JP2876460B2 - 浴室ユニットの排水部構造 - Google Patents

浴室ユニットの排水部構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、浴槽設置部と洗い場
部とを一体成型し、或は、浴槽設置部と洗い場部とを別
成型して連結するように構成されてなる浴室ユニットの
排水部構造に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】周知のように、この種の浴室ユ
ニットは、簡便に設置することができ、かつ、美観性に
も優れていることから広く用いられており、一般的には
FRP等の強化プラスチックで形成されている。
【0003】ところで、このような浴室ユニットの場
合、従来、図15に示すような排水部構造が採用されて
いるものがある。この従来の排水部は、洗い場部1と浴
槽(図示せず)が設置される浴槽設置部2とを画成する
境界突部3に、洗い場部1と浴槽設置部2とに連通する
開口4を形成し、上記洗い場側には、上記開口4と連通
する排水用凹部5を形成し、該排水用凹部5の底部に
は、排水トラップ(図示せず)を連通接続すると共に、
該排水用凹部5の上部には、該排水用凹部5の開口4側
を閉塞する閉塞板6と上記排水用凹部5の上部開口4を
閉塞する蓋体8が着脱自在に装着されるように構成され
ていた。
【0004】しかしながら、上記従来の排水部構造にあ
っては、上記蓋体8で排水用凹部5が隠蔽され、かつ、
この蓋体8に開設された複数個の排水孔9により汚水を
排水トラップへと流下させることができると共に、逆U
字状に折曲形成された上端部が境界突部3の周縁部に嵌
装される上記閉塞板6によって、洗い場部1の汚水が浴
槽設置部2へと流入するのを阻止できるように構成され
てはいるが、洗い場部1の汚水が集中する上記蓋体8
は、単に複数個の排水孔9が開設されているだけの構成
であるため、排水用凹部5内が透けて見えて美観性に乏
しく、また、該蓋体8に垢や毛髪等が堆積して排水が堰
き止められるため、排水性が非常に悪い、という問題を
有していた。
【0005】この発明は、かかる現状に鑑み創案された
ものであって、その目的とするところは、排水用の蓋体
の美観性・メンテナンス性・排水性を大幅に向上するこ
とができる浴室ユニットの排水部構造を提供しようとす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にあっては、洗い場側と浴槽設置部とを画
成する境界突部と、該境界突部に開設され上記洗い場部
と浴槽設置部とに連通する凹状に形成された開口と、該
開口と連通する排水用凹部と、上記境界突部に沿って洗
い場側に形成された排水溝と、上記排水用凹部の上部に
形成された2段の段部に着脱自在に装着されるゴミ篭体
及び蓋体と、で浴室ユニットの排水部構造を構成し、上
記ゴミ篭体は、複数個の排水孔を有する底面部と、この
底面部から上方に連設された網部と、上記底面部の境界
突部側から立ち上がり形成された把手部と、を有して構
成されていると共に、上記蓋体は、洗い場部側を閉塞す
るカバー部と、このカバー部から一段落とし込まれて上
記排水溝と面一に連通接続される排水面部と、この排水
面部に凹設された排水ガイド部と、この排水ガイド部に
流入した汚水を上記カバー部の下方向へと排水する開口
部と、から構成したことを特徴とするものである。
【0007】
【実施例】以下、添付図面に示す一実施例に基づき、こ
の発明を詳細に説明する。
【0008】図1と図2に示すように、この実施例に係
る浴室ユニットは、洗い場部10と浴槽(図示せず)が
設置される浴槽設置部11とが一体に形成され、これら
洗い場部10と浴槽設置部11との境界部には、上方に
突出する境界突部12が形成されている。
【0009】そして、上記境界突部12の略中央部に
は、図1乃至図4に示すように、上記洗い場部10と浴
槽設置部11とに連通する凹状に形成された開口13が
開設されていると共に、上記洗い場部10の境界突部側
には、該開口13と連通する開口を有する排水用凹部1
4が形成されており、該排水用凹部14の底部には、公
知の構成からなる排水トラップ(図示せず)が連通接続
されている。尚、図中10aは、上記境界突部12に沿
って形成され、排水用凹部14の方向に下がり勾配で形
成された洗い場部10に形成された排水溝である。
【0010】このように構成された上記排水用凹部14
の上部には、図2と図3に示すように、2段の段部1
5,16が形成されており、これらの段部15,16
に、図1と図3に示すように、ゴミ篭体17と蓋体18
とが着脱自在に装着される。
【0011】ゴミ篭体17は、図5乃至図7に示すよう
に、放射状に開設された複数個の排水孔を有する傾斜し
た底面部20と、この底面部20から上方に拡開して連
設された網部21と、上記底面部20の境界突部側から
平板状に立ち上がり形成された把手部22と、から構成
されており、上記網部21の上側周縁部から水平方向に
延設されたフランジ周縁部23が、上記段部16に係止
されるように構成されていると共に、上記把手部22を
把持することで、該ゴミ篭体17を容易に着脱すること
ができるように構成されている。
【0012】また、上記蓋体18は、図8乃至図13に
示すように、上記洗い場部側を閉塞するカバー部30
と、このカバー部30から一段落とし込まれて上記排水
溝10aと面一に連通接続される排水面部34と、この
排水面部34に半円状に凹設された排水ガイド部33
と、この排水ガイド部33に流入した汚水を上記カバー
部の下方向へと排水する開口部32と、上記開口13を
閉塞する立ち上がり部31と、から構成されており、上
記排水溝10aを通って流れる汚水は、排水用凹部14
に装着された蓋体18の排水面部34から排水ガイド部
33を経て、上記開口部32から排水用凹部14の略中
心方向へと流れるように構成されている。
【0013】上記カバー部30は、上記排水用凹部14
の手前側の開口を覆うように形成され、その裏面側に
は、補強桟リブが形成されており、該カバー部30の周
縁部30aが上記段部15に係止されるように構成され
ている。
【0014】また、上記排水面部34は、前記ガイド溝
10aの排水用凹部14側の高さ寸法と同一となるよう
に形成されている。尚、上記排水ガイド部33は、蓋体
18を着脱するときに、手を入れて把持することができ
るので、この着脱作業を容易に行なうことができる、と
いう効果が得られる。
【0015】次に、以上のように構成されてなる排水部
の作用について説明すると、洗い場部10からの汚水
は、該洗い場部10の傾斜に沿って境界突部12方向へ
と流れた後、排水溝10aに沿って排水用凹部14へと
流れる。
【0016】そして、この排水用凹部14へと流れた汚
水は、図14に示すように、排水溝10aと面一となる
ように落とし込まれて形成された排水面部34から排水
ガイド部33を経て、上記開口部32から排水用凹部1
4の略中心部方向へと排水される。このとき、ゴミ篭体
17は、汚水中に含有されている垢や毛髪などを除去し
て、汚水のみを排水用凹部14の底部の連通接続された
排水トラップへと排水する。また、上記排水用凹部14
に流入する汚水は、上記開口13を閉塞する立ち上がり
部31によって浴槽設置部11側に流入することはな
い。
【0017】それ故、この実施例では、排水用凹部14
の開口13を、従来の閉塞板のような部品で閉塞しなく
とも、洗い場側の汚水が浴槽設置部11側に流入する心
配が全くなく、この種の排水部における排水処理が大幅
に簡略化されると共に、上記蓋体18の開口部32が洗
い場部10側に露呈していないので、排水用凹部14を
確実に隠蔽することができて美観を向上することがで
き、また、蓋体18とゴミ篭体17とを別体に形成した
ので、目詰まりしにくく、かつ、清掃も容易である等の
効果が得られる。
【0018】勿論、浴槽設置部11側の排水は、上記排
水用凹部14の下部開口を通じて排水される。
【0019】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、蓋体
を、洗い場部側を閉塞するカバー部と、このカバー部か
ら一段落とし込まれて上記排水溝と面一に連通接続され
る排水面部と、この排水面部に凹設された排水ガイド部
と、この排水ガイド部に流入した汚水を上記カバー部の
下方向へと排水する開口部と、から構成したので、排水
用凹部が透けて見えないので美観がよく、また、この蓋
体の開口部の下方には、複数個の排水孔を有する底面部
と、この底面部から上方に連設された網部と、上記底面
部の境界突部側から立ち上がり形成された把手部と、で
構成されてなるゴミ篭体を配設したので、蓋体に垢や毛
髪が堆積して排水が堰き止められる心配がなく、しか
も、これら垢や毛髪はゴミ篭体で自動的に集められるの
で、清掃が非常に容易となる等、幾多の優れた効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る浴室ユニットの排水
部を分解して示す部分斜視図である。
【図2】同浴室ユニットの縦断面図である。
【図3】同浴室ユニットの排水部の拡大断面図である。
【図4】同浴室ユニットの排水部の平面図である。
【図5】同浴室ユニットの排水部に装着されるゴミ篭体
の平面図である。
【図6】同ゴミ篭体の側面図である。
【図7】同ゴミ篭体の半截正面図である。
【図8】同浴室ユニットの排水部に装着される蓋体の平
面図である。
【図9】同蓋体の裏面図である。
【図10】同蓋体の半截正面図である。
【図11】同蓋体のカバー部を半截して示す断面図であ
る。
【図12】同蓋体の背面図である。
【図13】同蓋体の側面断面図である。
【図14】同浴室ユニットの排水部における汚水の流路
を示す説明図である。
【図15】従来の浴室ユニットの排水部の構成を示す分
解斜視図である。
【符号の説明】
10 洗い場部 10a 排水溝 11 浴槽設置部 12 境界突部 13 開口 14 排水用凹部 18 蓋体 30 カバー部 32 開口部 33 排水ガイド部 34 排水面部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗い場側と浴槽設置部とを画成する境界
    突部と、該境界突部に開設され上記洗い場部と浴槽設置
    部とに連通する凹状に形成された開口と、該開口と連通
    する排水用凹部と、上記境界突部に沿って洗い場側に形
    成された排水溝と、上記排水用凹部の上部に形成された
    2段の段部に着脱自在に装着されるゴミ篭体及び蓋体
    と、から構成されてなり、上記ゴミ篭体は、複数個の排
    水孔を有する底面部と、この底面部から上方に連設され
    た網部と、上記底面部の境界突部側から立ち上がり形成
    された把手部と、を有して構成されていると共に、上記
    蓋体は、洗い場部側を閉塞するカバー部と、このカバー
    部から一段落とし込まれて上記排水溝と面一に連通接続
    される排水面部と、この排水面部に凹設された排水ガイ
    ド部と、この排水ガイド部に流入した汚水を上記カバー
    部の下方向へと排水する開口部と、から構成したことを
    特徴とする浴室ユニットの排水部構造。
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