JP2875200B2 - プリンタの印字機構部の制御方法 - Google Patents

プリンタの印字機構部の制御方法

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JP2875200B2
JP2875200B2 JP1245696A JP1245696A JP2875200B2 JP 2875200 B2 JP2875200 B2 JP 2875200B2 JP 1245696 A JP1245696 A JP 1245696A JP 1245696 A JP1245696 A JP 1245696A JP 2875200 B2 JP2875200 B2 JP 2875200B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリアルプリンタ
の印字ヘッドを駆動するスペーシング機構および印字ヘ
ッドを含む印字機構部に関し、特に、展開密度に関連し
て印字ヘッドの移動速度を制御する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オフィスオートメーション(OA)関連
機器の普及に伴って、出力装置としてのプリンタの需要
が高まっている。単体機器としてももちろん、ワードプ
ロセッサなどに内蔵されたプリンタの需要も多い。この
プリンタには、文字を逐次印字して1行を完成するシリ
アル印字形式のシリアルプリンタ、1行単位の文字を一
斉に記録するパラレル印字形式のラインプリンタなどが
ある。前者は、部品点数が比較的少なく、小型化、廉価
化を図りやすいという特徴がある。
【0003】図19は、プリンタの構成図である。プリ
ンタ1は、ホストコンピュータ2などの指令制御部から
送られてくる印字データを処理する印字制御部1aと用
紙状に印字を行う印字機構部1bを有している。
【0004】印字制御部1aは、データの処理を制御す
る中央処理装置(CPU)3を含み、CPU3は、これ
を動作させるプログラムが格納されたプログラムROM
4、文字コードに対応したフォントデータが格納された
フォントROM5、ホストコンピュータ2から送られて
くる印字データを受信するインタフェース部6を含んで
いる。また、印字制御部1aは、さらにインタフェース
部6で受信した印字データを一時格納する受信バッファ
7を有している。CPU3は、さらに受信バッファ7に
格納されたデータを読出し、そのデータを解析するデー
タ解析部8、データ解析部8から印字機構部13を制御
するための制御データを受信し、印字機構部13の動作
を制御する印字制御部9、データ解析部8から印字デー
タを受信し、第1のラインバッファ11、第2のライン
バッファ12に展開するデータ展開部10からなる。
【0005】印字機構部1bは、印字制御部1aの制御
の下に第1および第2のラインバッファ11,12の内
容を用紙上に印字を行う機構部であり、紙などの記録媒
体の送り方向と直交する方向に移動可能な印字ヘッド
と、この印字ヘッドを移動させるスペーシング機構とを
含んでいる。
【0006】図20および図21は、1行中の文字の展
開密度と印字ヘッドの動作の関係を示す図であり、図2
0は1行中の展開密度が等しい場合、図21は等しくな
い場合の一例を示している。
【0007】図20は、(a)に例示する漢字ばかりの
印字パターンの場合を示しており、展開密度は(b)に
示すように1行中360DPI(ドット/インチ)で均
一である。この場合、印字ヘッドは、(c)に示すよう
に、一定の速度で一方向に移動する。一方、図21は
(a)に例示する漢字と、アルファベットや数字や仮名
などが混在した印字パターンの場合を示している。展開
密度は、(b)に示されるように、漢字部分が360D
PI、アルファベットなどの部分が240DPIであ
る。この展開密度と、印字ヘッドの移動速度とは所定の
関係があり、展開密度が高ければ高いほど印字ヘッドの
移動速度が遅くなる。よって、図示する展開密度の異な
る区間では、印字ヘッドの移動速度が異なっている。し
たがって、展開密度の変更点では、移動速度を変更する
必要があるが、印字ヘッドおよびスペーシング機構の慣
性のために瞬時には印字ヘッドの速度が変更されず、展
開密度の変更点付近では文字が乱れてしまう場合があ
る。そこで、従来の装置においては、展開密度が変更す
る点に印字ヘッドが来ると、印字を中止し、一旦所定距
離後退する。そして、この後退した区間で次の印字密度
に相当する移動速度まで加速し、印字を行っていた。し
たがって、(c)に示すように、印字密度が変わるたび
に、後退、再加速を繰り返し、行きつ戻りつして印字を
行っていた。
【0008】図22は、印字制御を示すフローチャート
の一例である。ホストコンピュータ2から印字データ受
信し(S100)、制御データおよび印字データの解析
を行う(S101)。次に、解析された印字データを行
頭から順に判断し、展開密度が前の文字と同じかどうか
を判断する(S102)。同じであれば、データ展開部
10がラインバッファに展開し(S103)、1行の展
開が終了すると(S104)、印字制御部9が印字機構
部13に印字起動(S105)をかけて印字を行う(S
106,S107)。
【0009】一方、ステップS102で、展開密度が前
の文字と違うと判断された場合、印字制御部9が印字機
構部13に印字起動をかけ(S108)、この時点でラ
インバッファに格納されたデータを印字機構部9に出力
する(S109)。このデータに基づき印字ヘッドが移
動する(S110)。その後印字密度が変化した文字か
ら展開を行い、印字密度が再度変化するか、1行が終了
するまで展開が続けられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来のプリンタは、以
上のような制御方法によって制御されているので、展開
密度が変化するたびに印字ヘッドが後退・前進を行うこ
とになる。このため、1行中の展開密度が一定である場
合に比べて、印字時間が長くなる場合があるという問題
があった。また、ヘッドの起動・停止の回数が多くなる
ので、騒音が大きくなるという問題があった。さらに、
ヘッドの起動・停止の回数が多くなるので、ヘッドの寿
命が短くなり、また精度などが低くなるなどの問題があ
った。
【0011】本発明は前述の問題点を解決するためにな
されたものであり、印字時間を短縮し、騒音を減少さ
せ、寿命を長くすることのできるプリンタの印字機構部
の制御方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明にかかわるプリンタの印字
機構部の制御方法は、1行中に複数の展開密度が含まれ
る場合、展開密度が変わるごとに、印字ヘッドを一旦所
定距離後退させ、展開密度に応じた速度まで再加速して
印字した場合の1行の印字に要する第1の印字時間を算
出するステップと、印字ヘッドの往復動作のひとつの片
道動作の間において同一の速度で印字した場合の1行の
印字に要する第2の印字時間を算出するステップと、前
記第1および第2の印字時間を比較し、短い時間の制御
方法を選択するステップと、選択された方法により印字
機構部を制御するステップと、を含んでいる。
【0013】この構成によれば、展開密度ごとに異なる
速度で印字ヘッドを移動させる従来の制御方法と、1行
の移動速度を一定として停止・後退・再起動を行わない
ようにする制御方法とのいずれか短い時間で印字ができ
る方法を選択するので、印字時間を短くすることができ
る。また、印字ヘッドの停止・後退・再起動の回数が減
少するので、これに伴って騒音が低減し、寿命も長くな
る。
【0014】また、請求項2に記載の発明にかかわるプ
リンタの印字機構部の制御方法は、第2の印字時間が、
ひとつの片道動作において、当該動作の最大展開密度に
応じた速度で印字を行った場合の所要時間である、もの
である。
【0015】最大展開密度の区間は印字ヘッドの移動速
度が最も遅い区間である。この第2の印字時間は、印字
ヘッドの移動速度が、遅い区間に統一されるので、第1
の印字時間に比べて、長くなる場合も考えられる。しか
し、展開密度の変化点が多数ある場合など、実際には印
字が行われない時間もあるので、かえって、第2の印字
時間のほうが短い場合もある。これらを考慮して印字時
間の短い制御方法を選択して、印字機構部の制御を行
い、印字時間の短縮などを図っている。なお、遅い移動
速度に統一するのは、もし速い速度に統一した場合、本
来遅い速度の印字区間に関して印字不能となる場合があ
るからである。前述の発明と同様、印字時間の短縮、騒
音の低減および寿命の延長が図れる。
【0016】また、請求項3に記載の発明にかかわるプ
リンタの印字機構部の制御方法は、第2の印字時間を、
第1の片道動作において、最大展開密度に応じた速度
で、かつ前記最大展開密度以外の区間においては、各展
開密度の最大公約数の展開密度で印字し、第2の片道動
作においては、残りのドットに、このドットの展開密度
に応じた速度で印字を行った場合の所要時間とする、も
のである。
【0017】複数の展開密度があった場合、最小の展開
密度の整数倍に、他の展開密度がなっていない場合、ド
ット間隔についても最小のドット間隔の整数倍に、他の
区間のドット間隔がならなくなる。したがって、印字ヘ
ッドの移動速度を統一すると、印字のタイミングとヘッ
ドの位置が整合しないドットが存在することになる。こ
の発明においては、最大展開密度以外の区間において
は、印字タイミングとヘッドの位置が合うドット、すな
わち各展開密度の最大公約数の展開密度で印字を行うこ
とによって、片道動作の移動速度を統一している。そし
て、残りのドットでは次の片道動作において、残りのド
ットの展開密度に応じた移動速度で印字ヘッドを制御す
る。したがって、2回目の片道動作は、通常1回目の片
道動作より速い速度とすることができる。よって、前述
の発明と同様に、第1の印字時間より短縮される場合が
考えられる。前述の発明と同様、騒音の低減および寿命
の延長も図れる。
【0018】また、請求項4に記載の発明にかかわるプ
リンタの印字機構部の制御方法は、第2の印字時間を、
ひとつの片道動作において、ひとつの展開密度の区間の
み印字を行った場合の所要時間とする、ものである。
【0019】すなわち、1行内に2種の展開密度の区間
がある場合、1回目の片道動作で第1種の展開密度の区
間を印字し、2回目の片道動作で第2種の展開密度の区
間を印字する。この場合の第1の印字時間より短縮され
る場合が考えられる。前述の発明と同様、騒音の低減お
よび寿命の延長も図れる。
【0020】また、請求項5に記載の発明にかかわるプ
リンタの印字機構部の制御方法は、第2の印字時間が、
1行の展開密度を統一して印字を行った場合の所要時間
である、ものである。
【0021】すなわち、展開密度が統一されれば、印字
ヘッドの移動速度も当然統一され、第1の印字時間より
短縮される場合が考えられる。また、前述の発明と同
様、騒音の低減および寿命の延長も図れる。
【0022】また、請求項6に記載の発明にかかわるプ
リンタの印字機構部の制御方法は、請求項5に記載の発
明において、展開密度の統一が、最大展開密度以外の展
開密度の文字を、予め記憶されたこの文字の前記最大展
開密度のフォントに置換してなされる、ものである。
【0023】これによれば、ひとつの文字に対して、予
め各展開密度のフォントデータを記憶しておけば、これ
を用いて展開密度を統一することができる。そして、印
字ヘッドの移動速度が一定となれば、第1の印字時間よ
り短縮される場合が考えられる。また、前述の発明と同
様、騒音の低減および寿命の延長も図れる。
【0024】また、請求項7に記載の発明にかかわるプ
リンタの印字機構部の制御方法は、請求項5に記載の発
明において、展開密度の統一が、最大展開密度以外の展
開密度の文字を、最大展開密度のフォントに変換してな
される、ものである。
【0025】フォントの変換は、フォントの並びを変換
する所定の方法を定めておき、この変換方法に基づき変
換するものである。これによれば、一つの文字に対し各
展開密度のフォントを記憶しておく必要がなくなり、フ
ォントROMの容量を大きくする必要はなくなる。そし
て、印字ヘッドの移動速度が一定となれば、第1の印字
時間より短縮される場合が考えられる。また、前述の発
明と同様、騒音の低減および寿命の延長も図れる。
【0026】また、請求項8に記載の発明にかかわるプ
リンタの印字機構部の制御方法は、1行中に複数の展開
密度が含まれる場合、展開密度の変わり目において、前
後の印字間隔が印字ヘッドの加速または減速に必要な所
定値以上であるかを判断するステップと、前記印字間隔
が前記所定値以上である場合、展開密度の変わり目にお
いて印字ヘッドの移動方向を変えることなく加速または
減速を行って、次の展開密度の区間の印字を指示するス
テップと、を含んでいる。
【0027】この構成によれば、印字ヘッドが後退する
ことがないので、騒音を低減することができ、また、印
字起動にかかる時間がなく、個々の展開密度に対応した
速度で移動させることができるので、印字時間を短縮で
きる。
【0028】また、請求項9に記載の発明にかかわるプ
リンタの印字機構部の制御方法は、1行中に複数の展開
密度が含まれる場合、展開密度が変わるごとに、印字ヘ
ッドを一旦所定距離後退させ、展開密度に応じた速度ま
で再加速して印字した場合の1行の印字に要する第1の
印字時間を算出するステップと、請求項1から7に記載
された第2の印字時間および請求項8に記載された印字
間隔が所定位置以上ある場合の印字時間のうち少なくと
もふたつを算出するステップと、前記算出された印字時
間のうち短い時間の制御方法を選択するステップと、選
択された方法により印字機構部を制御するステップと、
を含んでいる。
【0029】この構成によれば、最も短時間で印字を行
うことができ、印字ヘッドの起動動作も少なくなるの
で、騒音が低減され、寿命も延ばすことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるプリンタの
印字機構部の制御方法の好適な実施の形態について、図
面に従って説明する。
【0031】第1の実施形態 図1は、第1の実施形態にかかるプリンタの構成ブロッ
ク図である。図1において、従来の装置と同様の構成に
ついては、同一の符号を付しその説明を省略する。本実
施形態にかかわるプリンタ1において、特徴的なこと
は、データ解析部14に密度判断部14a、1行の文字
の印字に要する時間であるスループットを算出するスル
ープット算出部14b、このスループットに基づいて制
御方法を決定する判定部14cを含んでいる点にある。
密度判断部14aは、受信した印字データの解析結果に
基づき、1行中の文字展開密度が等しいか、異なる展開
密度の文字が含まれるかを判断する。1行中の展開密度
が等しい場合は、データ展開部10にてデータを展開
し、ふたつのラインバッファ11,12のいずれかに展
開されたデータを格納する。また、1行中に異なる展開
密度の文字が含まれている場合、スループット算出部1
4bにて、展開密度ごとに印字ヘッドの速度を変えて印
字を行った時のスループットと、最も大きい展開密度に
対応する印字ヘッドの速度で1行全ての印字を行った場
合のスループットとを算出する。そして、判定部14c
において、前述の2種のスループットの短い方を選択
し、データ解析部14は選択されたスループットの印字
ヘッドの制御に基づいて、印字制御部9の制御を行う。
【0032】図2は、本実施形態の制御を説明するため
のチャートである。図2(a)は、1行の印字データの
展開例であり、区間L1 ,L3 は高密度(360DP
I)の区間であり、区間L2 ,L4 は低密度(240D
PI)の区間である。これらの区間は印字が行われる区
間であるが、印字ヘッドはこれらの区間の前後で加速、
減速する必要があり、そのための加速区間Aと減速区間
Bが設けられている。また、印字ヘッドの移動速度は、
印字区間の展開密度に応じて定まっており、たとえば、
本実施形態の場合、高密度のときには速度v2 、低密度
のときにはv3 である。また、展開密度の変わり目で印
字ヘッドが後退するときは速度v1 で後退する。印字ヘ
ッドが静止状態からこれらの速度に達するまでの時間は
定まっており、静止から速度v1 ,v2 ,v3 に達する
までの時間は各々u1 ,u2 ,u3,であり、各々の速
度から静止になるまでの時間は各々d1 ,d2 ,d3
ある。 図2(b)には、各々の区間の展開密度に応じ
て印字ヘッドを移動させた場合のチャートが示されてい
る。1行の一端から速度v2 まで加速して区間L1 に対
して印字を行い、印字終了後停止する。次に後退を開始
し、速度v1 で距離R1 後退し、その後停止する。そし
て、速度v3 まで加速して、次の区間L2 に印字を行
い、その後停止する。このように、印字対象区間の展開
密度に対応した速度まで加速し、この速度で印字し、そ
の後停止し、所定距離後退する、という動作を繰り返
し、1行の印字が終了すると、減速区間Bで減速して終
了する。このときのスループットを(1)式に示す。
【数1】 ただし、区間L1 の手前の加速に要する時間は前述の時
間u2 ではなく、時間u2 ´となっている。これは、加
速区間Aは、印字ヘッドが最大の印字速度に達するのに
十分な距離を設定しているため、最大速度より低い速度
2 まで加速する場合、加速区間Aの終点に到達する前
に速度v2 に達してしまうためである。減速区間Bに対
しても同様の理由で、減速に要する時間は、時間d2 ´
となっている。よって、これらの時間u2 ´,d2 ´
は、各々最初と最後の区間の印字ヘッドの速度に応じて
変化することになる。また、後退区間R1 ,R2 ,R3
も前後の区間の印字ヘッドの速度に応じた長さとするこ
とが望ましいが、図示する例の場合は、印字ヘッドの速
度が2種類であるので、後退区間R1 ,R2 ,R3 の長
さはそれぞれ等しい。印字ヘッドの速度が3種類以上あ
っても、制御を簡略化するために、後退区間の長さを必
要と考えられる最大の長さに設定しておくこともでき、
この場合は、前述の加速区間Aと同様に、印字対象区間
に達する前に所定の速度に達する場合が考えられ、この
ときの時間u1 ,u2 ,u3 などは、各々印字対象区間
の展開密度によって異なる。
【0033】図2(c)には、1行中の印字ヘッドの速
度を最も大きな展開密度の区間の速度とした場合のチャ
ートが示されている。この場合、加速区間Aの終点に達
する前に所定の速度v2 までの加速が終了するので、加
速に要する時間は時間u2 ´となっており、減速区間B
においても同様に時間d2 ´となっている。このときの
スループットを(2)式に示す。
【数2】 前記ふたつのスループットを比較して、短いほうのチャ
ートに従ってこの行の印字制御が行われる。
【0034】図3には、本実施形態の制御方法のフロー
チャートが示されている。従来の制御方法と同様のステ
ップには同一の符号を付し、その説明を省略する。本実
施形態においては、1行中の展開密度が同一かが判断さ
れ、同一でない場合2種類の印字ヘッドの制御方法に基
づいてスループットを算出し、短い方の制御方法で印字
制御を行う。すなわち、解析された1行の印字データに
基づき、その1行全体の展開密度が等しいか、複数のも
のを含むかが判断される(S111)。1行の展開密度
が等しい場合、従来と同様に印字データの展開を行う
(S103,S104)。
【0035】ステップS111にて、1行に複数の展開
密度が含まれるとされた場合、前述の方法で、2種のス
ループットS1 ,S2 を算出する(S112)。そし
て、このふたつのスループットS1 ,S2 の比較を行い
(S113)、印字ヘッドの移動速度を最も遅い速度で
印字したほうがスループットが短い場合または両者が等
しい場合(S1 ≧S2 )、これに基づく指令を行う(S
114)。また、展開密度に対応した速度で印字したほ
うがスループットが短い場合は(S1 <S2 )、これに
基づく指令を行う(S115)。
【0036】印字ヘッドの後退動作が多くなる場合、遅
い速度であっても印字ヘッドを一定の速度で移動させた
ほうが、スループットが短くなる、または両者が同じに
なることが起こり得る。本実施形態によれば、スループ
ットが短くなるような制御方法を選択することができる
ので、印字時間を短くすることができる。また、後退動
作が減少するので、騒音が低減し、またスペーシング機
構の寿命も延ばすことができる。
【0037】第2の実施形態 図4は、第2の実施形態にかかわるプリンタの構成ブロ
ック図である。図4において、従来の装置と同様の構成
については、同一の符号を付しその説明を省略する。本
実施形態にかかわるプリンタ1において、特徴的なこと
は、データ解析部15に密度判断部15a、助走距離判
断部15bが設けられている点にある。密度判断部15
aは、受信した印字データの解析結果に基づき、文字の
展開密度を行頭から順次確認し、前の文字と展開密度が
変わった点を見付け出す。また、助走距離判断部15b
は、前の展開密度が区間の終了点から、後の展開密度の
区間の開始点までの距離、すなわち前後の印字区間の間
のスペース、または文字間距離が、印字ヘッドの速度を
変更するのに十分な距離があるかを判断する。十分な助
走距離がなければ、前の展開密度の区間の印字を行い、
印字終了後、印字ヘッドを所定距離後退させる。ここか
ら後の区間の展開密度に相当する印字ヘッドの速度まで
加速して、この区間の印字を行う。この制御は、従来の
装置の制御と同様のものである。一方、十分な助走距離
があれば、印字ヘッドを後退させることなくこの前後の
印字区間の間を利用して、印字ヘッドの速度を変更し、
次の区間の速度に移行する。
【0038】図5には、本実施形態の制御のフローチャ
ートが示されている。本チャートにおいて、従来の制御
と同様のステップに関しては、同一の符号を付し、その
説明を省略する。本制御においては、まず1行の印字デ
ータを受信する以前に印字起動がかかっているか否かを
示す起動フラグをオフにしておく(S120)。その後
従来の制御と同様、データを受信し、解析し、行頭から
順次展開密度が前の文字と一致するかを確認していく
(S102)。このとき、同一の展開密度ならば、従来
と同様に順次展開し、1行展開終了後、印字を行う。こ
のときは印字起動フラグはオフのままであるので(S1
21)、まず印字起動がかかり(S105)、印字が行
われる。
【0039】一方、ステップS102にて、前の区間の
展開密度と異なる密度の区間が見付かった場合、まず印
字起動のフラグがオンかが判断される(S122)。印
字起動フラグがオンでない場合、印字ヘッドはまだ行頭
に位置している。したがって、展開密度変更点の前の区
間の印字を開始するために、印字起動のフラグをオンと
する(S123)。次に展開密度の変更点の前後の印字
区間の間隔が、次の区間の展開密度に対応する印字ヘッ
ドの速度に変更する必要な距離以上となっているかが判
断される(S124)。この印字ヘッドの速度の変更に
必要な距離は、前後の区間に印字ヘッドの速度や、加速
するのか減速するのかによっても異なるので、それぞれ
に応じた距離であることが好ましい。しかしながら、制
御を簡略化するために、考えられる最も長い距離として
おくこともできる。一方ステップS122で印字起動フ
ラグがオンとなっている場合は直接ステップS124に
移行する。
【0040】ステップS127にて印字間隔が所定値未
満である場合、前の区間の印字終了後、印字起動をかけ
る指示を行い(S125)、変更点の前の区間の印字デ
ータを印字機構部に出力する(S126)。そして、印
字ヘッドの移動を制御する(S127)。この制御は、
従来の装置の制御と同様の制御となる。そして、ステッ
プS103に戻って、展開密度の変更点の後の印字デー
タの展開を行う。
【0041】一方、ステップS127にて、印字間隔が
所定値以上であると判断された場合は、変更点の前の区
間の印字データを印字機構部へ出力する(S126)。
そして、印字ヘッドを移動させ(S127)、これと並
行して、変更点の後の区間の最初の文字の印字データ、
すなわち、ステップS102で前の展開密度と異なる密
度であると判断された文字の印字データを展開する(S
103)。そして、変更点の後の区間の印字データの展
開を順次行う。
【0042】以上、本実施の形態においては、展開密度
の変更点において、印字ヘッドの速度を変更するために
必要な助走距離をとれるときには、印字ヘッドを後退さ
せることをせず、この助走距離を用いて速度の変更を行
う。したがって、印字ヘッドのを後退させる動作の回数
を減少させることができ、印字ヘッドの停止・起動の際
に生じる騒音を低減させることができる。また、印字ヘ
ッドの停止・起動回数が減少することによって、スペー
シング機構の寿命を延ばすことができる。
【0043】第3の実施形態 図6は、第3の実施形態にかかわるプリンタの構成ブロ
ック図である。図6において、従来の装置と同様の構成
については、同一の符号を付しその説明を省略する。本
実施形態にかかわるプリンタ1において、特徴的なこと
は、データ解析部16に密度判断部16a、1行の文字
の印字に要する時間であるスループットを算出するスル
ープット算出部16b、このスループットに基づいて制
御方法を決定する判定部16cを含んでいる点にある。
さらに、CPU3には、後述する方法に従って、印字デ
ータの一部を抽出する抽出部17が設けられている。密
度判断部16aは、受信した印字データの解析結果に基
づき、1行中の文字展開密度が等しいか、異なる展開密
度の文字が含まれるかを判断する。1行中の展開密度が
等しい場合は、データ展開部10にてデータを展開し、
ふたつのラインバッファ11,12のいずれかに展開さ
れたデータを格納する。また、1行中に異なる展開密度
の文字が含まれている場合、スループット算出部16b
にて、展開密度ごとに印字ヘッドの速度を変えて印字を
行った時のスループットと、後述する印字ヘッドの複数
回の片道の動作で1行の印字を行う場合のスループット
を算出する。そして、判定部16cにおいて、前述の2
種のスループットの短い方を選択し、データ抽出部17
は、必要な印字データの抽出を行い、データ解析部16
は選択されたスループットの印字ヘッドの制御に基づい
て、印字制御部9の制御を行う。
【0044】図7を用いて、本実施形態の特徴的な印字
動作について説明する。図7に示される例は、1行内の
展開密度が2種(180,120DPI)の場合であ
る。従来の制御によれば、展開密度が変更する点におい
て、印字ヘッドは一旦後退し、その後所定の速度まで加
速をして変更点の後の展開密度の区間の印字を行う。本
実施形態の場合、1回目の印字ヘッドの片道の動作にお
いては、印字ヘッドの移動速度を180DPIに対応す
る速度のまま、印字を行う。このとき展開密度が120
DPIの区間においては、図中白丸で示すドットは、印
字ドットとなり得ない。逆に、印字ドットとなるものに
対して、印字できない場合もある。180DPIの移動
速度で、120DPIの区間において、印字可能なドッ
トは、180と120の最大公約数である60DPIの
ドットであることが分かる。本実施形態の場合、1回目
の動作において、この120DPIの区間では、この最
大公約数のドット密度で印字を行う。そして、残りのド
ットに対しては、2回目の動作で印字を行う。この2回
目の動作のときには、印字ヘッドの速度を60DPIの
展開密度に相当する速度とすることができるので、速い
速度で印字することができる。展開密度の変更点が多数
存在し、従来の制御によれば、停止・後退・起動を繰り
返すような場合には、前述のようにひとつの片道動作の
間には速度を変更しないで、2回の片道動作(図7の場
合は往復動作)によって1行の印字を行った場合の方が
スループットが短縮する場合がある。本実施例の場合、
スループットが短い方の制御に基づき、印字制御を行
う。
【0045】以上の動作を行うために、データ抽出部1
7においては、1回目の片道動作の時に印字されるドッ
トのデータを抽出し、第1のラインバッファ11に格納
し、一方2回目の片道動作の時に印字されるドットのデ
ータを第2のラインバッファ12に格納する。
【0046】以上、本実施形態においては、片道動作の
間の速度を一定とし、1回目の片道動作で印字できない
ドットに対しては、再度印字ヘッドを動作させて、印字
を行う制御が可能である。この2回目の時の印字ヘッド
の移動速度は、展開密度が小さくなっているので、速く
することができる。また、印字ヘッドを後退させること
がないので、展開密度が変更する点が多い場合、複数回
の片道動作によって、印字を行う方が速い場合もあり得
る。したがって、より短時間で印字される方法を選択す
ることにより、印字時間を短縮することができる。ま
た、印字ヘッドのを後退させる動作の回数を減少させる
ことができ、印字ヘッドの停止・起動の際に生じる騒音
を低減させることができる。また、印字ヘッドの停止・
起動回数が減少することによって、スペーシング機構の
寿命を延ばすことができる。
【0047】第4の実施形態 図8は、第4の実施形態にかかわるプリンタの構成ブロ
ック図である。図8において、第3の実施形態の装置と
同様の構成については、同一の符号を付しその説明を省
略する。本実施形態にかかわるプリンタ1において、特
徴的なことは、データ解析部16に密度判断部16a、
1行の文字の印字に要する時間であるスループットを算
出するスループット算出部16b、このスループットに
基づいて制御方法を決定する判定部16cが含まれてい
る点にある。さらに、CPU3には、後述する方法にし
たがって、印字データの一部を抽出する抽出部18が設
けられている。密度判断部16aは、受信した印字デー
タの解析結果に基づき、1行中の文字展開密度が等しい
か、異なる展開密度の文字が含まれるかを判断する。1
行中の展開密度が等しい場合は、データ展開部10にて
データを展開し、ふたつのラインバッファ11,12の
いずれかに展開されたデータを格納する。また、1行中
に異なる展開密度の文字が含まれている場合、スループ
ット算出部16bにて、展開密度ごとに印字ヘッドの速
度を変えて印字を行った時のスループットと、後述する
印字ヘッドの複数回の片道の動作で1行の印字を行う場
合のスループットを算出する。そして、判定部16cに
おいて、前述の2種のスループットの短い方を選択し、
データ抽出部17は、必要な印字データの抽出を行い、
データ解析部16は選択されたスループットの印字ヘッ
ドの制御に基づいて、印字制御部9の制御を行う。
【0048】図9を用いて本実施形態の制御を説明す
る。図9は、1行中に異なる展開密度(180,240
DPI)の区間が存在する場合の例が示されている。本
実施形態の制御によれば、一回目の印字ヘッドの片道動
作において、展開密度が180DPIの区間の印字を行
い、2回目の片道動作において、展開密度240DPI
の区間の印字を行う。
【0049】これによれば、各々の片道動作の間では、
印字ヘッドの速度が変更することがない。印字ヘッドを
後退させることがないので、展開密度が変更する点が多
い場合、複数回の片道動作によって、印字を行う方が速
い場合もあり得る。本実施形態においては、この制御に
よるスループットと従来の制御のスループットを比較し
ての短い方の制御により印字を行う。したがって印字時
間を短縮することができる。また、印字ヘッドを後退さ
せる動作の回数を減少させることができ、印字ヘッドの
停止・起動の際に生じる騒音を低減させることができ
る。また、印字ヘッドの停止・起動回数が減少すること
によって、スペーシング機構の寿命を延ばすことができ
る。
【0050】第5の実施形態 図10は、第5の実施形態にかかわるプリンタの構成ブ
ロック図である。図10において、従来の装置と同様の
構成については、同一の符号を付しその説明を省略す
る。本実施形態にかかわるプリンタ1において、特徴的
なことは、データ解析部19に密度判断部19a、1行
の文字の印字に要する時間であるスループットを算出す
るスループット算出部19b、このスループットに基づ
いて制御方法を決定する判定部19c、さらに後述する
場合において印字データの置換を行うデータ置換部が含
まれている点にある。
【0051】密度判断部19aは、受信した印字データ
の解析結果に基づき、1行中の文字展開密度が等しい
か、異なる展開密度の文字が含まれるかを判断する。1
行中の展開密度が等しい場合は、データ展開部10にて
データを展開し、第1および第2のラインバッファ1
1,12に展開されたデータを格納する。また、1行中
に異なる展開密度の文字が含まれている場合、スループ
ット算出部19bにて、展開密度ごとに印字ヘッドの速
度を変えて印字を行った時のスループットと、後述する
印字データの置換を行った場合のスループットを算出す
る。そして、判定部19cにおいて、前述の2種のスル
ープットの短い方を選択する。データ置換部19dは、
必要に応じて同じ文字を表す、異なる展開密度の文字フ
ォントをフォントROM5より呼び出して、データの置
き換えを行う。
【0052】このデータの置換は、1行内の展開密度を
等しくするように行われ、これによって印字ヘッドの停
止、後退、再起動の回数を減少させている。たとえば、
1行のほとんどが展開密度360DPIであり、一部展
開密度240DPIの区間がある場合、展開密度の変更
点において、印字ヘッドを一旦停止し、後退させ、再起
動するより、展開密度240DPIの区間での印字ヘッ
ドの速度がたとえ遅くなっても、この区間を360DP
Iに置換して、印字ヘッドの移動速度を一定としたほう
がスループットが短くなる場合がある。このような場
合、図11に示す240DPIの「7」の文字を、同じ
「7」を示す(図12参照)360DPIフォントに置
換すれば、1行印字中の印字ヘッドの移動速度を一定と
することができる。
【0053】図13および図14には、本実施形態の制
御フローのチャートが示されている。プリンタ1は、ホ
ストコンピュータ2から送られてくる1行の印字データ
をインタフェース部6で受信し、受信したデータを受信
バッファ7に格納する(S130)。これらの制御は、
プログラムROM4内のプログラムが行っている。次に
データ解析部19で受信された1行のデータの解析を行
う(S131)。解析されたデータが、同一の展開密度
であるか否かが判断される(S132)。同一展開密度
であれば、ステップS102に移行し、ステップS10
2からS110が実行される。ステップS102からS
110についてはすでに詳述したので、ここでは省略す
る。
【0054】ステップS132において、1行中に複数
の展開密度があるとされた場合、従来の制御のとおり印
字を行った場合のスループットs1 (第1実施形態参
照)を算出する(S133)。また、最も大きな展開密
度で、1行内の展開密度を統一し、印字を行った場合の
スループットを算出する(S134)。このスループッ
トは、第1実施形態のスループットs2 と等しい。これ
らスループットを比較して、従来の制御の方が短い場合
(s1 ≦s2 )、ステップS102に移行して、従来と
同様の制御を行う。
【0055】また、展開密度を置換して統一した場合の
方が短い場合(s1 >s2 )、最大の展開密度であるか
が判断される(S136)。そして、最大展開密度の場
合、通常に展開され(S137)、そうでない場合、こ
れと同じ文字を表す最大展開密度の文字フォントをフォ
ントROMから呼び出して、これに置換する(S13
8)。1行の展開が終了したかが判断され(S13
9)、終了していない場合ステップS136に戻る。1
行の展開が終了した場合、ステップS105に移行す
る。
【0056】本実施形態によれば、受信されたデータの
展開密度に対応した印字ヘッドの速度で印字を行う場合
と、1行中の展開密度が最大の展開密度となるように展
開密度を置換して印字を行う場合とのスループットを算
出し、短い方の制御で印字が行われるので、印字時間を
短縮することができる。また、1行中の展開密度が同一
となった場合は、印字ヘッドの停止、後退、再起動の回
数が減るので、これに伴う騒音が低減する。また、スペ
ーシング機構の寿命も延ばすことができる。
【0057】第6の実施形態 図15は、第5の実施形態にかかわるプリンタの構成ブ
ロック図である。図15において、従来の装置と同様の
構成については、同一の符号を付しその説明を省略す
る。本実施形態にかかわるプリンタ1において、特徴的
なことは、データ解析部20に密度判断部20a、1行
の文字の印字に要する時間であるスループットを算出す
るスループット算出部20b、このスループットに基づ
いて制御方法を決定する判定部20c、さらに後述する
場合において印字データの変換を行うデータ変換部20
dが含まれている点にある。
【0058】密度判断部20aは、受信した印字データ
の解析結果に基づき、1行中の文字展開密度が等しい
か、異なる展開密度の文字が含まれるかを判断する。1
行中の展開密度が等しい場合は、データ展開部10にて
データを展開し、第1および第2のラインバッファ1
1,12に展開されたデータを格納する。また、1行中
に異なる展開密度の文字が含まれている場合、スループ
ット算出部20bにて、展開密度ごとに印字ヘッドの速
度を変えて印字を行った時のスループットと、後述する
印字データの変換を行った場合のスループットを算出す
る。そして、判定部20cにおいて、前述の2種のスル
ープットの短い方を選択する。データ変換部20dは、
必要に応じて文字フォントの変換を行う。
【0059】このデータの変換は、1行内の展開密度を
等しくするように行われ、これによって印字ヘッドの停
止、後退、再起動の回数を減少させている。たとえば、
1行のほとんどが展開密度360DPIであり、一部展
開密度240DPIの区間がある場合、展開密度の変更
点において、印字ヘッドを一旦停止し、後退させ、再起
動するより、展開密度240DPIの区間での印字ヘッ
ドの速度がたとえ遅くなっても、この区間を360DP
Iに変換して、印字ヘッドの移動速度を一定としたほう
がスループットが短くなる場合がある。このような場
合、図16に例示するように、2×2のドットを3×2
のドットに変換することによって、フォントデータの変
換を行うことができる。また、ドットをひとつおきに2
倍する方法などを採ることもできる。
【0060】図17および図18には、本実施形態の制
御フローのチャートが示されている。これらの図におい
て、第5実施形態の制御フローと同様のステップについ
ては、同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施
形態において特徴的なことは、ステップS140にて、
異なる展開密度の文字を、図16に例示された変換方式
により変換し、1行内の展開密度を統一した場合のスル
ープットを算出する点にある。さらに、ステップS14
1においては、最大展開密度でない文字に対して図16
に例示されるような変換方式に基づき変換を行う。
【0061】本実施形態によれば、受信されたデータの
展開密度に対応した印字ヘッドの速度で印字を行う場合
と、1行中の展開密度が最大の展開密度となるように展
開密度を変換して印字を行う場合とのスループットを算
出し、短い方の制御で印字が行われるので、印字時間を
短縮することができる。また、1行中の展開密度が同一
となった場合は、印字ヘッドの停止、後退、再起動の回
数が減るので、これに伴う騒音が低減する。また、スペ
ーシング機構の寿命も延ばすことができる。
【0062】第7の実施形態 前述してきた各実施形態は、2種類のスループットを算
出し、これらを比較して短いスループットの方法で印字
を行うが、本実施形態の場合は、前述した各実施形態の
スループットを各々算出し、これら中の最も短いスルー
プットの方法で印字を行う。
【0063】本実施例によれば、種々の印字制御のう
ち、最もスループットが短くなる制御方法を選択するこ
とができ、印字時間を短縮することができる。また、1
行中の展開密度が同一となった場合は、印字ヘッドの停
止、後退、再起動の回数が減るので、これに伴う騒音が
低減する。また、スペーシング機構の寿命も延ばすこと
ができる。
【0064】
【発明の効果】以上、本発明によれば、展開された1行
のデータを印字するときに、少なくともふたつの制御方
法で行った場合のスループットを算出し、これらのスル
ープットのうち最も短くなるものの制御方法で印字を行
うことができる。したがって、短時間で印字が可能とな
る。また、1行中の展開密度が同一となった場合は、印
字ヘッドの停止、後退、再起動の回数が減るので、これ
に伴う騒音が低減する。また、スペーシング機構の寿命
も延ばすことができる。
【0065】より具体的には、請求項1に記載の発明に
おいては、展開密度ごとに異なる速度で印字ヘッドを移
動させる従来の制御方法と、1行の移動速度を一定とし
て停止・後退・再起動を行わないようにする制御方法と
のいずれか短い時間で印字ができる方法を選択するの
で、印字時間を短くすることができる。また、印字ヘッ
ドの停止・後退・再起動の回数が減少するので、これに
伴って騒音が低減し、寿命も長くなる。
【0066】また、請求項2に記載の発明においては、
印字時間の短い制御方法を選択して、印字機構部の制御
を行うので、印字時間の短縮される。なお、遅い移動速
度に統一するのは、もし速い速度に統一した場合、本来
遅い速度の印字区間に関して印字不能となる場合がある
からである。前述の発明と同様、印字時間の短縮、騒音
の低減および寿命の延長が図れる。
【0067】また、請求項3に記載の発明においては、
最大展開密度以外の区間においては、印字タイミングと
ヘッドの位置が合うドット、すなわち各展開密度の最大
公約数の展開密度で印字を行うことによって、片道動作
の移動速度を統一して印字を行なうことができる。そし
て、残りのドットでは次の片道動作において、残りのド
ットの展開密度に応じた移動速度で印字ヘッドを制御す
る。したがって、2回目の片道動作は、通常1回目の片
道動作より速い速度とすることができる。よって、前述
の発明と同様に、第1の印字時間より短縮される場合が
考えられる。前述の発明と同様、騒音の低減および寿命
の延長も図れる。
【0068】また、請求項4に記載の発明においては、
1行内に2種の展開密度の区間がある場合、1回目の片
道動作で第1種の展開密度の区間を印字し、2回目の片
道動作で第2種の展開密度の区間を印字することができ
る。この場合の第1の印字時間より短縮される場合が考
えられる。前述の発明と同様、騒音の低減および寿命の
延長も図れる。
【0069】また、請求項5に記載の発明においては、
展開密度が統一されるので、印字ヘッドの移動速度も当
然統一され、第1の印字時間より短縮される場合が考え
られる。また、前述の発明と同様、騒音の低減および寿
命の延長も図れる。
【0070】また、請求項6に記載の発明においては、
ひとつの文字に対して、予め各展開密度のフォントデー
タを記憶しておくことにより、これを用いて展開密度を
統一することができる。そして、印字ヘッドの移動速度
が一定となれば、第1の印字時間より短縮される場合が
考えられる。また、前述の発明と同様、騒音の低減およ
び寿命の延長も図れる。
【0071】また、請求項7に記載の発明においては、
一つの文字に対し各展開密度のフォントを記憶しておく
必要がなくなり、フォントROMの容量を大きくする必
要はなくなる。そして、印字ヘッドの移動速度が一定と
なれば、第1の印字時間より短縮される場合が考えられ
る。また、前述の発明と同様、騒音の低減および寿命の
延長も図れる。
【0072】また、請求項8に記載の発明においては、
印字ヘッドが後退することがないので、騒音を低減する
ことができ、また、印字起動にかかる時間がなく、個々
の展開密度に対応した速度で移動させることができるの
で、印字時間を短縮できる。
【0073】また、請求項9に記載の発明においては、
最も短時間で印字を行うことができ、印字ヘッドの起動
動作も少なくなるので、騒音が低減され、寿命も延ばす
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態にかかる装置の構成を
示す図である。
【図2】 スループットの算出方法を説明するための図
である。
【図3】 本第1実施形態の制御を示すフローチャート
である。
【図4】 本発明の第2実施形態にかかる装置の構成を
示す図である。
【図5】 本第2実施形態の制御を示すフローチャート
である。
【図6】 本発明の第3実施形態にかかる装置の構成を
示す図である。
【図7】 本第3実施形態の制御方法を説明するための
図である。
【図8】 本発明の第4実施形態にかかる装置の構成を
示す図である。
【図9】 本第4実施形態の制御方法を説明するための
図である。
【図10】 本発明の第5実施形態にかかる装置の構成
を示す図である。
【図11】 本第5実施形態の制御方法を説明するため
の図である。
【図12】 本第5実施形態の制御方法を説明するため
の図である。
【図13】 本第5実施形態の制御を示すフローチャー
トである。
【図14】 本第5実施形態の制御を示すフローチャー
トである。
【図15】 本発明の第6実施形態にかかる装置の構成
を示す図である。
【図16】 本第6実施形態の制御方法を説明するため
の図である。
【図17】 本第6実施形態の制御を示すフローチャー
トである。
【図18】 本第6実施形態の制御を示すフローチャー
トである。
【図19】 従来の装置の構成を示す図である。
【図20】 従来の制御方法を説明するための図であ
る。
【図21】 従来の制御方法を説明するための図であ
る。
【図22】 従来の制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 プリンタ、2 ホストコンピュータ、3 CPU、
4 プログラムROM、5 フォントROM、6 イン
タフェース、7 受信バッファ、8,14,15,1
6,19,20 データ解析部、9 印字制御部、10
データ展開部、11,12 ラインバッファ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長尾 正人 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 金井 威典 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 品田 幹夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−52764(JP,A) 特開 平3−112670(JP,A) 特開 平5−64919(JP,A) 特開 平5−138879(JP,A) 特開 平5−238069(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/51 B41J 19/18

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリンタの印字ヘッドを紙送り方向と直
    交する方向に駆動する印字機構部の制御方法において、 1行中に複数の展開密度が含まれる場合、 展開密度が変わるごとに、印字ヘッドを一旦所定距離後
    退させ、展開密度に応じた速度まで再加速して印字した
    場合の1行の印字に要する第1の印字時間を算出するス
    テップと、 印字ヘッドの往復動作のひとつの片道動作の間において
    同一の速度で印字した場合の1行の印字に要する第2の
    印字時間を算出するステップと、 前記第1および第2の印字時間を比較し、短い時間の制
    御方法を選択するステップと、 選択された方法により印字機構部を制御するステップ
    と、を含むプリンタの印字機構部の制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプリンタの印字機構部の
    制御方法において、前記第2の印字時間は、ひとつの片
    道動作において、当該動作の最大展開密度に応じた速度
    で印字を行った場合の所要時間である、プリンタの印字
    機構部の制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のプリンタの印字機構部の
    制御方法において、前記第2の印字時間は、第1の片道
    動作において、最大展開密度に応じた速度で、かつ前記
    最大展開密度以外の区間においては、各展開密度の最大
    公約数の展開密度で印字し、第2の片道動作において
    は、残りのドットに、このドットの展開密度に応じた速
    度で印字を行った場合の所要時間である、プリンタの印
    字機構部の制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のプリンタの印字機構部の
    制御方法において、前記第2の印字時間は、ひとつの片
    道動作において、ひとつの展開密度の区間のみ印字を行
    った場合の所要時間である、プリンタの印字機構部の制
    御方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のプリンタの印字機構部の
    制御方法において、前記第2の印字時間は、1行の展開
    密度を統一して印字を行った場合の所要時間である、プ
    リンタの印字機構部の制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のプリンタの印字機構部の
    制御方法において、前記展開密度の統一は、最大展開密
    度以外の展開密度の文字を、予め記憶されたこの文字の
    前記最大展開密度のフォントに置換してなされる、プリ
    ンタの印字機構部の制御方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のプリンタの印字機構部の
    制御方法において、前記展開密度の統一は、最大展開密
    度以外の展開密度の文字を、最大展開密度のフォントに
    変換してなされる、プリンタの印字機構部の制御方法。
  8. 【請求項8】 プリンタの印字ヘッドを紙送り方向と直
    交する方向に駆動する印字機構部の制御方法において、 1行中に複数の展開密度が含まれる場合、展開密度の変
    わり目において、前後の印字間隔が印字ヘッドの加速ま
    たは減速に必要な所定値以上であるかを判断するステッ
    プと、 前記印字間隔が前記所定値以上である場合、展開密度の
    変わり目において印字ヘッドの移動方向を変えることな
    く加速または減速を行って、次の展開密度の区間の印字
    を指示するステップと、を含むプリンタの印字機構部の
    制御方法。
  9. 【請求項9】 プリンタの印字ヘッドを紙送り方向と直
    交する方向に駆動する印字機構部の制御方法において、 1行中に複数の展開密度が含まれる場合、 展開密度が変わるごとに、印字ヘッドを一旦所定距離後
    退させ、展開密度に応じた速度まで再加速して印字した
    場合の1行の印字に要する第1の印字時間を算出するス
    テップと、 請求項1から7に記載された第2の印字時間および請求
    項8に記載された印字間隔が所定位置以上ある場合の印
    字時間のうち少なくともふたつを算出するステップと、 前記算出された印字時間のうち短い時間の制御方法を選
    択するステップと、 選択された方法により印字機構部を制御するステップ
    と、を含むプリンタの印字機構部の制御方法。
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