数%程度含まれている。
【0057】本発明に関して、鋭意研究の結果、紙粉の
含有した添加剤を用いて、プラスチック成型物を成型す
ると、成型物の強度特性が改善されることが判明した。
【0058】添加剤に対する紙粉の添加量は0.5〜1
0重量%が可能であるが、望ましくは2〜5重量%であ
る。
【0059】紙粉添加量が10重量%を越えると、添加
剤中で紙粉が遊離し、成型物中に分散するのが困難にな
る。また、添加量が0.5重量%未満だと、紙粉添加効
果が発生しない。
【0060】紙粉を添加した添加剤を用いることによ
り、成型物の強度特性が改善される理由に関しては、明
確に解明されていないが、パルプ繊維及び各種添加剤が
フィラー効果として働いていると推測される。
【0061】紙粉が含有されかつ、無機微粒子、磁性体
を含有した着色樹脂粉体としては、例えば、磁性クリー
ニング廃トナーがある。
【0062】磁性クリーニング廃トナーは、磁性トナー
を使用する複写機、プリンター、FAX等において、感
光体上に現像されたトナーを“普通紙”に転写後、感光
体上に残ったトナーをゴムブレード等でかきおとしたも
のである。このクリーニング廃トナーは複写機プリンタ
ーの内部に逐次貯えられ、一定以上蓄積すると廃棄され
る。
【0063】この廃棄されるクリーニング廃トナーも、
特性を満足すれば、使用することができる。
【0064】
【実施例】以下実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1 スチレンブチルアクリレートポリマー 100重量部 四三酸化鉄(平均粒径0.2ミクロン/0〜0.4ミクロンの量90%) 90重量部 低分子量ポリエチレン 5重量部 以上の材料をミキサーで混合したのち連続混合装置に投
入し混練した。混練物を冷却した後粉砕し、約2mm径
の添加剤粗粒を得た。この添加剤粗粒の粒度分布は表1
の通りであった。
【0065】
【表1】 またこの添加剤粗粒の熱示差熱分析(DSC測定)を行
なったところ、Tg=61℃であった。また、ポリマー
成分をTHFで抽出してその分子量分布を測定したとこ
ろ数平均分子量が1.8万、重量平均分子量は22万で
あった。ついで、この添加剤粗粒と成形用のポリエチレ
ン(MI=7.0、190℃、1.6kg)を固体状で
ミキサーで混合したのち混練しペレタイザーでペレット
状にした。MI値はJIS K 7210に定められた
方法により測定されたものである。添加剤粗粒とポリエ
チレンの比を10%から30%まで変化させ、その力学
特性を測定した。測定はJIS K−7203の方法で
行なった。
【0066】表2のように力学特性が改良された黒い着
色ペレットが得られたことが確認された。
【0067】
【表2】 なお、本実施例および他の実施例において、磁性粒子
(四三酸化鉄)粒径は次のようにして測定された。
【0068】電子顕微鏡(日立製作所H−700H)で
磁性粒子の試料を加電圧100KVにて、10,000
倍で撮影し、焼きつけ倍率3倍として、最終倍率30,
000倍とする。これによって、形状の観察を行い、各
粒子の最大長(μm)を計測しランダムに100個を選
び出しその平均をもって平均粒径とする。 実施例2 スチレン/2−エチルヘキシルアクリレートポリマー 80重量部 スチレンブタジエンポリマー 20重量部 四三酸化鉄(平均粒径0.2ミクロン/0〜0.4ミクロンの量90%) 70重量部 低分子量ポリエチレン 5重量部 以上の材料をミキサーで混合したのち連続混合装置に投
入し混練した。混練物を冷却した後粉砕し、平均径1.
65mmの添加剤粗粒を得た。この添加剤粗粒の粒度分
布は表3の通りであった。
【0069】
【表3】 またこの添加剤粗粒の熱示差熱分析(DSC測定)を行
なったところ、Tg=58℃であった。また、ポリマー
成分をTHFで抽出してその分子量分布を測定したとこ
ろ数平均分子量が1万、重量平均分子量は20万であっ
た。ついで、この粗粒と成形用のポリプロピレン(MI
=6.0、230℃、2.16kg)を固体状でミキサ
ーで混合したのち混練しペレタイザーでペレット状にし
た。粗粒とポリプロピレンの比は5%から10%まで変
化させ、その力学特性を測定した。
【0070】表4のような黒い着色ペレットが得られ
た。
【0071】
【表4】 続いて、このペレットを使用して射出成形装置でスタッ
キング型の通い容器(600mm×440mm×79m
m)を成形した。成形温度は240℃で行った。
【0072】成形した通い箱について、JIS Z 1
655に基づいて、以下の試験を行ない以下の結果を得
た。 1.外観検査 1.クラック、欠け、及び不足成形はなかった。
【0073】2.変形、変色、色むらは認められなかっ
た。
【0074】3.ばり、およびめくれは認められなかっ
た。 2.寸法精度 長さ、幅、高さ、上縁の幅を測定したところ、その寸法
精度はJISの基準を満足していた。 3.圧縮試験 容器を3段に重ねて、1トンの荷重を上下に加えた、容
器の破損変形はなかった。また、容器を一段にし、標準
条件(23℃、65%RH)に3時間放置後、5トンの
最大荷重を有する圧縮試験機で荷重をかけたが、最大荷
重でも破壊しなかった、充分な圧縮強度があることが確
認された。 4.底部かど落下試験 容器内に15kgの砂袋(500g×30個)を入れ、
容器の対角線がほぼ垂直になるように保持し一つの角に
ついて1mの高さからコンクリート床面上に3回自由落
下させた後、破損の有無を検査した。破損は認められな
かった。 5.底面落下試験 容器内に15kgの砂袋(500g×30個)を入れ、
容器をほぼ水平に保持し、1mの高さからコンクリート
床面上に3回自由落下させた後、破損の有無を検査し
た。破損は認められなかった。
【0075】上記のように、本実施例の添加剤を使用し
たプラスチック組成物は、通い箱用の成形材料として充
分な特性を有していることが確認された。 比較例1 実施例2のスチレン/2−エチルヘキシルアクリレート
ポリマーに換えて成形用のポリスチレン(MI=7.
5)を用いて添加剤粒を作成した。
【0076】この添加剤粗粒の熱示差熱分析(DSC測
定)を行なったところ、Tg=103℃であった。つい
で、この粗粒と実施例2で用いた成形用のポリプロピレ
ンを固体状でミキサーで混合したのち混練しペレタイザ
ーでペレット状にし、その力学特性を測定した。測定は
JIS K−7203およびJIS K−7206の方
法で行なった。
【0077】
【表5】 表5に示すように、この成形用組成物は、通い箱用の成
形材料としては充分な特性を有していないことが確認さ
れた。 比較例2 実施例2のスチレン/2−エチルヘキシルアクリレート
ポリマーに換えてエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸
ビニル含有量32%)を用いた。実施例2と同様に混
合、混練を行なったが、粉砕時には通常の方法では粉砕
装置中で融着を起こし粒が得られなかったので、液体窒
素を用いて冷凍粉砕を行なった。
【0078】この添加剤粗粒の熱示差熱分析(DSC測
定)を行なったところ、Tg=35℃であった。つい
で、この粗粒と実施例2で用いた成形用のポリプロピレ
ンを固体状でミキサーで混合したのち混練しペレタイザ
ーでペレット状にしたが、着色が極めて不均一で、着色
濃度も不十分であった。
【0079】上記のように、この成形用組成物は、通い
箱用の成形材料としては充分な特性を有していないこと
が確認された。 実施例3 スチレン/2−エチルヘキシルアクリレートポリマー 80重量部 スチレンブタジエンポリマー 20重量部 四三酸化鉄(平均粒径0.2ミクロン/0〜0.4ミクロンの量90%) 70重量部 低分子量ポリエチレン 5重量部 以上の材料をミキサーで混合したのち連続混合装置に投
入し混練した。混練物を冷却した後粉砕し、約2mm径
の粗粒を得た。この粗粒の粒度分布は表6の通りであっ
た。
【0080】
【表6】 またこの粗粒の熱示差熱分析(DSC測定)を行なった
ところ、Tg=58℃であった。また、ポリマー成分を
THFで抽出してその分子量分布を測定したところ数平
均分子量が1万、重量平均分子量は20万であった。つ
いで、この粗粒と成形用のポリプロピレン(MI=3
5.1、230℃、2.16kg)を固体状でミキサー
で混合したのち混練しペレタイザーでペレット状にし
た。粗粒とポリプロピレンの比は5%から10%まで変
化させ、その力学特性を測定した。測定はJIS K−
7203およびJIS K−7206の方法で行なっ
た。
【0081】表7のように力学特性が改善された黒い着
色ペレットが得られたことが確認された。
【0082】
【表7】 実施例4 スチレンブチルアクリレートポリマー 100重量部 四三酸化鉄(平均粒径0.2ミクロン/0〜0.4ミクロンの量90%) 70重量部 低分子量ポリエチレン 5重量部 以上の材料をミキサーで混合したのち連続混合装置に投
入し混練した。混練物を冷却した後粉砕し、約2mm径
の添加剤粗粒を得た。この添加剤粗粒をさらに微粉砕し
たのち分級し微粒子を得、疎水性コロイダルシリカ微粉
末(一次粒子径20mミクロンm、比表面積110m2
/g)を添加し、ミキサーで混合攪拌後、100mes
h(間隙約150マイクロメーター)の篩を通し、本発
明の添加剤を得た。粒度分布は表8に示す通りであっ
た。
【0083】
【表8】 またこの添加剤粗粒の熱示差熱分析(DSC測定)を行
なったところ、Tg=51℃であった。また、ポリマー
成分をTHFで抽出してその分子量分布を測定したとこ
ろ数平均分子量が3.5万、重量平均分子量は38万で
あった。ついで、この添加剤微粒子と成形用の耐衝撃性
ポリスチレン(Izod衝撃度7.50kg−cm/c
2 )を固体状でミキサーで混合したのち混練しペレタ
イザーでペレット状にしたのち、射出成形機で厚さ2m
mの平板状に成形し、その磁気特性を測定した。添加剤
微粒子と耐衝撃性ポリスチレンの比を15%から75%
まで変化させた。この磁性特性は、励磁されたセンサコ
イルのセンサ信号が磁性体によって変化することを利用
して測定される。即ち、水晶発信器(83.0KHz)
によりセンサコイルを励磁し、センサ信号を検波し出力
を表示するもので、標準物質(通常アルミ板)の出力を
1Vとしたときの測定試料の出力で表示される。その結
果は表9に示される。
【0084】
【表9】 実施例5 スチレン/2−エチルヘキシルアクリレートポリマー 80重量部 スチレンブタジエンポリマー 20重量部 四三酸化鉄(平均粒径0.2ミクロン/0〜0.4ミクロンの量90%) 70重量部 低分子量ポリエチレン 5重量部 以上の材料をミキサーで混合したのち連続混合装置に投
入し混練した。混練物を冷却した後粉砕し、平均径1.
65mmの添加剤粗粒を得た。この添加剤粗粒の粒度分
布は表10の通りであった。
【0085】
【表10】 またこの添加剤粗粒の熱示差熱分析(DSC測定)を行
なったところ、Tg=58℃であった。また、ポリマー
成分をTHFで抽出してその分子量分布を測定したとこ
ろ数平均分子量が1万、重量平均分子量は20万であっ
た。ついで、この粗粒10部とエチレン/酢酸ビニル共
重合体(MI=12.0、190℃、1.6kg)90
部とを固体状でミキサーで混合したのちT型ダイを有す
るシート成形装置(押し出し装置のシリンダー径120
mm、L/D=25(Lは混練ゾーンの長さ、Dはシリ
ンダー径である))で膜厚1mmのシートを成形した。
成形温度は200℃で行なった。得られた成形物の特性
を表11に示す。
【0086】
【表11】 表11のように、製造されたシートは曲げ、引き裂き特
性が改良されていた。このシートを大型ビニールハウス
の則部の水止め用に使用し、実用上も充分な特性を有し
ていることを確認した。 実施例6 スチレン/ステアリルアクリレートポリマー 90重量部 スチレンブタジエンポリマー 20重量部 γ二三酸化鉄(平均粒径0.4ミクロン/0.2〜 0.6ミクロンの量90%) 70重量部 低分子量ポリエチレン 5重量部 以上の材料をミキサーで混合したのち連続混合装置に投
入し混練した。混練物を冷却した後粉砕し、平均径2.
55mmの添加剤粗粒を得た。この添加剤粒を、溶融造
粒装置付きの押し出し装置に投入し、表12に示す粒度
分布のビーズ状粒子を得た。
【0087】
【表12】 またこの添加剤粗粒の熱示差熱分析(DSC測定)を行
なったところ、Tg=65℃であった。また、ポリマー
成分をTHFで抽出してその分子量分布を測定したとこ
ろ数平均分子量が3万、重量平均分子量は55万であっ
た。ついで、この粗粒7部と直鎖状低密度ポリエチレン
(inear Low-Density Polyethylene)(MI=14.
0、190℃、1.6kg)93部とを固体状でミキサ
ーで混合したのちT型ダイを有するシート成形装置(押
し出し装置のシリンダー径120mm、L/D=25)
で膜厚0.2mmのシートを成形した。成形温度は18
0℃で行なった。得られた成形物の特性を表13に示
す。
【0088】
【表13】 得られたシートを袋状にして部品の包装に用いた。 実施例7 ポリオキシプロピレン(2,5)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン545重量部、テレフタ
ル酸135重量部、トリメリット酸38重量部を合成し
て得たポリエステル樹脂(Tg=55℃)100重量
部、磁性酸化鉄(四三酸化鉄等を含むもの)粉末(平均
粒径0.3μ)100重量部、低分子量ポリプロピレン
(重量平均分子量8,000)5重量部をロールミルで
混練後、ジェットミルで粉砕し、ジグザグ分級機で分級
後、体積平均粒径10.0μの着色樹脂粉体を得た。こ
の樹脂粉体100重量部に対して、0.5重量部のシリ
カ粉末(1次粒子粒径20mμ、比表面積110m2
g)を添加し、ヘンシェルミキサーで混合攪拌後、10
0MESH(スクリーン間隙約150μ)のふるいを通
して、添加剤を得た。
【0089】この添加剤4.0重量部、ジェネラルパー
パスグレードのポリスチレン樹脂ペレット100重量部
をタンブラーミキサーに投入し、混合攪拌を行った。
【0090】混合物を射出成形機(住友重機械製SH5
0)に投入し、プラスチックトレーを数十枚連続的に成
型した。得られたトレーを検査したが、トレー内での色
ムラ、あるいはトレー間での濃度差は認められなかっ
た。 比較例3 実施例7で用いたポリスチレン樹脂100重量部、市販
のカーボンペレット4重量部を実施例7と同様に混合攪
拌し添加剤を得た。得られた添加剤を用いて実施例7と
同様に、トレーを連続成型したが、トレー内での色ム
ラ、及びトレー間での濃度差が認められた。
【0091】また、強度を測定したが、実施例7で得ら
れたものよりは、強度的に特に引っ張り強度が弱いこと
が確認された。 実施例8 テレフタル酸0.3モル部、ベンゼン1,2,4トリカ
ルボン酸0.4モル部、ポリオキシプロピレン(2,
2)−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
1.0モル部より合成したポリエステル樹脂(Tg=5
4℃)100重量部、磁性酸化鉄微粉末(四三酸化鉄F
34 等を含んだもの、平均粒径0.8μ)80重量
部、低分子量ポリエチレン(重量平均分子量30,00
0)8重量部をエクストルーダーで溶融混練した後、ペ
レタイザーを用いて、直径約4mm、高さ約5mmの円
柱状ペレットの添加剤を作製した。
【0092】この添加剤5.0重量部、HIPS(耐衝
撃ポリスチレン樹脂)ペレット100重量部を、タンブ
ラーミキサーに投入し、混合攪拌を行い、混合物を得
た。この混合物を射出成形機に投入し、プラスチック模
型部品を連続的に数十ケ成型した。
【0093】各模型部品内でも濃度ムラ、部品間での濃
度差を検査したが、濃度ムラ、濃度差は認められなかっ
た。模型部品の色味は、製品としてふさわしい重量感の
ある黒色味がでており、カーボン着色では得られない色
味がある。 実施例9 テレフタル酸0.50モル部、ベンゼン1,2,4トリ
カルボン酸0.33モル部、ポリオキシプロピレン
(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン1.0モル部より合成したポリエステル樹脂
(Tg=54℃)100重量部、磁性酸化鉄(四三酸化
鉄Fe34 等を含んだもので、平均粒径0.5μ)1
40重量部、低分子量ポリプロピレン(重量平均分子量
50,000)10重量部をロールミルで混練後、粉砕
機に投入し、粒径10mm以下の添加剤を得た。
【0094】この添加剤8.0重量部、ポリエチレン樹
脂50重量部、ポリプロピレン樹脂50重量部を実施例
7と同様に混合攪拌して、混合物を得た。得られた混合
物を、射出成形機に投入し、連続的に、数十枚のプラス
チック敷板を成型した。得られた敷板を検査したが、各
敷板内での濃度ムラ、及び敷板間での濃度差は認められ
なかった。敷板の黒色味はカーボン着色の製品と比べ
て、明らかに異なり、高級感のある天然石に似た黒色味
を呈していた。またカーボン着色の敷板と強度を比較し
たが、強度が強くなっていることが確認された。また耐
久性を比較したが、経時による黒色味の変化は、カーボ
ン着色のみの製品に比べ、優れていることが確認され
た。 実施例10 スチレン−ビニルトルエン共重合体(Tg=64℃)1
00重量部、磁性酸化鉄(四三酸化鉄等を含むもの)粉
末(平均粒径0.3μ)100重量部、低分子量ポリプ
ロピレン(重量平均分子量8,000)5重量部をロー
ルミルで混練後、ジェットミルで粉砕し、分級機で分級
し、体積平均粒径9.0μm、40μm以下の微粉含有
率が20.0個数%の着色樹脂粉末を得た。この樹脂粉
末100重量部に対して、0.5重量部のシリカ粉末
(1次粒子径20mμ、比表面積110m2 /g)、及
び紙粉(PPC用紙の裁断時にサンプリングしたもの)
3.0重量%を添加し、ヘンシェルミキサーで混合攪拌
後、100MESH(スクリーン間隙約150μ)のふ
るいを通して、添加剤を得た。
【0095】この添加剤1.0重量部、ジェネラルパー
パスグレードのポリスチレン樹脂ペレット100重量
部、及び市販のカーボン着色ペレット3重量部をタンブ
ラーミキサーに投入し、混合攪拌した。
【0096】得られた混合物を射出成形機(住友重機械
製SH50)に投入し、プラスチックトレーを数十枚連
続的に成型した。得られたトレーを検査したが、トレー
内での色むら、トレー間での濃度差は認められなかっ
た。
【0097】また、カーボン着色のみの製品と比較した
が、色ムラ、濃度差の品質において優れ、特に引っ張り
強度、曲げ強度が改善されていることが確認された。 実施例11 スチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂(Tg=57
℃)100重量部、磁性酸化鉄微粉末(四三酸化鉄Fe
34 等を含んだもの、平均粒径0.8μ)80重量
部、低分子量ポリエチレン(重量平均分子量30,00
0)8重量部をロールミルで混練し、ジェットミルで粉
砕して体積平均粒径8.0μmの着色樹脂粉末を得た。
【0098】この樹脂粉末100重量部に対して、1.
0重量部のシリカ粉末(1次粒子径30mμ、比表面積
90m2 /g)を添加し、ヘンシェルミキサーで混合攪
拌後、100MESH(スクリーン間隙約150μ)の
ふるいを通して、添加剤を得た。
【0099】この添加剤2.0重量部、HIPS(耐衝
撃ポリスチレン樹脂)100重量部、市販のカーボン着
色ペレット40重量部をタンブラーミキサーで混合攪拌
し、混合物を得た。
【0100】この混合物を射出成形機に投入し、プラス
チック模型部品を連続的に数十ケ成型した。
【0101】各模型部品内での濃度ムラ、部品間での濃
度差を検査したが、濃度ムラ、濃度差は認められなかっ
た。
【0102】模型部品の色味は、カーボン着色のみの部
品に比べ、重量感のある黒色味がでており、製品として
最もふさわしい色味を呈していた。 実施例12 スチレン−ブタジエン共重合体樹脂(Tg=64℃)1
00重量部、磁性酸化鉄(四三酸化鉄Fe34 等を含
んだもので、平均粒径0.5μ)140重量部、低分子
量ポリプロピレン(重量平均分子量50,000)10
重量部をロールミルで混練後、ジェットミルで粉砕して
体積平均粒径20.0μの着色樹脂粉末を得た。
【0103】この樹脂粉末100重量部に対してアルミ
ナ微粉末1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで
混合攪拌後、100MESH(スクリーン間隙約150
μ)のふるいを通して、添加剤を得た。
【0104】この添加剤3.0重量部、ポリエチレン樹
脂50重量部、ポリプロピレン樹脂50重量部、カーボ
ン着色ペレット5.0重量部をタンブラーミキサーで混
合攪拌した。得られた混合物を、射出成形機を用いて、
連続的に数十枚のプラスチック敷板を成型した。得られ
た敷板を検査したが、各敷板内での濃度ムラ、及び敷板
間での濃度差は認められなかった。敷板の黒色味はカー
ボン着色のみの製品に比べて、明らかに異なり、高級感
のある天然石に似た黒色味を呈していた。またカーボン
着色のみの敷板と強度を比較したが、強度が強くなって
いることが確認された。
【0105】また、耐久性を比較したが、経時による黒
色味の変化は、カーボン着色のみの製品に比べ、優れて
いることが確認された。 実施例13 ポリエステル樹脂(Tg=55℃)100重量部、磁性
酸化鉄粉末(四三酸化鉄等を含むもので、平均粒径0.
5μ)100重量部を溶融混練し、ジェットミルで粉砕
して体積平均粒径12.0μの添加剤を得た。
【0106】この添加剤5.0重量部、ポリエチレン樹
脂ペレット50重量部、ポリプロピレン樹脂ペレット5
0重量部、市販のカーボン着色ペレット5.0重量部を
タンブラーミキサーで混合攪拌した。得られた混合物を
成形機に投入し、プラスチック境界杭を連続的に成型し
た。
【0107】得られた境界杭内での濃度ムラ、及び杭間
の濃度差を検査したが、いずれも認められなかった。
【0108】境界杭の強度を測定したが、カーボン着色
のみの杭に比べ、強度的に勝っていることが確認され
た。 実施例14 スチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂(Tg=57
℃)100重量部、磁性酸化鉄微粉末(四三酸化鉄Fe
34 等を含んだもの、平均粒径0.8μ)80重量
部、低分子量ポリエチレン(重量平均分子量30,00
0)8重量部をエクストルーダーで溶融混練した後、ペ
レタイザーを用いて、直径約4mm、高さ約5mmの円
柱状ペレットの添加剤を作製した。
【0109】この添加剤5.0重量部、HIPS(耐衝
撃ポリスチレン樹脂)ペレット100重量部をタンブラ
ーミキサーに投入し、混合攪拌を行い、混合物を得た。
この混合物を射出成形機に投入し、プラスチック模型部
品を連続的に数十ケ成型した。
【0110】各模型部品内での濃度ムラ、部品間での濃
度差を検査したが、濃度ムラ、濃度差は認められなかっ
た。模型部品の色味は、製品としてふさわしい重量感の
ある黒色味がでており、カーボン着色では得られない色
味である。 実施例15 スチレン−ブタジエン共重合体樹脂(Tg=64℃)1
00重量部、磁性酸化鉄(四三酸化鉄Fe34 等を含
んだもので、平均粒径0.5μ)140重量部、低分子
量ポリプロピレン(重量平均分子量50,000)10
重量部をロールミルで混練後、粉砕機に投入し、粒径1
0mm以下の添加剤を得た。
【0111】この添加剤8.0重量部、ポリエチレン樹
脂50重量部、ポリプロピレン樹脂50重量部をタンブ
ラーミキサーに投入し、混合攪拌して、混合物を得た。
得られた混合物を射出成形機に投入し、連続的に、数十
枚のプラスチック敷板を成型した。得られた敷板を検査
したが、各敷板内での濃度ムラ、及び敷板間での濃度差
は認められなかった。敷板の黒色味は、カーボン着色の
製品と比べて、明らかに異なり、高級感のある天然石に
似た黒色味を呈していた。またカーボン着色の敷板と強
度を比較したが、強度が強くなっていることが確認され
た。 実施例16 テレフタル酸0.3モル部、ベンゼン1,2,4トリカ
ルボン酸0.4モル部、ポリオキシプロピレン(2,
2)−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
1.0モル部より合成したポリエステル樹脂(Tg=5
4℃)100重量部、磁性酸化鉄微粉末(四三酸化鉄F
34 等を含んだもの、平均粒径0.8μ)80重量
部、低分子量ポリエチレン(重量平均分子量30,00
0)8重量部をロールミルで混練後、ジェットミルで粉
砕し、分級機で分級し、体積平均粒径7.5μm、40
μm以下の微粉含有率が30個数%の着色樹脂粉末を得
た。
【0112】この樹脂粉末100重量部に対して、1.
0重量部のシリカ粉末(1次粒子径30mμ、比表面積
90m2 /g)、及び紙粉(PPC用紙の裁断時にサン
プリングしたもの)4.0重量%を添加し、ヘンシェル
ミキサーで混合攪拌後、100MESH(スクリーン間
隙約150μ)のふるいを通して、添加剤を得た。
【0113】この添加剤3.0重量部、ポリエチレン樹
脂50重量部、ポリプロピレン樹脂50重量部、カーボ
ン着色ペレット5.0重量部を実施例1と同様に混合攪
拌した。得られた混合物を射出成形機を用いて、連続的
に数十枚のプラスチック敷板を成型した。得られた敷板
を検査したが、各敷板内での濃度ムラ、及び敷板間での
濃度差は認められなかった。敷板の黒色味は、カーボン
着色の製品と比べて、明らかに異なり、高級感のある天
然石に似た黒色味を呈していた。またカーボン着色の敷
板と強度を比較したが、引っ張り強度、曲げ強度が強く
なっていることが確認された。
【0114】また、耐久性を比較したが、経時による黒
色味の変化は、カーボン着色のみの製品に比べ、優れて
いることが確認された。 実施例17 (株)キヤノン製複写機(機種名NP−3525)のク
リーニング廃トナーをサンプリングした。
【0115】この廃トナーは、磁性体を約35重量%含
有し、樹脂はスチレン系(Tg=59℃)であり、低分
子量ポリオレフィンが約5重量%、シリカが約0.6重
量%、紙粉が約4重量%含まれ、体積平均粒径が10.
5μm、4μm以下の微粉含有率が35個数%であり、
添加剤の要件を満足している。
【0116】この廃トナー5重量部、ポリエチレン樹脂
組成物100重量部、カーボン着色ペレット5重量部を
混合攪拌後、成形機に投入し、プラスチック境界杭を連
続的に成型した。
【0117】得られた境界杭には、色ムラ、濃度間差は
認められず、重量感のある黒色色味の製品が得られた。
【0118】また、杭の強度を測定したが、カーボン着
色のみの杭に比べ、引っ張り強度、曲げ強度が改善され
ていることが確認された。 実施例18 テレフタル酸0.5モル部、ベンゼン1,2,4トリカ
ルボン酸0.33モル部、ポリオキシプロピレン(3,
3)−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
1.0モル部より合成したポリエステル樹脂(Tg=5
4℃)100重量部、磁性酸化鉄微粉末(四三酸化鉄F
34 等を含んだもので、平均粒径0.5μ)140
重量部、低分子量ポリエチレン(重量平均分子量50,
000)10重量部をロールミルで混練後、体積平均粒
径20.0μの添加剤を得た。
【0119】この添加剤3.0重量部、ポリエチレン樹
脂50重量部、ポリプロピレン樹脂50重量部、カーボ
ン着色ペレット5.0重量部をタンブラーミキサーで混
合攪拌した。得られた混合物を、射出成形機を用いて連
続的に数十枚のプラスチック敷板を成型した。
【0120】得られた敷板を検査したが、各敷板内での
濃度ムラ、及び敷板間での濃度差は認められなかった。
敷板の黒色味は、カーボン着色の製品と比べて、明らか
に異なり、高級感のある天然石に似た黒色味を呈してい
た。またカーボン着色のみの敷板と強度を比較したが、
強度が強くなっていることが確認された。また、耐久性
を比較したが、経時による黒色味の変化は、カーボン着
色のみの製品に比べ、優れていることが確認された。 実施例19 スチレン−ビニルトルエン共重合体(Tg=64℃)1
0重量部、磁性酸化鉄(四三酸化鉄等を含むもの)粉末
(平均粒径0.3μ)100重量部、低分子量ポリプロ
ピレン(重量平均分子量8,000)5重量部をロール
ミルで混練後、ジェットミルで粉砕し、ジグザグ分級機
で分級後、体積平均粒径10.0μの着色樹脂粉末を得
た。この樹脂粉末100重量部に対して、0.5重量部
のシリカ粉末(1次粒子粒径20mμ、比表面積110
2 /g)を添加し、ヘンシェルミキサーで混合攪拌
後、100MESH(スクリーン間隙約150μ)のふ
るいを通して、添加剤を得た。
【0121】この添加剤4.0重量部、ゼネラルパーパ
スグレードのポリスチレン樹脂ペレット100重量部を
タンブラーミキサーに投入し、混合攪拌を行った。
【0122】混合物を射出成形機(住友重機械製SH5
0)に投入し、プラスチックトレーを数十枚連続的に成
型した。得られたトレーを検査したが、トレー内で色ム
ラ、あるいはトレー間での濃度差は認められなかった。 比較例4 実施例19で用いたポリスチレン樹脂100重量部、市
販のカーボンペレット4重量部を実施例19と同様に混
合攪拌し、混合物を得た。得られた混合物を用いて、実
施例19と同様にトレーを連続成型したが、トレー内で
の色ムラ、及びトレー間での濃度差が認められた。
【0123】また強度を測定したが、実施例19で得た
ものよりは、強度的に特に引っ張り強度が弱いことが確
認された。 実施例20 キヤノン(株)製の複写機(機種名NP−4550)に
使用されている磁性トナーをサンプリングした。
【0124】この磁性トナーの特性を測定したところ、
樹脂はスチレン系樹脂(Tg=60℃、数平均分子量=
1.6万、重量平均分子量=30万)であり、磁性体の
含有率は約35重量%、低分子量オレフィン樹脂が約5
重量%、シリカが約0.5重量%含有されており、添加
剤の要件を満足している。
【0125】この磁性トナー5.0重量部、ポリエチレ
ン樹脂ペレット100重量部をタンブラーミキサーに投
入し、混合攪拌した。
【0126】得られた混合物を用いて、境界杭を連続成
型したが、色ムラ、濃度差は認められなかった。また、
杭の強度を測定したが、カーボン着色の製品に比べて、
強度が強いことが確認された。 実施例21 実施例20で用いた磁性トナーを溶融固形化後、粗粉砕
し、10mmφのスクリーンを通して、粒径が10mm
以下の添加剤を得た。
【0127】この添加剤50重量部、ポリエチレン樹脂
ペレット100重量部を混合攪拌後、成形機に投入し、
境界杭を連続的に成型した。
【0128】得られた境界杭には、色ムラ、濃度間差は
認められなかった。黒色色味も重量感のある色味が得ら
れた。また、杭の強度を測定したが、カーボン着色のみ
の杭に比べ、強度が強いことが確認された。 実施例22 テレフタル酸0.3モル部、ベンゼン1,2,4トリカ
ルボン酸0.4モル部、ポリオキシプロピレン(2,
2)−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
1.0モル部より合成したポリエステル樹脂(Tg=5
4℃)100重量部、磁性酸化鉄微粉末(四三酸化鉄F
34 等を含んだもの、平均粒径0.8μ)80重量
部、低分子量ポリエチレン(重量平均分子量30,00
0)8重量部、シリカ粉末(1次粒子径20mμ、比表
面積110m2 /g)1.0重量部、紙粉(PPC用紙
の裁断時サンプリングしたもの)5重量部をロールミル
で溶融混練後、粉砕機に投入し、粒径10mm以下の添
加剤を得た。
【0129】この添加剤8.0重量部、ポリエチレン樹
脂50重量部、ポリプロピレン樹脂50重量部をタンブ
ラーミキサーに投入して混合攪拌して混合物を得た。得
られた混合物を成形機に投入し、連続的に数十枚のプラ
スチック敷板を成型した。得られた敷板を検査したが、
濃度ムラ、濃度間差は認められなかった。敷板の黒色味
は、カーボン着色のみの製品と比べて、明らかに異な
り、高級感のある天然石に似た黒色味を呈していた。
【0130】また、カーボン着色の敷板と強度を比較し
たが、引っ張り強度、曲げ強度が大きく改善されている
ことが確認された。
【0131】さらに、耐久性を比較したが、経時による
黒色味の変化は、カーボン着色の製品に比べ、優れてい
ることが確認された。 実施例23 (株)キヤノン製のレーザープリンタ(機種名LBP−
SX)のカートリッジを分解し、クリーニング廃トナー
をサンプリングした。この廃トナーは、磁性体を約32
重量%含有し、樹脂はスチレン系樹脂(Tg=60℃、
数平均分子量=3万、重量平均分子量=25万)であ
り、低分子量ポリオレフィンが約5重量%、シリカが約
0.5重量%、紙粉が約3重量%含まれて、添加剤の要
件を満足している。
【0132】このクリーニング廃トナー4.0重量部、
GPグレードポリスチレン樹脂ペレット100重量部を
タンブラーミキサーに投入し混合攪拌した。得られた混
合物を用いて、射出成形機(住友重機製SH50)に投
入して、プラスチックトレーを連続成型したが、色ム
ラ、濃度間差は認められなかった。
【0133】また、トレーの強度を測定したが、カーボ
ン着色の製品に比べ、引っ張り強度、曲げ強度が大きく
改善されていることが確認された。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように本発明の添加剤及び
この添加剤を含むプラスチック組成物を用いることによ
り以下に述べるような効果を奏する。 (1)プラスチック成型時の濃度ムラ及び濃度間の差異
をなくすことができる。 (2)カーボン着色剤添加のみの成型品と異なった黒色
色味が得られ、各製品に適した色味を得て差別化が可能
となる。 (3)引っ張り強度、曲げ強度等が向上した色調及び物
性均一な成形品が得られる。 (4)経時変化のない耐久性のある黒色色味が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−173753(JP,A) 特開 昭63−11951(JP,A) 特開 昭63−113057(JP,A) 特開 昭63−186740(JP,A) 特開 昭63−298253(JP,A) 特開 平6−87980(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 1/00 - 101/00 C08K 3/00 - 3/40

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を含むプラスチック用添加
    剤において、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度が40℃
    〜80℃であり、磁性粒子を分散含有してなり該熱可
    塑性樹脂が、ポリエステル系樹脂およびスチレン系樹脂
    から選ばれる少なくとも1つの樹脂であって数平均分子量が50,000以下であり、かつ重量平均
    分子量が数平均分子量の5倍以上である ことを特徴とす
    るプラスチック用添加剤。
  2. 【請求項2】 磁性粒子の含有量が30〜60重量%で
    ある請求項 1に記載のプラスチック用添加剤。
  3. 【請求項3】 平均粒径が3〜20μmである請求項1
    に記載のプラスチック添加剤。
  4. 【請求項4】 プラスチック用添加剤が低分子量ポリオ
    レフィンポリマーを含有している請求項1乃至3のいず
    れか1項に記載のプラスチック用添加剤。
  5. 【請求項5】 プラスチック用添加剤が無機微粒子又は
    紙粉を含有される請求項1又は2記載のプラスチック用
    添加剤。
  6. 【請求項6】 プラスチック用添加剤が磁性トナー組成
    物又は磁性クリーニング廃トナーを用いて形成されたも
    のである請求項1に記載のプラスチック用添加剤。
  7. 【請求項7】 プラスチックと添加剤を含むプラスチッ
    ク組成物において、該添加剤がガラス転移温度が40℃
    〜80℃である熱可塑性樹脂中に磁性粒子を分散含有し
    てなり、該熱可塑性樹脂が、ポリエステル系樹脂および
    スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも1つの樹脂であ
    って数平均分子量が50,000以下であり、かつ重量平均
    分子量が数平均分子量の5倍以上である ことを特徴とす
    るプラスチック組成物。
  8. 【請求項8】 プラスチックが耐衝撃性ポリスチレンお
    よびオレフィン系樹脂から選ばれた1種以上の樹脂から
    なる請求項7記載のプラスチック組成物。
  9. 【請求項9】 磁性粒子の含有量が30〜60重量%で
    ある請求項7記載のプラスチック組成物。
  10. 【請求項10】 添加剤の平均粒径が3〜20μmで
    ある請求項7乃至9のいずれか1項に記載のプラスチッ
    ク用添加剤。
  11. 【請求項11】 添加剤およびプラスチックを含むプラ
    スチック組成物から形成される成形品において、 該添加剤がガラス転移温度が40℃〜80℃である熱可
    塑性樹脂中に磁性粒子を分散含有し、熱可塑性樹脂がポ
    リエステル系樹脂およびスチレン系樹脂から選ばれる
    なくとも1つの樹脂であって数平均分子量が50,000以下であり、かつ重量平均
    分子量が数平均分子量の5倍以上である ことを特徴とす
    るプラスチック成形品。
  12. 【請求項12】 プラスチックが耐衝撃性ポリスチレン
    およびオレフィン系樹脂から選ばれた1種以上の樹脂か
    らなる請求項11記載のプラスチック成形品。
  13. 【請求項13】 磁性粒子の含有量が30〜60重量%
    である請求項11記載のプラスチック成形品。
  14. 【請求項14】 添加剤が低分子量ポリオレフィン樹脂
    を含有している請求項11記載のプラスチック成形品。
  15. 【請求項15】 添加剤が磁性トナー組成物又は磁性ク
    リーニング廃トナーで形成されたものである請求項11
    乃至14のうちいずれか1項に記載のプラスチック成形
    品。
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