JP2875217B2 - ラミネートフィルム及びその製造方法並びにこれを用いた袋体及び袋詰め体 - Google Patents

ラミネートフィルム及びその製造方法並びにこれを用いた袋体及び袋詰め体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラミネートフィル
ム及びその製造方法並びにこれを用いた袋体及び袋詰め
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、農薬やその他の種々の収容物
を収容するために、各層が剥離不能に強固にラミネート
されたラミネートフィルムにより構成された袋体が用い
られている。この従来のラミネートフィルムは、最も内
側にそれ同士で熱接着可能な(すなわち、ヒートシール
可能な)フィルム(例えば、LLD−PE(リニアロー
デンポリエチレン)からなるフィルム)を有している。
そして、このラミネートフィルムを前記熱接着可能なフ
ィルムが内側となるように重ね合わせて所定箇所をヒー
トシールして当該所定箇所の対面する熱接着可能なフィ
ルム間を溶着させて密封した袋体の内部に、収容物を収
容している。
【0003】前記ラミネートフィルムを用いて構成され
た密封された袋体の内部に収容物を収容した状態にする
方式として、それぞれ給袋方式及び自動包装方式と呼ば
れる2つの方式がある。給袋方式は、袋の製造業者等が
前記ラミネートフィルムを用いて一辺が開口した袋体を
製造しておき、収容物の製造業者等が、この袋体の供給
を受け、前記開口から袋体内に収容物を充填した後に前
記開口をヒートシールにより閉塞する方式である。一
方、自動包装方式は、収容物の製造業者等が、前記ラミ
ネートフィルムの重ね合わせ及び所定箇所のヒートシー
ル等を順次行いながら収容物を充填し、最終的に密閉さ
れた袋体内に収容物を収容した状態にする方式である。
そして、いずれの方式においても、収容物の製造業者等
において、前記工程を自動化する自動機械が広く用いら
れている。すなわち、給袋方式の場合には、前記一辺が
開口した袋体に収容物を自動的に充填した後に開口を自
動的にヒートシールする自動機械が用いられ、自動包装
方式の場合には前述した自動包装工程を自動化する自動
機械が用いられている。
【0004】ところで、一般的に、収容物が例えば粉体
の農薬(これは通常使用時に水で薄めて用いる)の場合
であっても、前述した従来のラミネートフィルムによる
袋体内に直接収容している。このため、農薬の使用者が
前記袋体を開封すると、開封時に粉体の農薬が巻き上が
ってこの粉体を使用者が吸入したり、使用者が粉体に手
で触れたりすることになるので、人体に害を与えること
になる。また、粉体の農薬を水で薄めるべく、粉体の農
薬を袋体からタンク等の内部に入れる際にも、粉体の農
薬が巻き上がるなどによって、同様に人体に害を与える
ことになる。また、農薬を袋体から取り出した後にも、
袋体の内側には農薬が付着しているので、袋体をそのま
ま通常のゴミとして廃棄してしまうと、公害の原因とな
る。
【0005】そこで、近年、このような危険性を防止し
て安全性を確保するべく、粉体の農薬を水溶性フィルム
で構成した袋体内に収容して密封した状態にし、水溶性
フィルムの袋体内に収容された粉体の農薬を更に前述し
た従来のラミネートフィルムによる袋体内に収納して密
封することが、行われてきている。この場合、水溶性フ
ィルムの袋体が内袋で前記従来のラミネートフィルムに
よる袋体が外袋となる。なお、このような外袋を用いる
理由は、水溶性フィルムが外部環境により変質し易いと
ともに強度も十分ではないからである。
【0006】このような内袋及び外袋を用いる場合に
は、外袋を開封しても農薬が巻き上がることがなく、ま
た、内袋から農薬を取り出すことなくタンク等の中に入
れてそのまま水を入れて薄めればよい(これにより水溶
性フィルムからなる内袋が溶解する)ので、人体に害を
与えることがなくなり安全性を確保することができると
ともに、その取り扱いが極めて容易となる。また、外袋
から農薬を取り出した後には、外袋の内側には農薬が付
着していないので、外袋をそのまま通常のゴミとして廃
棄しても全く問題が生じない。
【0007】以上説明した事情は、粉体の農薬のみなら
ず、粒体や液体の農薬、その他の種々の収容物に関して
も同様である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の内袋及び外袋を用いる方式では、コストが非常に増
大してしまう。すなわち、例えば、前記従来の内袋及び
外袋を用いる方式では、内袋を別個に製造しなければな
らずその製造コストが余分にかかり、また、内袋内に収
容した収容物を外袋内に収容するためには、前述した給
袋方式及び自動包装方式のいずれの方式においても前述
した既存の自動機械を用いることができず、新たな設備
が必要となり、設備コストも余分にかかる。
【0009】そこで、1層又は複数層からなる外層用フ
ィルムと水溶性フィルムとを接着力(接着強度又は剥離
強度)の弱い接着剤にて剥離可能に弱接着したラミネー
トフィルムを用意し、前述した従来の給袋方式又は自動
包装方式により、このラミネートフィルムを水溶性フィ
ルムが内側となるように重ね合わせて所定箇所にヒート
シールして当該所定箇所の対面する水溶性フィルム間を
溶着させて密封した袋体の内部に、収容物を収容するこ
とが考えられる。なお、水溶性フィルムは、一般的にそ
れ同士で熱接着可能である。
【0010】この接着剤を用いる方式によれば、前記ラ
ミネートフィルムによる袋体は、外袋として作用する外
層用フィルムと内袋として作用する水溶性フィルムとの
二重構造となっており、両者の間が剥離可能に弱接着さ
れているので、収容物の使用者は、外層用フィルムのみ
を剥離することによって、前述した内袋及び外袋の方式
と同様に、水溶性フィルムによる内袋に収容された状態
の収容物を得ることができ、農薬等の収容物が巻き上が
るようなことがなく、当該内袋から収容物を取り出すこ
となくタンク等の中に入れてそのまま水を入れて薄めれ
ばよい(これにより水溶性フィルムからなる内袋が溶解
する)ので、人体に害を与えることがなくなって安全性
を確保することができるとともに、その取り扱いが極め
て容易となる。
【0011】そして、収容物の収容に際しては、前記ラ
ミネートフィルムは従来のラミネートフィルムと同様に
取り扱うことができるので、既存の自動機械等の設備を
そのまま用いることができる。また、前述した内袋及び
外袋の方式と異なり、内袋を別個に製造するものではな
いので、製造コストもさほど要しない。
【0012】しかしながら、この接着剤を用いる方式で
は、前記接着剤として理想的な特性を有する接着剤を得
ることは困難であるので、例えば、経時的に接着剤の成
分と水溶性フィルムとが反応して接着剤や水溶性フィル
ムの特性が変化し、使用者による収納物の使用時に外層
フィルムを水溶性フィルムから剥離することが困難とな
ったり、使用者の手元に届くまでの間に外層用フィルム
が剥離してしてしまったり、水溶性フィルムにピンホー
ルなどが生じてしまったり、水溶性フィルムの水溶性を
低下させたりするおそれがある。また、外層フィルムを
水溶性フィルムから剥離したときに接着剤の一部が水溶
性フィルムに残り、水溶性フィルムの溶解性を損なった
り、農薬等の収容物の使用時に水溶性フィルムが水に溶
解した後にタンク等の中で接着剤の成分が農薬等の収納
物の成分と反応し、農薬等の収容物が変質してしまうお
それがある。
【0013】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、実質的に外袋及び水溶性フィルムからなる内
袋の二重構造を有するとともに外袋の剥離特性の優れた
袋体を、既存の設備を用いて製造することができるラミ
ネートフィルム、及びその製造方法並びにこれを用いた
袋体及び袋詰め体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様によるラミネートフィルムは、
1層又は複数層からなる外層用フィルムと、水溶性フィ
ルムと、前記外層用フィルムと前記水溶性フィルムとの
間に介在された中間層であって、少なくとも前記水溶性
フィルムの側の面が所望の程度に酸化された高圧法ポリ
エチレンを含む中間層とからなり、前記外層用フィルム
と前記中間層との間が強接着されるとともに、前記中間
層と前記水溶性フィルムとの間が直接に接して剥離可能
に弱接着されたものである。
【0015】なお、強接着とは、その間の剥離が実質的
に困難な程度の接着力で接着されることいい、弱接着と
は、前記強接着より弱い接着力であってその間の剥離が
可能な程度の接着力で接着されることをいう。
【0016】本発明の第2の態様によるラミネートフィ
ルムは、前記第1の態様によるラミネートフィルムにお
いて、前記中間層が、前記高圧法ポリエチレンに混合さ
れたエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーを
含むものである。
【0017】本発明の第3の態様によるラミネートフィ
ルムは、前記第1又は第2の態様によるラミネートフィ
ルムにおいて、前記中間層の表面の前記酸化された高圧
法ポリエチレンのカルボニル基と前記水溶性フィルムの
表面の水酸基とが結合しているものである。
【0018】本発明の第4の態様によるラミネートフィ
ルムは、前記第1乃至第3のいずれかの態様によるラミ
ネートフィルムにおいて、前記水溶性フィルムが、ポリ
ビニルアルコール、酢酸ビニル、酢酸ビニル系樹脂、ポ
リアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリビニル
ピロリドンのうちの1種以上からなるものである。
【0019】本発明の第5の態様によるラミネートフィ
ルムは、前記第1乃至第4のいずれかの態様によるラミ
ネートフィルムにおいて、前記水溶性フィルムが、当該
水溶性フィルムの前記中間層側の面がコロナ処理された
ものである。
【0020】本発明の第6の態様によるラミネートフィ
ルムの製造方法は、1層又は複数層からなる外層用フィ
ルムと水溶性フィルムとの間に、溶融され熱酸化された
高圧法ポリエチレンを膜状に押し出し、前記外層用フィ
ルム、前記水溶性フィルム及び前記膜状の高圧法ポリエ
チレンを圧着しつつ冷却するものである。
【0021】本発明の第7の態様によるラミネートフィ
ルムの製造方法は、1層又は複数層からなる外層用フィ
ルムと水溶性フィルムとの間に、溶融され熱酸化された
高圧法ポリエチレンとエチレン・α−オレフィン共重合
体エラストマーとを含む混合物を膜状に押し出し、前記
外層用フィルム、前記水溶性フィルム及び前記膜状の混
合物を圧着しつつ冷却するものである。
【0022】本発明の第8の態様によるラミネートフィ
ルムの製造方法は、前記第6又は第7の態様による製造
方法において、前記圧着の前に、前記膜状の高圧法ポリ
エチレン又は前記膜状の混合物の前記水溶性フィルムの
側の面にオゾンを吹きつけるものである。
【0023】本発明の第9の態様によるラミネートフィ
ルムの製造方法は、前記第6乃至第8の態様による製造
方法において、前記圧着の前に、前記水溶性フィルムの
前記外層用フィルムの側の面をコロナ処理するものであ
る。
【0024】本発明の第10の態様による袋体は、前記
第1乃至第5のいずれかの態様によるラミネートフィル
ムを用い、当該ラミネートフィルムを前記水溶性フィル
ムが内側となるように重ね合わせて所定箇所をヒートシ
ールして当該所定箇所の対面する水溶性フィルム間を溶
着させ、一辺が開口した袋状に形成されたものである。
【0025】本発明の第11の態様による袋詰め体は、
請求項1乃至5のいずれかに記載のラミネートフィルム
を用い、当該ラミネートフィルムを前記水溶性フィルム
が内側となるように重ね合わせて所定箇所をヒートシー
ルして当該所定箇所に対面する水溶性フィルム間を溶着
させて密封した袋体の内部に、所望の収容物を収容した
ものである。
【0026】本発明の第12の態様による袋詰め体は、
前記第11態様による袋詰め体において、ヒートシール
部分に分離用のミシン目を形成したものである。
【0027】本発明の第13の態様による袋詰め体は、
前記第1乃至第5のいずれかの態様によるラミネートフ
ィルムであって、前記外層用フィルムの所定の縁部分に
は前記水溶性フィルムがラミネートされていないラミネ
ートフィルムを用い、当該ラミネートフィルムを前記水
溶性フィルムが内側となるとともに前記縁部分がずれて
対面するように重ね合わせて所定箇所をヒートシールし
て当該所定箇所の対面する水溶性フィルム間を溶着させ
て密封した袋体の内部に、所望の収容物を収容したもの
である。
【0028】本発明の第14の態様による袋詰め体は、
前記第11の態様による袋詰め体において、ヒートシー
ル部分に囲まれ前記収容物が収容されない非ヒートシー
ル部分を有し、該非ヒートシール部分に対応する縁部に
分離用の切欠部が形成されたものである。
【0029】本発明の第15の態様による袋詰め体は、
前記第11乃至第14の態様による袋詰め体において、
前記収容物が、農薬、薬剤、食品又は釣り用の撒き餌で
あるものである。
【0030】本発明の第16の態様によるラミネートフ
ィルムの製造方法は、前記第6乃至第9のいずれかの態
様による製造方法において、前記水溶性フィルムを乾燥
させるものである。
【0031】ここで、前記第1乃至第5の態様によるラ
ミネートフィルムにおける弱接着の、推測される基本的
な原理について、説明する。
【0032】ラミネートフィルムの分野における従来の
技術常識からすると、高圧法ポリエチレンと水溶性フィ
ルムとの間の直接の接着(接着剤を介在させない接着)
は困難であると考えられ、ラミネートフィルムの分野に
おいてそのような接着が行われている事例は全くない。
ラミネーション技術には、接着剤ラミネーションの他
に、接着剤を用いずに複数のフィルム間を直接に接着す
る押し出しラミネーションがある。しかし、ラミネーシ
ョン技術の分野においては、押し出しラミネーション
は、複数のフィルム間を強固に接着して一体化する技術
として確立されており、押し出しラミネーションを複数
のフィルム間を剥離可能に弱接着するために用いるとい
う着想は全くなく、押し出しラミネーションを複数のフ
ィルム間の弱接着に用いた事例は全くない。特に、高圧
法ポリエチレンと水溶性フィルムとの間の直接の接着の
ために、押し出しラミネーションを用いた事例は全くな
い。
【0033】高圧法ポリエチレンは、下記の化1に示さ
れる繰り返し単位を持ち、その末端基が水素結合であっ
て無極性である。一方、水溶性フィルムの末端基は水酸
基−OH-の極性基を有する。このため、両者の直接の
接着(接着剤を介在させない接着)が困難であると考え
られる。
【0034】
【化1】
【0035】しかしながら、本件発明者は、研究の結
果、高圧法ポリエチレンを有する膜の表面を酸化させる
と、酸化の程度に応じた接着力(剥離力)を有する接着
が高圧法ポリエチレンと水溶性フィルムとの間で可能で
あることを見出した。
【0036】すなわち、高圧法ポリエチレンを酸化させ
ると、酸化の程度に応じて高圧法ポリエチレンにおける
酸化の程度に応じた部分が、下記の化2で示されるよう
になる。一方、水溶性フィルム、例えば、ポリビニルア
ルコールは、化3で示される繰り返し単位を持ち、その
構造式は化4で表される。
【0037】
【化2】
【0038】
【化3】
【0039】
【化4】
【0040】したがって、下記の化5に示すように、酸
化された高圧法ポリエチレンのカルボニル基とポリビニ
ルアルコールの水酸基との間で、比較的結合強度の弱い
結合を生じさせることが可能となる。よって、この結合
により、酸化された高圧法ポリエチレンの膜とポリビニ
ルアルコールのフィルムとの間に接着力が生じ、両者の
直接の接着が可能となる。そして、酸化された高圧法ポ
リエチレンにおけるカルボニル基の量は酸化の程度に応
じて変化することから、酸化された高圧法ポリエチレン
の膜とポリビニルアルコールとの間の接着力は、高圧法
ポリエチレンの酸化の程度により調整することができ
る。そして、他の水溶性フィルムも水酸基を有すること
から、このような原理は、ポリビニルアルコールのフィ
ルムのみならず、他の水溶性フィルムにも適合する。
【0041】
【化5】
【0042】この原理により、前記第1の態様によるラ
ミネートフィルムにおいて、少なくとも前記水溶性フィ
ルムの側の面が所望の程度に酸化された高圧法ポリエチ
レンを含む中間層と水溶性フィルムとの間が直接に接し
て剥離可能に弱接着することができるものと考えられ
る。
【0043】なお、前記第1の態様における外層用フィ
ルムの最も中間層側の層は、例えば、高圧法ポリエチレ
ンが熱接着可能なもの(溶融した高圧法ポリエチレンが
強接着可能なもの)を用いればよく、これにより外層用
フィルムと中間層との間に強接着が実現することができ
る。
【0044】本発明において用いる外層用フィルムとし
ては、例えば、前述した従来のラミネートフィルムにお
いて用いられていた種々の外層用フィルムを採用するこ
とができる。具体的には、外層用フィルムとして、例え
ば、(1)ポリエステルフィルム単体、(2)紙単体、
(3)紙の上にポリエステルフィルムを熱接着したもの
(紙を前記中間層側とする)、(4)ポリエステルフィ
ルム、接着剤層、アルミ箔層、接着剤層、ポリエステル
フィルムをこの順に積層して前記各接着剤層にてドライ
ラミネートしたもの、(5)アルミ蒸着ポリエステルフ
ィルム(アルミニウムが蒸着されたポリエステルフィル
ム)、接着剤層、ポリエステルフィルムをこの順に積層
して前記接着剤層にてドライラミネートしたもの(ポリ
エステルフィルムを前記中間層側とする)、などを採用
することができる。
【0045】また、高圧法ポリエチレンの酸化は、例え
ば、高圧法ポリエチレンを高温に加熱し(例えば、高圧
法ポリエチレンを溶融状態にし)、この高温により促進
される空気中の酸素による酸化(本明細書では、この酸
化を熱酸化という)であってもよいし、オゾンを吹きつ
けるなどにより強制的に行う酸化(本発明では、この酸
化を強制酸化という)であってもよいし、熱酸化と強制
酸化の両方による酸化であってもよい。例えば、熱酸化
の場合は高圧法ポリエチレンの温度を変えることにより
酸化量を調整することができ、強制酸化の場合は吹きつ
けるオゾンの濃度を変えることにより酸化量を調整する
ことができる。
【0046】また、前記第2の態様のように、前記中間
層に、高圧法ポリエチレンにエチレン・α−オレフィン
共重合体エラストマーを混合したものを用いると、その
混合量に応じて前記中間層と水溶性フィルムとの間の接
着力を調整できることが判明した。また、このように、
エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーを混合
しておくと、中間層の柔軟性が高まる。したがって、水
溶性フィルムが伸縮し易いにもかかわらず、中間層が水
溶性フィルムの伸縮に追従し得るようになり、水溶性フ
ィルムの伸縮による中間層と水溶性フィルムとの間の意
図しない剥離等が発生するおそれが少なくなる。なお、
エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーに代え
て又はこれに加えて、これと同様の化学的性質を有する
物質を混合してもよい。
【0047】さらに、水溶性フィルムとしては、前記第
4の態様において例示したように、種々の物質からなる
ものを用いることができる。例えば、水溶性フィルム
は、部分ケン化ポリビニルアルコールなどの水溶性合成
高分子フィルムなどでもよい。また、例えば、水溶性フ
ィルムとして、水溶性ポリビニルアルコール系フィルム
を用いることができる。水溶性ポリビニルアルコール系
フィルムとしては、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、も
しくは、マレイン酸、イタコン酸等で変性したポリビニ
ルアルコールが挙げられる。ケン化度の範囲としては、
70〜98モル%、重合度としては500〜3000の
範囲であってもよい。そのようなケン化度及び重合度
は、水溶性の程度やフィルム強度、水に溶解する時間等
を考慮して適宜定めることができる。
【0048】また、水溶性フィルムは、例えば、(1)
無変性の部分ケン化ポリビニルアルコールからなるフィ
ルムでもよいし、(2)カルボン酸変性したポリビニル
アルコールからなるフィルムでもよいし、(3)オキシ
アルキレン基やカチオン性基などを導入した変性ポリビ
ニルアルコールからなるフィルムでもよいし、(4)ス
ルホン酸基を含有した変性ポリビニルアルコールからな
るフィルムでもよい。スルホン酸基を含有した変性ポリ
ビニルアルコールからなる水溶性フィルムとしては、例
えば、特開平7−118407号公報に開示されている
変性ポリビニルアルコールからなる水溶性フィルムを挙
げることができる。この水溶性フィルムは、下記の化6
で表されるスルホン酸基含有単位を0.1〜20モル%
含有する変性ポリビニルアルコールを製膜してなるもの
である。
【0049】
【化6】
【0050】化6において、R1は水素又は低級アルキ
ル基、R2はアルキル基、R3,R4,R5は水素又はアル
キル基、Mは水素、アルカリ金属、アンモニウム基又は
アミンをそれぞれ示す。
【0051】また、水溶性フィルムは、前記第5の態様
のように、その前記中間層側の面がコロナ処理したもの
であってもよい。一般的に、コロナ処理は、100mm
Hg以上、通常、大気圧下の空気中におけるコロナ放電
により材料、特に高分子材料表面を改質する手段であっ
て、接着性等の向上に役立つものである。また、このコ
ロナ処理を行えば、コロナ放電により微量のオゾンガス
が発生するので、このオゾンガスを、溶融した高圧法ポ
リエチレンに吹きつけて高圧法ポリエチレンの面を強制
酸化させるために、用いることが可能となる。
【0052】前記第1乃至第5の態様によるラミネート
フィルムは、例えば、前記第6乃至第9の態様による製
造方法により製造することでき、これらの製造方法は、
エクストルージョンラミネート法に準じたものである。
なお、これらの製造方法では、溶融した高圧法ポリエチ
レンを用いているので、高圧法ポリエチレンの温度が高
く、その高圧法ポリエチレンは熱酸化されることにな
る。熱酸化による酸化量は、高圧法ポリエチレンの温度
と空気中への露出時間等により定まる。なお、前記第8
の態様では、更に高圧法ポリエチレンの酸化量を高める
べくオゾンを吹きつけている。このオゾンは、前述した
ようにコロナ処理により発生したオゾンを用いてもよい
し、オゾン発生機を用いて該オゾン発生機で発生したオ
ゾンを吹きつけてもよい。
【0053】前記第10の態様による袋体は、前記第1
乃至第5の態様によるラミネートフィルムを用いて構成
した袋体の例であり、一般的には、既に説明した給袋方
式において袋の製造業者等から収容物の製造業者等へ供
給されるものである。また、前記第11の態様による袋
詰め体は、前記第1乃至第5の態様によるラミネートフ
ィルムを用いて構成した前記第10の態様による袋体と
同様の袋体であって完全に密封した袋体の内部に、所望
の収容物を収容したものであり、収容物がその使用者の
手元に届く最終形態である。第11の態様による袋詰め
体は、前述した給袋方式に従って前記第10の態様によ
る袋体を利用して製造したものでもよいし、前述した自
動包装方式に従って前記第1乃至第5の態様によるラミ
ネートフィルムを用いて製造したものであってもよい。
【0054】前記第1乃至第5の態様によるラミネート
フィルムによれば、外層用フィルムと中間層との間が強
接着されるとともに、中間層と水溶性フィルムとの間が
直接に接して剥離可能に弱接着されているので、このラ
ミネートフィルムを用いた前記第11の態様による袋詰
め体の袋体は、外袋として作用する強接着された外層用
フィルム及び中間層(説明の便宜上、これら全体を「外
袋フィルム」という)と、内袋として作用する水溶性フ
ィルムとの、二重構造となっており、外袋フィルムと水
溶性フィルムとの間が剥離可能に弱接着されていること
になる。したがって、収容物の使用者は、外袋フィルム
のみを剥離することによって、前述した内袋及び外袋の
方式と同様に、水溶性フィルムによる内袋に収容された
状態の収容物を得ることができ、農薬等の収容物が巻き
上がるようなことがなく、当該内袋から収容物を取り出
すことなくタンク等の中に入れてそのまま水を入れて薄
めればよい(これにより水溶性フィルムからなる内袋が
溶解する)ので、人体に害を与えることがなくなって安
全性を確保することができるとともに、その取り扱いが
極めて容易となる。
【0055】そして、収容物の収容に際しては、前記第
1乃至第5の態様によるラミネートフィルムは従来のラ
ミネートフィルムと同様に取り扱うことができるので、
既存の自動機械等の設備をそのまま用いることができ
る。また、前述した内袋及び外袋の方式と異なり、内袋
を別個に製造するものではないので、製造コストもさほ
ど要しない。
【0056】さらに、前記第1乃至第5の態様によるラ
ミネートフィルムでは、前述したように酸化された高圧
法ポリエチレンのカルボニル基と水溶性フィルムの水酸
基との間の結合が生ずるだけであり、高圧法ポリエチレ
ンと水溶性フィルムとが経時的にも他の化学反応を引き
起こすおそれがない。このため、前述したような接着剤
を用いる方式と異なり、高圧法ポリエチレンや水溶性フ
ィルムの特性が経時的に変化してしまうおそれが少な
く、中間層と水溶性フィルムとの間の経時的に安定した
接着力を得ることができる。したがって、使用者による
収納物の使用時に外袋フィルムを水溶性フィルムから剥
離することが困難となったり、使用者の手元に届くまで
の間に外袋フィルムが剥離してしてしまったり、水溶性
フィルムにピンホールなどが生じてしまったり、水溶性
フィルムの水溶性を低下させたりするおそれがない。ま
た、既に説明したように、外袋フィルムと水溶性フィル
ムとの間(つまり、中間層と水溶性フィルムとの間)の
接着力は、酸化された高圧法ポリエチレンのカルボニル
基とポリビニルアルコールの水酸基との間に生ずる比較
的結合強度の弱い結合に起因して生ずるので、外袋フィ
ルムを剥離させたときに、中間層の成分が水溶性フィル
ムに残ることがない。したがって、農薬等の収容物の使
用時に水溶性フィルムが水に溶解した後にタンク等の中
で中間層の成分が農薬等の収納物の成分と反応し、農薬
等の収容物が変質してしまうようなおそれがない。ま
た、接着剤と異なり、中間層の厚みは比較的厚くするこ
とができるので、中間層に機械的な衝撃に対しての保護
としての機能を付加することもできる。さらに、接着剤
の場合は塗布によるピンホールが生ずるので防湿作用が
十分ではないが、中間層ではこのようなピンホールが生
じないので、中間層は防湿性を高める作用もなす。
【0057】前記第11の態様による袋詰め体において
は、前記第15の態様のように、収容物は、農薬に限定
されるものではなく、例えば、薬剤、食品又は釣り用の
撒き餌等であってもよい。これら以外の収容物であって
も、水溶性フィルムが溶解する液体等に入れて使用する
ものであって、例えば、人が触れたりすると、危険であ
ったり異臭がしたり汚かったりするものであれば、特に
有効である。また、収容物の形態は、粉体に限定される
ものではないし、粒体や液体であってもよい。なお、液
体であっても例えば有機溶剤等であれば水溶性フィルム
が溶けてしまうことはない。
【0058】ところで、前記第11の態様による袋詰め
体において、外袋フィルムを剥離するきっかけとなる部
分がなければ、収容物の使用者は外袋フィルムの剥離に
手間取り、不便である。前記第12乃至第13の態様に
袋詰め体は、このようなきっかけを形成した例である。
【0059】前記第12の態様による袋詰め体では、ヒ
ートシール部分に分離用のミシン目が形成されているの
で、このミシン目に沿ってヒートシール部分の一部を引
きちぎることにより、外袋フィルムの伸び量と水溶性フ
ィルムの伸び量とが異なることから、両者の延びた部分
が分離されることになり、この部分が外袋フィルムの剥
離のきっかけとなる。
【0060】前記第13の態様による袋詰め体では、水
溶性フィルムがラミネートされていない外層用フィルム
の所定部分の縁部分がずれて対面され、この部分は接着
していないので、この部分が外袋フィルムの剥離のきっ
かけとなる。
【0061】前記第14の態様による袋詰め体では、分
離用の切欠部から、ヒートシール部分に囲まれ収容物が
収容されていない非ヒートシール部分にかけて引きちぎ
っていくことによって、外袋フィルムの伸び量と水溶性
フィルムの伸び量とが異なることから、両者の延びた部
分が分離されることになり、この部分が外袋フィルムの
剥離のきっかけとなる。
【0062】
【実施例】以下、本発明の実施例について、説明する。
【0063】図1は、本発明の一実施例によるラミネー
トフィルムを模式的に示す断面図である。
【0064】本実施例によるラミネートフィルムは、図
1に示すように、外層用フィルム20と、水溶性フィル
ム6と、外層用フィルム20と水溶性フィルム6との間
に介在された中間層5であって、少なくとも水溶性フィ
ルム6の側の面が所望の程度に酸化された高圧法ポリエ
チレンを含む中間層5と、から構成されている。そし
て、外層用フィルム20と中間層5との間が強接着され
ている。中間層5と水溶性フィルム6との間が直接に接
して剥離可能に弱接着されている。
【0065】本実施例では、外層用フィルム20は、ポ
リエステルフィルム1、接着剤層2及びアルミ蒸着ポリ
エステルフィルム3からなるドライラミネートによる基
材フィルム10と、アルミ蒸着ポリエステルフィルム3
と中間層5との密着性を向上させるためのアンカーコー
ト剤層4と、から構成されている。
【0066】そして、具体的には、ポリエステルフィル
ム1として、PET#12であるユニチカ株式会社製の
「エンブレッドPET」と称する商品を用いた。アルミ
蒸着ポリエステルフィルム3として、MLPET#12
あるトーセロ株式会社製の「MLPET−C」と称する
商品を用いた。
【0067】また、中間層15は、高圧法ポリエチレン
の一種であるLDPE(高圧低密度ポリエチレン)であ
る昭和電工株式会社製の「L178」と称する商品の
み、あるいは、これに対してエチレン・α−オレフィン
共重合体エラストマーである三井石油化学工業株式会社
製の「タフマー」と称する商品を後述するような種々の
割合で混合したもの、を材料とした押し出しラミネート
による厚さ20μmの層とした。
【0068】水溶性フィルム6として、株式会社クラレ
製のポリビニルアルコールフィルムを用いた。
【0069】そして、本件発明者は、実際に、このよう
な構成のラミネートフィルムを、後述するように、所定
の製造条件の一部及び中間層5の材料のみを変えて、複
数種類製造した。その製造方法は、次の通りであった。
なお、図2は、その製造工程の一部を模式的に示す図で
ある。
【0070】まず、「エンブレッドPET」(ポリエス
テルフィルム1)と「MLPET−C」(アルミ蒸着ポ
リエステルフィルム3)とを接着剤2にてドライラミネ
ートし、基材フィルム10を用意した。そして、図2に
示すように、ラミネート機30の案内ローラ31を介し
てラミネート機30のプレッシャーローラ32とクーリ
ングローラ33との間に導く。基材フィルム10は「M
LPET−C」(アルミ蒸着ポリエステルフィルム3)
の側を図2中の上側として配置され、図示しない塗布ロ
ーラにて基材フィルム10の上面にアンカーコート剤4
が既に塗布されており、外層用フィルム20となってい
る。一方、株式会社クラレ製のポリビニルアルコールフ
ィルム(水溶性フィルム6)を、ラミネート機30の案
内ローラ34を介して、外層用フィルム20と反対の側
からプレッシャーローラ32とクーリングローラ33と
の間に導く。同時に、プレッシャーローラ32とクーリ
ングローラ33との間の位置の上方から、溶融された後
述する中間層物質(中間層5となる物質)を、外層用フ
ィルム20とポリビニルアルコールフィルム6との間に
押し出し機40にて膜状に押し出す。その結果、外層用
フィルム20、膜状の中間層物質及びポリビニルアルコ
ール6が、プレッシャーローラ32及びクーリングロー
ラ33により圧着されつつ冷却され、前述した図1に示
すラミネートフィルムとなり、案内ローラ35に導かれ
ていき、後述する図4(a)や図6(a)に示すように
巻き取られる。
【0071】前記押し出し機40として、L/D=32
で、D=90mmφのものを用いた。ここで、Lはスク
リューの長さ、Dはスクリューの直径を示す。また、ラ
ミネート機30の引き取り速度は、100m/minと
した。
【0072】そして、前記中間層物質(中間層5となる
物質)をA,B,C,Dの4種類に変えるとともに、そ
れぞれの種類に関して前記中間層物質の押し出し機40
の押し出し前の温度を320゜C、325゜C、330
゜Cの3つの温度にそれぞれ設定し、他の条件は全く同
一として、合計8種類の前述した図1に示すような構成
のラミネートフィルムを製造した。
【0073】ここで、中間層物質Aは100重量%の
「L178」(高圧法ポリエチレン)、中間層物質Bは
97重量%の「L178」と3重量%の「タフマー」
(エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマー)と
の混合体、中間層物質Cは95重量%の「L178」と
5重量%の「タフマー」との混合体、中間層物質Cは9
0重量%の「L178」と10重量%の「タフマー」と
の混合体である。
【0074】このようにして得た8種類のラミネートフ
ィルムの、外層用フィルム20及び中間層5からなるフ
ィルムと水溶性フィルム6との間の剥離強度(接着力又
は接着強度)は、下記の表1に示す通りであった。この
剥離強度の測定は、テスター産業株式会社製の横型引張
り試験器を用い、15mm幅で180゜剥離の条件で、
JIS P8113に従って行った。また、各種類のラ
ミネートフィルムについて、各部分から数10個の片を
切り出して、それぞれの剥離強度を測定した。表1で
は、各種類のラミネートフィルムについて、各片の得ら
れた測定値の範囲を示している。
【0075】
【表1】
【0076】表1から、中間層5における高圧法ポリエ
チレンに対するエチレン・α−オレフィン共重合体エラ
ストマーの混合量を変えることにより、剥離強度が変化
することがわかる。また、中間層物質の温度が高いほど
剥離強度が大きくなることがわかる。これは、温度が高
いほど高圧法ポリエチレンの熱酸化による酸化量が大き
くなることは自明であることから、高圧法ポリエチレン
の酸化量を大きくするほど剥離強度を大きくすることが
できることを意味している。また、このデータの範囲で
は、全体として0.2〜40.3g/15mmの剥離強
度が得られている。なお、本明細書では、弱接着の接着
力はこのような範囲に限定されるものではない。
【0077】また、外層用フィルム20及び中間層5か
らなるフィルムを水溶性フィルム6から剥離させても、
中間層5の成分が水溶性フィルム6の残ってしまうよう
な状況は確認されなかった。
【0078】そして、中間物質層Aで330゜Cの条件
で製造したラミネートフィルムを用いて製袋した密封状
態の袋体に関して、湿度90%で常温の環境下で48時
間経過した後にも、また湿度30%で常温の環境下で3
週間経過した後にも、いずれの場合も剥離強度には全く
変化が見られなかった。
【0079】高圧法ポリエチレンの酸化量を大きくする
ほど剥離強度を大きくすることができるので、より大き
い剥離強度が必要な場合には、中間層物質の温度を更に
上げたり、熱酸化のみならず、オゾンを、溶融した前記
中間層物質に吹きつけるなどにより強制酸化も行えばよ
い。
【0080】その場合には、例えば、図3に示すよう
に、コロナ処理機50を設置し、コロナ処理機50から
排出されたオゾンを、押し出し機40から押し出された
膜状の中間層物質の水溶性フィルム6の側の面に吹きつ
ければよい。この例では、コロナ処理機50を用いてオ
ゾンを発生させているので、オゾン発生にはコロナ放電
が必要であることから、水溶性フィルム6を圧着前にコ
ロナ処理機50でコロナ処理している。この場合、コロ
ナ処理によって水溶性フィルム6の表面が物理的に変化
(例えば、表面が粗くなるなど)すること等により、水
溶性フィルム6と中間層5との間の接着力を調整し得る
ものと考えられる。もっとも、コロナ処理機50を用い
ずに、オゾン発生機(図示せず)を用いてオゾンを押し
出し機40から押し出された膜状の中間層物質の水溶性
フィルム6の側の面に吹きつけてもよい。また、コロナ
処理機50を用いて水溶性フィルム6にコロナ処理を行
うとともに、コロナ処理機50から排出されたオゾン
は、押し出し機40から押し出された膜状の中間層物質
に吹き付けずにそのまま単に排気させてもよい。
【0081】また、実験の結果、水溶性フィルム6の含
水率が高くなると、水溶性フィルム6と中間層5との間
の接着力が低下してしまうことが判明した。そこで、所
望の接着力を安定して得るべく、水溶性フィルム6は、
予め保管する際には、調湿室に保管して含水率が所定の
値を維持するようにすることが好ましい。また、このよ
うに水溶性フィルム6を保管しておいても、ラミネート
フィルムを製造する際に、周囲の湿度によっては、水溶
性フィルム6の含水率が変動してしまうことがある。こ
のような場合には、例えば、図7に示すように、所望の
接着力を安定して得るべく、乾燥室2000を設置し
て、水溶性フィルム6を圧着前に乾燥室2000を通過
させて水溶性フィルム6を乾燥させてもよい。なお、乾
燥室2000は、例えば、遠赤外線発生装置を用いて構
成することができる。
【0082】本発明者らは、更に、本発明の他の実施例
によるラミネートフィルムとして、前述した図1に示す
基本構成を有する他の種々のラミネートフィルム(試料
No.1〜19のラミネートフィルム)を製造した。そ
して、試料No.1〜19のラミネートフィルムの、外
層用フィルム20及び中間層5からなるフィルムと水溶
性フィルム6との間の剥離強度(接着力又は接着強度)
を測定した。その測定結果を下記の表2に示す。なお、
この場合の剥離強度の測定も、前記表1の場合の剥離強
度の測定方法と同様の測定方法を採用した。表2に示す
剥離強度の測定は、ラミネートフィルム製造後40゜C
に維持した保温室にて48時間保管した後に行った。
【0083】
【表2】
【0084】試料No.1〜19のラミネートフィルム
では、水溶性フィルム6として、厚さ35μmのポリビ
ニルアルコールフィルムである東セロ株式会社製の「ト
スロンET−20#35」と称する商品を用いた。
【0085】試料No.1〜10のラミネートフィルム
では、外層用フィルム20は、ポリエステルフィルム
1、接着剤層2及びアルミ蒸着ポリエステルフィルム3
からなるドライラミネートによる基材フィルム10と、
アルミ蒸着ポリエステルフィルム3と中間層5との密着
性を向上させるためのアンカーコート剤層4と、から構
成されている。そして、試料No.1〜10のラミネー
トフィルムでは、ポリエステルフィルム1として、PE
#12であるユニチカ株式会社製の「エンブレッドPE
T」と称する商品を用い、アルミ蒸着ポリエステルフィ
ルム3として、MLPET#12である東セロ株式会社製
の「MLPET−C」と称する商品を用いた。
【0086】試料No.11〜19のラミネートフィル
ムでは、外層用フィルム20は、ポリエステルフィルム
1、高圧法ポリエチレンフィルム2及びアルミ箔3から
なる押し出しラミネーションによる基材フィルム10
と、アンカーコート剤層4と、から構成されている。そ
して、試料No.11〜19のラミネートフィルムで
は、ポリエステルフィルム1として、PET#12である
ユニチカ株式会社製の「エンブレッドPET」と称する
商品を用い、高圧法ポリエチレンフィルム2として、L
DPE(高圧低密度ポリエチレン)である日本ポリオレ
フィン株式会社(昭和電工株式会社の樹脂部門と日本石
油化学株式会社の樹脂部門とが合併することにより設立
された株式会社)製の「L178」と称する商品からな
る厚さ25μmのフィルムを用い、アルミ箔3として、
厚さ7μmの昭和アルミニウム株式会社製のアルミニウ
ム箔を用いた。
【0087】また、試料No.1〜19のラミネートフ
ィルムでは、中間層5は、高圧法ポリエチレンの一種で
あるLDPE(高圧低密度ポリエチレン)である日本ポ
リオレフィン株式会社(昭和電工株式会社の樹脂部門と
日本石油化学株式会社の樹脂部門とが合併することによ
り設立された株式会社)製の「L178」と称する商品
のみ、あるいは、これに対してエチレン・α−オレフィ
ン共重合体エラストマーである三井石油化学工業株式会
社製の「タフマー」と称する商品を後述するような種々
の割合で混合したもの、を材料とした押し出しラミネー
トによる厚さ25μmの層とした。
【0088】中間層5となる中間層物質は、試料No.
1,2,3,4,11,12,13のラミネートフィル
ムでは100重量%の「L178」、試料No.5,1
4のラミネートフィルムでは97重量%の「L178」
と3重量%の「タフマー」との混合体、試料No.6,
15のラミネートフィルムでは95重量%の「L17
8」と5重量%の「タフマー」との混合体、試料No.
7〜10,16〜19のラミネートフィルムでは90重
量%の「L178」と10重量%の「タフマー」との混
合体とした。
【0089】試料No.1〜19のラミネートフィルム
の製造方法は、図2に関連して前述した製造方法と同様
の製造方法を採用した。ただし、試料No.2〜4,8
〜10,12,13,17,19のラミネートフィルム
の製造時には、図3に示すようにコロナ処理機50を用
いて水溶性フィルム6に対してコロナ処理を行った。た
だし、コロナ処理機50から排出されたオゾンは、押し
出し機40から押し出された膜状の中間層物質に吹き付
けずにそのまま単に排気させた。このとき、コロナ処理
機50として、巴工業株式会社製の「ロール電極ステー
ション」と称する商品を用いた。試料No.2,12の
ラミネートフィルムの製造時には1.0KWで、試料N
o.3,8,13,17のラミネートフィルムの製造時
には1.5KWで、試料No.4のラミネートフィルム
の製造時には1.8KWで、試料No.9,18のラミ
ネートフィルムの製造時には2.5KWで、試料No.
10,19のラミネートフィルムの製造時には3.0K
Wでそれぞれコロナ処理を行った。試料No.1,5〜
7,11,14〜16のラミネートフィルムの製造時に
は、水溶性フィルム6に対するコロナ処理は行わなかっ
た。
【0090】また、試料No.1〜19のラミネートフ
ィルムの製造時には、押し出し機40として、L/D=
32で、D=90mmφのものを用い、ラミネート機3
0の引き取り速度は、100m/minとした。試料N
o.1〜19のラミネートフィルムの製造時には、前記
中間層物質(中間層5)となる物質)の押し出し機40
の押し出し前の温度を330゜Cとした。
【0091】表2から、中間層5における高圧法ポリエ
チレンに対するエチレン・α−オレフィン共重合体エラ
ストマーの混合量、コロナ処理の有無及び程度により、
剥離強度が変化することがわかる。また、試料No.1
〜19のラミネートフィルムにおいて、外層用フィルム
20及び中間層5からなるフィルムを水溶性フィルム6
から剥離させても、中間層5の成分が水溶性フィルム6
の残ってしまうような状況は確認されなかった。
【0092】なお、水溶性フィルム6の市販品の他の例
として、例えば、ポリビニルアルコールフィルムである
株式会社クラレ製の「VF−HP」と称する商品も挙げ
ることができる。
【0093】次に、図1に示すラミネートフィルムを用
いて構成した袋体の例について、図4を参照して説明す
る。
【0094】図4(a)は、図1に示すラミネートフィ
ルムであって、外層用フィルム20の全面に水溶性フィ
ルム6がラミネートされロール状に巻き取られたものを
示している。図4(b)〜(d)はそれぞれ、図4
(a)に示すラミネートフィルムを用い、当該ラミネー
トフィルムを折り曲げて水溶性フィルム6が内側となる
ように重ね合わせて所定箇所をヒートシールして当該所
定箇所の対面する水溶性フィルム6間を溶着させ、一辺
が開口した袋状に形成されてなる袋体の例を示してい
る。図4(b)に示す袋体では、左辺、右辺又は下辺が
折り曲げ線とされ、左辺に沿った部分60、右辺に沿っ
た部分61及び下辺に沿った部分62がヒートシールさ
れ、上辺が開口し、いわゆる3方シール袋となってい
る。図4(c)に示す袋体では、右辺が折り曲げ線とさ
れ、左辺に沿った部分70及び右辺に沿った部分71が
ヒートシールされ、上辺が開口し、いわゆるL型シール
袋となっている。図4(d)に示す袋体では、左辺及び
右辺が折り曲げ線とされ、背合わせの部分80及び下辺
に沿った部分81がヒートシールされ、上辺が開口し、
いわゆる背貼り袋となっている。なお、袋体の形態はこ
のような形態に限定されるものではなく、本発明による
ラミネートフィルムを用いて、ガゼットタイプの袋体な
ど、任意の形態の袋体に製袋することができる。
【0095】図4(b)〜(d)に示す上辺が開口した
袋体は、給袋方式の場合には、袋の製造業者等により製
造され収容物の製造業者等へ供給されるものである。そ
して、給袋方式の場合には、収容物の製造業者等におい
て、図4(b)〜(d)に示す袋体内に上辺の開口から
収容物を入れた後に、上辺に沿った部分63,72,8
2をヒートシールし、収容物の使用者の手元に届く最終
形態である袋詰め体が完成する。自動包装方式の場合
は、収納物の製造業者等において、図4(a)に示すラ
ミネートフィルムから図4(b)〜(d)に示す袋体を
製袋しながら、収容物の充填、更には上辺に沿った部分
63,72,82のヒートシールを連続して行うもので
ある。
【0096】前記袋詰め体の袋体は、外袋として作用す
る強接着された外層用フィルム20及び中間層5(説明
の便宜上、これら全体を「外袋フィルム20,5」とい
う)と、内袋として作用する水溶性フィルム6との、二
重構造となっており、外袋フィルム20,5と水溶性フ
ィルム6との間が剥離可能に弱接着されていることにな
る。したがって、収容物の使用者は、外袋フィルム2
0,5のみを剥離することによって、前述した内袋及び
外袋の方式と同様に、水溶性フィルム6による内袋に収
容された状態の収容物を得ることができる。
【0097】ところで、図4(b)〜(d)に示す袋体
を用いた袋詰め体では、外袋フィルム20,5を剥離す
るきっかけとなる部分がなく、収容物の使用者は外袋フ
ィルム20,5の剥離に手間取り、不便である。以下
に、このようなきっかけを形成した図5及び図6に示す
例について説明する。
【0098】図5(a)は、図4(b)に示す3方シー
ル袋のシール部分62に分離用のミシン目64を形成し
たものを示す。また、このミシン目64の端部には切欠
部65が形成されている。図5(a)に示す袋体を用い
た袋詰め体では、ミシン目64に沿ってヒートシール部
分62の下側部分を引きちぎることにより、外袋フィル
ム20,5の伸び量と水溶性フィルム6の伸び量とが異
なることから、両者の延びた部分が分離されることにな
り、この部分が外袋フィルム20,5の剥離のきっかけ
となる。なお、本例では、切欠部65が形成されている
ので、ミシン目64に沿って引きちぎり易く好ましい
が、必ずしも切欠部65を形成しておく必要はない。な
お、図4(b)〜(d)に示す袋体内に収容物を充填し
た後に、ミシン目64及び切欠部65を形成してもよ
い。
【0099】図5(b)は、図4(b)に示す3方シー
ル袋に、下辺に沿った部分62と平行にこの部分62と
若干間隔をあけた部分67も更にヒートシールして、ヒ
ートシール部分に囲まれ収容物が収容されない非ヒート
シール部分68を設け、該非ヒートシール部分68に対
応する縁部に分離用の切欠部69a,69bを形成して
いる。また、切欠部69a,69b間に非ヒートシール
部分68を通るように、ミシン目69cを形成してい
る。図5(b)に示す袋体を用いた袋詰め体では、切欠
部69a又は切欠部69bからミシン目69cに沿って
非ヒートシール部分68にかけて引きちぎっていくこと
によって、外袋フィルム20,5の伸び量と水溶性フィ
ルム6の伸び量とが異なることから、両者の延びた部分
が分離されることになり、この部分が外袋フィルム2
0,5の剥離のきっかけとなる。本実施例では、2つの
切欠部69a,69b及びミシン目69cが形成されて
いるので、前記引きちぎりが容易になり、好ましい。も
っとも、2つの切欠部69a,69bの内の一方及びミ
シン目69cを形成しておかなくてもよい。
【0100】図6(a)は、図1に示すラミネートフィ
ルムであって、外層用フィルム20の両縁部分20a,
20bを除いて水溶性フィルム6がラミネートされロー
ル状に巻き取られたものを示している。なお、本例で
は、縁部分20a,20bには中間層5も形成されてい
ないが、中間層5も形成されていてもよい。また、縁部
分20a,20bは、基材フィルム10のみとしてもよ
い。縁部分20aの幅より縁部分20bの幅の方が広く
されている。図6(c)に示す袋体は、図6(a)に示
すラミネートフィルムを用い、当該ラミネートフィルム
を水溶性フィルム6がラミネートされている部分の中心
線で折り曲げて水溶性フィルム6が内側となるとともに
前記縁部分20a,20bがずれて対面するように重ね
合わせて(この状態の側面図を図6(b)に示す。)所
定箇所をヒートシールして当該所定箇所の対面する水溶
性フィルム6間を溶着させ、一辺が開口した袋状に形成
されたものである。本例では、図6(c)中の左辺が折
り曲げ線とされ、左辺に沿った部分90、上辺に沿った
部分(縁部分20a,20bを除く)91及び下辺に沿
った部分(縁部分20a,20bを除く)92がヒート
シールされ、右辺が開口している。
【0101】図6(c)に示す右辺が開口した袋体は、
給袋方式の場合には、袋の製造業者等により製造され収
容物の製造業者等へ供給されるものである。そして、給
袋方式の場合には、収容物の製造業者等において、図6
(c)に示す袋体内に右辺の開口から収容物を入れた後
に、右辺に沿った部分(縁部分20a20bを除く)9
3をヒートシールし、収容物の使用者の手元に届く最終
形態である袋詰め体が完成する。自動包装方式の場合
は、収納物の製造業者等において、図6(a)に示すラ
ミネートフィルムから図6(c)に示す袋体を製袋しな
がら、収容物の充填、更には右辺に沿った部分93のヒ
ートシールを連続して行うものである。
【0102】図6(c)に示す袋体を用いた袋詰め体で
は、水溶性フィルム6がラミネートされていない外層用
フィルム20の所定部分の縁部分20a,20bがずれ
て対面され、この部分は接着していないので、この部分
20a,20bが外袋フィルム20,5の剥離のきっか
けとなる。
【0103】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
実質的に外袋及び水溶性フィルムからなる内袋の二重構
造を有するとともに外袋の剥離特性の優れた袋体を、既
存の設備を用いて製造することができるラミネートフィ
ルム、及びその製造方法並びにこれを用いた袋体及び袋
詰め体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるラミネートフィルムを
模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例によるラミネートフィルムの
製造工程の一部を模式的に示す図である。
【図3】本発明の他の実施例によるラミネートフィルム
の製造工程の一部を模式的に示す図である。
【図4】本発明の更に他の実施例による、ロール状に巻
き取られたラミネートフィルム及び該ラミネートフィル
ムにより製袋した各袋体を示す図である。
【図5】本発明の更に他の実施例による外袋フィルムの
剥離のきっかけを有する各袋体を示す図である。
【図6】本発明の更に他の実施例によるロール状に巻き
取られたラミネートフィルム及び該ラミネートフィルム
により製袋した袋体を示す図である。
【図7】本発明の更に他の実施例によるラミネートフィ
ルムの製造工程の一部を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 ポリエステルフィルム 2 接着剤層 3 アルミ蒸着ポリエステルフィルム 4 アンカーコート剤層 5 中間層 6 水溶性フィルム 10 基材フィルム 20 外層用フィルム 20a,20b 縁部分 30 ラミネート機 31,34,35 案内ローラ 32 プレッシャーローラ 33 クーリングローラ 50 コロナ処理機 60〜63,67,70〜72,80〜82,90〜9
3 ヒートシール部分 64 ミシン目 65,69 切欠部 68 非ヒートシール部分 2000 乾燥室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 27/30 B32B 27/30 A 27/32 27/32 Z 103 103 B65D 30/02 B65D 30/02 65/40 65/40 F 85/00 85/00 C08J 7/00 303 C08J 7/00 303 CES CESA // B29K 23:00 B29L 9:00 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 7/06,7/12,27/00 B32B 27/30 - 27/32 B29C 47/02 - 47/06 B65D 30/02,65/40,85/00 C08J 7/00

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1層又は複数層からなる外層用フィルム
    と、水溶性フィルムと、前記外層用フィルムと前記水溶
    性フィルムとの間に介在された中間層であって、少なく
    とも前記水溶性フィルムの側の面が所望の程度に酸化さ
    れた高圧法ポリエチレンを含む中間層とからなり、前記
    外層用フィルムと前記中間層との間が強接着されるとと
    もに、前記中間層と前記水溶性フィルムとの間が直接に
    接して剥離可能に弱接着されたことを特徴とするラミネ
    ートフィルム。
  2. 【請求項2】 前記中間層が、前記高圧法ポリエチレン
    に混合されたエチレン・α−オレフィン共重合体エラス
    トマーを含むことを特徴とする請求項1記載のラミネー
    トフィルム。
  3. 【請求項3】 前記中間層の表面の前記酸化された高圧
    法ポリエチレンのカルボニル基と前記水溶性フィルムの
    表面の水酸基とが結合していることを特徴とする請求項
    1又は2記載のラミネートフィルム。
  4. 【請求項4】 前記水溶性フィルムが、ポリビニルアル
    コール、酢酸ビニル、酢酸ビニル系樹脂、ポリアクリル
    アミド、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン
    のうちの1種以上からなることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載のラミネートフィルム。
  5. 【請求項5】 前記水溶性フィルムが、当該水溶性フィ
    ルムの前記中間層側の面がコロナ処理されたものである
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のラ
    ミネートフィルム。
  6. 【請求項6】 1層又は複数層からなる外層用フィルム
    と、水溶性フィルムとの間に、溶融され熱酸化された高
    圧法ポリエチレンを膜状に押し出し、 前記外層用フィルム、前記水溶性フィルム及び前記膜状
    の高圧法ポリエチレンを圧着しつつ冷却することを特徴
    とするラミネートフィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 1層又は複数層からなる外層用フィルム
    と、水溶性フィルムとの間に、溶融され熱酸化された高
    圧法ポリエチレンとエチレン・α−オレフィン共重合体
    エラストマーとを含む混合物を膜状に押し出し、 前記外層用フィルム、前記水溶性フィルム及び前記膜状
    の混合物を圧着しつつ冷却することを特徴とするラミネ
    ートフィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記圧着の前に、前記膜状の高圧法ポリ
    エチレン又は前記膜状の混合物の前記水溶性フィルムの
    側の面にオゾンを吹きつけることを特徴とする請求項6
    又は7記載のラミネートフィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記圧着の前に、前記水溶性フィルムの
    前記外層用フィルムの側の面をコロナ処理することを特
    徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載のラミネート
    フィルムの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至5のいずれかに記載のラ
    ミネートフィルムを用い、当該ラミネートフィルムを前
    記水溶性フィルムが内側となるように重ね合わせて所定
    箇所をヒートシールして当該所定箇所の対面する水溶性
    フィルム間を溶着させ、一辺が開口した袋状に形成され
    てなることを特徴とする袋体。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至5のいずれかに記載のラ
    ミネートフィルムを用い、当該ラミネートフィルムを前
    記水溶性フィルムが内側となるように重ね合わせて所定
    箇所をヒートシールして当該所定箇所に対面する水溶性
    フィルム間を溶着させて密封した袋体の内部に、所望の
    収容物を収容してなることを特徴とする袋詰め体。
  12. 【請求項12】 ヒートシール部分に分離用のミシン目
    を形成したことを特徴とする請求項11記載の袋詰め
    体。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至5のいずれかに記載のラ
    ミネートフィルムであって、前記外層用フィルムの所定
    の縁部分には前記水溶性フィルムがラミネートされてい
    ないラミネートフィルムを用い、当該ラミネートフィル
    ムを前記水溶性フィルムが内側となるとともに前記縁部
    分がずれて対面するように重ね合わせて所定箇所をヒー
    トシールして当該所定箇所の対面する水溶性フィルム間
    を溶着させて密封した袋体の内部に、所望の収容物を収
    容してなることを特徴とする袋詰め体。
  14. 【請求項14】 ヒートシール部分に囲まれ前記収容物
    が収容されない非ヒートシール部分を有し、該非ヒート
    シール部分に対応する縁部に分離用の切欠部が形成され
    たことを特徴とする請求項11記載の袋詰め体。
  15. 【請求項15】 前記収容物が、農薬、薬剤、食品又は
    撒き餌であることを特徴とする請求項11乃至14のい
    ずれかに記載の袋詰め体。
  16. 【請求項16】 前記圧着の前に、前記水溶性フィルム
    を乾燥させることを特徴とする請求項6乃至9のいずれ
    かに記載のラミネートフィルムの製造方法。
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